2018.05.28

■詳細レポート(2) 『クエイ兄弟 ーファントム・ミュージアムー』展 スペシャルトーク「クエイ兄弟の夢の世界」滝本誠氏、赤塚若樹氏@ 岡崎市美術博物館

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開催中の展覧会「クエイ兄弟―ファントム・ミュージアム」 | 岡崎市美術博物館ホームページ

"スペシャル・トーク 「クエイ兄弟の夢の世界」
登壇者
赤塚若樹氏(首都大学東京教授) 「ふたりの好きなもの」
滝本 誠氏(映画評論家) 「クエイ兄弟の手作り魔術」
司会 岡崎市美術博物館学芸員 高見翔子氏
日  時  5月6日(日曜日) 午後2時~ 
(当日午後1時開場)
会  場  当館1階セミナールーム
定  員  70名 先着順 ※午後1時から整理券配布 聴講無料"

 スペシャルトーク、後半の滝本誠氏の講演とラストのお二人によるトークのメモ、続きです。iPadのメモと記憶を頼りに書いてますので、記録ミスもあると思います。文責は私ということで、読んで頂く際はご容赦ください。トップに引用した画像は、お二人が用意され会場で配布されたレジュメ(一部)です。

■滝本誠 「クエイ兄弟の手作り魔術」

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・カフ力「変身」のザムザを表現した展示品。ザムサと部屋とベットとドア。クエイが想う形。このセットを、映像として完成させてほしい。スリルを感じた。
・フィラデルフィアでクエイと同時代を過ごしたはずのデイヴィッド・リンチも「変身」をシナリオ化している。2人ともフィラデルフィアでカフ力を発見。
・自分のイマジネーションの中で、クエイヴィジュアルで受けとっていた。
※写真は This Week In New York から引用させて頂きました。

・今買い展示されているドローイング、切断とか奇怪な夢を表現している。ブックデザインとか、噂は聞いていたがやっぱりというビジュアル。「クロコダイル」の頃に届かなかった情報。幻想力が入ってくる。

ジヤン=オノレ・フラゴナールの閂の絵からクエイが影響受けていると『映画の乳首、絵画の腓』に書いた。画家のフラゴナールでなく、解剖学者の従弟のオノレ・フラゴナールの影響であると、17年フラゴナ一ル博物館を初めて訪問して気づいた。クエイとフラゴナールで書き直した方がよい。

・パリ郊外にあるフラゴナール博物館、娘と2人で訪問した。人間の皮を一回はいでなめして頭蓋に張り付けたもの。荒俣宏氏も悲鳴あげた。余計な物を残しはりつけた。馬も凄い。1日楽しめるが、匂いがキツイ。ガラスの中から語りかける。女性に向いてると思う。(フラゴナール博物館については『荒俣宏の裏・世界遺産(3) 衛生博覧会を求めて』参照)

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・今回の展示品で「変身」のデコールに加えて、持ってかえりたいと思ったのは「クロコダイル」のデコールと、アムステルダムで展示されたオプティカルボックス。この三点が特に良い。
・オプチカルボックスはマックス・エルンストに関係。箱の中を覗く展示、既に破棄されたらしいので残念でならない。13個の穴ごとに別の物に見えたかどうか。これは見たかった。
(リンク C3 video archive and media art collection catalogue
 滝本さんが見たいと言われていた「ロプロプの巣」と言われる引用画像のキュレーション。マックス・エルンストの「怪鳥ロプロプ」のための架空の装置。97年にロッテルダムで展示された。)

・人為的な透視図法、またはアナモルフォーシス。バルトル・シャイティスのアナモルフォーシスとしたかった。手紙が届いた日にバルトス・シャイティスが死んだと言われてる。

バルトル・シャイティスアナモルフォーズ 』(国書刊行会)、クエイのアトリエでサインしてもらった。流麗かつ円がどこかへ引きずり込む様なサイン。上がティモシー? 上から下へ見事にひきついで素早く書かれた。カリグラィーの様。アトリエのBBCからエアチェックしたカセットテープの山と彼らのカリグラフィーの筆致は同じ。それらもまたイラストで埋まってる。

・カリグラフィー.、カリカリという昔の極上のエクスタシー。「書道家」。

・アトリエ訪門、1994年、イメージフォーラムのクエイのビデオが1万円x1万本以上売れた。そのご褒美として、イメージフォーラムの富山女史(富山加津江氏)と滝本氏、94年8月にアトリエを訪問した。(ここからアトリエ訪問の写真をスライドで見せながらの講演)

・2 Fがクエイのスタジオで窓が開いてた。2人で同時に顔を出した、ツインズの歓迎。1 Fはハロッズに肉を卸してる解体配送業者。「ストリート・オブ・クロコダイル」のレバーの購入先か。

・当時、クエイはピーター・グリナウェイから、早く実写を撮れ、と言わえてた。そして初めての実写長編『ペンヤメンタ学院』の初号試写。

・アトリエ内、植物系の絵、すべからく枯れている。枯れてこそ造形美を発揮する。枯木もいくつもアトリエにあった。作品の素材として置いてある。枯枝の様なパペットを天上に張り、そこに作品吊るしてある。落ちてくると危険。カバーシーツのカーブの写真、この流れがクエイ。

・テーブルの花も枯れてる。当時、35mmフィルムで、2人で撮っていく。照明、幕を張っている。スタロヴィエイスキの目玉の「砂時計のサナトリウム」。

・コースターもクエイ的、ビニール袋に入れて、穴をあけて、室内の風雨にさらす。粉なごみ、匂い、コースターに浮かび上がる。トイレにカフ力のチェコ版?のペーパバック、つり下げてある。ホコリ等の付着を楽しむ。彼の幻想の中の東欧か。

・変身のセットのリアル、写真を見直していて、20年たって衝撃受けた。

・手作りカセット、BBCエアチェック、手作り快感.。山をなして存在。
・家っぽい造形、エゴンシーレの肖像の様なパペット。映像になってない物、天上にぶら下がってる。ブラっと崩れる夢見に入る様子、写真を見ていて昨日気づいた。枯木の痕跡。人体模型。陰毛、自分たちで貼り込んだ。造形物に加えることで楽しむ。

・DVDのインタビュー、球体人形の陰部に指を入れる所から。映像になってない物、いろいろ。キリストはりつけ、腐敗的描写。フィラデルフィア、ポーランド移民多かった、そこへ向かうDNAか。

・まとめ? クエイを楽しみましょう。

■おまけの30分
 時間を延長して、30分ほどの追加講演

・東欧について話した。この展覧会は葉山、渋谷、ここ、見え方が違う。調べ直した。

・黒の素描。70年代となってるが、ベルギーの資料では74〜77年と記してある。英語じゃなくポーランド語等。モチーフ、街頭、パンタグラフ、電線、高圧線、クエイっぽい。
・この岡崎市美術博物館から見える電線。線にラケットがかかっていればクエイの素描そのまま。

・77年、ポーランドヘ74年に初めて行ってる。8mmカメラで映画撮ってる。そのスチル、後のモチーフ、市電、電線.。チェコの写真家にインスパイア、大聖堂のなかを走る、路面電車。人工の夜景に出てくる。映画のモチーフヘ痕跡が出ている。こうした見方も美術展の楽しみ方。

・クエイと東欧のつながり、フィラデルフィアは欧からの移民が多くいた。

・74年のワルシャワ訪問、東へ入りにくかった、鉄のカーテン、身ぐるみはがさえたり。
アンジェイ・クリモフスキ。クエイが東欧へ目を向けるきっかけ。イギリスの別の美術学校にいた。両親が東欧の役人(?)。卒業制作展で意気投合。文通。
・クリモフスキ、ワルシャワでポスターとアニメ学んだ、トマシェフスキに学んだ、レンツェとかの上の世代。アニメはカジミェシュ・ウルバンスキに学んでいた。この人を通してワルシャワへ。クリモフスキのポスター、『オーメン』とか、女の背中。アニメ「 死せる影」。密接に結び付いてることがわかった。

ウルバンスキPlaythings
・レンツェ、ボロフチク「家:The House」。電子音楽。シンセ。実験的。コラージュ、髪の毛アニメ。

Surrealism/Experimental/Avant-garde Art Cinemaの動画 | VK
 クリモフスキ「Dead Shadow : 死せる影」バレエ、階段のぼる人、撃たれる。
ポーランド最近も元気。


Nine Inch Nails - Closer (Director's Cut) - YouTube
 マーク・ロマネク:Mark Romanek監督のナイン・インチ・ネイルズ「クローサー Closer」PV。ターセムの『ザ・セル』と合わせて、「クエイエフェクト」と名付けられる様な映像の強い影響が現れている。もしくは「クロコダイルエフェクト」。肉、心臓、ほこり、そして蜘蛛の巣。


The Cell: The Demon King (2000) - YouTube.

◆関連リンク
滝本誠『映画の乳首、絵画の腓 AC 2017』
leeds canvas quay - Google 検索
 リーズ市の地下水路をアート化したもの。暗闇の光が素晴らしい。
The Hourglass Sanatorium (1973) ♦ A film by Wojciech Has ♦ - YouTube
 監督ヴォイチェフ・イエジー・ハス原作者ブルーノ・シュルツの「砂時計サナトリウム」。クエイに影響を与えた。まるでパペットのように見える人間の実写映画。
C3 video archive and media art collection catalogue
 滝本さんが見たいと言われていた「ロプロプの巣」と言われるキュレーション。マックス・エルンストの「怪鳥ロプロプ」のための架空の装置。97年にロッテルダムで展示された。
Max Ernst loplop - Google 検索
Un lieu d'exception(フランス フランスでのフラゴナール博物館 公式HP)
【閲覧注意】パリの「フラゴナール博物館」に世界最高傑作といわれる「人体標本」を観に行った!|健康・医療情報でQOLを高める~ヘルスプレス/HEALTH PRESS
【完全解説】マックス・エルンスト「コラージュ・ロマン」 - Artpedia / わかる、近代美術と現代美術

"1929年、最初のコラージュ・ロマンのエルンストの代表作となる『百頭女』を刊行。エルンストの鳥キャラクターのロプロプが現れる。絵の中の鳥はエルスント自身(エゴ)を表している。ロプロプとは鳥と人間の初期の混乱から起因する自分自身の延長のもので「分身」あるいは「守護霊」のようなものといっている。"

「砂時計サナトリウム」ヴォイチェフ・J・ハス - Credo, quia absurdum
・メカニカルインファクタ
 参考出品で展示。図録にも載っていないので検索してみたが、ネットには画像なし。とても残念。

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2018.05.21

■詳細レポート(1) 『クエイ兄弟 ーファントム・ミュージアムー』展 スペシャルトーク「クエイ兄弟の夢の世界」滝本誠氏、赤塚若樹氏@ 岡崎市美術博物館

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開催中の展覧会「クエイ兄弟―ファントム・ミュージアム」 | 岡崎市美術博物館ホームページ

"スペシャル・トーク 「クエイ兄弟の夢の世界」
登壇者
赤塚若樹氏(首都大学東京教授) 「ふたりの好きなもの」
滝本 誠氏(映画評論家) 「クエイ兄弟の手作り魔術」
司会 岡崎市美術博物館学芸員 高見翔子氏
日  時  5月6日(日曜日) 午後2時~ 
(当日午後1時開場)
会  場  当館1階セミナールーム
定  員  70名 先着順 ※午後1時から整理券配布 聴講無料"

 スペシャルトーク、貴重な御二人の話をたいへん興味深く聞かせて頂いたので、その一端をご紹介します。iPadでメモを採ったのですが、正確に記録できていない部分も多いと思うので、あくまでも文責はメモを採った私ということで、ご容赦ください。

■赤塚若樹  「ふたりの好きなもの」
・東欧関係とクエイの関係は、80年代終わりから。
・滝本誠氏『映画の乳首、絵画の腓』は恐らくクエイについて本格的に取り上げた日本で初めての書籍。
・赤塚若樹氏はシュヴァンクマイエル、クエイほかを『夜想』のパペットアニメ特集でとりあげた。ブルーノ・シュルツについても、雑誌「REAR」で、ポーランドのアニメーション他と合わせて文章を書いた。
・公式図録の主要参考文献には、この二人の著作は掲載されていない。高見氏の慧眼か、はたまた節穴か?、というのがこの講演でわかるはず(笑)。
・90年代ビデオ、イジー・バルタ、ヤン・シュワンクマイエルと合わせてクエイも発売された。イメージフォーラムフェス、シネヴィヴァンのレイトショーとか貴重な機会だった。パンフに滝本氏が書かれていた。その後90年に『映画の乳首、絵画の腓』が発行された。
・(滝本氏) クエイに30年おぼれ続けてるのでなく、最近、浮上してまた戻ってきた。

・(ここで参考上映 「ストリート・オブ・クロコダイル」) ポーランドのカフ力と呼ばれているブルーノ・シュルツの原作。平凡社ライブラリで翻訳が出ている。シュルツは作家であり、画家。
・デビューは偶像讚美の書。シュルツは小説より前に画家だった。(ここでシュルツの絵を紹介(参考リンク : Bruno Schulz - Google 画像検索)) シュルツの絵はクエイに影響。
・シュルツの絵を東大の講演で「足フェチ」と言っていたら、講演録で「足への愛好」と直された(笑)。
「ストリート・オブ・クロコダイル」の原作「大わに通り」と同じ舞台の連作に「肉桂色の店」。
ヴォイチェフ・ハス『砂時計サナトリウム』(72年)、この映像からクエイヘ影響しているのがよく分かる。人間がパペット的。(以下の動画参照)。


The Hourglass Sanatorium (1973) ♦ A film by Wojciech Has ♦ - YouTube.

・滝本『映画の乳首、絵画の腓』に、クエイへの東欧の影響について、すでに書かれている。ヤナ一チェク、ミランクニデラ、シュヴァンクマイエルの部屋。
・同じくシュルツの「砂映計サナトリウム」も現在、作ってる。そしてスタニスワフ・レムの「マスク」、バルトーク、カフカ「変身」。ロシアのアニメ作家 ヴワディスワフ・スタレーヴィチ等々が影響している。

・東欧、鉄のカーテンの標式が今もある。チェコ、ポーランド、スロバキア、ハンガリー、、、、以前はオーストリアから東へ行けなかった。世界の果てという認識があったころにクエイは東欧を訪問。
・REARに書いたポーランドのポスター。クロコダイルにも出てる。多くの東欧の作家がクエイに影響を与えている。ヤン・レニツァヴァレリアン・ボロフチク。ポーランド派の代表。
レニツァのアニメーション。ポーランドアニメーションの黄金時代。

チャーリー・バウアーズ「It's abird」レニツァ「A」 、AのあとBが来るというアニメーション。
・東欧、ファンタスティックな映像は西欧と違う。周縁、陰り、深みにひかれる。トルンカ、ノルシュテイン。そしてレニツァとボロクチク。
・ボロズウィック「再生」(1963年)。フクロウ、トランペットの再生、クエイが好きな作品として挙げてる。人形の再生、顔と頭、クエイの人形そのもの。最後、手榴弾。
・クエイ新作「砂時計サナトリウム」でも、ボロクチクにオマージュ捧げてる。
・クエイのドローイングもポーランドアートの影響受けている。

◆関連リンク
滝本誠『映画の乳首、絵画の腓 AC 2017』
The Hourglass Sanatorium (1973) ♦ A film by Wojciech Has ♦ - YouTube
 監督ヴォイチェフ・イエジー・ハス原作者ブルーノ・シュルツの「砂時計サナトリウム」。クエイに影響を与えた。まるでパペットのように見える人間の実写映画。
「砂時計サナトリウム」ヴォイチェフ・J・ハス - Credo, quia absurdum

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2018.05.16

■感想 『クエイ兄弟 ーファントム・ミュージアムー』展 @ 岡崎市美術博物館

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 『クエイ兄弟 ーファントム・ミュージアムー』展 @ 岡崎市美術博物館、観てきました。東京渋谷区立 松濤美術館に続き(当ブログレポート記事)、2回目だけれど、展示会場が異なり雰囲気はずいぶんと違って感じる。

 今回の最大の目的は、イベントのスペシャルトーク「クエイ兄弟の夢の世界」滝本誠氏と赤塚若樹氏講演の聴講。
 用意されたレジュメ(滝本氏のA4 3枚と赤塚氏のA3 2枚)とPCプレゼン資料と多くの映像。2時間(90分本篇。30分おまけ)に及ぶ深くて最新情報に満ちたクエイトークを堪能できました。
 会場の観客レベルをクエイマニアに設定されたような濃いトピック満載で素晴らしい講演でした。

 赤塚氏は主に東欧、特にポーランドアートのクエイへの影響について最新情報と関連作の動画等紹介。滝本氏は御自身のフランスでのフラゴナール博物館体験からクエイへの影響について、そして94年の渡英時のクエイ兄弟のアトリエ訪問写真紹介、フィラデルフィア近郊に育ったクエイと同時代にそこで青年時代を送ったディヴィッド・リンチとの共通性について。

 そして後半30分で、おふたりからのトレント・レズナーのナイン・インチ・ネイルズ PV Mark Romanek監督 "Closer" 、ターセム監督『ザ・セル』へのクエイのダイレクトな影響について。超ダイジェストに映像を見せつつの、とても濃くって興味深い話でした。


Nine Inch Nails - Closer (Director's Cut) - YouTube
 クエイ兄弟の映像に大きく影響されているナイン・インチ・ネイルズのPV"クローサー"。こちらのPV、冒頭他に刺激的なシーンがありますので、試聴は自己責任で

 詳細はいつものメモ魔で(^^;)、情報満載に記録したので、次の記事に掲載します。

 展示は松濤美術館になかったもの、そして前回も素晴らしく何度もその前に佇んでしまった撮影用のセットとパペットからなるデコールという立体展示、のべ4時間ほど会場にいて、じっくりと観覧させて頂いた。

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 特によかったのはデコール「この名付け難い小さなほうき」(右引用写真)と「変身」。特に後者はベッドの下で蠢く昆虫になってしまったザムサを描いたものだけれど、その部屋の雰囲気、蟲の造形等、素晴らしい闇の輝きである。滝本氏の発言にもあったけれど同様に持って帰りたい(^^)。
※写真は三菱地所アルティアムの記事から引用させて頂きました。

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 2012年の「変身」の映像ではこの造形の見事さが充分に表現されてないように見えて、これは造形物と合わせての鑑賞が必要かと。とにかくクエイの手になる創造物の存在感に溜息が出るばかり。
 「変身」は以下の動画作品だけれど、映像にはこのデコールの人形と部屋の造形が断片的にしか使用されていないため残念でならない。
※写真は This Week In New York から引用させて頂きました。

Metamorphosis - Mikhail Rudy / Brothers Quay - YouTube

 最後のコーナーにあった映画化企画中で、テスト的に作られているブルーノ・シュルツ原作『砂時計サナトリウム』の冒頭映像6分ほどが観られたのも嬉しかった(たしか松濤美術館にはなかったような記憶)。なかなか映画に恵まれていない最近のクエイ、なんとか実現することを祈りたいと思います。

◆関連リンク
・赤塚若樹氏twitter (@wakagi_akatsuka) 2018年5月6日

フランツ・カフカ  Quay Brothersの「変身 」 Google 翻訳.

"クエイ・ブラザーズの回顧の一環として現在ダン・ギャラリーで見られている一連の図を通し、1970年代半ばにカフカの最もよく知られた物語を映画化することを思いついた。 昨年、彼らはパリのシテ・デ・ラ・ムジークとロシア生まれのフランスのピアニスト、ミハイル・ルディにアプローチし、「変身」の適応に取り組んだ。 その結果、2012年3月に初演されたシンセシス作品は、 'アニメーションとライブアクションの組み合わせ、LeošJanáčekによるRudyの音楽パフォーマンスは、一緒に、Kafkaの物語に敬意を表する一方で、話題の全く新しい経験を生み出しています。"

オープニングイベント 上映会 & 講演会「映像作家クエイ兄弟の今昔」レポート(2) | 三菱地所アルティアム
 神奈川県立近代美術館 籾山昌夫氏の詳細な解説。深い話が掲載されているので、是非ご一読を。
■感想 双子がつくる悪夢的ビジョン「クエイ兄弟 ー ファントム・ミュージアム」展 The Quay Brothers Phantom Museum|松濤美術館

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2018.05.14

■感想 アンディ・ムスキエティ監督『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』


IT Trailer 2 (2017) - YouTube.

 アンディ・ムスキエティ監督『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』ブルーレイ初見。

 『スタンド・バイ・ミー』ミーツ ホラーというか、とてもキングらしいストーリーである。

 実は原作を20年以上前に読んだのだけれど(翻訳が出たのが1991年とのことで既に27年前! 期しくも本書で重要なキーワードになる「27年」と同じ年月である)、すでにほとんど忘れてしまっている。ので、とてもワクワクして全体を見終えた。

 まず青春映画としてよくできている。青春というか、子供から青年に移行する直前の年代の登場人物たちの心の動きを活写している。

 『キャリー』にもつながる、スクールカースト(嫌な言葉だ)的に言えば下層の、いじめられている少年少女の物語。それぞれが抱えている課題をそれとなく見せ、その7人の仲間が集まって戦いの体制を整えていくところの描写がなかなか見事。

 ホラーシーンも、ピエロのペニーワイズの持つ恐怖感。幻想性とリアリティのせめぎ合い。大人には見えていない描写等、ホラー映像の物語との拮抗も的確。

 原作を想い出してみると、この27年後の主人公たちグループの姿が描かれていたはず。続篇で描かれるだろう、彼らの姿も期待したいものである。

◆関連リンク
IT/イット "それ"が見えたら、終わり。 原作と映画の違い | MOJIの映画レビュー
 丁寧にしかもchpter2のネタバレも避けつつ、映画と原作との違いを分析されている記事。
IT (映画) - Wikipedia.

この作品の公開後、ピエロの存在を怖がる人々(道化恐怖症)が少なからず現れるようになったという。

道化恐怖症 - Wikipedia
 かならずしもこの作品だけが原因でないようですが、こういう病気が出てきているのはある意味凄い。映画によって精神的病が発症したというのは興味深い。
Andy Muschietti監督 - IMDb
Stephen King's IT (1990) - Georgie - YouTube.
 1990年の映像化作品、ペニー・ワイズが側溝から現れる冒頭のシーン。2017年作品とほぼ同じ展開を描いているが、恐怖感が映像によってパワーアップしていることがよくわかる。

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2018.05.09

■写真レポート 福井県立恐竜博物館

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 ゴールデンウィークに福井恐竜博物館へ行ってきました。
 前から行きたかったので、やっとという感じですが、44体の恐竜の全身骨格と千数百点の標本、そして大型復元ジオラマ、、、さすがに「国内最大」(よくある「最大級」でなく「最大」)と謳われているだけのことはある豪華さです。

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 未来的な宇宙船のような館内に展示された恐竜たちは、さながらノアの箱舟で未来へ連れてこられたような演出。10mに及ぶ巨大な「フクイティタン」ほか、この福井の地で発掘された復元模型も素晴らしいものでした。

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31648450_1985882771741307_625338193 そして中子真治さんが協力されたという(関連リンク参照)「ダイノギャラリー」と名付けられた恐竜イラストの展示コーナー(ここは残念ながら撮影禁止)。『超恐竜 恐竜アートの世界』で紹介されたイラストを直に見ることができて、これも感激でした。

 特にこの本の表紙に使われた右のイラスト。
 古代の息吹を感じさせるリアリスティックイラストに感嘆。
 今回、3Dハンディカムで、しっかり恐竜たちの立体映像を撮ってきたのでいつかYoutube等で公開したいものです。

◆関連リンク
・FPDM: 博物館バーチャルツアー - ダイノギャラリー
 (福井県立恐竜博物館 公式HP)

"恐竜アーティストも世界的に高い評価を受けている方ばかりです。画材も作風もさまざまで、油絵からアクリルや水彩さらにグアッシュやパステルといったものを使って描かれています。マーク・ハレット、ジョン・シビック、グレゴリー・ポールらの精巧な作品、パステルだけで植物食恐竜マイアサウラの生態を情感たっぷりに描いたダグラス・ヘンダーソンの作品、カナダの人間国宝の称号が与えられたエレノア・キッシュの遺作など、恐竜ファンだけでなく、芸術ファンの方にも十分な見応えがあるものです。さらに、しっぽを地面に着けたゴジラ型の姿勢をした恐竜を描いたウィリアム・シーリーの1960年代の作品など、その時代での恐竜研究により恐竜の背格好や風貌が異なってきていることがわかります。これらの作品は芸術的価値もさることながら、恐竜研究史的にも高く評価されるものです。

また、彫刻には映画「ジュラシック・パーク」(1993)で頭角を現したマイケル・トーシックの作品や「ジュラシック・パーク」でアカデミー賞特殊効果賞を受賞したスタン・ウィンストンが、この映画のために最初に基本制作したブラキオサウルス、ディロフォサウルス、ベロキラプトルが展示されています。何でここに展示されているのか!と目を疑いたくなるようなお宝です。"

ネオン集め その4 我が倉庫へ。 : 下呂温泉 留之助商店 店主のブログ

"1985年に恐竜画家ウィリアム・スタウトからプレゼントされた1枚の絵がきっかけで集めた恐竜復元画と復元彫刻のコレクションは、トヨタの池袋アムラックスホールで開催された『超恐竜展』のあと、福井県立恐竜博物館のダイノギャラリーという最高の環境で第二の人生を送っている。"

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2018.05.07

■感想 スティーヴン・スピルバーグ監督『レディ・プレイヤー 1』


'Ready Player One' Behind The Scenes - YouTube

 スティーヴン・スピルバーグ監督『レディ・プレイヤー 1』109シネマズ名古屋 IMAX 3D 字幕、観てきました。

 スピルバーグの子供心に満ちた楽しい1本。あれやこれや自分達が興奮した映画やテレビ作品のキーイメージのオンパレードで心地よい。物語はシンプルな、良くも悪くもスピルバーグ。主人公の想いと、仲間がだんだんとそろってきて、イッキに戦いに突入する心地よさは健在。

 映像はまさにIMAX 3Dの没入感がVRのジャックイン感覚を疑似体験させてくれて最高。一番前の真ん中席、取って良かった(^^) (名古屋ではE19席)。

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 VR世界OASISの映像は、わざとCGっぽいキャラクターだったけれど、2045年だったら、あと27年先なので、生々しいくらい人間っぽいキャラクター造形になっているだろう。そうするとラストの重要な「リアル」に関わるセリフとかが空疎に感じられる危険があってわざとCG的にしたのかもしれない。

 ここで描かれた体感スーツは別にして、2025年と言われても納得できてしまうくらいには現在に近いCG空間の映像。あと20年近く先の2045年だったら、どの程度進化しているか、と考えると空恐ろしく感じる。

 とはいえ、ここで描き出された3D IMAX空間の広がりは素晴らしく、こんなVR世界にジャックインできたら、それでもしばらく出て来たくなくなるなぁの出来w。

 3Dのメインスタッフとして最初にクレジットされていたのは、Stereo D社のYoichiro Aoki氏。IMAXとの相性も良く、快心の立体感。立体映画オタクには必見です。

 3Dで特に素晴らしかったのは、最初のOASISへ入っていくところの臨場感、各種ガジェット、そして「作家が気に入らなかった映画」(^^)の3D化、クライマックスの戦闘シーンの広大な空間感、どれも3Dによる大迫力に手に汗握らせて頂きました。
 今回の3Dシーンは、VR空間についてはCG映像で元から3D映像として作られたかと想像。実写シーンは2D-3D変換かと思われる。

 青木 洋一郎氏は、立体映像ブログ「3D3D3D」に時々コメントされているため、この映画について、お話ししてみたいものです。(と書いたFacebookの僕の書き込みにコメントを頂きました。恐縮です)

◆関連リンク
レディ・プレイヤー1 - Wikipedia
Yoichiro Aoki - IMDb

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2018.04.30

■感想 ケヴィン・ファイギ製作、アンソニー・ルッソ&ジョー・ルッソ監督『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』


「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」本予告 - YouTube
 ケヴィン・ファイギ製作、アンソニー・ルッソ&ジョー・ルッソ監督『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』109シネマズ名古屋 IMAX 3Dで観てきた。
 以下、何を語ってもネタバレになりそうですが、ネタバレしない感想をまとめてみました。

 マーベル・シネマティック・ユニバース、ここに結実といったところでしょうか。こんなところに連れて来られるとは、『アイアンマン』を初めて観た時には思いもしませんでした。
 終わった後の満席の場内は、ラストまで席を立つ者はなく、そのラストに声も出ない感じ。

 壮大な物語と戦闘はピーター・ジャクソン『ロード・オブ・ザ・リング』的?で、ラストの寂寞感は、昨年のリンチ『ツイン・ピークス :リミテッド・イベント・シリーズ』にも通じるのではないかと思ったくらい。

 この寂寞感は、特に『ブラックパンサー』で少し政治的観点で今後に凄い期待を持ったファンの持つ思いかもしれない…。このようなエンディングにしてしまうのか、、、というような。ある意味、まさかと思うような大胆な持って行き方。

 まだ未見の方は、出来るだけ本作のネタバレを読まないうちに、出来るだけ多くのマーベル・シネマティック・ユニバース作品を観た上で、この稀有な衝撃を体験しに、劇場へ急いでください。

 ケヴィン・ファイギなのか、アンソニー・ルッソ&ジョー・ルッソ監督なのか、ここまでの全19作での悪魔的試みに驚嘆。全19作のうち食わず嫌いで未見だった『マイティ・ソー』の三本と『スパイダーマン ホームカミング』をWOWOW録画してたもので初めて観て、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に結実する伏線として貼られている種子のいくつかを確認して、改めてその驚嘆を強い思いとして感じた。ケヴィン・ファイギ恐るべし。

 この先もどんな驚嘆すべき世界へ連れ去られるか、楽しみでなりません。

◆関連リンク
マーベルの繁栄を支える天才 ケヴィン・ファイギ  - 映画についてのよけいな事
 MCUを牽引するケヴィン・ファイギについて深く知りたいのですが、なかなか日本語では記事が見つかりません。こちらは英文のインタビュー等から簡潔にまとめられています。

当ブログ 関連記事リンク
■感想 ライアン・クーグラー監督『ブラックパンサー』: Black Panther
アベンジャーズ 当ブログ 関連記事 Google 検索

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2018.04.23

■感想 マーク・ロマネク監督『わたしを離さないで』:Never Let Me Go


映画『わたしを離さないで』予告編 - YouTube

  マーク・ロマネク監督、アレックス・ガーランド脚本/制作総指揮、カズオ・イシグロ原作/制作総指揮の映画『わたしを離さないで』をWOWOW録画見。

 先日観た『エキス・マキナ』が傑作だったため、アレックス・ガーランドが脚本/制作総指揮を務めた本作を観てみた。

 こちらも期待に違わぬ傑作だった。静かなトーンで描かれた、残酷な物語を丁寧な描写で粛々と観せていく。
 全体的に静謐な雰囲気が画面を覆い、本来溌剌としている子供達の快活なシーンですら、どこか陰鬱なイメージが満ちている。

 物語はカズオ・イシグロの原作とほぼ同じようだ(読んでいないため、wikipediaの粗筋より判断)。異質な英国の物語としてさらっと語られる時代背景と徐々に観客に提示されていく物語のコア。不安が満ちている画面が、ひしひしとこの異質な世界の恐怖の実像を観客に提示している。

 たとえば、子供達が壊れたオモチャを嬉しそうに選ぶシーン。この子供達の育てられてきた環境を的確に描き出している描写。

 ラストで流れる映像。どこかのうらぶれたイギリスの片田舎の農地。風に吹かれたビニール屑が鉄格子にひっかかって風に揺られるという心象的な風景がこの映画の全体を見事に表象している。

わたしを離さないで - Wikipedia.

"イシグロは『わたしを離さないで』は平行世界のイギリスを舞台にしているにもかかわらず、2015年までの自身の作品のうちでもっとも「日本的」な小説だと考えており、それまでに接してきた日本の映画や書籍の影響が登場人物のふるまいなどに反映されているという。"

 小説が「日本的」なものを狙ったとのことで、つい日本映画として制作されていたら、と想像してしまう。
 多くの日本映画監督の作風を想い出してしまうが、たとえば黒澤清監督が撮っていたらと思うと、さらなる傑作が生まれていたのではと妄想が膨らむ。子供達が育つ「ヘールシャム」と名付けられた施設の佇まい。彼らの周りの空気感がこの物語をさらに鋭いものに変えていたのではないだろうか。

◆関連リンク
わたしを離さないで (映画) - Wikipedia
わたしを離さないで - Wikipedia
 こちらの原作あらすじによると、映画はほぼストーリーは原作通りのようです。
映画「わたしを離さないで(Never Let Me Go)」の劇中校歌の恐ろしい歌詞

"校歌の歌詞は小説には出てこないみたいです"

 校歌の独自訳を書かれていて、なかなか深いです。

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2018.04.18

■情報 ヤノベケンジ 巨大機械彫刻他 7点同時展示 @ GRAND 「ART SCRAMBLE」

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GRAND THANKS! 5 th Anniversary 「ART SCRAMBLE」 (公式HP PDF)

"内 容 : 世界的著名アーティストと国内の有名・気鋭アーティストによる アート 作品展示
イベント 期 間 : 4月26日(木)~5月13日(日)
関連施策 : 4月26日(木)オープニングセレモニー、一般参加の共同作品アートイベント
主 催 : グランフロント大阪|GRAND FRONT OSAKA
アーティスト : キース・ヘリング 、 ファブリス・イベール 、ヤノベケンジ、 椿昇、カオルコ、西形 彩庵、他"

 ヤノベケンジの代表的な作品が、グランフロント大阪に集結。
 作品は、公式プレスPDFによると、「ジャイアント・トらやん」「風神の塔」「ウルトラ - 黒い太陽」「サン・チャイルド」「青い森の映画館」「アトム・カー」「シップス・キャット(ブラック)」の7点。

 僕は「シップス・キャット(ブラック)」のみ未見、他は見たことあるが、これだけの作品が一群で見られるのであれば、観たいと思う。
 以下のヤノベケンジ公式Tumblrサイトの動画や、twitterで検索すると、グランフロント大阪前の工事中の風景がいくつか見られるが、なかなか壮観。

 ひとつ残念なのは、「ジャイアント・トらやん」と「ウルトラ - 黒い太陽」は並んで展示されるわけではなさそうなところ。

【Special Exhibition: GRAND FRONT OSAKA】....
【Special Exhibition: GRAND FRONT OSAKA】....
  (ヤノベケンジ公式Tumblr)

"【Special Exhibition: GRAND FRONT OSAKA】 大阪駅前・うめきた広場に、ヤノベ作品が集結中!その2 《サン・チャイルド》《風神の塔》《ウルトラー黒い太陽》、3体のモニュメント作品が早くも姿を現しました。 準備作業はこれからまだまだ続きます。グランフロント大阪のアートの祭典「GRAND ART FES」は、2018年4月26日からスタートです。"

◆関連リンク
ヤノベケンジ 関連 当ブログ記事 - Google 検索
 上記作品のレビューも掲載しています。

 

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2018.04.16

■感想  アレックス・ガーランド監督『エクス・マキナ』Ex Machina


Ex Machina Official Teaser Trailer #1 (2015) - YouTube

 アレックス・ガーランド監督『エクス・マキナ』WOWOW録画初見。
 評判の良い映画を今更ながら観たわけであるけれど、確かにとても良い映画だった。

 AIを描いた作品としては、2013年にスパイク・ジョーンズ監督・脚本『Her/世界でひとつの彼女』という傑作があるのだけれど、そちらに続く佳作といって良いのではないだろうか。僕は人工知能としての独自性(機械知性は人の考える人工知能とは異質の進化を遂げて、人類に興味を持たなくなる)描写から『Her/世界でひとつの彼女』にSFとしての先進性で軍配を上げるのだけれど、『エクス・マキナ』は人間の延長としての/シミュラクラとしてのAIの奇怪さを見事に描いた映画と言えるのではないだろうか。

 そしてもうひとつ秀逸だと思ったのは、エヴァ(AVA)アリシア・ヴィキャンデルの演技の素晴らしさもだが、主人公の青年 ケイレブ・スミス(ドーナル・グリーソン)が抱えたフィリップ・K・ディック的な存在の不安感の描写。ここまでディック的不安を見事に映像化した例は他にないのではなかろうか。このシーンへ至る不気味さを描き出したことだけでも、この映画の成果は大きいと思う。

 アレックス・ガーランド監督は、 『ザ・ビーチ』の原作、『28日後...』の脚本、『28週後...』の製作総指揮と、いずれもダニー・ボイル監督と組んだ秀作の制作に大きく関わっている。本作が初監督作品ということだけれど、見事なシナリオと演出、SFXで素晴らしい業績だと思う。

 次の作品『アナイアレイション -全滅領域- Annihilation』は、どうやら北米等での公開がいまひとつ振るわず、日本では残念ながらネット配信(Netflix)になってしまったようだが、今度もSFということで期待したいと思う。


Annihilation (2018) - Official Trailer - Paramount Pictures - YouTube

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2018.04.09

■予告篇 岩切一空監督『聖なるもの』


映画『聖なるもの』特報 - YouTube
映画『聖なるもの』公式サイト

 傑作自主映画『花に嵐』の監督 岩切一空氏の新作『聖なるもの』が東京で4/14〜公開されるということで、その予告篇と特報が公開された。
 特にその特報が凄いので、冒頭でご紹介。まずは2分弱の短い映像なので、以下を読む前に騙されたと思って観てください。

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 まず冒頭の特報について。
 謎めいた、佇む少女に、かぶるボンジュール鈴木の冥界からの歌声のような、繊細な楽曲。そして奥から近づいてくる黄色い巨大な除雪車両。

 言語的に説明できない、独特の空間感覚。少女の薄い笑みと吸い込まれるような黒眼(もしかして映像加工されている?)。ここに漂う恐怖感のような凍えるような虚無はいったいなんなのだろう。

 この映像の強度、相当なものと思うけれどいかがだろう。不安を感じさせるこの空気感は、どこか黒沢清映画を思い出させる。しかし、それにしても、この除雪車。いったいここで除雪車を持ってこれる感覚は? 凄い。

 前作『花に嵐』が達成した学生映画としての空気感と、エンタテインメントのクライマックス感。そこにも映画のみが持ち得る空間感覚が見事に表現されていたけれど、この特報の持つ迫力はさらにその先を行くものかもしれない。

 今作で岩切監督が何を達成するか、本篇が楽しみでならない。


「聖なるもの」予告編【01】 - YouTube

"2018.4.14(土)ポレポレ東中野ほか全国順次ロードショー!!
監督・脚本・編集:岩切一空|劇中歌・主題歌:ボンジュール鈴木
出演:南美櫻 小川紗良 山元駿 縣豪紀 希代彩 半田美樹 佐保明梨(アップアップガールズ(仮)) 青山ひかる / 松本まりか

 大学3年になる「僕」(岩切一空)は、4年に1度、映画研究会に現れる謎の少女と作った映画は必ず大傑作になるという噂を耳にする。ある日、僕の目の前にミステリアスな黒髪の美少女・南(南美櫻)が現れる。彼女に魅了された僕は後輩の小川(小川紗良)らを巻き込み、衝動的に南主演の映画を撮り始める。"

 そして何と88本の予告篇が公開中!『聖なるもの』公式サイトにも掲載されているが、引用したYoutubeリンクで再生すると連続的に88本すべてが観られる。

 僕はYoutubeで観る前に、公式サイトで一本一本、別々にクリックして観て行ったのだけれど、さすがに冒頭に引用した特報ほどの出来のものはない。
 だが、8秒 × 88本 = 708秒。約12分に渡るその映像の端々に、前作にも通じる岩切監督独特の雰囲気が漂っている。

◆関連リンク
■感想 岩切一空監督『花に嵐』 と 「期待の新人監督2016」@カナザワ映画祭
新時代の到来を感じさせる天才映像作家 岩切一空監督が新作『聖なるもの』を語る|CREA厳選! イケメン青田買い|CREA WEB(クレア ウェブ).

"――幼い頃に持っていた将来の夢は?  ある日、雲を見たときから、羊になりたいと思っていました。もともと、豚などの四足歩行の動物が好きで。食べて、寝て、愛されて、草原にいる姿がとても幸せそうだったんですね。その後も、満員電車が苦手なので、普通の会社員になるのは難しそうだとは思っていました。

 僕はゼロから1を作れる人間ではないと思っていて、そうすると自然に自分に蓄積されたものの組み合わせや好みを考えていくようになっていきました。編集や音の使い方などは、「少女革命ウテナ」や「新世紀エヴァンゲリオン」など、中学・高校時代に見ていたアニメからの影響が大きいです。"

第58回日本映画監督協会新人賞は、『花に嵐』岩切一空監督に決定! - シネフィル
 岩切監督、新人賞受賞ということでおめでとうございます。この賞って商業映画以外も対象になるのですね。大島渚に始まり錚々たる監督が受賞されていますね。
 → 日本映画監督協会新人賞 wiki
Nagoya Cinematheque

"近日公開 『聖なるもの』"

 東海地方は、名古屋シネマテークで上映予定。公開日が楽しみ。
Bonjour Suzuki - YouTube
TVアニメ『魔法陣グルグル』ED主題歌「Round&Round&Round」MV/TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat. ボンジュール鈴木 - YouTube.

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2018.04.04

■情報 全日空による実時間遠隔ロボティクス「ANA AVATAR VISION」


THE VISION of MELTIN - YouTube

"MELTIN MMIは、生体信号を利用した医療機器やアバターロボットなどの研究開発・事業化を通して、生体信号処理技術やロボット技術を高度に発展させ、義体やBrain Machine Interface(脳と機械をつなぐインターフェース)に代表されるサイボーグ技術の実現を目指します。MELTINは、サイボーグ技術によって身体による限界から人類を開放し、誰もが自分自身に合った活躍ができる世界を創ることをビジョンとして掲げています。"

【森山和道の「ヒトと機械の境界面」】行きたい場所へ仮想瞬間移動する「ANA AVATAR VISION」始動 - PC Watch.

" アバター(化身)とは、遠隔地に操作者の意識を飛ばすことを目的とした技術。遠隔操作ロボットやハプティクス(触覚)、VRやAR、各種センサー、通信技術などを組み合わせて統合する「テレプレゼンス(遠隔存在感)」と呼ばれる技術を用いて、遠隔地からロボット等の機器をリアルタイムに操作することで、操作者があたかもその場にいるかのような臨場体験ができるようにすることを目指す。

 技術デモは、Suitable Technologies製のテレプレゼンスロボット「BEAM pro」を用いた空港内案内デモのほか、ANA独自運営のクラウドファンディング・プラットフォーム『WonderFLY』のプロジェクト(WonderFLY ANA AVATAR)で資金を集めているアバター関連技術を持つ3社のうち、「Re-al Project」と株式会社メルティンMMIの2社、そしてテレプレゼンス・ロボットを使った共同研究を行なっている、凸版印刷株式会社とNTTドコモ、東京大学大学院情報学環暦本研究室のIoA共同実証実験チームが行なった。デモについては後述する。"

 先週、ANAの遠隔操作ロボットのコンセプトが大々的にプレスリリースされ、あちこちのマスコミで大きく取り上げられ、テレビでもそのコンセプト映像が広く紹介された。
 特に詳細を記事にされているのが、科学ジャーナリスト森山和道氏のリンク先記事。的確に紹介されているので、興味がある方は、是非、リンク先を読んでいただきたいと思います。

 このANA のアバターヴィジョンって、通産省と東大 舘研究室でやっていたR3 (アールキューブ : Real-time Remote Robotics )コンセプトそのものですね。

 ここに舘 暲東大名誉教授らで起こされたベンチャー テレイグジスタンスInc.はジョイントしないんでしょうか。今こそ、日本発の未来コンセプトとして一大企画としてまとめるべきかと…。

◆関連リンク
Suitable Technologies Home - Beam

・当ブログ関連記事
 アールキューブ 関連記事 Google 検索

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2018.04.02

■感想 ジャック・アーノルド監督『大アマゾンの半魚人』: "Creature from the Black Lagoon"


Creature from the Black Lagoon (4/10) Movie CLIP - Underwater Stalking (1954) HD - YouTube

 ジャック・アーノルド監督『大アマゾンの半魚人』(ブラックラグーンからのクリーチャー)3Dブルーレイ初見。

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 モノクロ3Dですが、現在の3D映画より飛び出る効果を狙ってあり、立体感がいい。また水中映像が生々しくクリーチャーの存在感が迫ってきます。魚チックに尖った口と呼吸する鰓の動き等素晴らしい。
 引用動画ではモノクロ映画的に画質も思わしくないですが、このブルーレイはこれとは異なる綺麗な映像を維持している。古びた印象でなく、現在の技術で3D映画を撮った様な新鮮な映像である。

 この映画、立体映画としては初の水中撮影を実現したものとのこと。
 1950年代に凄く大きなカメラを水中立体撮影ができる様に大きな防水ケースに入れて湖の中に持ち込んだスタッフの工夫と努力に感謝です。

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 ギレルモ・デル・トロがこの映画に触発されて『シェイプ・オブ・ウォーター』を作ったわけですが、半魚人と美女ジュリー・アダムスが透明な沼を一緒に泳ぐシーン(上記引用動画)のエロティシズムが触発のコアだったと思われます。その3Dによる存在感たるや…。デル・トロ『シェイプ・オブ・ウォーター』を何故3Dで撮らず、しかもこの様な水中遊泳シーンを入れなかったのか。これらは本作を観ると、名作『シェイプ・オブ・ウォーター』の大きな手落ちと思われてしまいます。もっともっと魅力的な映画になっていたのにと、残念でなりません。

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 本作は、ある意味『シェイプ・オブ・ウォーター』を超える素晴らしい映画。ブルーレイ、値段もこなれてる(千円強)ので、3D環境の観られる方、超おすすめです(^^)。

 本作は続篇が2本あるのだけれど、このディスクにはその2本の紹介も収められている。それによると続きも3Dらしい。是非ともブルーレイを続けて出して欲しいものである。

◆関連リンク
大アマゾンの半魚人 - Wikipedia
『 大アマゾンの半魚人 (2D/3D) [Blu-ray] 』

・当ブログ記事
 ■感想 ギレルモ・デル・トロ監督『シェイプ・オブ・ウォーター』THE SHAPE OF WATER

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2018.03.28

■感想 押井守監督『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』ディレクターズカット


押井守が本当に描きたかった『パトレイバー』がここに。ディレクターズカット版予告映像解禁! - YouTube.

"監督・押井守の強い要望により、『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』の全カット責任編集を行い、27分の映像を追加したディレクターズカット版が10月10日に全国公開。"

押井守監督に「TNGパトレイバー 首都決戦」ディレクターズカット公開の経緯についてインタビュー - GIGAZINE.

"最初にこの「ディレクターズカット」があったんだけれど、「これでは長い」という話が出たんです。僕は「2時間の何が長いんだ?」と思ったけれど、90分にしたいという要望でした。そうすることで、1日の上映回数が増えるという話なんだけれど、結局、1日に来るお客さんの数は変わらないだろうし、変わらないなら回数を増やしても意味がないから、その話にはリアリティがないなと思い、詳しく聞いてみるとどうにも要領を得ない。「つまらないならつまらないと言ってよ」と言っても、そうではないという(笑)。それで、追求しないことにしました。いろんな事情があるんでしょうから。"

 押井守監督『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』ディレクターズカット版 WOWOW録画で初見。

 27分の映像を追加した、本来の押井監督の構想の映画。
 たしかに前半で、押井独特の饒舌な戦争に関する言語表現が続き、全体を見直した印象はあきらかにこちらが押井版であるというものであった。

 ただ、以前ブログに書いた以下の感想はそれほど変わらず、もっと"現在"が描かれる『パトレイバー2』であってくれたら良かったと思うのです。

◆関連リンク
当ブログ記事 ■感想 押井守監督『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』

 そうした意味でも「魂」は入っていない。いったい押井守はどうしてしまったんだろう、というのが第一印象である(それとも前作での伊藤和典の功績は随分と大きかったということなのだろうか?)。  押井守は、この空虚こそが現在をあぶり出すと考えているのだろうか、、、。作中でも後藤田に先代の伝統をなぞるしかない、と言わせているので、まさに描きたいのは2代目の空虚だったのかもしれない。

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2018.03.26

■レポート 瀬戸蔵ロボット博 2018

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瀬戸蔵ロボット博2018
 瀬戸市であった「瀬戸蔵ロボット博」、行ってきました。フィクションとリアルの混在が心地良いです(^^)。

 愛知工大の鉄人28号はいろいろと進化していく過程が見られました。
 もともとの2速歩行から、飛行用のジェット、そして遠隔操作VR操作と横山光輝の世界の再現からさらにその先を狙っている姿勢が素晴らしい。

 

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 映画のロボットも多数。
 一番目を引くのがこのR2D2とC3POですが、他にもハリウッドから日本アニメまで、ロボットの実物大とミニチュアフィギュア、おもちゃのオンパレード。

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 ダヴィンチの体感コーナーで、外科手術シミュレータを初めて体感。
 ワイヤで手と指の位置をはかり、シミュレーションのCGの内臓手術をハンドリング。点数は70点で、100点にならないと外科手術はやってはいけないそうで、外科医になるのはあきらめましたww。

 指の動きを1/5に縮小して、さらに手振れ補正があり、微細な手術を実現できるとのこと。わりかしシンプルで少し慣れれば使い良さそうな感じでした。
 ステレオHUDで見ながら操作するのですが、ちょっと残念だったのはステレオ立体視の奥行きが今ひとつだったこと。奥行きが捉えにくく、何回かトライしないと奥行き方向の位置を間違えやすい。今回の模擬は実際より簡易的なのだろうか。

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 あとはCART!VATORの空飛ぶ車"SKYDRIVE"、4つの駆動部に各2台づつのモータとプロペラ。空飛ぶデモはなかったけれど、8枚のプロペラのうち、1枚を動かして飛びそうな迫力はなかなかでした。なんとか東京オリンピックの聖火点灯に間に合って欲しいものです。

◆関連リンク
SKYDRIVE | CARTIVATOR / FLYING CAR PROJECT
手術支援ロボット「ダヴィンチ」徹底解剖|東京医科大学病院

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2018.03.21

■動画 AIが作成したサイケなPV Hardcore Anal Hydrogen "Jean-Pierre"


Hardcore Anal Hydrogen "Jean-Pierre" (2018, Apathia Records) - YouTube
AI(人工知能)でミュージックビデオを作ってみた。メタルにサイケ感マシマシでいい感じの香ばしさとなった。 : カラパイア

" 2009年に結成されたメタル&コンテンポラリーバンド「ハードコア・アナル・ハイドロジェン(Hardcore Anal Hydrogen)」が、Googleの生み出した人工知能ニューラルネットワーク「ディープ・ドリーム(Deep Dream)」をはじめとする様々なプログラムを使い、新曲「Jean-Pierre」のミュージックビデオを作り上げた。"

 気持ち悪いけど気持ちいい!不思議な感覚。
 こういうの観ると、AIって意識のない知性で、もしかしたら知的生命体が常にラリってる状態かも、と思う(^^)。

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Deep Dream Generator (Google公式)
 上のPVを構築したAIのひとつがこのGoogleのDeep Dreamである。
 どこかでみなさんも見たことがあると思うが、あの異様な犬の映像を創り出したクリエーターAIである。デジタル世界の創造主は、いったいどんな世界を生成したいのだろうか。

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2018.03.19

■情報 Google 高解像度 VR用有機ELパネル


Google Earth VR — Bringing the whole wide world to virtual reality - YouTube
Google VR(公式HP)
 最初のリンクは、Google Earth VRの動画であるが、今回ご紹介するのはGoogleが用意しているVRゴーグルのデバイスについて。

グーグルとLG、5月に高解像度のVR用有機ELパネルを発表か | Mogura VR - 国内外のVR/AR/MR最新情報

" この講演で発表されるディスプレイは、ピクセル数が18メガピクセル、サイズは4.3インチ、画素密度は1443ppi、リフレッシュレートは120Hzを実現するディスプレイであることが明らかになっています。最終的な解像度は不明ですが、有機ELの専門サイトであるOLED Infoによれば、解像度としては5500×3000程度を実現できる性能とされています。

 現行のVRヘッドセットを遥かに超えるVRヘッドセットの実現

 2018年現在、多くのVRヘッドセットの解像度は片目1K程度の解像度です。2017年末から2018年前半にかけて登場しているWindows MRヘッドセットのOdyssey(サムスン製、国内未発売)や、HTCのVive Proでも、片目の解像度は1440×1600ということを考えると、グーグルとLGのディスプレイはその数倍の解像度のVR体験を実現する可能性があります。"

Googleが1443ppiで120Hz駆動の4.3型VR用OLEDディスプレイを5月に発表見込み - Engadget 日本版.

"1443ppiという数字がすぐにイメージできませんが、GoogleのPixel 2が441ppi、Galaxy Note8で515ppi、iPhone Xが458ppiと考えれば、3倍近く高精細だとわかります。なお、VR用ではVIVE PROがディスプレイ1枚あたり3.5インチ 615ppiとなっています。"

 解像度が18Mピクセルということで、何とそれは他に比べて4〜9倍という高精細なものになっている(下のグラフ参照)。PS VRを試してみた時に、2.1Mピクセルということで画像がまだ荒いと感じたのであるが、それに対して約9倍というのは、相当にリアル感を補填できるのではないか。リフレッシュレートは、PS VRと同じ120Hz、VIVEの90Hzと比べると高いレートで、解像度とレスポンスが期待できそうである。

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 VRが3Dテレビのように一過性のものに終わらず、このまま、性能競争が続いて、VR酔いなどの起こらない、リアリティの再現とさらにはそれを超えるような超絶なリアルを体感させるようなものになるのを期待するものである。

◆関連リンク
Google and LGD developed a 1443 PPI 4.3" 120Hz VR AMOLED display | OLED-Info

"The new Google-designed display is a 4.3" 18Mp (1443 PPI, probably around 5500x3000 resolution) VR display featuring a refresh rate of 120 Hz. This will be the highest-density OLED display ever (not counting OLED-on-silicon microdisplays). Current VR AMOLEDs in production reach only about 600 PPI."

 こちらが元記事。
視力1.0のVR世界 70メガピクセルで実現する超高解像度のVR | Mogura VR - 国内外のVR/AR/MR最新情報.

"Varjo社はフィンランドのヘルシンキに拠点を置くスタートアップ企業です。同社はVRやMRといったいわゆるXR分野向けに画素数が70メガピクセルのディスプレイシステムを開発しています。これは現在市販されているOculus RiftやHTC Viveの約1.2メガピクセルと比べると圧倒的な高解像度ディスプレイです。チームメンバーの出身はマイクロソフト、インテル、NVIDIAやノキアといった会社から集まっており、8ヶ月前から独自の技術を開発し「20/20」と呼ばれるプロジェクトに取り組んでいます。(20/20は欧米で視力の程度を表わす表記、20/20は視力1.0と同じ。)"

◆当ブログ関連記事
■凄い! 3Dハンディカム HDR-TD10 裸眼3D対応 3.5型高解像度液晶モニター と iPhone 3D (^^)
■感想 プレイステーションによるヴァーチャル・リアリティ体験 PlayStation®VR

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2018.03.14

■感想 友井 健人編『1973『日本沈没』完全資料集成』

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1973『日本沈没』完全資料集成 - 株式会社洋泉社 雑誌、新書、ムックなどの出版物に関する案内。

"一億の民族を乗せ、ああ日本が沈む! 小松左京の大ベストセラー小説を、当時5億円の巨費を投じて、 豪華キャストで映画化した70年代パニック大作の金字塔 『日本沈没』(1973年)は、動員880万人以上の記録的ヒット作となった。 監督は『八甲田山』(77年)の森谷司郎。 特技監督はゴジラシリーズや『連合艦隊』(81年)の中野昭慶。 公開45年目を迎えた今も映画ファン、 特撮ファンを震撼させ続ける傑作の魅力を、 初公開含む写真と資料、600点以上の集成で明らかにする。

企画から公開までの流れ
藤岡弘、、小林桂樹、丹波哲郎、いしだあゆみ他カラースチール集
特撮カラースチール集
ドラマ写真ギャラリー
特撮写真ギャラリー
ポスター他宣材コレクション
登場人物紹介
巨大地震メイキング
潜水艇「わだつみ」デザインと図面
特撮美術資料
初公開・中野昭慶特技監督が描いたコンテ
製作スケジュール
原作と脚本と映画の比較
特撮セット図解"

 『日本沈没』完全資料集成、購入しました。
 当時チラシや雑誌の切り抜き、シナリオ等を集めていたファンとして、45年経ってこんな資料集が出るとは、感慨無量です!1ページづつ大切に読みたいものです(^^)。

 カラーとモノクロのスチール写真多数と、各種資料、そしてキャストとスタッフへのインタビュー等、全190ページの労作。

 ファンとしては見たことのないスチルと、さらに知らなかった制作エピソード等、たいへん嬉しい一冊になっている。

◆私のスクラップから
 いくつか本書に収められていない写真(雑誌記事)やチラシ、新聞の切り抜きがあるので、すでに45年前のSF文化資産ということで、掲載してみたいと思う。

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 似ているアングルの写真が本書のカラーページにも掲載されているが、残念ながらスチルの劣化で発色が良くないため、こちらの雑誌(たぶん当時さいとうたかおの漫画版『日本沈没』が連載されていた「少年チャンピオン」と思われる)の見開きページをご紹介。

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 こちらの二枚は特撮のレポート。たぶん上が「中一時代」、下が「テレビガイド」のもの。本書に衛星画像の日本列島の特撮シーンの海について、糊説とゼラチン説の両方が、スタッフの証言として掲載されているが、この雑誌記事ではどちらも糊と書かれている。「特撮で使ってきたカンテンの海では感じがでないと、研究をかさね、ついにのりの海を開発したのだ」「青い色をとかしこんだのりでできている」「海はのりに染料を混入」といった記述である。
 下画像の左上、わだつみがフロンガス噴射している様子がなかなか良く写っている。

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 映画館でもらえたチラシ。おもて面は本書に掲載されていたが、裏面がなかったので、ここに掲載。

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 こちらは割引券のおもてと裏。本書には横型の割引券は掲載されているが、こちらは未掲載。裏面に「みんなの科学」として地球物理を紹介している。これは学校の前で配られていたものだと思うので、勉強の視点が入っているのでしょうw。

 このスクラップの紹介が、45年前の特撮SF映画の記録として、少しでも役立てれば幸いです。

◆関連リンク
友井 健人編『1973「日本沈没」完全資料集成 (映画秘宝COLLECTION) 』

日本沈没 当ブログ関連記事 Google 検索

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2018.03.12

■感想 ライアン・クーグラー監督『ブラックパンサー』: Black Panther


BLACK PANTHER Final Trailer (2018) - YouTube

 3Dが近所で上映されていなかったため、2Dでまずは観てきた。素晴らしい傑作で、もう3D IMAX版も見に行かざるを得ない盛り上がり(^^)。

 『マーベル・シネマティック・ユニバース』シリーズとしては、第18作品目の映画。今作は特に主人公の生まれ過ごす、第三世界の秘めたパワーの象徴としてのワカンダ国 (Wakanda)の設定がとても良い。そして『マーベル・シネマティック・ユニバース』の描き続けている世界平和のためのヒーローと政治の真面目なアプローチ。第三世界 アフリカの黒人の知恵と世界観を導入することで、次のアウフヘーベンを見られるのではという、続くルッソ兄弟『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』への期待。

 本作はそうしたアフリカの知恵の描写と合わせて、アフリカの原色を使った鮮やかな民族衣装等、ヴィジュアル的サウンド的にも第三世界的な視点にあふれていて、映画の映像と音楽の魅力に溢れた作品になっている。

 
 そうして大満足で見終わった後、気になったのは、この『マーベル・シネマティック・ユニバース』の大きな政治的なうねりのあるストーリーはいったい誰が構築しているのか。監督も脚本も別々のスタッフによるシリーズ。メインスタッフとしては、全作に関わるのは製作を務めるマーベルスタジオ社長のケヴィン・ファイギのみにみえる。

Kevin Feige - Wikipedia

・大ヒット作連発!マーベル・スタジオ社長ケヴィン・ファイギの仕事術 - シネマトゥデイ.

"「それぞれのプロジェクトにその作品に専念しているエグゼクティブプロデューサーがいて、彼らは毎日現場にいる。だから毎日『アントマン・アンド・ザ・ワスプ(原題)』のエグゼクティブプロデューサーだったり、『アベンジャーズ』のエグゼクティブプロデューサーだったりからメールがあるんだ」と携帯を取り出してみせたファイギ。「次のスパイダーマン映画もストーリーを練っているところだ。たくさんのことが同時に起きているがそれが全てうまくいっているのは、全ての場所に相応しい人がいるからだよ」と明かしていた。"

 今後、このケヴィン・ファイギの動静に注目していきたいものです。

◆関連リンク
◆TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」ブラックパンサー特集 3連発 
 以下3本のリンクは、通常文化,政治,社会ニュースを中心に放送しているラジオ番組での『ブラックパンサー』特集。とても面白いので、興味のある価値は是非!
『ブラックパンサー』で荻上チキ大興奮!▼2018年3月1日(木)放送分
「ブラックパンサー特集」▼▼中島かずき×荻上チキ 2018年3月2日(金)放送分」

中島かずき:今回の『ブラックパンサー』は次の『アベンジャーズ』につながる世界観の提示をしていると思います。『シビル・ウォー』までの世界は第二次大戦からずっと流れた南北問題の「北」、アングロ・サクソンを中心とする世界観。普遍主義。その中で、それが完全に行き詰った結果としてのアイアンマンとキャプテン・アメリカの対立があり、その体制が一度崩壊してしまった。で、さあどうなる? というところから今回の形が始まっている。そこに対して、次の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に向けて、「いや、こういう形があるよ」っていうのを『ブラックパンサー』で提示しているような気がします。だから僕は見終わった時にものすごく興奮して。「うわーっ、そうなんだ。映画でここまで描くんだ!」みたいな驚きがあったんですね。

【ネタバレ注意】「ブラックパンサー」が指し示した希望と可能性とは
 ▼中島かずき×荻上チキ 2018年3月2日(金)放送後

ブラックパンサー党 - Wikipedia.

"ブラックパンサー党(英: Black Panther Party, BPP)あるいは日本語で黒豹党(くろひょうとう)は、1960年代後半から1970年代にかけてアメリカで黒人民族主義運動・黒人解放闘争を展開していた急進的な政治組織。1966年、カリフォルニア州オークランドにおいてヒューイ・P・ニュートンとボビー・シールにより、都市部の貧しい黒人が居住するゲットーを警察官から自衛するために結成された。"

ブラックパンサー (マーベル・コミック) - Wikipedia.

"「ブラックパンサー」の名が考案されたのは、1966年10月のブラックパンサー党結成よりも先である。とはいえ、ブラックパンサー党に影響を与えたLCFO[† 1]はそれ以前から黒豹のロゴを用いていた。また、第二次世界大戦中に人種隔離政策によって作られた黒人の戦車大隊(第761戦車大隊(英語版))はブラックパンサーズと呼ばれていた[1][2]。 ブラックパンサー党を連想させることを避けるため、『ファンタスティック・フォー』第119号(1972年2月)へのゲスト出演からブラックレパードへの改名が行われたが[† 2]、同年の『アベンジャーズ』第105号(1972年11月)で取り消された[3][† 3]。 ブラックパンサーを創案した一人であるスタン・リーは、その名に政治的な意図は一切なく、LCFOのロゴを参考にしたこともないと述べている[4]。実際に着想の元になったのは、黒豹を連れていたパルプ冒険小説の主人公だという[5]。ジャック・カービーによるオリジナルのコンセプトアートではコール・タイガー (Coal Tiger) という仮の名が使われていた"

ブラックパンサー (映画) - Wikipedia 
ライアン・クーグラー
マーベル・シネマティック・ユニバース.

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2018.03.07

■情報 スタニスワフ・レム公式HP レムによるドローイング : Stanislaw Lem - Lem's drawings

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Stanislaw Lem - Lem's drawings
 スタニスワフ・レムの公式HPに、レム自身が描いた絵が掲載されています。不思議な、シュルレアリスティックなスケッチがいっぱい。知的なレムのイメージとは異なる子供っぽい、いい味の絵です(^^)。

 天才の頭の中を垣間見られた気分です。存外に小説と異なりお茶目な方ですね(^^)。

Stanislaw Lem - Photo album
 こちらは公式HPの写真アルバム。
 子供時代から晩年まで。たぶんお孫さんとの写真もあり、レムの人となりを感じさせます。

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