2017.04.26

■感想 デヴィッド・ロバート・ミッチェル監督『イット・フォローズ』It Follows.


It Follows Official Trailer 1 (2015) - Horror Movie HD - YouTube

 デヴィッド・ロバート・ミッチェル監督『イット・フォローズ』録画見。

 いい評判をあちこちで聞くホラー、初見。
 予算よりも知恵を使った、スリリングな佳作。2億円程度の制作費で、20億円の興収というのは素晴らしい。
 カーペンター監督の『ハロウィン』や中田秀夫監督の『リング』を思い出させる。特に郊外にフッと異界が現れるところで『ハロウィン』を、そしてあるルールで恐怖が伝播していくところで『リング』を思い出す。

 秀逸なのが「イット」の存在感。自主映画でも出来そうなアイデア勝負の描写がなかなか素晴らしい。あるシーンで主人公が車の中から自宅にいるそれを見るシーンが秀逸w。あれだけは現れて欲しくないっていうかw。

 ヒタヒタと迫り来る恐怖を体感したい方に、お薦めの一本。  アメリカのwikiでは、続篇(プリクエル)の可能性も触れられており、僕は是非観てみたいです。

"It Follows"(Wikipedia) Google 翻訳

"可能性のある続編
この映画の成功に続いて、Radius-TWCの共同議長であるTom Quinnは、スタジオが可能性のある続編を探していると発表しました。 QuinnはMaika MonroeのJayや "it"の起源を見つけるために連鎖を下っている別の主人公とともに、最初の映画のコンセプトを反転させる考えを表明している。 [38] 

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2017.04.24

■情報 造形作家「植田明志」作品集制作プロジェクト クラウドファウンディング


植田明志 x SipkaART 作品集刊行プロジェクト - YouTube.

" "SipkaART"は名古屋大須にあるセレクトショップ"Sipka"が母体となっているギャラリーです。これまでとは違うアート活動をする為、設立いたしました。 今後は、店内での展示以外に、アートフェアへの出展や、作家の作品集や絵本などの出版も手掛けていく予定です。
 植田明志は現在まででSipkaで3度の個展を行いお客さまからの支持も厚く、急成長をしている作家です。手がける作品にはそれぞれ物語があり、見るものを魅了し、惹きつける不思議な力があります。 今回は、クラウドファンディングでその集大成となる作品集を制作したいと考えています。 作品集の制作は、多くの方からご希望も頂き、それならば、campfire(キャンプファイヤー)通じて、皆さまと作り上げられればと思いました。 このプロジェクトに参加して頂ける皆さまのためにこの場限りの様々なリターンを用意しました。 作品集制作の実現へ向け、皆さまのご協力をどうぞ宜しくお願いいたします。"

造形作家「植田明志」作品集制作プロジェクト - CAMPFIRE(キャンプファイヤー)

" 今回は、造形作家「植田明志」の作品集制作というプロジェクトとしてキャンプファイヤーに投稿します。

 植田明志は現在までで、Sipkaで3度の個展を行ない、お客さまからの支持も強く、急成長をしている作家です。
 手がける作品には一つ一つ物語があり、見るものを魅了する不思議な力があります。
 その集大成となる作品集を制作したいと考えています。

■作家からのコメント

子供のころの、らくがき帳は、さながら作品集の様。
空想の生物を描いた下には、名前やその大きさ。

ずっと作品集を作れたらいいなぁ。と思っていました。

子供のころ、夢中でめくった作品集や、画集は、夢や感動、ワクワクを与えてくれていました。
それは魔法が綴ってある秘密の本のように、僕を静かに奮い立たせました。

この世界には、こんなものを作っている人がいるんだ。
どうやって作ってるんだろう?

僕にもできるのだろうか?
そういう想いが、僕をこの世界に導いてくれたひとつであることは、間違いありません。"

 造形作家 植田明志さんの作品集刊行プロジェクトのご紹介です。
 4/19から始まったクラウドファンディングは、締切日まで残すところ57日の4/23現在、すでに目標額100万円に対して166.4万円となっていて目標達成。

 僕はSipkaさんのネットでの紹介以外、実はまだ作品を直接拝見したことがないのですが、冒頭に引用した公式動画で見られるようにその作品はとても幻想的な造形です。不思議なその魅力にいつも心惹かれているのですが、残念ながら資金的に作品を購入することはなかなか出来ないので、まずは作品集を是非入手したいと思っています。

 何度かSipkaさんで開催されている作品展に行く機会を作れずにいるのですが、いつか3Dハンディカムを持参して、伺いたいものです。

◆関連リンク
植田明志 - Google 画像検索
植田明志 | アクセサリー・セレクトショップ・Sipka-シプカ- オンラインショップ
 こちらのページで作品を購入できます。

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2017.04.19

■動画 押井守監督『Sand Whale and Me : 砂クジラと私』第1話〜第5話


第1話

第2話

第3話

第4話

第5話
 (押井守 情報サイト 野良犬の塒さん経由)

押井守監督のショートムービー『Sand Whale and Me』ネットでも公開 - amass

"押井守監督、佐伯日菜子主演のショートムービー『Sand Whale and Me』が米カートゥーン・ネットワークの「Toonami」枠にて3月18日よりオンエア開始。「Toonami」の20周年を記念した作品のひとつとして制作された本作は、実写×CG×ゲームのハイブリッド作品。1話5分の計5話で構成されています。

●『Sand Whale and Me』 監督:押井守 音楽:川井憲次 CGIスーパーバイザー: 佐藤敦紀 衣装デザイナー:竹田団吾 主演:佐伯日菜子 制作プロダクション:プロダクションI.G"

 全5話が「Toonami」のFacebookページで公開されたので、全話へのリンクを掲載します。
 各話5分とは言え、冒頭の戦闘シーン1分間は1-4話共通。そして観て頂くとわかりますが最後の1分はこれも(ほぼ)リピートシーンであるため、正味ドラマ(?)は各回3分間ほど。まあ、小品ですね。
 イメージは真・女立喰師列伝 - 「ASSAULT GIRL ケンタッキーの日菜子」に準じるもの。『AVALON』や『ガルム・ウォーズ』と共通のイメージも引用されている。赤いバトルスーツがよく出来ているので、それだけで映画の画面が引き締まります。
 食べ物へのこだわりが押井監督らしく、押井ファンには一見の価値。一般ファンにはなんじゃこりゃwな感じでしょうか。

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2017.04.17

■感想 ルパート・サンダース監督『ゴースト・イン・ザ・シェル : Ghost in the Shell』


Ghost in the Shell - SUPERCUT - all trailers & clips (2017) Scarlett Johansson - YouTube
 ルパート・サンダース監督『ゴースト・イン・ザ・シェル』IMAX3D 吹替版を109シネマズ名古屋、最前列中央で堪能。
 吹替版が素晴らしい。まるで素子とバトーとトグサが義体を変えて、IMAXスクリーンに登場したみたいな錯覚。
 予告篇からある程度は予想していたけれど、これほど押井守愛に満ちた映画とは想像してませんでした。まさに『ゴースト・イン・ザ・シェル』リメイク。ガジェットやエピソードに宿る押井守。
 前半の街の映像とかは士郎正宗リスペクト。漫画チックな立体デジタルサイネージが士郎チックな雰囲気を醸し出している。
 そしてクライマックスの情動は神山健治SEC 2ndの魂が宿っている。空を、巡行ミサイルが飛び交っていたらもっとジンとくるけど…(^^)。

 押井ファン、アニメ攻殻機動隊ファンには、リスペクトに満ちた素晴らしい映画であるが、残念ながら一般映画ファンに対してはいささか満足できない部分があるのでないか。

 押井ファン、攻殻ファンとしても欲を言わせてもらうと、もう少し策謀部分を緻密に作り込んで欲しかった。カッター社長がなぜあんな危険を冒してまで自らの手を汚しているか。久世の目的も復讐だけなのか。
 もっと裏の策謀が描かれ、9課が追う理由と緊迫感があったら、映画はさらに素晴らしいものになっていたのではないか。

 最後にジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督『キングコング : 髑髏島の巨神』に続く、プライムフォーカスによる2D-3D変換について。
 特に素晴らしかったのは、スカーレット・ヨハンソンのアップの3D質感。最高の少佐が描かれたと押井監督も評価したというスカーレット・ヨハンソン。アップのシーンの眼とか顔の輪郭が迫真の少佐像を構築していて、僕もとても魅かれました。

 プライムフォーカスの3D変換は、『キングコング』よりは立体視を意識したシーンが少なく、若干残念感もぬぐえませんが、ラストの水の描写等、3Dらしい良いシーンもあり、鮮明なIMAX 3Dには感嘆しきりでした。吹替3D IMAX、4/20までの限定公開らしいがお薦めです。



★★★★★★ 以下、ネタバレ注意 ★★★★★★

 押井愛を感じるシーンは、バトーによるバセットハウンド犬 ガブリエルへの給餌シーン。
 そして香港のスラム街の上空を飛ぶ有翼機。ガラスを割って銃を構え、テロの現場に飛び込む少佐。そうしたどこかI.G作品で観たシーンが、実写3Dで大画面に描かれるとファンとしては、涙が出そうになりますw。

◆関連リンク
109シネマズ名古屋 上映スケジュール | 109CINEMAS
 ゴースト・イン・ザ・シェル[IMAX3D・吹替] 4/14(木)〜4/20(木)のみの上映


Ghost in the Shell - Bloopers


『ゴースト・イン・ザ・シェル』 | 押井守 特別映像 - YouTube

魂が入ったアニメーション――押井守が語った実写「攻殻機動隊」の不思議な感覚と素子に残る“引っ掛かり” - ねとらぼ.

"押井 ラッシュを見たとき、ヨーロッパ風の格調高い映像で「なかなかいいな」と。
 その後試写に入ったらメガネ渡されたんで、どうなっちゃうのかなって。正直、最初の10分くらいは、違和感の塊だった。当たり前だけど、立体になると空気感とか消し飛んじゃうから。多分、立体視で見るのか、2Dで見るのか、IMAXで見るのかで随分印象が変わると思う。僕は興味があるので全部試してみるつもりだけど。  立体に関して言えば、引き(の絵)は完璧にアニメーションにしか見えなかった。(キャラクターに)寄っていくと、シームレスに実写になっていく。実写って言い方は正しくないな。魂が入ったアニメーション。とても不思議な体験だった。

押井 普通、3DCGのキャラクターって、リアルになればなるほど、いわゆる不気味の谷で気持ち悪くなって、僕は“死人が踊っている”といったりもしたけど、ある種不気味さが出てくる。ところが、(ゴースト・イン・ザ・シェルは)役者が演じているから、セットアップに切り替わっていくと、今までCGにしか見えなかったキャラクターにフワッと魂が入ってくる。確かにここにいる人間には“魂”が、攻殻の世界で言えば“ゴースト”を感じる。それは今まであまり見たことがないから、とても不思議な気がした。

 よくできた3DCGのアニメーションは幾つもあるわけだけど、それにはもちろん魂を感じたことはない。どこまでリアルになっても記号でしかないから。実写映画というのは逆に言えば、キャラクターだけじゃなく“空気”にも魂が漂っている。恐らく、(『ゴースト・イン・ザ・シェル』は)結果としてそうなったんじゃないかと思うけど。

―― 結果として?

押井 ああいう表現になることを想像して、それを目指して作ったとは思えない。映像を作り込んでいった結果、そういう表現が出現してしまった。アニメーションにはよくあることなんだけど、表現って意地になって徹底して作り込んでいくと、画面にとんでもなく予想外のもの――“怪物”とも呼ばれることがあるけど――が立ち現れてくる。

 実写というのは良くも悪くも、ある種のフィルターが掛かるので、表現が突出することは普通はない。CGや合成を使って作り込んでいけば行くほど、ある種別なものが映っちゃう瞬間がある。僕も何度か経験したことがある。モノだと思っていたものに魂が入っちゃったり、逆に魂のあるものが無機物になっちゃったり。その瞬間に立ち会ったような気がした。"

 とても興味深いので、長文引用させて頂きました。まだ全体は長いので興味が湧いた方は是非リンク先へ。
 立体視映画でこそ、空気が映像に映り込む、と思っている僕は異論もありますが、何か不思議な雰囲気が宿った映画であるのは、僕も感じました。その正体が何かはまだよくわかりません。

 

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2017.04.12

■動画 ヤン・シュヴァンクマイエル『蟲』撮影風景

ČT24 - Jan Švankmajer – surrealista, výtvarník a režisér –....(Facebook)

"Jan Švankmajer – surrealista, výtvarník a režisér – pracuje na svém sedmém celovečerním filmu. Vychází z dramatu Ze života hmyzu od bratří Čapků.
(Janシュヴァンクマイエル-シュルレアリスムアーティスト, 映画監督-彼の7番目の映画で働いています. チャペック兄弟の昆虫の生活に基づくものである.)"

 ヤン・シュヴァンクマイエルの新作について、新しい情報としてチェコのTV局のニュース映像がネットで掲載されていたので、紹介する。

Švankmajer pozoruje život Hmyzu ve svém posledním celovečerním filmu — ČT24 — Česká televize(公式)

彼の最新長編映画で昆虫の生活を観察するシュヴァンクマイエル(チェコ語 Google 翻訳) (Google翻訳を 一部、改訂)

"シナリオは、70年代にすでに書いて、それの一部は、チャペック兄弟のドラマ昆虫の生活から来ています。

撮影はシュヴァンクマイエルのプラハ近くのプライベートスタジオで。この場所で、チェコのシュルレアリストは、九十年代から動作します。最初のショットは『ファウスト』。 実写とアニメーションを組み合わせた世界的に有名な6つのタイトルを作った。

このプロジェクトでは、財政的にチェコのテレビでサポートされている。それだけでなく、 世界中からのファンのファンドからなっている。 ほぼ30万米ドル。

映画館では昆虫は来年紹介します。"

 Google翻訳のチェコ語日本語変換によると撮影はプラハ近郊のプライベートスタジオで行われているようで、今回も映画の形式は実写とアニメーションの融合。
 冒頭に引用した映像からは、実写の撮影と切り絵の2Dを動かす手法のアニメーション撮影の様子をわずかにうかがうことができます。
 そして期待の公開は、今回、来年2018年と書かれています。

 できるだけ早い完成と日本での公開を望むものです。

◆関連リンク
当ブログ記事
■情報 ヤン・シュヴァンクマイエル監督『蟲』ファーストテザー & クラウドファウンディング Jan Švankmajer - Insects 2018 first teaser & Cloud Faunding
■ヤン・シュヴァンクマイエル:Jan Švankmajer監督 新作『昆虫:Hmyz(Insects)』
ヤン・シュヴァンクマイエル関連記事 Google 検索

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2017.04.10

■情報 ジョン・ニューエン監督 ドキュメンタリー『デイヴィッド・リンチ : ジ・アート・ライフ David Lynch: The Art Life』


David Lynch: The Art Life Documentary - Trailer - YouTube

David Lynch: The Art Life - Movie Trailers - iTunes

 アメリカでは3/31に公開されたJon Nguyen監督のドキュメンタリー。
 以前から情報のあったドキュメンタリー、いよいよアメリカでは公開されたようです。Appleの予告篇サイトに動画が公開されています。

 ドキュメンタリーということで、日本での公開は望み薄な気がしますが『ツイン・ピークス』新シリーズがヒットしたら、WOWOWで放映される可能性もあるでしょうか。

 近年、映画よりアート方面での活躍が目立ったリンチですが、絵画の制作過程が記録されているこの映画で、リンチが映画から絵画に傾倒している理由等も聴けるかもしれません。

 僕は以前東京や京都で見たリンチの絵画の制作過程が映像として見られるだけでも楽しみでなりません。
 (以下の関連記事に絵画展のリンクを貼りましたのでご興味のある方はご覧ください)

◆関連リンク
・当ブログ記事
 ■感想1 個展『デヴィッド・リンチ展 ~暴力と静寂に棲むカオス』(DAVID LYNCH "CHAOS THEORY OF VIOLENCE AND SILENCE")
 ■作品集『デヴィッド・リンチ展 ~暴力と静寂に棲むカオス』

 ■感想1 デヴィッド・リンチ「DARKENED ROOM」展@コムデギャルソン大阪 Six
 ■感想2 映画 「デヴィッド・リンチ「DARKENED ROOM」展@コムデギャルソン大阪 Six
 ■感想3 絵画 デヴィッド・リンチ「DARKENED ROOM」展@コムデギャルソン大阪 Six

 ■情報 デイヴィッド・リンチ展@渋谷ヒカリエ8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery
 ■デイヴィッド・リンチの展覧会 コムデギャルソンアートスペースSixで開催!!

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2017.04.03

■感想  ジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督『キングコング : 髑髏島の巨神』Kong: Skull Island (2017)


Go Behind the Scenes of Kong: Skull Island (2017) - YouTube

 IMAX名古屋3D字幕版 最前列中央(E9)観。やはりこういう映画はこの席に限ります。視界全面に巨神と奇怪な無毛の獣 スカル・クローラーの格闘戦を超臨場感で体感w。

 冒頭からこの映画、迫力の映像が続きます。物語ではなく、まさに映像で映画だけが観せられる娯楽。カット割も画角も3D演出も、全てが怪獣映像をシャープに、そしてダイナミックにスクリーンに展開させることに集中しています。まさに映像の快感に身を委ねるタイプの、気持ちの良い映画。

 例えば、ヘリのVOD的ドキュメンタリータッチの描写。
 初の戦闘シーンで視点を一人称に据えて、観客を戦場に連れて行く手腕が見事。

 そしてその効果を高める立体映像。本映画の3Dは、Prime Focus Worldによる2D-3D変換。バンクーバとインドのスタジオがクレジットされていたけれど、土着島民の村とかヘリコプターとか、もちろんコングとか、3D効果が見事。

 若干32歳のジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督、この映像による快感に満ちた映画は、彼の血となり肉となった日本のサブカルチャーの影響がそこかしこにうかがえる。我々日本の観客に響くこの怪獣映画は、まさに映像の快感に淫するような映画の直系の魅力に満ちている(^^)。


★★★★★★★ 以下、ネタバレ含みます。注意 ★★★★★★★






 怪獣映画を彩る周囲のディーテイルも凝っている。
 例えば島の住民の民俗学的な描写も興味深い。言葉によるコミュニケーションをとらない民。顔や体の図形的な文様によるコミュニケーション、こういうところも映画としての奥行きに貢献している。
 
 そして地球地下大空洞から現れる怪獣群(というかクトゥルー?)。
 怪獣をそうした由来のものに設定することで、地上の怪獣+人類 v.s. 地底世界という対立構造をこの怪獣ユニヴァースシリーズの骨格に据えようとしているのかもしれない。キングギドラが宇宙大怪獣でなくなるのは残念なんだけれどな〜。それと日本の怪獣は、本作の生物が奇形したようなものだけでなく、宇宙人とかメカ的なものが由来になって、そしてシュルレアリスムがそこをメタモルフォーゼさせる、というのがDNAに書き込まれているので、だんだん怪獣から離れ、生物的なものになっていってしまうのが心配である。


 映画のクライマックスを形作るための、サミュエル・ジャクソン大佐による暴走。物語的には無理しすぎな展開でいまいちだけれども、物語のクライマックスをあの様に描くために必要だったのと、もちろんあとは1973年に時代設定した『地獄の黙示録』へのリスペクトがあるのであろう。

 ただ、ベトナムで大佐が新たな任務に目が輝く描写とか上手かったから、あのまま狂気の描写を畳みかける様にキリキリと描いてくれてたら、物語も迫真となっていたかもしれなくて残念。

 コングが人間に親近感を持ち、自然の脅威というよりは人の守り神である、という描写。これはレジェンダリーゴジラにもかすかにあった設定で、どこか怪獣の異質感を阻害しています。ハリウッドのマーベルユニバースに続くエンタテインメントシリーズとしては致し方ないかもしれないですが、やはりここは、圧倒的に『シン・ゴジラ』が鋭利な怪獣映画としての玉座にあると言わざるを得ません。

◆関連リンク
3D3D3D -ステレオ3D情報ブログ- : 「キングコング 髑髏島の巨神」 3D初見レビュー
「キングコング」監督が樋口真嗣とオタトーク、宮崎駿やエヴァの影響も - 映画ナタリー

"樋口はMIYAVIの演じた役名“グンペイ・イカリ”に反応し、「なぜ“グンペイ”を知ってるんですか!?」とぶつける。質問に対してヴォート=ロバーツは「そこを指摘されたのは初めて! この映画には僕のオタク的要素をふんだんに盛り込んでいるんです」と声を弾ませ、ゲームクリエイターの横井軍平、そして「新世紀エヴァンゲリオン」の碇シンジから取った名前であることを告白。"

 最近のハリウッドの中国寄りの配役から、イカリ・グンペイ役って中国人かと思ったら、MIYAVI (Wikipedia)って日本人なのですね。失礼しました。
体感型アトラクションシアター4DX(R)『キングコング:髑髏島の巨神』世界的大ヒット・レポート

"『キング・コング:髑髏島の巨神』で初めて【熱風】を体験しましたが、特に、爆発シーンでは素晴らしい効果を発揮してくれました。わずかな瞬間にも、首の周りに暖かい空気を感じとることができ、映画の登場人物と一緒にいるかのような錯覚を起こしたくらい"

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2017.03.29

■感想 庵野秀明総監督『シン・ゴジラ Blu-ray特別版』映像特典 プリヴィズリール他


シン・ゴジラ Blu-ray特別版 映像特典 「プリヴィズリール集」より - YouTube

"3.22 Blu-ray&DVD
Blu-ray特別版 全映像特典尺332分
http://www.shin-godzilla.jp"

 続いて『シン・ゴジラ』ブルーレイ特典ディスク2でプリヴィズ映像を堪能。
 『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』で書かれていた絵コンテとプリヴィズとVFX、実写の完成映像との関係がとてもよくわかる。

 『シン・ゴジラ』はアニメ映画監督である庵野秀明がアニメでの経験を活かして、実写映画に新風を巻き起こした映画と考えることができる。
 しかしその手法はアニメでの絵コンテ中心、レイアウトシステムによる画面設計をプリプロダクションでグイグイと進めていく方法とは別であったというのが、このプリヴィズを観た僕の感想。

 結局、どうやらアニメと異なり絵コンテ/レイアウト画はほとんど緻密に描かれることなく、VFXシーンはプリヴィズ映像でのCGとしての作り込み、そして実写シーンはマルチアングルの多数カメラ撮影によるシステムで、画面レイアウトを緻密に作り上げていったものだということがわかる。

 VFXシーンはプリヴィズ映像としてヴァーチャルカメラ等で様々なアングルのシーンを確認した上で画面レイアウトが決められているようだ。そして実写はiPhone等含め現場でいろいろなアングルで撮られたシーンから最適なものを完成映像に選んでいる、ということがよくわかった。『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』と合わせて見ると、おそらくこの結論で良いのではないかと、、、。

 要するにアニメーションでの経験により鍛え上げられた庵野総監督、樋口監督、摩砂雪はじめとするカラースタッフによる画面作りのセンスが、上記のVFXと実写シーンで遺憾なく発揮された結果が、実写映画としての新しい可能性を切り開いた、といえそうである。

 主にVFXシーンで作られたプリヴィズ映像と完成映像の両方を並べて比較できるシーンがいくつも入っていたが、ほぼ画角、レイアウト等、プリヴィズ通りに完成品は作られていた。手間のかかるVFXシーンが準備段階で作り込まれていたことがよくわかった。

 特典で残念だったのは、CG,特撮ともに未使用シーンが多数映像が収録されているのに、アニマトロニクス/サイボットゴジラの映像が1カットも入っていないこと。

 今後の特撮とCGの行方を知るのに、是非観てみたかったので残念。もしかして門外不出なのだろうか。(ネット検索するとごく一部の一般ファン向にもあるイベントで上映されたことがあるようだけれど、、、)

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2017.03.27

■感想 庵野秀明総監督『シン・ゴジラ Blu-ray特別版』本篇2D−3D変換試聴

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 『シン・ゴジラ』、待望のブルーレイが出たので、その感想です。

◆本篇の3D視聴
 まずブルーレイの発売で、個人的に楽しみにしていたのが本篇の3D視聴。
 これはもちろん『シン・ゴジラ』に3D版はないため、AV機器の2D−3D変換を使って試聴するしかない。ブルーレイプレイヤーや液晶テレビにそうした機能を持つものもあるが、うちの場合は DLPプロジェクタ 三菱LVP-HC7800 の変換機能を使った。

 もともと3D映画が大好きなので、『シン・ゴジラ』がCGをVFXとして多用しながら (3Dデータはディジタルデータとしてあるにもかかわらずw)、3D立体視版が制作されなかったことをとても残念に思っていた。
 なので、2D−3D変換による擬似的な立体視映画として楽しむことができるブルーレイの発売を、首を長くして待っていたというわけ。

 発売週の週末、さっそく3D映画としての『シン・ゴジラ』初体験をしてみました。
 このプロジェクタの3D変換はなかなかのもので、特に人間の顔とかひと続きの球体的な立体物については、見事な立体像を見せてくれる。

 で、『シン・ゴジラ』3D、なかなかの立体感が得られてました。
 ひと続きの立体物として認識される、大きな塊としてのゴジラは中でもかなり素晴らしい立体表現を獲得。特に第2-3形態の進化シーンとタバ作戦のゴジラが白眉。

 その中でもタバ作戦後のゴジラを下からなめるシーン(予告篇で使われていたシーン)の立体感は、表皮の隆起と巨大感を増幅していて見所でした。竹谷さんの造形物は、展示等でまだ見たことないのですが、おそらくそれを観たときの立体感に少し近い迫力を感じることができたのではないかと(^^)。

 にしてもこれだけの造形物を基にして作られた『シン・ゴジラ』、立体映画になっていないのはとても残念。3D-CGデータとして立体データは存在しているわけだし、実写シーンも最近のハリウッドの3D変換技術(かなりまだ手作業による人海戦術のようだけど)を使えば、立体視は可能なはずで、是非とも今後、実現してほしいものです。

 将来的には、AI技術によるディープラーニングで、こうした作業は全自動化が可能なはずで、もっと手軽で精度の良い3D変換が劇場で、そしてCPUパワーの発展で家庭の機器で、実現する日が来るのではなかろうか。

◆関連リンク
三菱、高画質3D DLPプロジェクタ「LVP-HC7800D」 - AV Watch

" また、2D映像を3D映像にリアルタイム変換する機能も搭載。動きベクトル解析技術を用いて、人物と背景の位置を識別。適度な視差を加えて、3D映像にしている。効果は10段階でユーザーが選択でき、「古い映画では弱め、最近の映画では中くらい、アニメでは効果を強めにかけるとマッチする」という。"

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2017.03.22

■情報 米 AR/VR スタートアップ企業「マジック・リープ」:magic Leapと『電脳コイル』


The Untold Story of Magic Leap, the World's Most Secretive Startup - YouTube

圧倒的な仮想体験! 謎の企業「マジック・リープ」が創る魔法の世界 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

"廊下を人型ロボットが闊歩し、ラウンジでは爬虫類のような緑色のモンスターがくつろいでいた。明かりを点けたり消したりするのは、まるでアニメの世界から飛び出してきたような妖精。そして、駐車場では23mもの高さがある戦闘ロボットが巡回する。

もちろん、これらの光景はすべて幻影。筆者が頭に装着している「MRヘッドセット」のもたらす魔法によって生み出されたものだ(MRはMixed Realityの略で、現実と空想を組み合わせた世界のこと。「複合現実」と訳される)。そしてこのヘッドセットを発明した企業こそ、フロリダ州に拠点を置くスタートアップの「マジック・リープ(Magic Leap)」である。"

Magic Leap(公式HP)

 謎の究極映像企業「マジック・リープ」には以前から注目しているのだけれど、なかなか情報がててこない。今回、上のフォーブスの記事で少し具体的な情報が出てきたので、ご紹介。

 ただしリンク先と以下の情報を見ても、まるで磯光雄監督が描いた『電脳コイル』の世界。ますますその感が強くなるのだが、あのARオーグメンティッドリアリティ、MR:ミックスドリアリティの驚異の映像世界にワクワクしたものとしては、それがいよいよ現実化するのかと思うと、興奮を禁じ得ない(^^)。

 冒頭に引用したWiredの取材動画には、公式HPのデモ映像で観客はメガネをかけていないように見えるが、マジックリープ社内でのHMD的なメガネの様なものが開発されている様子がうかがえる。まさに『電脳コイル』ワールドである。

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 左は『電脳コイル』で街に巨大魚が現れるシーン、そして右がマジック・リープかせデモ映像で描いているクジラが体育館に現れるシーン。まさに共通のヴィジョンが提示されている。

圧倒的な仮想体験! 謎の企業「マジック・リープ」が創る魔法の世界 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン).

"コンピュータは“眼鏡”型のデバイスに搭載され、視界のどこにでも好きなサイズの画面を表示することができるようになるのだから。 「僕らの製品が登場しても激変しない分野を挙げるのは難しいな」とアボヴィッツは自信たっぷりに話す。

同社の最終的な製品は「眼鏡」のような形状になると見られている。ただしVRのヘッドマウント・ディスプレイと違って、この眼鏡を装着しても、目の前にある現実世界の視界は遮られない。半透明のガラス片に内蔵された光学系システムを通じて、ユーザーの網膜に直に映像が映し出される仕組みだ。"

同社の最終的な製品は「眼鏡」のような形状になると見られている。ただしVRのヘッドマウント・ディスプレイと違って、この眼鏡を装着しても、目の前にある現実世界の視界は遮られない。半透明のガラス片に内蔵された光学系システムを通じて、ユーザーの網膜に直に映像が映し出される仕組みだ。

アボヴィッツはマコ・サージカルで稼いだ資金の一部を投じて、ニュージーランドに拠点を置く特殊効果の専門スタジオ「Weta Workshop(ウェタ・ワークショップ)」と契約した。『ロード・オブ・ザ・リング』三部作を手がけたことで知られる会社で、アボヴィッツは物語の構想に基づいて実際の映像制作などを依頼した。

92年刊行されたVRがテーマの独創的な小説『スノウ・クラッシュ』の著者、ニール・スティーヴンスンは、マジック・リープの「チーフ・フューチャリスト(最高未来責任者)」を務め、現在は同社のシアトル支社で未公表のゲーム開発に携わっている。"

 WetaがSFXを担当し、ニール・スティーヴンスンが未来設計。
 それにしても「半透明のガラス片に内蔵された光学系システムを通じて、ユーザーの網膜に直に映像が映し出される」というのは、眼鏡ということでなく、網膜をスクリーンとしたプロジェクタ型のHMDというのは事実なのだろうか。

Oculusの原点となった名作SF『スノウ・クラッシュ』-フィクションの中のVR【第4回】 | Mogura VR - 国内外のVR最新情報.

"2000年代初頭に登場したオンライン空間「セカンドライフ」で話題になった「メタヴァース」という言葉はこの小説で初めて登場しました。セカンドライフの創設者であるフィリップ・ローズデールはこの小説に影響を受けてセカンドライフの構想を練ったと言われています。セカンドライフはオンラインゲームと違い、何らかの目的を持ってアクセスするのではなく、ユーザー同士で交流したり生活する場としてのVR空間である事が特徴的でした。また、合わせてメタヴァースの中でのプレイヤーは「アヴァター」と呼ばれる外見も全く異なるバーチャルな自分を作り、操作します。このいわゆる「アバター」の概念が最初に登場したのものこの『スノウ・クラッシュ』です。"

 実はニール・スティーヴンスン『スノウ・クラッシュ』は未読なのだけれど、これはARというよりは、セカンドライフ的なVRワールドのようである。
 スティーヴンスンの想像力が磯光雄の空想に届くのか/上を行くのか、興味津々である。

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マジックリープ社、ARプロトタイプ「PEQ0」の情報が流出! - GET AR

"SCOOP!!! This is the FIRST PUBLIC PHOTO of MAGIC LEAP"

Magic Leap prototype first-ever leaked photo - Business Insider(元記事)

 こちらにマジック・リープ試作機のスクープ画像が掲載されていますが、なんだか冴えませんね。やはりこれくらいの大きさはまだ必要になってしまうのでしょうか。

 『電脳コイル』の眼鏡大デバイスの登場はまだまだ時間を要するということでしょうか。
 自分が街を闊歩できるような元気なうちに、軽量コンパクトなAR,MRデバイスを是非とも実現してほしいものです。

◆関連リンク
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2017.03.20

■動画 ダリとディズニー 共同制作短編映画「ディスティーノ」 Walt Disney's and Salvador Dali’s short film “Destino”

Walt Disney s   Salvador Dali - Destino 2003 (HD 1080p) from Manhattan Projects on Vimeo

 1945年に企画がスタート、その後中断し1999年にウォルト・ディズニー・カンパニーによって制作再開されて、企画から58年後の2003年に制作再開2003年に完成した6分間の動画。

 ダリのミューズであるガラを主人公にしたシュルレアリスティックアニメーション。ダリの絵画のモチーフが随所に現れ、悪夢的なヴィジョンの映像になっている。

 3D CGも使われているため、元データは3D版があるかと思う。
 この無限世界を立体映像でも体験させていただきたいものです。 

Walt Disney’s and Salvador Dali’s short film “Destino” plus pictures and art – Mind Space Apocalypse
 こちらにダリがディズニーのイメージを描いた絵画が掲載されています。

Of Course Salvador Dalí And Walt Disney Had A Beautiful Friendship | The Huffington Post
 ディズニーとダリの2ショット。ふたりがどんな会話を繰り広げていたか、是非聞き耳を立ててみたいものです。

ダリ×ディズニーの共同制作!?ダリ展で話題の幻の映画「ディスティーノ」がすごい! - NAVER まとめ
 あれ、東京で開催されているダリ展でもこの映像紹介されていたとのこと。気づいていなかったw。
 制作の顛末等、リンク先にかなり詳細が記されていますので、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

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2017.03.15

■感想 村上春樹『騎士団長殺し』

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 村上春樹『騎士団長殺し』読了。初日に買ったんですが、時間かかったのは面白くなかったから...でなく本業多忙が原因です(^^;)。
 リーダビリティは今回もとても高い。主人公の一人称でいつもの端正な言葉で書かれているのと、絵画がキーになっていて芸術への作家のアプローチが大変興味深く、僕にとっては2冊もあっという間という感じでした(時間はかかっちゃったが、、、w)。

 ストーリーバレは極力しませんが、テーマについて触れるので、白紙で読みたい方は読み飛ばしてください。

 僕の最大の興味は『1Q84 BOOK1 BOOK2』で描かれた(と僕が感じているテーマ)「「孤独と静謐」と「自由意思と自然体」の相克」について、今回どう深化しているかということ。

感想 村上春樹『1Q84 BOOK1 BOOK2』(当ブログ記事)

" 意識偏重と書いたように、自由意志を優先しようとする近代の問題そのものは村上は肯定しているように思う。しかし体感的に実は自然体であることを本来の姿として描こうとしている。本来は意識の否定につながる自然体である姿の肯定という齟齬をかかえて。"

 もともと絵画をモチーフのひとつとして描いているため、画家の「意識と無意識」というテーマはかなり前面に出ているかと見えたのだけれど、1巻の後半でいよいよ「意識と無意識」というテーマが表面に浮かび上がってきたか! と思ったのだけれど、上記僕が期待した様な近代文学を越えていく様な、凄みのあるテーマは今回、後退していました。(これは神林長平『アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風』とかの延長で僕が勝手な文脈で『1Q84』を読んでいた故の妄想ですのでお気になさらずにw)。

 では今回のテーマは何か?
 ドイツの某が絡むのと、日本の中国における◯◯が描かれるのとで、テーマ的には戦争に至る人の迷走が中心主題にみえる。それが小田原近郊の画家の居宅で絵画を巡る幻想譚として描かれる。
 タイトルがズバリ、その中心主題の具像化したもの。

 本作のタイトルが最初発表された時に、村上春樹にしてはタイトルがらしくないな、と思ったもの。このタイトルはなんとなく現在のポピュリズム的状況を象徴している様に感じたのだけれど、読後の感想はそれを主に思い出していた。
 アメリカのトランプ政権により、代表的に具像化している状況。もちろんドイツの某を思い出すわけで、そんな連想から読後の印象につながったわけ。

 では画家のアトリエの裏にあったあの"室"を巡る幻想譚はなんだったのか。
 村上の過去作にもこうした幻想はたびたび出てきている。今回も複数の登場人物により同様に知覚されている幻想であるため、単にそれは主人公の妄想ではあり得ない。小説世界に幻想として現れた「イデア」と「メタファー」。
 正直、僕の中ではこのテーマと幻想の関係は読み取れていない。
 小説世界を芳醇にするための幻想。だけれどここで書いたテーマとその幻想は直接的にはマッチしていない。物語としての面白さ、リーダビリティはそれにより上がっているのだけれど、テーマの印象を強める様な印象ではなく、ぼんやりと膨らませている様な読後感である。

 直接的な政治批判でなく、このようにイマジナリーに描かれた物語で、読者はどのように村上の意図を感じるのか、今までとこれから書かれるであろう本書の感想/批評を楽しみに読みたいものです。

 それにしてもこの本の帯は意味ありげだけれど、あまりこの話の本質というか雰囲気を掴んでいないですね。これだと多くの人は内容を誤解するのではないだろうか。こんなに現代思想的な話ではないと思うのだけれど、、、。

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2017.03.13

■写真 クラシックカーミーティングin美濃

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クラシックカーミーティングin美濃

"うだつの上がる町並みの中を、クラシックカーがパレードをします。
カメラマンや来場された皆さんが、人垣を作って盛り上がります。

うだつの上がる町並みにクラシックカーを並べて展示します。
クルマと町並みのコラボを楽しんでください。

クラシックカーミーティングin美濃 では「1979年以前に製造されたお車」と定義"

 クラシックデザインのクルマと美濃のうだつの町並みのコラボが独特の味わいです。パノラマ含めて写真を撮ってきたのでご紹介。どこが究極映像か、という疑問は沸きましょうがw、40-60年代の流線型の美はノスタルジーとともに未来を感じさせるものです。「過去はいつも新しく、未来は不思議に懐かしい」という劇団「ブリキの自発団」の劇作家 生田萬氏の名言を思い起こします。

 特に左上の写真、ジャガーEタイプの曲線はいつまで見ていても飽きない素晴らしさ。写真を20枚ほど撮ってきましたが、後悔したのは今回3Dハンディカムを持っていかなかったこと。
 失敗でした。あの曲線立体造形の美しさは立体映像で家に持ち帰るべきだったと、、、。毎年春に開催されているということなので、近いので来年も行って撮ってきたいと思います。

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グルメコーナーには、ロバのパンやをはじめ、これもクラッシックなキッチンカーが登場していました。
 右のベティちゃんのオムライス屋さんも最高のディスプレイでした。
 これも3Dハンディカムを持っていないことが悔やまれたショットですw。
 ロバのパンやさんは早々と1時くらいには売り切れていました。

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 そして『マッドマックス怒りのデスロード』というか、スチームパンク的なクルマがこれ。しっかり車名を控えてこなかったのですが(フロントには「Risky Snail」の名)、どうやらフォードのモデル3というクラシックカーを真ん中でぶった切って上下くっつけた様に見える。屋根の上にスパイダーのオブジェが置かれていたり、V8エンジンがむき出しで存在感をアピールしていたり、車高ゼロに詰められた車体とか、ドアの装甲の様な佇まいとか、『マッドマックス怒りのデスロード』ファンを唸らさずには置かないフォルムは会場でもひときわ異彩を放っていました。

◆パノラマVR写真
 いつものEntapano VR写真です。リンク先に10枚ほどアップしてありますので、よろしければスマホでVRしてみてください。

2017.3/12 クラシックカーミーティング in 美濃 | Entapano VR

◆関連リンク
クラッシックカーミーティング美濃(Facebook)

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未来の車 GM Firebird Ⅲ
動画 懐かしい未来の車 " GM ファイアバード III : Firebird III
2030年未来の車 GMコンセプトカー Hero
 憧れのファイアバードIII、一度は実物を見てみたいものです。

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2017.03.08

■動画 プロジェクションマッピング 料理ショー「Le Petit Chef : 小さなシェフ」


Le Petit Chef - YouTube
Yahoo!映像トピックス - テーブルの上の小さなシェフが繰り広げる料理ショー。こんなプロジェクションマッピングもある
 2015年の動画ですが、これは知らなかった。素晴らしいプロジェクションマッピングの使い方ですね。
 ワクワクするディナー。こんな席で一度で良いから食事してみたいものです。

www.skullmapping.com
 このプロジェクションマッピングの制作会社の公式HP。
 ギャラリーの展示作品の上に、小人が出てくる作品とか、なかなか興味深い。

 この延長線上に、部屋のインテリアとしてのプロジェクションマッピング(以下、PMと略す)とか、可能性がどんどん広がりそう。たとえばハウジング会社が配信して、いつでも好きなインテリアPM映像で、インテリアイメージを変えられるとか。音楽配信の会社が曲のイメージに合うPM映像を曲と一緒に売るとか。

 個人宅よりまずはレストランとかバーとか、そういったところでPMは花開いていくのかもしれないですね。町の看板屋さんとかが、PM映像を持ってまわって部屋ごとの適合をするとか。
 プロジェクターの光量も上がっているので、薄暗くしなくてもどんどんPMは町に登場するのかもしれません。

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2017.03.06

■情報 酉島伝法「幻視百景」第七回原画展示 & 「皆勤の徒」オーディオブック化

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酉島伝法(∴)とりしまでんぽうさん Twitter

"ギャラリー ベルンアート「小さな1点の表現展」-27人の画家による-(3月17日〜3月25日)(link) に出品します。幻視百景第七回の原画の一部です"

ギャラリーベルンアート

"「小さな1点の表現展」-27人の画家による-
3月17日〜3月25日
【出品作家】浅野信二・生駒泰充 ・市川伸彦・伊豫田晃一・大竹茂夫・大森伸樹・小川香織・ 川嶋陽介・河村雅文・小金井ケイコ・坂上アキ子・ 高崎昇平・田村研一・高根沢晋也・高松ヨク・高田美苗・酉島伝法・ 永野一久・馬場京子・ポオエヤヨ・古城沙樹・蛭田均・蛭田美保子・ 松本潮里 ・水野恵理・三塩佳晴・三柳智子"

 twitter(上記引用)で紹介された酉島伝法さんの幻想画の原画、激しく観たいです。
 SFマガジン連載中の「幻視百景」という作品とのことです。肉眼でこの幻想画のタッチ、作家が紙に定着させたイメージを確認したいものです。

酉島伝法(∴)とりしまでんぽうさんはTwitter

"東京創元社とキクボン!(kikubon.jp)がコラボ決定!!新人文学賞作品を全てオーディオブック化! (link: https://kikubon.jp/tsogen.php) お話を頂いたときに、正気か? と一瞬思いました。"

東京創元社とキクボン!(kikubon.jp)がコラボ決定!! | kikubon(キクボン).

"■ 創元SF短編賞 「風牙」 著:門田充宏、「銀河風帆走」 著:宮西建礼、「〈すべての夢|果てる地で〉」 著:理山貞二、「皆勤の徒」 著:酉島伝法"

 そして続けてあの超絶幻想小説のオーディオブック化。
 原作のあの想像力の極北を彷徨う文字世界がどんな音響世界に移し変えられるか興味津々。ステレオで脳髄を直撃する「皆勤の徒」ワールドは驚異になるかと。漢字でイメージされた世界が音でどんな触覚を獲得するのか。是非とも聴いてみたいものです。
 短篇1篇でなく単行本全篇が作成されることを祈りたいです。

◆関連リンク
酉島伝法(∴)とりしまでんぽう (@dempow)さんのツイート – Twitter
 こちらで氏のイラスト多数見られます。

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【iBooks Store 小説家の推薦状】円城塔の書き下ろしショートショート「やつがしら」と、酉島伝法の日本SF大賞受賞作「皆勤の徒」を無料配信
酉島伝法の皆勤の徒【創元SF文庫版】 iBooks

"高さ100メートルの巨大な鉄柱が支える小さな甲板の上に、“会社”は建っていた。語り手の従業者はそこで日々、異様な有機生命体を素材に商品を手作りする。雇用主である社長は“人間”と呼ばれる不定形の大型生物だ。甲板上とそれを取り巻く泥土の海だけが語り手の世界であり、そして日々の勤めは平穏ではない――
 第2回創元SF短編賞受賞の表題作にはじまる全4編。奇怪な造語に彩られた、誰も見たことのない異形の未来が読者の前に立ち現れる。デビュー作ながら第34回日本SF大賞を受賞した、現代SFの到達点にして世界水準の傑作!創元SF文庫収録に際し、著者によるイラストを5点追加。/本文イラスト=酉島伝法、解説=大森望(本電子書籍は、『皆勤の徒』(創元SF文庫 2015年7月初版発行)を電子書籍化したものです)"

・隔世遺傳 『皆勤の徒』設定資料集 | 酉島 伝法 | 日本の小説・文芸 | Kindleストア | Amazon 

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2017.03.01

■情報 神山健治『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』


映画『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』本予告【HD】2017年3月18日公開 - YouTube

映画「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~」オフィシャルサイト 神山健治監督初の劇場オリジナルアニメーション!

 予告篇にある、日常でVRのヘッドセットを高校生が通学バスの中で観ている世界。そこで交錯する現実と夢。
 ポスタービジュアルも予告篇コピーも『君の名は。』を意識した作りになっているが、神山監督らしいアイテムで展開される物語が期待できる。

 神山監督は、Facebookでフォローさせていただいているが、いつも先端技術の投稿が多い。特にAR,VRへの関心が高い様子なので、どのように先端技術の成果をアニメ映像として映画に定着されるか、その想像力の羽ばたきに期待したいものです。

◆関連リンク
神山 健治『小説 ひるね姫 ~知らないワタシの物語』
『ひるね姫~知らないワタシの物語~ 公式ガイドブック』
神山 健治『映画は撮ったことがない ディレクターズ・カット版』

"神山健治が、新刊「映画は撮ったことがない ディレクターズ・カット版」を3月23日に刊行することが明らかになった。庵野秀明との特別対談も収録されている。"

神山健治 当ブログ関連記事 Google 検索

・主題歌PV版予告篇 かなりネタバレ的な映像が含まれます。
 この予告観ると、宮崎駿『未来少年コナン』テイストも感じられ、ますます期待です!

映画『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』主題歌予告(デイ・ドリーム・ビリーバー)【HD】2017年3月18日公開 - YouTube

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2017.02.27

■パノラマレポート 長良川うかいミュージアム-岐阜市長良川鵜飼伝承館-

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長良川うかいミュージアム-岐阜市長良川鵜飼伝承館-

 岐阜のうかいミュージアム、行ってきました。
 でかい鵜の立像に笑いw、鵜飼い舟を挟んで直角に置かれたスクリーンのデモンストレーションに、少しだけ究極映像を感じ、金華山の薄い雪化粧に感嘆して帰ってきました。
 上記写真の下側が鵜飼船のディスプレイ展示と映像を組み合わせたデモンストレーション。直角に置かれた二つのスクリーンに鵜飼の様子が、実写とCGで映し出され、立体的な表現をしている。まだプロジェクションマッピングが登場する前に作られた、その前哨的な展示形態としてみることができる。

 この日はすでに終わっていたが、土日は雨翔による鵜飼の生の実演もあるようなので、上記HPで実施有無と時間を確認し、次は観てみたいものです。

 ENTAPANO で撮ったVRパノラマ写真は以下に掲載。スマホでグリグリしてみてください(^^)。

Entapano VR (究極映像研)

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2017.02.24

■感想 佐藤信介監督『アイアムアヒーロー』


「アイアムアヒーロー」予告 - YouTube

 佐藤信介監督『アイアムアヒーロー』録画初見。
 先日の『サバイバルファミリー』に続き、世界(というか日本)終末もの。予算は矢口作に比べて、ヒトケタくらい上な感じ。ZQN(ゾキュンと名付けられたゾンビ)のメイキャップや街の崩壊ぶりのスケールが大きい。

 そして、ゾンビ物として出色は、特に冒頭の主人公の恋人の描写とそれに続く街の描写。アパートのドアから主人公の覗く部屋の光景、造形、動きともに素晴しい。
 その後の車が絡むアクションシーンと、藤原カクセイ氏の特殊メイク・特殊造形の完成度の高さで、迫力の映像となっている。まさに海外に並ぶゾンビ映画の誕生である。

 クライマックスはライフルによる大殺戮。いろいろと工夫され見せ場も多く堪能できるが、人体崩壊描写を観るのが得意でない僕はもう満腹を通り越した状態にw。

 というわけで、ゾンビ映画としての完成度の高さはよくわかったのですが、趣味の問題で、僕は『サバイバルファミリー』派です(^^;)。
 でも『アイアムアヒーロー』の続篇、激しく観たいです。

◆関連リンク
アイアムアヒーロー - Wikipedia
『 アイアムアヒーロー 豪華版 [Blu-ray] 』

"ドキュメント「アイアムアヒーロー」
   佐藤監督はじめ、制作スタッフの撮り下ろしインタビューを収録した
   スペシャルメイキング映像!"

 このメイキング、観てみたいものです。

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2017.02.22

■感想 矢口史靖監督『ザバイバルファミリー』


「サバイバルファミリー」メイキング特番 前編 - YouTube

 矢口史靖監督『ザバイバルファミリー』@109シネマズ名古屋、観てきた。
 こういう終末的な状況に人々が放り込まれる設定に昔から惹かれる。なぜと言われても困るけれど、あきあきする日常からの現実逃避願望の一種と、あとSFファンの経験を活かしw、自分は終末状況に他人より適応して生き残れるんじゃないか、という全く根拠のない自信みたいなものがあるから、だと思う(^^;)。おそらくこの映画の状況に放り込まれたら、電気に頼り切って生きている私のような人間は、最も弱い部類でしょうけど、、、w。

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 この映画、淡々とした日常から始まって、まさにそんな状況を丁寧に描き出している。大停電プラス電気的反応が全てOFFOFFになってしまった世界。それによって奪われる文明。当たり前の日常がグズグズと崩れていく様がまずは心地いいw。

 そして描かれる主人公家族のSF練度の低さ。停電でしかも電池で動くものも全て止まって、道路に動かなくなった車がゴロゴロ放置されているのに、長距離移動のために飛行場を目指すとか、ありえない悲喜劇で数々笑かして見せてくれる。

 一般の人の電気的な知識はこんなのが平均的なんじゃないか、と監督が考えた結果なのだろうけれど、それにしても理系的、工学的な知識の水準が低すぎるのが気になる。一般人より監督の工学的知識の低さが露呈しているようで、コメディとしてはいいかもしれないけれど、もう少し理系レベルを上げても良かったのじゃないかとw。

 特にSF考証好き系の方は、観に行くと腹がたつと思うので、ご注意くださいw。(一番言ってはいけないのは原発のメルトダウンが描かれていないこと。最近、311後の映画としてそうした状況を背景に描く映画が複数出ているのに対して、あまりに潔い矢口監督の映画スタンスには心救われます。いい意味でw)

 そんな非日常感を大笑いして楽しんでいると、クライマックスである仕掛けがあり、うまく映画を大団円してくれている。変に文明批判とかに陥らず、なかなかの佳作だと思う。

 欲を言うと後半日本の人間の数が恐ろしく減少しているように見えてしまうのが残念。もっと田舎に人が移動しているだろうし、それによる食料の奪い合いとかパニック的な終末世界が訪れているはずなのに、矢口映画の、いつものほのぼの能天気なワールドのにおいがあるのは、SFパニック映画的には残念なところだった。

 でもクライマックスの、ある力強い文明の姿が映画的に素晴らしい映像になっていたので、僕は好きな映画になりました。

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2017.02.20

■感想 園子温 中篇小説『毛深い闇』

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毛深い闇 :園 子温|河出書房新社

" 少女の眼から角膜を剥がす不可解な殺人事件。女刑事の娘・切子は母親より早く犯人に辿り着こうと悪魔画廊を探るのだが!?

 世界的映画監督による衝撃の小説。高橋源一郎・村上龍氏推薦。

著者コメント     今まで書いてきた小説は、映画から想を得た、いわば“ノベライズ”だった。今回初めて小説をオリジナルで書いた。この作品こそ、自分の小説デビュー作だ。"

 園子温の中篇小説『毛深い闇』を読んだ。
 書店で手にとって、画家 篠原愛による表紙に衝撃を受け、一気読み。

 ミツコという名の女の死体から角膜を剥がす豊川市の連続殺人。それを追う刑事の娘 切子の魔を描く詩的小説。

 ファミレスにたむろする切子が作った少女三人の集団"退屈同盟"。暴走する夢想と現実化する妄想。自転車事故で自らも角膜を一度失った切子、父の交通事故による死が落とす彼女の影の闇。

 ラブクラフトを紐解き、そして近所の店を"悪魔画廊"と名付け、貼りつく妄想。

 切子の描写する地方都市 豊川の青空、そこに描かれる父への想いの切なさと、彼女の影の中で育っていくどす黒い闇のコントラストが凄い脳内イメージを形成する暗黒小説。

 園子温のその映画作品の強烈さに、さらに繊細な幻想を掛け合わせた佳作です。

◆関連リンク
Ai Shinohara 篠原 愛 - Facebookタイムライン 篠原 愛 『毛深い闇』装丁

"映画監督・園子温さんの小説『毛深い闇』の装丁に、自分の油彩作品を使って頂きました。河出書房新社さまより発売されています。"

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Ai Shinohara/篠原愛(公式HP)
 こちらにアップされているトップ画像を引用しましたが、素晴らしいです。

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