2019.10.14

■感想 野﨑まど原作 鈴木清崇監督『バビロン』


アニメ「バビロン」第二弾PV

"「生きることは善いこと」 その常識が覆される時代が訪れたら、あなたはどうする。 読む劇薬・野﨑まどが綴る衝撃作が、遂に禁断の映像化! 「その啓示は、静かにそっと訪れる-」 東京地検特捜部検事・正崎善は、製薬会社の不正事件を追ううちに、一枚の奇妙な書面を発見する。そこに残されていたのは、毛や皮膚のまじった異様な血痕と、紙一面を埋め尽くすアルファベットの『F』の文字。捜査線上に浮かんだ参考人のもとを訪ねる正崎だが、そこには信じがたい光景が広がっていた。 時を同じくして、東京都西部には『新域』と呼ばれる新たな独立自治体が誕生しようとしていた。正崎が事件の謎を追い求めるうちに、次第に巨大な陰謀が見え始め--?"

 Facebookのタイムラインで評価が高い、鈴木清崇監督『バビロン』Amazonプライムにて第1章(第1話 - 第3話)を観ました。

 第1話、アニメでこれやるのは…?? と思ったのですが、3話まで観て、原作読んでないのですが凄く関心。こう来ましたか。3話のクライマックスがとても見事。

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 SAC 2ndとか今敏監督の某作や、園子温監督の某作を思い出すヴィジュアルと展開。何しろ行政特区の設定と登場人物の女の底知れなさの魅力が物語の強烈なドライブになりました。今後がとても楽しみ。とりわけ、曲世愛という謎の女、この人物のセリフのこの世ならざる感が凄いので、期待です。

◆関連リンク
Amazonプライム『バビロン』
野﨑まど『バビロン』(原作, Amazon)

"<2019年10月、絶望のアニメ化決定!!>
「鬼か、悪魔か、野崎まど、か。世界はまどに惑わされる」"

野﨑まど (wiki)
 シリーズ構成と脚本を担当されたアニメ『正解するカド』しか知らないのだけれど、勝手に女性と思い込んでいましたが、男性だったのですね。大変、失礼しました。
大森望 「HELLO WORLD」「バビロン」野崎まどのSF世界

" 根源的な問題をつきつけられた人類が議論で答えを模索するドラマという意味では、「正解するカド」暗黒版。それにしてもこの先いったいどうなるのか。ますます目が離せない。"

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2019.10.09

■感想 Magic leap one デモ体感 @ ドコモスマートフォンラウンジ名古屋

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NTTドコモが5Gプレサービス開始、MRデバイスMagic Leap Oneの展示も (Mogura VR)

"NTTドコモは、次世代通信規格である「5G」を用いた「5Gプレサービス」を2019年9月20日(金)より開始します。ドコモショップなどの一部店舗において、5G端末を用いた様々なサービスを体験できます。

この5Gプレサービスでは、Magic Leap社のMRデバイス「Magic Leap One」の展示も行われます。対象店舗は「d garden五反田店」「ドコモショップ丸の内店」「ドコモスマートフォンラウンジ名古屋」「ドコモショップグランフロント大阪店」です。"

 Magic leap oneデモ体感@ ドコモスマートフォンラウンジ名古屋。憧れのARデバイス、現実化した電脳メガネを試してきた。

 視野角50度(上下角は30度位)がやはり物足らない。ドコモショップの光景に重畳された熱帯魚とサンゴ礁(以下)。視野角の狭さと明度が足りないのとショップ内の物と干渉しても上に重ねて表示しているだけで、単に目の前にあるモニタ感が半端ない。

 今回のは、実景はメガネのレンズでシースルーだったが、ショップ内の光景が暗く見えて、重畳されるCGが明るく、明度差が気になって違和感があったので、カメラ映像でのシースルーの方が自然かもしれない。それならば、CGとの干渉部分の実景を消すのもデジタルでできるし…。

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 置かれていたのは今回2台のマジックリープ、2台目のデモはロボットシューティングだった。
 こっちはアクションが伴うので、それなり楽しめたけれど、まだまだARデバイスの魅力をアピール出来てない。

 現実空間に異界を重畳する醍醐味を表現できてないので、これならVRの方が異世界没入感があり、素人を驚かせる。

 鳴り物入りで、多額のベンチャーキャピタルの資金を吸い上げたMagic leap だけれど、ARの魅力をちゃんと素人に「ワオッ!」と言わせるコンテンツを作らないとARメガネの未来を奪いかねないので無茶苦茶心配になる。大言壮語はベンチャーの常だけど、この後の進化に期待したい。

 AppleによるARデバイスに期待するしかないのか…。5年くらい技術が追いついてないのか…。

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 5Gブレサービスと言っているが、聞いてみると名古屋はWiFiでデモ。5Gのスピードの実感はまだ残念ながらできなかった。

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2019.10.07

■感想 トッド・フィリップス監督『ジョーカー』


映画「ジョーカー」US版予告

 トッド・フィリップス監督『ジョーカー』、昨晩、ミッドランドシネマ名古屋空港にて観てきた。
 噂に違わぬ傑作。

 『ダークナイト』当時、ヒース・レジャーを超えるのジョーカーは、今後、ありえないだろうと思ったのだけれど、こう来ましたか。










 以下、ネタバレ注意。




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 この映画は現代社会の問題を見事に転写した異様なハリウッド映画になっている。笑えないコメディ、弱くてかっこよくないヴィラン、正義の姿がどこにも見えない抑圧感....。

 ここにはヒース・レジャーのような絶対悪も、「ダークナイト・トリロジー」「DCエクステンディッド・ユニバース」のような正義のバットマンと彼の美しい両親との過去の記憶も何もない。

 あるのは、幼児期のトラウマで歪んでしまったコメディアン志望の中年のヒステリックな暴発と、集団による無責任な暴力、そして安っぽいマスコミの正義だけである。

 ここで表出している「現在」は、アメリカのポピュリズムによるトランプ政権の出現だったり、日本の社会状況だったりの写し鏡のような、見たくない現実とそのメカニズムである。

 これらを露骨に映画館に現出させた手腕は見事。今後、DC映画がこの延長線に乗ることはおそらくないのだろうと思うけれど、そんなDCユニバースが観たいというマゾヒスティックなファンは、今は僕だけではないだろう。
 
 まずはそんな映画が観たい人間はAmazonプライムの『ザ・ボーイズ』を観るのしかないかもしれないけれど、、、(ちょっと違いますね)。

◆関連リンク
トッド・フィリップス(wiki)
トッド・フィリップス(Amazon検索)
 Amazonプライムで観られる映画がいくつかあります。コメディ主体、観てみたいです。

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2019.10.02

■感想 パク・チャヌク監督『オールド・ボーイ』

オールド・ボーイ 日本語予告
 今更ながら、パク・チャヌク監督『オールド・ボーイ』初見。
 素晴らしく映画的な傑作でした。カンヌでタランティーノが審査員特別グランプリ
に選ぶだけのことはある傑作。タランティーノの諸作よりもむしろ映像による映画的語り口は上を行くのではないかと思ってしまう。冒頭から特に前半、主人公が外に出るところまでの、映画としての映像の鮮烈さは本当に素晴らしい。
 このところ幾つかの韓国映画を観て、今まで食わず嫌いであまり観てこなかった不明を恥じるばかりです。韓国映画ファンの皆さんには何を今更と笑われるのでしょうが、、、。
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 かなり無理のある展開でスリリングな前半。
 それでもそれらが見事に収斂するクライマックス。原作の漫画と大筋は変わらないらしいので、原作の成果なのかもしれないが、奇妙な前半の事件設定から、主人公が真相を知っていく過程、物語の情動の動き、本当に見事としか言いようがない。映画としてのオールタイムベスト10級の作品なのかもしれない。
 後年、スパイク・リーがハリウッドでリメイクしているとのことだけれど、この空気感は東洋の映画でないと表現できない湿気を含んだものではないだろうか。どんな映画になっているか、興味半分で観てみたいものである。

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2019.09.30

■感想 ジェームズ・グレイ監督『アド・アストラ』



Ad Astra: A Conversation with Brad Pitt, James Gray and NASA Officials

 ジェームズ・グレイ監督『アド・アストラ』109シネマズ名古屋 レーザーIMAX、観てきた。
 ストーリーや科学的ディテールは、眼をつぶりましょうw。素晴らしい宇宙映像。これくらいNASA映像的な宇宙の情景を見せてくれる映画はそうそうないのではないか。そして全体に暗鬱な雰囲気の映像が素晴らしい。

 IMAXで124分、2001年に迫る宇宙描写と、ブラピの悩む姿を観たい方にお勧めです(^^)。
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以下ネタバレ、注意。
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 真面目な話、冥王星へ至る冥界的な悪夢宇宙描写はなかなか。こんなダークで何にもない宇宙を描くなら、どうせ受けないはずだから、徹底して We are alone. な絶望感溢れるSF映画にして仕舞えばよかったのに。

 何故だか人力で整備してる宇宙アンテナからの墜落とか、月面のチェイス、全く意味不明の実験ザルの暴走とか、中途半端でストーリーにちっとも貢献してないエンタメ要素を配して、ひたすら宇宙探査の絶望を延々と描いてくれた方がなんぼか良かったか。

 $80-100millionという凄いバジェットは、いかにブラピ制作でも彼の暗鬱な演技だけでは、資金調達は無理だったにしても、どうせなら振り切った暗黒SF映画でカルト化を狙って欲しかったのは僕だけではないはず…。

◆関連リンク

// ArtFX OFFICIEL // Ad Astra MAKING-OF from ArtFX OFFICIEL on Vimeo
 "Ad Astra"のメイキング探していて見つけたCGメイキング。
 名前が紛らわしいですが、ArtFXという大学の卒業制作プロジェクトのCGメイキングのようです。
 ロシアのソユーズとかのCGシーンのメイキングが楽しいです。

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2019.09.25

■情報 KOKAMI@network vol.17『地球防衛軍 苦情処理係』

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KOKAMI@network vol.17『地球防衛軍 苦情処理係』(サードステージ 公式HP)

"<東京公演>2019年11月2日(土)~11月24日(日)
 紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
<大阪公演>2019年11月29日(金)~12月1日(日)
 サンケイホールブリーゼ

「地球防衛軍」というエリート組織の中にある、「苦情処理係」が舞台です。「地球防衛軍」は人類を怪獣や異星人から守るために日夜、必死で戦います。戦闘の中で、当然ですが、いろんなものが破壊されます。ビルや民家、建物です。そこに住んでいる住民は、苦情を言います。

「私の家は、地球防衛軍のミサイルで壊された。弁償しろ」
「街中で戦うような計画が間違っているんだ。許せない」
「怪獣をすぐに倒せなかったお前たちが悪い」

激しいクレームにさらされながら、苦情処理係は、日夜、謝ります。そして、「住民ファースト」の精神で、なんらかの補償や弁償をしようと努力します。けれど、「地球防衛軍」は住民のために戦っているのです。それは正義の戦いです。けれど、その結果、激しいクレームが来るのです。

文句を言われる戦いは正義の戦いではないのか。では誰のために戦っているのか。住民のために戦う必要なんかないのか。この星を守るためじゃないのか。この星の住民は守るに値しない人達なのか。苦情処理係の人々は、日夜、苦悩するのです。そして、苦情処理のために戦うのです。これは、絶望と希望の物語です。

 鴻上尚史"

 鴻上尚史の新作『地球防衛軍 苦情処理係』は、先日の「ウルトラQ」トークライブの発言では、元は日本テレビの企画として立ち上がったものだったそうです(企画が実現しなかった。そのコンセプトを新作の芝居とした)。
 ここに書かれている、この戦いの結果として破壊された街についての苦情を、ヒーローのチームが受けるというコンセプトは、我々SF/特撮/アニメファンには『ザンボット3』他で既に40年ほど前から知ってるものなので、どう見せるか、不安だったりします。もちろん鴻上尚史もそういったものを知っているはずなので、それを踏まえた上での現代的な表現になるものと考えられます。

 往年の第三舞台ファンとしては、あの鴻上尚史がこのタイトルの芝居、そしてこのチラシのビジュアル?
 遠くへ来ちゃったね、な感覚も否定できませんが、観てみたくてたまりません。

 特に巨大ヒーローの破壊を演劇の舞台でどう描くか、そしてヒーローのハイパーマンはどう表現されるのか。ワクワク(^^)。
 そして第三舞台ファンとしては、あの鴻上尚史のスナフキンであり、一種の鴻上哲学の体現たる俳優 大高洋夫がどう地球防衛軍の隊長を演じるのか、興味は尽きません。


地球防衛軍 苦情処理係 予告篇(Youtube)

◆関連リンク
中山優馬が苦情を処理して地球の平和を守る? 鴻上尚史作・演出の舞台『地球防衛軍 苦情処理係』インタビュー

"鴻上:ストレートプレイですが、怪獣とかハイパーマンとか出て来ます。ハイパーマンは怪獣を倒そうとするヒーローですが、怪獣と戦うと街が破壊されたりものすごい被害に遭ってしまうんです。その苦情が来て、ハイパーマンとしては困っているんです。

ーーSFファンタジーの設定だけど、描いているテーマ自体はすごく身近なものに感じられますね。

鴻上:やっぱり僕の作品なので、どこか社会性と繋がっていて、全部がただのファンタジーで終わる話ではないです。怪獣と戦う地球防衛軍のミサイルが当たって家がやられてしまったけど、それは地震と一緒で免責事項なので、地震特約みたいに怪獣特約っていうのに入っていないと保険がきかなくて、それは納得がいかない、というクレームを、優馬の役は苦情処理係の一員なので毎日毎日受けるんですね。"

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2019.09.23

■感想 「ウルトラQ カネゴンの繭」上映&スペシャルトーク

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ウルトラマンアーカイブ ULTRAMAN ARCHIVES (公式HP)
 「ウルトラQ カネゴンの繭」イオンシネマ名古屋茶屋ライブビューイング観てきた。トークショーはイオンシネマ板橋で行われているのをライブで全国4箇所のイオンシネマで放映したもの。

 大画面で観るクリアなウルトラQは初。特にカネゴンの造形が、素晴らしかった。
 体表の質感、足先の光、眼の表情。繭から生まれる手前の、シュールな空間表現が、奥行きを示す白いラインと、目玉等のモールで、CGの様な空間がアナログで表現されている。

 森永卓郎の金融への興味はカネゴンが起点だったとか、鴻上尚史の新作がウルトラシリーズオマージュの『地球防衛軍 苦情処理係』という演劇だとか、1時間以上のトークもなかなかでした(^^)。

 以下の写真は、ライブビューイング用に撮影タイムが設定されていて、イオンシネマ名古屋茶屋のスクリーンの画面を撮った物。#ウルトラマンアーカイブス というハッシュタグを付けることを条件にネットに掲載するのがOKとのことなので、ハッシュタグ、付けます。

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◆鴻上尚史のトークから
 以下、お二人のゲストのトークから、興味深かったエピソードを箇条書きでメモします。

・当時のカフカ、カミュほかの影響下で、シュルレアリスムの影響が大きい。ラストでカネゴンがロケットのように打ち上げらけたり、パラシュートから金男が現れたりするのが面白い。
・カネゴンは、カフカのザムサの毒虫。
・円谷プロの特撮シリーズでは、怪獣もの以外の『怪奇大作戦』とか『ウルトラQ』が好きだった。特に「1/8計画」とか。「カネゴンの繭」のような子供の潜在意識にお金への執着が強いことだという意識を埋め込むような、現代的なドラマを円谷プロには作って欲しい。
・カネゴンの造形は、成田亨の天才的仕事、というより天才の仕事。
・異物が生活空間に居ることに違和感を持たない。現在は正義という名の下に事象や他人を否定することで異物を排除してしまう。
・子供にとっての何物でもない土地としての空き地をうまく描いている。
・僕はドラえもんで唯一損をしたクリエーター。2千万円の赤字。(ドラえもんの芝居を制作したのが、赤字だったらしい)
・今は、クレーマーの時代、SNSで「正義の言葉」を語る人間が増えた。誰も否定できない様な「正義の言葉」を語ることで、自己主張する人達が増えた。アメリカでは、これを「ソーシャル・ジャスティス・ウォーリアー」と呼んでいる。

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◆森永卓郎のトークから
・自分が経済学をやることになった原点。本来は金は、労働の対価として得られるもの。資本を回して稼いでいるだけの金の亡者が多くなっている。特に六本木周辺に住む、金融資本で稼ぐ人たち。カネゴンはそのアンチと考えられる。
・そうした金持ち層は、労働者を設備投資と同じ物として捉えている。
・自分の息子も禿鷹ファンドに一時居た。カネゴンのDVDが出てなかったので、見せることができず、教育に失敗した。
・カネゴンの足で光っているランプは、足元に落ちているお金を見るため。

◆関連リンク
ウルトラマン温故知新を語る 森永卓郎、鴻上尚史が「カネゴン」から学んだこと

" カネゴンがお金を食べても食べてもきりがないため友達が離れていくシーンについて聞かれると、「これがお金中毒なんです」ときっぱり。「お金お金と言っているとカネゴンになっちゃうぞ。これが私の人生の第一歩」と、自身の金融観に大きな影響を与えたことを明かした。

 最後に森永氏は「カネゴンというのはイソップと並ぶ日本の最高傑作の寓話だと思っている」と強調した。"

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2019.09.16

■感想  ジョン・クラシンスキー監督『クワイエット・プレイス』


『クワイエット・プレイス』本予告

 2018年の大ヒットホラー、WOWOWで録画初見。
 噂通り、なかなか緊迫化のあるホラーになっている。「音を立てる」ことにより恐怖が到来するという設定が音と映像のエンタテインメントである映画に独特の緊張感をもたらしている。

 既にあちこちで褒められている映画なので、何をどう書こうか少し迷ったのだけれど、究極映像研的には、①音の出ないことの徹底で得られる新しい映画の可能性 と ②SFとして観た時の恐怖の存在の設定の可能性 について簡単に書いてみます。そんな映画であったなら、もっと凄みのある究極映像映画になっていただろう的観点(^^;)。エンタテインメントとしては本作のような作りがベターかもしれないですが、奇想映画としてはいろいろともっと工夫の余地があるんじゃないかな、という。

 ネタバレも含みますので、以下は鑑賞後の方のみ、ご覧ください。






 以下ネタバレ注意。

 

 

 

Quietplace
◆①音の出ないことの徹底で得られる新しい映画の可能性

 まず足音等の生活音が結構出ているために、本当に音を立てたら死ぬという状況に見えない。
 そして空を飛ぶ鳥が鳴いているのに殺されない、など不徹底が気になる。
 
 いっその事、全くの無音でないと生きていけないような世界設定にして、その凄い制約の中でどう生きているかを描いた方が面白いのではなかったか。どう食料を確保するか、寝言を出さないようにどうしているか、音楽もなく他の音も全然ない状態で静音の空間が映画館で作られたら、少しの音も出せないという物凄い緊迫感の映画ができたのではないだろうか。

 こうやって勝手に書く事はできますが、どんな物語になるか、想像もできません(^^;)。

◆②SFとして観た時の恐怖の存在の設定の可能性

 クリーチャーが過去のホラー異星人映画の焼き直しにしか見えないのがSFファンとしては残念だったところ。
 視覚のない惑星の生物をどう創造するか、ここを徹底的に描かれた映画というのも観てみたいもの。音の感覚のみを持って進化した得意な生物を構築できたはずなので、奇想な発想としてはせっかくの設定が勿体無い気がしてしまう。

 たとえば参考書としてはアンドリュー・パーカー著『眼の誕生 カンブリア紀大進化の謎を解く』を推します。
 視覚のない生物の惑星の成り立ち、その惑星からどうクリーチャーが地球へ渡ってきたか。そもそも真空の宇宙空間に対して視覚のない生物が宇宙進出するという技術の進化がありえるのか。
 と考えると、このクリーチャーは、カンブリア紀以前の視覚を持たなかった地球生物がどこかの地球の空間で進化を続け、それが何らかのきっかけで視覚生物への攻撃を開始し、、、、、、。

 続篇が作られるらしいがそんなこともワンダーとして取り込まれた映画になっていることを期待します。

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2019.09.11

■動画 ロシアのドキュメンタリー「今 敏 が夢を映画に変えた方法 」


Как Сатоси Кон превратил сны в кино ( 今 敏 が夢を映画に変えた方法 )

 今敏監督が亡くなって既に9年。ロシアのTV局が作成したドキュメント番組です。あらためてこのような素晴らしい監督を失ったことが残念でなりません。

 今敏監督の漫画とアニメの特集番組。ロシア語で全く分からないですが、ザクッと観てみました。映像は国境を越える、映像オタクとしてビンビン、そのマニアックな引用映像から、この制作スタッフが今敏作品を深く愛していることが伝わります。

 ディヴィッド・リンチからジョージ・ロイ・ヒル、ジャン=ピエール・ジュネ、テリー・ギリアムとの幻視しているファンタジー世界の通底、ダーレン・アロノフスキー『ブラックスワン』、クリストファー・ノーラン『インセプション』への今作品の影響シーンの対比分析まで、物凄く深く捉えています。

 『妄想代理人』を絵コンテ含め相当量の映像を引用、平沢進の音楽、『夢みる機械』についてもかなり時間を使って紹介しているのが、とても嬉しい。

 字幕は一度、ロシア語字幕を出した上で翻訳すると日本語字幕が表示できます。割と意味がわかるようになります。

 日本語字幕で全篇観てみましたが、この番組の密度は凄い。速射砲のように41分間に圧縮された今敏論。おそらく欧米露では今作品の研究論文も発表されているのではないでしょうか。日本のお役所も本気で日本アニメ文化を育てたいなら、そうした研究論文をどんどん翻訳して、世界的な映像文化の定着を図っていけばいいのに(^^)。

 日本でもここまでの特集は作られてないような…。是非、日本でも翻訳し放映してほしいものです。

◆関連リンク
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2019.09.09

■感想 リドリー・スコット監督『ブレードランナー ファイナル・カット』IMAX上映


IMAXで伝説を体感!『ブレードランナー ファイナル・カット』

 リドリー・スコット『ブレードランナー』、作られた時には、遥か37年後の未来だった2019年にIMAXレーザー@ 109シネマズ名古屋にて、2度目の劇場鑑賞。
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 まず素晴らしい音響で奏でられるヴァン・ゲリスの音楽に震えます。そして酸性雨ふるロサンゼルスの雑踏に紛れ込む音の臨場感。
もう何度も観ているこの映画だけれど、大画面での鑑賞は改めて、“映画”としての『ブレードランナー』を体感させてくれる。何度観ても「メモリーズ オブ グリーン」を背景に描かれるレイチェルの哀愁は素晴らしい。

Vangelis - Memories of Green

 「メモリーズ オブ グリーン」はリンク先の名曲です。
 今回、レイチェルが髪を解くシーンで、クリムトの描く女性の顔を想起したのですが、そう見えたのは、先日豊田市美術館で「クリムト展」を観たからでしょうか…。
 クリムトはともかく、名画に匹敵するシーンであることは間違いありません。IMAXの大画面に描かれる、映像に定着された名画。

◆ 『ブレードランナー』とクリムト
 海外のサイトでブレードランナーからクリムトの絵を想起したと書いてる人がいました。
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STUDIO YYANG

"Re-watched Blade Runner recently. An all time favorite film. This time certain scenes made me think of art."

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 画像、左がレイチェル。右がクリムトの"Pale Face (Blasses Gesicht)" 1907。
 リドリー・スコットが意識していたかどうか、聞いてみたいものです。

◆ 4K IMAXがお薦めです。

 帰ってきて、2K版を家の4Kテレビで観てみると、圧倒的にIMAX 4Kの鮮明さがわかりました。
 2Kは粒状感とぼやけた感じ、4Kはくっきりでデッカードの服の質感、レイチェルの顔、セバスチャンの肌の具合、街の細部等、全然違ってました。

日本全国版 IMAX® & Dolby Cinema®&Dolby Atmos®シアター情報 (ひろぶろぐ さん)

以下引用
“「グランドシネマサンシャイン池袋」現時点では日本最強のIMAX
・4K IMAX®レーザー/GTテクノロジー(4Kツインレーザープロジェクター)
・25.8× 18.9 mの巨大スクリーン
・12.1chサラウンドシステム

「109シネマズ 大阪エキスポシティ」
・4K IMAX®レーザー/GTテクノロジー(4Kツインレーザープロジェクター)
・26m×18mの巨大スクリーン
・アスペクト比 1.43:1
・12.1chサラウンドシステム

次に良いIMAXシアターは
・4Kレーザープロジェクター
・12chリアルサウンド
を備えた「TOHOシネマズ日比谷」「TOHOシネマズ新宿」「109シネマズ二子玉川」「109シネマズ川崎」「シネマサンシャインららぽーと沼津」「109シネマズ名古屋」「TOHOシネマズなんば (本館)」「109シネマズ菖蒲」「ユナイテッド・シネマ浦添」
他のIMAXは、2K (ハイビジョン)”

 IMAXでも上記劇場以外では2K上映なので、4Kでの鑑賞をお薦めします。

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2019.09.06

■動画 リッチ・リー監督 ラナ・デル・レイ PV『Doin’ Time』


Lana Del Rey - Doin’ Time (Official Video) Directed by Rich Lee

 何と!巨大女 ラナ・デル・レイ!!
 50年代のSF映画を彷彿とさせるビジュアルに加えて、意外(?)な展開のストーリーも素晴らしいです(^^)!

 そしてこの曲が入った新アルバムが『Lana Del Rey – Norman Fucking Rockwell』、ノーマン・ファッキング・ロックウェルって強烈!

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ラナ・デル・レイ"Lana Del Rey – Norman Fucking Rockwell"
(Amazon 輸入CD)

"1. NFR
2. Mariners Apartment Complex
3. Venice Bitch
4. F**k it I love you
5. Doin’ Time
6. Love song
7. Cinnamon Girl
8. How to disappear
9. California
10. The Next Best American Record
11. The greatest
12. Bartender
13. Happiness is a butterfly
14. Hope is a dangerous thing for a woman like me to have – but I have it"

 このミュージックビデオの監督 Rich Lee : リッチ・リー監督のHP に数々の動画が掲載されていますが、上に引用した動画のように、なかなかファンタスティックな動画です。

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2019.09.04

■感想 クエンティン・タランティーノ監督『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

ONCE UPON A TIME IN HOLLYWOOD - Official Trailer (HD)

 クエンティン・タランティーノ監督『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』@ミッドランドスクエアシネマ 、心温まる古き良き60年代アメリカ映画/TV文化の果実。

 もちろんタランティーノなので、速射砲のようなセリフの妙は相変わらず健在でノアール風味もあるけれど、でもエンドタイトル含め、幸福なハリウッドを体感できる。

 ディカプリオとブラッド・ピットが楽しんで演じているのも多幸感を醸している。

 この映画を見て、タランティーノが次作に予定してると噂される『スタートレック』が俄然観たくなる。本作でも特徴的な過去作のリミックスによる当時の映画のリボーン、これで60年代SF映画を再構築されたら、古き良きSF映画ファンは悶絶するでしょう(^^)。

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◆関連リンク

タランティーノ版『スター・トレック』実現すれば「宇宙版パルプ・フィクション」に ─ 監督就任の場合、引退作にする意向

"「サイモン・ペッグ(モンゴメリー・スコット役)には困っているんです。実際は何も知らないのに、さも知っているかのようなコメントをしているでしょう。“宇宙版『パルプ・フィクション』にはならないと思う”と彼が言っていたことがありましたけど、なりますよ!(爆笑) 僕がやるんだから、確実にそうなる。宇宙版『パルプ・フィクション』ですよ。脚本を読んで『パルプ・フィクション』的な側面を感じましたし、こんなSF映画の脚本は読んだことがない。こんな要素の入ったSF映画、ありませんよ。だから作りたいんです。少なくとも、そういう意味では唯一無二の作品ですね。」"

タランティーノ監督「スター・トレック4」は宇宙が舞台の「パルプ・フィクション」

" パラマウント・ピクチャーズとJ・J・エイブラムスの製作会社バッド・ロボットは、タランティーノ監督のアイデアをもとに「スター・トレック4(仮題)」の準備を進めている。すでに、マーク・L・スミス(「レヴェナント 蘇えりし者」)が執筆した草稿が存在するというが、タランティーノ自らメガホンをとる可能性について、「『スター・トレック』に関しては、誰かがその質問をするのをずっと待っていたんだ」と前置きし、「まだやるかどうかわからない。ただ、マークは本当にクールな脚本を書いてくれた。直さなくてはいけない点があるが、本当に気に入っている」と話す。

 この脚本には『パルプ・フィクション』の要素がある。こんな要素が盛り込まれているSF映画なんて存在しないんだ。だからこそ、みんなはこれを作りたいと言ってくれている。少なくとも、この点に関してはとてもユニークだからね」と説明する。"

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2019.09.02

■情報 クラウドファンディング「小松左京音楽祭」

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「小松左京音楽祭」実現のための協賛金募集

"9月13日(金)午後11:00まで支援を募集しています。

プロジェクトの展望・ビジョン

「小松左京音楽祭」の実現は、「日本沈没」という小松左京が9年の歳月をかけて「日本」および「日本人」への思いを込めた名作を、音楽で表現してくださった多くの名曲が甦ることを意味します。楽譜と音が後世に残せるのです。

日本の音楽史的な意義は大きいと思います。

また、このプロジェクトを通して、小松左京という作家が「日本沈没」だけでなく、多様な作品を多様なメディアで多くの方に発信していたことを再認識してもらえるでしょう。

1960年代のテレビで実験的なアニメと実写の合成ドラマ「宇宙人ピピ」、1969年から70年にかけては人形劇「空中都市008」など、いずれも冨田勲さんの作曲でした。

さらに、日本映画音楽を支えたピアノ「メイソン・アンド・ハムリン」の物語も、多くの方を感動させるでしょう。

本人もビオラを弾き、戦後すぐに中学の同級生、高島忠夫さんと軽音楽バンド「レッド・キャッツ」を組んで演奏していた小松左京。大好きな音楽を通して、多くの人々を結びつけ、楽しんでもらえるとしたら、本当にあちらの宇宙で喜んでいることでしょう。"

 今から46年前、1973年に小松左京が産み出した『日本沈没』。ラジオドラマ化、漫画化、映画化、TV化とおそらく日本におけるメディアミックスの先鋒を走ったSF小説です。

 この音楽祭は、小松左京の『日本沈没』のラジオドラマ、映画、TVの音楽を中心にその他の小松左京作品を含めて、一同にその音楽を集めて、オーケストラ・トリイプティークが演奏するコンサートです。

 ご紹介が遅れ、すでにクラウドファンディングは、目標額を達成していますが、まだ支援は可能で、コンサートチケット、CD等の特典があるので、小松SFファン、日本沈没ファンにはお薦めです。

樋口真嗣、新企画「小松左京音楽祭」始動!あの名曲がオーケストラで蘇る!?(Togetter)

 プロジェクト「小松左京音楽祭」実行委員長の樋口真嗣監督がtwitterでつぶやかれた内容がまとめられています。とても興味深い企画です。

オーケストラ・トリイプティーク

"この100年で初演された日本人作の管弦楽曲は3000曲を超えるとも言われますが、その殆どは初演されたきりで再演の機会もなく眠ったままになっています。なかなか聴く機会のない知られざる作品を掘り起こし、それら名曲に今一度接する楽しみを広く提供したい!そのような思いを持って、日本の作曲家を専門に演奏するオーケストラとして、35歳以下を中心としたプロ奏者により2012年結成しました。"

◆関連リンク
・当ブログ関連記事 ラジオドラマ『日本沈没』についての記事など
 中学時代に、『日本沈没』マニア、特にそのラジオドラマと映画にはまっていた僕の記憶を記事にしています。
 中学生の僕が、ずっと未来にラジオの『日本沈没』の音楽を取り上げたコンサートが開かれると聞いたら、どんなにか喜ぶでしょう(^^)。
 ということでこのニュースを知って以来、ひさびさにラジオドラマを録音した3本のカセットテープを持ち出して、全部をデジタル化して iPhoneで聴いています。すでに50年近く経っているので、この録音は当時の文化的遺産かと。いつかネットでデジタルファイルをオープンにしたいなぁと思っています。

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2019.08.28

■感想 パク・チャヌク監督『渇き』


映画『渇き』予告編

" 2010年2月27日(土)より。
 人体実験によってバンパイアになった牧師と人妻との禁断の情事を叙情的かつ暴力的に描くスリラー作品。『オールドボーイ』のパク・チャヌク監督がメガホンを取り、2009年カンヌ国際映画祭の審査員賞を受賞。敬虔(けいけん)な神父から一変、血と欲望のとりこになるバンパイアを『シークレット・サンシャイン』の韓国の演技派俳優ソン・ガンホが演じる。人間の業を鋭くえぐり出しながら、ところどころにユーモアなどを織り交ぜた独特の世界観を楽しみたい。"

 前知識なしにWOWOW録画で観たのだけれど、これはなかなかの傑作ですね。
 韓国映画が苦手でパク・チャヌク監督作は『お嬢さん』のみしか観てないので、お恥ずかしい限りなのですが、奇跡 / 神 / 吸血鬼の合わせ技でこのような奇想映画を撮ってしまうとは、並々ならぬ才能ですね。

 猟奇とコメディと宗教というと、日本では園子温監督を思い浮かべてしまうのだけれど、『愛のむきだし』ミーツ『冷たい熱帯魚』みたいな作風ですね。要するに強烈で妙な笑いを誘発する、というか。だけれども人の想いがピュアだったり、、、。その監督には『東京ヴァンパイアホテル』という吸血鬼ものの怪作があるけれど、SF的情景としては、本作のラストシーンの素晴らしい朝焼けシーンには遠く敵わないかも。というくらい、このラストシーンは痺れました。

 ソン・ガンホが『グエムル-漢江の怪物-』『タクシー運転手 約束は海を越えて』での役柄とはかなり趣を変えて(どちらかというと二枚目寄り)、ハードでブラックコメディなバンパイヤ役を見事に演じている。黒でまとめた様相は、ある種、かっこいいとも言える。パク・チャヌク監督の造形力だろうか。

 エンドクレジットにエミール・ゾラ『テレーズ・ラカン』 にインスパイアされたとあるが、以下のようなストーリー。

エミール・ゾラ『テレーズ・ラカン』

"湿っぽく薄汚れたパリの裏街。活気のない単調な日々の暮しに満足しきっている夫と義母。テレーズにとって息のつまるような毎日だが、逃れる術とてなかった。だが彼女の血にひそむ情熱の炎はそのはけ口を見出せぬまま、ますます暗い輝きを増してゆくのだった。そうしたある日、はじめて出会った夫の友人ローランにテレーズのまなざしは燃える。"

 まさにテジュの家族設定に活かされているのですね。
 最後にヒロイン テジュを演じたキム・オクビンの妖しい美しさが本作の白眉、と書いて、本稿を終えたいと思います(ただ好きな女優さんになったというだけですw)。

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2019.08.26

■感想 ジョン・ワッツ監督『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』


『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』日本版特報|Spider-Man: Far From Home Trailer
 ジョン・ワッツ監督『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』@ ミッドランドスクエアシネマ名古屋空港、吹替版観てきた。
『エンドゲーム』後のMCUを見事に描いた快活な物語に拍手喝采。あの後をこう継いで行くケヴィン・ファイギとジョン・ワッツの手なみに唸らされます。

 ちょうどこのお盆休みに『ザ・ボーイズ』シーズン1の8本@ Amazonプライムビデオ を観終わった後だったので、MCUがどんな風に観れるのかも期待/不安だったのだけれど、ヒーローの虚構性とヒーロー未満のスパイダーマンを描くことで、見事に『ザ・ボーイズ』後のヒーロー像も垣間見せていた傑作でした(^^)。

スパイダーマン、MCUからの離脱をソニー・ピクチャーズがTwitterで公表

" ソニー・ピクチャーズはTwitterで「本日のスパイダーマンについてのニュースは、ケヴィン・ファイギがフランチャイズ(の製作)に参加していることについての最近の協議で生じました。残念ではありますが、スパイダーマンの次回の実写映画に彼が総合プロデューサーとして続投させることができないというディズニー側の決定を尊重します」と声明を公表している。"

 先週、このニュースが流れましたが、これが本当だとしたら残念です。特にアベンジャーズからのスパイダーマンの不在は寂しすぎます。
 ただ映画ファンとしては、ケヴィン・ファイギのマーベル映画での貢献度合いが知りたいので、スパイダーマン マイナス ファイギで作られた映画が今までとどう変容するか/しないかで確認できるという楽しみができたと思って、諦めるしかないですね。

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2019.08.21

■感想 平野暁臣編著『太陽の塔』

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平野暁臣編著『太陽の塔』(小学館 公式HP)

"再生を果たした太陽の塔の真髄に迫る
2018年3月に恒久的なミュージアムに生まれ変わる太陽の塔。
 既刊『岡本太郎と太陽の塔』とおなじく、貴重なヴィジュアル資料を豊富に収録するとともに、新たに発掘された種々の秘蔵史料を初公開。太陽の塔の制作状況を時系列で追った250枚におよぶ「実録・太陽の塔」をはじめ、本書が備える高い資料価値は、一般読者のみならず図書館や学校、研究者等の期待にも応える内容となっています。また、今回の「太陽の塔再生プロジェクト」を指揮した著者自らが著すプロジェクトの記録は後世に残すべき資料となりました。
 さらに建築家・磯崎新、作家・森見登美彦、文芸批評家・安藤礼二の論考も収録。多面的な角度から太陽の塔を読み解くヒントを満載しています。"

 平野暁臣編著『太陽の塔』読了。先日の太陽の塔の内部見学の衝撃から、建造当時の様子を知りたくて読んでみた。多数の当時の写真と平野暁臣氏による渾身の長文レポート「実録・太陽の塔」が素晴らしい。

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 写真で特に興味深かったのは、現在のリビルドで再生されなかった地下空間と空中展示の概要がわかったこと。それぞれ、人の原初的な無意識領域と進歩の先の未来を描いた展示で、中間の太陽の塔と生命の樹をセットで本来の万博テーマ空間が表現されているわけで、見学できた部分に組み合わせてイメージすることで、岡本太郎の構想にちょっとだけ近づくことができた感触。

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 平野暁臣氏の「実録・太陽の塔」は、岡本太郎の著作や対談、当時の公式記録、新聞記事、岡本敏子さんのメモ等から丹念に時系列でドキュメントとして描き出した労作。コンセプトの誕生から、岡本太郎のテーマ館プロデューサー就任の過程、精力的な組織編成と世界を飛び回ってのプロデュースの生々しい再現。まさに岡本太郎の強い想いの具現化の軌跡がトレースできて、より立体的に太陽の塔の全体像に近づくことができる。

◆関連リンク
平野暁臣さんに聞く『太陽の塔』と『明日の神話』のストーリー(ほぼ日)

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2019.08.19

■レポート 太陽の塔イルミネーションと生命の樹公開

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 太陽の塔イルミネーションと内部公開を、8/10に見学してきました。
 2018年3月の内部公開からずっと行きたかったのですが、お盆休みの3-4日前に予約サイトを見たら、夜の部が空いていたので、予約して出かけました。ちょうど夜間のイルミネーションイベントもやっていて、8/25までがお薦めです。

 太陽の塔オフィシャルサイト「太陽の塔」入館予約はこちらから。

 イルミネーションについては、こちらに情報。

"2019年7月20日(土曜日)から8月25日(日曜日)
※水曜日定休(8月14日(水曜日)は開園)

毎年恒例となった幻想的な光の祭宴を、今年は期間を大幅に延長して開催。会場全体をミラーボールの輝きでライトアップし、太陽の塔とのコラボレーションで夏の夜を華やかに彩ります。"

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 内部の「生命の樹」は、1970年の万博での展示をできるだけ再現したもの。地下展示空間は埋められてしまい、上部の大屋根も撤去されてしまっているため、当時のテーマ館の展示のうち、現在見られるのは、「太陽の塔」とその内部にある生命進化をディスプレイした「生命の樹」、そして地下で展示されていた「地底の太陽」と民俗学的な仮面を配し地下展示のエッセンスを示した導入部のみである。

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 地下展示のうちの「地底の太陽」と仮面展示は、「生命の樹」のある太陽の塔内部へ誘導する通路の短い空間に展示されている。
 当時の地下空間の「いのち」「ひと」「こころ」と名付けられた空間の雰囲気をこれらの造形物と、「地底の太陽」へのプロジェクションマッピングの映像で再現している。再現度合いは、、、当時、小学生で万博自体へは1日だけ行ったけれど、こうした有名展示はひとつも見ていない(父親が並ぶのが大嫌いな人で、大ものの展示は一切見ていないw)僕には、どの程度、当時の雰囲気が再現されているのかは比較のしようがない。

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 そして「生命の樹」のサイケデリックな色彩に頭がクラクラ。ここは、撮ってきた写真で見ているより、素晴らしい照明効果です。
 写真だけでなく、造形物を記録するため、しっかり3Dハンディカムで立体視映像撮ってきました(^^)。

 内部の広大な空間は、見学では階段で登れるのは、腕のある30mのところまで。頭までは70mということで、その巨大感が実感出来ました。

 あとネットに情報がなく心配してましたが、内部はエアコンが効いて快適な空間でした(いわゆる屋外用スポットクーラー的なものでしたが、なかなか涼しい) ので、後続を検討されている方のためにここに記しておきます。

 イルミネーションの動画は、Facebookのページに掲載しましたので、こちらのリンクでご覧ください

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 「太陽の塔」の"べらぼう"さに今だ興奮冷めやらない。
 今回、万博から数えて4度目の邂逅だったのだが、いつ見ても記憶の中のイメージを凌駕する大きさに感動。あの造形物の巨大な迫力は、まさに人類の作り上げた巨大で素晴らしいもののひとつだと思います。世界遺産のひとつとして登録はできないものだろうか。

 今回、内部に入ることで強く実感したのは、これは巨大彫刻、造形美術品という視点だけでなく、まさしく巨大建築であるということ。
 内部に人が入って行けて、その中で人が活動できることから、これは紛れもない巨大建築物でもあるわけです。改修プロジェクトを担当した昭和設計のページには、「工作物」から「建築」への変貌の推移も描かれている。

"1970年「大阪万博」の際、岡本太郎によりデザインされた太陽の塔の改修プロジェクトである。建築基準法上工作物扱いのため閉幕後は内部への立入りが不可能であったが、一般の方が入場可能な展示施設として機能させ、当時の空間を蘇らせることが今回のプロジェクトの最大の目的であった。
 耐震性能が不足していた塔は、腕より下は内側に鉄筋コンクリートの壁200mmの増打ち補強を行った。腕より上部は補強箇所が内外から一切分からないよう鉄骨補強を行い、塔内最上部のホリゾントの裏に隠しながら、万博当時の空間演出と耐震補強を両立させた。ホリゾント上部には機械排煙機を見えない位置に据え、全館避難安全検証法により密閉空間での火災に対しての安全性を確保した。"

 特に建築構造物として素晴らしく痺れさせてくれたのが、腕の内部構造。LED照明の赤と青の光で照らされた鉄骨の美しい形状は建築ファンも必見でしょう。
 元々の太陽の塔の建築物語をしっかりと読んでみたいものです。(今週のもう一本の記事でその本の感想をレポート予定)

◆関連リンク
「太陽の塔」腕の中には階段が入っている! その構造がまるでSF映画のような未来感

Reboot よみがえる太陽の塔
 これらのふたつのページに、素晴らしい写真が紹介されています。

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2019.08.07

■感想 「小松美羽展 DIVINE SPIRIT 〜神獣の世界〜」@ 一宮市三岸節子記念美術館

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 「小松美羽展 DIVINE SPIRIT 〜神獣の世界〜」@ 一宮市三岸節子記念美術館 で観てきた。迫力のある幻獣たちに圧倒されました。
 画風としては、主には上の写真の2枚に代表されるようだ。右が初期の作品で黒を見事に使ったダイナミックな画風。
 そして左が最近の作品で、鮮やかな絵の具のタッチにより極彩色の幻獣がキャンバスに所狭しと描かれている。

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 開催初日にあったライブペイントの様子が動画で展示されていた(右)。そして出来上がった作品が左の写真。
 これはライブペインティングに是非とも観に行くべきでした。近くなのに行けなかったのが残念でなりません。
 動画では、作品と同じで、ダイナミックに絵の具をぶん投げながらキャンバスと戦う作家の姿が観られます。生の迫力が想像できるというものです。

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 屏風のように横広に会場狭しと飾られた巨大な絵画作品と、彫像作品。
 この幻想味はまるで異世界の生物か、悪魔の姿を幻視して描いたもののようで、何か気配のようなものが会場に漂ってきます。

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小松美羽さんのVR作品「祈祷=INORI」がヴェネツィア国際映画祭VR部門コンペティション作品に

"「祈祷=INORI」は、日本の現代アーティスト小松美羽 氏と、世界でバーチャルリアリティの先駆者HTC CORPORATION、台湾の著名音楽プロデューサーKay Huang(黃韻玲)の三者によって共同製作されたVRインタラクティブ作品です。

 作品は、没入型デジタル環境(システム)を通し、小松美羽氏のインスピレーションが形成する精神の過程が可視化されています。

 彼女のシグネチャーともいえる「見えない世界の神獣たち」が色彩豊かに生き生きと動き、跳ね、そして体験者は神獣に導かれ、小松美羽氏のインスピレーションが形成する精神世界へと誘われます"

 またヴェネツィアビエンナーレで公開されているVR作品。何とか観る手はないでしょうか。
 ネットのプレス写真を観ると、幻獣を立体ペインティングした作品でもあるようです!HTCとのコラボとのことで、VIVEのサイトで見られるようになるのを期待したいです。

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2019.08.05

■感想 「近藤喜文展」@三重県立博物館

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 「近藤喜文展」@三重県立博物館、観てきた。美術館でなく博物館での開催で、会場入り口には写真のように、「ミエゾウ」という古代の象の巨大な化石が観客を出迎えてくれます。

 会場入って、まず『未来少年コナン』の原画、コナンがジムシーと会うシーン、ラナを抱いて塔から落ちた後の足がビリビリするシーン、近藤喜文さんの原画だったんですね。知らなかった。あの躍動感あるアニメート、素晴らしく印象に残るシーンでした。宮崎駿さんとのコラボレーション、すでにここから始まっていたのですね。

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 続いて『名探偵ホームズ』での緻密なレイアウト画、人物もメカも構図も素晴らしいですね。やはり鉛筆のタッチに痺れます。
 ほかに映像化されなかった宮﨑駿「王女と献身的な犬」のイメージスケッチ 肉感的女性の青い影の魅力。『退魔戦記』のワクワクする設定画(棚田の月とか)、「大きい一年生と小さな二年生」とか知らなかった作品の準備中の絵がとても良くって映像化されていたら、また違った日本アニメの世界が広がっていたかもと想像させます。

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 パイロットまで作られてた『リトルニモ』の映像展示も素晴らしく、早逝された名アニメーター 近藤喜文さんにより、生み出されえなかった傑作を夢想させ複雑な気持ちで会場を後にしました。

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 帰路、博物館近くの古風な喫茶店「魔愁」(『赤毛のアン』繋がりw?)で美味しいけれど苦いコーヒーを飲んで帰ってきました。

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2019.07.31

■感想 『クリムト展』@豊田市美術館

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 『クリムト展』@豊田市美術館 観てきた。
 思ったより作品数はこじんまりとしていた。
 でも「医学」1897-98年、「ユディトI」1901年、「葉叢の前の少女」1898年頃 等、堪能しました。
 金箔を使ったクリムト独自の絢爛でデカダンな油彩から鉛筆のスケッチによる流麗なタッチまでしっかりと眼に焼き付けました。
 やはり絵画の醍醐味は生で観ること。画家が描いたその絵の前に、観客自身が立って、その絵を描いた時の画家のあれこれを想像する楽しみが最高に貴重な時間だと思うけれど、最新の8K映像ならば、この臨場感はかなりの割合でモニタ上に再現できる気もして、そんな8K放送を一度試しに見てみたいと思ったり、、、。

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 豊田市美術館はリニューアルしたはずが、ほとんど以前と変わらず(チケット売場の位置は変わってたが)、期待してたのに残念。

 今回、豊田市美術館の1Fの半分、南側を使った展示でかなりコンパクト。朝一で30分待ちでチケット購入、さらに入場まで20分待ち。入ってすぐが狭いので、人が滞留、もっと広く会場を確保すべきかなあと思います。1Fの北側スペースが広いお土産ショップになっていたけど、そんなものより展示重視にして北側も絵画の展示に使って欲しかった。

 豊田市美術館は、自分がたぶん一番回数行っている美術館なので、今後のこうした絵画重視での展示を期待したいものです。

 以下、Facebookに3D風写真を掲載しているので、ご覧いただければ幸いです(^^)。

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