2018.06.20

■感想 ロン・ハワード監督『白鯨との闘い In the Heart of the Sea』


In the Heart of the Sea - Final Trailer [HD] - YouTube

白鯨との闘い - Wikipedia

 ロン・ハワード監督『白鯨との闘い』ブルーレイ、初見。
 Dolby Atmosを試したくてヤフオクで購入。映画自体は評判がイマイチなようなので期待していなかったのだけれど、かなり面白かった。

 物語は『白鯨』の作家 ハーマン・メルヴィルが鯨によって沈没させられた捕鯨船エセックス号の生き残りの元船員に、その後の漂流の顛末を聞きに行くところから始まる。これはある程度史実らしい(実際にメルヴィルが聞き込んだのは船長のポラード船長らしいけれど、この映画ではキャビン・ボーイのトーマス・ニッカーソン)。『白鯨』のモデルにこうした事件があったことも知らなかったという状態(すみません、『白鯨』も読んでない...)。

 マイティー・ソーのクリス・ヘムズワースが主演。この人の演技で映画が引き締まった感じ。

 そして試したかったドルビーアトモス、捕鯨シーン、帆船の帆を上げるシーン等、確かに立体的な音響に感じられたが、まだうちのオーディオが7.1chまでで頭上スピーカがないためか、縦方向の音の変化はイマイチな感じ。

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 それにも増して素晴らしいと思ったのが、3D映像。
 捕鯨シーン、帆船のシーン等々、立体視に気を配った演出、カメラアングルが最大限の効果を上げている。
 同じ海の漂流ものでは『ライフ・オブ・パイ』も良かったが、今作は幻想的な描写はないけれど、この立体視を徹底して意識した海洋描写が白眉。

 手前に物を置くレイアウト、海上、海中、帆船の帆、そして鯨の巨大な体表を舐めるようなカメラアングルによる視線から画面奥までの連続的な立体視映像。これによる画面の躍動感が本作の一番の見所だった。立体視マニア、垂涎の映像と思うがどうだろうか。

 ステレオスコピックスーパーバイザーとしてクレジットされているのがBen Breckenridge (IMDb)。『ゴジラ:Gojira』『Maiti Sô: Dâku Wârudo』『Iron Man Three』『Alice Through the Looking Glass』等々、26作品もの作品の3Dスーパーバイザーとクレジットされている。

 インドのスタジオ、プライムフォーカスにより2D-3D変換らしいが、一体あの海面、帆、船上等々の精緻な3Dをどう2D世界から引きずり出したのであろうか。凄いテクニック/丁寧な職人芸としか言いようがない素晴らしい映像に感謝したいと思います。

◆関連リンク
捕鯨船エセックス号の生き地獄は小説『白鯨』よりキツい!? 本当にあったクジラと漂流の恐怖
3D3D3D -ステレオ3D情報ブログ- : 「白鯨との闘い」 3D初見レビュー
【NEWS】インドプライムフォーカス社、ダブルネガティブを吸収合併 4,500人規模、世界最大のVFXスタジオに | Inter BEE Online
Prime Focus Limited (PFL)(プライムフォーカス公式)

・当ブログ関連記事
 ■感想 アン・リー監督『ライフ・オブ・パイ: Life of Pi's』3D

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2018.06.18

■動画 TX社、遠隔操作ロボット「MODEL H」の量産型プロトタイプ プロモーション映像 TELEXISTENCE INC.


VR Robot Telepresence - MODEL H mass production prototype - YouTube
KDDIが出資するTX社、遠隔操作ロボット「MODEL H」の量産型プロトタイプを開発 | ロボスタ

"TX Inc.は併せて、テレイグジスタンス技術を活用したロボットの遠隔操作体験を、一般のお客も体験できるイベントを今夏に実施する予定であることを発表している。小笠原返還50周年記念事業の一環として、東京都小笠原諸島における観光資源のロボット旅行体験「TELEXISTENCE TRAVEL」を、KDDI、東急不動産、鹿島建設、一般社団法人CiP協議会と共同で検討しているという。 "

TELEXISTENCE inc.(公式HP)

"TX Incは、Telexistence、VR、通信、クラウド、触覚伝送技術を活用した空間を超える遠隔操作ロボット、量産型プロトタイプ MODEL Hを開発しました。今後の商業化を見据え、Model Hは、製品化前提に使いやすさ、耐久性の向上、起動・使用開始時間の短縮、デザインの洗練、独自クラウドインフラ、移動体通信・インターネット対応を実現しました。"

 まずは冒頭のテレイグジスタンス インクの公式プレゼンテーション動画を観てください。

 R^3(アールキューブ:リアルタイムリモートロボティックス)コンセプトで描かれたどこへでも瞬時に移動できる遠隔操作ロボットによる移動体験が見事に表現されている。

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 家に居ながらにして、サーフショップでボードを自分の手で確かめながら通販したり、桜の花見を息子としたり、そしてついには宇宙ステーションでの宇宙遊泳を体感できるテレイグジスタンスるによる超絶体験。

 舘東大名誉教授が描き続けてきた、SF的な未来があと少しで手に届くところに来ているような感覚を感じられます。この動画のような未来がこれから5年くらいで家庭に広がることを祈りたいと思います。

 まずは小笠原からのようだけれど、いずれ、僕らも月にいけるかも(^^;)。

◆関連リンク
移動をなくす、「幽体離脱」のテクノロジー | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン).

"富岡が提案したのがTELEXISTENCE TRAVEL。「MODEL H」はKDDIグループの伝送技術を活用。ロボットを自分の「分身」として、遠いところで活動させることを可能にした。つまり、距離や空間を超えて、分身のロボットを通じて、視覚・聴覚・触覚などの「体験」を自分に伝えることができるのだ。2018年夏、このロボットを使って小笠原諸島の体験ツアーを始めるという。"

 スタートアップとしてのテレイグジスタンス社の可能性を感じさせる記事です。
MODEL H テレイグジスタンス- Google 検索

・当ブログ テレイグジスタンス 関連記事 Google 検索

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2018.06.13

■情報 作家デビュー20周年×期間限定×公式ウェブサイト 『古川日出男のむかしとミライ』


古川日出男『ミライミライ』2/27発売開始 Trailer - YouTube.

公認映像セレクション – 作家デビュー20周年×期間限定×公式ウェブサイト 『古川日出男のむかしとミライ』

作家デビュー20周年×期間限定×公式ウェブサイト 『古川日出男のむかしとミライ』.

"当サイトは、古川日出男デビュー20周年を記念し、朗読劇「銀河鉄道の夜」スタッフが制作・管理する2019年3月31日までの期間限定特設サイトです。 毎週金曜20:00更新の「古川日出男からのお便り」をはじめ、最新情報や特別企画など随時更新していきます。"

 ニュースというには既に随分と前に開設されていたようですが、古川日出男氏の作家20周年記念のサイトが公開されています。
 興味深いコンテンツが山盛りなので、遅まきながら御紹介します。

 特に新刊『ミライミライ』関連の動画が興味深い。
 と言いつつ、まだ読み切っていないので、早く読んで、しっかりこれらページを堪能したいものです。

特別対談 – 作家デビュー20周年×期間限定×公式ウェブサイト 『古川日出男のむかしとミライ』.

"ベニー松山×古川日出男 「小説家誕生前夜──『砂の王』のころ」 デビュー20周年──とはいえそれは世に出るまでの数年間があってこそ。古川本人が言うところの“暗黒時代(笑)”をもっともよく知る人物=ベニー松山さんをお招きし、ゆるゆると語り合った「この際だから振り返っておきたいあの頃の話」。不可思議なワードが飛び交い衝撃の過去が明らかにされる、当サイトならではのスペシャル企画です。"

 デビュー当時の話がとても興味深いです。特に傑作『砂の王』と『アラビアの夜の種族』に関するエピソードがファンには嬉しい。両作ともいつか再読してみたいものです。

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2018.06.11

■情報 チェコのアーティスト ミラン・ツァイスによる「テメリーン原子力発電所の巨大な眼」


Velký noční hlídač na Temelíně - Milan Cais - YouTube

Facebook HNArt - 投稿(Facebook自動翻訳)

"Tata BojsのMilan Caisのアーティストと指導者は, temelínのプロジェクトに初めての歴史を持っていました. ナイトガードの目は冷却塔から, sauronovaの塔のように距離を照らしていた. (写真: ヤクブplíhal)"

チェコ蔵 CHEKOGURA - 投稿

"チェコのアーティスト、ミラン・ツァイスによるマッピング、「テメリーン原子力発電所の眼」、チェコ国内外話題に。"

 禍々しくも素晴らしい! チェコの原発でのプロジェクションマッピング。
 チェコのアーティスト ミラン・ツァイス氏によるものということだけれど、このダイナミックな迫力。原子力発電の本質的な課題の表象として、眼を使った畏怖感の演出が最大限の効果を表しているように見えます。

 リンク先の動画は遠目に撮ったもので今ひとつ全体感を写し撮れていないですが、実際にこの場で見たら、相当な衝撃度ではないかと思われます。生で観てみたいものです。

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 夕暮れから夜にかけて、黄昏時という光と闇の中間時間帯に行われたようです。
 ネット検索で見られる光景は、プロジェクションマッピングの映像としては、数字と眼。眼は瞬きをしていて、リアルに人間の眼を写したもののように見えます。

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Osmdesátimetrové oči Milana Caise rozzáří večer temelínské věže. Na počest obří jihočeské výstavy Google 翻訳

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" 6月6日と7日に、Temelin発電所の冷却塔がNight Watchmanと呼ばれるミラノ・カイセの壮大なインスタレーションを照らします (写真)。
 ギャラリーCeske BudejoviceとFlera Galleryが主催する第11回彫刻展「Art in the City」は、南ボヘミアの他の町や異例の場所に今年も成長します。 「今年は、ヴルタヴァ川に沿って彫像として実際に飛行したり、クレッメの頂上に登ることができます。"

 こちらに詳細記事があります。ここから読み取ると、80mの塔へのプロジェクション。一つの眼は80フィート(約25m)の巨大さとか。右の引用写真にあるように、地上の車(?)から投影されたようです。ぜひ、日本でもやっていただきたいものです。

◆関連リンク
Milana Caise (Wiki-pedia チェコ) Google 翻訳

"ミラノ・カイス (* 25 May 1974 Prague )は、 チェコの ドラマータタ・ボーズの 歌手

音楽活動に加えて、ミラノ・カイスは有名な彫刻家でもあります。 彼は芸術家であり、 p3D-01という名前で結成されています。 彼のインスタレーションは、例えば日本の愛知県で開催された世界展のチェコパビリオンに展示されました。"

 ミラン・ツァイス氏(正式な読みは私にはわかりませんが、チェコ蔵さんの書かれたこちらツァイスを使用)、音楽活動を主にするアーティストなのですね。そして、どうやら愛知万博でのインスタレーションが有名。チェコ館は僕も見に行きましたが、どの展示がミラン氏の作品だったのでしょうか。
チェコ館 | EXPO 2005 AICHI,JAPAN(愛地球博の公式HP)
万博ガイド:チェコ館: 愛・地球博blog -愛知万ブログ-

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2018.06.06

■予告篇 SF作家 ルグィンのドキュメンタリー『ワールド・オブ・アーシュラ・K・ルグィン』: Worlds of Ursula K. Le Guin

Worlds of Ursula K. Le Guin Official Trailer from Arwen Curry on Vimeo
Worlds of Ursula K. Le Guin - A documentary film(公式HP)

 アーシュラ・K・ルグィンのドキュメンタリーが制作されていて、既に予告篇が公開!

 公開予定は、2018.7/10、以下リンク先のシェフィールド・ドキュメンタリー・フェスティバルで公開されるということだ。日本での公開も首を長くして待ちましょう。 Sheffield Doc/Fest: Sheffield International Documentary Festival

◆関連リンク
『 ユリイカ 2018年5月号 特集=アーシュラ・K・ル=グウィンの世界』

  ・■映画 『ジェームス・ティプトリー・ジュニア : James Tiptree Jr.』  企画進行中 2011年公開か!?
 以前ティプトリーの自伝映画化の話題があったけど、2011年公開どころか、最近では制作の話題もとんど出てきません。ティプトリーの姿を銀幕で今だに観たくてたまらないのは、僕だけでしょうか。



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2018.06.04

■感想 岩切一空監督『聖なるもの』


映画『聖なるもの』特報 - YouTube 公式サイト
「聖なるもの」予告編【01】 - YouTube

"2018.4.14(土)ポレポレ東中野ほか全国順次ロードショー!!
監督・脚本・編集:岩切一空|劇中歌・主題歌:ボンジュール鈴木
出演:南美櫻 小川紗良 山元駿 縣豪紀 希代彩 半田美樹 佐保明梨(アップアップガールズ(仮)) 青山ひかる / 松本まりか

 大学3年になる「僕」(岩切一空)は、4年に1度、映画研究会に現れる謎の少女と作った映画は必ず大傑作になるという噂を耳にする。ある日、僕の目の前にミステリアスな黒髪の美少女・南(南美櫻)が現れる。彼女に魅了された僕は後輩の小川(小川紗良)らを巻き込み、衝動的に南主演の映画を撮り始める。"
 リンク先で88本の予告篇が公開中。

 傑作自主映画『花に嵐』の監督 岩切一空氏の新作『聖なるもの』を名古屋シネマテークの初日に観てきた。客は30人ほど、年配の男性が多い。岩切監督の評判を知っている映画ファン、そしてもしかして長い歴史を持つ早稲田の映研の岩切監督の先輩諸氏なのだろうかw?

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 『花に嵐』が新鮮な傑作だったので、そして今作の予告(特に冒頭に引用した特報)が凄かったので大きく期待して観た。

 前作とはフェイクドキュメンタリーのタッチは同じ、そしてPOVであるところも同じだけれど、エンタメとしての強度は弱い。しかしそれを補ってさらに溢れ出る映画の魅力。この魅力はなんなのだろうか。

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 シャープに切り出された映像。そしてそれにかぶせる、斬新な音響と音楽の使い方は相変わらず素晴しい ( 特に音響、何でもないシーンが音によって変貌するイメージ。『花に嵐』でも特徴的だったが、まるで登場人物の内面が音に溢れ出ている様だ。登場人物の意識にも登っていない内面の動きを音として表している様な映像空間の現出)。

 監督が数年、映画の主役を務めるように声をかけていたという主役の南美櫻の異界ぶりが素晴らしい。冒頭の特報に顕著であるが、特に登場して映画作りに合流するまでのその空間に漂うような幽玄な存在感。

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 今作の映画世界は、異界をキーワードに3層+αの世界を描いていく。
 学生映研の新歓と映像制作を基層にして、ひとつは主人公岩切くんの作っている自主映画の高校生活。さらにそれら2層に時々インサートされる2層から浮きあがった、もうひとりの主人公である小川と岩切監督との共同生活、まるで映画のこちら側の楽屋裏の現実のように描き出される層である。

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 こうした多重構造は前作『花に嵐』ではみられなかったメタフィクション的な構造である。これによって複雑さを持ちエンタメ的には犠牲を強いることになった映画は、でもその複雑さゆえに持つ多層な映像とその世界の向こうの異界を垣間見せるのに成功している。決して画面には映されずに、3層の各登場人物によって語られている異界は、それぞれの層で、息苦しい高校生活から外へというベクトルであったり、南の存在のありようだったり、監督と同衾しているように見える小川の語る脳の中の宇宙だったり、多様なイメージを持っている。先に3層+αと書いたα部分が、映画で直接描かれない「異界」のことである。

 映画制作の層での主役であるはずの南のシーンが減って、小川のシーンが大きく広がったということがパンフレット等で監督から述べられている。
 本来は「聖なるもの」= 映画の亡霊である南を撮ることに取りつかれた岩切の映画であったものが、3層目の実岩切と実小川層の関係のなんらかの影響を受けて映画の構想が変節したのでないか、と観客に邪推されるような映画の描写になっている。
 
 果たしてそれが事実なのか、それともそれもただの映画のフィクションのひとつの層なのかは、観客には知り得ない。

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 頭の中に宇宙があって、その頭もある宇宙の中に存在している、という小川によって述べられる言説。映画はそうした入れ子構造を、直接描かれた3層とそのそれぞれから幻視させる異界の「映像」によって観客の脳内にイメージ構築する。

 ラストはそのうちの2層あるいは3層が融合してしまったかのような海の映像で幕を下ろしていく。

 エンタテインメントとしての結構を崩して描かれた、カタルシスのない今回のラストシーン。その後のエンドタイトルで描かれた海のような羊水のような液体の映像は、爆笑の「松本」の家での謎の出産シーンとリンクして、観客がこの映画の胎道を通過して異界へと頭を出すところを想定しているのかもしれない。

 我々は岩切監督の映画の胎内から、どういう現実という異界に生み出されたのであろうか。

 最後にとても残念だったのは、特報のあの映像と曲が本篇で使われなかったことである。この特報から想起した僕の幻の大異界映画としての『聖なるもの』はいつ、映画の画面に描き出されるのでしょうか。監督、今後の作品も期待してます。(すでにtwitterによると、今作が描いた5月32日である、現実の6月1日に新たな岩切組作品がクランクインしたらしいので期待!)

◆関連リンク
岩切一空監督『聖なるもの』 - Togetter
 情報と感想のツィートをまとめました。
【映画深層】「聖なるもの」は映画への片思い(4/5ページ) - 産経ニュース.

"前作の「花に嵐」もPOVの手法で撮られている。大学の映画サークルに入って初めてカメラを手にした主人公が映画に魅入られるまでを描いた作品だったが、「聖なるもの」では映画に魅入られたものの映画に選ばれない人を取り上げた。次は映画に選ばれなかった人がどうするかという話を、やはりPOVで撮れればと考えている。

 「3部作なのかわからないが、それで初めて完結するのかなという気がする」と話すが、そのためには「聖なるもの」は極めて重要だと思っている。
 「現実には、やりたいからやる、じゃできないときもある。それでもあらがえない魅力が映画や少女役の南さんにはあって、それに片思いをしてしまう。この映画のことを全然知らないけどふらっと映画館に入って、見てみたらよくわからなかったけどすごかった、みたいな状態になってくれるとうれしいですね」"

映画『聖なるもの』感想と考察。岩切一空の向こう側の構造と系譜とは.

"それはスクリーンの光が“、母親の産道から生まれ出る先という向こう側”に見えたような気分がどうしようもなく沸き起こったのです。 胎内にいる赤ん坊のように、『聖なるもの』という映画(母体)から世の中に生まれ出たくなった出産の意志を抱かされました。 これは自分なりに観た印象なので、観客の多くが感じることではないかもしれません。"

新時代の到来を感じさせる天才映像作家 岩切一空監督が新作『聖なるもの』を語る|CREA厳選! イケメン青田買い|CREA WEB(クレア ウェブ).

"――幼い頃に持っていた将来の夢は?  ある日、雲を見たときから、羊になりたいと思っていました。もともと、豚などの四足歩行の動物が好きで。食べて、寝て、愛されて、草原にいる姿がとても幸せそうだったんですね。その後も、満員電車が苦手なので、普通の会社員になるのは難しそうだとは思っていました。

 僕はゼロから1を作れる人間ではないと思っていて、そうすると自然に自分に蓄積されたものの組み合わせや好みを考えていくようになっていきました。編集や音の使い方などは、「少女革命ウテナ」や「新世紀エヴァンゲリオン」など、中学・高校時代に見ていたアニメからの影響が大きいです。"

第58回日本映画監督協会新人賞は、『花に嵐』岩切一空監督に決定! - シネフィル
 岩切監督、新人賞受賞ということでおめでとうございます。この賞って商業映画以外も対象になるのですね。大島渚に始まり錚々たる監督が受賞されていますね。
 → 日本映画監督協会新人賞 wiki
Bonjour Suzuki - YouTube ボンジュール鈴木 楽曲
当ブログ関連記事
 感想 岩切一空監督『花に嵐』 と 「期待の新人監督2016」@カナザワ映画祭

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2018.05.30

■感想 静野 孔文, 瀬下寛之監督、虚淵玄原案,脚本『GODZILLA 決戦機動増殖都市』


静野 孔文, 瀬下寛之監督、虚淵玄原案『GODZILLA 決戦機動増殖都市』予告 - YouTube

  虚淵玄の絶望の破滅が加速。でもって哲学的絶望が進化SFしている。
 ナノメタルという設定でメカゴジラがまさかのSFに。『レディ・プレイヤー・ワン』の同キャラとは随分な違い(両方好きですけど)。

 そして前作の感想でも書いた硬質なCG映像とシャープな音響がこの哲学的絶望に最大限マッチして素晴しい効果を出している。このクールな物語を見事に盛り上げてる。

 CGのどこか非人間的な表現で、ナノメタルとの融合で新らたな進化を選びとる異星人「ビルサルド」と、人間の肉体に拘った地球人キャラクターの苦難。

 ある意味、『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』の絶望を超えている。サノスのシンプルな哲学(^^)と比べると何と深い絶望。人類の進化の到達点にいるゴジラとそれに対抗する、ロジックの神メカゴジラ。

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 諸星大二郎の「生物都市」の描いた進化の恍惚と同類のものを描いた上で、それを否定。テクノロジーのエッジとして描いたメカゴジラの暴走はある意味、東宝メカゴジラの極北の姿として描き出している。見事な魂の継承と思うがどうだろうか。

◆関連リンク
『 彼方より―諸星大二郎自選短編集』
 諸星大二郎の手塚賞入選作「生物都市」が収録されている短編集

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2018.05.28

■詳細レポート(2) 『クエイ兄弟 ーファントム・ミュージアムー』展 スペシャルトーク「クエイ兄弟の夢の世界」滝本誠氏、赤塚若樹氏@ 岡崎市美術博物館

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開催中の展覧会「クエイ兄弟―ファントム・ミュージアム」 | 岡崎市美術博物館ホームページ

"スペシャル・トーク 「クエイ兄弟の夢の世界」
登壇者
赤塚若樹氏(首都大学東京教授) 「ふたりの好きなもの」
滝本 誠氏(映画評論家) 「クエイ兄弟の手作り魔術」
司会 岡崎市美術博物館学芸員 高見翔子氏
日  時  5月6日(日曜日) 午後2時~ 
(当日午後1時開場)
会  場  当館1階セミナールーム
定  員  70名 先着順 ※午後1時から整理券配布 聴講無料"

 スペシャルトーク、後半の滝本誠氏の講演とラストのお二人によるトークのメモ、続きです。iPadのメモと記憶を頼りに書いてますので、記録ミスもあると思います。文責は私ということで、読んで頂く際はご容赦ください。トップに引用した画像は、お二人が用意され会場で配布されたレジュメ(一部)です。

■滝本誠 「クエイ兄弟の手作り魔術」

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・カフ力「変身」のザムザを表現した展示品。ザムサと部屋とベットとドア。クエイが想う形。このセットを、映像として完成させてほしい。スリルを感じた。
・フィラデルフィアでクエイと同時代を過ごしたはずのデイヴィッド・リンチも「変身」をシナリオ化している。2人ともフィラデルフィアでカフ力を発見。
・自分のイマジネーションの中で、クエイヴィジュアルで受けとっていた。
※写真は This Week In New York から引用させて頂きました。

・今買い展示されているドローイング、切断とか奇怪な夢を表現している。ブックデザインとか、噂は聞いていたがやっぱりというビジュアル。「クロコダイル」の頃に届かなかった情報。幻想力が入ってくる。

ジヤン=オノレ・フラゴナールの閂の絵からクエイが影響受けていると『映画の乳首、絵画の腓』に書いた。画家のフラゴナールでなく、解剖学者の従弟のオノレ・フラゴナールの影響であると、17年フラゴナ一ル博物館を初めて訪問して気づいた。クエイとフラゴナールで書き直した方がよい。

・パリ郊外にあるフラゴナール博物館、娘と2人で訪問した。人間の皮を一回はいでなめして頭蓋に張り付けたもの。荒俣宏氏も悲鳴あげた。余計な物を残しはりつけた。馬も凄い。1日楽しめるが、匂いがキツイ。ガラスの中から語りかける。女性に向いてると思う。(フラゴナール博物館については『荒俣宏の裏・世界遺産(3) 衛生博覧会を求めて』参照)

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・今回の展示品で「変身」のデコールに加えて、持ってかえりたいと思ったのは「クロコダイル」のデコールと、アムステルダムで展示されたオプティカルボックス。この三点が特に良い。
・オプチカルボックスはマックス・エルンストに関係。箱の中を覗く展示、既に破棄されたらしいので残念でならない。13個の穴ごとに別の物に見えたかどうか。これは見たかった。
(リンク C3 video archive and media art collection catalogue
 滝本さんが見たいと言われていた「ロプロプの巣」と言われる引用画像のキュレーション。マックス・エルンストの「怪鳥ロプロプ」のための架空の装置。97年にロッテルダムで展示された。)

・人為的な透視図法、またはアナモルフォーシス。バルトル・シャイティスのアナモルフォーシスとしたかった。手紙が届いた日にバルトス・シャイティスが死んだと言われてる。

バルトル・シャイティスアナモルフォーズ 』(国書刊行会)、クエイのアトリエでサインしてもらった。流麗かつ円がどこかへ引きずり込む様なサイン。上がティモシー? 上から下へ見事にひきついで素早く書かれた。カリグラィーの様。アトリエのBBCからエアチェックしたカセットテープの山と彼らのカリグラフィーの筆致は同じ。それらもまたイラストで埋まってる。

・カリグラフィー.、カリカリという昔の極上のエクスタシー。「書道家」。

・アトリエ訪門、1994年、イメージフォーラムのクエイのビデオが1万円x1万本以上売れた。そのご褒美として、イメージフォーラムの富山女史(富山加津江氏)と滝本氏、94年8月にアトリエを訪問した。(ここからアトリエ訪問の写真をスライドで見せながらの講演)

・2 Fがクエイのスタジオで窓が開いてた。2人で同時に顔を出した、ツインズの歓迎。1 Fはハロッズに肉を卸してる解体配送業者。「ストリート・オブ・クロコダイル」のレバーの購入先か。

・当時、クエイはピーター・グリナウェイから、早く実写を撮れ、と言わえてた。そして初めての実写長編『ペンヤメンタ学院』の初号試写。

・アトリエ内、植物系の絵、すべからく枯れている。枯れてこそ造形美を発揮する。枯木もいくつもアトリエにあった。作品の素材として置いてある。枯枝の様なパペットを天上に張り、そこに作品吊るしてある。落ちてくると危険。カバーシーツのカーブの写真、この流れがクエイ。

・テーブルの花も枯れてる。当時、35mmフィルムで、2人で撮っていく。照明、幕を張っている。スタロヴィエイスキの目玉の「砂時計のサナトリウム」。

・コースターもクエイ的、ビニール袋に入れて、穴をあけて、室内の風雨にさらす。粉なごみ、匂い、コースターに浮かび上がる。トイレにカフ力のチェコ版?のペーパバック、つり下げてある。ホコリ等の付着を楽しむ。彼の幻想の中の東欧か。

・変身のセットのリアル、写真を見直していて、20年たって衝撃受けた。

・手作りカセット、BBCエアチェック、手作り快感.。山をなして存在。
・家っぽい造形、エゴンシーレの肖像の様なパペット。映像になってない物、天上にぶら下がってる。ブラっと崩れる夢見に入る様子、写真を見ていて昨日気づいた。枯木の痕跡。人体模型。陰毛、自分たちで貼り込んだ。造形物に加えることで楽しむ。

・DVDのインタビュー、球体人形の陰部に指を入れる所から。映像になってない物、いろいろ。キリストはりつけ、腐敗的描写。フィラデルフィア、ポーランド移民多かった、そこへ向かうDNAか。

・まとめ? クエイを楽しみましょう。

■おまけの30分
 時間を延長して、30分ほどの追加講演

・東欧について話した。この展覧会は葉山、渋谷、ここ、見え方が違う。調べ直した。

・黒の素描。70年代となってるが、ベルギーの資料では74〜77年と記してある。英語じゃなくポーランド語等。モチーフ、街頭、パンタグラフ、電線、高圧線、クエイっぽい。
・この岡崎市美術博物館から見える電線。線にラケットがかかっていればクエイの素描そのまま。

・77年、ポーランドヘ74年に初めて行ってる。8mmカメラで映画撮ってる。そのスチル、後のモチーフ、市電、電線.。チェコの写真家にインスパイア、大聖堂のなかを走る、路面電車。人工の夜景に出てくる。映画のモチーフヘ痕跡が出ている。こうした見方も美術展の楽しみ方。

・クエイと東欧のつながり、フィラデルフィアは欧からの移民が多くいた。

・74年のワルシャワ訪問、東へ入りにくかった、鉄のカーテン、身ぐるみはがさえたり。
アンジェイ・クリモフスキ。クエイが東欧へ目を向けるきっかけ。イギリスの別の美術学校にいた。両親が東欧の役人(?)。卒業制作展で意気投合。文通。
・クリモフスキ、ワルシャワでポスターとアニメ学んだ、トマシェフスキに学んだ、レンツェとかの上の世代。アニメはカジミェシュ・ウルバンスキに学んでいた。この人を通してワルシャワへ。クリモフスキのポスター、『オーメン』とか、女の背中。アニメ「 死せる影」。密接に結び付いてることがわかった。

ウルバンスキPlaythings
・レンツェ、ボロフチク「家:The House」。電子音楽。シンセ。実験的。コラージュ、髪の毛アニメ。

Surrealism/Experimental/Avant-garde Art Cinemaの動画 | VK
 クリモフスキ「Dead Shadow : 死せる影」バレエ、階段のぼる人、撃たれる。
ポーランド最近も元気。


Nine Inch Nails - Closer (Director's Cut) - YouTube
 マーク・ロマネク:Mark Romanek監督のナイン・インチ・ネイルズ「クローサー Closer」PV。ターセムの『ザ・セル』と合わせて、「クエイエフェクト」と名付けられる様な映像の強い影響が現れている。もしくは「クロコダイルエフェクト」。肉、心臓、ほこり、そして蜘蛛の巣。


The Cell: The Demon King (2000) - YouTube.

◆関連リンク
滝本誠『映画の乳首、絵画の腓 AC 2017』
leeds canvas quay - Google 検索
 リーズ市の地下水路をアート化したもの。暗闇の光が素晴らしい。
The Hourglass Sanatorium (1973) ♦ A film by Wojciech Has ♦ - YouTube
 監督ヴォイチェフ・イエジー・ハス原作者ブルーノ・シュルツの「砂時計サナトリウム」。クエイに影響を与えた。まるでパペットのように見える人間の実写映画。
C3 video archive and media art collection catalogue
 滝本さんが見たいと言われていた「ロプロプの巣」と言われるキュレーション。マックス・エルンストの「怪鳥ロプロプ」のための架空の装置。97年にロッテルダムで展示された。
Max Ernst loplop - Google 検索
Un lieu d'exception(フランス フランスでのフラゴナール博物館 公式HP)
【閲覧注意】パリの「フラゴナール博物館」に世界最高傑作といわれる「人体標本」を観に行った!|健康・医療情報でQOLを高める~ヘルスプレス/HEALTH PRESS
【完全解説】マックス・エルンスト「コラージュ・ロマン」 - Artpedia / わかる、近代美術と現代美術

"1929年、最初のコラージュ・ロマンのエルンストの代表作となる『百頭女』を刊行。エルンストの鳥キャラクターのロプロプが現れる。絵の中の鳥はエルスント自身(エゴ)を表している。ロプロプとは鳥と人間の初期の混乱から起因する自分自身の延長のもので「分身」あるいは「守護霊」のようなものといっている。"

「砂時計サナトリウム」ヴォイチェフ・J・ハス - Credo, quia absurdum
・メカニカルインファクタ
 参考出品で展示。図録にも載っていないので検索してみたが、ネットには画像なし。とても残念。

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2018.05.21

■詳細レポート(1) 『クエイ兄弟 ーファントム・ミュージアムー』展 スペシャルトーク「クエイ兄弟の夢の世界」滝本誠氏、赤塚若樹氏@ 岡崎市美術博物館

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開催中の展覧会「クエイ兄弟―ファントム・ミュージアム」 | 岡崎市美術博物館ホームページ

"スペシャル・トーク 「クエイ兄弟の夢の世界」
登壇者
赤塚若樹氏(首都大学東京教授) 「ふたりの好きなもの」
滝本 誠氏(映画評論家) 「クエイ兄弟の手作り魔術」
司会 岡崎市美術博物館学芸員 高見翔子氏
日  時  5月6日(日曜日) 午後2時~ 
(当日午後1時開場)
会  場  当館1階セミナールーム
定  員  70名 先着順 ※午後1時から整理券配布 聴講無料"

 スペシャルトーク、貴重な御二人の話をたいへん興味深く聞かせて頂いたので、その一端をご紹介します。iPadでメモを採ったのですが、正確に記録できていない部分も多いと思うので、あくまでも文責はメモを採った私ということで、ご容赦ください。

■赤塚若樹  「ふたりの好きなもの」
・東欧関係とクエイの関係は、80年代終わりから。
・滝本誠氏『映画の乳首、絵画の腓』は恐らくクエイについて本格的に取り上げた日本で初めての書籍。
・赤塚若樹氏はシュヴァンクマイエル、クエイほかを『夜想』のパペットアニメ特集でとりあげた。ブルーノ・シュルツについても、雑誌「REAR」で、ポーランドのアニメーション他と合わせて文章を書いた。
・公式図録の主要参考文献には、この二人の著作は掲載されていない。高見氏の慧眼か、はたまた節穴か?、というのがこの講演でわかるはず(笑)。
・90年代ビデオ、イジー・バルタ、ヤン・シュワンクマイエルと合わせてクエイも発売された。イメージフォーラムフェス、シネヴィヴァンのレイトショーとか貴重な機会だった。パンフに滝本氏が書かれていた。その後90年に『映画の乳首、絵画の腓』が発行された。
・(滝本氏) クエイに30年おぼれ続けてるのでなく、最近、浮上してまた戻ってきた。

・(ここで参考上映 「ストリート・オブ・クロコダイル」) ポーランドのカフ力と呼ばれているブルーノ・シュルツの原作。平凡社ライブラリで翻訳が出ている。シュルツは作家であり、画家。
・デビューは偶像讚美の書。シュルツは小説より前に画家だった。(ここでシュルツの絵を紹介(参考リンク : Bruno Schulz - Google 画像検索)) シュルツの絵はクエイに影響。
・シュルツの絵を東大の講演で「足フェチ」と言っていたら、講演録で「足への愛好」と直された(笑)。
「ストリート・オブ・クロコダイル」の原作「大わに通り」と同じ舞台の連作に「肉桂色の店」。
ヴォイチェフ・ハス『砂時計サナトリウム』(72年)、この映像からクエイヘ影響しているのがよく分かる。人間がパペット的。(以下の動画参照)。


The Hourglass Sanatorium (1973) ♦ A film by Wojciech Has ♦ - YouTube.

・滝本『映画の乳首、絵画の腓』に、クエイへの東欧の影響について、すでに書かれている。ヤナ一チェク、ミランクニデラ、シュヴァンクマイエルの部屋。
・同じくシュルツの「砂映計サナトリウム」も現在、作ってる。そしてスタニスワフ・レムの「マスク」、バルトーク、カフカ「変身」。ロシアのアニメ作家 ヴワディスワフ・スタレーヴィチ等々が影響している。

・東欧、鉄のカーテンの標式が今もある。チェコ、ポーランド、スロバキア、ハンガリー、、、、以前はオーストリアから東へ行けなかった。世界の果てという認識があったころにクエイは東欧を訪問。
・REARに書いたポーランドのポスター。クロコダイルにも出てる。多くの東欧の作家がクエイに影響を与えている。ヤン・レニツァヴァレリアン・ボロフチク。ポーランド派の代表。
レニツァのアニメーション。ポーランドアニメーションの黄金時代。

チャーリー・バウアーズ「It's abird」レニツァ「A」 、AのあとBが来るというアニメーション。
・東欧、ファンタスティックな映像は西欧と違う。周縁、陰り、深みにひかれる。トルンカ、ノルシュテイン。そしてレニツァとボロクチク。
・ボロズウィック「再生」(1963年)。フクロウ、トランペットの再生、クエイが好きな作品として挙げてる。人形の再生、顔と頭、クエイの人形そのもの。最後、手榴弾。
・クエイ新作「砂時計サナトリウム」でも、ボロクチクにオマージュ捧げてる。
・クエイのドローイングもポーランドアートの影響受けている。

◆関連リンク
滝本誠『映画の乳首、絵画の腓 AC 2017』
The Hourglass Sanatorium (1973) ♦ A film by Wojciech Has ♦ - YouTube
 監督ヴォイチェフ・イエジー・ハス原作者ブルーノ・シュルツの「砂時計サナトリウム」。クエイに影響を与えた。まるでパペットのように見える人間の実写映画。
「砂時計サナトリウム」ヴォイチェフ・J・ハス - Credo, quia absurdum

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2018.05.16

■感想 『クエイ兄弟 ーファントム・ミュージアムー』展 @ 岡崎市美術博物館

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 『クエイ兄弟 ーファントム・ミュージアムー』展 @ 岡崎市美術博物館、観てきました。東京渋谷区立 松濤美術館に続き(当ブログレポート記事)、2回目だけれど、展示会場が異なり雰囲気はずいぶんと違って感じる。

 今回の最大の目的は、イベントのスペシャルトーク「クエイ兄弟の夢の世界」滝本誠氏と赤塚若樹氏講演の聴講。
 用意されたレジュメ(滝本氏のA4 3枚と赤塚氏のA3 2枚)とPCプレゼン資料と多くの映像。2時間(90分本篇。30分おまけ)に及ぶ深くて最新情報に満ちたクエイトークを堪能できました。
 会場の観客レベルをクエイマニアに設定されたような濃いトピック満載で素晴らしい講演でした。

 赤塚氏は主に東欧、特にポーランドアートのクエイへの影響について最新情報と関連作の動画等紹介。滝本氏は御自身のフランスでのフラゴナール博物館体験からクエイへの影響について、そして94年の渡英時のクエイ兄弟のアトリエ訪問写真紹介、フィラデルフィア近郊に育ったクエイと同時代にそこで青年時代を送ったディヴィッド・リンチとの共通性について。

 そして後半30分で、おふたりからのトレント・レズナーのナイン・インチ・ネイルズ PV Mark Romanek監督 "Closer" 、ターセム監督『ザ・セル』へのクエイのダイレクトな影響について。超ダイジェストに映像を見せつつの、とても濃くって興味深い話でした。


Nine Inch Nails - Closer (Director's Cut) - YouTube
 クエイ兄弟の映像に大きく影響されているナイン・インチ・ネイルズのPV"クローサー"。こちらのPV、冒頭他に刺激的なシーンがありますので、試聴は自己責任で

 詳細はいつものメモ魔で(^^;)、情報満載に記録したので、次の記事に掲載します。

 展示は松濤美術館になかったもの、そして前回も素晴らしく何度もその前に佇んでしまった撮影用のセットとパペットからなるデコールという立体展示、のべ4時間ほど会場にいて、じっくりと観覧させて頂いた。

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 特によかったのはデコール「この名付け難い小さなほうき」(右引用写真)と「変身」。特に後者はベッドの下で蠢く昆虫になってしまったザムサを描いたものだけれど、その部屋の雰囲気、蟲の造形等、素晴らしい闇の輝きである。滝本氏の発言にもあったけれど同様に持って帰りたい(^^)。
※写真は三菱地所アルティアムの記事から引用させて頂きました。

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 2012年の「変身」の映像ではこの造形の見事さが充分に表現されてないように見えて、これは造形物と合わせての鑑賞が必要かと。とにかくクエイの手になる創造物の存在感に溜息が出るばかり。
 「変身」は以下の動画作品だけれど、映像にはこのデコールの人形と部屋の造形が断片的にしか使用されていないため残念でならない。
※写真は This Week In New York から引用させて頂きました。

Metamorphosis - Mikhail Rudy / Brothers Quay - YouTube

 最後のコーナーにあった映画化企画中で、テスト的に作られているブルーノ・シュルツ原作『砂時計サナトリウム』の冒頭映像6分ほどが観られたのも嬉しかった(たしか松濤美術館にはなかったような記憶)。なかなか映画に恵まれていない最近のクエイ、なんとか実現することを祈りたいと思います。

◆関連リンク
・赤塚若樹氏twitter (@wakagi_akatsuka) 2018年5月6日

フランツ・カフカ  Quay Brothersの「変身 」 Google 翻訳.

"クエイ・ブラザーズの回顧の一環として現在ダン・ギャラリーで見られている一連の図を通し、1970年代半ばにカフカの最もよく知られた物語を映画化することを思いついた。 昨年、彼らはパリのシテ・デ・ラ・ムジークとロシア生まれのフランスのピアニスト、ミハイル・ルディにアプローチし、「変身」の適応に取り組んだ。 その結果、2012年3月に初演されたシンセシス作品は、 'アニメーションとライブアクションの組み合わせ、LeošJanáčekによるRudyの音楽パフォーマンスは、一緒に、Kafkaの物語に敬意を表する一方で、話題の全く新しい経験を生み出しています。"

オープニングイベント 上映会 & 講演会「映像作家クエイ兄弟の今昔」レポート(2) | 三菱地所アルティアム
 神奈川県立近代美術館 籾山昌夫氏の詳細な解説。深い話が掲載されているので、是非ご一読を。
■感想 双子がつくる悪夢的ビジョン「クエイ兄弟 ー ファントム・ミュージアム」展 The Quay Brothers Phantom Museum|松濤美術館

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2018.05.14

■感想 アンディ・ムスキエティ監督『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』


IT Trailer 2 (2017) - YouTube.

 アンディ・ムスキエティ監督『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』ブルーレイ初見。

 『スタンド・バイ・ミー』ミーツ ホラーというか、とてもキングらしいストーリーである。

 実は原作を20年以上前に読んだのだけれど(翻訳が出たのが1991年とのことで既に27年前! 期しくも本書で重要なキーワードになる「27年」と同じ年月である)、すでにほとんど忘れてしまっている。ので、とてもワクワクして全体を見終えた。

 まず青春映画としてよくできている。青春というか、子供から青年に移行する直前の年代の登場人物たちの心の動きを活写している。

 『キャリー』にもつながる、スクールカースト(嫌な言葉だ)的に言えば下層の、いじめられている少年少女の物語。それぞれが抱えている課題をそれとなく見せ、その7人の仲間が集まって戦いの体制を整えていくところの描写がなかなか見事。

 ホラーシーンも、ピエロのペニーワイズの持つ恐怖感。幻想性とリアリティのせめぎ合い。大人には見えていない描写等、ホラー映像の物語との拮抗も的確。

 原作を想い出してみると、この27年後の主人公たちグループの姿が描かれていたはず。続篇で描かれるだろう、彼らの姿も期待したいものである。

◆関連リンク
IT/イット "それ"が見えたら、終わり。 原作と映画の違い | MOJIの映画レビュー
 丁寧にしかもchpter2のネタバレも避けつつ、映画と原作との違いを分析されている記事。
IT (映画) - Wikipedia.

この作品の公開後、ピエロの存在を怖がる人々(道化恐怖症)が少なからず現れるようになったという。

道化恐怖症 - Wikipedia
 かならずしもこの作品だけが原因でないようですが、こういう病気が出てきているのはある意味凄い。映画によって精神的病が発症したというのは興味深い。
Andy Muschietti監督 - IMDb
Stephen King's IT (1990) - Georgie - YouTube.
 1990年の映像化作品、ペニー・ワイズが側溝から現れる冒頭のシーン。2017年作品とほぼ同じ展開を描いているが、恐怖感が映像によってパワーアップしていることがよくわかる。

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2018.05.09

■写真レポート 福井県立恐竜博物館

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 ゴールデンウィークに福井恐竜博物館へ行ってきました。
 前から行きたかったので、やっとという感じですが、44体の恐竜の全身骨格と千数百点の標本、そして大型復元ジオラマ、、、さすがに「国内最大」(よくある「最大級」でなく「最大」)と謳われているだけのことはある豪華さです。

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 未来的な宇宙船のような館内に展示された恐竜たちは、さながらノアの箱舟で未来へ連れてこられたような演出。10mに及ぶ巨大な「フクイティタン」ほか、この福井の地で発掘された復元模型も素晴らしいものでした。

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31648450_1985882771741307_625338193 そして中子真治さんが協力されたという(関連リンク参照)「ダイノギャラリー」と名付けられた恐竜イラストの展示コーナー(ここは残念ながら撮影禁止)。『超恐竜 恐竜アートの世界』で紹介されたイラストを直に見ることができて、これも感激でした。

 特にこの本の表紙に使われた右のイラスト。
 古代の息吹を感じさせるリアリスティックイラストに感嘆。
 今回、3Dハンディカムで、しっかり恐竜たちの立体映像を撮ってきたのでいつかYoutube等で公開したいものです。

◆関連リンク
・FPDM: 博物館バーチャルツアー - ダイノギャラリー
 (福井県立恐竜博物館 公式HP)

"恐竜アーティストも世界的に高い評価を受けている方ばかりです。画材も作風もさまざまで、油絵からアクリルや水彩さらにグアッシュやパステルといったものを使って描かれています。マーク・ハレット、ジョン・シビック、グレゴリー・ポールらの精巧な作品、パステルだけで植物食恐竜マイアサウラの生態を情感たっぷりに描いたダグラス・ヘンダーソンの作品、カナダの人間国宝の称号が与えられたエレノア・キッシュの遺作など、恐竜ファンだけでなく、芸術ファンの方にも十分な見応えがあるものです。さらに、しっぽを地面に着けたゴジラ型の姿勢をした恐竜を描いたウィリアム・シーリーの1960年代の作品など、その時代での恐竜研究により恐竜の背格好や風貌が異なってきていることがわかります。これらの作品は芸術的価値もさることながら、恐竜研究史的にも高く評価されるものです。

また、彫刻には映画「ジュラシック・パーク」(1993)で頭角を現したマイケル・トーシックの作品や「ジュラシック・パーク」でアカデミー賞特殊効果賞を受賞したスタン・ウィンストンが、この映画のために最初に基本制作したブラキオサウルス、ディロフォサウルス、ベロキラプトルが展示されています。何でここに展示されているのか!と目を疑いたくなるようなお宝です。"

ネオン集め その4 我が倉庫へ。 : 下呂温泉 留之助商店 店主のブログ

"1985年に恐竜画家ウィリアム・スタウトからプレゼントされた1枚の絵がきっかけで集めた恐竜復元画と復元彫刻のコレクションは、トヨタの池袋アムラックスホールで開催された『超恐竜展』のあと、福井県立恐竜博物館のダイノギャラリーという最高の環境で第二の人生を送っている。"

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2018.05.07

■感想 スティーヴン・スピルバーグ監督『レディ・プレイヤー 1』


'Ready Player One' Behind The Scenes - YouTube

 スティーヴン・スピルバーグ監督『レディ・プレイヤー 1』109シネマズ名古屋 IMAX 3D 字幕、観てきました。

 スピルバーグの子供心に満ちた楽しい1本。あれやこれや自分達が興奮した映画やテレビ作品のキーイメージのオンパレードで心地よい。物語はシンプルな、良くも悪くもスピルバーグ。主人公の想いと、仲間がだんだんとそろってきて、イッキに戦いに突入する心地よさは健在。

 映像はまさにIMAX 3Dの没入感がVRのジャックイン感覚を疑似体験させてくれて最高。一番前の真ん中席、取って良かった(^^) (名古屋ではE19席)。

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 VR世界OASISの映像は、わざとCGっぽいキャラクターだったけれど、2045年だったら、あと27年先なので、生々しいくらい人間っぽいキャラクター造形になっているだろう。そうするとラストの重要な「リアル」に関わるセリフとかが空疎に感じられる危険があってわざとCG的にしたのかもしれない。

 ここで描かれた体感スーツは別にして、2025年と言われても納得できてしまうくらいには現在に近いCG空間の映像。あと20年近く先の2045年だったら、どの程度進化しているか、と考えると空恐ろしく感じる。

 とはいえ、ここで描き出された3D IMAX空間の広がりは素晴らしく、こんなVR世界にジャックインできたら、それでもしばらく出て来たくなくなるなぁの出来w。

 3Dのメインスタッフとして最初にクレジットされていたのは、Stereo D社のYoichiro Aoki氏。IMAXとの相性も良く、快心の立体感。立体映画オタクには必見です。

 3Dで特に素晴らしかったのは、最初のOASISへ入っていくところの臨場感、各種ガジェット、そして「作家が気に入らなかった映画」(^^)の3D化、クライマックスの戦闘シーンの広大な空間感、どれも3Dによる大迫力に手に汗握らせて頂きました。
 今回の3Dシーンは、VR空間についてはCG映像で元から3D映像として作られたかと想像。実写シーンは2D-3D変換かと思われる。

 青木 洋一郎氏は、立体映像ブログ「3D3D3D」に時々コメントされているため、この映画について、お話ししてみたいものです。(と書いたFacebookの僕の書き込みにコメントを頂きました。恐縮です)

◆関連リンク
レディ・プレイヤー1 - Wikipedia
Yoichiro Aoki - IMDb

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2018.04.30

■感想 ケヴィン・ファイギ製作、アンソニー・ルッソ&ジョー・ルッソ監督『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』


「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」本予告 - YouTube
 ケヴィン・ファイギ製作、アンソニー・ルッソ&ジョー・ルッソ監督『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』109シネマズ名古屋 IMAX 3Dで観てきた。
 以下、何を語ってもネタバレになりそうですが、ネタバレしない感想をまとめてみました。

 マーベル・シネマティック・ユニバース、ここに結実といったところでしょうか。こんなところに連れて来られるとは、『アイアンマン』を初めて観た時には思いもしませんでした。
 終わった後の満席の場内は、ラストまで席を立つ者はなく、そのラストに声も出ない感じ。

 壮大な物語と戦闘はピーター・ジャクソン『ロード・オブ・ザ・リング』的?で、ラストの寂寞感は、昨年のリンチ『ツイン・ピークス :リミテッド・イベント・シリーズ』にも通じるのではないかと思ったくらい。

 この寂寞感は、特に『ブラックパンサー』で少し政治的観点で今後に凄い期待を持ったファンの持つ思いかもしれない…。このようなエンディングにしてしまうのか、、、というような。ある意味、まさかと思うような大胆な持って行き方。

 まだ未見の方は、出来るだけ本作のネタバレを読まないうちに、出来るだけ多くのマーベル・シネマティック・ユニバース作品を観た上で、この稀有な衝撃を体験しに、劇場へ急いでください。

 ケヴィン・ファイギなのか、アンソニー・ルッソ&ジョー・ルッソ監督なのか、ここまでの全19作での悪魔的試みに驚嘆。全19作のうち食わず嫌いで未見だった『マイティ・ソー』の三本と『スパイダーマン ホームカミング』をWOWOW録画してたもので初めて観て、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に結実する伏線として貼られている種子のいくつかを確認して、改めてその驚嘆を強い思いとして感じた。ケヴィン・ファイギ恐るべし。

 この先もどんな驚嘆すべき世界へ連れ去られるか、楽しみでなりません。

◆関連リンク
マーベルの繁栄を支える天才 ケヴィン・ファイギ  - 映画についてのよけいな事
 MCUを牽引するケヴィン・ファイギについて深く知りたいのですが、なかなか日本語では記事が見つかりません。こちらは英文のインタビュー等から簡潔にまとめられています。

当ブログ 関連記事リンク
■感想 ライアン・クーグラー監督『ブラックパンサー』: Black Panther
アベンジャーズ 当ブログ 関連記事 Google 検索

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2018.04.23

■感想 マーク・ロマネク監督『わたしを離さないで』:Never Let Me Go


映画『わたしを離さないで』予告編 - YouTube

  マーク・ロマネク監督、アレックス・ガーランド脚本/制作総指揮、カズオ・イシグロ原作/制作総指揮の映画『わたしを離さないで』をWOWOW録画見。

 先日観た『エキス・マキナ』が傑作だったため、アレックス・ガーランドが脚本/制作総指揮を務めた本作を観てみた。

 こちらも期待に違わぬ傑作だった。静かなトーンで描かれた、残酷な物語を丁寧な描写で粛々と観せていく。
 全体的に静謐な雰囲気が画面を覆い、本来溌剌としている子供達の快活なシーンですら、どこか陰鬱なイメージが満ちている。

 物語はカズオ・イシグロの原作とほぼ同じようだ(読んでいないため、wikipediaの粗筋より判断)。異質な英国の物語としてさらっと語られる時代背景と徐々に観客に提示されていく物語のコア。不安が満ちている画面が、ひしひしとこの異質な世界の恐怖の実像を観客に提示している。

 たとえば、子供達が壊れたオモチャを嬉しそうに選ぶシーン。この子供達の育てられてきた環境を的確に描き出している描写。

 ラストで流れる映像。どこかのうらぶれたイギリスの片田舎の農地。風に吹かれたビニール屑が鉄格子にひっかかって風に揺られるという心象的な風景がこの映画の全体を見事に表象している。

わたしを離さないで - Wikipedia.

"イシグロは『わたしを離さないで』は平行世界のイギリスを舞台にしているにもかかわらず、2015年までの自身の作品のうちでもっとも「日本的」な小説だと考えており、それまでに接してきた日本の映画や書籍の影響が登場人物のふるまいなどに反映されているという。"

 小説が「日本的」なものを狙ったとのことで、つい日本映画として制作されていたら、と想像してしまう。
 多くの日本映画監督の作風を想い出してしまうが、たとえば黒澤清監督が撮っていたらと思うと、さらなる傑作が生まれていたのではと妄想が膨らむ。子供達が育つ「ヘールシャム」と名付けられた施設の佇まい。彼らの周りの空気感がこの物語をさらに鋭いものに変えていたのではないだろうか。

◆関連リンク
わたしを離さないで (映画) - Wikipedia
わたしを離さないで - Wikipedia
 こちらの原作あらすじによると、映画はほぼストーリーは原作通りのようです。
映画「わたしを離さないで(Never Let Me Go)」の劇中校歌の恐ろしい歌詞

"校歌の歌詞は小説には出てこないみたいです"

 校歌の独自訳を書かれていて、なかなか深いです。

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2018.04.18

■情報 ヤノベケンジ 巨大機械彫刻他 7点同時展示 @ GRAND 「ART SCRAMBLE」

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GRAND THANKS! 5 th Anniversary 「ART SCRAMBLE」 (公式HP PDF)

"内 容 : 世界的著名アーティストと国内の有名・気鋭アーティストによる アート 作品展示
イベント 期 間 : 4月26日(木)~5月13日(日)
関連施策 : 4月26日(木)オープニングセレモニー、一般参加の共同作品アートイベント
主 催 : グランフロント大阪|GRAND FRONT OSAKA
アーティスト : キース・ヘリング 、 ファブリス・イベール 、ヤノベケンジ、 椿昇、カオルコ、西形 彩庵、他"

 ヤノベケンジの代表的な作品が、グランフロント大阪に集結。
 作品は、公式プレスPDFによると、「ジャイアント・トらやん」「風神の塔」「ウルトラ - 黒い太陽」「サン・チャイルド」「青い森の映画館」「アトム・カー」「シップス・キャット(ブラック)」の7点。

 僕は「シップス・キャット(ブラック)」のみ未見、他は見たことあるが、これだけの作品が一群で見られるのであれば、観たいと思う。
 以下のヤノベケンジ公式Tumblrサイトの動画や、twitterで検索すると、グランフロント大阪前の工事中の風景がいくつか見られるが、なかなか壮観。

 ひとつ残念なのは、「ジャイアント・トらやん」と「ウルトラ - 黒い太陽」は並んで展示されるわけではなさそうなところ。

【Special Exhibition: GRAND FRONT OSAKA】....
【Special Exhibition: GRAND FRONT OSAKA】....
  (ヤノベケンジ公式Tumblr)

"【Special Exhibition: GRAND FRONT OSAKA】 大阪駅前・うめきた広場に、ヤノベ作品が集結中!その2 《サン・チャイルド》《風神の塔》《ウルトラー黒い太陽》、3体のモニュメント作品が早くも姿を現しました。 準備作業はこれからまだまだ続きます。グランフロント大阪のアートの祭典「GRAND ART FES」は、2018年4月26日からスタートです。"

◆関連リンク
ヤノベケンジ 関連 当ブログ記事 - Google 検索
 上記作品のレビューも掲載しています。

 

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2018.04.16

■感想  アレックス・ガーランド監督『エクス・マキナ』Ex Machina


Ex Machina Official Teaser Trailer #1 (2015) - YouTube

 アレックス・ガーランド監督『エクス・マキナ』WOWOW録画初見。
 評判の良い映画を今更ながら観たわけであるけれど、確かにとても良い映画だった。

 AIを描いた作品としては、2013年にスパイク・ジョーンズ監督・脚本『Her/世界でひとつの彼女』という傑作があるのだけれど、そちらに続く佳作といって良いのではないだろうか。僕は人工知能としての独自性(機械知性は人の考える人工知能とは異質の進化を遂げて、人類に興味を持たなくなる)描写から『Her/世界でひとつの彼女』にSFとしての先進性で軍配を上げるのだけれど、『エクス・マキナ』は人間の延長としての/シミュラクラとしてのAIの奇怪さを見事に描いた映画と言えるのではないだろうか。

 そしてもうひとつ秀逸だと思ったのは、エヴァ(AVA)アリシア・ヴィキャンデルの演技の素晴らしさもだが、主人公の青年 ケイレブ・スミス(ドーナル・グリーソン)が抱えたフィリップ・K・ディック的な存在の不安感の描写。ここまでディック的不安を見事に映像化した例は他にないのではなかろうか。このシーンへ至る不気味さを描き出したことだけでも、この映画の成果は大きいと思う。

 アレックス・ガーランド監督は、 『ザ・ビーチ』の原作、『28日後...』の脚本、『28週後...』の製作総指揮と、いずれもダニー・ボイル監督と組んだ秀作の制作に大きく関わっている。本作が初監督作品ということだけれど、見事なシナリオと演出、SFXで素晴らしい業績だと思う。

 次の作品『アナイアレイション -全滅領域- Annihilation』は、どうやら北米等での公開がいまひとつ振るわず、日本では残念ながらネット配信(Netflix)になってしまったようだが、今度もSFということで期待したいと思う。


Annihilation (2018) - Official Trailer - Paramount Pictures - YouTube

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2018.04.09

■予告篇 岩切一空監督『聖なるもの』


映画『聖なるもの』特報 - YouTube
映画『聖なるもの』公式サイト

 傑作自主映画『花に嵐』の監督 岩切一空氏の新作『聖なるもの』が東京で4/14〜公開されるということで、その予告篇と特報が公開された。
 特にその特報が凄いので、冒頭でご紹介。まずは2分弱の短い映像なので、以下を読む前に騙されたと思って観てください。

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 まず冒頭の特報について。
 謎めいた、佇む少女に、かぶるボンジュール鈴木の冥界からの歌声のような、繊細な楽曲。そして奥から近づいてくる黄色い巨大な除雪車両。

 言語的に説明できない、独特の空間感覚。少女の薄い笑みと吸い込まれるような黒眼(もしかして映像加工されている?)。ここに漂う恐怖感のような凍えるような虚無はいったいなんなのだろう。

 この映像の強度、相当なものと思うけれどいかがだろう。不安を感じさせるこの空気感は、どこか黒沢清映画を思い出させる。しかし、それにしても、この除雪車。いったいここで除雪車を持ってこれる感覚は? 凄い。

 前作『花に嵐』が達成した学生映画としての空気感と、エンタテインメントのクライマックス感。そこにも映画のみが持ち得る空間感覚が見事に表現されていたけれど、この特報の持つ迫力はさらにその先を行くものかもしれない。

 今作で岩切監督が何を達成するか、本篇が楽しみでならない。


「聖なるもの」予告編【01】 - YouTube

"2018.4.14(土)ポレポレ東中野ほか全国順次ロードショー!!
監督・脚本・編集:岩切一空|劇中歌・主題歌:ボンジュール鈴木
出演:南美櫻 小川紗良 山元駿 縣豪紀 希代彩 半田美樹 佐保明梨(アップアップガールズ(仮)) 青山ひかる / 松本まりか

 大学3年になる「僕」(岩切一空)は、4年に1度、映画研究会に現れる謎の少女と作った映画は必ず大傑作になるという噂を耳にする。ある日、僕の目の前にミステリアスな黒髪の美少女・南(南美櫻)が現れる。彼女に魅了された僕は後輩の小川(小川紗良)らを巻き込み、衝動的に南主演の映画を撮り始める。"

 そして何と88本の予告篇が公開中!『聖なるもの』公式サイトにも掲載されているが、引用したYoutubeリンクで再生すると連続的に88本すべてが観られる。

 僕はYoutubeで観る前に、公式サイトで一本一本、別々にクリックして観て行ったのだけれど、さすがに冒頭に引用した特報ほどの出来のものはない。
 だが、8秒 × 88本 = 708秒。約12分に渡るその映像の端々に、前作にも通じる岩切監督独特の雰囲気が漂っている。

◆関連リンク
■感想 岩切一空監督『花に嵐』 と 「期待の新人監督2016」@カナザワ映画祭
新時代の到来を感じさせる天才映像作家 岩切一空監督が新作『聖なるもの』を語る|CREA厳選! イケメン青田買い|CREA WEB(クレア ウェブ).

"――幼い頃に持っていた将来の夢は?  ある日、雲を見たときから、羊になりたいと思っていました。もともと、豚などの四足歩行の動物が好きで。食べて、寝て、愛されて、草原にいる姿がとても幸せそうだったんですね。その後も、満員電車が苦手なので、普通の会社員になるのは難しそうだとは思っていました。

 僕はゼロから1を作れる人間ではないと思っていて、そうすると自然に自分に蓄積されたものの組み合わせや好みを考えていくようになっていきました。編集や音の使い方などは、「少女革命ウテナ」や「新世紀エヴァンゲリオン」など、中学・高校時代に見ていたアニメからの影響が大きいです。"

第58回日本映画監督協会新人賞は、『花に嵐』岩切一空監督に決定! - シネフィル
 岩切監督、新人賞受賞ということでおめでとうございます。この賞って商業映画以外も対象になるのですね。大島渚に始まり錚々たる監督が受賞されていますね。
 → 日本映画監督協会新人賞 wiki
Nagoya Cinematheque

"近日公開 『聖なるもの』"

 東海地方は、名古屋シネマテークで上映予定。公開日が楽しみ。
Bonjour Suzuki - YouTube
TVアニメ『魔法陣グルグル』ED主題歌「Round&Round&Round」MV/TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat. ボンジュール鈴木 - YouTube.

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2018.04.04

■情報 全日空による実時間遠隔ロボティクス「ANA AVATAR VISION」


THE VISION of MELTIN - YouTube

"MELTIN MMIは、生体信号を利用した医療機器やアバターロボットなどの研究開発・事業化を通して、生体信号処理技術やロボット技術を高度に発展させ、義体やBrain Machine Interface(脳と機械をつなぐインターフェース)に代表されるサイボーグ技術の実現を目指します。MELTINは、サイボーグ技術によって身体による限界から人類を開放し、誰もが自分自身に合った活躍ができる世界を創ることをビジョンとして掲げています。"

【森山和道の「ヒトと機械の境界面」】行きたい場所へ仮想瞬間移動する「ANA AVATAR VISION」始動 - PC Watch.

" アバター(化身)とは、遠隔地に操作者の意識を飛ばすことを目的とした技術。遠隔操作ロボットやハプティクス(触覚)、VRやAR、各種センサー、通信技術などを組み合わせて統合する「テレプレゼンス(遠隔存在感)」と呼ばれる技術を用いて、遠隔地からロボット等の機器をリアルタイムに操作することで、操作者があたかもその場にいるかのような臨場体験ができるようにすることを目指す。

 技術デモは、Suitable Technologies製のテレプレゼンスロボット「BEAM pro」を用いた空港内案内デモのほか、ANA独自運営のクラウドファンディング・プラットフォーム『WonderFLY』のプロジェクト(WonderFLY ANA AVATAR)で資金を集めているアバター関連技術を持つ3社のうち、「Re-al Project」と株式会社メルティンMMIの2社、そしてテレプレゼンス・ロボットを使った共同研究を行なっている、凸版印刷株式会社とNTTドコモ、東京大学大学院情報学環暦本研究室のIoA共同実証実験チームが行なった。デモについては後述する。"

 先週、ANAの遠隔操作ロボットのコンセプトが大々的にプレスリリースされ、あちこちのマスコミで大きく取り上げられ、テレビでもそのコンセプト映像が広く紹介された。
 特に詳細を記事にされているのが、科学ジャーナリスト森山和道氏のリンク先記事。的確に紹介されているので、興味がある方は、是非、リンク先を読んでいただきたいと思います。

 このANA のアバターヴィジョンって、通産省と東大 舘研究室でやっていたR3 (アールキューブ : Real-time Remote Robotics )コンセプトそのものですね。

 ここに舘 暲東大名誉教授らで起こされたベンチャー テレイグジスタンスInc.はジョイントしないんでしょうか。今こそ、日本発の未来コンセプトとして一大企画としてまとめるべきかと…。

◆関連リンク
Suitable Technologies Home - Beam

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2018.04.02

■感想 ジャック・アーノルド監督『大アマゾンの半魚人』: "Creature from the Black Lagoon"


Creature from the Black Lagoon (4/10) Movie CLIP - Underwater Stalking (1954) HD - YouTube

 ジャック・アーノルド監督『大アマゾンの半魚人』(ブラックラグーンからのクリーチャー)3Dブルーレイ初見。

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 モノクロ3Dですが、現在の3D映画より飛び出る効果を狙ってあり、立体感がいい。また水中映像が生々しくクリーチャーの存在感が迫ってきます。魚チックに尖った口と呼吸する鰓の動き等素晴らしい。
 引用動画ではモノクロ映画的に画質も思わしくないですが、このブルーレイはこれとは異なる綺麗な映像を維持している。古びた印象でなく、現在の技術で3D映画を撮った様な新鮮な映像である。

 この映画、立体映画としては初の水中撮影を実現したものとのこと。
 1950年代に凄く大きなカメラを水中立体撮影ができる様に大きな防水ケースに入れて湖の中に持ち込んだスタッフの工夫と努力に感謝です。

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 ギレルモ・デル・トロがこの映画に触発されて『シェイプ・オブ・ウォーター』を作ったわけですが、半魚人と美女ジュリー・アダムスが透明な沼を一緒に泳ぐシーン(上記引用動画)のエロティシズムが触発のコアだったと思われます。その3Dによる存在感たるや…。デル・トロ『シェイプ・オブ・ウォーター』を何故3Dで撮らず、しかもこの様な水中遊泳シーンを入れなかったのか。これらは本作を観ると、名作『シェイプ・オブ・ウォーター』の大きな手落ちと思われてしまいます。もっともっと魅力的な映画になっていたのにと、残念でなりません。

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 本作は、ある意味『シェイプ・オブ・ウォーター』を超える素晴らしい映画。ブルーレイ、値段もこなれてる(千円強)ので、3D環境の観られる方、超おすすめです(^^)。

 本作は続篇が2本あるのだけれど、このディスクにはその2本の紹介も収められている。それによると続きも3Dらしい。是非ともブルーレイを続けて出して欲しいものである。

◆関連リンク
大アマゾンの半魚人 - Wikipedia
『 大アマゾンの半魚人 (2D/3D) [Blu-ray] 』

・当ブログ記事
 ■感想 ギレルモ・デル・トロ監督『シェイプ・オブ・ウォーター』THE SHAPE OF WATER

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