2016.09.26

■感想 デヴィッド・ブラザーズ, クリスピン・グローヴァー監督 スティーブン・C・スチュワート脚本主演『It is Fine! Everything is Fine.』


Crispin Glover Film "It's Fine" Trailer - YouTube

クリスピン・グローヴァーが金沢に帰ってくる!! カナザワ映画祭2016で「ビッグ・スライドショウ」を開催 - カナザワ映画祭主宰者のメモ帳

" 「クリスピン・グローヴァーのビッグ・スライドショウ」とは、 ハリウッド・メジャー大作で活躍する俳優クリスピン・グローヴァー。彼は、ライフワーク「ビッグ・スライドショウ」のため、自らフィルムを抱えて全米各地と欧州各国を興行。
 そして、2008年以来満を持して、今年ハリウッドから金沢まで帰って来る! ショウは、グローヴァー本人によるスライドショウに始まり、映画の上映、Q&Aと続き、サイン会で幕となる。
 これまで誰も見たことのないイメージの連続、片時も目が離せない! この機会を見逃すな!

9/24(土)
・ビッグ・スライドショウ
・『It Is Fine! Everything Is Fine.』上映
・Q&A ・サイン会"

 クリスピン・グローヴァー監督の It トリロジー第2作である本作を、カナザワ映画祭2016で観た。今回、日本での上映は8年ぶりの2度目。前回、見逃して物凄く残念な思いをしたので、今回は是が非でも、と金沢で初めての映画祭参加となりました。

 まずは参加した1日目に観た『It Is Fine! Everything Is Fine.』について。
 そして次回の記事で、参加2日目 金沢映画祭10年の歴史の幕引き作品になった It トリロジー第1作『What is It?』について感想を書きます。
 最後に、両作品上映後に実施され、1.5時間と2時間たっぷりと語られたQ&A(というかほとんどがクリスピン・グローヴァーの想いがたっぷりと詰まったトークショー)について、膨大なメモを取ったので、その内容についても別に記事として御紹介予定。

 このトークショーについては、映画の成り立ちとそのテーマがこれでもかというくらいに語られて、今回、最初に書く感想はできるだけ自分の鑑賞後の受け取り方を中心に書くつもりですが、トークの内容に影響されていることを予めお断りしておきます。

 今回この二度目の貴重な機会に参加できなかった方に、記事からこの奇想映像と語りを少しでも体感頂ければ幸いです(メモの整理に時間がかかるため来週以降の公開となります)。

◆感想 『It is Fine! Everything is Fine.』

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 噂のカルト映画初見。
 評判通り、確かに今までどこにもない奇矯なドキュメントのような映像記録であり、そしてフィクションでもある唯一無二(少なくとも僕は知らない)の映画。

 まず円形の鏡(カーブミラー)に映し出されたスティーブン・スチュアートの姿。カメラが引いていくと、鏡全体とその下に老婆の顔。手前に車椅子が倒れて顔を床に付けたスティープンの姿。
 ここのカットが、実相寺ばりのショットで、その後もトリッキーな画面レイアウトで見せる冒頭になっている。

 後の記事に感想を書くIt トリロジー第一作 クリスピー単独監督でクレジットされている "What is it?" には、こうしたショットはないので、この作品からスタッフとなった(撮影?)人の趣味か、もしくはクリスピンが実相寺を観たかのどちらかだろう(ここはジョークですw)。以上、予告篇にも一部入っているが、映像のルックとしてはこうしたトリッキーなシーンもあるものの全体のテイストは、それほど奇異な映像表現があるわけではない。

 では今までどこにもないというのは何処か。
 それは、脚本主演を務めたスティーブン・スチュワートという身体麻痺のハンディキャプを持った人物が、自らの死の一ヶ月前(正確にはトークショーで語られたが彼はクリスピンの映画の完成に自身の撮り逃しのシーンがないか、クリスピンに確認し、完成できると聞いた後、生命維持装置を止める様に入院していた病院関係者に言って撮影の一ヶ月後になくなったという。もし追加撮影が必要であるなら彼はその責任感から意地でも生き続けたであろう)、まさに命を削るようにして演じたポール・ベーカーという自身を模した人物の思考と行動である。

 思考と書いたが、彼の言葉は麻痺のせいでほとんど観客に聞き取れず意味不明。字幕は彼の言葉は全て(意味がわかる極少ない言葉も含めて)「×××」と表示される。なので実は思考は本当のところ不明で、その行動と彼の言葉をわかっているかもしれない、他の登場人物の反応を見ることからしかそれを推定することはできない。

 もしかしたら彼の思考は他の登場人物にもわかっていなかったのではないか、という解釈すら映画からは感じられる。それぞれ彼と言葉を交わす女たちは、自身のほしい答えを勝手にポールの言葉から受け止めているだけである可能性がある。そうして彼に気持ちを預けて行くわけであるが、時々挿入される彼の頭の中の妄想は、彼女らがハンディキャップの彼に持つ素朴な善意とは全く無関係の性的な妄想である。

 そして彼との性的な関係を結び、そのさなかに彼の麻痺した腕で絞め殺されていく女たち。実はこの映画、連続殺人鬼を描くミステリータッチの物語を持っていたのだ。

 そして映画の中で、スティーブンはポールとして演技であるとともに、自身としてもたぶんセックスをしている(映画はノーカットで彼の局部を写してその実態を映し出している)。
 これが初めてだったかどうかはともかく、彼はこのフィクションで明らかに自分の積み上げてきた妄想を実現しているのだ。ここが映画に異様さとして、ドキュメンタリーがドラマに深みを与えている部分である。

 映画の使用している音楽はクラシックとどこかで聴いたことのあるポピュラーミュージックを使っていて、使い方を含めて、正直斬新ではなくTVドラマ的。
 そこはトークショーで語られた様に、養老院で精神的に幽閉されたスティーブンがTVで観ていたミステリードラマをなぞっているのがもしれない。

 異様なスティーブンの妄想がフィクションと、他の俳優たちとの現実の行為による彼のリアルとしての体験によって、他のどこにもない奇矯な映像がスクリーンに現出し、観客に異様な迫力をもたらす。

 後日アップするトークショウでクリスピーからその映画としてのテーマが語られるのであるが、それはまた別の話。映画そのものの迫力とは、もしかしたら別かもしれない監督の狙ったもの。もし後日の記事も含めて、その狙いの実現とギャップの両方を体感頂ければいいのですが、、、。 

◆関連リンク
It Is Fine! Everything Is Fine. (2007) - IMDb

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2016.09.21

■情報 芸術暗黙知の言語化 「森山威男 スイングの核心ー1970年代日本におけるフリージャズの創造」

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森山威男 スイングの核心ー1970年代日本におけるフリージャズの創造 | 先端芸術表現科|Intermedia Art

" 70年代のジャズシーン、日本に出現した特異なフリースタイルとは、いかなる身体性をそなえていたのか。
 山下洋輔トリオのドラマー・森山威男本人が、若き日の実験を語り、実際の演奏でフリージャズの核心を伝える実践的講義を行います。"

KAKEN — 森山威男のフリースタイル奏法のデジタルアーカイブ作成および対話を通じた分析と考察

"ジャズドラマー 森山威男氏が「山下洋輔トリオ」在籍時に編みだし、世界的な評価を得たフリースタイルの演奏技術は、現在は継承する者もなく、当人の身体に暗黙知として埋め込まれたままとなっている。"
" 森山氏単独の演奏と分析を撮影することまでが初年次の課題だったが、それは夏に終了し、その後に予定外の山下氏・坂田氏とのデュオを収録することができ た。今回の研究目的を超えることではあるが、デュオ映像を収録したことだけでも大きな研究成果であり、音楽界にとっても貴重な貢献ができたと考える。"

 毎年参加している「森山威男ジャズナイト」で告知されていた興味深い講演。
 音楽の分野では、芸術の暗黙知の言語化がこのように進められているのですね。この講義、聴きたいです。

 凄まじい勢いで自由に奏でられる森山ドラム。その秘密が解き明かされようとしています。山下トリオの映像記録から何がわかってくるか、今後の研究もとても楽しみです。

 音楽だけでなく映像の分野でもこうした暗黙知の言語化という研究は今後ますます重要になるように思います。
 例えば、アニメーターの暗黙知もこうした研究が望まれます。
 もし金田伊功氏の在命中に詳細なインタビューとあのアニメートの技が暗黙知から言語化され解析されていたらと残念でなりません。言語化されていたら、天才の仕事は何らか次代に引き継がれ、その作画芸術の遺伝子は、引き継がれていたのではないか。金田モドキという作画は世に多いですが、その本質から離れている形式的な模倣のように観えます。あの作画の本質を正当に引き継いだアニメートをどこかでみたいと思うのは僕だけでしょうか。

 また監督としてでなく、あの独特のリズムを持った動画作画家としての宮崎駿氏のアニメートについても、いろいろ制作中の映像は残ってますが、今のうちにNHK Eテレの漫勉のような、その描き方を映像と本人のインタビューから紐解くようなアプローチが望まれます。

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2016.09.18

■邪推 『シン・ゴジラ』は、由比ガ浜 から 東京電力 福島第一原子力発電所を目指していた

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由比ガ浜海水浴場 から 東京電力(株) 福島第一原子力発電所 - Google マップ

 シン・ゴジラの進行ルートについて、何故「東京駅/皇居」を目指すのか、というのをつらつら考えているのですが、ふと思いついて、東京電力 福島原発を目指していた経路の途中にたまたま「東京駅/皇居」が存在した、という可能性を検証してみました。

 上陸地点と言われている由比ヶ浜から原発を目指してひたすら進むとその直線上に東京駅/皇居があるのではないか、と。
 結果はピッタリ直線でないものの、ほぼ直線上であることがわかりました(赤線はGoogleマップに追記)。
 またGoogleの徒歩経路検索では、福島原発を目指してほぼ東京駅を通過する(下図 拡大地図の連続した青丸を参照)経路を、ゴジラに指し示していますw。

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 牧悟郎元教授の「修羅」が、彼の妻の悲劇に由来するとして、それが福島原発事故に関係するものだったと仮定。
 牧悟郎は、放射能を感知してそちらに向かうようなこの生物の習性を利用して、シン・ゴジラを福島原発へ向けて東京湾で解き放った。東京湾で開放すれば、巨大不明生物は原発事故現場へ直進するコースを選び、東京都心部を破壊した上でそこへ向かうことになる。

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 ゴジラが明確な目的地を持つ、というのはあまりに人工物的で違和感があり、不気味な生物がその習性でただ無目的に進行する、その生物の習性を利用して牧元教授が復讐を図った、という設定の方が相応しいように考えられるので、この仮説もありえるのではないかと(^^;)。

 この映画の時代、原発の放射能がゴジラの感知機能に引かかるほどのレベルか、という問題はありますが、、、そうした想像も可能性はありますね。、、、となると続篇は解凍したシン・ゴジラ第五形態が原発を目指すことになるのか、、、??

◆関連リンク
ゴジラは庵野自身であり、現天皇でもある:日経ビジネスオンライン

"ゴジラとは一体?
 色んなものでありうる。日本人の「無意識の器」みたいな存在だといってよい。

『シン・ゴジラ』には、ほぼ悲惨な姿の死体、負傷者が出てきません。1度だけ瓦礫の下に埋もれた犠牲者が見えたという話がありますが、それも、血は流れ ず、身体の一部が見えるだけのようです。これは災害時の日本のテレビ・新聞報道を正確になぞった表現ですね。明らかに意図的な演出でしょう。ではこれはな ぜか。死者たちと負傷者たちはどこにいったのか。日本の主要メディア・エンターテインメント界の表現は、いまや自主規制の極致にあり、見えない文化的コー ドの制圧下にある。

 死体はいっさい出てこない。血もどこにも流れない。汚濁、見たくないものは全部、視界から隠され、抑圧されている。その抑圧されたものが全部、ゴジラに集約されている。そしてそのゴジラが、すべての画面に現れないものの体現者として、大量の血を流し、苦しみながら歩む。"

 この加藤典洋氏の分析は興味深いです。
 無意識の器として、ゴジラは日本人にとっての「天皇」でもあると解釈されています。ゴジラが何故「東京駅/皇居」を目指したか? 何故なら彼は「天皇」だから、、、と典洋氏は直接書かれてはいませんが、この説から読み解くこともできます。
 いろいろシン・ゴジラ論を読んでいますが、「東京駅/皇居」を目指した理由について書かれた最も鋭い評論だと思いました。

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2016.09.12

◼︎感想 ヤノベケンジ個展 「CINEMATIZE シネマタイズ」図録DVD @高松市美術館

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 先週観てきた「ヤノベケンジ シネマタイズ展」の図録について、紹介する。上の写真がそのパッケージ。この中に4枚のDVDと10ページのリーフレットが付いている。

 今回の図録のメインはDVDディスク4枚。企画展のコンセプトである作品の映画的な物語性、というところに合うような、動画化されたヤノベ作品の記録である。まさに図録自体が、「シネマタイズ」されたものとなっている。
 各4枚のディスクについて、以下、簡単な紹介と感想です。まず全体のコンテンツは以下の画像を参照。

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 ディスクには、「CINEMATIZE」の文字とチェルノブイリへ入ったアトムスーツの画像。各ディスクの内容は、以下ディスクごとに、そのメニュー画面でコンテンツを紹介する。

◆Disc.1

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 これが今回の展示を紹介するメインディスク。会場でも流されていた「映画 "BOLT" 予告映像」「"CINEMATIZE" 予告映像」、そして「CINEMATIZE メイキング映像」のロング版。合わせてそのメイキング映像にも含まれている「林海象インタビュー」と「永瀬正敏インタビュー」。そして最後に福島ビエンナーレについて「渡邊晃一インタビュー」。

 「CINEMATIZE」に込められたもの、「BOLT」でのヤノベと林海象のコラボレーションの詳細がとても興味深くドキュメントとして述べられている。
 ヤノベファン、林海象ファンはもちろん、アートと映画のコラボレーションについて興味のある向きには必見。

◆Disc.2

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 こちらの冒頭は、まず「シネマタイズ」についてのヤノベ氏の説明。ここではヤノベが「大阪万博会場の未来の廃墟」で受けた子供時代の影響から、初期の作品、そしてサヴァイバル、リヴァイバル、トらやん、そして311後の作品へと繋がっていく。
 そして「"シネマタイズ"ガイドツアー」ヤノベ氏本人による会場各作品の詳細解説。これは高知が遠く来訪できなかったファンには、展示会の全貌がわかる擬似ツアーとなっていて、たいへん貴重。のちに詳細を述べるように本DVD図録は、高知市美術館のショップ通販でも購入できるとのことなので、ファンは是非お申し込みを。

 僕が興味深かったのは、Disc.1,2で述べられているヤノベケンジの福島でのプロジェクトについて。よく知らなかったのだけれど、福島の地元企業(酒造)と太陽電池ファーム(会津電力と飯館電力)にオブジェクトを制作する企画とのこと。
 「シネマタイズ展」でも展示されていた「風神の塔 : IITATE Monster Tower」は、飯館電力に建てる予定のモニュメントとして企画されたものの、1/2像とのこと。"IITATE"と銘打たれていた理由がここでわかった。

 このプロジェクトが実現したら、僕も福島現地へ是非行ってみたいものだ。

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 Disk.2の後半は、過去作の動画。ここはデビュー作「タンキングマシン」にはじまる最初期作品の展示紹介動画。初期作は、現在、ヤノベケンジ作品の動画を撮影編集されている青木兼治氏と別の、石橋義正氏による映像(「TANKING MACHINE」「妄想砦のヤノベケンジ」)。
 現在の落ち着いた雰囲気とは別の血気盛んな若々しい(かなりやんちゃな)ヤノベ氏作品の雰囲気が興味深い。

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◆Disc.3

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  「アトムスーツ」プロジェクトから、「ウルトラ - 黒い太陽 -」、「ザ・スターアンガー」、そして あいちトリエンナーレ「太陽の結婚式」「パンテオン - 神々の饗宴 - 」まで。近作の記録映像である。
 僕は2004年からこの究極映像研でこのあたりの作品について、追いかけているので、それぞれにとても懐かしい想いも湧き、当時のことを思い出しつつ拝見した。

◆Disc.4

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 こちらは過去作から近作まで幅広い時代作品をまとめて観られる、ある程度長めの動画。ヤノベケンジ作品の全体像をつかむには、優れた映像記録になっている。
 特にやはりメイキング映像がとても興味深い。ここらあたり、特に京都造形芸術大ウルトラ・ファクトリーの学生さんたちの活躍が見られて、近作がウルトラ・ファクトリーなしには成立しない関係性が制作プロセスを見ることでとてもよく理解できる。

図録の通信販売 | ショップ | 高松市美術館公式サイト

"高松市美術館では、開催された展覧会図録及び収蔵品図録のうち、在庫があるものについて通信販売を行っております。

「ヤノベケンジ シネマタイズ」   

発行年:2016年7月
重量:206g 価格:1,980円 送料:¥215"

 こちらのサイトで、通信販売が開始されています。
 興味を持たれた方は、詳しくはリンク先のショップページをご覧になって、ご購入を検討ください。値段も手頃で、とても充実した映像記録なので、お薦めです。

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2016.09.05

■感想 ヤノベケンジ個展「CINEMATIZE シネマタイズ」 @高松市美術館


BOLT Teaser - YouTube

ヤノベケンジ個展「CINEMATIZE シネマタイズ」 高松市美術館 | 京都造形芸術大学ULTRA FACTORY

"ヤノベケンジ展 「CINEMATIZEシネマタイズ」
2016 年7 月16 日(土) ~ 9 月4 日(日) [会期中無休]
高松市美術館公式サイト
「シネマタイズ」とは、ヤノベがストーリー性とキャラクター性のある虚構的作品を様々な場所に設置するととで、空間や現実自体が映画のように変容する効果を意味しています。 初期から最新プロジェクトまでの実作の展示 に加え、資料展示やドキュメンタリー映像の上映を通して、ヤノベ作品によって「シネマタイズ」された様々な空間や現実の歴史を追います。さらに、展示室全体を映画セットにするインスタレーションが行われ、実際の公開映画のための撮影も予定されて います。まさに、美術館自体が「シネマタイズ」される画期的展覧会です。"

映画『BOLT』公開撮影を行います!

"高松市美術館特別展「ヤノベケンジ シネマタイズ」(9月4日まで)において、映画『BOLT』の公開撮影を以下の通り実施します。

2016年8月29日(月)~9月4日(日)9:30~19:00(日曜~17:00)※入室は閉館30分前まで

【 撮影の観覧方法 】
・企画展示室(2つ目の展示室)にお進みいただき、観覧スペースから撮影風景をご覧いただきます。"

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 会期最後の週末9/3(土)に、高松市美術館のヤノベケンジ『シネマタイズ』展を、観て来た。ヤノベ作品の歴代広範囲の展示と、世界初と言われる美術館での展示作品をセットとして利用した映画撮影とその撮影風景そのものを展示物としてしまうというインスタレーション。

 今回の展示作品は、今までのヤノベ個展等でほぼ全て観ていたので、僕の関心は作品が作る今回の美術館の空間と、映画撮影である。まず展示レイアウトは以下の通り(拡大して配置図と作品リストを御覧下さい)。
(★今回の中心テーマは「映画撮影」ですが、それについては後半で述べます。)

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◆歴代作品の展示 と 未来
 まず展示空間としては、美術館の広いエントランスホールを入ると、フローラとサン・チャイルドNo.2の巨大な姿。ホテルのような開放的なホールの近代的な建築とマッチして、華やかな未来的な空間を作っている。

 そして2Fへ上がって、時代ごとテーマごとにヤノベ作品の時代ごとの全貌を紹介している。時期ごとに初期から以下の順に展示されている。各時期の代表作が展示されていて、ヤノベ作品がどう推移しているのか、コンパクトに全貌が分かる。

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「1.誕生 Rebirth」
「2.サヴァイヴァル Survival」
「3.アトム・スーツ Atom Suits」
「4."未来の廃墟"への時間旅行 Time Travel to "The Ruins of the Future」
「5.未来の太陽 The Future Sun」
「6.リヴァイヴァル もう一つの太陽 Revival : The Another Sun」
「7.トらやんの大冒険 ヤノベケンジの代弁者 The Great Adventure of Trayan : The Agent of Kenji Yanobe」
「8.シネマタイズ CINEMATIZE」
「9.風神の塔 IITATE Monster Tower」。


 僕が今回の展示で、初めて観た作品は
「5.未来の太陽 The Future Sun」のコーナーにあった「太陽の島」(模型と構想図 右写真)。
 以前あいちトリエンナーレで「太陽の神殿 サン・チャイルド島」という神殿を模したアート展示場兼結婚式場というプロジェクトは、その模型と合わせて壮大な企画を見たことがあったけれど、今回はそれを超える壮大なもの。

 島全体がリゾートで、巨大なアリーナと宿泊施設、そしてアートギャラリーが一体となり、亀の島を形成している。

 ヤノベケンジによるプロジェクトは、どんどんと妄想を増し、ついに会場に浮遊する島。「太陽の神殿」という建築を超え、巨大な都市の創造へと向かっているようだ。
 次は宇宙を飛ぶ人工宇宙都市へと妄想の力を広げていくのかもしれない。(という僕の妄想(^^;))


◆インスタレーション 映画撮影

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 特に林海象監督による映画撮影は、アトムスーツが福島原発事故の現場へ投入された虚構を、美術展の中で観客にも疑似体験させるという画期的な試みだったかと思う。


 実は最初、会場で撮影の準備を見ながら、撮影の待ち時間にいろいろと考えていたのは、以下のようなことであった。

 美の展示場に、映画の現場というバックヤードが現れて、会場を土方な現場に変貌させてしまう違和感がまずあった。
 
ハンドジャッキやディレクターズチェアやトンカチや電源コードやガムテープが存在する雑然とした美術展空間にまず違和感を持つ。

 違和感を異化作用として、作品のように変貌させる手がないかどうか。美術展での映画撮影という前代未聞のイベントはそうした課題を残したのかもしれない、なーんてことを思っていた。

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 しかし、撮影が始まり展示場の照明が消され、映画の照明が原発の高濃度放射能汚染水のタンクに模した「黒い太陽」と永瀬正敏の黄色いアトムスーツ姿に照射された時、会場は一瞬にして虚構の原発事故現場に変貌したような(錯覚かもしれないが)感想を持った。

 監督が観客に説明されたのは、このシーンは、映画「BOLT」のクライマックスで永瀬正敏と金山一彦が、原発事故(展示されていた企画書には2011.3/11と明確に書いてあったが説明ではある原発と言われていた)で臨界を超えて
紫のチェレンコフ光を放つ空間に、アトムスーツで決死の作業に向かうシーンだという。

 暗くなって雑多な準備品が見えなくなり、まるで映画フィルムが現場のカメラのカットでのみ切り取る映画空間に近いものが照明の効果によって展示会場に現れたのかもしれない。


 そしてその時に僕が思ったのは、以下のような感想である。
 チェルノブイリにアトムスーツで潜入し、事故を作品として芸術に取り込むことに、
そこに住む住人と会ったことで罪悪感を感じたヤノベが、今回、初めて展示の形として、アトムスーツを福島原発事故の現場に投入したのはとても画期的ではないか、ということ。

 福島でもいろいろな活動をするヤノベケンジであるが、チェルノブイリの時のように、安易にアトムスーツで原発事故現場周辺に行くようなことはしていない。それはそこに住む/住んでいた住人の人々の感情を慮ってのことではないだろうか。

 それが今回、アトムスーツがチェルノブイリに続いて、原発事故の現場に立つ。
 虚構の映画空間を利用することで、ひとつ芸術としての昇華を達成し、禁断としていた原発事故に直接切り込むような表現が可能となったのではないだろうか。

 そこらあたりの作家の感情的な変化については、どこかで是非伺ってみたいものである。ただ、映画という虚構とヤノベの「妄想」の掛け算ではじめて実現した画期的な出来事であるように、その映画撮影風景を観たときに僕には思えた。

 そして撮影現場では、その「黒い太陽」に対峙するように、観客側には「風神の塔:IITATE MONSTER TOWER」がその巨大な姿を現している。
 福島に伝わる伝承(
オンボノヤス,大多鬼丸)に見立てた「風神の塔:IITATE MONSTER TOWER」は、風を「黒い太陽」に送り、150人程の観客を放射能から守る形になっていたのではないか。

 原発事故で戦うアトムスーツ姿の男たちの虚構のシーンを、見守る観客を守る風神の名は、飯館村から取られた「イイダテ・モンスター・タワー」。ヤノベが原発事故によって感じてきたいろいろな事象がこの展覧会会場に込められていたのではないかと思う。



 今回の展示と撮影は、京都造形芸術大と東北芸術工科大の大学生がボランティアスタッフで大いに活躍されたとか。彼らは近所の神社に合宿して撮影に参加したとのこと。暑い夏に本当にご苦労様でした。末筆ではありますが、素晴らしい作品をありがとうございます。

 予定されている2017年の映画公開、楽しみにしています。またその映画と美術作品とを展示した新たなる「シネマタイズ」展も期待しています。


◆その他 メモランダム

・SF番組からスタートしたヤノベのものづくり(仮面ライダーのコスチュームとかガメラを学生時代に作っていたとか)が、ここで映画と融合する必然w。
 
・美術館の天井に合わせて無理矢理円錐部を切り取られた黒い太陽が痛ましい。もう少しあの会場の天井が高かったら、もっとあの空間の異質さは増していたのではないかと残念。

実は出演者としてクレジットされていた、(林監督作品「濱マイクシリーズ」の脚本を担当した)天願大介の作品に最近良く出ている月船さららを会場で観ることを楽しみにしていたのだけれど、残念ながら既に撮影シーンは終了していた様で、姿はもう会場で上映されていた8/29,30の撮影風景のビデオのみ。

 それはタンキングマシーンに洋服で入るシーンで、物語の中で、どういう位置付けのシーンになるか、想像力を刺激する。

・林海象監督はデレクターズチェアに座り、スタッフが準備する間、じっと何かを考えていた。あの探検隊の帽子はトレードマークなのかな。短パンと白いハイリックスに帽子が妙にマッチしている。
・撮影会場は永瀬正敏と金山一彦といった俳優ファンの女性たちが多数いらっしゃったようです。僕のようなおじさんは少なく少し浮いた感を持ったのだけれど、会場で少しだけ山形浩生氏に似た方を見かけたのは気のせいか。たぶん違うだろうけれど、以前からヤノベ作品を評価している山形氏がもしあの撮影インスタレーションを見られていたらぜひ感想を聞いてみたいものです。

・金山氏のあいさつが面白かった。会場の
3歳児とやりとりしながら「今からピカチュウみたいな服を着て現れるよ」。アトムスーツは確かに黄色くて似ている(^^)。
禍々しい黒い太陽が安全をアピールすべき原発で、冷却水タンクの意匠として採用されることはありえないだろう。但し、原発の禍々しさを心象風景として表現する抽象かの結果としてはありえたかもしれない。

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2016.08.29

■感想 新海誠監督『君の名は。』


「君の名は。」予告 - YouTube

 新海誠監督『君の名は。』初日観てきました。今日はネタバレなしの感想です。


 ★★★ 一部、物語の舞台については具体的に触れているので、前知識なしに観たい方は御注意ください。 ★★★




■劇場の客層
 実は、新海作品を劇場で観るのは今回初めて。全作観ているのだけど、いまひとつ波長合わないので劇場までは行ってなかった。でも前作の『言の葉の庭』が今までと作風は延長上なのだけど、何処か印象が違って作品の昇華度が高かった。そして今作は素晴しく前評判が良かったので、最近癖になってる週末、会社帰りにいつものイオンシネマ大高で初日の18:35回を観て来た。

 劇場はこの映画館では中程度の広さで、7割の入り。ほぼ20代男女。『シン・ゴジラ』の初日の年令層との差は歴前。きている方々が新海ファンなのか、それとも楽曲を提供しているRADWINPSのファンなのかは、判然としない。うちの娘がラッドファンなので、聞いてみようかとw。

■何と地元が舞台
 冒頭予告篇にもある流星のシーンが素晴しい。そこにかぶる新海節の独白にはじまり、急展開な物語、と何かどこかで聞き覚えのある方言。何とこの映画、飛騨が舞台。うちは同じ岐阜でも南の東濃なのでイントネーションは結構、違うけど、明らかに親近感のある言葉、そしてところどころ出てくる「高山ラーメン」の看板とか見知った光景(^^)。

 twitterで検索すると、この夏の長編劇場版アニメは、岐阜ブームらしいので、また吃驚。
 『聲の形 』の舞台が大垣市、『ルドルフとイッパイアッテナ』が岐阜市に帰る話、そして『君の名は。』の舞台が岐阜県飛騨市(古川駅が出てくる)付近に設定された架空の街。

 飛騨を舞台にしたという山の中、何もない感はなかなかの親近感でした。飛騨の山々と星の流れがとてもマッチしている。特集本をみると企画書では山中の村か島の設定とのことでしたが.....。

 新海監督自身山の国である長野出身だけれど今回何故岐阜を舞台にしたのか聞いてみたい。雰囲気としては山深い森の多いシーン、そこにある少し神秘的な情景を持つ山村というのが飛騨にイメージが合ったのかもしれない。ちなみにカミオカンデがあるのは飛騨市神岡。そうした宇宙とのつながりのイメージも影響したのかもしれませんね。

 あえて岐阜県人としてひとつ苦言を呈すると、「あほ」という言葉は「たわけ」と言ってもらった方がより地元感が出たかと(^^)。

 それにしてもこの映画が岐阜県の北部 飛騨地方では上映されていないのが残念でならない。現在、飛騨には映画館が実はないのですね。

■総論 
 と以上は映画そのものに大きく関係するわけでないどうでも良い話地元話なんですがw、ここからが本題。

 物語の不思議の提示とある危機をめぐるサスペンス、そしてそれを裏打ちする日常の確かな登場人物の息遣いの聞こえてくるエピソードのてんこ盛りで映画は息つく間もなくクライマックスへ。ここの捻り方が絶妙で、上手い構成に涙腺をやられます。
 SF映画としても、よくある設定を重層的に重ねることで、新しい緊迫感が生まれていて、壮大な流星の光景とともに見事なSFの「絵」を構成しています。

■映像について
 これ以上書くとネタバレになるのでストーリーについては止めておきますが、映像は超絶な背景とかは今回少し薄味。全体が110分と長いので、新海監督自らによるあの超絶な光と影による光景描写はある一定程度の領域に留まり、冒頭とか山の中の紅葉シーンとか絶品なシーンはあるのですが、そこは今回少なくて、一般的なアニメの背景的シーンも多かったかな、と。

 今回の見所のもう一つはアニメーターの作画シーン。作画の良いパートは何とも素晴しい出来。
 エンドタイトルを見てると作画監督のジブリ出身安藤雅司氏の他に、沖浦啓之、橋本敬史、松本憲生、井上鋭、黄瀬和哉氏といったスーパーアニメータの名がクレジットされ、さらにジブリの名アニメータ 稲村武志、田中敦子、賀川愛氏といったの方々の名前がある。あのアニメーターはこのシーンかな、とかいろいろ思い致るも想像でしかないので、担当シーン情報が知りたいものです。twitterで検索すると幾人かの人が幾つか予想していて面白い。

 橋本敬史、松本憲生氏は流星のシーンとか、途中の抽象画的シーン、沖浦啓之氏は主人公たちが駆けるクライマックスのどこかかな、とか。沖浦氏は、例によって(?)ミニスカートのシーンかもしれない(^^)。

 いずれにしても今までの新海作品の良い部分と、ジブリ、IG等の日本アニメの財産が結晶化したような映画作品になっています。そして前述した丁寧な日常の積み上げとひねりの効いたクライマックス。新海作品で波長の合わなかったセンチメンタルに振ったシーンも、緻密で稠密な重層的物語構造によって、自然に流れに身を任せて物語に惹き込まれて観ることができる、なかなかの傑作です。

 ラッドの歌も、少し五月蝿いかな、と思うところもあったけれど、映画の雰囲気に合っていて、作品の厚みを増していてとても良かったです。

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2016.08.24

■感想3 (後半ネタバレ) D-BOX 庵野秀明 総監督/脚本, 樋口真嗣 監督/特技監督, 尾上克郎 准監督/特技総括『シン・ゴジラ』

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 『シン・ゴジラ』3回目@イオンシネマ大高、DBOXで8/16(火) 21:20回を観て来た。さすがにこの時間帯、客は2割の入りで、DBOXがその半分くらい。

D-BOX(ディー・ボックス)|イオンシネマ
 DBOXは初体験だったのだが、席が上下前後左右に動く仕組みで、4DXの様なにおいや水、スモークと言った演出はない。そして4DXの様に大きな音や、画面の中で何かが動くとめったやたらに振動する様な事はなく、演出が落ち着いている。

 感覚的には画面のすぐ手前に自分がいてその場所が振動する様なシーンでのみ椅子が動く。ほぼ振動するのはゴジラの破壊シーンと戦闘兵器の部分のみ。なのでかなり体感度は高いと言える。

 特にその振動効果により、最初のゴジラ上陸シーンの衝撃が、過去2回より相当インパクト大。
 ただし映像の臨場感はIMAXが圧倒的。DBOXはスクリーンから席が後へ離れているため、IMAX映像への巻き込まれ感に対して、今回は情景を景めてる感じ。両方の相乗効果を試してみたいので、DBOXのIMAX版をどこかでやってほしいものだ。

★★★以下、ネタばれ注意★★★








シン・ゴジラを楽しむための地図を作りました - QuZeeBlog@Hatena


 この図は、上記リンク先の、ゴジラ上陸後の経路を地図上に示されているHPからの引用。
 今回、観てチェックしたのは、タバ作戦の行われる武蔵小杉駅北。ここで自衛隊の攻撃によりゴジラは進行方向を一旦、西へ変える。しかしこのあとあきらかに進路を前のコースへ戻す様な動き方をしている。そしてそのコースの先には東京駅と皇居が存在する。

 今回も、やはり疑問は本当にゴジラは皇居を目指していたのかどうか、というところ。今のところ、この点について明確な解釈をしている感想は見当らないので気になってしかたない。

 『ゴジラ』(54年版)は太平洋の英霊が宿っているという解釈で理解できるのだけれど、何故、54年版と関係のない初代『シン・ゴジラ』が皇居を目指すのか?
(別に映画のテーマとしてはそこはどうでも良いところのような気がするのだけど、これだけ緻密に組立ててある構造の作品で、その行き先の謎が全く考えられてないと言うことはないはずで、この謎が読みとけてないのは、映画を体感するための重要なピースがひとつ欠けているような宙ぶらりん気持ちで、ひっかかってしようがないのだ。どなたかこの経路の解釈について、何か情報あれば教えて下さい)

 東京の都心へ向かうという意味だけか、東京駅を目指す意味があるのか、その先の福島を実は目指していたのか...とか考えるのだけれど、やはりどれもしっくりこない。

 牧元教授の奥さんの死と、目的地が何らか関係している、という謎の設定くらいしか思い付きません。少くともドラマの中では、そうしたことに触れている部分は皆無だと思うけど、、、。

 あと気になったのは、ラストの、ゴジラの皇居に対する向き。
 矢口蘭堂とカヨコ・パターソンの会話の背景には、東京駅と皇居とそしてシン・ゴジラの姿。このシーンの冒頭では、科学技術館に背を向けているように観えたシン・ゴジラだが、その後、カヨコが蘭堂に「あなたも好きにしたら」と言って去って行く背景のシン・ゴジラはこちらを向いているように見えた。これは僕の見間違いか??
(ちなみに、この「好きにしたら」は牧元教授の言葉に引っかけたセリフだが、そこにシン・ゴジラの姿が映像として映っているのは、明らかに、牧が巨大完全生物になった/もしくは融合したことを暗示しているのだろう。蘭堂が巨災対の室で、「どう好きにしたんだ?」とつぶやくシーンも同じことを暗示している描写かと)

 このシン・ゴジラの最後の向きの謎も含めて、まだまだ噛み足りない奥行きのある怪獣映画『シン・ゴジラ』です(^^)。

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2016.08.22

■情報 公式図録『クエイ兄弟 —ファントム・ミュージアム—』: The Quay Brothers Phantom Museums Catalog

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クエイ兄弟 —ファントム・ミュージアム—(求龍堂公式HP)

"アートアニメーション、映画、CM映像、舞台美術など、幅広いジャンルで独自の美を創り上げてきた双子・クエイ兄弟が発信するミステリアスな美の世界は、本拠地であるロンドンを始めとした欧米や日本でカルト的人気と影響力を誇る。 本書は、世界のクリエイターを魅了し続ける創作の源泉を含め、知られざるクリエイティブの全貌が明らかになる、世界初の公式データブック! アジア初の巡回個展の公式図録兼書籍。

【構成】
 各作品のビジュアルとともに、正確なデータを掲載。これまで未発表であった作品の情報も記録。
1. デコール(映像作品のボックス型模型再現)の部分アップで、独特な耽美的装飾が細部まで見て楽しめる。
2. ブラックドローイング(初期のタブロー作品一連)映像へ進む前の、クエイ兄弟のイメージの源泉が見える。
3. ポーランドポスター、ブックデザイン(空想装幀、実際の仕事作品など)
4. Student Films(学生時代の実験的映像作品)
5. Films(アニメーション、長篇実写映像作品)
6. CM Films(コマーシャル用作品 バドワ、コカコーラ、コムデギャルソンなど)
7. 舞台美術(演劇、バレエ、オペラなど)"

 クエイ兄弟の展覧会『ファントム・ミュージアム』、以前記事で紹介しましたが、図録が書店等に並びば締めています。うちの近所の田舎の本屋で遭遇しかなり吃驚。郊外量販店にも入っているということは相当の本屋さんに展開されているのでしょうか。

 上記出版社の公式HPに、本の各ページ写真が掲載されています(上の写真もそこからの引用です)。

 葉山の展覧会は行けなさそうなので、図録だけでも買おうかなと思っています。中身は値段相応に充実。欲を言えばもっと細かい字で読み物部分もがっつり充実させて欲しかったかなっと。で、即断できず、まだ入手していません(^^;)。

『クエイ兄弟 ファントム・ミュージアム』 (amazon)


Quay Brothers - Phantom Museum (Re-Score) - YouTube

"Important! I do not own the rights to this film but I do own the music.

This video was created to project a unique  interpretation with respect to the copyright holder.

My version of events.. My re-score of the film Phantom Museum by the Quay Brothers.

For More information email me at callumminton@hotmail.com
For more music visit www.soundcloud.com/callum-minton
Follow me on twitter @CallumMinton"

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2016.08.15

■映像 21世紀の『ブレードランナー』 リールビジョン "TEARS IN RAIN : HOMAGE TO BLADE RUNNER"

TEARS IN RAIN : HOMAGE TO BLADE RUNNER from REELVISION.jp on Vimeo

"Original short movie
“TEARS IN RAIN ” : HOMAGE TO BLADE RUNNER
Shoot in Tokyo and CG and VFX / REELVISION (reelvision.jp)
VFX support : Takashi Ishibashi
Music and sound effects / 日山豪echoes-breath)"

REELVISION Co.,Ltd.(Facebook)

" SF サイバーパンクの傑作「ブレードランナー」へのオマージュ映像ですw。昨年末あたりから東京の街の映像をサンプリングし、CGやVFXを足しながら、愛して止まない作品の世界観をどこまで再構築できるか実験を続けてきました。
 音楽にもこだわって制作しておりまして、オリジナルのサウンドトラックのヴァンゲリスの音に近付くよう研究し、MOOGやYAMAHA CS80 等のアナログシンセの音を使ってエコーズブレスのGo Hiyamaさんに壮大で素晴らしいサウンドをオリジナルで制作していただきました。" 

 神山健治監督の『東のエデン』OP映像等で活躍されている、映像クリエーター山口正憲氏のスタジオ 株式会社 リールビジョンによるリドリー・スコット監督『ブレードランナー』のオマージュ短篇。 

 東京の少し未来を切り取ったシャープな映像とCGとシンセの音楽の融合。ところどころ、ハッとする素晴らしい21世紀の『ブレードランナー』映像ができあがっていると思うのは僕だけでしょうか。

 未だにその映像DNAがいろんな作品に流れ続けているマスター・ピース『ブレードランナー』、そろそろこれを超える新たなインパクトのある未来映像が産まれてきてもいいのではないか、と思うのですが、こうした日本のスタジオの果敢なチャレンジが、とても頼もしくみえます。

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2016.08.10

■感想 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督 『複製された男』Enemy


複製された男(日本語吹替版) - YouTube

 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督『複製された男』HD録画 初見。
 『ブレードランナー』続篇を撮る予定のヴィルヌーヴ監督の映画も初めて観たのだが、これはなかなか素晴らしい傑作。

 落ち着いた色調で撮られたトロントの街。時々挿入される蜘蛛のイメージを用いた幻想。そして謎の「複製」。
 淡々とした映像に、忍び込む狂気。ラストまで観ても僕にはこの物語が何を意味しているのか、実は理解できなかった。

 しかし映画のトーンが素晴らしく、いい映画を観たという感想が強く感じられる。このタッチで現代のサイバーパンクが撮られるのであれば、、、。『ブレードランナー2』にも大いに期待が膨らむ。

 さきほど調べてみたら、ネタバレになるので、リンク先を読むのは注意頂きたいのだけど、重要な蜘蛛のイメージに使われたのが、カナダにあるルイーズ・ブルジョアによる「ママン」という彫刻。
 映画の重要なキーイメージとして素晴らしい映像を提供している。

◆関連リンク
複製された男 シネマの世界<第453話> : 心の時空
複製された男 - Wikipedia
ルイーズ・ブルジョワ - Wikipedia

"カナダ国立美術館 ニューヨークのグッゲンハイム美術館、オタワのカナダ国立美術館、ビルバオのビルバオ・グッゲンハイム美術館、ロンドンのテート・モダンサンクトペテルブルクエルミタージュ美術館、ソウルのサムスン美術館 Leeum東京六本木ヒルズなど、9か所に展示"

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2016.08.08

■感想2 (後半ネタバレ) 庵野秀明 総監督/脚本, 樋口真嗣 監督/特技監督, 尾上克郎 准監督/特技総括『シン・ゴジラ』


All Shin Gojira/ Godzilla Resurgence Scenes In Order ( ために、すべてのシンゴジラシーン) - YouTube.

 金曜の夜、109シネマIMAX@名古屋で2回目。
 先週に比べると座席は8割くらいの入り。しかし3~40代男性がほとんどだった先週に比べ、女性客2割くらいと20代男性が増えていた。明らかに広い層へ浸透している感じ。

 2回目は、ストーリーわかってるので、落ちついて細部とそして画面レイアウト中心に堪能。カラー(khara.inc)スタッフ陣の絵コンテと庵野総監督自らの画面設計が、従来のゴジラ映画にない映像のワンダーを創り出している。

カラー(khara)スタッフ陣による画面設計(まずはネタバレなし)
 シン・ゴジラ - Wikipedia

"画像設計:庵野秀明
イメージボード:前田真宏林田裕至、丹治匠
画コンテ:轟木一騎摩砂雪鶴巻和哉前田真宏樋口真嗣庵野秀明"

 映像設計の中心的なスタッフと考えられるメンバーをwikipediaより抽出した。庵野総監督を筆頭に、まさに株式会社カラーの演出家がコアを成していることがわかる。

 ヱヴァンゲリヲン新劇場版に顕著なのだけど、彼らの手に成るあの映像空間設計は何であれだけ魅惑的なのだろう。その最も素晴らしい成果として想起するなら、僕はまず『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の冒頭、海上を歩行する第7使徒に、上空で輸送機から放たれた式波・アスカ・ラングレー操るエヴァンゲリオン2号機が挑む空中戦を挙げる。
 あのキレキレの、そしてそんな流行の軽い言葉だけでは表現できないハリウッド映画ほか世界のどこの映画でも観たことのない縦横無尽に流れる様に動くカメラ視点と2つの機体の融合レイアウトによる映像空間の革新。

 そしてその成果の延長上に位置する、今回の『シン・ゴジラ』映像は、そんなカラーによる日本アニメの先端と、特撮番組のDNAが進化し融合した「完全生物」的映像であると思う。それがシン・ゴジラの、(日本特撮というより)映画の革新である。

 テクニックとその魂は戦闘シーンは言うに及ばず、今回、会議シーンにも脈々と活きづいている。

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 まず戦闘シーンは、まさにセンス・オブ・ワンダーの宝庫。
 従来ゴジラ映画からの「シン」の革新のひとつは、自衛隊を徹底してリアルに描いたことに加えて、ヱヴァから受け継ぐ鮮烈な画面レイアウトのまさに賜物と感じられた。

 例えばネットから引用した自衛隊F2-A機のコクピットからのシーン。
 パイロットを俯瞰で捉え、その頭上を左から右にスライドしていく僚機。このパキッと決まったレイアウトは恐らく事前のプリヴィズ映像で作り込まれた画面設計の成果なのではないか。

 会議シーンでは、例えば、特に自衛隊の中央指揮所が最初に出てくるシーン。
 鶴見辰吾演じる統合幕僚副長と隣の陸幕長 面長の男(國本鍾建氏というオフィス北野の俳優さん)、このシーンの映像の切れの良さは特筆に値するでしょう。エヴァのネルフや軍関係シーンの直系なのだけれど、画面設計(と照明)で抜群にインパクトのある映像になっている。自衛隊の鍛え上げた人間の面構えが、これから始まる戦闘への期待感を高める。
(僕は特に好戦的な人間ではないけれど、これだけ素晴らしい日本人の顔は久しく映画で観たことがないのではないか、というくらいゾクゾクきた。精悍な顔の役者陣をこのシーンでは選んだのであろうが、画面設計と役者による見事な革新の日本映画のワンシーンであろう)

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 このカラースタッフ陣と樋口監督以下実写スタッフによる麻薬的映像。何度も観に行きたくなる秘密はここにもあるのかも。

 レイアウトを徹底したアニメ制作は(宮崎駿と)押井守の開拓した手法だが、それに実相寺他の映像DNAと組合せて、日本映像文化の結実として実写映像の革新を生んだスタッフに最大限の拍手を贈りたい。

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庵野秀明責任編集『シン・ゴジラ』公式記録集 ジ・アート・オブ シン・ゴジラ - :EVANGELION STORE

庵野秀明責任編集『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』

 画面設計の資料がこの本にどれくらい掲載されるか分からないけれど、本の広告チラシのコンテンツの中には絵コンテとかレイアウト画の表記は残念ながらありません。絵コンテ集は、別で出るのかな?

 あとブルーレイには、是非、プリヴィズ映像も入れてほしい。日本のアニメ映像の先端が実写のDNAに抽入された貴重な映像記録として(^^;)


★★★★ネタバレ注意(絶対読んじゃだめです)★★★






◆反映された現実の重み(ネタバレ)

 実は前回の感想で書かなかったのだけれど、一回目を観た後、映像としては初代ゴジラに勝っているのだけれど、そのテーマ性、背負っている監督以下スタッフがその時代から感じている何ものかの強度が、やはり初代にはかなわない部分となっているのではないか、と思ったのだった。

 だけれど二回目を観て、その思いは軽減された。前回、テーマ的には圧倒的に傑作なのは初代ゴジラなのではないか、と思っていたのだけれど、今回観て画面設計の再評価だけでなく映画に込められた想いの強度も、かなり初代のそれに近づいているのではないか、と思えたのだ。

 それは前回の感想で書いた福島東電原発と東日本大震災の象徴としてのゴジラ部分と、さらに重畳された原爆被爆国としての日本の描写。カヨコ・パターソンの祖母の被爆体験とその語りの後にインサートされる2つの広島の被爆写真。第三の核の洗礼を、いまだ属国としての扱いを続ける米国から受けることになる危険の高まる終盤の展開。

 一回目観た後、なぜシン・ゴジラも初代と同様に皇居を目指したのかが、最大の謎だと思っていた。明確には語られないが、そこには人類史上唯一の核攻撃を受けた国の被爆者たちの想いや、牧元教授の妻の受けた放射能被害、そうしたものの漂う霊気のようなものがシン・ゴジラの背後に纏われていたのかもしれない。(そのようにでも考えないと皇居を目指す意味は全く不明だ)

 熱核攻撃の危険性を描くことで、この国の過去の被爆体験を想起させ、それすらもゴジラに纏わせた今作の製作陣の想い。皇居と東京駅を一望できる科学技術館の屋上から俯瞰された最後の戦闘は、同じ場所でクライマックスを描いた被爆映画『太陽を盗んだ男』の長谷川・ゴジ・和彦監督がそこに込めた想いも召喚し、日本人の戦後を総括したひとつの怨念の形象としてのシン・ゴジラ像を東京のコアに創出した。

 凍結したシン・ゴジラの姿は、戦後の日本の姿のネガ画像のようでもある。

 そうした描写だとぼんやりと理解したところで、初代ゴジラの持っていたものを皇居(宮城の緑)の姿から再度召喚し、そしてさらにまさに現在の日本人に重くのしかかる震災と原発、そしてアメリカとの国家間関係を具体的に描き出して、結晶化したシン・ゴジラの佇まい。

 ニッポンの陰画がクライマックスで東京の中心に焼き付けられた。
 そしてそこに立ち向かった日本人のチームワークが、ひとつの救済のイメージを、映画全体にポジ画として相対。エンターテインメントとしてのカタルシスと、そして埋め込まれたテーマ。その映像としての形象があの凍結したゴジラの姿なのであろう。

◆伊福部音楽の融合 (ネタバレ)
シン・ゴジラ - Wikipedia もうひとつ庵野総監督による音響設定について。

"音響設計:庵野秀明
音楽 : 鷺巣詩郎伊福部昭"

鷺巣詩郎『シン・ゴジラ音楽集』
(リンク先でサントラの各曲を視聴できます。)

 冒頭、初代ゴジラからの伊福部サウンドであるゴジラの足音と咆哮音の引用以降、第一 〜 第三形態のシーンでは鷺巣詩郎音楽が奏でられている。
 そしてシン・ゴジラの鎌倉上陸シーンで、満を持したように初めての伊福部音楽「ゴジラ上陸」が勇壮に流れる。

 まるでシン・ゴジラの映像により、伊福部音楽のゴジライメージが上書きをされているようだと感じたのは僕だけではないはず。
 ここに顕著なように、僕らがよく知っている伊福部音楽がシン・ゴジラの映像によって次々とイメージの上書きをされていく。それは単なる上書きではなく、今まで持っている東宝ゴジラ映像のイメージをその都度想起する我々特撮ファンの脳内に、そのイメージとシン映像の相乗効果をもたらし、より豊醸な音楽として記憶に刻まれる。

 それはまるで(ここは意見の分かれるところでしょうが少なくとも僕にとっては)初代のあと、いつしか怪獣プロレス的になっていったゴジラの姿にどこかしら伊福部音楽の勇壮さがそぐわなくなっていった、ある意味、物足りなさを感じていたファンに、あらたに音楽イメージのリビルドを行なっている様にも聴こえた。

 特に素晴らしかったのがクライマックスの『怪獣大戦争』の『宇宙大戦争』テーマ。
 科学技術館の臨時指揮所の上空にはためくシン・ゴジラのビーム砲の光。そこにかぶる『怪獣大戦争』のテーマの勇壮さたるや素晴らしいシン映像とゴジラ音楽の融合である。ここはまさに相乗効果で、イメージの爆音がファンの脳内に鳴り響き、最高にテンションの上がるところである。
 
 こうした音響効果が庵野総監督によって設計されたのか、鷺巣詩郎氏によるものなのかわからないが、この音楽と音響が映画のイメージをビルドアップしていたことは確かな事実。

◆シン・ゴジラ シリーズ
 まだ先の話を書くのは早すぎるような気もするが、このシン・ゴジラの続篇について想いを馳せてしまう。

 今回描かれて基調としてもたらされたリアリティ描写と、ゴジラという存在の設定と造形。そして世界各国と日本の関係。
 これらのフォーマットを念頭に置いた時、続篇が作られるとすれば、過去のゴジラシリーズとは全く異なる、新たな広大なゴジラワールドがここから広がっていくように感じられる。

 ゴジラ細胞による世界へのシン・ゴジラ(属?)の拡散と対処。あるいは凍結された荒ぶる神の復活と3千5百数十秒後のアメリカ含む多国籍軍の熱核攻撃を受ける日本、もしくはラストに描かれた尻尾の先端のヒト型のものの出現。
 
 これだけハードな設定がなされていれば、ただ単なるVSシリーズへ移行することは考えにくいだろう。日本映画界の優秀な監督群による、庵野のDNA(コンセプトと映像スキル)を持った続篇の登場にも期待したい。
(庵野総監督以下、カラー主要スタッフには「シン・ヱヴァンゲリヲン」シリーズの完結と来るべき『風の谷のナウシカ 第7巻』映像化に期待していたい(^^;) )

◆関連リンク
2016年08月05日(金)「シン・ゴジラが大ヒット!原爆の日を前に語る、戦後日本で核はどう描かれてきたのか」(探究モード)

" 映画「シン・ゴジラ」が大ヒット。原爆の日を前に語る、戦後日本で核はどう描かれてきたのか
■出演者 恵泉女学園大学教授の武田 徹さん、神戸市外国語大学准教授の山本昭宏さん"

 Session 22における『シン・ゴジラ』議論(たぶんその一)。荻上チキほかの気鋭の評者による読み解きをお楽しみに。
Godzilla Resurgence 2016(Youtube)
 タバ作戦の爆撃シーン等。画面設計の冴えの一端。


シンゴジラ公開記念イベント、海ほたる、除幕式後のグッズサイン - YouTube
 海ほたるのイベントで樋口真嗣監督によって語られたシンゴジラの秘密。背びれは生頼範義氏のイラストを参考に造形されたとのこと!

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2016.08.03

■情報 クリスピン・グローヴァー「ビッグ・スライドショウ」奇跡の再登場 !! @カナザワ映画祭2016 : Big Slide Show

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クリスピン・グローヴァーが金沢に帰ってくる!! カナザワ映画祭2016で「ビッグ・スライドショウ」を開催 - カナザワ映画祭主宰者のメモ帳

"「クリスピン・グローヴァーのビッグ・スライドショウ」とは、 ハリウッド・メジャー大作で活躍する俳優クリスピン・グローヴァー。彼は、ライフワーク「ビッグ・スライドショウ」のため、自らフィルムを抱えて全米各地と欧州各国を興行。そして、2008年以来満を持して、今年ハリウッドから金沢まで帰って来る!
 これまで誰も見たことのないイメージの連続、片時も目が離せない! この機会を見逃すな!

9/24(土)
・ビッグ・スライドショウ
・『It Is Fine! Everything Is Fine.』上映
・Q&A ・サイン会

9/25(日)
・ビッグ・スライドショウ
・『What is it?』上映
・Q&A ・サイン会"

カナザワ映画祭2016タイムテーブル最新版 - 目標毎日更新 カナザワ映画祭主宰者のメモ帳

 来た〜〜〜〜 ! この幻のフィルムが、また日本で観られる !!!!
 下記のリンク先に詳細を書いている様に、特殊な上映形態ゆえ、この後、もう二度と日本で観られる機会はないかもしれない。9/24,25の土日。何としても金沢へ赴きたいものだが、、、果たして行けるのだろうか!!?

◆関連リンク 当Blog関連記事
・■デヴィッド・ブラザーズ,クリスピン・グローヴァー監督  スティーブン・C・スチュワート脚本主演『It is Fine. Everything is Fine!』

" 先週末に金沢で上映されたこの映画、素晴らしい傑作であったらしい。ネットでの評判がとにかく凄い。
 特殊な興行形態であるため、日本で観たことのある観客は、カナザワ映画祭2008の会場にいたわずか百数十名のみ。そして今後、DVD等の発売の可能性はなく、日本での公開が再びあるか、まったくわからない。まさに幻のカルト映画の誕生である。
 なんとか都合を付けて観に行くべきだったと悔やんでも後の祭り。そこでネットでの感想リンク集です。"

■動画 クリスピン・グローヴァー「ビッグ・スライドショウ」Crispin Hellion Glover "Big Slideshow"

" かつてカナザワ映画祭で一度だけ日本で実演された、クリスピン・グローヴァーのカルトパフォーマンス "ビッグ・スライドショウ"、この一部が動画として公開されていたので御紹介。"


Crispin Glover - What It Is, and How It is Done. - YouTube

 以上2つのリンクは、うちのBlogの関連記事です。前回のカナザワ映画祭の機会を見逃した人間の、羨望の記事です....(^^;)。殊能将之氏ほか、大絶賛の観客の声をご参考に。


Crispin Hellion Glover Audience Q&A - YouTube.

"My friend asks Crispin Glover a question. He answers. After a screening of his movie, "What is it?" at the IFC in NYC. Crispin Glover is awesome."

 Youtubeで公開されていた、"What is it?"上映後のクリスピン・グローヴァーとのQ&A。こうした雰囲気で上映会は進められるようです。

 本当にこの幻のフィルム、いったいどのようなものなのか!?
 秋の金沢が熱い!!!!!!

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2016.07.31

■感想(後半ネタバレ) 庵野秀明 総監督/脚本, 樋口真嗣 監督/特技監督, 尾上克郎 准監督/特技総括『シン・ゴジラ』


映画『シン・ゴジラ』新予告 - YouTube

◆まずは総論(ネタバレなし)
 名古屋109シネマ IMAX版 初日最終回を観てきた。最高に面白く刺激的。
 ネタバレ感想は後半に書きますが、是非、白紙で観に行かれるのをお薦め。前半はネタバレ避けますが、先入観なしでの視聴がお薦めなので、この原稿を読むのはやめて、是非劇場へ。(初代ゴジラを昭和29年に初めて観た観客のワンダーに近いものが感じられる作品なので、、、。そんな体験ができる超貴重な機会を自ら捨ててはいけませんw)

 会場は古い特撮ファンより、3, 40代のファンで満席。初日のこういう時間帯だからかもしれないが『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の客層と似てる感じだった。そしてラスト、会場から拍手が巻き起こったので、大ヒットになる予感(^^)。

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「ニッポン対ゴジラ」と冒頭の展開(少しネタバレ)
 映画はまさしく庵野秀明映画と言っていい、巨大生物と日本自衛組織との一大映像ページェント。僕らがずっと観たかったリアルで空想科学なゴジラがそこにいた。(ギャレス版もリアルだったけれど、「空想科学」ではこちらが圧倒的にセンス・オブ・ワンダー)

 「ニッポン対ゴジラ」、そのリアルのひとつの要素は、すでに関係者から公開前にいろんな場所で語られているように、政府と自衛隊の対応を徹底的に現実の法律の枠に即して描いているところ。

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 そのシーンの演出と編集がスピーディで冴えていて映画として大きな見所になっている。ここは『エヴァ』でも一部シーンで描かれてきたトーンだが、今回のは徹底的にそれを突き進めてあり、まさに庵野映画としての「進化」でもある。

 最近、どこかでこれだけの情報量を言語によって(話し言葉と字幕で)畳み掛ける映画を観たなぁと思い出したのが大林宣彦監督の『野のなななのか』
 庵野総監督にあの素晴らしい映画の結晶のような作品が影響を与えているかどうかはわからないが、政治描写のベースになっていると語られている岡本喜八監督『日本のいちばん長い日』を再見しても、そこにいる閣僚と官僚は『シン・ゴジラ』ほどスピーディな思考と言葉を操ってはいない。

 映画のタッチが、どちらが似ているかといったら、その言語のトーンとしても『野のなななのか』を挙げるしかない。(もちろん群像劇としての形態と政治家の精神とか若者の感覚は『日本のいちばん長い日』の影響が間違いなく色濃くあるのだけれど、、、)。

 ゴジラという怪獣を新しい巨大生物として、旧作にリスペクトしながらも新たな息吹を吹き込んで定義し直し、初代をリボーンした『シン・ゴジラ』。ギャレス版に勝るとも劣らない白組他のCG映像と、東宝特撮スタッフの映像、スタジオカラーのアニメ演出家とアニメーターの素晴らしいレイアウトとデザインで、その奇想を徹底的に描き出したシン怪獣映画。

 これは怪獣映画ファンだけでなく、SF映画好きアニメ好きほか、映画ファンも参戦するしかない、映像のまさしく祭りです。

★★★★ネタバレ注意(絶対読んじゃだめです)★★★






「現実対虚構」(ネタバレ) シン・ゴジラに埋め込まれたもの
 観終わった時はエンターテインメントな怪獣映画にワクワクしそれほど意識しなかったが、本作は日本の現在晒されている現実がリアルに表現されている。
 1日経って話の骨格を思い出してみると、身も蓋もない言い方になるけれど 「体内で核分裂をする動く "福島東電原発であり東日本大震災" が東京の街を蹂躙、それを日本人の集団の英知が救う」というのが作品の骨格。(加えてそこに日米安保と世界のパワーポリティクス、そして自衛隊と米軍による戦闘という、現実の日本の国際上の課題が強く反映されている。ラスト、将来の日米政治を担うだろう2人の主人公のセリフでパートナーシップでなく「傀儡だろ」というのが効いている)

 見終わった後の第一印象、エンタメの枠でいいものを観た〜という感想に引っかかるのが、クライマックスの戦いで要になるポンプ車シーンのカタルシスが低トーンであっけない出来であったこと。
 もっと消防師とか自衛隊員の誰かをクローズアップして決死の行動を詳細に描いた方が良かったのではないだろうか。感情移入できる登場人物を1名中心に置いて。

 でも考えると、そんな描写をするのはこの映画を作れる力量のあるスタッフなのだから別に難しいことではない。意図的にこのように薄味で描かれているのだ。
 観終わった後、このように引っかかったので考えると、このシーンは観客の現実の311の記憶が映画を補完するような、そうした構造に組み立てているのではないか。
 そこから福島原発を想起して前述の話の骨格(まさにゴジラが福島原発のメルトダウンした原子炉を体現しているのだと)気づかせる仕掛けがあるのだ。

 今回の巨大生物は、海底へ投機された放射性廃棄物が原因になってるし、核兵器がその契機になっていた初代に対して、まさに「東京に原発」が本作の構造である。

 今作は初代ゴジラに迫れたろうか。
 あのシンプルな水爆と科学の暴走への恐怖は、本多猪四郎監督他スタッフが映画製作直前に体験した戦争と日本に投下された二発の原爆、そして繰り返される水爆実験の影が色濃く滲み出ている(公開の9年前が敗戦の年、二発の原爆が人類史上初めて投下された年)。

 それに対して本作は、311による巨大な災害と原子炉メルトダウンによる核の洗礼を受けたスタッフ(と我々観客)。5年前の311の体験がスタッフに生々しく残っている中での、核廃棄物に起源を持つゴジラ。ここが初代をターゲットに本作を企画した庵野総監督の意識に強くあっただろうことは間違いない。そして原発批判をどこまで入れるか、スタッフは多分葛藤しただろう。

 本作は表面上はエンターテインメントに徹して仕上げている。もしかしたら、311直後で強烈に震災の影響を受けてねじくれた『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』に対して、その影響は整理され『序、破』のエンタメ性が復活してきているのが本作ではないだろうか。(ここから、次のヱヴァンゲリヲン新劇場版は、再びエンタメ回帰で一大カタルシスが期待できるかも。)

 ゴジラは今回も皇居を目指して進行。で、都心に原子炉が現出。そして最後はオブジェのようになって、東京駅の隣の皇居と都民と国民を睥睨する。続篇ではあの凍結したオブジェのようなゴジラが再度、、、といった展開で未だ収まらない原発問題をさらに鋭くえぐるような映画も可能性があるのではないだろうか。

 戦争という巨大な体験に対して、規模は比較すると小さいがそれでも未曾有の物理的傷と神的な傷を現代に残した「東日本大震災」。これによって初めてリアルに初代に拮抗しうる負のエネルギーを持ち得た「シン・」ゴジラ。

 これからのシリーズ化があるかどうかは分からないが、未だ終わっていない福島原発と国際的なパワーポリティクスの日々増していく不安の堆積。これらは初代と違い、「現実」が今後も持ち続ける負のエネルギーである。
 ここに正面から向かい合うことが、シンシリーズの宿命としてゴジラ細胞のDNAに刻み込まれたものである。少なくとも僕は倒壊し放射能汚染された東京が、現実の日本と並走しながら、あの若い政治家と官僚たちの手で蘇る姿を今後も観てみたい。その時、「現実と虚構」の対決はどちらに軍配が上がるのだろうか。

◆蛇足のアラカルト ここからは箇条書きでw

・「巨神兵、東京に現わる」に続き青い光で焼かれる東京。庵野監督は本当に『風の谷のナウシカ』第七巻をやりたいんでしょうね。今回の「巨神兵」は、東京に現わるよりもシャープな演出だったと思う。レイアウトと編集の冴えがさらにピシッと決まっている。庵野総監督がDNAは埋め込んだので、シン・シリーズからは離れて、是非(ヱヴァンゲリヲン新劇場版と)『ナウシカ第7巻』を早く撮ってほしい。

・第2→3形態への変貌シーン。あの覚醒シーンも白眉。こんなゴジラ観たことない。幼体からの急激進化/巨大化の過程には個性が現れるだろう。今後のVSものの可能性もここに埋め込まれている。

・ヤシマ作戦ならぬ、ヤシオリ作戦のネーミングの由来がわからなかったのでググってみたら、このお酒の名が起源のよう。同名のバーが名古屋にあるみたい。ゴジラファンで混むかもしれませんね。
 以下はそのバーについて書かれたブログ記事からヤシオリについて。まさに粗ぶる神を眠らせる酒。Facebookの石田達也さんによる『シン・ゴジラ』ネタバレ談話室で教えて頂いたのですが、「八塩折之酒」という漢字になるそうです。
「むぎコメぶどう ヤシオリ」(名古屋市中村区)にて~~|吹き抜ける風と太陽を浴びて・・・心の行くまま流れるまま・・・

"「ヤシオリ」は「ヤマタノオロチ」伝説に出てくるお酒の名前から採ったとか。
ヤマタノオロチは、甘くて飲みやすい日本酒の古式製法・「しおり法」で造られた「ヤシオリの酒」をがぶ飲みし、酔っ払った寝込みを襲われた・・・・と言う話。ヤシオリの酒の「ヤ」は日本の古語で「何度も繰り返す」と言う意味。"

・前回の初代ゴジラの記事で述べたゴジラの足音について。
 本作では、初代ゴジラをなぞるように、冒頭東宝マークが現れるととも、あのゴジラ音が。その後は、後半で一箇所だけ主人公がビルの谷間に見るゴジラシーンにあの伊福部昭によると言われている音が使われていた。まさに初代へのリスペクトである。

・若い理想を持つ政治家の言葉は、その将来を想像すると『ナウシカ第七巻』の理想を持っていたはずの為政者の腐敗を思い起こさずにはおれない。膿のように溜まっていく現実との軋轢で磨耗する理想。そうしたところもシン・シリーズで描かれるテーマのひとつでしょうね。

・自衛隊攻撃、その政治的手続きと絞り込まれた作戦、そしてギリギリと積まれた緊迫感がとても良かったですが、ひとつ特筆すべきは攻撃精度。普通のゴジラ映画では火機の攻撃は当たらない玉が周囲に散らばりまくる。しかし今回は的確に攻撃対象にほぼ全弾が当たっている(予告篇で何回か見てみると一発外れているようにも見えるけどw)。あれだけの巨大なターゲットなので全弾当たるのは当たり前。その描写のリアルさもとても良かった。

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2016.07.27

■感想 本多猪四郎監督『ゴジラ』(1954年)


ゴジラ - YouTube

 本多猪四郎監督『ゴジラ』(1954年) デジタルリマスター WOWOW版録画見。
 ちまたでは庵野秀明総監督&樋口真嗣監督『シン・ゴジラ』試写の感想がつぶやかれているようですが、(ネタバレが怖くて情報シャットアウト中w) 、『シン・ゴジラ』の前に第一作を観直した。真面目に丁寧にそして大胆に作られていることを再度実感。

 特に昨年観た時に気になっていたゴジラの足音に着目して今回の感想をまとめてみた。

 ゴジラの足音は、タイトルバックと海からの登場シーン、大戸島シーンのみに、太鼓の音で付けられている。日本本上へ上陸してからは.地上シーンも海上シーンも足音は無音。
 建物が踏み潰されるシーンのみに、その破壊音が当てらえているので錯覚するが、今回注意して観るとまさにそのように演出されている。特に無音のシーンは、どこかゴジラの幽玄な雰囲気を創り出している。

 冒頭でゴジラの脅威を足音(太鼓)で表現しているので、普通に考えればリアリティーを出すために、巨大な存在のおそろしげな地響きをともなう足音を使うのが常道であろう。
 しかし本多監督(と円谷特技監督?)は、そこを無音で処理した。明らかに強い何らかの意図があったものと考えられる。

 この無音の意図は何だろうか。
 やはりよく言われる様に、太平洋に散った英霊の象徴化を意図されていたのか。それとも水爆という脅威を映像化するのに、現実的な音を廃して幻をイメージさせようとしたのか。

 科学志向が強かったという本多監督がこの抽象的描写で何を狙ったか、機会があれば御本人に確認したかったと思わざるを得なかった。ネットで検索すると、いくつかこの描き方に対する解釈を読むことができるのだけど…。今回探した限りでは直接関係者に確認した情報はネットにないようだった。
 54年版ゴジラのドキュメンタリー的な映像描写、テーマである科学批判と、そして幻の様なゴジラ描写。これらが、後年のエンタメ作、リアル志向作と圧倒的に異なり、本作に鋭いギリギリするような緊迫感をもたらしているのだと思う。

 そして、芹沢博士の発明したオキシジェンデストロイヤーという仕掛けを用いることで、ゴジラという存在で水爆の脅威を描くとともに、科学の暴走の悲劇を二重に描き出している。ここは何度でも書き綴られるべき本作の素晴らしい描写であろう。
 さてこれを復習した上で、原発事故後の日本と『シン・ゴジラ』の闘いがどのように描かれているか。オキシジェンデストロイヤーに変わる仕掛けは何か用意されているか。そしてゴジラの足音の処理は?

 興味は尽きないがこうした空想をして時間を潰すのもあとわずか3日程。週末の公開が楽しみでならない。

◆関連リンク
ゴジラデジタルリマスター版三大放送ビットレート比較 - 録画人間の末路 -

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2016.07.25

■情報 ヤノベケンジ展「シネマタイズ」&「ULTRA×ANTEROOM exhibition 2016」 開催!

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ヤノベケンジ個展『シネマタイズ』@高松市美術館 - Togetterまとめ

"ヤノベケンジ個展@高松市美術館「CINEMATIZEシネマタイズ」
2016 年7 月16 日(土) ~ 9 月4 日(日) [会期中無休]
http://www.city.takamatsu.kagawa.jp/museum/takamatsu/index.html
開館時間:月~土9:30~19:00 日曜日9:30~17:00
* 入館は閉館30分前
入場料:一般1,000円、大学生500円、高校生以下無料
http://www.yanobe.com/
ヤノベケンジHP
http://ultrafactory.jp/news/post_204.html
京都造形芸術大学ウルトラファクトリーHP"

 7/16から開催された大規模なヤノベ氏個展。僕はすぐは行けないため、twitterの皆さんのつぶやきから、開催の様子をまとめてみました。
 撮影自由とのことで、皆さんの撮られた素晴らしい写真が見られますので、リンク先をご覧ください。(冒頭の写真は、Google画像検索の結果です)

Uxa2016

「ULTRA×ANTEROOM exhibition 2016」開催! | 京都造形芸術大学ULTRA FACTORY

" 今回は同時期に高松市美術館で開催されるヤノベケンジ展「シネマタイズ」で映画出演とコラボレーション展示をする俳優の永瀬正敏も特別出品し、20年以上のキャリアを持つ写真家としての顔を披露致します。
加えて、新たに誕生するアーティストが客室をディレクションするアーティストフロアでは、本展出品のヤノベケンジと、名和晃平率いるSANDWICHが生み出すアート空間にご宿泊いただけます。まさにホテル全体が刷新され、日常を超えたアートを体験できる場となることでしょう。今まで以上に京都から世界への 文化発信基地となるホテルアンテルーム京都で、世界を変え続けるウルトラ・クリエイターの展覧会を是非ご高覧ください。
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「ULTRA×ANTEROOM exhibition 2016」
会 期:2016年7月14日(木)-9月11日(日)
会 場:ホテル アンテルーム 京都 GALLERY9.5
会期中無休・入場無料/営業時間:12:00~19:00"

 こちらは二回目になる京都のホテル・アンテルームとウルトラファクトリーの企画。ホテルにウルトラな作品群が飾られ、部屋ごとにアーティストの作品が飾られているようです。
 京都一泊、高松ツアーが必要かもw。

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2016.07.20

■情報 磯光雄監督 新作『レユニオンの海賊とドードー鳥』"Les Pirates de la Réunion Le Réveil des dodos"

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磯光雄監督 最新作が発表! | インフォメーション | 月刊アニメージュ

" この作品は、インド洋にあるフランス領レユニオン島を舞台にした物語で、キャラクターの一部とイメージボード、島のイラストが紹介。磯光雄さんはフランスのアニメファンにも熱烈な支持を受けており、2007年の『電脳コイル』以来の作品発表に、会場のボルテージは上がり、期待の高さをうかがわせた。
 また、会場に磯光雄本人がサプライズで現れ、オーディエンスに紹介されると、会場は大きな拍手と歓声に包まれ、磯さんも手を振ってそれに応えた。"

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 磯光雄監督『電脳コイル』以来の待望の新作!どうやら映画企画として進行中のようです。
 『Les Pirates de la Réunion Le Réveil des dodos』、フランスのスタジオ"Yapiko"とのコラボレーション。イメージボードとキャラクタデザインが発表されています!

 タイトルの『Les Pirates de la Réunion Le Réveil des dodos』は、Google翻訳では「ドードー達の海賊会議 目覚め」という訳文を編み出してくれていますが、以下の磯監督自身のHPに記載された『レユニオンの海賊とドードー鳥』というのが正しい訳なのでしょう。

ima-ima's INFO

"なお、謎のフランス人プロデューサーと共に絶賛漂流中のこの企画ですが、 脱稿後にちょっとした動きがあり、ひょっとしたら近いうちに どこかに漂着(座礁?)したりするかも… 2016/07/06"

"「企画書サルガッソ」連載第二回 というわけで雑誌「アニメスタイル」で漂流企画書をチラ見させてみる連載 「企画書サルガッソ」、第二回は 「レユニオンの海賊とドードー鳥」 興味ある方は是非アニメスタイル009号をご予約ください。7月14日 発売予定です。 "

 すでに『アニメスタイル』008号から、「企画書サルガッソ」という連載で紹介され始めているようです。残念ながら僕は未見ですが、、、。

 傑作『電脳コイル』から9年、磯監督が予見したAR,VRの本格的な時代が到来しつつある現在、新たに監督が挑むのは海賊の物語のようです。イメージスケッチもワクワクする出来なので、期待して待ちましょう。

◆関連リンク
Les Pirates de la Reunion | Facebook
 作品のFacebookページ。
磯光雄監督 twitter

"アニメーター・演出家/「電脳コイル」原作・脚本・監督/最近戦ってる見えない敵:ポピュリズム、宇宙の谷(造語)、水平"

 今年の春からスタートした磯監督のtwitter、ご自身の近況と、最新のテクノロジー情報のRTが中心のようです。相変わらずトンがった未来技術を紹介されています。
Yapiko(フランスのアニメスタジオ 公式)
『アニメスタイル009』
『アニメスタイル008』

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2016.07.18

■情報 クエイ兄弟―ファントム・ミュージアム― @ 神奈川県立近代美術館<葉山館> "Quay Bros. Phantoem Museums "

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クエイ兄弟―ファントム・ミュージアム―:神奈川県立近代美術館<葉山館>

"会期 : 16年7/23-10/10。
休館日 月曜日(ただし、9月19日と10月10日は開館)
開館時間 午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)

 本展開催にあわせてクエイ兄弟が来日し、初日に公開制作を行います。制作された作品は、会期中ご覧いただけます。
日時:7月23日(土曜) 午前10時~11時30分(予定)
※申込不要、参加無料(ただし「クエイ兄弟」展の当日観覧券が必要です)

 アジア初の本格的な回顧展となる本展では、これまで日本では紹介される機会の少なかった映像作品や舞台デザインも交えて、クエイ兄弟の美の世界を総合的に紹介します。"

 ついに日本でクエイ兄弟の回顧展。映像の上映から造形作品の展示まで。
 以前こちらの美術館は、ノルシュテイン夫妻の展示会があり、とても充実していただけに楽しみでなりません。

 いよいよ今週末、クエイ兄弟が日本のファンの眼前に現れるのです!
 初日に行くのは無理だけれど、また東京出張のついでに葉山訪問を目指します。

◆関連リンク
・当Blog関連記事
 「話の話 ロシア・アニメーションの巨匠 ノルシュテイン&ヤールブソワ」展@神奈川県立近代美術館<葉山館>

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2016.07.13

■感想 ローランド・エメリッヒ監督『インデペンデンスデイ リサージェンス』IMAX 3D


Independence Day: Resurgence | Official Trailer 2 [HD] | 20th Century FOX - YouTube

 先週に続いて週末IMAX第2回は、ローランド・エメリッヒ監督『インデペンデンスデイ リサージェンス』IMAX 3D 字幕@名古屋大高。

 いやー、前作を凌駕する超巨大宇宙機による大侵略SF。とにかくその凄まじい超弩級の巨大戦闘艦が月と地球に現れた際に起こる飛んでもないカタストロフの描写には痺れる。たぶん冒頭40分ほどだと思うが、その映像のセンスオブワンダーを観るだけでももう一度IMAXへ行きたい(^^)。宇宙機の大気圏突入映像としては屈指の出来(何が何だか分らないが勢いで観せられている感は強いのだが...w)。月からの連続的な描写で大気圏突入を一気に見せて唐突に破滅の淵にたたされる地球の姿が描かれ、迫力は満点である。

 魅力的な若者たちと前作の登場人物をうまく絡らませて(ep.7には少し負けるけどw)、各戦闘シーンも1つ1つ臨場感をうまく演出している。そしてそれをさらに迫力一杯に観せているのが、ステレオDとレジェンダリ3Dという両雄3Dスタジオによるステレオ映像変換技術。

 巨大宇宙戦艦舐めの、地球戦闘機の立体視ドックファイト。月表面上の戦闘砲舐めの某もうひとつの宇宙機描写。地球着陸時の超弩級艦のそそりたつ巨大感。
 そしてその後に展開する大怪獣映像。
 断言します、この映画はその迫力を真に体感するためには、是非とも3Dで観て下さい。

 物語はSFとしてはどこか映画で観たような、斬新ということはあまりないが、エンタテインメントとしてはなかなか好感が持てる出来。

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 写真引用したのは、地球軍のエース女性パイロット、上海出身の女優 アンジェラベイビー(何て名前だ!)と地球軍の主力戦闘機の姿。戦闘服姿の全身写真が見っからなかったのだけれど、冒頭の戦闘服の立ち姿の素晴しさは、近頃のSF映画ヒロインの中でも屈指。この姿を観るだけでももう一度IMAXへ....(以下略)。

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 右は『インデペンデンスデイ リサージェンス』のキャンペーンでの戦闘機の横に立つアンジェラベイビーの姿。今後、このようなSF映画で活躍されるのを望みたい(^^;)。

 そして脇を固めるのが、シャーロット・ゲンズブール。『二ンフォマニアックス』の印象が強く、どこか妙にエロティックに感じたのは、僕だけだろうか。異星人研究者として、理知的な雰囲気(少しトンデモだけれど、、、)を画面に付与している。

 あと印象的だったのは、前作でアフリカに堕ちた巨大宇宙船を探索しているディケンベ・ウンブトゥ(デオビア・オパレイ)という人物。宇宙人の技術と精神を探るうち、その潜在意識にアクセスしている、という様な設定と、アフリカの呪術的な雰囲気での異星人文明探索というのがSF的な想像力を刺激する。(といってもそのエピソードが描かれてはいないのだけれど、映画の厚みを持ち上げているのは確か。



★★★★★★★以下、少しネタバレ★★★★★★★★




 敵異星人への組織的反逆を狙っている"宇宙生命体連合"(?)について描写されているが、続篇への意欲満々。宇宙の先進テクノロジー同士の壮大なスペースオペラとそこに不屈の戦闘意志を買われて参戦するアメリカ人。

 この規模で大宇宙戦が見られるなら、次回作にも期待。宇宙戦艦の大インフレーションがどこまで進んでいくか、『スターウォーズ』とは異なる、壮大な宇宙の知的生命の運命を賭けたテクノロジーの粋を極めた宇宙戦を観せてほしいものです。

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2016.07.11

■情報 古都プラハの若手作家展 Mladí umělci ze staré Prahy @パペットハウスギャラリー

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Mladí_umělci_ze_staré_Prahy / パペットハウスギャラリー
(マリオネット・腹話術人形・指人形-Puppet House / パペットハウス)

"古都プラハの若手作家展 「Mladí umělci ze staré Prahy : ムラディー ウムニェルツィ ゼ スタレー プラヒ」
JR飯田橋駅東口改札から徒歩2分

7/9(土)- 7/16(土)
※会期中無休
11:00 AM ~ 7:00 PM

佐久間奏多
バーラ・フベナ
テレザ・コマールコヴァー
アルジュビェタ・スカーロヴァー
フランチシェック・アントニーン・スカーラ"

 チェコの若手作家のパペット展示会。Facebookのチェコ蔵さんのページで知りました。僕は不勉強でこれらの作家さんたちを知らなかったのですが、このHPや下に紹介したBlogのページに紹介されている作品写真がとても良いので、機会さえあれば(会期が1週間とは行ける機会は難しいのですが)、是非会場へ足を運びたいものです。

◆各作家のGoogle検索 作品等 画像リンク
 Sota Sakuma
 Bára Hubená
 Tereza Komárková
 Alžběta Skálová
 František Antonín Skála
 各作家の作品をネットで検索してみました。参考にしていただければ幸いです。

Ph100424

まもなく初日。古都プラハの若手作家展 | Puppet House Keeper's Blog Ⅱ

"日本ではじめてのパペット専門店"パペットハウス"を、店主と二人で営んでいます。ハウスキーパーとして、新作の紹介や作家さん情報など、ここから発信していきたいと思います。"

 実はパペットハウスさんのことも知らなかったので、この会期中に行けなかったとしても、一度、東京出張の折にでも寄らせて頂きたいと思っています。

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2016.07.06

■動画 ジェシー・カンダ監督 ビョークPV「マウス・マントラ」björk "mouth mantra"


björk: mouth mantra - YouTube

"björk: mouth mantra taken from the album vulnicura

director, editor, post production: jesse kanda

music: björk
produced by: prettybird
exec producer/producer: juliette larthe
head of production: margo mars
producer: hannah may"

 ビョークのPVが凄い。強烈なので僕は全篇をまだ正視できませんw。視聴は御注意を。自己責任でお願いします。
 今回はこのPVを作ったジェシー・カンダ監督作品について簡単にご紹介します。
 まずは日本語での情報はほとんど出てないですが、以下のサイトで紹介記事がありましたので、引用させていただきます。

これが世界のエグさの最先端!ジェシー・カンダの閲覧注意なMV – 音楽WEBメディア M-ON! MUSIC(エムオンミュージック)

" 最後はアイスランドが世界に誇る歌姫、ビョークの最新アルバム『ヴァルニキュラ』に収録されている「mouth mantra」。なんか、キ、キモいんですけどー!!
 同曲は3年前の声帯ポリープの除去手術で、一時的に声を失ったビョークの心境がテーマ。ジェシー・カンダは特製カメラで、大胆にも「歌っている最中のビョークの口の中」を撮影しているのだ。 ズームが多用された口内は、とにかくグロテスク!
 そこにジェシー・カンダが加えた色の反転や回転の編集により、この世のものとは思えないほど恐ろしい映像に仕上がっている。一度は観ておくべき、世にも奇妙な「口内ミュージックビデオ」である。"

ビョーク『ヴァルニキュラ』

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 左はそのビョーク『ヴァルニキュラ』のジャケットイメージ。
 なんとも壮絶な身を切るようなビョークの姿勢が感じられる。

 このアルバムの最後を飾る曲が「mouth mantra」である。
 そのPVの刺激的な内容には、まさにこのビョークの強い想いが反映されているのではないかと想像できる。

 

ビョークの新譜『VULNICURA(ヴァルニキュラ)』に思うこと | 編集部ブログ | mi-mollet(ミモレ) | 講談社.

"このアルバムは、長年連れ添った最愛のパートナー、現代美術家のマシュー・バーニーとの離別、絶望、家族崩壊からの傷の癒えがテーマになっています。"

 マシュー・バーニーとのいきさつ、僕はよく知らないのだけれど、この経験が『ヴァルニキュラ』に強く影響しているのは間違いないだろう。われわれはこの音楽と映像から、そのビョークの経験を想像するしかない。

音楽の発明家、Björkインタビュー:「VRはライブすら超えるかもしれない」 : ギズモード・ジャパン
 こちらのヴァーチャルリアリティについての、ビョークのインタビューがとても興味深い。VRと身体のリアル、この関係について、とても強い関心を持っているアーティストであることがよくわかる。冒頭のPVはその志向が強く反映されたもののようだ。

 そしてそのPVを監督したジェシー・カンダについて、前述のM-ON! MUSICで紹介されている。

これが世界のエグさの最先端!ジェシー・カンダの閲覧注意なMV – 音楽WEBメディア M-ON! MUSIC(エムオンミュージック)

" ジェシー・カンダは、カナダ・バンクーバーのビジュアルアートデザイナー。3Dデザインやアニメーションを専門とし、超現実的でユニークな映像作品を作ることで有名だ。 彼の知名度を世界的なものにしたのは、1990年生まれの若き天才トラックメイカー/プロデューサー・アルカと制作した数々の作品である。"

Jesse Kanda(公式HP)
 ジェシー・カンダ(もしかして日系の方でしょうか?神田?)監督の公式HPに、動画やCGイラストの各種作品が掲載されています。その中から僕が興味深かったものをいくつか引用掲載します。


Arca x Jesse Kanda — Fluid Silhouettes - YouTube.
 こちらも異様な人体の変容です。この動画のサムネイルは、このブログでも時々紹介する日本のアーティスト加藤泉氏の作品をどこか思い出させるプリミティブな雰囲気があります。この色彩のタッチがどこか共通項を感じます。


FKA twigs - How's That - YouTube.
 こちらは日本アニメ(金田伊功)の影響もありそうなシャープな人体変容。金田伊功の人がヒカリのようなものに変容する動画を、3D-CGで再現したものの様に見えます。


HBA GALVANIZE BY WENCH - YouTube.
 こちらは爆発を美しく表現しています。この橋の爆発は実写なのかCGなのか。
 なかなか多彩な監督ですね。今後も新しい作品、楽しみにしたいと思います。

◆関連リンク
・Arca & Jesse Kanda、東京・大阪にて来日公演 » UNCANNY.

"「TAICOCLUB’16」出演で来日するArcaとJesse Kandaが、東京・大阪にて来日公演を行う。大阪公演は、6月10日、CIRCUS OSAKAにて、また、東京公演は、「TAICOCLUB’16」のオフィシャルアフターパーティとして、6月11日にWOMBにて開催される。詳細は、 各会場のホームページにて。"

 盟友Arcaとこの6月に来日されていたようです。これは覗いてみたかった。
Jesse Kanda (Facebook)

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