2017.09.20

■感想 『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第6話


Sharon Van Etten - Tarifa (Twin Peaks 2017) - YouTube

 前回の記事、なかなかの衝撃で8話をレビューしましたが、2話分飛ばしてしまったので、順番が逆になりますが戻ってまずは6話の感想です。
 



★★★★★★★★★★ ネタバレ注意 ★★★★★★★★★★




 

 今回の見どころは何と言っても、あのダイアンがついに画面に登場すること。
 シーズン1,2でクーパーの口述筆記の相手としていつも名前のみ登場(映画『ローラ・パーマー最期の七日間』ではクーパーが部屋越しにダイアンへ話しかけるシーンがあったが姿は見せなかった)、もしかしたら架空の存在じゃないかとも言われていた「ダイアン」がテレビ映像として現実化する。

 アルバートが 夜のMax Von’s Barで声をかけて振り向くその女性は、、、、。まさかのあの女優のこの役での登場に吃驚するとともに、確かにこの方しかないかもしれないという思いも。今後の彼女とクーパーの絡みもとても楽しみになりました。そしてダイアンが噂だけ聞いていたRRダイナーのチェリーパイとコーヒーを味わうことがあるのかどうかも注目(^^)。

 そして強すぎるお母さん、ナオミ・ワッツ!(^^) ギャングを叱り飛ばし、借金を半分に値切るしっかりものw。

 現在、ナオミ・ワッツ、48歳なんですね。カイル・マクラクランは58歳。役の上での年齢設定は不明だけど、少しぼやっとしてるっぽかった(クーパーに置き変わる前の)ダギーには、ひと回りくらい年齢が下な奥さんが合うのかも(^^)。
 結構母性本能をくすぐるタイプと推定(^^)。赤ちゃん化しても、全く別人と思われないのは、もともと頼りないタイプでないかとw。

 それにしてもダギー・クーパーはいつ元のクーパーに戻るのであろうか。
 RRダイナーのチェリーパイとコーヒーを食して元に戻るに1票(^^)。あるいはアニーとの再会か(と急に真面目になる)。

 先日惜しくも亡くなってしまった名バイプレイヤー ハリー・ディーン・スタントンの登場も嬉しい。そして『ローラ・パーマー最期の七日間』に出てきたファット・トラウト・トレーラハウスの謎の電信柱も出た。324810と6の番号の謎。

 そしてリチャード・ホーンとヤクの取引で揉めるバルサザール・ゲティ演じるレッドという男。この男の使う超能力の描写が今後どう活きてくるか。
 この超能力を見て僕はトレモンド夫人の孫かもと思ったんですが、どうなんでしょう。
 このバルサザール・ゲティの実年齢は42歳。『ロストハイウェイ』にも出てた役者らしいが、年齢から考えるとトレモンド孫には少し老けすぎかも。
 この2人の行っちゃってる噛み合わない会話がリンチ的で怖い。

 それにしてもこの後のリチャードの行動は、酷過ぎ。 ググるとリチャード役のEamon Farrenは、1985年生まれで32歳。ホーン姓から考えると、オードリーの子の可能性もあるが、年齢的には少し年で合わないか。年齢からは、ベンがよそで作った子という線もあるのかもしれない。

 冒頭に引用した今回のバンバン・バーの曲 Sharon Van Ettenの "Tarifa" ほんと、リンチの音楽趣味は良い! 僕はリンチのサントラ聴きすぎて、リンチ音楽脳に矯正されてて既に客観視点は持てないのだが…(^^;;)

 今回、さらに物語の展開より、情感質感の描写が増えてる印象。リンチのアート思考の強化と『ツインピークス読本』にあった老人化によるスピードの遅速化があるのかもしれない(^^)

  今回ラストが特に通常の連続ドラマ的でなく途中ぶつ切り感があった。フランク・トルーマン保安官と妻ドリスの息子に関するエピソードで終わるという途中感。最後のロードハウスでの歌 "Tarifa" がなかったら本当にブツギリ。

 このエンディングのアイデアも、全18時間あまりの大長篇を切り分けて放映するにはナイスな考えだったわけだ(^^)。

◆関連リンク
本エピソード wiki
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第8話
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感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第3話
動画『ツイン・ピークス』ペンデレツキ「広島の犠牲者に捧げる哀歌」
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第2話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第1話

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2017.09.18

■動画 オリビエ・デ・サガザンの新作「Gareth Pugh S/S 18」


Gareth Pugh S/S 18 - YouTube (★かなりショッキングですので自己責任で★)

" ‘This is not a show.’ Nick Knight and Gareth Pugh offer an exclusive visual insight into Pugh’s S/S 18 collection presented here as fashion film. In collaboration with philosophical artist Olivier de Sagazan, Pugh explores the extremities offered by the elements and the raw physicality of humanity."

 以前に紹介した粘土を顔や体に塗りたくって人体変容をパフォーマンスするフランスのアーティスト オリヴィエ・デ・サガザンの新作の衝撃。(冒頭1/3ほどがサガザン作品。サムネイルの赤い服のアートは別の方の作品です)。

 WOWOWでリンチ『ツインピークス』放映のない今週は、このシュルレアルで抜けた穴を埋めて下さい(僕だけか...(^^;))。

 今回の新しさは、二人の人間による粘土を用いた人体変容。
 ふたりの男の頭が融合し分離したり、合体した上で大きな口が開いたり、そして後半の腹部の拡大とその中へのダイブ。特にこの後半はなかなかの衝撃度。

 セクシャリティの問題と生命の根源みたいなものがゴチャ混ぜになった面妖さ。僕にはここのシーン、相当の衝撃だった。皆さんの感想も是非お聞かせください。

◆関連リンク
Olivier de Sagazan "performance O de Sagazan 08" オリビエ・デ・サガザン 人体変容パフォーマンス:Performance Transfiguration
サガザン 当ブログ関連記事 Google 検索

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2017.09.11

■感想 『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第8話


The Nine Inch Nails in Twin Peaks - YouTube

 ついに放映された北米で話題騒然の第8話。まさに噂に違わぬ問題作。
 想像を絶する混沌と闇。これはデイヴィッド・リンチの実験映画としての最高傑作かもしれない。
 これを連続ドラマの一本として放映したというのは正に事件。
 例えるなら、『宇宙家族ロビンソン』(もちろんもっとダークだけど...)のある回が、突然『2001年宇宙の旅』を放映してしまったような...w。

 そしてニューメキシコのホワイトサンズで1945年に実施された人類初の核実験であるトリニティ実験 (Wikipedia)の原爆爆発シーン、『幻詩狩り』のように言葉による死者。
 悪の存在が伝播するその様は、SFとして観ても、相当ハイレベルな出来になっていると思う。
 

★★★★★★★★★★ ネタバレ注意 ★★★★★★★★★★




 冒頭に引用したトレント・レイズナーによるノワールな一曲「She’s gone away」。この後、以前記事に書いたペンデレツキ「広島の犠牲者に捧げる哀歌」をBGMにしたデイヴィッド・リンチ渾身の原爆映像が流れる。

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 この取り合わせのなんたる破壊力。この第8話の白眉のシーン。このペンデレツキの曲と映像は、『2001年宇宙の旅』のクライマックスのジョルジュ・リゲティ『アトモスフェール』に匹敵するかと。

 しかもその後も実験映像は続く。
 今回は、CGをリンチが縦横無尽に使うとこういう映像が創造されるという回だった。以前はデジタル(正確にはフィルムに対するデジタル撮影のことを言っていたのだけど...)を否定していたように思うけれど、密かにこんな企みをしていたわけだ。

 蛙蜚蠊蝗という不思議な生物とか、空中に生まれるボブとか、そしてホワイトサンズでのあの業火の描写とか。もうひとつ美しかったのが、原爆シーンのあとに流れた海の映像とそこにある孤島とその上に立つドイツ表現主義風の白い建物とその内部。

 ここに居るセニョリータ・ディド(Senorita Dido)と巨人。
 オペラ座のようなステージがある広大な部屋と、そこに置かれた鐘と、そしてスクリーンに映し出されるトリニティ実験とその渦中でのボブの誕生(?)。

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 ここの部屋の床の表現も素晴らしい。なんなのだろうあの不可思議で魅力的な文様。みてるだけでワクワクするあの映像。そこを基調として描かれるステージ上空の歯車と巨大な管楽器。そこに現れるローラ・パーマーの黄金球体。素晴らしいイマジネーションの飛躍である。ここで『ツインピークス』の本当の物語が始まったのかもしれない。

 8話を観終わって解禁した『ツインピークス読本』。

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 滝本誠師によると、ラジオ局KPJKシーンはエドワード・ホッパーの絵画「夜のオフィス」の再現だったりするらしい。リンチのホッパー好き、極めれり。

 その後に続く、どこかの田舎町の少年と少女の物語。

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 クレジット(右)には、この二人、Girl (1956), Boy (1956)となっている。さすがにまだ名前は明かしてもらえないw。僕は少女がベッドに座っている時の脚のアザが妙に何故か気になった(下の引用画像)。そして口から入っていく蛙ゴキブリ蝗(?)。

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 あの生物は悪の化身に見えるのでキラーボブだとすると、サラに宿ってリーランドに取り憑いたとかそんなルートも考えられる。ただし、あの少女と少年はニューメキシコに住んでいるとすると別人の可能性も十分あるが、、、。

 リンカーンに似た(町山智浩氏によると、リンカーンのモノマネを得意とするコメディアンが演じているらしい)ウッズマンと名付けられた黒い顔の怪力の男。
 彼が奏でる言葉の兵器。
 "Got a light. This is the water. And this is the well. Drink full and descend. The horse is the white of the eyes and dark within. "
「火、あるか? これが水だ。そしてこれが井戸。全て飲み干し降りて行け。この馬は白眼で、中は闇。」

 「Gotta light」は核の火を得た、という意味も内包してるんだろうか。そうすると日本語訳「火、あるか?」はニュアンスが合わないかもしれない。(Facebookの非公開グループ「ツインピークス」のお仲間に伺ったところでは「Gotta light」は英語表現で煙草の火を借りる慣用句そのものらしいので深読みの必要はないのかもしれない...)

 最後に流れる馬の鳴き声。
 ツインピークスで馬と言えば、こちらの白馬。ウッズマンが言う馬は、シーズン1,2に登場したこの白馬なのだろうか??

 このあとの展開は予想もできないが、まさに次が待ち遠し過ぎる。でも次回WOWOW放映は2週間後。リンチ映像ヘロイ◯の禁断症状が出ること必至ww。

◆関連リンク
Trinity Atomic Test complete takes - YouTube
 1945年ホワイトサンズ、世界初の原爆実験のリアル実写映像。 リンチの描いたものとは印象がずいぶん違いますが、これも充分に恐ろしい。
David Lynch talks about seeing "frog moths" - YouTube
 あの少女の口の中に入っていく蛙ゴキブリ蝗は、リンチ自身が「Frog Moths : 蛙蛾」と呼んでいるようです。
内藤理恵子 のブログ: あの!わけのわからない!新作ツインピークス第8話がだいたいわかるようになるページ(少なくとも悪クーパーモミモミの元ネタはわかる)
 これは読みが深そうですが、ネタバレがやばそう。みなさん自己責任でw。
 これを読んでコクトーが観たくなり、Amazonで『詩人の血』を(中古で)ポチりました。 このブログを書かれてる内藤理恵子さんという方、愛知大の宗教学の先生で、WOWOW の特番に出てた方! おまけに『ツインピークス読本』でアメリカ文学の歴史をなぞってる分析とか登場人物紹介を書かれてた。
内藤理恵子さん wiki
 以下引用
 "「ツイン・ピークス」新シーズン独占!WOWOW9時間無料放送 2017年7/1(土)午後1:00~夜10:00 ドラマ解説者として出演"
 この内藤理恵子さん、葬送,死者儀礼,墓石など、この世とあの世の狭間を研究されている様で、正にツインピークスの、特にブラックロッジを深く語られる方の様です。Facebook の記事も多く一般公開されていて興味深いので、つい読みふけってしまいました。
Nine Inch Nails Lyrics - She's Gone Away 歌詞Google 翻訳
本エピソード wiki (8話は異例の1エピソードだけで詳細wikiが立っている)
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第5話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第4話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第3話
動画『ツイン・ピークス』ペンデレツキ「広島の犠牲者に捧げる哀歌」
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第2話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第1話

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2017.09.06

■感想 『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第5話


Trouble - Snake Eyes | Twin Peaks 2017  Part 5

 今回は前回に続き、ツインピークスの街のシーンが多くなり、シーズン1,2の雰囲気を継承し、そしていろんな謎が具体的な形でいろいろ出てきて、ツイン・ピークスらしい話に。



★★★★★★★★★★ ネタバレ注意 ★★★★★★★★★★



 ダギーを始末するように指示されているらしき殺し屋2人。電話の相手はロレインという人相の悪い中年女。Blackberryで「URGENT 2」というテキストを送信。蜘蛛の巣の張った裸電球のある場所で奇妙な四角い装置の音が鳴る。

 ダギーが殺し屋に狙われるのは、本業の保険金絡みの可能性がありますね。
 元々仕事はできなさそうなので、悪党と組むことで仕事の成果を出してたとか…。その報酬の5万ドルの借金で首が回らなくなってた可能性もあるかと。

 そしてサウスダコタの警察の検死のシーン。変死体(首のない男側)の腹から出てきた指輪に、"To Dougie, with love, Janey-E"の文字。ジェニーEがダギーに送った指輪!
 例の殺し屋たちの陰謀の可能性もあるかと思うけれど、それじゃあ普通の犯罪物になるので、おそらくもっと超自然な事件なのかもw。

 シーンは独房のワイルド・クーパーへ。
 鏡をみて、まだボブは自分の中に、というようなことをつぶやく。
 ドッペルゲンガー・クーパーの悪の源泉。映像的には薄くボブの顔が被さったような微妙な描写が良かったですが、これはボブ成分が薄くなっていることも表しているのだろうか。

 ツインピークスの町のある会社の面接風景。社長はなんとボビーの友達マイク・ネルソン。ネイディーンとの恋から厚生し、立派になったものです。で、スティーブンというチンピラに説教して面接から追い返す。

 この男がシェリーの娘、アマンダ・サイフリッド演じるレベッカ(・ベッキー)・バーネットの彼氏というか既に夫となっている、スティーブン・バーネット。エンドクレジットの名前からはそう判断できます。

 今回はリンチの映像幻想コカイ◯度は低かったけど、本物の粉が出てきてしまった。シェリーの娘と彼氏がいっちゃってるのが心配。親子揃って危険な男に惹かれるタイプなのか??
 彼女が空を見上げて恍惚とするのを天から写したシーンは、車がクラッシュしそうな予感でドキドキし(おまけにシートベルトしてないし)、映像的に今回の白眉。(それにしてもこの娘の父親はボビーなのか??)

 そしてもうひとつの今回の見所は、刑務所のドッペルゲンガー・クーパーの電話を使ったハッキングと謎のセリフ「牛は月を飛び越えた」のシーン。
 プッシュホンでハッキングできてしまうって余りにも脆弱ww。どういうシステムなんだろう(^^;)。

 「牛は月を飛び越えた」、うーん、シュールだ。
 このセリフで冒頭に出てきた裸電球の部屋にある黒い箱がブエノスアイレスのものであることがわかる。黒い箱の変異。いったいブエノスアイリスで何が起きているか。ここでフィリップ・ジェフリーズにつながっていきましたね。本当にデイヴィッド・ボウイが亡くなったのが残念。

 謎としては、他にもタミー捜査官(クリスタ・ベル)が指紋を確認していたシーン、「クーパーのファイル上の指紋がドッペルギャンガーの逆であることを発見」とのこと。これも面白いですね。観てるだけでは気付かなかった!

 バンバンバーのTrouble - Snake Eyesの曲のシーンで、リチャード・ホーン登場。
 ラストはひとひねり。いつものバン・バン・バーの歌(今回はリンチの息子ライリーのバンドの演奏)で終わるかと思いきや、勤め先のLUCKY 7 INSURANCE社の前の銅像の横で立ち尽くすクーパーのバックに流れるジャズで締める。哀愁が良かったが、どうなるクーパー!?

 それにかぶるエンドクレジットに流れるのはこの曲。
 JOHNNY JEWEL "WINDSWEPT" (Youtube) 、ChromaticsによるPVもめちゃ渋い。特に黒猫がかっこいいので一見の価値あり。

 そしてそのJOHNNY JEWELのアルバム"WINDSWEPT"のプレイリスト(リンク先)。渋すぎる。 

◆関連リンク
本エピソード wiki
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第3話
動画『ツイン・ピークス』ペンデレツキ「広島の犠牲者に捧げる哀歌」
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第2話
感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第1話

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2017.09.04

■感想 『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 2017 第4話


Au Revoir Simone - "Lark" (Twin Peaks 2017)

 しばらく夢中に見続けてw、感想をアップしていなかった『ツイン・ピークス』Season 3について、各話レビューの続きを書きます。現在、第7話が終わったところです。いよいよ噂の第8話に突入する前に復習兼ねてw。



★★★★★★★★★★ ネタバレ注意 ★★★★★★★★★★




 カジノでミスター・ジャックポッドと呼ばれるに至ったダギー(・ジョーンズとして現生に舞い戻った)・クーパーの物語が続きます。

 ナオミ・ワッツ演じるダニーの妻 ジェイニーE・ジョーンズとのやりとりがいちいち笑えます。極め付けはダギー・クーパーが、ネクタイを頭に巻いて食べる朝食とコーヒーのシーン、そしてトイレに行けなくて股を抑えるシーンでしょうか。

 息子のサニー・ジムとの目での心の通い合ったような会話もいいです。
 ここから入れ替わる前のダギーも、どこか子供心を持ち続けている人物だった気配。


 ジャズスタンダード「Take Five」をBGMにした朝食シーンの軽快感と漂うユーモアは今シーズンの一服の清涼剤です。

 そしてゴードン・コールが首相補佐官に出世しているシーズン2の登場人物であるデニースとの会話。リンチの演じるゴードンの実直だけれど女好きな描写も味わい深い。自分の絵的な魅力もよく理解しているリンチ絶妙の自己演出ですw。

 保安官事務所、ハリーの兄のフランク・トルーマン保安官の登場と、保安官助手(?)になっていたボビー。ひさしぶりに捜査の対象として写真がテーブルの上に立てられたローラ・パーマーの顔を見て、いろいろなことがこみ上げてきて泣き出すボビーの姿が、バダラメンティのローラ・パーマーの曲と相まって、ファンの涙を誘います。このシーン、俄然本来のツイン・ピークスの世界観を思い出させます。やはりこの町の中心には空虚なローラの顔がよく似合う。

 ボビーが、父親であるブリッグス少佐が生前最後に会ったのがクーパーで、会った次の日に基地の火事で死んだ、と語る。ブリッグス少佐はブルーブックに関係していたり国家機密である何かに絡んでいて、今回のキーになるような気がするので、興味深い。

 保安官事務所に現れるアンディとルーシーの息子 ウォリー・ブランド。なぜに息子の名字がブレナンでないのかが気になりますが、息子の詩人的な言葉が『ツイン・ピークス』の底流に流れるビートニク的な雰囲気を醸し出していて、渋いです。アンディとルーシーが息子を誇らしく眺めているシーンも好きです。にしてもこの若者は本当にアンディの子供なのか(ルーシーをめぐる恋敵のデパートマン、リチャード・トレメインの子供なのか...w)。
 この後も
ウォリーは物語に絡んでくるように思えます。

 サウスダコタに収監されているワイルド・クーパーとゴードンの面会。
 クーパーの語りの異常さは何なんでしょう。噛み合わない会話の妙も今シーズンの特徴的なポイントですね。にしてもゴードンとアルバートと同行するタミーのプロポーションw。腰をクネクネさせて醸し出されるセックスアピールは強烈です。これもリンチ趣味なのだろうな〜ww。

 数年前のフィリップ・ジェフリーズ捜査官にまつわる件でアルバートが語る言葉。
 コロンビアの男の名前をアルバートがクーパーに伝え、その後一週間でその男が死んだ、というのは、今後の謎にかかわるポイントかも。

 ゴードンはアルバートとの会話で補聴器のレベルを上げて小声で話す。そんなところへコンクリート路面を擦るアルバートの靴の音。ゴードンの脳に突き刺さる鋭い音。ここらは音響設計も担当しているリンチのこだわり。

 アルバートが語る「ブルー・ローズ」という言葉も、FWWMにつながるキーワード。ブルーブックとの関係も気になります。

 今回は、奇想シーンはグッと少なくなっていた(ダギー家での片腕の男マイクの幻影だけか...?)。いよいよドラマは前作までのツイン・ピークスの物語にリンクし始め、ソープドラマ部分の、ファンには嬉しいあのドラマが帰ってきた雰囲気。

 

◆関連リンク
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感想『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第2話
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2017.08.30

■感想 山田正紀『ここから先は何もない』Beyond Here Lies Nothin'


Bob Dylan:ホブ・ディラン- Beyond Here Lies Nothin' - YouTube

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ここから先は何もない :山田 正紀|河出書房新社

"小惑星探査機が採取してきたサンプルに含まれていた、人骨化石。その秘密の裏には、人類史上類を見ない、密室トリックがあった……!

小惑星から発見された、化石人骨“エルヴィス”とは?3億キロの密室殺人。一気読み必至!超弩級エンタテインメント"

 壮大な地球生命史、人類史、そして宇宙の人工知能の歴史がボブ・ディランの歌のタイトルと呼応し、素晴らしいハーモニーを奏で、そして絶望を謳っている。

 ここでもある意味、山田正紀がデビュー長篇『神狩り』からテーマとしてきた、神との闘いが描かれていると言ってもいいかもしれない。

 壮大な宇宙の歴史、人類の存在意義といったSFの王道のテーマで今回山田正紀が描いたのはその存在の虚無である。まさに「Beyond Here Lies Nothin' ここから先は何もない」。

 しかしそれでもポジティブに登場人物たちを描く山田正紀の筆致が心地いい。
 宇宙の物語であるのに、市井の人々の地上の視点が貫かれている。山田正紀の得意とする必ずしも優秀でない若者たちがその自身の持てる力を尽くして戦う姿が最初から描かれていることにより、描かれた虚無がどこか相対化されていく。
 これが本書の読後感を、冷たくも暖かくしている所以なのだと思う。

 壮大な宇宙の推理トリック、宇宙史、人類史といった彼方の視点と若者の奮闘する姿。こうした幅広い視点が、「想像できないものを想像する」山田SFの真骨頂である。本書はそれを苦くも心地よく描いた山田ファンへの見事なプレゼントである。

◆関連リンク
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2017.08.28

■感想 「奈良美智 for better or worse」展 @ 豊田市美術館

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奈良美智 for better or worse(豊田市美術館 公式サイト)
 以前に古典以外で何枚かの作品を観ているが、これだけまとまって奈良美智作品を鑑賞したのは初めて。

 実は奈良作品にもっと稚気にあふれた印象が強かったのだが、全体を鑑賞した感想は、もっと反逆というか呪咀に満ちた絵だというイメージ。その理由は手に持つナイフや邪悪な視線。

 特にこの女の子たちの視線は、観客を通り越して、観客の背後の不可思議な世界を見ているように感じられる。そしてその彼女たちが見ている光景を展示会の途中から想像したら何だか寒気がして来た。

 この感覚が奈良作品のもしかして真髄なのかと感じたのは、その大小はあれ、一緒に行った家族もだったので、あながち間違いではないのではないのかもしれない。実は奈良作品論とか美術界方面の批評を見ていないので全くの的外れなのかもしれない。

◆キャシー・オリヴィスと奈良美智作品
 「奈良美智 for better or worse」展を観てきた印象の強いうちに、と以前から気になっていたキャシー・オリヴィスと奈良美智作品の違いを考えてみた。(異なるアーティストの作風の違いを云々することの無粋をご容赦ください。僕にはずっと気になっていたのでここにメモしておきます)

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 Google画像検索で比べてみるとよくわかる。

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 左が奈良美智、右がキャシー・オリヴィス。
 ふたりの作品は、どちらも額の広い女の子が主題になることが多い。そしてその眼の大きさと両目の間隔、全体的なバランスが近いイメージを醸し出す。

 しかし比較して並べてみた画像1枚目を見てもらうと顕著であるが、眼の形状と絵画としてのタッチが大きく違うことがわかる。奈良の眼は、今回の展示会で僕が感じた「反逆」とか「呪詛」といったイメージにつながるような半目で釣りあがっているのが特徴である。そして絵画で特に顕著だが、キャシーのそれは丸くそして眼にどこか温和さが宿る。

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 第一印象で似た感覚を持っていたので、今回、こうしてふたりの作家の違いを比べてみた。
 僕が好きなのは、絵画では奈良のタッチ。立体造形ではキャシー・オリヴァスの4本脚の女の子たちがもっとも印象に残る。絵画より色合いが薄いトーンになっているのと、造形で形状がシンプル?になっているのが、そんな感想を僕にもたらしているのかもしれない。

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2017.08.23

■感想 「テオ・ヤンセン展 人口生命体、上陸!」 @ 三重県立美術館


動く創造生命体(ビースト)=三重県立美術館でテオ・ヤンセン展 - YouTube(時事通信社)
テオ・ヤンセン展 - 三重県立美術館 開館35周年記念ll
(三重県美術館 公式)

 「テオ・ヤンセン展 人工生命体、上陸!」@ 三重県立美術館 行ってきました。

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 13体の巨大ストランド・ビースト、撮影自由だったので、3D 立体映像とパノラマVRも撮ってきました。 デモでは、2体は観客が自分で引っ張って動かせるし、大きいものはオーストラリアから来ていた助手の人がデモタイム動かしていました。

 パノラマ写真は以下に掲載しましたのでご興味のある方は、クリックください。
テオ・ヤンセン展 @ 三重県美術館 | Entapano VR

 会場は夏休みということもあり、小学生や子供が多く、この動くことで美術品になるアートを体感して楽しんでいるようでした。
 ここからビーストのDNAを受け継ぐ、巨大造形家が現れるのも楽しみです。

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 ヤンセン氏の妄想は、なかなかにSFチックで、この自らの造形物のDNAが観客の心を打って、継承されていくという考えで、おそらくそれが形態化してるのがわかるために、我々観客の心を捉えるのでしょうね(^^)。

◆関連リンク
テオ・ヤンセン 当ブログ関連記事 Google 検索

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2017.08.21

■感想 園子温監督『東京ヴァンパイアホテル』episode 1〜5


園子温監督、初オリジナル脚本ドラマ『東京ヴァンパイアホテル』予告編 - YouTube.

"本作は、地球と人類の滅亡を図る吸血族と、人類の戦いが描かれ、園子温監督にとって初のオリジナル脚本となるドラマシリーズ。

 激しいアクションパートのほか、シリアスから洒脱な演出まで園子温監督の全てが込められている。

 日本では日活撮影所にて3ステージをベースとして撮影されたほか、ヴァンパイアの故郷ルーマニア・トランシルヴァニア地方の、古代の地下道や、ドラキュラ伝説にまつわる城、地下の広大な空間サリーナ・トゥルダなどでロケが敢行された。

TOKYO VAMPIRE HOTELをAmazonビデオ-プライム・ビデオで.

" マナミは22歳の誕生日の日、居酒屋で突然、大量殺人に遭遇する。その居酒屋から、命からがら逃げた先々で、ドラキュラ族のKと、ネオ・ヴァンパイア族ことコルビン族の山田からつけ狙われる。

 マナミは、ドラキュラ一族を救うと予言された運命の子だったのだ。マナミはKに捕まりそうになったところで、反ドラキュラ勢力のコルビン族の山田に連れ去られ、彼らが人間を相手に営むホテル・レクイエム--またの名を東京ヴァンパイアホテルに監禁される。

 そして、コルビン族はこのホテルを用いた恐るべき計画を進めていた。その計画とは、人間の若い男女を大勢集め、世界が終わることを告げ、強力なシェルターでもあるこのホテルの中で生き延びることを選択させ食料(人間の血)を生涯確保するという計画だ。Kのミッションは?マナミの運命は?そして、人類とヴァンパイア族、ネオ・ヴァンパイア族の戦いが始まる。"

Amazonビデオ【東京ヴァンパイアホテル】キャストとあらすじ!園子温・最新作は映画級! | 【dorama9】.

"山田(満島真之介)という謎の男と、奇怪な女帝(安達祐実)とエリザベス・バートリ(神楽坂恵)がこのどぎつく美しい宮殿のようなホテルに住み、ホテルを取り仕切っている。招待された人々はホテル内で山田が主催する全国合コン大会に参加する若い男女たちだ。

突如、山田が「明日世界は滅び、このホテル内にいる人間だけが助かる道が残されている」と宣言をする。

どよめき、信じられない人々。

「ここにいる者たちが生き残る!我々の餌となって!」ホテルの下には広大な地下空間が広がり、人間はそこで愛を営み、人類を繁栄させ、女帝と山田ら吸血鬼コルビン族から永遠に食らわれ続けるしか存続の道がないのだという。

集められた若者一同は、完璧なシェルターであるホテルで地球と人類が滅亡するのを目の当たりにする。ホテルの外は死の灰で覆われた。"

 あらすじをリンク先から引用してみましたが、この内容からだけでは、とてもあのドラマの全貌は伝わりません。

 特にこのあらすじでうまく伝わらないと思うのは、エピソード1での東京を舞台にしたヴァンパイア族の壮絶な戦い。そこに登場するのが、殺人鬼 中川翔子。居酒屋での殺戮シーンは映像のシャープさ、演出の切れ等、見どころ満載。このエピソードの衝撃度だけでも、Amazonプライムの加入者は一度、観てみてください。

 その後に続くホテルに若い男女を集めて、、、というシーンは、若いボディコンの女の子が大勢画面に並ぶという園監督が好きな(『映画 みんなエスパーだよ!』等に顕著な)シーンを撮りたいだけって感じの、いつもの場面でなんとなくまたか感があるのですが、、、w。

 そこまでのシャープなテンポが崩れていまいち感は否めないが、そのホテルに安達祐実が一人二役で演じる怪異な女帝とか、ホテルの外の世界が終わる描写とか、奇想も盛られていて、ギリギリの線で持ちこたえているって感じ。

 とはいえ、満島真之介演じる山田と呼ばれる帝王の奇怪なハイトーンな演技とか、夏帆のシャープな演技が画面のレベルを持ち上げて、この先、何が動くか、凄く期待させる。

 SF的設定と演出力で、いままでの日本映画にはない、スケールの大きなヴァンパイアものになっているのは確実で、この後5エピソードのいく末に期待。
 最近、デイヴィッド・リンチ『ツイン・ピークス』エピソード3でリンチのシャープな奇想映像に脳内刺激を強烈に受けていてw、なかなか他の映画を観ても映像的なショックは受けることが少ないのだけれど(これをリンチ中毒というw)、園子温のパワフルで端正でそして猥雑な映像は、リンチ中毒者のWOWOWでの第4話から5話までの一ヶ月の待ちぼうけ状態の禁断症状をかなり癒してくれるのでした(^^;)。


Salina Turda from binecuvantare.ro on Vimeo

 映像としてのスケールを大きくさせているひとつの要因は、トランシルヴァニアの古城とかサリーナ・トゥルダという地下岩塩鉱山後に作られたテーマパークとかルーマニアのロケ。

 引用動画はそのテーマパーク サリーナ・トゥルダと名付けられた岩塩鉱山の跡地に作られた地下120mの遊園地でロケされたとのこと。
 動画を観ると、洞窟好きには堪らない空間感覚と、エレベータに代表される未来都市的なルックがとても面白い。こんなルーマニア、行ってみたいものですね。

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2017.08.09

■感想 アルチンボルド展 @ 国立西洋美術館

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アルチンボルド展 公式サイト
 国立西洋美術館で『アルチンボルド展』を堪能。
 ハプスブルク家のヴンダーカンマーの影響を直撃で受けた、ジュゼッペ・アルチンボルドの博物的奇想画のディーテイルを楽しみました。ちょっと作品数は物足りなかったけれど…。

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 代表作である「春」「夏」「秋」「冬」、「大気」「火」「大地」「水」がまず観れたのが大収穫。

 写実的な描写で各自然物をリアルに描き、それらを絶妙に配置することによって現れる不思議な顔。奇想であるとともにどこかユーモラスな仕掛けがされているのが、宮廷でアルチンボルドが占めていた位置をなんとなく観客に体感させていて、当時のプラハでの感覚をどこかうかがい知ることができる。

アルチンボルドメーカーによるBP像
 アップした動画は自分の顔をカメラで写すと自動的にアルチンボルド風CGを作成する「アルチンボルドメーカー」のコーナーで、僕の顔をAIが加工したCG。

 こんな進撃チックなユミルの様な顔じゃないぞ、と文句は言いたいがw、いろんな形態でアルチンボルドを自動生成するシステム「アルチンボルドメーカー」にはなかなかの感動。
 このアプリ、スマホ用に展開してほしいものです。

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 ミュージアムショップでは、このようなアルチンボルド立体造形物が売られていた。もともとリアリスティックな描写がなされているアルチンボルドの絵画なので、それを野菜等でリアル造形したものも違和感がない。

Arcimboldo sculpture - Google 検索
 ネットで検索するともっと造形物を観ることができるが、こうしたものも会場でしっかり展示されていたら、もっとインパクトがあったのではと残念だったり、、、。

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 このあたりの造形物は素晴らしいです。ぜひ、実物をいつかどこかで見てみたいもの。

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2017.08.07

■パノラマVR写真 「ゴジラ展」


ゴジラ展示 | Entapano VR
 先日レポートした「ゴジラ展」@ 名古屋市博物館.のパノラマVR写真をアップしましたのでご紹介。

 シン・ゴジラと破壊された東京駅から、平成ゴジラの雄姿がVR写真として観ることができます。なんどか書いてますが、このVRが立体視できる様なものなら、あの実物の臨場感をもっと伝えられるのではと思いますので、少々2Dでは残念です。

Entapano VR butfilp(究極映像研究所)
 こちらに僕が撮影した他のVR写真が掲載されています。

 この写真は、マウスで操作すると周辺画像が見渡すことができます。
 スマホでアクセスすれば、スマホを持つ角度を変えるだけであたかも周囲を見回している感覚で画像が動きます。もちろんそのスマホをヘッドマウントセットに装着すれば、頭の向きを変えただけで周囲を見回すことが可能。

◆関連リンク
魚眼レンズ一体型カメラ Entapano 2| Entaniya

"Entapano 2はシャッターボタン1つで水平視野250°の超広角な魚眼写真を撮影できるカメラです。 たった一枚の写真で目に入る全ての景色を写すことができます。

Entapano 2で撮影した写真は「Entapano VR」に登録すると グルグルと動かせる臨場感たっぷりのパノラマ写真として楽しめます。 パノラマ変換サービスのEntapano VRは無料でご利用いただけます"

 株式会社インタニヤさんからこのカメラをお借りして撮影しています。
簡単パノラマVR写真でPR | Entapano VR モニタ募集 200名までとのことです。まだ現時点では受け付けられていますので、興味ある方はリンク先で詳細確認を。
ENTANIYA コンパクトデジタルカメラ 超広角魚眼レンズ一体型カメラ Entapano 2(Amazon) こちらでカメラが発売されています。

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2017.08.02

■情報 小松左京『日本沈没』 「決定版」電子書籍

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発行総数460万部超! 日本SF最大のヒット作小松左京『日本沈没』、著者の七回忌に合わせて電子書籍で「決定版」を発売|

" 価格:800円(税込)
8月8日までの期間限定で500円(税込)

"1.世界的なアーティストの生頼範義氏の作品を用いたオリジナル表紙

「ゴジラ」シリーズ、「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」国際版などの映画ポスター、ゲーム「信長の野望」「三國志」のカバーアートも手掛け、幅広い層から今も熱い支持を受けている生頼範義氏が、1973年末の映画「日本沈没」公開時、「週刊少年マガジン」(講談社)の特集用に描きおろした作品を表紙に使用しております。

2.電子書籍としては初の上下一体版
 現在入手可能な『日本沈没』は文庫版、電子書籍版ともに上下二冊に分かれていますが、今回は読者にとって便利な上下一体版。超大作をスマホ等で持ち歩いて、いつでも読むことができます。

3.オリジナル図版を収録
 ストーリーをたどりやすくするため、次々と発生する地震、噴火などを時系列で記録した地殻変動マップを制作。また他の電子版ではカットされている原作の図版もとに、カラー図版を制作。小説の科学的なバックボーンであるプレートテクトニクス理論などが分かりやすくなっています。

4.小松左京氏ご遺族による初公開資料などを含めた解説を収録
 小松左京氏のご遺族による、約50,000字におよぶ詳細な解説を収録。『日本沈没』が著者の人生と密接に結びついたものであるばかりか、小松一族の百五十年にもおよぶ歴史が作品誕生に大きく関っていることが明らかにされました。 また初公開となる執筆メモや未採用の草稿など、特典画像も多数収録されています"

 これはファンには嬉しい! (僕は『日本沈没』マニアだったのでw、ハードカバーで出た定本『日本沈没』も持ってたりします)。

 ご遺族の解説というのは、御次男の小松実盛氏。小松家の歴史、小松左京の育ちと絡めた解説、漫画家 小松実作品の紹介執筆当時の各種のメモ等、貴重な資料になっている。
 まだ拾い読みしかしていないが、中には富野由悠季が1995年に、小松の代表作『果てしなき流れの果てに』のアニメ化を企画していたとか、新情報もある。

◆関連リンク
小松 左京『日本沈没 決定版』
日本沈没 当ブログ関連記事  Google 検索

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2017.07.31

■感想 デイヴィッド・リンチ監督『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』『もうひとつのローラ・パーマー最期の7日間』と『ツイン・ピークス』シーズン3


Twin Peaks: The Missing Pieces - Phillip Jeffries (Video Clip) HD - YouTube

ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間 - Wikipedia

"『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』(Twin Peaks:Fire Walk with Me)は、1992年のアメリカ、フランス合作映画。 テレビドラマシリーズ『ツイン・ピークス』の前日談として映画化された作品。 ドラマ版には登場しない、キーファー・サザーランドやデヴィッド・ボウイが捜査官役で出演している。

 シーズン3製作が発表された2014年には未公開カットをリンチ自身が再構成した"Fire Walk with Me - The Deleted Scenes"が発表。4K修復ブルーレイBOXに映像特典として付属している。WOWOWプライムでは2017年7月1日に「もうひとつのローラ・パーマー最期の7日間」のタイトルで無料放送された。"

 最近『ツインピークス』の記事ばかりで、シーズン3を観てない方には申し訳ないです。自分としてはリンチ新作の素晴らしい出来に(以前の『ツインピークス』に対して数倍のリンチ映像としての切れがあります。リンチ映画作品と比べても上位に来るのかも)、ひさびさに脳髄がピーカーというか、リンチ脳となって侵されているため(^^;)、しばしお付き合い願えると幸いです。

 今回は、先週までの旧作29章全部再見に続き、『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』と『もうひとつのローラ・パーマー最期の7日間』を観たので、その感想と、WOWOWの正式放映開始第二回、『ツインピークス』シーズン3 第2章を観た感想です。

 まず『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』は、前半のテレサ・バンクス事件と、そのFBI捜査官チェスター・デズモンド、そしてデイヴィッド・ボウイ演じる同捜査官フィリップ・ジェフリーズのシーンがなかなか興味深い。

 その後のローラの殺害前を描く本篇は、ある意味、テレビのシーズン1,2で視聴者が頭の中にイメージしていたローラの死を追体験するに留まり、それ以上の飛躍はなく少し残念。映画公開時の客の入りと低評価の理由もそんなところにあるのではないだろうか。

 そしてリンチがシーズン3の制作を発表した後に、自身で編集しリリースした『もうひとつのローラ・パーマー最期の7日間』。これについてはそのほとんどが、他の映画ソフトに特典として収録される未公開シーンと何ら変わるものではない。ほとんどカットされたシーンを羅列してあるだけで、新たなストーリーがそこで述べられているわけではない。

 ただし、ラスト数分だけは違う。
 ここで描かれるのは、シーズン1,2のラストである第29章のその後を描いていて、ピーカー必見。

 あのラストで、アニーが現実へ戻った後、病院での姿が描かれます。
 そして第29章のラスト、洗面所の鏡で頭を割ったクーパーのその後のエピソードが数分。ここで登場しているのが明らかにワイルドなクーパーで、ホークたちを騙すような様子が描かれている。

 これは1992年に撮影されていただろうシーンで、当初からの構想にあったかもしれないけれど、ここでシーンとして公開し復活させたのは、明らかにリンチがシーズン3に繋ぎやすくするための伏線を仕込んだものと思われる。

 ということで『もうひとつの最期の7日間』、重要な一本となるのだけれど、現在これは『 ツイン・ピークス 完全なる謎 Blu-ray BOXの特典としてか、WOWOWの再放映を待つしかない。

 WOWOWでは、ちょっと先ですが、再放送は17.9/5(火)午前7:30〜の予定。

★★★以下ネタバレ注意★★★★

 『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』において、現実から消えたチェスター・デズモンドとフィリップ・ジェフリーズの行方は? 果たしてシーズン3で何らか描かれるのか。シーズン3 第2章の感想を述べながら少しその点についてメモ。

 第2章は何と言ってもブラックロッジのシーンが長い(否定的にではなく)。
 登場するローラとマイクとそしてリーランド。「私は腕」だの「腕」もまさにリンチアート。彼が叫ぶ「存在しないーー」という言葉、そしてクーパーがニューヨークの箱へ転移するシーンが本篇の白眉。

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 『ローラ・パーマー もうひとつの最期の7日間』のラストのクーパーは、シーズン3の現実世界にいるワイルドなクーパーに続く。ここを続けてみるとこのワイルドなクーパーは「ドッペルゲンガー」であることは明白。おそらくシーズン2の第29章で現実へ戻り、ホテルの洗面の鏡にクーパーとして現れたのはドッペルゲンガーで本物?のクーパーは25年間赤い部屋に閉じ込められ、シーズン3 第2章で25年ぶりに外へ出られたのでしょう。

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 あと気になったのは、ワイルド・クーパーが変な通信機で喋る相手、フィリップ・ジェフリーズを名乗る男に、クーパーは「そっちは今も行方不明か?」と聞く。そしてその男が言う「ガーランド・ブリックス少佐にあったんだろ」「明日お前が戻るなら、俺はボブといる」というセリフ。

 フィリップ・ジェフリーズは『ローラ・パーマー 最期の7日間』でデイヴィッド・ボウイが演じたFBI捜査官の名前で、フィリップ捜査官とガーランド少佐でワイルド・クーパーが前作につながっていることがわかる。ここが今後、どんな展開になるか、ひとつの見どころだろう。

◆関連リンク
Twin Peaks: The Missing Pieces - Doppelganger Cooper (Video Clip) HD - YouTube
 『ローラ・パーマー もうひとつの最期の7日間』でのラストシーンのクーパー。
Twin Peaks: The Missing Pieces - Annie & Dale Cooper (Video Clip) HD - YouTube
 同、アニーの姿。
『 ツイン・ピークス 完全なる謎 Blu-ray BOX(数量限定生産)(10枚組)』

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2017.07.26

■感想 双子がつくる悪夢的ビジョン「クエイ兄弟 ー ファントム・ミュージアム」展 The Quay Brothers Phantom Museum|松濤美術館

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クエイ兄弟 The Quay Brothers|松濤美術館

"7月16日(日)~22日(土):『ストリート・オブ・クロコダイル』のデコール撮影可能!

 予想を上回る多くのお客様にお越しいただいておりますクエイ兄弟展ですが、いよいよ閉幕が近づいて参りました。
これまでのご好評に感謝し、また先日兄弟の誕生日に、『ヤン・シュヴァンクマイエルの部屋』のデコールが当日にのみ撮影可能となった企画に対して、多数の喜びの声をいただいたことを受け交渉を重ねてまいりましたところ、このたびポスター・チラシに使用しているメイン画像の『ストリート・オブ・クロコダイル』のデコール←の撮影許可が下りました。

 7月16日(日)~22日(土)の間、展示室で『ストリート・オブ・クロコダイル』のデコールを撮影していただけます!"

 「クエイ兄弟 ー ファントム・ミュージアム」展、鑑賞してきました。
 期間限定で撮影可ということで、3D撮影したい!と強烈に思い、ちょうど21日が本業の東京出張というチャンス(^^)で、3Dハンディカムを持って、会場となる渋谷 松濤美術館に行ってきました。金曜は20時まで開館ということで出張が終わってからも余裕を持って観ることができました。

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 撮影可だったのは「ストリート・オブ・クロコダイル」のデコール2点。ダゲレオ出版から出ていたビデオソフトで20数年前に初めて観た悪夢に、鮮明な形で再会したような生々しさ。

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 その他のデコールやオブジェもその立体的な迫力は最高で、まるで三次元の絵画に出会ったような、角度によっていろんな表情を見せる多様なイメージに目眩……w。

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 会場で「ストリート・オブ・クロコダイル」他映像の上映も実施されていて、久々に再見するも、今観たパペットのリアルな迫力に映像は明らかにスケールダウンしていて、現実に存在する悪夢の禍々しさに感嘆。

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 ツインズの悪夢は、リンチのブラックロッジとも明らかに通底しています。出来るものなら帰りたくない悪夢。3D撮影でデコールの多層空間を鞄に入れて、なんとか会場から離脱しました(^^)。

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◆関連リンク
The Quay Brothers, 籾山 昌夫『クエイ兄弟 ファントム・ミュージアム』
 当展示会の図録。なかなか充実した作品紹介になっています。

・あとは資料的に、当日いただいた展示品リストとチラシを記載します。

» 続きを読む

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2017.07.24

■感想 デイヴィッド・リンチ他監督『ツイン・ピークス』シーズン1,2 序章〜29章


ツイン・ピークス 完全なる謎 Blu-ray BOX 予告編 - YouTube

 『ツイン・ピークス』シーズン3に備えて(少し遅いがw)、シーズン1,2の全てのエピソード 序章〜29章(WOWOW吹替版)を先週末から観はじめて日曜(7/23)に見終わりました。特にこの土日で8話から29話までいっき見をして、まさにマラソン完走状態でへばってますw。

 へばっているけど、記憶の鮮明な今ならどのシーンを語られても付いていける自信あり(^^)。もう来週になると記憶は赤いカーテンの向こうに消えていくでしようが、、、。

 序章から16章までが「ローラ・パーマー」篇。その後〜29章が「ウィンダムR」篇とでも呼べる様な大きな変化があります。(wikipediaのあらすじにある「第一部」「第二部」「第三部」の記述は明らかに、話数とストーリー内容が合ってないし、いいかげんです。参考にするには、全エピソードのあらすじを載せた英語版wikipediaがお薦めです)

 デヴィッド・リンチが監督したのは、「ローラ・パーマー」篇は序章と第2, 8, 9, 14章(序章〜8章は脚本にもリンチがクレジット)。主に奇想部分はほとんどがリンチの担当分になっているため、凄くリンチ自身のやりたかったことが明確。

 そして「ローラ・パーマー」篇は、16章で見事にほぼ伏線から謎までほぼ回収できているようにみえる。ここで終わっても良かったのでは、というのが僕の感想。

 「ウィンダム・アール」篇はリンチ監督部分は最終話 29章のみということで、明らかにリンチテイストは薄く、マーク・フロストや脚本をいくつか担当しているロバート・エンゲルスの作品と言っていいかもしれません。で、「ローラ・パーマー」篇とはほとんど話は繋がっていなく、別の物語と考えてもいい。

 ブルーブックとかアブダクションとか洞穴とか出てくるけれど、このあたりのヴィジョンはリンチではないような雰囲気。

 さすがに29章はブラックロッジ=赤い部屋が舞台なので、リンチテイストmax.なのだけれど、それでもシナリオはリンチではなく、マーク・フロストとロバート・エンゲルスとハーレイ・ペイトン。出来上がった作品は映像から物語までリンチテイスト全開なので、どれだけシナリオが作品に残ったかは不明。

 以前、通しで観た時は、もっと全体の謎がモヤモヤと残ったような気がしたのだけれど、今回、かなりスッキリとしたストーリーに見えた。ただし29章が赤い部屋を描いて「ローラ・パーマー」篇へ強く繋がりを付けて、クーパーの恋人アニーがどうなったか、とかラストの笑うクーパー/ボブがこの後、一体どうなるかとか、謎を放置して余韻を残す(?)形をとっているため、そのことでツイン・ピークス全体が謎を多く残して終わった印象になっているのも、確認できた。

 というところで、あと『ローラ・パーマー最期の7日間』とその未公開シーンをリンチがまとめた『ローラ・パーマーもうひとつの最期の7日間』が残っているけれど、これは来週末に観ようかと(もう今週末はお腹いっぱいw)。

 いよいよ7/22からWOWOWでシーズン3が毎週1本づつ放映となったわけだけれど、先行で既に放映された1-4話を観る限りでは、リンチテイストは「ローラ・パーマー」篇の各リンチ担当回よりも数倍アップしていて、既にソープオペラ的テイストはほとんど薄まっている。

 むしろシーズン1, 2の物語と登場人物を利用した、別のリンチ作品と考えたほうがいい位、ぶっ飛んだ映画になっているというのが僕の感想。

 なのでシーズン1, 2を観ていなかったリンチ映画ファンも、シーズン3だけは観たほうが良いのではないか、というのが今のところの僕の感想です。

◆関連リンク
『 ツイン・ピークス 完全なる謎 Blu-ray BOX(数量限定生産)(10枚組)』

"<新収録特典映像(すべてHD)>
1. 劇場版 削除シーン集&もうひとつのシーン集...リンチがこの゙ブルーレイBOXのために監督・編集し約90分にまとめた映像作品(「ツイン・ピークス もうひとつの ローラ・パーマー最期の7日間」として放送)
2. チェリーパイを食べながら:デイヴィッド・リンチとキャストらの語らい(新たに撮影した特典映像が追加で入ります。)
3. 『 ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』の思い出
4 .「ツイン・ピークス」の世界(英語版) 他"

『 海外ドラマFan! ツイン・ピークス大特集 (別冊宝島)』
 こちらには全エピソードのあらすじと各話ポイントが記されています。資料価値ありかと。

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2017.07.19

■感想 「ゴジラ展」@ 名古屋市博物館

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特別展 ゴジラ展|名古屋市博物館

"会期  平成29年7月15日(土)~9月3日(日)                

開館時間  9時30分~17時00分(入場は16時30分まで)

休館日  毎週月曜日・第4火曜日(7/18、24、25、31、8/7、21、22、28)※8/14は特別開館
会場  名古屋市博物館  名古屋市瑞穂区瑞穂通1-27-1
TEL.052-853-2655 FAX.052-853-3636"

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 ゴジラ展、猛暑の中、行ってきました。
 まずは冒頭の写真は、会場入り口とそこに置かれていたミニチュアセット、そして名古屋市博物館への通路に貼られていたポスター(内部の展示品の紹介パネル)。
 会場内について撮影は基本禁止でしたが、2作品のみ撮影可でした。

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 その2作品は「シン・ゴジラ」の全身造形と東京駅ミニチュア、「ゴジラ×メカゴジラ」(02年)のゴジラスーツ。これらについては3D動画も撮ってきたので、造形の立体感をどこかでお見せできると良いのですが、、、。

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 『シン・ゴジラ』については、他にも撮影禁止でしたが、幻となったアニマトロニクスの上半身像(高さ184×幅151×奥行220cm)が展示されており、凄い迫力でした。さすがにディテイルは残念ながら竹谷隆之氏の造形を取り込んだCGのリアルな迫力には敵わないのですが、この大きさの現物の迫力は特筆。大画面でこのアニマトロニクスの特撮も一度眼にしたいものです。

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 会場で配られていた作品リストと会場見取り図。
 コンパクトな会場ですが、作品リストによると展示総数は約350点ほどと充実したものになっています。

 僕は、今まで拝見したことのなかった怪獣イラストの原画。開田裕治さんの原画8枚と生頼範義さんの4枚が見られたのも収穫でした。開田さんの「魔獣降臨」と生頼さんの「ゴジラFinal Warsポスター原画」が迫力!

 あと特撮博物館にも展示されていた『日本沈没』の深海潜水艇「わだつみ」とか、『ゴジラ』(1954)のラストで出てくる「オキシジェンデストロイヤー」とか「潜水帽」とか思い入れのある作品の"本物"が見られたのも収穫。

 酒井ゆうじ氏による『ゴジラ2000 ミレニアム』造形とか、歴代作品の造形が実は着ぐるみスーツよりも映画のイメージをその形状に定着していて、素晴らしい出来に感激して見てました。

 ゴジラ作品、平成後はあまり見ていないのだけれど、これを機に見てみようかと思った次第。

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2017.07.17

■感想 米林宏昌監督『メアリと魔女の花』


「メアリと魔女の花」予告2 - YouTube

 米林宏昌監督『メアリと魔女の花』@各務原イオンシネマ、観てきた。

 エンドクレジットで「感謝 高畑勲 宮崎駿 鈴木敏夫」と表記されていたが、まさにスタジオジブリという豊穣な土壌に咲いた見事な果実。

 冒頭の畳み掛ける様なアクションから雷雲の中の不可思議な町まで素晴らしいイマジネーションとアニメートで、アニメーション映画としての完成度は、ジブリ作品と比べても水準以上というか、作画レベル,完成度は歴代ジブリ作品と並べても、トップ5位には入る見事な出来ではないか。

 隙のないアニメートと情感を湛えた霧にむせぶ森の描写等、みどころも多い。物語はストレートに幻想みとアクションが融合、さらにテーマ的にもジブリの正当な後継となっていて、人間の前向きの可能性を謳いあげていて万人に楽しめる作品になっている。

 というのが一般的な感想。

 宮崎駿ファンとして観ると、クライマックスに少し物足りなさもある。宮崎作品のどこかねじれるような情念というか複雑さというかそうしたものとはやはり距離があるように思う。宮崎の中に蠢いている闇とか光とか、あのコンプレックスな渦のようなものがないのが、米林作品にどこか物足りなさを感じる理由なのかもしれない。
 おそらく作家としてのそうした資質は違うのだろうから、米林監督らしい作風にさらに磨きがかかることが楽しみ。

 そしてまず今後この作品がどこまでヒットするか、一般的な感想として述べた部分で広くジブリファンの心を掴むのか、それとも実は今までのジブリファンも宮崎の複雑さに惹かれていたのか、そこらあたりがどう受容されていくかをみるのも、ファンとして楽しみである。

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2017.07.12

■感想 『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第3話


Twin Peaks - The Cactus Blossoms ("Mississippi") - YouTube

 『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第3話、WOWOW録画見。  テレビドラマでありえない実験的な前半と通俗的な場所でのコメディ、今回も見せてくれます。



★★★★ネタバレ注意★★★★




 冒頭の転移するクーパーのシーケンス、今回はなんと宇宙に浮かぶブリキの箱と、その屋上の釣鐘状の何か、そして両目を封印された裕木奈江(たぶん。クレジットに"NAIDO"役とある)と彼女の宇宙への落下。「青い薔薇」をつぶやく宇宙を漂うスキン・ヘッド。

 ブリキの箱のへやをノックし続け最後まで現れない驚異の"女の母親"。
 リンチ的オブジェクトに吸い込まれ、RANCHO ROSAと名付けられた町へさらに転移するクーパー。苦しむワイルドクーパーと新登場の3人目の太ったクーパー(左腕がしびれているダギィ・ジョーンズ)。入れ替わりに赤い部屋のソファに現れたダディはいっきに痩せ、そして黒い煙となって消える。

 RANCHO ROSA近郊?ラスベガスのカジノ Silver Mustangへ、黒人娼婦の車でもうろうと移動したクーパーは、スロットに赤いカーテンの幻影を見る。そこにチップを投入し次々に大きな当たりを取るクーパー。ここは赤い部屋の運用としてとても通俗的で爆笑してしまった。おふざけテレビ局コメディ『オン・ジ・エア』を思い出させる怪作ぶり。

 あまりのコメディ的不条理展開にあきれているとシーンは一転、ツインピークス保安官事務所。アンディとルーシーとホークは何か無くなったものを探している。ルーシーが証拠品のウサギのチョコを食べてしまったことを告白。このくだりのコメディも素敵。

 ついに登場する、FBIフィラデルフィア支部のリンチ演じる大声のFBI副支部長ゴードン・コールとアルバート・ローゼンフィールド。ニューヨークのガラスの箱の事件の報告をクリスタ・べル(こちらもリンチの歌姫)演じるタミー捜査官から受けている時にクーパーから入る電話。ゴードンの部屋のキノコ雲とフランツ・カフカの肖像写真が印象的。サウスダコタのブラックヒルズへ向かう3人。

 BANG BANG BARで歌うThe Cactus Blossoms "Mississippi"、今回はリンチのもう一つの音楽趣味であるフイフティーズなテイスト。

 このメモだけ見た人は一体、どんなドラマと思うだろう。凡百の不条理ドラマの枠外を突っ走り続けるリンチワールド。もはや『ツイン・ピークス』の続篇ということはわずか1/5ほどしか意識されず、あと15時間以上続くリンチシュルレアリスムドラマの行く末をワクワクして見守りたい。

◆関連リンク
Part 3 | Twin Peaks Wiki | Fandom powered by Wikia
 ファンサイト、Season 3 第3話の詳細記録。

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2017.07.10

■感想 『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第2話


CHROMATICS "SHADOW" - YouTube.

 『ツイン・ピークス The Return』(Season 3) 第2話、WOWOW録画見。
 第2話もリンチ節全開。リンチアートから音響まで、テレビドラマとは思えないシュルレアリスティックな世界が今回もしっかり提示されています。

★★★★ネタバレ 注意★★★★







 前半、今回はサウスダコタでの第1話の事件とワイルド クーパーが描かれる。クーパーの悪が全開。

 そして赤い部屋、現れる「時々腕が後ろへまわる」と言うローラと、謎の腕を名乗る木。木の上の不気味な顔は、『イレイザーヘッド』につながるリンチアートでよく出てくる肉塊である。

 圧巻は「存在しない」と宣言されて起こるクーパーのサウスダコタへの転移。そしてニューヨーク。第1話と物語がこうして繋がっていく。

 その後登場する「Bang Bang Bar」、CHROMATICS "SHADOW" (冒頭に引用した動画) が素晴らしくリンチのシュルレアルに適合する。第1作からの登場人物ジェームスの25年後の、いまだ憂いをたたえた姿。最高潮にSeason 3の開幕を讃える第1話と2話だ。

 CHROMATICS、本作は『ブルー・ベルベット』とリンチの歌姫 ジュリー・クルーズに捧げた曲となっているが、他の曲もリンチテイスト満載ですね。

◆関連リンク
・Part 2 | Twin Peaks Wiki | Fandom powered by Wikia
 ファンページ。Season 3 第2話の詳細。

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2017.07.05

■動画  『ツイン・ピークス』ペンデレツキ「広島の犠牲者に捧げる哀歌」:TWIN PEAKS 2017 - The atomic bomb


TWIN PEAKS 2017 - The atomic bomb (July 16, 1945) - YouTube

 ネタバレになるかもしれないが、どうやらこれはデイヴィッド・リンチが『ツイン・ピークス  The Return』(Season 3) 第8話                 の映像として撮った原爆実験の映像らしい。

 クレジットを見ると、ニューメキシコホワイトサンズで実施された人類初の核実験であるトリニティ実験 (Wikipedia)の原爆爆発シーンを再現したものらしい。

 BGMのポーランドの作曲家 クシシュトフ・ペンデレツキ広島の犠牲者に捧げる哀歌」と相まってリンチ監督による映像が凄まじい。
 恐らく史上最恐の原爆実験映像 (詳しい情報を探すとネタバレを読みそうなので探索はここまでに留めます。)

■関連リンク
 『ツイン・ピークス  The Return』(Season 3)に登場する多数の楽曲がYoutubeで公開されています。聴いているだけであの赤い部屋へw。


Twin Peaks - The Cactus Blossoms ("Mississippi") - YouTube.


Twin Peaks - The Cactus Blossoms ("Mississippi") - YouTube.


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