2017.02.24

■感想 佐藤信介監督『アイアムアヒーロー』


「アイアムアヒーロー」予告 - YouTube

 佐藤信介監督『アイアムアヒーロー』録画初見。
 先日の『サバイバルファミリー』に続き、世界(というか日本)終末もの。予算は矢口作に比べて、ヒトケタくらい上な感じ。ZQN(ゾキュンと名付けられたゾンビ)のメイキャップや街の崩壊ぶりのスケールが大きい。

 そして、ゾンビ物として出色は、特に冒頭の主人公の恋人の描写とそれに続く街の描写。アパートのドアから主人公の覗く部屋の光景、造形、動きともに素晴しい。
 その後の車が絡むアクションシーンと、藤原カクセイ氏の特殊メイク・特殊造形の完成度の高さで、迫力の映像となっている。まさに海外に並ぶゾンビ映画の誕生である。

 クライマックスはライフルによる大殺戮。いろいろと工夫され見せ場も多く堪能できるが、人体崩壊描写を観るのが得意でない僕はもう満腹を通り越した状態にw。

 というわけで、ゾンビ映画としての完成度の高さはよくわかったのですが、趣味の問題で、僕は『サバイバルファミリー』派です(^^;)。
 でも『アイアムアヒーロー』の続篇、激しく観たいです。

◆関連リンク
アイアムアヒーロー - Wikipedia
『 アイアムアヒーロー 豪華版 [Blu-ray] 』

"ドキュメント「アイアムアヒーロー」
   佐藤監督はじめ、制作スタッフの撮り下ろしインタビューを収録した
   スペシャルメイキング映像!"

 このメイキング、観てみたいものです。

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2017.02.22

■感想 矢口史靖監督『ザバイバルファミリー』


「サバイバルファミリー」メイキング特番 前編 - YouTube

 矢口史靖監督『ザバイバルファミリー』@109シネマズ名古屋、観てきた。
 こういう終末的な状況に人々が放り込まれる設定に昔から惹かれる。なぜと言われても困るけれど、あきあきする日常からの現実逃避願望の一種と、あとSFファンの経験を活かしw、自分は終末状況に他人より適応して生き残れるんじゃないか、という全く根拠のない自信みたいなものがあるから、だと思う(^^;)。おそらくこの映画の状況に放り込まれたら、電気に頼り切って生きている私のような人間は、最も弱い部類でしょうけど、、、w。

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 この映画、淡々とした日常から始まって、まさにそんな状況を丁寧に描き出している。大停電プラス電気的反応が全てOFFOFFになってしまった世界。それによって奪われる文明。当たり前の日常がグズグズと崩れていく様がまずは心地いいw。

 そして描かれる主人公家族のSF練度の低さ。停電でしかも電池で動くものも全て止まって、道路に動かなくなった車がゴロゴロ放置されているのに、長距離移動のために飛行場を目指すとか、ありえない悲喜劇で数々笑かして見せてくれる。

 一般の人の電気的な知識はこんなのが平均的なんじゃないか、と監督が考えた結果なのだろうけれど、それにしても理系的、工学的な知識の水準が低すぎるのが気になる。一般人より監督の工学的知識の低さが露呈しているようで、コメディとしてはいいかもしれないけれど、もう少し理系レベルを上げても良かったのじゃないかとw。

 特にSF考証好き系の方は、観に行くと腹がたつと思うので、ご注意くださいw。(一番言ってはいけないのは原発のメルトダウンが描かれていないこと。最近、311後の映画としてそうした状況を背景に描く映画が複数出ているのに対して、あまりに潔い矢口監督の映画スタンスには心救われます。いい意味でw)

 そんな非日常感を大笑いして楽しんでいると、クライマックスである仕掛けがあり、うまく映画を大団円してくれている。変に文明批判とかに陥らず、なかなかの佳作だと思う。

 欲を言うと後半日本の人間の数が恐ろしく減少しているように見えてしまうのが残念。もっと田舎に人が移動しているだろうし、それによる食料の奪い合いとかパニック的な終末世界が訪れているはずなのに、矢口映画の、いつものほのぼの能天気なワールドのにおいがあるのは、SFパニック映画的には残念なところだった。

 でもクライマックスの、ある力強い文明の姿が映画的に素晴らしい映像になっていたので、僕は好きな映画になりました。

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2017.02.20

■感想 園子温 中篇小説『毛深い闇』

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毛深い闇 :園 子温|河出書房新社

" 少女の眼から角膜を剥がす不可解な殺人事件。女刑事の娘・切子は母親より早く犯人に辿り着こうと悪魔画廊を探るのだが!?

 世界的映画監督による衝撃の小説。高橋源一郎・村上龍氏推薦。

著者コメント     今まで書いてきた小説は、映画から想を得た、いわば“ノベライズ”だった。今回初めて小説をオリジナルで書いた。この作品こそ、自分の小説デビュー作だ。"

 園子温の中篇小説『毛深い闇』を読んだ。
 書店で手にとって、画家 篠原愛による表紙に衝撃を受け、一気読み。

 ミツコという名の女の死体から角膜を剥がす豊川市の連続殺人。それを追う刑事の娘 切子の魔を描く詩的小説。

 ファミレスにたむろする切子が作った少女三人の集団"退屈同盟"。暴走する夢想と現実化する妄想。自転車事故で自らも角膜を一度失った切子、父の交通事故による死が落とす彼女の影の闇。

 ラブクラフトを紐解き、そして近所の店を"悪魔画廊"と名付け、貼りつく妄想。

 切子の描写する地方都市 豊川の青空、そこに描かれる父への想いの切なさと、彼女の影の中で育っていくどす黒い闇のコントラストが凄い脳内イメージを形成する暗黒小説。

 園子温のその映画作品の強烈さに、さらに繊細な幻想を掛け合わせた佳作です。

◆関連リンク
Ai Shinohara 篠原 愛 - Facebookタイムライン 篠原 愛 『毛深い闇』装丁

"映画監督・園子温さんの小説『毛深い闇』の装丁に、自分の油彩作品を使って頂きました。河出書房新社さまより発売されています。"

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Ai Shinohara/篠原愛(公式HP)
 こちらにアップされているトップ画像を引用しましたが、素晴らしいです。

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2017.02.15

■感想 大童澄瞳『映像研には手を出すな!』第1巻

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「映像研には手を出すな! 1」第1話 試し読み  小学館公式

    " アニメは「設定が命」の浅草みどり、カリスマ読者モでアニメーター志望の水崎ツバメ、金儲けが大好きな美脚の金森さやか。
   ダンジョンへ、戦場へ、宇宙へ--想像の翼を広げて、電撃3人娘が「最強の世界(映像)」を創り出す!    

 「月刊!スピリッツ」連載時よりSNSで「すげえ漫画が始まった!」と驚異の拡散!

〈 編集者からのおすすめ情報 〉
ドラえもん、宮崎駿、そしてザリガニが好きな方、設定・世界観・背景フェチの方には絶対刺さります!

第1話 最強の世界 第2話 映像研、爆誕す!
第3話 無給! ブラック・パラパラ漫画 第4話 映像研の災日
第5話 手間を減らして派手にしろ!! 第6話 1日48時間労働の危機
第7話 鉛筆を強く握れ! "

 サンプル 第1話がリンク先で読めます。波長があった人は是非1月に出た第1巻を読んでみてほしい。

 スーパーアニメ一ターを目指す少女たちの物語。タイトルの「映像研」に同じ映像研仲間として、強烈にシンパシィを感じて(^^)、第1巻読んでみました。

 途中、たとえば「井上さんが作画監督のアニメが今日から始まるんだ!」というセリフがあったり、作画ファンにも堪らないくすぐりが随所にあります。もちろんこの名前は、カリスマアニメーター井上俊之氏のことではないか。そして「映像研」の名に相応しい物語が展開する。

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 人物はアニメ的な省略の効いたデザイン。そして背景がとても凝っていていい。右引用画に示すように『ブレードランナー』風のデッドテックなイメージとジブリの構造物との融合体的なアニメファン、SFファンの郷愁を誘うテイストになっている。

 また物語は、舞台となる柴浜高校(この名前がまたレトロ! 落語ファンの琴線もさすりますw)で、新設された同好会である、映像研究会が校内の予算獲得に向け、短篇アニメを制作するところから始まる。

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 部室の確保から、ストーリー、設定、キャラクター、イメージ画と物語の進行とともに制作過程が刻々と描かれる。主人公達がそれらをイメージする時に、芝浜高校は未来都市になり、部室の椅子が宇宙機になり、浅草みどりがお年玉をはたいて買ったリュックは、生命維持装置に変わる。学生生活の部活動の夢想が広く宇宙にまで羽ばたく気分が、漫画の媒体で最大限活きていて、あの高校生独特の精神世界が見事に活写されている。

 第1巻の途中で主人公が宮﨑駿監督『未来少年コナン』を観るシーンがある。まさに本作は『未来少年コナン』の直系の雰囲気を醸し出しており、若いファンだけでなく、往年の宮崎ファンにも優しいw、広い世代の漫画映画ファンに受ける絵柄と物語になっている。特にメカデザインの丸っこさは、コナンメカを彷彿とさせる。

 また何回か出てくる「面白くなってきやがった」というのは言わずもがなの『カリオストロの城』からの引用かとw。

 この漫画家の名前 「大童澄瞳」、ペンネームと考えられるが、字義を考えて眺めてみると、まさに『未来少年コナン』直系、漫画映画の明日を担って頂ける素晴らしい名前ではないだろうか。

 このまま人気が拡大して、スーパーアニメーター達によるテレビアニメ化/漫画映画化されることを望むものである(^^)。

大童澄瞳氏 対談!!
【単行本発売記念】大童澄瞳×りょーちも、魂のアニメ対談!【映像研には手を出すな!】 - コミスン(comic soon)

"大童 母が、「ルパンは緑まで」「ウルトラマンはセブンまで」という感じの人で。怪奇大作戦みたいなのが好きで、僕からの着信音はレッドキングで、姉からの着信音はバルタン星人っていう......。

ちも なぜこういう作品を作るようになったのか、すごく感じるところが多いです。全体としては、すごい昭和なんですけど、舞台がどこなんだろうというのがわからなかったので、この人はどういう時空を生きているんだろうって。
大童 高校時代には、後輩から「あなたは第一世代オタクのコピーだ」って言われました。
ちも それを断言できる後輩もおかしいよ!(笑)

大童 僕は玩具をあまり買ってもらえなかったので、子供用のハンガーをメーヴェに見立てて、モモンガのぬいぐるみを載せて『風の谷のナウシカ』のコルベットに追いかけられるシーンを......てれれってってて~♪というのをずっとやっていて。"

 なんとりょーちも氏との対談! そして大童氏のルーツが語られる。
 素晴らしいお母さんをお持ちのようです! まさに直系!

◆関連リンク
大童澄瞳 - Wikipedia
 23歳にしてこの漫画映画スピリッツ、素晴らしいです。
大童澄瞳:単行本発売中 (twitter)
デンノー忍者こと大童澄瞳です。 - ザリガニを釣れ!
 ブログだけれど、まだ記事は2つだけです。
「デンノー忍者」のプロフィール [pixiv]
 オリジナルのイラストが多数見られます。
想像力が暴走する、アニメ制作JK青春冒険録! 大童澄瞳『映像研には手を出すな!』/アニメ評論家・藤津亮太のアニメな?マンガ【第4回】

大童 澄瞳『 映像研には手を出すな! 1』(Amazon)


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2017.02.13

◆感想 宮﨑駿監督『風立ちぬ』 白い服の少女と漫画映画監督の救済、その完結

 前回の記事で書いた宮崎駿の作品モチーフとして描かれ続けている「白い服の少女の救済」について、『風立ちぬ』との関連で思うところあり、以下、記してみます。

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 何度目かの『カリオストロの城』がテレビ放映された昨年末に、ラストまで目が離せなくなって、十数回目を観てしまった。
 そのラスト。テーマ的にも、宮崎駿終生の「白い服の少女の救済としての浄化」を最も高度に描き出した傑作であると再確認。

 宮崎駿のこのテーマについては過去にこんな記事を本ブログに書いた。

■BS アニメ夜話 『カリオストロの城』

" 白い服を着た少女について。
 『宮崎駿の原点―母と子の物語』という大泉 実成が書いた本の中に非常に興味深い宮崎の子供時代のエピソードがある。あまりに後の作品にピッタリはまりすぎてかえって嘘くさく思えるエピソードなのだけど、、、。

 手元に本がなく記憶で書くけど、東京大空襲の中で宮崎家の自動車に乗せてほしいと言われたが、もう上院に余裕なく助けられなかった少女。
 それが原罪となって、全ての宮崎作品の感情的描写の根底にあるように思います。死んでしまった少女が持っていた無限の可能性。宮崎の描く少女(女性)のキャラクターは、その生きられなかった未来の可能性の一つ一つの姿なのかもしれません。

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 そしてその少女の救済、それが最も昇華した形が、『カリ城』のクラリスと『未来少年コナン』のモンスリーを描いた「大津波」(白い服ではないが、、、)。

 どちらも記憶の中の少女の姿がキービジュアルとなり(それは空襲の業火の中で宮崎の心に焼き付いた空襲で死んでしまったかもしれない少女の姿)、物語の中でその記憶の少女の成長した後の浄化を見事に描き出しています。"

 宮崎駿の映画で、この戦火/災害の業火の中に佇む白い服の「少女の救済」がそのテーマの中心にいることは数々の作品で明らか。上に挙げた以外にも、「さらば愛しきルパンよ」『風の谷のナウシカ』「On Your Mark」『ハウルの動く城』『もののけ姫』等々、監督作以外にもテレビや映画のシーン担当としても同様のテーマは枚挙にいとまがない(一度いつかしっかり確認し、まとめてみたい)。

 あと宮崎が漫画映画を志すきっかけとなったと言われる『白蛇伝』の主役もまさに白娘なのである。

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 この文脈で考えた時に長篇最後の作品『風立ちぬ』は、大震災の業火の中で助けた「白い服の少女」と主人公を描いた物語となっている。

 主人公の飛行機設計者堀越二郎は、その設計工房がまるで初期の長編漫画映画スタジオのように描かれていることから、おそらく監督自身を模したキャラクターなのであろう。

 そして『風立ちぬ』では、今までの宮崎作品で描かれなかった監督を模した主人公と白い服の娘、その二人の結婚と後の別れまでが描かれる。
 ついに結ばれ、そしてそのラストは、当初の絵コンテでは死んだ妻が迷宮から「来て」と呼びかけ主人公がそこへ旅立つはずだった物語構成だった。

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 大空襲の中で死んだ少女と一緒になり、そして彼女の元へ宮崎が赴くことを(物語として)ついに決意したかの様に描かれた『風立ちぬ』。

 それは宮﨑駿という一貫して「白い服の少女の救済」を描いてきた漫画映画監督自身が、その終生のテーマの集大成を意図して、まさに最期の作品として構想された作品と考えることができる。

 出来上がった作品は、ご存知のようにそのラストは国民作家のエンターテインメント作品として、あまりにブラックなセリフは一文字改変され「来て」が「(貴方は)生きて」と変更されている。

 これにより当初の意図の、白い服の少女との迷宮への旅立ちという、宮崎監督自身の思いを微妙に離れ、その監督の救済を描くことになってしまったという皮肉なオチにも受け取れます。

 まさにこれこそ作家の「業」。

 というわけで、終生のテーマに一応のピリオドを打った監督が、今まさに構想しているという長編次作で何を描くのか、期待してます(^^;)。

◆関連リンク
・当ブログ記事 宮崎駿監督『ハウルの動く城』と少女の救済

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2017.02.10

■感想 荒川格ディレクター NHK『 終わらない人 宮﨑駿』70分版

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70分版、未公開シーンあり。 宮﨑 駿に再び火がついた!
♢終わらない人 宮﨑駿 |NHK_PR|NHKオンライン

宮﨑さんのインタビューが追加され、感情の動きがより感じられる内容となっており、番組の試写を見た人いわく「宮崎さんの気持ちがよりわかった」とのこと。番組担当の荒川格ディレクターも、「Nスペとはひと味変えて、“宮﨑駿”がいかに蘇っていったか、 宮﨑さんの感情とともにわかるように作っています。」とコメント。

 未公開シーン追加版、「毛虫のボロ」現場での宮崎駿の制作者としての闘志が燃えてくる過程の生々しい記録としても、十分に面白いのだけれど、今回も僕が注目したのは、新しい長編企画に関する部分。

 このドキュメンタリーでは、ドワンゴのディープラーニングAI CG作画を観て「生命への冒瀆だ」とコメントした後に、長篇企画が始まってる様に見える。
 そして宮﨑駿の「触れてこなかったものに挑む」という発言から、『ナウシカ』漫画版7巻のテーマにアニメーションで挑むのではないかと邪推してしまった。

 つまりあれだけ生命の実像を描いてきた宮崎アニメの現場に近いところにいながら、その核心部分に対して「冒涜」するような映像を見せるジブリ中心スタッフである川上量生プロデューサー見習いの所業。それを見た宮﨑駿の絶望感はいかばかりのものか。「毛虫のボロ」でCGに触れ、恐らくその理解の延長で川上AI CG提案を見たであろう宮崎。その時の気持ちから、新しい長篇を作らなくてはいけないのではないか、という想いがメラメラと燃えてきたのは想像に難くない。

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 「生命への冒涜」に対して、最も宮崎が清濁併せ持つ「生命存在」を描き切った自作『風の谷のナウシカ』漫画版7巻を想起したのではないか、というのもあながち邪推と言い切れない、と『母をたずねて三千里』『未来少年コナン』からの、40年来の宮崎ファンである僕は直感的に思うのだ(^^)。

 もし長篇企画が本当にそれなら、これはとんでもない挑戦になりますね。世界でも稀代の、生命の本質に迫ったあの20世紀SFの最高傑作の一本『風の谷のナウシカ』漫画版7巻の映画化。

 そうか、場合によっては庵野秀明との共同監督の手もあるかも!(妄想ですがw)。
庵野があの『風の谷のナウシカ』漫画版7巻の映像化に熱心な気持ちを持っていることはいくつか語られている(主にジブリ鈴木敏夫Pとの対話とか)。

 もしそんな企画が現実になったら、宮﨑駿の漫画映画人生はまさに素晴らしい大団円となる気がする。『風立ちぬ』が戦時中の、宮崎の「白い服の少女」という創作のネガ→ポジ 根本モチーフに終幕をもたらしたものなら、この『風の谷のナウシカ』の新作は、宮崎生命観のクライマックスを描写するのに最もふさわしい。

 この妄想が妄想でなく実現することを、究極映像研は今後の宮崎新作の行方を見守っていきたいと思う(^^;)。

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2017.02.08

■感想 スコット・デリクソン監督『ドクター・ストレンジ』DOCTOR STRANGE


25 DOCTOR STRANGE Facts You Must Know - YouTube

 『ドクターストレンジ』IMAX 3D 字幕版を109シネマズ名古屋で観ました。

 最初にストレンジが見る時空のねじれシーンが凄かった。『2001年 宇宙の旅』リスペクトなシーンにかぶる眼や手が増殖した奇想映像がIMAXの大画面に立体映像として炸裂!ここと後半の香港の街の破壊の超絶映像だけでも観る価値がある映画かと思う。

 3D効果もなかなかのもので、かなり画面手前に飛び出るような演出もあり、立体映像ファンとしても満足。奥行きの彼方まで続く立体視空間、惜しむらくはそれぞれのシーンがすごいスピードで動いていくため、立体視でじっくりと画面全体を堪能できないところ。予告篇にもある、街が立体的に縦横高さ方向に積み木細工のようにうごめくシーン、ここはじっくりと隅から隅までその空間を堪能したいものです。

 そうした映像の出来に対して、残念ながら、物語はその奇想を支えきれず、映画全体としてはマーベルでは平均点くらいの作品だったかな、と。

 あとこの奇想映像技術があれば、神林長平『猶予の月』等現実改変奇想SFの映像化も可能ではないだろうか。
 そしてこの映画のレビューは、是非ともイアン・ワトスンにお願いしたいものです。

 最後に109シネマズ名古屋に苦言。今回、3Dはまたもや字幕版のみ。
 せっかくの大画面での3D効果が台無しなので、3D吹替え版での今後の上映を切に望みます。

◆関連リンク


Behind the Magic: Creating the Mirror Dimension in Doctor Strange - YouTube
 あのシーンのメイキング。

3D3D3D -ステレオ3D情報ブログ- : 「ドクター・ストレンジ」 3D初見レビュー
スコット・デリクソン監督(wiki)

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2017.02.06

■写真 「名古屋駅前 スパイラルタワー 他」@ 簡単パノラマVR写真 | Entapano VR

Entapano VR butfilp(究極映像研究所)

 VR写真を1ショットで撮れるカメラ Entapano 2 のモニタ品を株式会社インタニヤさんからお借りしたので、撮影したVR写真の第2回目のご紹介。
 上記リンクに僕が撮影したVR写真が掲載されています。
 アップデートしたのが、スパイラルタワー 他の名古屋駅前の光景。

魚眼レンズ一体型カメラ Entapano 2| Entaniya

"Entapano 2はシャッターボタン1つで水平視野250°の超広角な魚眼写真を撮影できるカメラです。 たった一枚の写真で目に入る全ての景色を写すことができます。

Entapano 2で撮影した写真は「Entapano VR」に登録すると グルグルと動かせる臨場感たっぷりのパノラマ写真として楽しめます。"

 この写真は、マウスで操作すると周辺画像が見渡すことができます。
 スマホでアクセスすれば、スマホを持つ角度を変えるだけであたかも周囲を見回している感覚で画像が動きます。

 今回は前回の水平方向にグルグル回せるパノラマ写真に加えて、上空を中心に光景を見渡せる画像も追加してみました。

◆関連リンク
簡単パノラマVR写真でPR | Entapano VR モニタ募集 200名までとのことです。まだ現時点では受け付けられていますので、興味ある方はリンク先で詳細確認を。
ENTANIYA コンパクトデジタルカメラ 超広角魚眼レンズ一体型カメラ Entapano 2(Amazon) こちらでカメラが発売されています。

・当ブログ前回記事 情報 簡単パノラマVR写真 | Entapano VR

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2017.02.01

■情報 押井守監督 “Sand Whale and Me” 『スナクジラと私』


Mamoru Oshii's "Sand Whale and Me,"

"A female paratrooper. A the distant future. A vast desert. With limited supply of food and water, her only hope is to catch a Sand Whale from a pack. Catch the trailer for “Sand Whale and Me,” a 25 minute, 5 part short film from legendary director Mamoru Oshii (Ghost in the Shell, Patlabor) and Production I.G. Premiering in Toonami on March 18th!"

Toonami Streams Trailer for Mamoru Oshii, Production I.G's 'Sand Whale and Me' Micro-Series - News - Anime News Network.

"The series will premiere on March 18 to celebrate Toonami's 20th anniversary. Toonami describes the project as a 25-minute, 5-part short film."

佐伯日菜子 主演 押井守監督先品の最新動画公開されました!: 佐伯日菜子NEWSブログ.

"佐伯日菜子 主演、押井守監督作品『Sand Whale and Me』、アメリカのテレビCARTOON NETWORK「Toonami」20周年記念作品の5本のショートムービーが2017年3月18日よりオンエアされます!"

押井守 情報サイト 野良犬の塒 - 検索結果

"公開は北米3月18日で、タイトルは『Sand Whale and Me(スナクジラと私)』。『真・女立喰師列伝』『アサルトガールズ』に出演した佐伯日菜子氏のほか、やはり『アサルトガールズ』に出演した藤木義勝氏も出演。音楽は川井憲次氏。撮影は『アサルトガールズ』と同じく大島で行われているとのことです。"

 押井守監督のTOONAMI(カトゥーンネットワーク)向け短篇の予告篇と関連情報です。「25分で5本のショートムービー」なのか「25分×5本」なのか不明ですが、英語の紹介文からは「25分で5本のショートムービー」ということなのでしょうか。

 サンド・ホェール:砂クジラの迫力ある映像が観られますが、どこからが新作か。

 主演の佐伯日菜子さんのブログだと「ロケ地からのファーストメッセージ」と新作として撮られている部分があるようです。

 「アサルトガールズ」(70分)より追加されてそうで楽しみです。
 下には押井監督のロケ地(大島)でのコメントのようです。

Toonami Facebook

"Presented in a hybrid live action/CG style, "Sand Whale and Me” is the story of a female paratrooper in the distant future who is stranded in a vast desert. With limited supply of food and water, her only hope is to catch a Sand Whale from a pack. If she can’t, her life may just hang in the balance."

◆関連リンク
押井守監督は、この15年で何を見て感じてきたのか? | アニメイトタイムズ

"「映像作品にとって、絵コンテの有無」に対して、監督はどう考える!? ──『ガルム・ウォーズ』を経験して、押井さんの撮り方も変わったんですか?

役者との付き合いもかなり変わったし、撮り方も変わった。撮り方でいえば『TNGパトレイバー』(2014年)(*8)が一番の転機になった。「絵コンテなんて絶対切らないぞ」って、カットで撮るのをやめた。『TNGパトレイバー』では、最初にセットの中で役者さんの好きに芝居してもらった。「台本読みながらでもいいから」って。それをじっくり眺めて「じゃあ、カット割りを発表します」と毎日その場で決めていった。キャストを眺めている間に、与えられた条件で、どうカットを決め撮影するかを考える。なので、カメラを置く場所も瞬間的に決める。これをやりだしたら、めちゃくちゃ楽しくて、やめられない。だって日々自分が試されているんだもん。まあ、『アヴァロン』(2001年)(*9)までは、鉄のコンテ主義でやってたんだけどね(笑)。"

 12月に公開された記事ですが、読んでなかったのでシェア。
 演出方法の変遷等、興味深いインタピューです。
 先日紹介した『シン・ゴジラ』での庵野総監督演出と通じますね。



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2017.01.30

■分析 新海誠監督『君の名は。』大ヒット要因?、中島みゆき「糸」のカラオケランキングとの関係


【君の名は。】糸【MAD】 - YouTube

◆『君の名は。』大ヒットの要因
 先日、同窓会2次会でカラオケ行って驚いたのは、ランキングで中島みゆき「糸」が5位に入っていたこと。中島みゆきの歌の中でもそれほど大ヒットしたわけでもないのに、なぜ、今??
 調べてみると昨年の年間で2位、そしてここ数年上位が続いているらしい。

ジョイサウンド年間ランキング 2016年 2位2015年 3位2014年 13位

歌唱した年代別比率(2015年)。20-50代に満遍なく分布。

 で、直感的に思ったのが『君の名は。』大ヒットとの関係。
 RADWINPSやSNSによる要因だけでは考えられないビッグヒットになっている底流に、この「糸」のカラオケランキングに現れている日本人の心象が関係しているのではないか。

 もちろん通底するのは運命/結びつき/糸。
 どこかで運命的なつながりに関する情動が現在日本人の底流に横たわっているのかもしれない。相関関係の証明は難しいが、おそらく無関係ではないだろう。カラオケという一つの気持ちの表現の場で、売れている曲から、今後の映画作品のヒントを得る、というのは無意味ではない気がする。カラオケマーケッティング(^^)。

 なーんて妄想をしながら同窓会仲間と「糸」を熱唱した夜、でした。
 探してみたらそういう分析はネットにはないのですが、いろいろと作られている『君の名は。』MADにばっちりのものがありましたので、ご紹介。ヴォーカルは中島みゆきのものではないのでけれど、なかなか良いです。

◆関連リンク
君の名は ヒット 要因 - Google 検索
■感想 新海誠監督『君の名は。』

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2017.01.25

■感想 庵野秀明責任編集『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ : The Art of Sin Godzilla』取材、執筆/氷川竜介、中島紳介、木川明彦

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庵野秀明責任編集『 ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』

『シン・ゴジラ』公式記録集 ジ・アート・オブ シン・ゴジラ - 監督・庵野秀明自らが編集した『シン・ゴジラ』の詳細全記録集が、豪華ハードカバー上製本で発売決定!:EVANGELION STORE

"【収録内容】
・庵野秀明ロングインタビュー(本書のみの独占掲載)★7万字以上の大ボリューム!
・主要スタッフインタビュー
 樋口真嗣、尾上克郎、前田真宏、竹谷隆之、鷺巣詩郎、山内章弘、佐藤善宏、佐藤敦紀、大屋哲男、山田康 介、林田裕至、佐久嶋依里、山田陽、野口透、稲付正人、三池敏夫、摩砂雪 他
・『シン・ゴジラ』はこうして作られた!
 庵野秀明による企画メモやプロット、脚本(準備稿、決定稿、最終決定稿)、各クリエイターのデザイン画やイメージボード等を網羅して収録
・前田真宏による『シン・ゴジラ』デザイン画
・竹谷隆之による『シン・ゴジラ』雛型写真
・メイキングスチルによる撮影現場紹介
・ゴジラをはじめとするCGモデリング画像
・美術セット、特撮用ミニチュアその他劇中登場アイテム
・ポスター、チラシなど広告媒体、サントラCD、エキストラ参加記念品など関連アイテム
・完成台本(関係者配布用製本と同仕様)を別冊付録で同梱
・描き下ろしイラストポスター(前田真宏、鶴田謙二)封入
監修/カラー、東宝"

 年末に出た560ページという大部の記録全集『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』をやっとw読了したので、その感想です。
 冒頭の写真はカバーを広げたところ。ゴジラの長い尾をカバー全面を使って、ダイナミックに見事に表現しています。下は怪しい本を察知して、匂いを嗅ぎにきた我が究極映像研 猫たちw。

◆総論
 前田真宏他のデザイン画、竹谷隆之の立体造形、初期プロットから完成稿、そして圧倒的な分量のインタビューで構成され、映画の成立を追った充実の記録集である。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版 全記録全集』と同様にその徹底した作品の制作過程へのアプローチが素晴らしい。

 特に今回はカラーでの初の長篇実写映画ということで、今までのアニメに対して、どう制作過程が同等/異なるのか、というところが読んでいく/眺めていく時の興味の中心だった。

 その結果は、主に氷川竜介氏によるインタヴューで明らかになっているが、特に「庵野総監督の今回の演出が絵コンテ、プリヴィズ至上主義で予め決められたレイアウトで撮影時の画面設計が決められている」と考えていた部分が大きく誤解していたことがわかった。

 当ブログ記事 『シン・ゴジラ』感想2でもそうした前提で考えていたが、これは僕だけの誤解ではなく、ネットや本で書かれている批評家、観客の多くが誤解している部分である(例えば『映画秘宝 17.3月』「秘宝ベスト&トホホ10」での町山智浩氏と柳下毅一郎氏の対談での誤解)。

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 『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』を読むと、特に実写部分は現場でiPhone含む多くのカメラでいろんなアングルから被写体(主に俳優の演技)を撮って、その多数のカットのサムネイルを使って、ベストな画角の絵を選んで行った、とある。

 実写ならではの、現場での新鮮な映像を捉える方法をとっていたわけで、その手法はアニメーションとは明らかに違う。
 単にアニメの手法を持ち込んだという、型どおりの批評が多い中、この映画は実はそうした撮影技巧含めて、実写映画(日本映画?)としてのある種の革新を成し遂げていたのではないか、と思うのだ。

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 もちろん複数カメラは黒澤明含め、すでに多くの映画監督によってとられている手法であるが、今回は機動力の高いiPhoneとかキャノンのCANON XC10とかそうしたものが普通には撮れなかったようなアングルで画角を切り取り、それが画面に躍動感をもたらし、この映画独特のルックを作っていたということ。特にインタビューで触れられていた摩砂雪氏のカメラが独特の画角と言われていて、ここはアニメの演出/レイアウトで鍛錬された摩砂雪氏独特の感覚が息づいていたのであろう。

 iPhoneの映像も全1558カット中31カット使用されているという。XC10は146/1558カット。二機種合わせて全体の11%というのはなかなかの数字。(ちなみにメインのデジタルシネマカメラ ALEXA 1018カット、RED 55カットと(P343)。)

 上記、この本の数々のインタビューとカットのサムネイル画像から、実写部分は現場での複数カメラと認識したが、特撮とCGは全てプリヴィズ通りということか、Blu-ray特別版に特典として収録されるというプリヴィズでの確認も楽しみである。

◆ビジュアル設計
 まず前田真宏氏のデザイン画が素晴らしい。
 第1形態、第5形態に加え分裂進化形態まで。制作過程で検討されたヴィジュアルイメージの数々に「もう一つのシン・ゴジラ」を体感し、ワクワク(^^)! 大判の写真で見られるのでこれだけでもこの本の価値があるかと。第5形態についての詳細、かなり当初は踏み込んだ設定があったようで、もし全部のイメージが映画に焼き付けられていたらと考えるとゾクゾクくる。

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 そしてもちろん、竹谷隆之氏の造形が素晴らしい。右の尻尾の造形はCG化せず映画にそのまま映し出されたとか。
もう美術品の域です。未来の国宝かと(^^)。

 それにしてもこんな素晴らしい造形の記録が2Dだけとは残念すぎます。こうしたものこそ、3D映像として記録し多くの人に立体物としての魅力を広めて頂きたい。

 3Dハンディカムでもかなりの臨場感ある映像として残せるので、是非ブルーレイ特典に入れて頂きたい。
 今までに彫刻等、美術品を撮って家で観るとそこにあって触れそうですから(^^)、かなりの臨場感で記録できると思う。

 私、立体映像師としてボランティアで撮影に伺ってもいいのだけれど、、、呼んでもらえないですかw。

◆庵野G/プロット改訂版(13.12月27日版) 庵野秀明、神山健治15780781_1714892585506995_823576598
 『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』に掲載された最も初期のプロットを読む。引用写真に書かれている「神山版プロット」というのも神山健治監督ファンとしては興味深いが、この掲載プロットは神山監督のクレジットが残った物。

 大きな骨格は完成作品に近い。異なるのは主人公が元総理の息子で、官房副長官から総理代行になること、巨災隊は組織されるがそれが物語の中心にはいないこと、主人公の元彼女が官僚としてGに関わっていること、博士の娘がG退治のキーを握ること。
 『SAC 2nd.Gig』での日米中関係、『東のエデン』で政治家を描いた神山監督の経験が活きている部分かもしれない。

 博士の娘、主人公の元カノ、義母等が出てくるところ、こうした部分は東宝怪獣映画テイストが残っている。こうした情の要素を落としたことで映画のテイストを変えることが出来て正解だったと思える。

 本稿でのクライマックスは放射性熱線照射&飛翔後、分裂しかけて8つの頭を持つG(まさに八岐大蛇)が米中ロの艦隊からの核ミサイル攻撃を受ける。自衛隊とGの熱緑でそれらが撃ち落とされるシーンは、まさに神山監督の前述2作を彷彿とさせる。この展開も映像化されていたら素晴しい物になっただろう。アナザー『シン・ゴジラ』を脳内再生できます。

 以上、本では文字が小さく読めなかったので、iPadで写真にとりPDF化して、拡大しながら読んでみた(^^;)。本には最終決定稿含めあと5本のプロットが掲載されている。

◆G作品プロット案修及び同2 (14.7月7-9日版) 庵野秀明
 実際の撮影を配慮したのか、上で書かれていた派手なシーンがカットされている。
 博士の娘の設定が孫娘に変更。主人公が政治家になりたくなかったが、兄の死で元総理の父親を継いだ。主人公が総理補佐官の設定。不明巨大生物の秘密を探るため、主人公が博士の息子の家を目指していたといった部分が公開版と異なる。
 核攻撃は日本の懇願で待ったがかかり、自衛隊+αによる経ロ投与によりG凍結というプロットとなっている。

◆G作品新プロットメモ2 (15.1月7日版) 庵野秀明
 かなり映画に近いプロット。巨災隊の面々が登場しない所とデテイルがまだ描れていないのが違う位。
 示唆されるゴジラが持ついろんな種の遺伝子。人のそれは「教授の可能性がある」と明記されている。
 大統領特使は祖母が被曝者である設定が出てきているが、主人公の留学時代の恋人の設定。

 あとのプロットは、ほぼ映画の物語のリファインされていく過程なので、ここでは省略。やはり冒頭の「庵野G/プロット改訂版(13.12月27日版)」のクライマックスの奇想炸裂が圧巻。前田真広氏のイメージスケッチを思い浮かべながら読むと、壮大な当初のスケール感ある物語が楽しめる。ただこれは東宝が望むゴジラからはあまりにかけ離れているのと、制作費がさらにかかるのとで、諦めざるをえなかったのではないかと邪推する。

◆庵野秀明インタビュー
 あえて観客の記憶と想像力に委ねるという発言が印象的。
 またミニチュア感による(東日本大震災の)災害イメージの軽減とか、夢と現実の境界でギリギリ夢になるようにするための、車や列車の描写とか興味深い。
 震災に対して、理想を描くエンタテインメントに終始しよう、気持ちいいもの楽しいものだけで構成したら何度でも観られるのではないか(P510)と述べられており、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』での震災の影響を真っ向から受け止めようとして悪戦苦闘した様からの、クリエータとして、吹っ切ろうとする姿勢が印象的だった。

 これを受けての『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の大エンターテインメントへの回帰(『破』の作風への回帰)を期待。完成が楽しみでならない。

 最後になりましたが、この大部の充実した映画制作ドキュメントを届けていただいた、責任編集の庵野秀明総監督、取材、執筆の氷川竜介さん、中島紳介さん、木川明彦さん、そしてカラーの編集スタッフの皆さんに感謝したいと思います。これは、怪獣映画が進化した瞬間の、貴重な記録です。必読。

◆感連リンク
「ジ・アート・オブ シン・ゴジラ」発売記念プレゼントキャンペーン :EVANGELION STORE

"庵野秀明総監督直筆サイン入り表紙カバーを抽選で50名様にプレゼント!!"

 これ、申し込もうと思ってます(^^)。

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2017.01.23

■情報 VR HMD 比較 FOVE 0 VR Headset 他


FOVE 0 VR Headset Pre-order Trailer - YouTube

"Follow Road to VR:
Twitter: https://twitter.com/rtovr
Facebook: https://www.facebook.com/roadtovr
Google+: https://plus.google.com/+RoadtoVR/"

Home - FOVE Eye Tracking Virtual Reality Headset(公式HP)

"ディスプレイ     WQHD OLED (2560 X 1440)
フレームレート: 70fps     視野角: 最大100度"

 新しいVR用HMD、ヘッドセットがこの1月に発売される。
 スペック等詳細ページは上の公式HP。購入もこちらから$599USDで可能なようです。

 解像度を他機種と比較してみた。

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 FOVE 0 VR Headsetが縦横 約2割づつモニタ解像度が高いことがわかる。この解像度なら片眼あたり、フルハイビジョンの高精細となる。

 PS VRの感想の際に書いたが、特に実写映像等の実景では、PS VRはまだ画素が荒くリアリティを損ねていた。PS VRより縦横ともに33%画素が高精細になっているので、この点は改善されているのではないか、と思われる。

 この機種の特徴である、赤外線アイトラッキングシステ等の効果も期待できそうで、今後、こうした機器の開発競争が進み、素晴らしいVRが実現することを祈るものである。

◆関連リンク
・目の動きを認識できるVRHMD「FOVE」(FOVE 0)とは | Mogura VR - 国内外のVR最新情報
・Oculus Rift、PlayStation VR、HTC Vive、買うならどれ?比較購入ガイド | Mogura VR - 国内外のVR最新情報

 上のグラフを作成するのに、リンク先のVRニュースメディア Mogura VRの記事を参考にさせて頂きました。このサイト、VRファンとしては見逃せません。

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2017.01.18

■情報 『TRIBUTE TO OTOMO: トリビュート トゥ オオトモ』 大友克洋リスペクト 展覧会と図録

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図録『TRIBUTE TO OTOMO』
講談社 公式HP

"2017年の「アングレーム国際漫画祭」開催日に、フランス版・日本版を同時発売!"

図録「TRIBUTE TO OTOMO」岸本斉史、貞本義行ら約80名が参加 大友克洋の世界を描き下ろし | アニメ!アニメ!

" フランスで開催される「アングレーム国際漫画祭」開催日である2017年1月26日に発売される。この「アングレーム国際漫画祭」は、フランスのアングレーム市で行われるバンド・デシネのイベントで、1974年より開催されている歴史あるマンガの祭典だ。

 浅田弘幸、江口寿史、五十嵐大介、上條淳士、桂正和、岸本斉史、松本大洋、望月峯太郎 村田蓮爾、弐瓶勉、貞本義行、士郎正宗、田島昭宇、高野文子、竹谷隆之、谷口ジロー 寺田克也、浦沢直樹、吉田戦車とマンガ家からイラストレーター、キャラクターデザイナーと幅広く、ジャンルも様々だ。B4サイズ168ページというボリュームで、価格は5,000円(税別)である。"

 フランスの「アングレーム国際漫画祭」にて展示される大友克洋のトリヴュート展について情報をまとめる。まず冒頭のリンクは、講談社で出版される日本版図録。
 そして「アニメ!アニメ!」のサイトには日本人の参加作家の紹介がある。
 全員で80名の作家が参加しているということだが、そのうちの日本人が上記引用。
 次に「アングレーム国際漫画祭」の展示会場風景とフランスを中心にした海外作家の紹介。

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【展覧会】TRIBUTE TO OTOMO 大友克洋オマージュ展
- アングレーム国際漫画フェスティバル 日本語ブログ【公認】

"参加作家リスト

Virginie Augustin, Bannister, Dominique Bertail, Matthieu Bonhomme, Aleksi Briclot, Francesco Cattani, Lorenzo Ceccotti, Merwan Chabane, Olivier Coipel, Luigi Critone, Simone D’Armini, Ludovic Debeurme, Benoît Feroumont, Manuele Fior, Juan Gimenez, Joël Jurion, Jean-Philippe Kalonji, Viktor Kalvachev, Nicolas Keramidas, 金政基(キム・ジョン・ギ ), Olivier Ledroit, Stéphane Levallois, Li-An, Liberatore, Julien Loïs, Vincent Mallié, Dilraj Mann, Stan Manoukian, Thierry Martin, Laureline Mattiussi, Hugues Micol, Timothée Montaigne, Nicolas Némiri, Vincent Perriot, Gloria Pizzilli, Victor Santos, Stan Sakaï, Otto Schmidt, Guillaume Singelin, 谷口ジロー, Lucio Villani, Vince

展覧会の図録『TRIBUTE TO OTOMO』シリアルナンバー入り限定999部、表紙は大友克洋による描き下ろしイラスト(27.5 x 32cm、88ページ、29ユーロ)がフランス版『AKIRA』発行元のグレナ社が出版、同社が運営するパリのギャラリー Galerie Glénat で2月2日から販売。 なお、出品イラストは6月8日〜28日、パリ・Galerie Glénat で展示・販売される予定。"

 図録はシリアルナンバー入りの999部限定版と普及版があるようだ。
 限定版はパリのギャラリーでの販売のみのようであるが、詳細はGalerie Glénat公式サイトあたりで探してみるしかないです。フランス語なので私はお手上げ(^^;;)。

 次に引用したのは、展示会の様子を紹介した公式動画。
 これは日本でもぜひ開催して欲しいものです。
 

FIBD2016 - Hommage à Katsuhiro Otomo - YouTube

 現時点でネットで観られるトリビュート作品は以下のギャラリーの絵画販売サイト(今は購入できないようです)と、Google画像検索で確認ください。
Votre recherche pour otomo - Galerie Glénat
 グレナギャラリー 絵画検索「OTOMO」。

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TRIBUTE TO OTOMO - Google 検索
 なかなか興味深い絵があります。

『TRIBUTE TO OTOMO』(Amazon)
 1/27の発売は、Amazonでも扱いがあります。

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2017.01.16

■感想 黒沢清監督『クリーピー 偽りの隣人』


黒沢清監督『クリーピー 偽りの隣人』予告編 - YouTube

 黒沢清監督『クリーピー 偽りの隣人』ブルーレイ初見。
 日本のどこにでもある住宅街を舞台に、黒沢節が炸裂し、異常な不安感に満ちた映像描写が素晴らしい。

 ストーリー運びやキャラクタのセリフの不自然さ等、通常の作品批評の文脈で観ると荒く感じる部分がいろいろとある。しかし黒沢が描きたいのは恐らくそんなものでは決してない。この作品が描きたいのは冒頭で述べた異常な不安感を、映像として写し込み、映画館の観客を異次元に運ぶことだけである。そのために必然的にいびつに描かれる物語とキャラクターと映像演出、そして音楽。

 主要人物を描写する、その背景にいるエキストラの動きに顕著だけれど、隅々までその不安感を観客の無意識に対して叩き込むような映像描写になっている。照明と風とカメラの視点移動。恐ろしくスクリーンの奥から響いてくる音楽と音響。

 精神的に歪んだ隣人を中心にして、人間のいびつさをこれでもかと描くテーマの映画で、映像と音響が最大限の効果を発揮する様が見事にこのブルーレイに焼き付けられている。

 従来、安易な映像批評は、文学に対して映画は目の前に固定した画像を提示してしまうために、文学の想像力に及ばない、と言ってしまうことがある。だけれども文学が直接的に文字で表現する心象を、映画はこうした映像と音響で観客の想像力に委ねる比率が高いため、容易に文学を凌駕する場合がある。

 この黒沢映画は、まさにそんな一本である。

◆関連リンク
・当ブログ記事 黒沢清 関連 検索

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2017.01.11

■感想 瀬下寛之総監督 安藤裕章監督『亜人』


TVシリーズ「亜人」第2クール番宣CM(angela×fripSide) - YouTube

 瀬下寛之総監督 安藤裕章監督『亜人』第2クール、終わりましたね。素晴らしい緊迫感溢れるシリーズでした。

 第1クールが亜人の生態と永井と佐藤の非人間性を中心に描いたのに対して、今回は日本(米国),永井 VS 佐藤の戦いに集約して虚々実々の肉弾戦兵器戦を見事に描ききってました。

 クライマックスの盛上りも秀逸で、第3クールへの引きも充分。毎週テレビでこれだけの迫力を注入されると、このシリーズのない日常はアドレナリンが足りず耐えられません(あの音楽は麻薬的)(^^;)。

 今日、桜井画門の原作漫画8,9巻を読んだのだけれど、テレビシリーズの方が、物語演出ともに相当上を行っている感じ。攻めと守りの頭脳戦とその規模の拡大でアニメ版のスケールが凄い。

 加えて大友克洋似の桜井漫画描写も良いのですが、ポリゴンピクチャーズの作画が素晴らしい。亜人という非人間を描くテーマに、セルルック3Dアニメのリアルな人体描写と少しだけ自然でない動きが見事にマッチしている。
 作画のレベルで考えると、2D手描き作画の沖浦啓之、本田雄といったスーパーアニメーターと呼ばれる方々の硬質な人物の動きに少し近いような気がする。それがコンスタンスに作成されているこの手法の今後の発展に期待です。

 来年はこのスタッフ+脚本虚淵玄による『GODZILLA』の登場。見逃せません。

◆関連リンク
CGプロダクション向けフィニッシングセミナー~ポリゴン・ピクチュアズ 『亜人』メイキング、FlameとSmokeでクオリティアップ~ | Meet the Experts オートデスク ウェビナー | AREA JAPAN

"2016 年 9 月 2 日(金)に開催した「CGプロダクション向けフィニッシングセミナー~ポリゴン・ピクチュアズ 『亜人』メイキング、FlameとSmokeでクオリティアップ~」をオンデマンド配信でご覧いただけます。

CGプロダクションの皆様向けに、ポリゴン・ピクチュアズ ショット部エディットグループのクリエーターの方をお招きして、Autodesk Smokeを活用したアニメ『亜人』のメイキングについてご紹介します。
12 月 15 日(木)までの限定配信となりますので、お早めのアクセスをお願いします。 皆様のご視聴を心よりお待ちしております。"

大ヒット公開中『亜人 -衝動-』FXスーパーバイザー秋山知広氏による3DCG<エフェクト×Houdini>メイキングセミナーを開催|デジタルハリウッド株式会社のプレスリリース.

"■秋山 知広氏/FXスーパーバイザー (デジタルハリウッド[専門スクール]卒業生) 1979年生まれ。ポリゴン・ピクチュアズ所属。2006年よりFXグループリーダーとしてチームを束ねながら、エフェクトスーパーバイザーとして多くの映画、TV、ゲーム映像などの案件に関わる。 代表作は「ストリートファイターⅣ」「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊2.0」「Tron: Uprising」など。 最新作の 劇場アニメ3部作 第1部『亜人 –衝動-』では、形状が常に変化し続ける特殊なキャラクター<IBM>のアセット開発と、Houdiniパイプライン開発を担当した。"

Shotgun がプロジェクトを救う:第6回:国内導入事例を徹底取材 Case3:ポリゴン・ピクチュアズ 〜インハウスツールをShotgunへつなぎ、大量データの一元管理と二次利用を実現〜 | 連載 | CGWORLD.jp.

"TVシリーズのような大型プロジェクトは、膨大な量の情報やデータを扱います。1エピソードの平均ショットが300として、1期12話でショット数は3,600、アセットも何千という数にのぼります。それらを管理するため、SVとPMたちが各々の立場で工夫を重ねてきたので、多種多様な使い方、見え方のGoogleスプレッドシートが生まれました。"

CGWORLD (シージーワールド) 2015年 12月号 vol.208 (特集:アニメ『亜人』、達人たちのコンポジットワーク) | |本 | 通販 | Amazon.

"第1特集 アニメ『亜人』 11月より劇場3部作の第1部が公開、また来年1月よりTVシリーズの放映も予定されている一大アニメプロジェクト『亜人』。 決して死ぬことのない亜人と人類との戦い、亜人のもつ特殊な能力「IBM」の表現など映像化は困難と言われていた本作のアニメ化に、『シドニアの騎士』シリーズで国産アニメCGの新たな可能性を示したポリゴン・ピクチュアズ(PPI)が挑む。 Direction&Production Design 企画・演出・プロダクションデザイン Production Pipeline プロダクションパイプライン Part 1 キャラクターデザイン Part 2 ストーリーリール Part 3 アニメーション Part 4 エフェクト Part 5 背景"

単行本発売記念】大童澄瞳×りょーちも、魂のアニメ対談!【映像研には手を出すな!】 - コミスン(comic soon)

"ちも 『亜人』を作ったときに確信めいたものがあって。いままでアニメを作っていて、こう撮りたい、ああ見せたいというのしかなかったんです。『亜人』では、このシーンにはカメラを何台もっていく、このロケ地に何台カメラを用意できるかという発想を獲得できたんです。実際にそのシーンを撮る時のリアルが今までなかったんですよ。絵だからどうやっても録れたんです。それが限られたカメラを考えて配置して、それで撮ったものを編集すると、かっこいい。アニメ関係ない!かっこいいって。

大童 『亜人』を観たときに、いままで観ていた日本のCGアニメと違うところで、別の何かが動き出したなって。

ちも あれは、実写のドラマがアニメに進出したような感じの視点の設計で見たんですよ。どちらからでもアニメは作れるよ、アニメは見せ方のただの副産物ですよという方向性が仕掛けられたので、この方法は攻めれるぞって。"

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2017.01.09

■情報 簡単パノラマVR写真 | Entapano VR

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魚眼レンズ一体型カメラ Entapano 2| Entaniya

"Entapano 2はシャッターボタン1つで水平視野250°の超広角な魚眼写真を撮影できるカメラです。 たった一枚の写真で目に入る全ての景色を写すことができます。

Entapano 2で撮影した写真は「Entapano VR」に登録すると グルグルと動かせる臨場感たっぷりのパノラマ写真として楽しめます。 パノラマ変換サービスのEntapano VRは無料でご利用いただけます"

 VR写真を1ショットで撮れるカメラ Entapano 2 のモニタ品を株式会社インタニヤさんからお借りしたので、その使い心地と撮影したVR写真をご紹介します。

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Entapano VR butfilp(究極映像研究所)
 こちらに僕が撮影したVR写真が掲載されています。

 現時点、近所の飛騨木曽川国定公園で手頃に撮影してきた試し画像だけなので、以下のように川の岩場という地味な画像ばかりですが、この点はご容赦ください(^^;)。将来的にはいつもこのブログで紹介しているような、美術展(主に立体造形物)とか建築物を撮って、掲載していきたいと思っています。

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 まずはVR写真の撮り方。
 サンプル提供いただいたカメラEntapano2で撮影した画像は、PCで読み込むと以上のように魚眼レンズにより円形のものになっています。

 Entapano VRのサイトでアカウントを登録すると(メアドのみで無料で設定可能)、上の写真をVRサイトにアップロード可能。その際に自動的にVR画像に変換してくれます。そのVR画像は以下。

 この写真は、マウスで操作すると周辺画像が見渡すことができます。
 スマホでアクセスすれば、スマホを持つ角度を変えるだけであたかも周囲を見回している感覚で画像が動きます。もちろんそのスマホをヘッドマウントセットに装着すれば、頭の向きを変えただけで周囲を見回すことが可能。

 これだけ簡易的にVR写真が撮れると今後のVRの可能性が広がりそうです。インスタグラムのような交流サイトでVR写真がやりとりされるようになると、SNSとしての臨場感が上がり、よりコミニュケーションが進むような気がします。

 ただ、自分の興味で書くと、、、今は撮れるのは2D写真のみ。僕はもともと立体写真が好きなので、いずれ近い将来、このような簡易的な方法で立体3D VR写真(もしくは動画)が撮れるようになるのを期待したいと思います。

 最後になりましたが、モニタ品貸し出しでお世話になった株式会社インタニヤの皆様に感謝したいと思います。どうもありがとうございました。次回はもう少しVRとして見栄えのする写真を撮ってきたいと思いますので、まずはご容赦ください。

◆関連リンク
簡単パノラマVR写真でPR | Entapano VR モニタ募集 200名までとのことです。まだ現時点では受け付けられていますので、興味ある方はリンク先で詳細確認を。
ENTANIYA コンパクトデジタルカメラ 超広角魚眼レンズ一体型カメラ Entapano 2(Amazon) こちらでカメラが発売されています。

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2017.01.05

■新年ご挨拶 映像悦楽共犯者

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 新年あけましておめでとうございます。

 本年も皆さんと映像の「悦楽共犯者」として楽しんでいきたいと思いますので、よろしくお願いします(^^)。

 本業が忙しくなってきて、昨年後半から、更新頻度が週一に落ちていますが、なんとか週二に復活したいと思っていますが、、、どうなりますやら(^^)。

 Facebook(奇映輝名義)ではブログ記事の卵(情報の元ネタ)を、週二以上は発信しているので、情報量は今までのブログ記事より薄いですがそのまま転載して記事数を維持することも考えたいかなw、と。

 待望のヤン・シュヴァンクマイエル新作は、今年でなく来年の予定ですが、とにかく完成に至って頂きたいものです。その前に今年は『ツイン・ピークス』新シリーズ(前作デイヴィッド・リンチが監督!!)があるので、そのあたりで盛り上がれたらいいなあと思ってます。

◆関連リンク 当ブログ記事
・情報 ヤン・シュヴァンクマイエル監督『蟲』ファーストテザー & クラウドファウンディング Jan Švankmajer - Insects 2018 first teaser & Cloud Faunding

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2016.12.28

■情報 デビッド・クローネンバーグ長編小説「Consumed(原題)」

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デビッド・クローネンバーグ監督が作家デビュー 処女小説の予告動画を公開 : 映画ニュース - 映画.com

"320ページの長編小説「Consumed(原題)」は、出版社の公式シノプシスによれば、「ソーシャルメディアの時代を背景に、恋人同士でありライバルでもあるジャーナリストの男と女が、あるフランス人哲学者の死を契機に、グローバルな陰謀のなかへと超現実的な旅に出る」というストーリー。 一方、予告編は、小説の登場人物のひとりであるブダペストの無免許医Dr.モルナーの視点から撮られた映像で、両胸をあらわにした若い女が、体のなかに虫がいるので乳房を切除してほしいと訴えるという内容になっている。"

 前回の記事で紹介したブルータス誌「危険な読書」特集で滝本誠氏が紹介されていたクローネンバーグ監督の処女小説「Consumed(原題)」。これらの記事によると、なかなかぶっ飛んだ内容の様です。
 以下リンクが、その予告篇映像。
 なかなかショッキングな映像であるため、視聴は御注意ください。


David Cronenberg: Consumed - YouTube

滝本誠氏のTwitterつぶやき

"クローネンバーグの小説『CONSUMED』、どうも東京情報が正確すぎるような気が。まるでS情報他、柳下毅一郎さんが基礎データを送信したかのような印象。"

 ますます興味深い。早く翻訳が実現し、日本語で読める日が来ることを祈りたいと思います。どうしても我慢できない方は、kindle版がすぐ入手できるので、以下リンクをご利用ください。

◆関連リンク
デヴィッド・クローネンバーグ - Wikipedia.を見ると長篇映画は『マップ・トゥ・ザ・スターズ Maps to the Stars 』(2014年)以降、予定されていない様だ。
David Cronenberg- CONSUMED presentation - YouTube
A tale of sex, technology, and murder: David Cronenberg's first novel "Consumed" - YouTube
 インタビュー。
David Cronenberg Reads From Consumed - YouTube
 クローネンバーグによる朗読。
David Cronenberg『Consumed』
 Amazon.co.jpでKindle版と洋書、購入できる様です。
William Hurt朗読CD David Cronenberg『Consumed』
 こちらもAmazon.co.jpで購入可。

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2016.12.26

■情報 ブルータス (BRUTUS) 「危険な読書」

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危険な読書 - Brutus No. 838
ブルータス (BRUTUS) マガジンワールド

" ただ共感を得られることを目的とせず、当たり前に思っていた価値観を崩壊させ、考え方やモノの見方を一変させる。そんなこころ揺さぶる「危険な読書」体験、してみたいと思いませんか?
 文筆家、小説家、書評家、詩人、ミュージシャンなどが、小説、エッセイ、ルポタージュとフィクション・ノンフィクションとりまぜて、一冊まるごと「危険な読書」について語り尽くすします。“日本で最も危険な作家”、筒井康隆の特別インタビューも。あなたの人生変えちゃうかもしれない1冊に出会えます。"

 ブルータス「危険な読書」特集。
 滝本誠×荒俣宏対談「10代で読んでおきたい異常本」おどろおどろしさ満点(^^)。
 滝本さんが中学時代に夏休みの宿題として書いたというハードボイルド『黒いバラのエネルギー』、クローネンバーグが2014年に発表した第1小説『CONSUMED』、読んでみたいものです。

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 そのほか、筒井康隆のインタビューほか、興味深い記事が満載。
 今から、読みます。

◆関連記事
危険な読書 - From Editors No. 838 フロム エディターズ | ブルータス (BRUTUS) マガジンワールド

"数年前に演劇関係の古書を多く取り扱う神保町の矢口書店にて滝本誠さんの処女評論「映画の乳首、絵画の腓(こむら)」を発掘し氏の小誌連載(「cafe noir」)を担当していることもあって取り寄せたのですがこれがタイトルに偽りなく、はたして異常な本でした。滝本さんはとりわけ狂気やインモラルをはらむ危険なアーティストや作品を取り上げ、映画、芸術、文芸、音楽といったジャンルを縦横無尽に飛び越えてはそれらの題材をあいまいな記憶でつなぎとめたかのような魔術的な原稿が魅力となっております。「映画の乳首〜」に描かれたほの暗さや淫靡めいた異常世界を後ろめたい気分で読みながら思ったものです、本はこうでなきゃ。"

 滝本誠氏はブルータス編集部のOBです。映像評論集『映画の乳首、絵画の腓(こむら)』、最高です。

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2016.12.19

■感想 ギャレス・エドワーズ監督『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』"Rogue One / Star Wars Story"


STAR WARS ROGUE ONE Final Trailer (with Darth Vader) - YouTube.

 ギャレス・エドワーズ監督『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』、IMAX 3D 前から2番目席@109シネマズ名古屋。初週の土曜18:40回、客は5割の入りでおっさんが多いw。大ヒットは厳しい雰囲気か(^^;)。

 まず総論。素晴らしいスピンオフでありプリクエル。
 前半少しすっきりしない展開だけど、とにかくクライマックスとラストで全て払拭されて、感嘆にむせびます(^^;)。
 クライマックスの宇宙戦闘シーンはシリーズ中、もしかして最長か?
 3D効果が最大限発揮されていて見事な迫力でした。今回の3Dは2D-3D変換でクレジットはステレオDで日本人の青木洋一郎氏も担当されているようだ。

 正直、前半とか人物シーンは元々の映像があまり3Dを意識した画面設計ではなかった気がして3Dとしてイマイチだったが、クライマックスの戦闘は素晴らしかった。Xウィングというのは3D素材として見栄えがしますね。そして艦隊戦から地上の基地を見下ろすカットとか、3Dによる空間の見せ方と奥行き感が素晴らしいものでした。(3Dマニアとしての欲を言うと、もっと画面手前に戦闘機とか爆煙が迫ってくる演出があってもいいかと。没入していくような3Dの撮り方ができるはずで、それにより驚異の宇宙戦シーンというのは、ぜひ映画で一度観てみたいものです。)

 それにしてもルーカスの先進性には改めて感嘆します。ほぼ40年前の作品のデザインを多用しても現代的な映像が撮れてしまうのが凄い。特に帝国軍のスター・デストロイヤーとか共和国軍の戦艦のデザイン。白を多用したシンプルな全体の形態に、巨大感を演出するデティールの表現。Xウィングはさすがに古い感じを否めないが、戦艦、タイファイター、デススター等、全く古びない素晴らしいビジュアルだと思う。

 加えて今回、自分のお気に入りはアンドロイドのK-2SO。 多くの観客が彼のファンとなったことでしょう。ちょっとシニカルなコメディリリーフが最高でした。
 劇場で後ろの席にいた白人2人組は笑い転げてました。
 目玉(?)が動いて視線から表情が生まれているのが素晴らしいです。C3POとは違うこの眼の表現がとても秀逸で、存在感に大きく貢献してました。
 で、顔が浦沢直樹 『プルートゥ』ブラウ1589に似てると思ったのは僕だけかw。


『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』セレブレーション特別映像 - YouTube
 メイキングを観ると、ブルーバックだけでなく、スクリーンプロセスを使っているのですね。確かにこの方が演者の臨場感は上がりますね。




★★★★★★以下、ネタバレ注意★★★★★★★★


 以前も一度書いたかもしれないけれど、僕は『エピソード4』初見時、実は映画のビジュアルは凄いと思ったけれど、ストーリーはもっとハードでクールな戦争映画を期待していたので、物足りなさを覚えていた。

 今回のスピンオフは、スカイウォーカー家から視点が離れたことで、必ずしもハッピーエンドで後につなぐ縛りがなくなり、ストーリーをハードに、主要登場人物たちの全員の死を前提に物語を組み立て得るため、ジェダイに憧れてフォースを持つことがなかった市井の名もなき戦士たちの悲劇の表現が可能になり、もしかしたら僕が観たかったリアルでハードにスターウォーズになっていたのかもしれない。
 もともとのこのスピンオフのコンセプトはきっとそれだったのではないかと思う。

 でも、そこで悔やまれるのは、前半。
 人物のつながり方を、『エピソード7』くらい見事に描き、感情の積み上げが丁寧だったら、このコンセプトで描かれるクライマックスがもっと素晴らしくなっていたのではないだろうか。

 ドニー・イェンの演じるチアルート・イムウェとチアン・ウェンのベイズ・マルバスのコンビで描かれたフォースを持たざるもののフォース描写。
 ムービーウォッチメン「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」でライムスター宇多丸氏が評したこの二人はドンキホーテとサンチョパンサであるという卓見。すでに消えたジェダイの騎士を信じるチアルート。そして最後には自分もフォースを唱えながら死んでいくベイズ。
 この二人がこの映画ももう一組の主役であろう。
 ジェダイなきあとの帝国の圧政に耐える市井の戦士。前半で中途半端だったこの二人の描写がもっと具体的なエピソードでうまくここらのフォースへの希望をうまく描いてあったら、このクライマックスがもっと感動的になっていたのではないだろうか。
 本来この映画が持っていたそうしたコンセプトが今後のスピンオフ版の骨格になり、さらに素晴らしい傑作が生まれてくることを祈らずにはいられません。

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