2020.03.30

■感想 冨永昌敬監督『素敵なダイナマイトスキャンダル』


『素敵なダイナマイトスキャンダル』特別メイキング映像&主題歌MV
 冨永昌敬監督『素敵なダイナマイトスキャンダル』WOWOW録画 初見。

 80年代を過ごした人には御馴染みの「写真時代」編集長 末井昭氏の自伝的エッセイを映画化した作品。「写真時代」は買ってなかったけど、友人たちからよく見せてもらっていて、北宋社から出ていた末井昭のエッセイ『素敵なダイナマイトスキャンダル』も当時、読んでいた。とは言ってもほとんど中身は忘れてしまっていて、有名なタイトルにもなっている母親の自爆エピソード位しか覚えていないw。

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 とてもいい映画でした。とりわけ80年代後半のあのサブカルの香りが堪りません(^^)。現在、ほぼ死滅して(拡散して空気の様になった?)、80年代の猥雑で斜に構えて破茶滅茶なあの感覚が懐かしくも、どっか痛ましい。音楽は菊地成孔と小田朋美という「粋な夜電波」ファンには御馴染みのコンビ。まさに80年代サブカルの唯一の残り香の様だった菊地成孔氏のそのラジオ番組とかを思い出すわけです。

 そしてその菊地も何と荒木経惟役で「ゲージュツ」を連発しながらヌード撮るカメラマンで出演しているし。菊地による、尾野真千子・末井昭歌唱!による主題歌「山の音」の流れるエンディング(リンク先)も素晴らしい。

 一つ不思議だったのは、特に前半で、出てくる大人の眼鏡が汚れで曇り、そして顔とかに絆創膏や包帯を付けていること。何なんでしょうね。きみ悪さの演出なのか、文字通りこの世代の上の親世代の眼が曇っていると、表現したいのか、、、、。誰か真相がわかれば教えてください。

◆関連リンク
写真家役でスクリーンデビュー 菊地成孔の場面写真公開

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2020.03.23

■感想 ドノヴァン・マーシュ監督『ハンターキラー 潜航せよ』


『ハンターキラー 潜航せよ』予告編

 ドノヴァン・マーシュ監督『ハンターキラー 潜航せよ』、WOWOW録画見。
 潜水艦海洋戦争映画として凄く堪能。なかなか素晴らしい戦争アクション映画である。

 潜水艦はもちろん、駆逐艦、地対艦ミサイル等の戦闘描写とか、ミッションインポシブルな救出劇もかなりハイレベルに工夫されていて、なかなかの素晴らしさ。

 潜水艦部分は、巷間言われている様に少々類型的にならざるを得ない部分もあるのだけれど、救出劇や、主人公とロシアの艦長との海の男のコア部分の精神的な交流、米国軍部サイドの矜持のある軍人二人の描写等が魅せる映画を構築している。

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 ドノヴァン・マーシュ監督は、本作がメジャー大作デビューであるらしいが、こんなに秀作なのに、なぜかWikipediaによるとアメリカで低評価、さらに世界での興行も今ひとつで、製作費 $40,000,000に対して、世界興行収入 $29,325,209と奮わなかったとか。残念でならない。

 これだけ魅せる映画を作れる裁量がある監督なので、今後の活躍を期待したいものである。

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2020.03.18

■感想 サム・メンデス監督『1917 命をかけた伝令』


How '1917' Was Filmed To Look Like One Shot | Movies Insider

 サム・メンデス監督『1917』@ミッドランドスクエアシネマ初見。

 評判の超絶な撮影技巧とそれによって生まれる臨場感はただならない雰囲気を映画画面に漲らせていた。確かにこれによって生み出される緊迫感、リアリティはなかなかのもの。


 と一定の効果は認めつつも、何だか僕は撮影技巧の凄さを一旦忘れて映画としての完成度というところに視点をおいてもう一度、頭の中で再生してみたw。

 その視点からいくと、映画自体のコンセプトとストーリーとルックは、実は何だかどこかで観たことのあるシーンで構成された映画の様な気がしてしまう。

 映画が映像とその時間の流れで表現するエンターテインメントであることから、前者の視点が重要である事は理解できるが、一本の映画としては後者の見方で佳作とは思うが、傑作とは感じられない自分がいましたw。

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 こうした取り組みに似たアプローチとして、僕は京極夏彦の諸作でのページごとに改行を完結させ、次のページへ各センテンスをひきづらない様にする文章構築技法を想起する。

 その技巧自体は凄いのはわかるが、それが小説の感想に影響しているのか!?という疑問。これをこの映画と同列に並べるのは変なのだろうか??


 ワンカットチックに描いた作品としては、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』が真っ先に思い浮かぶが、あの作品の描いたテーマの斬新さとそれを表現するために採用されたワンカットチックな画面構成の素晴らしさにどうしても軍配を上げたくなってしまう。奇想イメージが好きな僕の贔屓目があるにしても、、、。

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2020.03.16

■感想 ロバート・ロドリゲス監督『アリータ: バトル・エンジェル』 ジェームズ・キャメロン,レータ・カログリディス脚本


Alita: Battle Angel | Bonus Feature: From Manga to Screen | 20th Century FOX
 ロバート・ロドリゲス監督、ジェームズ・キャメロン,レータ・カログリディス脚本『アリータ: バトル・エンジェル』WOWOW録画初見。

 街やサイボーグのビジュアル等、なかなか素晴らしいシーンを描き出している。前半、ストーリー展開も緊迫感があり盛り上がったのだけれど、途中から失速している様に思ったのは僕だけだろうか。全体では好きな映画だったけれど、ジェームズ・キャメロンの脚本がもう少し練りこまれていたら、、と。

 特に中盤と終盤の主人公アリータが好意を寄せる動物と人物のキャラクターの扱い。主人公の行動がこの二人に対して能動的でないのが残念でならなかった。あのシーンを上手く描けていたら、主人公のヒーロー性が上がっていて良かったのに、と。

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 あとこのストーリーの流れをどうしてこの人物が知っているんだ、ってシーンもいくつかあって気になってしまった。ストーリーを追っている観客は知っていても、この登場人物が何故このことを知っているんだ、と疑問を持つ様なセリフを言うところが幾つかあった。こういうのは興醒めですね。キャメロン作品では決してこういうミスはないのだけれど、、、。
 SFXや美術が素晴らしいだけに、残念でした。

 まあまあのヒットの様だから、面白い作品なだけに、続篇に期待したいものです。

 そういえば、久々に観たジェニファー・コネリーが49歳とのことだけれど、美貌とスタイルが衰えていなくて感心。あれはCGIが活躍しているか、それともご本人の鍛錬の賜物なのでしょうかw。

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2020.03.09

■感想 NHK-BS4K「龍の巣 ミャオティン~世界最大の闇に挑む~」


Nスペ5min.「巨大地下空間 龍の巣に挑む」 2020年2月15日

"中国貴州省の巨大洞窟群に「龍の巣」と畏れられてきた場所がある。そこは、「世界最大の地底空間」。あまりの闇の深さから、地域に暮らすミャオ族からは「そこは、冥界。決して入ってはならない」とされてきた。今回、中国政府から撮影の許可を得て、総勢29名のチームを組んで、内部をくまなく調査。ミリ単位の精度の3Dレーザーで測量し、内部に照明を持ち込んで、闇を追い払うという前代未聞の挑戦を行った。そこに待ち受けていたのは、想像を絶する驚異の世界だった…。"

「龍の巣 ミャオティン~世界最大の闇に挑む~」BS-4K

“今回、2年にわたる交渉の末、中国政府から撮影の許可を得た。内部をくまなく調査、謎に包まれた「ミャオティン」の全貌と誕生の秘密を解き明かしていく。待ち受けていたのは、想像を絶する驚異の世界。NHKスペシャルでは語りきれなかった新撮映像を加えて、さらに大スケールで描いていく。“

 日本人にとって龍の巣とは、金田伊功が描いた空の壮大な光景wが思い浮かびますが、こっちは中国貴州省の苗庁(ミャオティン)という世界最大体積の地下洞窟の巨大な光景。

 「龍の巣 ミャオティン~世界最大の闇に挑む~」BS-4K 録画観。これは予想以上に凄かった。漆黒の闇、黄泉の空間を手探りで侵入していく冒頭から、中国一の照明チームによる東京ドーム8個分の巨大地下空間が白日に照らされるドローン映像。地質調査で明かされる龍の正体。そして更なる闇の世界。

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 素晴らしい映像を堪能させていただきました。NHKはニュース陣を全部リストラしてドキュメンタリーとドラマ専門チャンネルにして欲しい。あ、アニメももちろん残してw。

 ラスト、フランスの洞窟探検家がさらに広がる空間を発見。そこでプッツリと終わるのだけれど、続篇は間違いなく制作されますね。期待してます。

巨大地下空間「龍の巣」に挑む 360° VR 4K動画
  NHKスペシャルの中国ミャオティンの巨大地下空間「龍の巣」、NHKのサイトに360° VR 4K動画がありました。ウェブでもマウスでグリグリできます。
 あとでOculus Questでトリップしてきます(^^)。

◆関連リンク
NHKスペシャル「巨大地下空間 龍の巣に挑む」

 

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2020.03.04

■感想 ポン・ジュノ監督『オクジャ/okja』


各国で大絶賛の嵐!『オクジャ/okja』特別映像 コメント編
 ポン・ジュノ監督『オクジャ/okja』Netflix初見。

 冒頭のオクジャと少女ミジャの交流が素晴らしい。韓国の山岳地帯の村の美しい光景が見事なショットで撮られている。カメラがどのシーンも緊張感があってとてもいいですね。

 撮影監督は『デリカテッセン』『ロスト・チルドレン』『セブン』のダリウス・コンジ。ポンジュノ監督もジャン=ピエール・ジュネのファンなんでしょうね。

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 オクジャが少女に甘える様、まるでうちの猫がじゃれついてくるのと同じできっとポンジュノも猫飼ってるんじゃないかと思わせる“溺愛”のショット。
 物語展開もエンタメ映画の王道的で、更には韓国的お国柄がうまいスパイスになっていてなかなか面白い。

 Wikipedia によると、「自然の描写は宮崎駿作品に影響があるとジュノは公言。『未来少年コナン』の女の子版だと考えたことがあると発言している。オクジャを世界にお披露目するニューヨークでのパレードは押井守監督の『イノセンス』をイメージしていたと語る」とのことで、こちらの琴線に触れまくるのはこんなルーツが大きく影響してるんでしょうね(^^)。

 『オクジャ/okja』を奇想映画として観てみると、残念ながら奇想度合いは些か低め。
 この生物の存在を、知性を持たせる形で描き出した訳だから(特に冒頭の崖で危機を救うシーン)、それを食用にするといった流れの話で、イメージとしての膨らませかたはいろいろ手があったのではないかと思ってしまう。

 『スノーピアサー』を観ても、ポン監督はそうした方面での飛躍よりかは、万人に分かるエンタメへ向かう思考が強いのかな、と思ってしまった。後観ていない数本も楽しみです。

◆関連リンク
ポン・ジュノ、宮崎駿や押井守から影響受けた「オクジャ」引っさげ来日

" ポン・ジュノは、ミジャについて「『未来少年コナン』の女の子バージョンだと考えたこともあります。ミジャもコナンのようにずっと走り続けていて誰にも止められない」と説明する。
 「影響を受けたのは宮崎駿監督だけではない」と述べるポン・ジュノは「先日オーストラリアでジョージ・ミラー監督とお会いしたのですが、彼が監督した『ベイブ』にもインスピレーションを受けています。ブタが主人公ということ、そして自然の中で暮らしていた動物が都会に出ていくというストーリーもです」と明かす。続けて「オクジャとミジャがニューヨークの真ん中で行われているパレードを訪れるシーンは、純朴な者たちが資本主義の心臓部とも言える場所にいるという状況を生み出した。そこは押井守監督による『イノセンス』のパレードのシーンを参考にしました」"

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2020.03.02

■感想 園子温監督『愛なき森で叫べ』


『愛なき森で叫べ』予告編

 園子温監督『愛なき森で叫べ』@Netflix初見。ついに園子温の新作もNetflixでしか観られなくなったことも、Netflix会員になった理由の一つw。

 今作、園子温のいくつかの映画を思い出させるシーンが自作へのオマージュの様に描かれている(『自殺サークル』『冷たい熱帯魚』など)が、これは見方によっては園のネタ切れという観客もいたのではないか。
 僕も前半はどちらかというとそうした見方になっていた。

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 いきなりの冒頭からのエロチックな会話に、女子高の女生徒の群れ、最近の園作品に顕著な何だか色ボケした様なシーンw(失礼)から始まり、これは残念な出来のやつかと諦めかけていた。
 しかし終盤、戸川純の美しくも退廃的な楽曲。森の描写。

 雑に見えた描写がいっきに研ぎ澄まされて、透明感のあるクライマックスになっていた。映画で戸川純のこんなに綺麗な歌声を聴いたのははじめてのことだろう。このシーンを観るだけでも一見の価値はあります。

北九州監禁殺人事件(wikipedia)
 本作は「北九州監禁殺人事件」を基にしているという。現実は小説より奇なり、というか現実は映画より鬼なりという位、リンク先の実際の事件は映画よりも強烈な感じ。

 映画では異様な人物たちではあるが、まだどっか普通のロジックが脳に残っていて、本当のキ印な感じが弱い。現実に存在するこうした鬼の様な事件は、およそ映画では描ききれない異様なロジックというか、ロジックの欠落した常識が近寄れない異質なヒトの姿があるのではないかと思わせる。一生そうしたヒトとは関係したくないが、こうした映画は、その領域まで行けていると本当に凄いものになるのだろうと思わせるのであった。

高校生、園子温にメールを送る。それから12年後に起きたこと
 なんと知らなかったが、この記事によると満島真之介は、18歳から20歳まで、沖縄から出てきて園監督の弟子として撮影やシナリオ(のPC打ち)を手伝っていたとのこと。姉の満島ひかりが主演した『愛のむきだし』の頃から、『ちゃんと伝える』では助監督まで務めていたらしい。これは本当に吃驚。

◆関連リンク
園子温「全てはこの映画が原因」心筋梗塞から蘇った園子温が魂を込めた映画「愛なき森で叫べ」 

"一見自分たちとは無関係とも思える「彼ら」はしかし、「私たち」でもありうるのだ。
常軌を超越した事件が絶えず、いつ自分が善悪の狭間に落ちて
もおかしくない社会の本質に園子温が深く切り込み、人間の深淵を描き出す震撼のサスペンスドラマとなっている。

椎名さんは「ずっと園組に入りたいと思っていたので嬉しかった。」と憧れの園組の一員になれた感想を語り、「映画=人生、人生=映画というセリフがあり、うわべではそう思ってきたりもしましたけど、これだけ実体のある映画制作現場に直面したという感じでとても楽しかったですね。」と園子温組の映画に対する情熱溢れる撮影現場の様子を語った。

最後に園子温監督は「私は心筋梗塞で倒れて緊急搬送されて蘇ってきたんですけど、全ての原因はこの映画です。(笑)」と笑いを交えてこの映画にかけた熱量を語った。"

愛なき森で叫べ 感想&勝手に考察!園子温が帰ってきた!?衝撃作、ついに公開!もしやQTの影響も?(個人の見解です)

"例えば村田の行動で「50円を返したい」だったり、一家の女性全員に手を出したり、通電を用いた洗脳や、死体解体の手解きをしたりするところは実際の事件でもやっています。"

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2020.02.26

■感想 NHK BS4K『ウルトラQ』デジタルリマスター

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特撮ファン必見! 4K版『ウルトラQ』が凄い理由〜その4〜
将来を見据えて、最高のデジタルネガティブに仕上げた

"――「あけてくれ!」は難しいでしょうね。結構コントラストのバランスがたいへんでしょう?

隠田 一枚の画面で上側をロマンスカーが走っていて、下側の景観と合成しているカットなどは、合成技法を工夫してビルの陰影を表現してあり、コントラストの具合に悩みました。しかし、当時の技術の中での表現を壊してまで変えるものではないと思っていたので、そこはオリジナルのよさを残しています。

――ちなみに円谷ファンとしては、『ウルトラQ』以外の作品も4Kで観てみたいと期待しているのですが、そのあたりはいかがでしょう?

隠田 今回のようにデジタルネガといえるデータを作っておくことはたいへん意味のあることですから、4K化には取り組んでいきたいと思います。ただ、『ウルトラマン』は合成部分は35mmですが、ドラマ部分は16mmフィルムを使っています。16mmのスペックと4Kの相性の研究は必要だと思います。一方でHDRは絶対に有効ですから、やる価値はあるでしょう。その場合もカラーのネガフィルムが残っていたら、ではありますが。"

 NHK BS 4K 『ウルトラQ』(再放送)が今週の「あけてくれ!」で最終回になってしまいました。4K DIGA導入が19年12月だったので、20話からしか録れてないので是非再放送して欲しいものです。

 この番組、リンク先にある様に、オリジナル35mmネガフィルムからのスキャンとのこと。以前にも書いたけれど、素晴らしく鮮明で高精細。
その鮮明さは、まるで 佐原健二さんや桜井浩子さん、江川宇礼雄さんが若返って、昨日4Kデジタルカメラで撮ってきた様なクリアさ(モノクロではありますが、、、)。高山良策氏による怪獣の造形のディーテールも素晴らしいです。

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 1966年の作品が35mmでここまでクリアになるんだったら、1954年の『七人の侍』とか1961年の『用心棒』とか、今まで見ていたのは何だったんだろうクラスの鮮明映像が現れることを期待してます。

 4KはNHKでも再放送ばかりでコンテンツに困っている様だから、文化的資産を残すためにも、過去の35mmネガフィルムの4Kデジタイズをもっとどんどんやって欲しいものです。

 ウルトラQ 4Kリマスターにも欠点はあります。圧縮で動きが速いところはブロックノイズらしきものが結構ひどく出てます。2K番組では観たことないレベルだったので、これは4K放送の圧縮率が高い弊害かと思います。

◆関連リンク
このリンク先は「あけてくれ」脚本の小山内美江子さんと登場した電車ミニチュアの写真。ミニチュアは現存する様ですね。
特撮ファン必見! 4K版『ウルトラQ』が凄い理由〜その1〜 モノクロ作品をより活かすために、HDRが活用されていた
特撮ファン必見! 4K版『ウルトラQ』が凄い理由〜その2〜 桜井浩子さんも驚いた、4K映像ならではの“本物感”
特撮ファン必見! 4K版『ウルトラQ』が凄い理由〜その4〜 将来を見据えて、最高のデジタルネガティブに仕上げた
『ウルトラQ』のUHDブルーレイは、確かに4K放送版を超えた! モノクロ&モノーラルがここまでのクォリティを備えたことは歴史的快挙と呼びたい
 さらにUHDブルーレイパッケージ版は凄いらしい(本当かいなw)
『七人の侍』4Kリマスター版
 現在、午前十時の映画祭で『七人の侍』4Kデジタルリマスター版上映中ですね。しかし以下の記述を見ると2016年のリマスター版の様なので、以前の午前十時の映画祭での上映と同じものの様です。
 あまり鮮明だった記憶はありません。フィルムの保存が円谷プロより良くなかったのでしょうか。
 加えて残念ながらオリジナルネガは現存してない様ですね。
Seven Samurai - The Criterion Collection (七人の侍 クライテリオン版 Blu-ray 北米版)
 『七人の侍』クライテリオン版 観たことないですが、こちらに画面写真が比較で載ってます。(この写真から判断するのは無謀ですが) 午前10時で観た印象と比べて、今回のウルトラQはレベルが違う気がするしてます。

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2020.02.24

■感想 アルフォンソ・キュアロン監督『ROMA/ローマ』 と メイキングドキュメンタリー『ROMA/ローマ 完成までの道』

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 アルフォンソ・キュアロン監督『ROMA』@Netflix初見。

 『ゼロ・グラビティ』の宇宙に続き、キュアロン監督が選んだ映画の舞台はメキシコシティ。『ゼロ・グラビティ』もドキュメンタリータッチではあるが、一人称的だったのに比べ、本作はメキシコシティの医者の家族に視点を据えて、この街の人々と雑踏を描き出している。

 前作よりもドラマ性を排した(?)、日常を淡々と描くタッチが魅力的。特に保育学校を出て俳優としての修行なしに主役クレオを演じているヤリッツァ・アパリシオの普通の演技が素晴らしい。ドラマ的にならずドキュメンタリーとして見れる要因の大きな部分を占めていると思う。

『ローマ』予告編|Roma - Trailer HD

 そして映像/演技とともに素晴らしかったのが、雑踏を立体的に描き出している音響。5.1chの音響で本当に雑踏360度からメキシコの街が体感できる様な立体的な音が伝わってくる。その威力たるや、一緒に観ていた2匹のうちの猫が、物音に警戒してスクリーンと別の方向を凝視するレベル。

 まさに音響の360度VRというべき映画であったので、映像も360度のVRにより撮られていたらと思わざるを得ない。もしそうした映画がネット配信とともに実現していたら、、、。いつも映像の臨場感を追求するキュアロンならば、次作はそうしたアプローチも期待できるのではないか。まさにその場にいる様な臨場感のあるドキュメンタリー的VR映画。そうしたものを大いに期待したいと思わせるタッチの映画でした。

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『ROMA/ローマ 完成までの道』(Netflix)

"2020年 1時間12分 中南米映画
子供の頃の思い出とその時代を忠実に再現するために、アカデミー賞受賞映画「ROMA/ローマ」で貫いた妥協を許さぬこだわりをアルフォンソ・キュアロン監督が語る。"

 メイキングドキュメンタリー『ROMA/ローマ 完成までの道』@Netflix。アルフォンス・キュアロンがこの中で語るのは、自分の幼少期の町を記憶から細部に至るまでセットとして再現したとか。

 そして更には近所の住人も似ている人を探したらしい。これは黒澤もやったことのない徹底的な完全主義かもしれない。凄い。

 そんなキュアロンの記憶がモノクロの映像に結晶化した凄みがあの映画には宿ってたんですね。脚本もなしで、自身の記憶と対話しながら作られた映像世界。独特の空気感はこの制作方法によって構築されたものだったのですね。不思議な仮想空間感覚はそんなところから醸し出されていたのかもしれません。

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2020.02.19

■感想 郭帆 : Frant Gwo監督『流転の地球(さまよえる地球) : The Wandering Earth』


THE WANDERING EARTH Trailer (2019) Sci-Fi Action Movie HD
 『三体』の劉慈欣の短篇「さまよえる地球」を映画化した、中国初のブロックバスター 映画『流転の地球』。これも観たかった映画で早速Netflixで鑑賞。

 原作は読んでいたが、ジュヴィナイルSFチックだったイメージが、映画は東宝特撮というよりは、ハリウッドエンタメSFな感じに仕上がっている。イメージ的にはハリウッド大作よりも東宝的奇想映像が目白押しでなかなかの目の保養(^^)。

 特に素晴らしかったのは、木星のダイナミックな姿。
 欲を言うとクライマックスでの木星の○○のシーンをもっと壮大にやって欲しかった気もするけれど、堪能できる映画的シーンになっていました。

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 若干、フォトリアルCGに作り物感があるのはご愛敬。
 ここから始まる中国SF大作映画の将来に期待したいものです。まずはどうなっているかイマイチ動きが不明な『三体』の本格奇想SF大作に期待しましょうw。

◆関連リンク
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興行収入760億円の大ヒット!映画『流転の地球』を制作した中国VFX業界の最新動向/No.1 VFX制作の舞台裏
 中国映画界と日本の差が歴然と現れていて、興味深い記事です。

1/3000 国際宇宙ステーション 『流転の地球』 プラモデル
鉄鉱石輸送バケットキャリア 『流転の地球』 プラモデル

当ブログ関連記事
予告篇 郭帆 : Frant Gwo監督『流浪地球 : The Wandering Earth』

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2020.02.17

■感想 神山健治 総監督、柿本広大監督『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』


『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』特別プロモーション映像

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『009 RE:CYBORG』の2Dルックとは違う、フル3DCGで描く勝算とは? 『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』神山健治総監督&柿本広大監督インタビュー

"神山:基本的には、3Dの作り方って会社ごとにスタイルの違いがあるんです。『RE:CYBORG』は、あえてセルアニメに寄せた映像でしたが、今回は完全に3Dで作るということで、それ自体がひとつ、映像面のテーマではありましたね。2Dルックというよりは、立体のほうに寄せていくと。『RE:CYBORG』は、2Dを擬似的に立体視させているところがあって、画面内に空間がなかったんです。対して、今回は舞台もすべて3DCGで建て込んでいます。空間がある世界で3Dのキャラクターを動かす、という挑戦をしているんです。"

 先日紹介したディヴィッド・リンチの新作短篇を観るために、ついにNetflixの軍門に降ったのでw、今まで観たくても観られなかったオリジナル配信作品をチェックして観ています。今週はその中から2本のレビューです。

 まず1本目は、最近、Netflix専属監督になってしまった様相の(失礼 ^^;)神山健治監督の2016年の作品。
 『009 RE:CYBORG』に続く、009シリーズであるが、キャラクターも動画のルックも大きく変更されている。まさにリボーンな009。
 映画館でも限定的に3本の作品として上映された作品であるが、Netflix版は、30分弱の12本のテレビシリーズ的な作品にまとめられている。

 物語設定として面白いのは、テレビシリーズと『009 RE:CYBORG』を経た後のサイボーグたちのその後を描いているところ。回想シーンとして描かれているのは、ブラックゴーストとの闘いのモノクロの日々から始まっている。そして現れる「ブレスド」と呼ばれる最強の超人たち。特に1-2話のその描写は素晴らしい。サイボーグたちがこれからどう戦っていくのかという不安感に満ちているのがなかなかの迫力。
 
 そしてニューヨークを後半の戦いの舞台にしているところからも想起されるのは『アベンジャーズ』である。(少し指パッチンに近いシーンもあるしw)。おそらく神山総監督以下制作スタッフのMCUチャレンジと捉えてもいいのではないだろうか。まさに00シリーズサイボーグは、マーベルヒーローの日本版の側面もあるはずで、こうした日本のヒーロー資産の活かし方が気持ちいい。特に009の設定を一歩進めて「加速装置による加速が光速に近づいて行ったらそこから見える光景はどんなものだろう」というチャレンジャブルな命題を描き出しているのには、ワクワクした。

 今回の描写の中心に位置するのが、今回からの3Dルックなキャラクターアニメーション。なんと今回はセルルックでなく、どちらかといえばセルルックとハリウッド的3D CGの中間(というかセルルック寄り)に位置する映像で、独特の雰囲気のスーパーヒーロー映画を構築している。

 日本ではMCUの様な大規模なフォトリアルなCG映像でヒーロー大作映画を撮るのは、予算的に厳しい。
 そんな中で、セルルックアニメとCGの融合で、こうしたアクション満載の映画が、独特の質感で映像化できるというのは、なかなか基調ではないだろうか。MCUとは一味違うけれど、人の手描きの絵のイメージ、現実の中の、あるリアルを誇張して描けるこの映像に、いろいろと可能性があるのではと思わせる作品になっていた。

 まだ今回のCGはフルアニメーションといえ、不自然な慣れていない動きがあちこちに観られたけれど、そんな可能性を感じさせる迫力に満ちた作品になっていた。この後の『ULTRAMAN』、そして今年の春に出てくる『攻殻機動隊 SAC_2045』にその発展形を観られるのではないかとワクワクしている。

◆関連リンク
「CYBORG 009 CALL OF JUSTICE」が”9人のカリスマラッパー”とのコラボレーション これはなかなか面白い企画です。

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2020.02.12

■動画 ジェームズ・キャメロンが協力したメルセデスのコンセプトカー "VISION AVTR" :ヴィジョン・アバター


Mercedes-Benz Vision AVTR Driving at the Las Vegas Strip(Youtube)

CES 2020 Daimlerが示す新たな方向性、“ゼロインパクトカー”とは?

"CES 2020の基調講演には映画監督のジェームズ・キャメロン氏(左)も登壇
VISION AVTRは映画「アバター」の制作会社と協力して開発した。"

メルセデスベンツと映画『アバター』が自動運転EV、カニのように横移動が可能…CES 2020

" ヴィジョンAVTRのリアには、全方位に移動可能なフラップ、「バイオニックフラップ」を33個装備している。33個のバイオニックフラップにより、前後に移動できるだけでなく、斜めに移動することもできる。従来の車両とは異なり、ヴィジョンAVTRはカニのように横へ移動できる。爬虫類のようなフォルムと高い敏捷性を備えているという。"

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 まさに惑星パンドラの生物圏を形象化した様なコンセプトカーの有機的造形が素晴らしい。
 このままではリアル空間に実車として登場することはないだろうけれど、メルセデスの今後のEVの旗艦的デザインとして、このコンセプトを生かした造形を世に出して欲しいものです。

 特に33個のバイオニックフラップ、これにより高速走行での微妙な空力コントロールで車両の運動性能が向上する電動車が出てきたら、素晴らしいと思います。

 今後の『アバター』の映画シリーズとともに世界にこんな車が拡散していくのを望むものです(^^)。

◆関連リンク
メルセデスベンツ 公式サイト

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2020.02.10

■映像論メモ 言語処理と映像処理 英語の脳と日本語の脳

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英語の質問です、いつ「a/an」を、いつ「the」を使い、いつ何も付けないのでしょうか?

"大前提:英語は右脳経由で言語処理をするため、イメージ(絵)を描きながらことばを処理している。
よって、英語という言語は、絵が描きやすいような文法ルールでできているといえると思います。
(中略)
日本語は左脳のみで言語処理を行うため、ことばを絵にする必要がなく、冠詞や単数複数も情報として必要がありませんし、その他の文法ルールも英語とは大きく異なります。"

 これは面白い! こういう説があるのは知りませんでした。
 小説の、言語によるイメージ喚起というのを考えるにあたって、物凄く興味深いです。

 「SFは絵だ」という野田昌宏さんの名言がありますが、SF読みは言語から映像イメージを思い浮かべて小説を読むことが多いと思うので、そこにSFが生まれた英語圏の言語機能が働いているのかもしれません。

 、、、とすると日本語のSFとは? という命題も出てきて、思考を組み立てていくのに、素晴らしく興味深いです。

 また映画を観る時の脳の映像処理、映画にテキストが挿入された時の言語イメージ処理は、どんな作用でどの様な映像の印象を創り出すが、、等々。考えだすととても面白いです。

◆関連リンク
浜松医科大学 植村 研一教授の「英語脳の研究について」

" 現在では上記の植村氏の英語脳の論文はもう検索できません。英語脳を植村氏の研究を引用しているのはもう業者だけになってしまいました。英語脳は最初からインチキを書いた訳ではなく、科学的の進歩により英語脳の存在が証明できなくなりました。

植村氏が自分の研究を取り下げたのは本人は何も言っておりませんが、英語脳が存在すると言うは正しくないと認めてものと思われます。英語脳はと言う単語は日本語や英語の辞書にも掲載されておりません。英語でも英語脳に当たる単語は存在しません。"

 という様なネットで流布する過去の研究についての否定的な文章もあります。上の日本語と英語の認知の構造とは別の話題ですが、関連する研究を調べていて出てきたのでこれもメモ。

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2020.02.03

■感想 テリー・ギリアム監督『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』:The Man Who Killed Don Quixote


THE MAN WHO KILLED DON QUIXOTE Official Trailer (2018) Adam Driver, Terry Gilliam Movie HD

 ついに待望のテリー・ギリアム監督執念の作品『ドン・キホーテ』(原題 : ドン・キホーテを殺した男)を観てきた。名古屋でも2-3館と極限定的な公開、しかも月曜に僕が観たミッドランドスクエアシネマ名古屋空港では、観客は5人ほどと寂しい状況。Facebook等でもあまり語られていなくて残念なのだけれど、作品にはかなり満足できたので、簡単ですが、リポートします。

 映画は、まさにテリー・ギリアム印で、孤高の主人公と周囲の人間たちとの乖離、そして忍び寄る幻覚による幻想的な光景という往年のギリアム映画を彷彿とさせる仕上がり。最近作の薄味に少々物足りなさを感じていたので、濃厚ギリアム味に満足。

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★★★★★★★ネタバレ注意★★★★★★★











 ジョナサン・プライスの"ドン・キホーテ"と、アダム・ドライバーの演じる映画監督トビーの設定と演技がなかなか素晴らしい。
 プライスの惚けたユーモアと、ドライバーのアクの強い演技が、スペインの地のドタバタ幻影劇を分厚いイメージとして描き出している。
 
 欲を言えば、全盛期のギリアムだけに描ける現実に裂け目を穿つ様な独特の強い幻想が、やはり今作でもまだ絶好調とは言い難い。ここはもっとこってり描いて欲しい、というところが少々消化不良になっている感が、、、。こうしたところは、個人の持つ/幼少期から溜め込んだ業の様な頭の中のイメージが、年齢と共に衰えてくる様なことが、やはりギリアムほどの人でもあるのだろうか、と考えてしまう。

 制作が紆余曲折して、その間にイマジネーションが他の作品に漏れ出てしまったということもあるかもしれないし、また予算的な問題なのかもしれない。

 しかし老境に達したギリアムにしか書けないドン・キホーテの老人描写とか、なかなかの味わい。ジョニー・デップが当初当てられていたというトビーの役も、アダム・ドライバーという個性を得られたことで、オリジナリティの溢れるキャラクターが描出されていた。

 観終わったところで、完成しなかった本作の以前の制作過程を追ったドキュメント『ロスト・イン・ラ・マンチャ』をみて、過去のギリアムの構想にも触れてみたいものだ。

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 ポスターには二人の顔をフューチャーしたものが多い。この役者二人の個性のぶつかりが本作の最大の見どころかもしれない。

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2020.01.29

■情報 アダム・オリーハ,ジャン・ダーヘル監督 ヤン・シュヴァンクマイエル ドキュメンタリー映画『錬金炉 アタノール』The Alchemical Furnace

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Czech maestro Jan Švankmajer steps in front of the camera in The Alchemical Furnace :
 チェコの巨匠ヤン・シュヴァンクマイエルが錬金術炉のカメラの前に立つ

(巨匠ヤン・シュヴァンクマイエルの一生を網羅する新しいドキュメンタリー映画『錬金炉 アタノール』、いよいよ完成へ。(Facebook チェコ蔵さん)経由)

" Adam Oľhaと『蟲』のエディターのJan Daňhelが監督した。カレル・チャペック原作のシュヴァンクマイエル監督作『蟲』の制作メイキングであり、そのメイキング撮影途中で、シュヴァンクマイエルの長篇ドキュメンタリーを撮るというアイディアに発展したもの。

 1990年代初頭からシュヴァンクマイエルの映画が独占的に制作された制作会社アタノール (ルネッサンス時代の錬金術炉の名前)での生活と創造プロセスを記録しています。

 シュヴァンクマイエルがドキュメンタリーの唯一の主題ではありません。この映画はまた、彼の長年のプロデューサー(彼の展覧会を含む)アタノールのヤロミール・カリスタと 、シュヴァンクマイエルの作品に影響を与えたエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァを中心に展開しています。 しかし、監督は、この作品は「現代の最も重要で国際的に認められた監督の一人の複雑な絵」を描く「生きている状況映画」であると言っています。

 錬金術の炉は、シュヴァンクマイエルの映画制作のマニフェストである「デカローグ」を中心に構成されています。これには「詩の形式は1つしかないことを忘れないでください。 想像力は破壊的です。なぜなら、それは可能性を現実に落とし込むからです」と書かれている。 オハとダーヘルは、「私たちの映画はこのデカローグとの対話であり、創造のプロセス、恒久的なゲーム、そして「現実に対する可能性」という意味での、終わりのない解放プロセスをテーマにしています」と言っている。

 世界初演はロッテルダム国際映画祭の 第 49版が間もなく始まる予定です。" (以上、Google翻訳より)

 いまだ長篇最後の作品『蟲』の日本一般公開が実現していないシュヴァンクマイエルですが、チェコではこの様なドキュメンタリー映画が完成する様です。上記情報以上の詳細は不明ですが、この記述から、シュヴァンクマイエルとプロデューサーと美術を担当したエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァの長年のシュルレアリスム映画をめぐる記録になっている様で、期待です。

 ぜひ日本でも、『蟲』の公開と合わせてどこかで上映されることを楽しみに待ちたいと思います。

◆関連リンク
巨匠ヤン・シュヴァンクマイエルの一生を網羅する新しいドキュメンタリー映画『錬金炉 アタノール』、いよいよ完成へ。 (Facebook チェコ蔵さん)
 こちらにペトル・ホリーさんが撮られた撮影風景の写真が9枚掲載されています。

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2020.01.27

■感想 デヴィッド・リンチ監督「ジャックは一体何をした」 What did Jack do ?

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デイヴィッド・リンチ監督「ジャックは一体何をした」(Netflix公式)

"アメリカ映画、ヒューマンドラマ、犯罪ヒューマンドラマ、ミステリー殺害事件の容疑者は1匹のサル。担当刑事による取り調べがいま始まる。
出演:デヴィッド・リンチ"

 何たる不条理。
 監督、脚本、編集、主演からセットデザイン、セットコンストラクション、音楽までもがリンチ自身という『イレイザーヘッド』から連綿と続く自主映画魂に脱帽です。
 トゥータタボン as herself !! w
 ジャックの口も声も、リンチ自身のようです(以下の関連リンク)。
 プロデュースは、『ツイン・ピークス リターン』から続くサブリナ・サザーランド。このまま、Netflixで『ツイン・ピークス』を再びやって欲しいものです ! (^^)

Whatdidjackdo

★★★★★★★★ 以下の動画、ネタバレ注意 !!!!! ★★★★★★★★













 


David Lynch's What Did Jack Do? | "The Flame of Love" | Netflix

 Netflix公式が主題歌をYoutubeに上げてた。これ、歌ってるのもリンチですよね??

Just in time for Lynch's birthday, What Did Jack Do? is now available on Netflix.(Facebook Lynchland Gang)

 リンク先、さすがはリンチマニアの巣窟 Lynchlandさんです。この動画に絡んで、なかなか興味深い情報と今後の考察が書かれています。
 「TP リターンの後、Netflixで続篇や『ロニーロケット』を作る噂があったが、今回2017年にパリで初演された17分のこの短篇が公開された。これはリンチとNetflixの新たな展開の始まりかもしれない」、とか書いてありますね!観たい、『ロニーロケット』!!(^^)

◆関連リンク
デビッド・リンチの猿尋問映画「ジャックは何をしましたか?」の裏話

"リンチか探偵として、また話す猿の口と声として主演する短編映画は、2016年に撮影され、彼は2014年12月に英国の新聞The Guardianへのインタビューで言及しました。

「ツインピークスはほとんどの時間を費やしていますが、他の何かにも取り組んでいます。 今はほとんど執筆中です。絵を描いて、椅子を作っています。 モノを作るのが大好きで、これは猿の映画用です。 私はJackという名前の猿と仕事をしていますが、それはいつか出てくるでしょう。 チンパンジーではありません、サルは南アメリカからやって来ました。」"

Lynchland - David Lynch archivist 情報
 こちらにも情報。
What Did Jack Do? (wikipedia)

・当ブログ 関連リンク
 情報 デイヴィッド・リンチ監督 構想作品『ロニー・ロケット』関連 David Lynch "Ronnie Rocket"

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2020.01.22

■感想 ポン・ジュノ監督『スノーピアサー』


SNOWPIERCER - Official Trailer
 ポン・ジュノ監督『スノーピアサー』WOWOW録画初見。
 先週の『パラサイト 半地下の家族』の余韻でポン・ジュノ作品を観ました。

 バンド・デシネを原作にした堂々のSF。
 寒冷化した地球を爆走する列車の姿が近未来。想像通りのディストピアが展開して、さらに『パラサイト』ともつながるテーマ。
 設定は面白いけれど、なかなかに無理もあるシチュエーションでもあるw。

 何で走り続けるかが不明だけれどw、イメージ優先でしょうか。
 SFファンとしてはこの設定から、クリストファー・プリーストとかっぽいイメージを想起して、奇想な爆走設定を期待してしまうわけですが、、、。

 設定ともかく、絵のイメージが奇想SFしていたので、楽しめました。物語の緻密さでは『パラサイト』の巧みな構成には残念ながら追いついていません。大作アクションゆえの難しさが出てしまっているかと。

 これ、テレビシリーズが今年公開予定なのですね。
 リンク先がその予告篇

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2020.01.20

■感想 武内英樹監督『翔んで埼玉』


翔んで埼玉 予告篇
 武内英樹監督『翔んで埼玉』WOWOW録画観、初見。
 これが大ヒットって凄い(^^)。埼玉をキーワードにした悪ノリが素晴らしい。都内と埼玉の差別意識がなかなか笑かしてくれます。東海地方の人間でもここまで楽しめるのだから、これって関東圏の人にはもっと面白いんでしようね。

 あと、1983年に原作が描かれたらしいけれど、埼玉の蔑称「○さ」は、当時のSFファンダムで似た雰囲気で揶揄されていた「○ぺ」を思い出しました。あのノリと一緒だ、と懐かしく思い出したり、、、。

 役者と脚本の爆走が楽しい一本でした(^^)。

 週末、少しバタバタして今週は手抜き記事で申し訳ありません(^^;;)。

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2020.01.15

■動画 堺三保監督 短篇SF映画『オービタル・クリスマス』"ORBITAL CHRISTMAS" 予告篇


堺三保監督『オービタル・クリスマス』予告篇 Trailer of "ORBITAL CHRISTMAS"

"It is a trailer of the independent short SCI-FI movie, ORBITAL CHRISTMAS directed by Mitsuyasu Sakai."

  翻訳家、脚本家、評論家、アニメ設定者として活躍されている堺三保さんが、クラウドファンディングで制作されている短篇SF映画『オービタル・クリスマス』予告篇がYoutubeとvimeoにて公開されました!

 グッとくる仕上がり!ハリウッドの俳優とスタジオで撮影され、日本でCGとポストプロダクションが進んでいる本作、まさに本格的なハリウッド映画の香りがあります。

 本篇公開がますます楽しみになりました!

 皆さん、できるだけこの予告篇を拡散下さい!(^^)

◆関連リンク
・当ブログ 関連記事  本作の詳細については以前の記事を参照下さい。
 ■情報 堺 三保 製作・監督・脚本 『オービタル・クリスマス』~聖夜を祝う全ての人に~ - 短編SF映画クラウドファンディング Orbital Christmas

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2020.01.13

■感想 ポン・ジュノ監督『パラサイト 半地下の家族』 原題 : 기생충(寄生虫)

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 ポン・ジュノ監督『パラサイト 半地下の家族』(原題: 기생충(→寄生虫)) @TOHOシネマズ木曽川 初見。
 カンヌパルムドール作、噂に違わず、面白くそして考えさせられる映画でした。まさしく映画。

 ネタバレは、書きませんが、印象的な2シーンに触れます。

 まず最もこの映画を象徴している後半の町の雑踏の階段で、青年が立ち止まって足元を見るシーン。ここはその前後のシーン含め本作珠玉の映像になっている。映画的に本作を結晶化していて見事な映像。映画的サスペンスの表象として素晴らしい。

 そしてもう一つは、その前、ある女性が、邸宅で夫をマッサージしながらスマホを北朝鮮のあるものに例えて、朝鮮中央放送のあの女性アナを模して、語り上げるシーン。本作の喜劇性が最も昇華したシーンで笑わせて頂きました。

 そんなサスペンスと喜劇が、ある社会的テーマを縦軸に、映画空間の上下の階層を見事に用いて映像のみにできる表現で複層的に描いた傑作。

 と書きつつ、期待Maxで観たので、実は展開の意外性は少なく、割と予定調和的だったんじゃないかの感想も持った。もちろん上記した様に素晴らしく面白いのだけど、クライマックスの展開はここまでシュチュエーションを作り上げてたらもっと遠くまで行けるポテンシャルがあったんじゃないかなって…(^^)。

 最後にタイトルですが、原題のままで良かったのでないかと。いつものスカしたミニシアター系オシャレ感を出そうとする感じの邦題が合ってない。本作のテーマからこんなタイトルは20世紀的で、現代性は『寄生虫』とダイレクトに付けた方がこういう映画を観たい観客に直接刺さるとなぜ分からないんだろうか…。

◆関連リンク
 以下、ズバリのネタバレはないですが、観た後に聴くのをお薦めします。

“宇多丸、ポン・ジュノ監督&ソン・ガンホに濃厚インタビュー【パラサイト公開記念】“

“ 【音声配信】ポン・ジュノ監督×荻上チキ〜話題の韓国映画『パラサイト』をめぐって▼2019年12月25日放送分(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」22時~)”

“町山智浩『パラサイト 半地下の家族』を語る“
 前半、ストーリーばらしてるけど、少し間違ってます(これ町山氏のたまむすびでの紹介では時々ある)。後半の韓国の貧困について語ってるところ、興味深い。韓国では2% 36万人が半地下で暮らしてるとか。

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