2009.07.13

■Director:Hideaki Anno "Evangelion:1.0" Apple movie trailer

Apple_trailer_eva01

Eva01_usa_verApple - Movie Trailers - Evangelion 1.0.

# Director:Hideaki Anno
# Cast:Allison Keith-Shipp, Spike Spencer, Colleen Clinkenbeard, Caitlin Glass, John Swasey, Brina Palencia

 09.7/17から公開される北米版のヱヴァンゲリヲン1.0の予告篇がAppleのサイトに掲載されている。

 ポスターはいまひとつの出来だけれど、いつも観ているAppleのサイトに、このように掲載されるとどこか晴れがましい(^^;)。のでスナップショットを載せてみました。

 予告篇は当然、英語。
 本篇の迫力のあるシーンを時系列無視で並べてあり、なかなかスピーディに仕上がっている。でもナード向けの内容かな。
 もっと要塞都市の側面を強調して、使徒の特異な映像をつないで、ヤシマ作戦のハードな作画をうまく見せれば、かなり大人のエンタテインメントな映画として売ることもできるはずなのに、ちょっと残念。せっかくAppleの一般的なサイトで宣伝するのだから、、、。

 加えて、Official Site http://www.funimation.com/Evangelionのリンクがつながらない。今度の週末に公開なのに、これで大丈夫なのだろうか、と心配になる。

◆関連リンク
『Cut (カット) 2009年 08月号』(ロッキングオン)
『Newtype (ニュータイプ) 2009年 08月号』(角川)

・当Blog記事
 ネタばれ感想 庵野秀明総監督 摩砂雪;鶴巻和哉監督 『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:破  YOU CAN(NOT) ADVANCE.』

 以前書いた文章が要点をえないものになっていたので、書き直しました。ポイントは、これはやはり巨大ロボットアニメではなく、人造人間進化ものだって視点です。

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2009.07.12

■墨岡雅聡監督「バス・アマリリス:BASS AMARYLLIS」
 @PFF上映会

1988_basu 日本インディペンデント映画史シリーズ②
  ぴあフィルムフェスティバル の軌跡 vol.2

東京国立近代美術館フィルムセンター
プログラム.pdf (pdf ) 
     ([mixi] 墨岡雅聡コミュ経由)

The History of Japanese Independent Cinema II
Retrospective of Pia Film Festival vol.2
2009.6.30-7.24

7/2(木) 6:00pm 7/12(日) 0:00pm
バス・アマリリス (39分・8mm・カラー)

88年(第11回)最優秀音響賞受賞。

 彼は“自分の音”を探していた。歌う、叫ぶ、たたく。「俺の聞きたい音はこんな音じゃな~い!!」何度もリフレインされる音と映像はやがてポップな音楽となって観客に届く。墨岡雅聡はその後TBS系列「三宅裕司のえびぞり巨匠天国」(1991年)の出場監督としても人気を集めた。

’88(監)(脚)(編)(音)(出)墨岡雅聡(撮)(編)(出)山本康晴(撮)大坪英彦、山下秀児(出)弥生健生、日野哲也、古川寛、中原むつき

 本日7/12の上映会情報です。
 あの「前向きでいこう」の墨岡雅聡監督作品、ぴあフィルムフェスティバルの入選作「バス・アマリリス」が上映されます。
 今、この情報を知ったところなので、上映まであと3時間。東海地区在住の僕は、とても残念なのですが観に行くことはできません。
 東京在住のファンの方には、貴重な情報になるかと思い、取り急ぎ掲載します。

 墨岡監督作品に39分間浸れると思うと、、、あー、観たい!!

◆関連リンク
PFFアワード1988|ぴあフィルムフェスティバル(PFF)公式ホームページ.

彼は“自分の音”を探してい た。歌う、叫ぶ、たたく。でも彼の音はなかなか見つからない。「俺の聞きたい音はこんな音じゃな~い!!」音探しの旅は切なくも続く。何度もリフレインさ れる音と映像はやがてポップな音楽となって観客のアンテナに届く。ビデオ世代の映像遊びをフィルムで見せたことがこの映画のミソ。これは、今、最先端を疾 走しようとする若者のリアルな姿だ。

海外映画祭 1989年 ブリュッセル・スーパー8&ビデオ・フェスティバル (ベルギー)

 なんと墨岡作品がブリュッセルでも上映されていた。
 ベルギーにも墨岡ファンがいるのかも!
・海外のサイトに何か情報がないか、ググってみると、
 2009 Law Day Road Race.

Masatoshi Sumioka, 43

 マラソンの記録にこの同じ名前の方が毎年のように記録されています。
 残念ながら、墨岡監督は既に鬼籍に入られているので、もちろん別人であるはずなのですが、年齢もちょうどこのあたりのはず。なんだか今も前向きに走る墨岡監督がいるようで涙をさそいます。

・当Blog記事 ■墨岡雅聡監督 『前向きでいこう』

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2009.07.10

■古波津陽監督『築城せよ!』 予告篇

Photo_7 『築城せよ!』(公式HP)

2009年、過疎化がすすむ町・猿投(さなげ)に突如として現れた3人の戦国武将。彼らは400年前、 自分の城を完成できずに無念の死を遂げた侍の霊だった。 殿様の「築城せよ!」という号令の下、町おこしを願う住民達を巻き込んで、壮大かつ無謀なプロジェクトが立ち上がる。素材は段ボール!残された時間はあと3日。意味不明の号令と傍若無人な振る舞いに、住民たちの間で不協和音が流れる!!

 愛知県の猿投町でこのようなファンタジーが撮られていたのですね。
 もともと自主映画だったものをリメイクして劇場公開とのこと(現在公開中)。

 予告篇を観るとなかなか丁寧な作りで、架空の話をリアルに、そしてファンタスティックに描写しているように観られます。段ボールのお城という着想がいいですね。

Photo_6  あとこの映像で僕が想い出したのは、大友克洋の初期の短編「信長戦記」(『GOOD WEATHER (1981)』収録)。
 現代の街に馬に乗った武士が現れるシーンで連想したわけですが、なんか懐かしい映像。「信長戦記」の戦車と切りむすぶ武士の映像は忘れられません。

◆関連リンク
原案:古波津陽, 漫画:米良仁『築城せよ!』
『築城せよ!』全編でRED ONEを活用
- PRONEWS : デジタル映像制作Webマガジン

段ボールで城を建てる?! 映画「築城せよ!」が公開されます  レンゴー株式会社

映画では、高さ25メートルにも及ぶ段ボール城を、CGやミニチュアではなく実物大の巨大セットで建立しています。使用した段ボール箱は1万 2000個。築城に際しては、愛知工業大学建築学科の学生達がボランティアとして参加するとともに、エキストラとしても数多くの現役大学生や地元の方たち が出演しています。

YouTube - 【古波津陽】城郭の防御・攻撃性に見る日本人の知恵 [桜 H21/6/16].
 自衛隊テレビ「防人の道 今日の自衛隊」(!)。築城学について自衛隊の人といっしょに監督が語っています。キャンペーンでしょうけれど、たいへんですね。それにしてもこの番組名、、、、凄い。
Apple Paradise: OTOMO KATSUHIRO: GOOD WEATHER (1981)

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2009.07.09

■予告篇ムービー「YANOBE KENJI 2009 SUITO OSAKA」
  ヤノベケンジ2009 水都大阪

Photo

YANOBE KENJI 2009 SUITO OSAKA 水都大阪
 C.I.V.production制作
 (YANOBE KENJI ART WORKS)
artsen.pdf (application/pdf オブジェクト)

 大阪の歴史や文化を伝える近代建築など、水辺のエリア各所に. “ジャイアント・トらやん”をはじめとしたヤノベの作品を設置(大阪市役所、府. 立中之島図書館、京阪なにわ橋駅アートエリアB1、名村造船所跡地)する

 以前紹介したヤノベケンジの「水都大阪2009アート船《ラッキードラゴン》」のプロジェクトの詳細がムービーで公開されている。
 「ドキュメント・ウルトラファクトリー」展でもこの予告編ムービーが上映されていた。ヤノベ氏の講演によると、このムービーもウルトラファクトリーの学生さんが作ったとのこと。テンポもアニメーションも素晴らしい出来です。
 この予告篇によると水都大阪でのヤノベアートプロジェクトは下記の5点。

 大阪市役所 ジャイアント・トらやんが入り口ホールで火を噴く(!)
 中之島図書館 子供の映画館"森の映画館"登場。
 アートエリアB1 京阪線に繋がるヤノベの妄想電車と2台の瞑想タンク。
 名村造船所跡地 テスラコイル(もしかして「ウルトラ黒い太陽」?)。
 そしてそれらを巡るアート船。

 ここで注目は、アート船ラッキードラゴンのドラゴンが火を吹いているところ。ついにジャイアント・トらやんに続き、ドラゴンが火を噴く(<<キングギドラか!!)。イメージスケッチからそのドラゴンは、首がロボットマニュピータになっていて、縦横無尽に首が動き、四方へ火炎を放射するようである。

◆関連リンク
ULTRA TODAY: 水辺の作戦会議
YANOBE KENJI ART WORKS /// ヤノベケンジ アートワークス
・ヤマダタツヤ氏のBlog dubdish*blog
当Blog記事
ヤノベケンジ 「水都大阪2009 アート船《ラッキードラゴン》」始動
京都造形芸術大 ウルトラ・ワーク・イン・プログレス 『ULTRA FACTORY ウルトラファクトリー展』探訪記・1

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2009.07.08

■新刊メモ『SF本の雑誌』 『アニ・クリ15 DVD×マテリアル』
 『超弦領域』 『ペルディード・ストリート・ステーション』
 『ユリイカ2009年7月号 特集=メビウスと日本マンガ』『歌の翼に』

『SF本の雑誌』 WEB本の雑誌

本の雑誌が選ぶ◎SFオールタイムベスト100 大森望・鏡明・風野春樹
バナナ剥きには最適の日々 円城塔
SFサブジャンル・こだわりベストテン
〈書評漫才〉出前篇
「本の雑誌」傑作選
日本SFアート史 大橋博之
コラム SF偉人伝 牧眞司
翻訳SF担当編集者座談会
 「海外モノに大コケなし、バカ売れもまず(笑)なし!」
本の雑誌はSFをどう伝えてきたか 1976年創刊号〜2003年236号

 リンク先の目次からほんの一部を抜粋。
 他にもコンテンツ目白押し。

 僕は翻訳SF担当編集者座談会「海外モノに大コケなし、バカ売れもまず(笑)なし!」が、一番楽しみ。今、海外SFファン人口って、いったいどれくらいなのでしょうね。アニメータにこだわるアニメ作画マニアの1/50くらいかなー??(5000人くらい??日本人3万人に一人くらいはいるでしょう)

日下三蔵, 大森 望『超弦領域 年刊日本SF傑作選』 東京創元社

法月綸太郎「ノックス・マシン」
小林泰三「時空争奪」
藤野可織「胡蝶蘭」
最相葉月「幻の絵の先生」
Boichi 「全てはマグロのためだった」
堀  晃「笑う闇」
小川一水「青い星まで飛んでいけ」
円城 塔「ムーンシャイン」
伊藤計劃「From the Nothing, With Love.」

 15人の作家の15作掲載(上はその一部抜粋)。
 往年の(SF第三世代までの)作家は、堀晃さんだけですね。やはり円城 塔、伊藤計劃の両氏が近年の日本SFを支えていたのだろうか? 改めて伊藤計劃氏のご冥福をお祈りします。

『アニ・クリ15 DVD×マテリアル』

 日本を代表するクリエイター15組が作った60秒アニメーション「アニ・クリ15」のDVDブックが登場!! トップクリエイター映像制作の極意がここにある! 全クリエイターのロングインタビューに加え、全15作品の絵コンテを完全収録!! カラーページには、各作品の設定資料も掲載。
 全15作品の本編(15分)+各作品4分ずつのメイキング映像(60分)を収録。 DVD単体では発売されていないので、この本でしか見られない75分の映像体験! そのほか、スペシャルおまけとして、河森正治監督作品「プロジェクトΩ」に登場するNHKロボのペーパークラフトつき!

 これ、NHKで時々見かけたのだけれど、全然フォローできていなかったので、このDVDは嬉しい。メイキングも期待ですね。

チャイナ・ミエヴィル『ペルディード・ストリート・ステーション』

 異端の科学者と翼を奪われた〈鳥人〉の冒険を、唯一無二のスケールで描くダーク・スチームパンク。「バス=ラグ」と呼ばれる蒸気機関と魔術学が統べる世界で、最大の勢力を誇る都市国家ニュー・クロブゾン。その中心には巨大駅ペルディード・ストリート・ステーションが聳え、この暗黒都市で人間は鳥人や両生類人、昆虫型や植物型の知的生命体と共存していた。大学を辞め、独自の統一場理論の研究を続ける異端の科学者アイザックは、ある日奇妙な客の訪問を受ける。
 みすぼらしい外套に身を包んだ鳥人族“ガルーダ”のヤガレクは、アイザックに驚くべき依頼をする。忌まわしき大罪の代償として、命にもひとしい翼を奪われ たヤガレクは、全財産とひきかえにその復活をアイザックに託したのだった。飛翔の研究材料を求めはじめたアイザックは、闇の仲買人から、正体不明の幼虫を 手に入れる。そのイモ虫は特定の餌のみを食べ、驚くべき速さで成長した。そして、成虫となった夢蛾スレイク・モスが夜空に羽ばたくと、ニュー・クロブゾンに未曾有の大災害が引き起こされた。
 モスを解き放ってしまったことから複数の勢力から負われる身となったアイザックは、夢蛾を追って、この卑しき大都市を さまようことになる。翼の復活を唯一の望みとするヤガレクト共に…英国SF/ファンタジイ界、最大の注目作家であるミエヴィルが、あらゆるジャンル・フィ クションの歴史を変えるべく書き上げたエンターテインメント巨篇。アーサー・C・クラーク賞/英国幻想文学賞受賞作。

 長文の抜粋になってしまったけれど、この概要でもワクワクしてきます。
 「統一場理論」「夢蛾」、イマジネーションを刺激します。

『ユリイカ2009年7月号 特集=メビウスと日本マンガ』

【シンポジウム】
メビウス∞描線がつなぐヨーロッパと日本
             / メビウス×浦沢直樹×夏目房之介
メビウスが語る、メビウスを語る
             / メビウス×りんたろう×大友克洋

【最強メビウスファン対談!】
われら、メビウスの徒 その線、色、世界に酔う / 谷口ジロー×寺田克也

 今まで特集されたことがなかったっけ? と言いたくなるような特集。
 浦沢直樹と大友克洋が同席していないのは、なんだか、とても残念。
 この他にも多数の記事有。今から、ポチっとします、私。

トマス・ディッシュ『歌の翼に』 国書刊行会

2009年ラインナップのお知らせ、第二弾!
 お待たせしました、国書刊行会、2009年刊行予定のお知らせ第二弾です。

歌の翼に トマス・M・ディッシュ/友枝康子訳 (1/29)
ディッシュの最高傑作長篇を復刊!

 まだAmazonにも新刊として掲載されていないけれど、ディッシュの最高傑作がラインナップされています。サンリオ文庫版は買い逃しているので、出版が楽しみ。

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2009.07.07

■豊田市美術館 ヤノベケンジ-ウルトラ展 ファイナル・イベント

Photo_2
ヤノベケンジ-ウルトラ展●ファイナル・イベント

◇ヤノベケンジ・アーティストトーク
日時:6月21日[日] 15:00-16:00 会場:講堂

 ヤノベ氏と豊田市美術館キュレーターの都筑正敏氏が登場、ウルトラ展の準備段階から展示会開始までのエピソードを、PCによる映像とともに約1時間紹介。
 もともと自動車不況で豊田市の予算が厳しい中、しだいに大きな個展となっていく様がリアルに語られる。絵本原画展の予算規模ではじまり、ここまでの大規模展が実現したのも、ウルトラファクトリーの学生たちによる協力があったからだろう。展示会のそこかしこで手伝う学生さんたちの姿が映像で流されたが、彼らなしには成立していなかった展示会かも。
 僕たちヤノベファンは、この京都造形芸術大ウルトラファクトリーの面々に大きな感謝を捧げなければなりませんね。本当にありがとうございました。そしてお疲れ様でした。
 このあと、水都大阪のプロジェクトも大変な労力が必要なのでしょう。体に気をつけて頑張ってください。

Photo_4  準備段階のエピソードでは、冒頭に引用した《ウルトラ-黒い太陽》の稲妻発生装置:テスラコイルのテストで、ウルトラファクトリー内で火災報知機へ"落雷"し警報機がなってしまったとか、ジャイアント・トらやんの前でのテスラ・コイル実験風景スライドとか、面白かった。

 《ウルトラ-黒い太陽》については前回の講演と同じスタンスで、ヤノベ氏は今もパフォーマンスのたびに心臓が鼓動が止まらない。まだ解釈は自分で語りたくない、とコメント。
 この作家の無意識の中に蠢いているものが、今後どんな形で意識化され芸術として表現されていくか、楽しみに待ちたいと思う。

◇ヤマダタツヤ・ライブパフォーマンス
日時:6月21日[日] 会場:展示室8 作品《ウルトラ-黒い太陽》にて 
タイムスケジュール: ①11:30- ②13:00- ③14:00- ④14:30- ⑤16:30- ⑥17:00-

Photo_5  パフォーマンスが最終日6回、開催された。
 僕はそのうちの2回を観て、初日に加えて、計5回の《ウルトラ-黒い太陽》を体感。
 今回は、ヤマダタツヤ氏のパフォーマンスも加わり、巨大なスピーカー群から初日とは違った音楽がさらに大音響で響く。
 スピーカー直前に座ると、スピーカーコーンの振動がダイレクトに体を低周波で揺さぶり、体の内部の共振により凄まじい体験となる。テスラ・コイルの青い放電と同期した振動はまるで畏怖すべき存在が自分の内部に侵入しようとするかのようなイメージを喚起。この体感の芸術が自分の無意識に何を残したかは、いまだアートの神のみぞ知る、である。

◆関連リンク
YANOBE KENJI ART WORKS /// ヤノベケンジ アートワークス
・ヤマダタツヤ氏のBlog dubdish*blog
当Blog記事
感想 『ヤノベケンジ―ウルトラ』展@豊田市美術館 作品「ウルトラ-黒い太陽」起動!!
京都造形芸術大 ウルトラ・ワーク・イン・プログレス 『ULTRA FACTORY ウルトラファクトリー展』探訪記・1

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2009.07.06

■「ドキュメント・ウルトラファクトリー:ULTRA FACTORY」展@豊田市美術館

02_2

ULTRA TODAY:ドキュメント・ウルトラファクトリー展開催
「ドキュメント・ウルトラファクトリー」展   豊田市美術館
   (Toyota Municipal Museum of Art)

2009年6月9日[火] ~ 6月21日[日] 会場:展示室6-7
作品「黒い太陽」が学生達と共に作り上げられる制作ドキュメントを公開する他、「ウルトラファクトリー」で実施されてきたプロジェクト「ガリ バー&スウィフト」舞台装置制作、「ULTRA x KNA」名和晃平アートプロジェクト、「クリティカルデザインラボ」「ウルトラファクトリープレス」で展開されてきた軌跡を紹介することで、ウルトラ教育 機関の全貌を明らかにします。

And 多彩な展開をはかるヤノベケンジ-ウルトラ展に、新しい展示が追加。京都造形芸術大学の超越的芸術工房ウルトラファクトリーのドキュメント展。
 昨年京都造形芸術大へ行ってウルトラファクトリーを観てきたので、ウルトラファクトリーに親近感があり、この展示、なんだかとても嬉しい。
 ファクトリーの成果である「ウルトラ 黒い太陽」の咆哮が木霊する会場で、その製作のベースとなった図面と模型を眺める。ひとつひとつにヤノベケンジ他アーティストと学生たちの熱いやりとりがあったんだろう。
 特に「ウルトラ 黒い太陽」の制作は、ヤノベ氏の講演によると、材料が揃ってから2ヶ月の期間で作られたとか。
 あれだけの大きさのものを精度を出しながらこの期間で作るというのはきっと大変な作業だったと思う。
 実践と実戦、この工房の体験から新たなアーティストがたくさん輩出されることを願ってやみません。

 右は会場で何本か上映されていたムービーのうちの一本。劇団パパ・タラフマラ「ガリ バー&スウィフト」用の舞台装置の晴れ舞台。
 ヤノベ独特のデザインの巨大オブジェの登場シーンの引用。この芝居の映像、是非、DVDで出してほしいものである。

◆関連リンク
YANOBE KENJI ART WORKS /// ヤノベケンジ アートワークス
当Blog記事
京都造形芸術大 ウルトラ・ワーク・イン・プログレス 『ULTRA FACTORY ウルトラファクトリー展』探訪記・1

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2009.07.01

■感想 池谷裕二『単純な脳、複雑な「私」』

池谷裕二『単純な脳、複雑な「私」』 動画特設サイト

 『進化しすぎた脳』に続く、高校生への脳科学講義第二弾。
 眼から鱗の脳の正体を描いた前書に続き、今回はどんな脳の秘密に触れられるのか。

 この本で西洋近代の「我思うゆえに我あり」という意識尊重主義(?)に対して、科学的な最新の実験結果を示しながら、大きな風穴を開けていることは確か(^^;)。

 前作では、意識の正体について、ぼんやりとその外周を描き出して、そこから先は科学者として、推測になる部分が多くなるため、言葉を止めていた感じがあったのだけれど、今回は自由意志というものがどういうものか、ということをデータで示している部分で、かなり突っ込んだ意識についての認識を示している。これが、西洋近代哲学の根底を覆すような言説になっている凄いところ。

 研究活動の合間にその最前線をレポートすることは、自分の研究活動に支障になるのではないか、こうした仕事は科学ライターにまかせればいいのかもしれない、と池谷氏は書いている。(もしかして別の脳科学者M氏への皮肉?(^^;))
 脳科学がこんなにも人間の自己認識に鋭いメスを入れられる素晴らしい知見を得ていることは、是非これからも一般に知らせてほしい。ここに社会と世界のいろんな課題を解く鍵があるはずで、物凄く重要な仕事になっていると思う。

 では少し詳細な感想。

◆まずはお約束 脳のとらえる現実について

 哲学では「存在とは何ぞや」と、大まじめに考えていますが、大脳生理学的に答えるのであれば、存在とは「存在を感知する脳回路が活動すること」 と、手短に落とし込んでしまってもよいと思います。つまり私は、「事実(fact)」と「真実(truth)」は違うんだということが言いたいのです。
 脳の活動こそが真実、つまり、感覚世界のすべてであって、実際の世界、つまり「真実」については、脳は知り得ない、いや、脳にとっては知る必要さえなくて、「真実なんてどうでもいい」となるわけです。(P34)

 岸田秀の唯幻論や栗本慎一郎の経済人類学/言語学に通じる視点。
 脳の視点からは世界はそのような存在となる、というまずは前説。

◆無意識の脳の活動は、運動を学習する基底核が実行

 サブリミナル効果の実験とその際にMRIでとらえられた脳の活動部位である基底核について述べた箇所。

 テニスラケットのスイングの仕方、ピアノの弾き方、自転車の乗り方、歩き方、コップのつかみ方―(略)基底核は、少なくとも「体」を動かすことに関連したプログラムを保存している脳部位なのです。

 この「身体」に関係した基底核が、どうしても身体ともっとも関係がなさそうな「直感」に絡むんだろう(略)
 つまり方法記憶は無意識なんですね。(P81)

 ここを読んで思ったのは、天才的スポーツ選手が自分の運動能力について語る時の口調。具体的にはイチローが自分のその能力をまるで他人事のように、こうなっているのではないか、と語っているのをテレビで観たことがある。
 スポーツマンの運動を制御するのは脳である(これが基底核)。だけれどもそれを意識でとらえることは本人にも難しい。そうした時の自分のことであるが、自分でもどう脳が働いているかよくわからない、というスタンスの発言になる。そのメカニズムは下記のように描かれる。

◆脳活動と認知レベルの順番と差異

認知レベルと脳活動レベルの関係
 認知レベル ①動かそう ②動いた
 脳活動レベル ③準備 ④指令
実験結果 ③準備→①動かそう→②動いた→④指令 (P251)

 「自由は、行動よりも前に存在するものではなくて、行動の結果もたらされるもの」
 自由意志は「動かすのを中止することしかできない(P258)」という概念が実験的に確認されているという事象は重要。

 これは先に述べたスポーツだけでなく、おそらく人間のいろんな活動の全てに、そうした事象が発生している。
 脳の働きに対して意識のとらえられる幅は恐らく小さい。そして意識は、後追いで認識し、まるでその脳活動のスポークスマンとして存在するって感じ。
 (これは漫画家の発言にも共通する。参照 浦沢直樹が語る「半眼」)

◆そして意識が発生したメカニズム

 おそらく進化の過程で、動物たちは他者の存在を意識できるようになった。そして次のステップでは、その他者の仕草や表情を観察することに寄って、その行動の根拠や理由を推測することができるようになった。他者の心の理解、これが社会行動の種になっている。
 しかし逆に、この他者モニタシステムを、「自分」に対して使えば、今度は、自分の仕草や表情を観察出来るよね。(略)
 僕は、こうした他者から自己へという観察の投影先の転換があって、はじめて自分に「心」があることに自分で気づくようになったのではないかと想像している。(P180)

 他者との関係性から意識が発生したというような記述。自己認識が先にあって、他者とコミュニケートしたという順番でなく、他者がまずあって、そこから派生的に自己が表出したと読める。
 しかし本書では、これ以上は突っ込んで書いていない。高校生と、自由意志の介入する部分の狭さを怖い事象だ、というような会話をしているが、ここらも、意識尊重主義の亡霊にとらわれているように見える。

 本当は一歩突っ込んで、意識は自分の主人ではなく、脳の無意識の活動が実は自分の本来の主人である。意識は他者との関係性から、その活動を客観視して他者に伝える必要性から発生してきた。とか、大雑把な僕は、そんな風にとらえてもいいのではないか、と本書を読みながら考えていた。

 これって、西洋近代の否定の根本的な否定ですよねー。
 言語論とも通じるし、脳科学のデータや知見が、哲学の領域のポストモダンを証明しつつある、ダイナミックな動きに見えるのは僕だけだろうか。

 そしてさらに本書は生命のシンプルなゆらぎを利用した構造について述べている。この知見が生み出すものの可能性って、もしかしたら社会学とかの分野と、それから工学の分野で大きな広がりがあるのではないだろうか。池谷氏の研究については、今後も注目したい。

 生命らしい特徴が垣間見えるときは、システムの素子が相応しい構造を持った回路でつながっているというのが前提にある。構造さえしっかりしていれば、後は簡単なルールを繰り返せば、自然と生命現象が創発される。(P368)

◆補足 究極映像研的に視覚についてのメモ

・眼の網膜は効率の悪い進化の失敗作(P232)
 何層もの薄い膜構造の一番奥にあり光の透過の効率が悪い。

・最新の報告で、網膜を通さず大脳皮質に光を感受するチャンネルを作成することに、ネズミで成功(P240)。大脳皮質がダイレクトに受け取る映像って、どんな映像なのだろうか。

・未来を見る実験。脳による遅れ補正 右手と左手の感覚入力も学習補正されている(P290)。

◆関連リンク
・脳のすみずみについて電子顕微鏡写真で明確にするプロジェクト
 コネクトーム - Wikipedia.

コ ネクトーム(connectome)とは、生物の神経系内の各要素(ニューロン、ニューロン群、領野など)の間の詳細な接続状態を表した地図、つまり神経 回路の地図のこと。つながる、接続するといった意味を持つ英語のコネクト(connect)という言葉と、「全体」を表す-オーム(-ome)という接尾 語から作られた言葉。

意識 - Wikipedia.

ルネ・デカルトは仏: Je pense,donc je suis(我思う、ゆえに我あり メルセンヌ神父によるラテン語訳羅: Cogito ergo sum)などの方法論的懐疑により、後世に主観的でありしかもなお明証性をもつ羅: Cogitoと表現される認識論的存在論を展開した。デカルトは世界を「思惟」と「延長」から把握し、思惟の能動性としての認識と受動性としての情念をそれぞれ主題化した。

前野隆司 - Wikipedia.

意識に関する仮説「受動意識仮説」を見出す。これをより詳細な理論へと昇華すべく現在も鋭意研究を続けている。

ヒトとロボットの心の研究 「意識」は受動的だろうか?.

『人の「意識」とは,心の中心にあってすべてをコントロールしているものではなくて,人の心の「無意識」の部分がやったことを,錯覚のように,あとで把握する ための装置に過ぎない。自分で決断したと思っていた充実した意思決定も,自然の美しさや幸せを実感するかけがえのない「意識」の働きも,みんなあとで感じ ている錯覚に過ぎない。そしてその目的は,エピソードを記憶するためである。』

 意識を受動的なものだとする説を調べていたら、この工学者の方の説が見つかった。
 ここでは、エピソード記憶のために意識が生まれた、というところに違和感。コミュニケーションのためとか言語表現のためと解釈した方がいろいと説明しやすいと思うのだけれど、、、。

当Blog記事
 『進化しすぎた脳』レビュウ

 視覚の不思議と、脳とアニメーション原画の関係について。池谷氏の記述から勝手に映像論を展開してみました。
 『進化しすぎた脳』 感想
   無意識の脳活動と芸術家の「半眼」

  これと上記の意識より前に脳は行動を開始しているという部分をあわせて読むと、「半眼」の正体が見えてくる。ここまで書いたら言わずもがなだけれど、豊か な描線を無意識の脳活動が描こうとしていて、それを邪魔してしまうのが、この時、後追いで生成された「描こう」と自分では思っている」クオリアとそれによ り無意識の活動に介入する意識なのだろう。  それを意識をぼんやりさせて「半眼」で動き出した脳活動にまかせる、というのが、池谷的に表現した浦沢の描線の豊かさの秘密なのかもしれない。

 意識を持ったロボット

「意識」と呼ばれている脳活動(ニューロンの発火?)は、その上位構造が下部の情報(クオリアも含まれる)を「みつめる」時に発生しているのではないか。 その脳活動が「意識」。自分の脳内の活動を、統合した形で「上」から眺めるパースペクティブが「意識」なのかもしれない。

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2009.06.30

■イゴール・コヴァリョフ監督「妻は雌鳥:Hen, His Wife」
  (Igor Kovalyov's Его жена курица)

Hen_his_wife

YouTube - Russian animation: His wife is a hen (Его жена курица) 1/2
YouTube - Russian animation: His wife is a hen (Его жена курица) 2/2.
(あまりとなえさんのちゃいるどふーず・ねばー・えんど | 妻は雌鳥、視聴できます経由)

Igor Kovalyov(公式HP)

Hen, His Wife Year: 1989
Production: Moscow Studio Pilot
Ottawa Intl, Animated Film Festival 1990 Grand Prize and Best Film in category B

Ottawa International Animation Festival 1990 Edition.

Award Winners Grand Prix: Hen, His Wife, Igor Kovalyov, USSR

 これは異様な迫力と幻想性を持った傑作。で、最高に気持ちが悪い(褒め言葉(^^))。
 この手の映像が嫌いな方は、絶対に観てはいけません。

 絵の不可思議さと気持ち悪さに加え、物が落ちる音とか妻の体の表面の斑点とか、不安を増幅する装置になっている。特に僕はあの黒い服の男が仮面を脱いでテーブルを踏みつけていくところが、何故かぞっとする。
 どこか雰囲気は、デヴィッド・リンチDavid Lynch - Dumb Landに通じる。ロシアアニメーション、恐るべし。

◆関連リンク
アニメ産業とビジネスの情報.

「日本アニメーション学会 理論・歴史研究部会主催 公開研究会」
日時: 2009年3月14日(土) 14時~17時
【プログラム】 1)上映と解説   土居伸彰(東京大学大学院)
「越境するアニメーション——ソユズムリトフィルムを中心に」
 『霧の中のハリネズミ』(1975) 監督:ユーリー・ノルシュテイン
 『妻は雌鳥』(1989) 監督:イーゴリ・コワリョーフ
 『I Feel a Lifelong Bullet in the Back of My Head』(2007)
    監督:プリート・パルン、オリガ・マルチェンコ
   (オムニバス・アニメーション『Black Ceiling』(2007)から)

Animations-Criticism.に特集記事。素晴らしい!
 クリス・ロビンソン「イゴール・コヴァリョフであること」

イゴール・コヴァリョフ(イーゴリ・コワーリョフ)の主な作品 1989 Его жена курица(Hen, His Wife) 1991 Андрей Свислоцкий(『アンドレイ・スヴィスローツキー』Andrei Svislotsky) 1994 Aaahh!! Real Monsters(『ぎゃあ!!!リアル・モンスターズ』、テレビ・シリーズ) 1996 Bird in the Window 1998 The Rugrats(『ラグラッツ・ムービー』) 2000 Flying Nansen(『フライング・ナンセン』) 2002 The Way the Dead Love(インターネット・シリーズ)    http://www.globaltantrum.com/bukowski.html 2005 Milch

 ラグラッツムービーもこの人なんですね。
Global Tantrum : igor kovalyov.
 4作品が見える(はずですが、うまくQuick Timeが動かない)
ちゃいるどふーず・ねばー・えんど | 妻は雌鳥・視聴できません

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2009.06.29

■ネタばれ感想 庵野秀明総監督 摩砂雪;鶴巻和哉監督
 『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:破  YOU CAN(NOT) ADVANCE.』

Eva_ha_trailer

 ★★★★★★ ネタばれ注意 ★★★★★★★

 今回は全開レビュウで行きますので、未見の方は絶対に読まないでください。

 ※続きは以下。

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 『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:破  YOU CAN(NOT) ADVANCE.』"

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2009.06.28

■感想 庵野秀明総監督 摩砂雪, 鶴巻和哉監督
 『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:破 EVANGELION:2.0』

Photo <まずは徹底した秘密主義をとった本作公開までの制作陣の想いに従い、ネタばれなしのレビュウ>

※ネットでの情報をシャットアウトして、まず劇場へ走ることをお薦めします。進化したヱヴァの最高のセンス・オブ・ワンダーが観られます。

----------------------------

 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版: 破  EVANGELION:2.0』を初日のレイトショーで観てきた。館内は20代~30代の若者で満員。僕らの世代は少ない。

 で、まず結論。
 とにかくこの映画、日本アニメの最先端、というか奇想映像の世界最北端に位置する素晴らしい完成度。

 演劇の世界では、何年か間をおいてシナリオと演出を演出家自らがアップデートし再演する、という姿は一般的である。
 一方、映画でのリメイクは、基本、別の監督による再映画化の形がほとんど。脚本と演出と哲学を深化し進化させるという演劇のそれと比べると、パワーダウンするのは否めない。

 この『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズは、オリジナルの作家たちが自らの最初のコンセプトを現在の進歩したテクノロジーとスキルで、まさに深化/進化させた超アップグレード作品である。技術はもちろん、前作からのビジネスの拡大(特にパチンコ)により資金も潤沢。庵野監督自らのスタジオ カラーによる自主制作と、クロックワークスという小回りの効く配給会社による公開の時間的制約の少なさ。
 これほど環境の整ったリメイクは稀有だろう。
 そして作品も稀有な超リビルド作品として、凄い完成度を達成している。

 進化したのはオリジナルのコンセプト。
 つまり『ウルトラマン』『ガンダム』のフォーマットで、『イデオン』『2001年宇宙の旅』の哲学を超え、さらには『幼年期の終わり』や『ブラッド・ミュージック』、『デビルマン』といった進化SFの傑作群を抜きさる、という庵野秀明監督の野望の具現化。
 あの映画版エヴァ『THE END OF EVANGELION Air/まごころを、君に』、SFとしての到達点をオタク批判で締めくくるという壮大な楽屋オチは賛否両論あるのだけれど、僕は映画作品としてのSFのベスト10に入る傑作と思っている。まだラストまでいっていないが、それの深化を見せられる可能性大。中盤でこの完成度である、この後の二本、制作陣のモチベーションがハイテンションで維持されたら、どこまでの奇想世界に我々は連れて行かれるのか、既に想像の範囲を超えているかもしれない。(ってちょっと大げさですね(^^;))

 ただしこれは言える。
 当分、ハリウッド映画はこの映画のスペクタクルを抜くことはできないだろう。ここまで複合的統合的に集積化した映像アクションは、とても商業主義でシナリオ が均一化しているハリウッド映画では無理だろう。
 加えて、この映画の繊細な表現をとらえることのできるハリウッド映画人っていったいどの程度いるのだろう か。
 たぶんデヴィッド・リンチやテリー・ギリアムクラスは大丈夫だろう。だけれども既にティム・バートンやスピルバーグクラスでは難しいのではないか。タランティーノでも無理かも。

 とにかくSF/アニメ/奇想映画の世界最北端である。

 繰り返して書くが、今すぐ情報をシャットアウトして、大画面でこの映像を堪能するために映画館へ走ることをお薦めする。(注. 最低限『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序』だけは事前に観ておくこと) 僕もあともう一回は劇場へ行くと思う。

◆関連リンク
端材で創る エヴァンゲリオンを創る19
 ステンレススティールでヱヴァンゲリヲン零号機を作る。
鷺巣詩郎『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 オリジナルサウンドトラック SPECIAL EDITION』
 09.7/8発売
高橋洋子, 及川眠子, Bart Howard, 大森俊之, 森大輔『残酷な天使のテーゼ 2009 VERSION』 さわりを聴けます。

1. 残酷な天使のテーゼ (2009VERSION)
2. FLY ME TO THE MOON (2009VERSION)
3. One Little Wish

庵野秀明;摩砂雪;鶴巻和哉『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 (EVANGELION:1.11) [Blu-ray]』

当Blog記事
 詳しくは書けないけれど、以前書いた下記の新劇場版への期待は満たされています。
庵野秀明総監督 『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序
 EVANGELION:1.0 YOU ARE (NOT) ALONE』

  旧版は制作陣、特に監督のもろもろの切羽詰った心情がストレートに14歳の主人公に投影されたとかで、10歩進んで20歩下がるような悩みまくりの観たく もない屈折ムービーだった(世間ではそうした部分が受けていたようだけど、僕はそこの部分、評価できない。映画版のラストのアレを描くために必要だったと いう理解もできなくはないけど、、、)。  そこをエンタテインメントとして、今回は成長物語にしてくれたら、(エヴァでなくなる部分は確かにあるけど)、僕は期待したい。

脱線して『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』四部作について

 僕はうじゃうじゃしたシンジの世界系描写なんて馬鹿馬鹿しくてどうでもよく、19話「男の戦い」から先、なんで初号機他の暴走がエスカレートしていった大センス・オブ・ワンダーなSF新生物ストーリーが観れないのかと不満に思っていた。なので、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』四部作は、そんなワクワクする映画になるのなら、観てみてもいいかな、と思っている。

アーサー・C・クラーク『幼年期の終わり』CHILDHOOD's END
 人類の未来 映像の未来

 『幼年期』のクライマックスで現出する無表情な無数の子供たちの異様な姿。このシーンは明らかに映画版『新世紀エヴァンゲリオン』に影響している。
 そして『THE END OF EVANGELION Air/まごころを、君に』は、たぶん『2001年宇宙の旅』を超えて、今のところ『幼年期の終わり』の不気味な進化に最も近いイメージを映像化した作品といえるだろう。たぶんリビルド『ヱヴァンゲリヲン』の最終話が作られるまでは。

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2009.06.26

■ヤノベケンジ 「ジャイアント・トらやんの大冒険」展@銀座 BLD GALLERY
 ミニ・ジャイアント・トらやん1/10スケール 限定発売 !!

Mini_giant_torayan ヤノベケンジ 「ジャイアント・トらやんの大冒険」展|
銀座 BLD GALLERY ビーエルディーギャラリー

~ミニ・ジャイアント・トらやん発売記念~

会期 2009年6月19日(金) - 8月9日(日)
OPEN 11:00 - 19:00
休廊 会期中無休
入場料 無料
(C) BLD GALLERY
MINI GIANT TORAYAN
ミニ・ジャイアント・トらやん1/10スケール
フィギュア作品限定発売 !!
限定100体/サイン・ナンバー入り
予価¥262,500.- (税込)
お問い合わせ TEL: 03-5524-3903 
Email: info@bld-gallery.jp

webDICE - 骰子の眼 - ヤノベケンジ『ミニ・ジャイアント・トらやん』1/10スケールフィギュア登場!6/19よりBLD GALLERY.

BLD GALLERYでは、『ミニ・ジャイアント・トらやん』(限定100体/予価262,500円-税込)発売を記念して、次なる舞台に向かって旅立つための トらやん船団『ラッキー・ドラゴン』構想に基づくインスタレーションを中心に、これまでに行った壮大なスケールのアート・プロジェクトのアーカイヴや映像 など併せて展示をおこなう。

 これは素晴らしい。あのジャイアント・トらやんのミニチュア版フィギュアが登場。その名も『ミニ・ジャイアント・トらやん』、ミニなのに巨大というこの不思議な矛盾するネーミング。
 惜しむらくはこの価格。ヤノベ作品としてみたら、この大きさでこの値段というのは破格なのだろうけれど、それにしても所帯持ちとしては簡単に払える金額ではない。(特に今年はボーナスも大幅カットだし、、、、もう宝くじに頼るしかありまへん(^^;))
 ヤノベファンの方は是非、入手下さい。
 これでもし本当にファイヤー!したら、借金して買いに走ったかも(^^)

◆関連リンク
ULTRA TODAY: 「ジャイアントトらやんの大冒険」展が始まりました!!
 展示会準備の様子が観られます。アート船と船上のミニ・ジャイアント・トらやんも写っています

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2009.06.25

■新刊メモ 『単純な脳、複雑な「私」』『コンピュータ・グラフィックスの歴史』
 『美術手帖 09.07月号アウトサイダー・アートの愛し方』

池谷裕二『単純な脳、複雑な「私」』 動画特設サイト

 『進化しすぎた脳』に続く、高校生への脳科学講義第二弾。
 眼から鱗の脳の正体を描いた前書に続き、どんな脳の秘密に触れられるのか。

 実は昨日、読了してレビュウを書きたくてしょうがないのですが、残念ながら今週はじっくり書き込む時間がとれません。来週はしっかり書きたいと思います。

 それにしても面白い。
 この本で西洋近代の「我思うゆえに我あり」という意識尊重主義(?)に大きな風穴を開けていることは確かです。
 当Blog記事『進化しすぎた脳』レビュウ

大口孝之『コンピュータ・グラフィックスの歴史 3DCGというイマジネーション』
 (FILM ART | フィルムアート社)

「それまでまったく存在していない 技術」はいかにして巨大産業に発展したのか?
コンピュータ・グラフィックスという巨大なイマジネーションをカタチにしたパイオニアたちの努力の物語。貴重な図版と用語解説、キーパーソンの解説を付し た、CG史の決定的入門書です。

 「特殊映像博物館」の大口孝之氏によるCGの歴史。
 大口氏と言えば、このBlogでは何度か書いていますが、富士通の立体CG映像「ユニバース」。自らも特殊映像の作家である氏の描く、専門書に期待です。
 まだ実物の本をみていないですが、入手して詳細を紹介予定。

『美術手帖 09.07月号アウトサイダー・アートの愛し方』 (『美術出版社)

アウトサイダー・アートの愛し方 “生の芸術”ってなんだろう?
王国の10大巨匠は誰だ!?
[SPECIAL REVIEW] ヤノベケンジ《ウルトラ―黒い太陽》
黒焦げの太陽 椹木野衣=文

 ヤノベケンジ《ウルトラ―黒い太陽》の紹介記事と、椹木野衣氏による評論。
 これを目当てに買ったのですが、特集の<アウトサイダー・アート>がなかなか素晴らしい。これもいずれ詳細を紹介予定。

 アウトサイダーと言っても、アトウサイゾウとは何ら関係ありません(^^;)。

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2009.06.23

■神山健治監督『東のエデン』
 「第11話★さらにつづく東」
 演出:河野利幸 作画監督:近藤圭一/永島明子

Eden_11 第11話★さらにつづく東

脚本:神山健治/カルロス春日  絵コンテ:吉原正行/河野利幸/柿本広大/京極義昭/神山健治 演出:河野利幸  作画監督:近藤圭一/永島明子 美術監督:竹田悠介

 放送が関東からさらに一週延期された東海地区。待ち切れず、ついに禁断のネット試聴(Veoh Video Network)。 本来は鮮明なハイビジョン画像で最終回のエキサイティングなシーンを観たかったのに、なんとも残念。でも、さ来週にはしっかりHD画像で見直します(^^;)。

◆物語の完結

 今回TV版最終回。11話で見事に一つの物語を描き切っている。
 森美咲と滝沢朗の物語の、見事でそして切ないラストシーン。シリーズ冒頭での咲の独白に対して、王子の誕生を描くとともに、ふたりの関係の消去を残酷なまでに描いたラストに感動。ペラペラの遊園地の王宮の王子と姫。

 そのシーン、破壊されたペラペラの王宮の前で、滝沢が最後にジュイスに依頼する声はわざと消してある。そしてノブレス携帯から流れる洗脳プログラム。
 何故にこんなにひっそりと描くのかとも思うけれど、この幕切れの方が切なさは増すのかもしれない。これぞノイタミナ枠、女性向けの演出なのかもしれない。

 それにしても11日間の物語で、ここまできっちりとまとめるとはシナリオの練られ方は半端ではない。(映画の前哨戦として伏線の張り方も)
 次の映画二話のストーリーテリングも既にきっちり詰められているはずで、半年先が楽しみである。

◆ミサイルの今のリアリティ

 映像としての今回のクライマックスは、ミサイル攻撃のシーン。
 物語の大団円を、テンションの高いアクションシーンにかぶせて、登場人物たちの人間関係を昇華させて描き、そしてゴスペルの曲(挿入歌"reveal the world")をバックにかぶせる。まさにSAC 2ndの空爆シーンの感動の再現。(当Blog記事『攻殻機動隊S.A.C.2nd GIG』 23-26話)

 というように、ファンとしては、SAC 2ndのラストとの相似を当然思うのだけれど、結局ここへ帰結したのはイラク戦争、北朝鮮等、我々にとってのミサイル攻撃のリアリティ故なのでしょうね。これもまぎれもない「今」の映像。(20年前なら、核攻撃になったんでしょうか)

 しかし、二万人の裸のニートと恋愛とミサイル迎撃戦、そしてかぶるゴスペル曲。
 このある意味、異様な取り合わせの感動。これはある意味、SAC 2ndを超えている。(何故ニートがジョニィ姿なのかは、この際、言わない約束。社会派ジョージ・ロメロ監督への献辞ということで、、、(^^;))

◆関連リンク
・当Blog記事
 第9話「ハカナ過ギタ男」
 第8話「あらかじめ失われた道程をさがして」
 第7話「ブラックスワン舞う」
 第6話「東のエデン」
 第5話「今そんなこと考えてる場合じゃないのに」
 第4話「リアルな現実 虚構の現実」  第3話「レイトショーの夜に」
 第2話「憂鬱な月曜日」 第1話「王子様を拾ったよ」感想
 竹田悠介美術 HDR(High Dynamic Range)写真タッチの映像
 神山健治 『映画は撮ったことがない』刊行予定 小説版『東のエデン』

TV未放映エピソ-ド試聴!★初回版ドラマCDより

60分を超える大作となったTV未放映の完全オリジナルドラマCD- その一部が本日より期間限定にて本サイトでも試聴いただけるようになりました!

YouTube - ガメラレーダー. YouTube - ガメラレーダー稼働!

航空自衛隊の警戒管制レーダーFPS-5

J/FPS-5 - Wikipedia AAM:空対空ミサイル - Wikipedia
 パトリオットミサイル - Wikipedia.PAC3

東のエデン(アニメ)まとめWiki - トップページ
東のエデン(アニメ)まとめWiki - 各話ごとの考察/第11話
東のエデン 聖地巡礼 お前らなんぞ、京都じゃないわ! - ローリング廻し蹴り
 パンツの下宿の建物もそのまま存在するみたいです!労作。
・青の零号さんのセレソンNo.0のエンブレムつくってみました - Biting Angle

『東のエデン 第1巻』Blu-ray DVD
・おまけ 僕の考える100億円の使い方
 ・播磨脳科学研究所の記憶消去プログラムを日本の既得権益層にばらまく
 ・(まじめに)やはり国の雰囲気を変えるには教育と価値観の転換。
  ・技術立国を目指した学校体制の大幅見直し
  ・マスコミによる低俗番組の払拭。自国のテクノロジー、芸術作品紹介番組の増加

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2009.06.22

■神山健治監督『東のエデン』
 「第10話★誰が滝沢朗を殺したか」
 演出:岩崎太郎 作画監督:佐々木敦子/上石恵美

Eden_10 第10話★誰が滝沢朗を殺したか

脚本:神山健治/菅正太郎
絵コンテ:吉原正行/河野利幸/柿本広大/京極義昭/神山健治
演出:岩崎太郎 美術監督:竹田悠介
作画監督:佐々木敦子/上石恵美

 先週の展開を受け、舞台を播磨脳科学研究所に移し、セレソンNo.1の物部と対峙する滝沢。ラストでの滝沢の孤独な映像がテーマの重苦しさを語る。

 「戦後からやりなおす」って、結城はいったい何歳なんだ、と突っ込みたくなったわけだけれど、年長の物部にしても明らかにS30年代生まれなので戦後を直接知るわけではない。
 このふたり、某犬監督と同じく、架空の戦後に踊らされている、という描写なわけか。

 何故60発のミサイルを落とすと「既得権益の再分配」になるのか。まさに狂った論理である。ここまでその師匠の思想を矮小化してしまっていいのだろうか。押井のそれは、戦争というものの認識論を語った上での行為。そこを矮小化した結城の描写をこのように入れると、師匠批判としては弱くなる。
 もっとも現代の空気を表象するには、この架空の戦後に踊らされる二人を描いた方が、その滑稽さゆえに現代的様相を帯びるのかも。

 ただ今まで黒羽にみるように、一見道を外したような描写でも、根底には世界を救うひとつのアプローチであるという切り口を見せていただけに、このはすっぱさは少々いただけない。セレソンはひとりひとりが真摯であったはずなのに、社会メカニズムの存在ゆえに、道を踏み外さざる得なかった、と描く方がテーマには肉薄することになるのに、、、。

 
 あとふたつメモです。
 今回ラストで鮮やかに反転して、謎を積み残したジョイス人工知能説。
 ATO Harima Neuro Science Lab.の産み出した人工的産物なのかどうか。(ATOって、計算脳プロジェクトで有名なATRのもじりじゃないよね?) 2010年の設定でここまでの人工知能は不可能な気がするが、中の人がタチコマなので阿藤財団の力をもってすれば、あり得るかも。

 まるで宮藤 官九郎なセレソンNo.2辻が面白い人物になりそう。既に巨万の富を持っているセレソン。これらのネタの映画での活躍を期待したい。

Eden_10_2  それにしても東海テレビ!
 ここまで視聴者を盛り上げておいてラストで「来週の放送はお休みさせていただきます」って!! しかも御丁寧に「来週もお楽しみに」の文字が消してない(^^)。
 もー我慢できません、今まで本放送だけを待ってましたが、今回だけは続けて最終回をネットで観てしまいます!

◆関連リンク
・当Blog記事
 第9話「ハカナ過ギタ男」
 第8話「あらかじめ失われた道程をさがして」
 第7話「ブラックスワン舞う」
 第6話「東のエデン」
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 第4話「リアルな現実 虚構の現実」  第3話「レイトショーの夜に」
 第2話「憂鬱な月曜日」 第1話「王子様を拾ったよ」感想
 竹田悠介美術 HDR(High Dynamic Range)写真タッチの映像
 神山健治 『映画は撮ったことがない』刊行予定 小説版『東のエデン』

TV未放映エピソ-ド試聴!★初回版ドラマCDより

60分を超える大作となったTV未放映の完全オリジナルドラマCD- その一部が本日より期間限定にて本サイトでも試聴いただけるようになりました!

東のエデン(アニメ)まとめWiki - トップページ
東のエデン 聖地巡礼 お前らなんぞ、京都じゃないわ! - ローリング廻し蹴り
 パンツの下宿の建物もそのまま存在するみたいです!労作。
・青の零号さんのセレソンNo.0のエンブレムつくってみました - Biting Angle

『東のエデン 第1巻』Blu-ray DVD

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2009.06.21

■平川哲生監督 丹内司作画監督 『川の光』

Photo 長編アニメ「川の光」
 NHK 環境特集番組
 SAVE THE FUTURE 2009

監督/絵コンテ 平川哲生
演出協力 原恵一
キャラクターデザイン/作画監督 丹内司
美術 山本二三
   原作 松浦寿輝

 現在は存在しないが、秀逸なアニメ映画評等を書かれているBlogぼくらは少年演出家をしばらく愛読していた。そのBlogを書いていたのが、若手アニメータ平川哲生氏。(6/23コメントで指摘頂いた間違いを修正、リンクを更新)

 ひさびさにこの方の名前を拝見したのが、NHKの本特番アニメのスタッフリスト。
 原恵一、丹内司、山本二三というそうそうたるスタッフの中に監督としてクレジットされていたのが平川哲生氏。29歳になるアニメータ平川氏の初監督作品が本作である。監督となった経緯は、放映の1時間ほど前にNHKで流れたメイキング番組であきらかになっているが、アニメータとして参加した『河童のクゥと夏休み』で原監督から認められて、今回の大抜擢となったとのこと。(初監督作品がNHKでのゴールデンタイム1時間15分の長編)

 原作は芥川賞受賞作家で、詩人の松浦寿輝氏の小説『川の光』。3匹の親子鼠の冒険物語である。

 最初、リアルなネズミの姿に少しひいたけれど、観ていくうちに、このデザインに(このデザインだからこそ)出てくる味わいにじんわりと感動。
 特に図書館で溝鼠詩人のグレンが語り、子供鼠タータが故郷の川を想い出して泣くシーンが秀逸。ここに3匹の物語前半と、後半「川」への想いが結晶する。

 映像的には、丁寧に描かれたリアルなタッチのネズミ他、川の周辺の生物の姿が物語にマッチしていた。ネズミというアニメの原初から(ミッキー!)映像化されている素材へのアプローチとして、この物語には合っていたと思う。
 一方、そうした表現を選択したため、アニメ独特の映像という点では、『ガンバの冒険』という秀逸なアニメートに比較すると、今後の飛躍が期待される。

◆関連リンク
・現在の平川哲生氏のBlog ぼくらは少年演出家
ぼくらは少年演出家
 http://bokuen.cool.ne.jp/

 平川哲生氏のホームページ。今は存在しません。

・しかしこんな時、便利な
Internet Archive (インターネットアーカイブ)
 http://www.archive.org/web/web.phpで、以下発掘。
 過去のぼくらは少年演出家 (Internet Archive Wayback Machine)

松浦 寿輝『川の光』

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2009.06.19

■MOMA:ニューヨーク近代美術館 ティム・バートン監督アート展

Moma_tim_burton

“奇才&多才”のティム・バートン監督がMoMAで芸術展(VARIETY JAPAN + PLUS)

 絵画からスケッチ、絵コンテ、模型、操り人形にいたるまで、バートン自身が生み出した700以上の作品がお披露目される。(略)

 「自分にとっての日記みたいなもの」と位置づけるバートン。「誰だってお絵描きはするものさ。ただ僕は、先生にしかられても描くことをやめな かっただけ。何を考えるにしても、話すより描いてみた方が楽なんだ」

MoMA | Tim Burton

Tim Burton
November 22, 2009–April 26, 2010

 MOMAでティム・バートンの個展とはなかなか粋な企画。
 アメリカではたしかデヴィッド・リンチのここまでの展覧会は開催されていないはずで、ティム・バートンの方が芸術性を認められているということなのでしょうか。僕はバートンもいいけれど、まずリンチでしょって思ったり、、、(^^;)。

 昨年パリにリンチ展をやられてしまったので、二番煎じは避けたのでしょうか>>MOMA。

 でも行けるものなら、バートン展も是非観たいものです(^^)。

◆関連リンク 当Blog記事
デヴィット・リンチ絵画展@パリ ジ・エアー・イズ・オン・ファイアー展  David Lynch "the air is on fire"
デヴィット・リンチの美術展 カタログ感想  『The air is on fire, David Lynch』
ティム・バートン監督『不思議の国のアリス』3D立体映画化

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2009.06.18

■デヴィッド・リンチ:David Lynch "The Boat"

Lynch_the_boat YouTube - David Lynch -
The Boat

(Blog 海から始まる!?経由)

 デヴィッド・リンチ.comで公開されたというリンチのプライベートフィルム。

 湖畔のポートをとらえた映像に女のモノローグがかぶる。

 映像はピントも構図もダラダラのひどいホーム・ムービー。ただしそこに意味ありげな、いかにもリンチ風のものうげなナレーションが入ると、それだけでデヴィッド・リンチ印になるところはさすが。

 以前紹介したDavid Lynch's A Goofy Movie
 アマチュアがグーフィーのアニメ映像から、リンチ風映像を抜いてきて作ったリンチ風MAD。

 この二本にリンチらしさを作り出す音と映像の秘密がある(^^;)。

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2009.06.17

■神山健治監督『東のエデン』
 「第9話★ハカナ過ギタ男」
 演出:柿本広大 作画監督:伊藤秀樹

Eden_of_the_east_09 第9話★ハカナ過ギタ男

脚本:神山健治/岡田俊平 絵コンテ:吉原正行/河野利幸/柿本広大/神山健治 演出:柿本広大 作画監督:伊藤秀樹 美術監督:竹田悠介

 まず冒頭の板津の回想シーンがいい。
 自身の発明した「世間コンピュータ」で予言される板津の10,20年後。風にとばされるズボンに象徴される若者の無力感。背後に流れる音楽によって醸し出される哀愁。

 ノイタミナは女性枠なはずであるが、実はこんな深夜だと生で観られる中心的視聴者は、板津のようなひきこもりなのかも。
 あきらかにそうした視聴者に向けたメッセージが今回の神山監督のテーマのひとつである。

2010/12/22/Wed/21:22
戦後からやり直すため日本をミサイル攻撃
¥8,883,000,000 残高¥14,189,000

レーダー上に幻の機影を映し出し、トマホークミサイルを発射させた。

 そして、押入れの秘密基地で解明されるセレソンNo.10結城の計画。
 この部分、師匠作品への明確な批評(^^;)。
 まるで押井守『スカイ・クロラ』の主人公カンナミな外観の結城、軍事評論家への取材、そして「幻の機影」と「トマホークミサイル」。まんまじゃないっすか。

 物語はこのミサイルとともに始まり、どうやらこのミサイルでクライマックスを迎える気配。
 あきらかにミサイルを撃つだけでは日本の空気は変わらない、痛烈に押井守を批判し、神山監督はメッセージしようとしている。

 番組終了後に本件については子弟討論を期待したい。

 僕自身は『パトレイバー2 TOKYO WARS』は映画として大好きなのだけれど、この視点のみ取り出すと、下記のような批判が存在する。少し長文だが、気鋭の論客 永瀬唯氏の言葉を引用。

永瀬 唯『欲望の未来―機械じかけの夢の文化誌』(水声社)

腐食する記憶の東京—押井守『機動警察パトレイバー』の都市論世界

P196
 ただし、彼がおこなうのはあくまでもテロのシミュレーション、疑似攻撃にすぎない。
 なぜなら、その目的が破壊や、破壊による権力の奪取ではなく、この「平和」に対する警世にすぎないからだ。
 ここにあるのは、国家を管理し運用する、平和ぼけしたエスタブリッシュメント集団は、国際化時代に対応できない、という週刊誌等の政治欄でおなじみのお説教の、おそまつなミリタリズム版だ。
 いやミリタリズムには、ありうべき社会の姿というヴィジョンが、いかに安易であろうと、確固として存在する。
 ここにあるのは、有事を願うミリタリー・マニアの、そして、乱世を願いながら、すべてのイデアを喪失した元左翼の、それぞれ「有事」と「乱世」への隠微なる欲望にすぎない。
 『パトレイバー』にかかわったスタッフの中には、ただ一人だけ、この二種の欲望をあわせ持った人物がいる。(略)
 いったい数々の傑作を生んだこの監督が、どうして、ここまでみっともない作品を作り出すことができるのだろう。

 痛烈ですね。でも神山監督が描こうとしているのは、カンナミ(押井守のある意味、分身)とそっくりな男が起こす、まさに「「有事」と「乱世」への隠微なる欲望」の敗北の姿である。
 (永瀬氏はこの文の続きで、『パトレイバー1』は絶賛して評価しています)

◆関連リンク
・当Blog記事
 第8話「あらかじめ失われた道程をさがして」
 第7話「ブラックスワン舞う」
 第6話「東のエデン」
 第5話「今そんなこと考えてる場合じゃないのに」
 第4話「リアルな現実 虚構の現実」  第3話「レイトショーの夜に」
 第2話「憂鬱な月曜日」 第1話「王子様を拾ったよ」感想
 竹田悠介美術 HDR(High Dynamic Range)写真タッチの映像
 神山健治 『映画は撮ったことがない』刊行予定 小説版『東のエデン』

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『東のエデン 第1巻』Blu-ray DVD

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2009.06.16

■ジェームス・ティプトリー Jr. : James Tiptree Jr の絵画

Tiptree_paint

James Tiptree Jr.: The Double Life of Alice B. Sheldon by Julie Phillips
 彼女の描いた絵

James Tiptree Jr.: The Double Life of Alice B. Sheldon by Julie Phillips
 写真多数

 20代前半、画家を志したというティプトリーの描いた油絵と水彩画。
 凄みのある彼女の小説群をイメージしながら、じっくりとこれらの絵を鑑賞していただきたい。

 ある部分にはアリスが幼いころに両親と旅したアフリカの影響が見られるかもしれない。
 また14歳から読み始めたというSFの影響はどうだろうか。

 好きな作家の若かりし日の作品は感慨深い味わいを我々読者に与える。
 しばし黙考。

◆関連リンク
メアリー・ヘイスティングズ ブラッドリー『ジャングルの国のアリス』

 今から80年前、まだまだ「暗黒の大陸」と呼ばれていたアフリカの大地を行く少女アリス。河のワニ、カバ、大草原のライオン、ジャングルのゴリラ、火を噴く 山…。6歳の少女アリスの胸おどるホントのアフリカ探検物語。(略)
 12点の写真とアリス手書きの地図、新たな挿絵25点を収録。この少女アリスこそ、(略)ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアその人である。その幼き面影を目の当たりに できる本書は、SFファンにとっても必読の書である。

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  企画進行中 2011年公開か!?