2008.05.19

■プレステ3:PS3 高機能ネットワークAV PC その1

PS3 Blu-rayプレイヤーとして、プレステ3を買ったのだけれど、いろいろ遊べる。ゲームマシンというより無線LANを持った高性能AV機能PCといった感じ。
 既に語りつくされた感はあるが、このBlogの視点でいくつか書いてみる。

◆Blu-ray & DVD再生

 もちろんBlu-rayはハイビジョンの高精細な映像をしっかり再生してくれて、気持ちいい。
 ただしデジタル放送のハイビジョンカメラの臨場感のある画像に慣れていると、映画フィルムから取り込まれたBlu-rayのハイビジョンがなんだか鮮明さを一ランク落としたように感じるのは僕だけだろうか。
 フィルムのその質感がいい、というのもわかる。だけれど、もっとここは高解像度でリアルに観たいよな、と思うシーンがいくつかあるのも確か。
 今後、ハイビジョンデジタル放送に慣れた観客に対して、デジタル撮影された映画を、フィルム調に加工してディスク化するか、そのままハイビジョンのクオリティとするかは、映画業界が直面する課題なのだろう。(ハイビジョンとフィルムの解像度についてはこちらを参照)

 あとDVDのアップコンバート機能を期待していた。
 これもなかなか素晴らしい。今まで観ていた同じDVDがワンランク上の映像になった感じ。どう表現すると伝わるかよくわからないのだけれど、僕の感覚としてはプロジェクタで80インチくらいの大きさでDVDを観ていたものを、120インチの大きさに拡大して解像度が変わらない感じ。今までDVDは投影する大きさを小さくして観ていたのだけれど、PS3ではそれが必要なくなったというイメージ。さすがにハイビジョンにはかなわないが、、、(うちのプロジェクタについてはこちらを参照)。CELLの計算能力に感謝。

◆デジタル写真スライドショーとディジタルオーディオ再生

Ps3_slide_show  PCからメモリかDVDにディジタル写真を入れて、PS3で簡単に再生できる。プレステのコントローラで素早い操作感。

 特に素晴らしいのが、スライドショー再生。右の写真を見てほしい(直接PCでキャプチャーできず、テレビ画面を撮影したので、画質はご勘弁)。

 デジタル写真が、プリントされた写真として上から落ちてきて、左から右へ流れて行く。落ちてくる写真は紙の質感を持っていて、他の写真と衝突する様子や影がリアルタイムに再生される。そして時々アクセントとして、ネガフィルムやポラロイド写真の形態で表示される。

 これらの映像はリアルタイムでPS3のCELLにより計算(レンダリング)されていて、しかもコントローラでスピードや拡大率を自由に帰られる。これがなかなか驚異的、そしてすこぶる気持ちいい。僕がPS3で最も感動したのが、実はこの機能。

 家族のここ7年ほどの写真がこのように映像として表示されると、エモーショナルに訴えてくるものがある。マシンのパワーが人の感性に訴えるところが凄い。このソフトはひとつのキラーアプリかと思う。(音楽を同時再生できるともっといいのだけれど、、、)

 この記事、明日へ続く。

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2008.05.18

■チェコのアーティストグループ:ZTOHOVEN
  核爆発フェイクビデオとそのドキュメンタリー

Ztohoven_art02horz_2
YouTube - Fiktivní výbuch atomové bomby v Krkonoších (Zprávy ČT24)
                         (放映された映像)
Exclusive trailer: How to stage a mock nuke blast on live TV (Aktuálně.cz)
         (ハッキングを記録したドキュメンタリービデオ)

 チェコのアーティストグループZTOHOVENが、チェコの公共放送局:Czech Televisionのウェブ天気カメラにハッキングして放映された核爆発のフェイク映像。

 07年6/17(日)の事件。ZTOHOVENによる声明文は下記に要約されている。

お天気カメラが核爆発の瞬間を捉えて生放送 - GIGAZINE

 発表された声明によると、(略)社会を脅迫したり操作したりするためではなく、毎日の生活の根本が「メディア」によって成り立っていることを証明するためだったそうです。

 今回の活動によって、実際の我々が現実と思っている世界は単純にメディアが作った世界を見ているだけであり、我々がテレビで毎日見ているものが「現実」であるかどうかはわからない、としています。

 これを読んだ時は、凄いアートだ、と思ったわけです。
 チェコと言えばヤン・シュヴァンクマイエルを思い出すのだけれど、彼のコンセプトに「マニピュレート(不正操作)」というものがある。それを思い出して、まさにマスコミによる操作へのアンチテーゼとしてのハッキングアートだ、凄いと。

 しかし、ZTOHOVENが自作した上記リンクのドキュメントビデオを観て、その感想は脆くも崩れ去った。

 ドキュメントには、放映の瞬間の「大喜びする姿」が歓声とともに映っている。その歓声の音声が彼らの真の意図をしっかり示しているように思う。この卑しい感じの笑いを聴いたほとんどの人は、こいつらは面白半分にやっている、と思うだろう。作品と作者は切り離して考えるという考えもあるけれど、、、。

 テレビを使うことにより生々しいアートをある意味見事に表現したつもりでも、このドキュメントを映像として公開したことで、これも生々しくリアルに彼らの卑しい本質(たぶん)をさらけ出してしまった。

 映像の持つ怖さがここにある、と思う。そして顛末としては以下。

テレビで「キノコ雲」放送の6人を起訴、チェコ 国際ニュース : AFPBB News.

【08年1月4日 AFP】
チェコ・プラハ(Prague)在住の6人が2日、2007年6月、チェコ・テレビ(Czech Television)の番組放送中に、映し出されていた田園風景の映像を核爆発によるキノコ雲の映像にすり替え、虚偽の情報を流したとして起訴された。
 起訴された6人は、チェコ国内の美しい風景をウェブカメラで中継する早朝番組の電波に、何らかの方法で侵入。核爆発に続き、キノコ雲の映像を放送した。  チェコ・テレビによると、虚偽の情報を放送した6人には3年以下の禁固刑か高額の罰金が科せられるという。(略)

Ztohoven_art◆関連リンク
・彼らの過去のアート(右)。
 あまり大したことないなーと。
CzechTek WebLog: Statement made by art group ZTOHOVEN regarding their attack at the public service broadcaster in the Czech Republic. (English) 
CzechTek WebLog: Ztohoven vs. Czech Television (English). 受賞に対するTV局の批判

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2008.05.15

■岩井俊雄 「TENORI-ON:テノリオン」 ヤマハ 国内販売

Tenorion_01 ヤマハ、直感的に作曲/演奏できる
     「TENORI-ON」を国内販売

TENORI-ON | ヤマハ株式会社
TENORI-ON開発日誌

 イギリスで先行発売されていた岩井俊雄氏の新感覚の楽器テノリオンがいよいよ日本でも発売。

YouTube - Toshio Iwai (TENORI-ON) @ Artfutura05

 ここに演奏のビデオがあるけれど、いい味が出てます。
 これなら音楽が苦手の人(>>自分)にも何か作曲ができそう。

 映像的にもLEDが面白い。

◆関連リンク
TENORI-ON (amazon検索) 5/11現在 取り扱いなし。
・当Blog記事 第6回 織部賞 授賞式  岩井俊雄「メディアとアート」

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2008.05.14

■ドミニク・セナ監督『ソード・フィッシュ』

ドミニク・セナ監督『ソード・フィッシュ』 (amazon)

『マトリックス』のジョエル・シルバーが放つVFXサイバー・アクション!
さらなる進化を遂げたド迫力の最新VFX“30秒マシンガン撮影”誕生!!

 うちの近所のレンタル屋にはまだ二十数枚だけどBlu-Rayディスクが置いてあるのだけれど、何故かメジャータイトルに紛れてこの一枚が、、、。で、観たことなかったので、レンタル。

 冒頭のテンポは最高。
 『パルプ・フィクション』を連想させるトラボルタのマシンガントーク(映画論!)、そしてそのあとに続く30秒マシンガン撮影の迫力。

 ここを観るだけでもお薦め。

 、、、、実はその後は派手なパスシーンとかヒロイン ハル・ベリーのカッコよさはあるが、割りとハリウッドエンタテインメントの定石。クラッカーの描写も今一つだし、、、。

 それにしても別エンディングが二本も入っているのだけれど、どちらも凡庸。
 これなら収録しない方が後味いいと思うけどいかがなものか。しかも何故かその別エンディングは、ハイビジョンじゃないし。

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2008.05.13

■サン・ホセ アート ミュージアム : San Jose Museum of Art
  ロボット : エボリューション オブ ア カルチャー イコン
  ROBOTS: EVOLUTION OF A CULTURAL ICON

Robots_evolution_of_a_cultural_icon
ROBOTS: EVOLUTION OF A CULTURAL ICON
  San Jose Museum of Art
  (Hi-Fructose Magazine経由)

 2008.4/12-10/19の期間、開催されているロボットの展示会。

TitleカタログPDF (各作家ページへのリンク有)

 トイ・ロボットのコレクションからアーティスト作品まで展示されている。写真にあるように発砲スチロールの巨大なロボットがいるようだけれど、巨大ロボットでアートといえば、何故、ヤノベケンジのジャイアント・トらやんがいないのか、と日本からの届かぬ不満の声を上げておこう(^^;)。

YouTube - sanjosemuseumofart's Channel
 Clayton Bailey Nemo Gould David Paceという作家ごとの14のビデオが紹介されている。

Curator_2 で、主演は、キュレータのJoAnne Northrupさん。展示作品について語ってくれてます。
 日本からサンホセへはとても行けないけれど、鮮明なビデオでこんな美人に案内してもらえるなら、全然行かなくてもOK(^^)。

 日本のロボットトイをサイバー侍と評していたり、なかなかいい味。

シェンケル、海を渡る 横山作品の展示レポート
世界のアート:マシーネンクリーガー米美術展出撃!
 (Blog ましーねんおじさんのいろいろさん)

 そしてロボット先進国 日本からは横山宏氏作品が数体、展示されているとのこと。
 この精巧な作りによるリアリティ、素晴らしい。

Automaton Blog: Kinetic Sculptor Nemo Gould's Giant Robot Artwork
 この動くスカルプチャーもいい。

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2008.05.12

■幻想植物 栽培日記12 ロマネスコの花とさや
  ROMANESCO FLOWER & SHELL/POD

Romanescoflower_horz_2

 しばらく前になりますが、ロマネスコが開花しました。
 思いの外、かわいい花。宇宙植物の本性を隠して、このように菜の花のような可憐な開花とは。この外観でどんな虫を騙そうというのか!?

Romanescoshell_horz

 そしてそれから3週間ほどたった現在の様子。
 花が落ちた後の茎に見事に莢ができつつあります。

 このままでいくと、膨大な数(5~600個?)の種がとれそう。今年はいくつのロマネスコを収穫できるのだろう。

◆関連リンク 当Blog記事

続きを読む "■幻想植物 栽培日記12 ロマネスコの花とさや
  ROMANESCO FLOWER & SHELL/POD"

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2008.05.10

■SFセミナー2008
  磯光雄インタビュー・電脳コイルの世界

Coil_battle SF SEMINAR Top Page 2008.5/3(土)

15:00-16:00
磯光雄インタビュー・電脳コイルの世界
出演:磯光雄 聞き手:向井淳

20:00-20:45
磯光雄インタビュー番外編

 あのSFセミナーで磯光雄監督を招聘した『電脳コイル』の企画が催されたとのこと。全く知りませんでした。不覚じゃー。
 というわけでネットでレポートを探してみました。興味深いポイントを少し長文ですが、引用させていただきます。レポータの方に大感謝。

磯光雄インタビュー レポート
  (ヒゲ抜き隊ブログ)
(Blog きなこ餅コミック経由)

アニメの表現力
 私にとっては現実の人間を描くのも仮想のロボットを描くのも同じ。
 どちらも「脳内映像を表現する」という意味で同じ。アニメはある意味で実写を超える、とか言うと危ない人扱いされそうだがw。
 現実の女の子より脳内の理想の女の子のほうが可愛いように脳内映像は現実の映像を超えるものだ。

 アニメは一時、現実を完全再現しようという方向に流れたが 実写より優れた脳内映像の再現を目指すべき 。
 あるとき作画していて監督に「それはどんなレンズで撮ってるの?広角?望遠?」 みたいなことを聞かれたが、あえて言うなら「水晶体」。
 実際はそれに脳内補正がかかった脳内映像だが。

 さらに、脚本を書く行為も脳内映像をどう表現するか という意味で私にとっては同じこと、脳の同じところを使ってると思う。
 コイルで押山くんに 「アニメーターに戻って新しいエフェクト描いてくださいよ」 と言われたが、
 「これ(脚本)が僕の新しいエフェクトです」 と答えたw

SFについて
 SFは「サイエンスフィクション」とか「すこしふしぎ」とか「サイエンスファンタジー」とか いろいろ解釈があるが、一番本質に近いのは「サイエンスフェチ」じゃないかと思うw。

これからのSF
 最近、SFは全盛期を過ぎたのでは?みたいな感じもあるが 前の話のSF=サイエンスフェチ理論で言えば、SFが盛り上がったころは 「全盛期」ではなく「発情期」w。
 今は倦怠期だけど、また発情期が来ると思う。

そろそろ時間なので、最後に次回作についてなど…
 それは時間がないのでやめときましょうw。

SFセミナー2008本会レポート (lainの極私的独白inはてな) (5/11追加)

アニメーターとしての磯の 感覚には、人間とロボットの動きに境界はなく、人間の動きでもすごい瞬間があるとのこと。アニメは現実よりスペックが高く、脳内映像を現実よりも引き上げ た位相で映像化する。アニメを実写に近づける人もいるが、磯のアプローチは異なるようだ。脳内に面白い動き・形・色などと感じた部分があり、それは人間も メカも同じ。面白いものを集めて動きを攻勢するのに人もメカもない。これは磯いわくクオリアだそうで、脚本を書いているときも同じ感覚とのこと。

yama-gat site:2008年5月前半 (5/11追加)

あとは元々、カリスマアニメーターである磯さんのアニメへの意識の話などもあり、「アニメは現実よりスペックが高い」、「木の枝が伸びているのを描くのと、ミサイルの軌道を描くのは同じ脳内部位を使ってる」などの発言が印象に残る。

 映像とドラマを「脳内映像」として定義している。そして「これ(脚本)が僕の新しいエフェクトです」!この言葉はかっこいい。アニメーターから脚本家/演出家への仕事の拡張は「脳内映像」として自分の世界をより表現したいため、ということを的確に語っている。磯アニメートについても「脳内映像」の観点で本人がどう考えているのか、インタビュアーには突っ込んで欲しかったところ。(関連記事 アニメーター磯光雄と金田伊功と脳の構造の関係。)

 5/11追記 脳内の動き・形・色などについてクオリアを持ち出して表現されていたようだ。『新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 Air』で描かれた弐号機VS量産型EVAのアスカのアニメートを思い出す。まさに現実よりも引き上げた位相の映像化。

 激闘の振動とアスカの心情がミックスして(磯の)脳内に作りだされた観たことのないアクション(クオリア)が、磯の手と作画用紙を介して、我々観客の脳内に展開される。
 そしてこれはミームとなって次世代の究極映像として、また別の映像クリエータによって拡大再生産されていくのだろう。(関連記事 アニメータ磯光雄 と 監督作『電脳コイル』)

 2026年にSFが子供たちの間で再びブームになっている設定で、「ダイチ、発毛ス」という素晴らしいバカ&奇想SF世界を描いた磯監督の述べるSFの定義「サイエンスフェチ」(笑)。
 定義論争の不毛を語った上での言葉。
 SFファンダムでも数々のSFの定義が語られてきたけれど、ある意味でこれほど的確な言葉は聞いたことがなかったかも(^^;)。
 特にアニメサイドから定義された言葉として、SFファンダムのある部分の不毛性をこれほど鋭く突いたのは凄い。しかも語られた場がコアなSFファンの集まるSFセミナーだというところも一粒で二度美味しいところ。そして「発情期」はいつ来るんでしょうか?(^^;)

電脳コイル磯光雄@SFセミナー (Blog 黒い森の祠)

 あの世界では、マイクロマシンが多用されており、塗料の中にも入って市販され、塗布すると、電子タグのような働きをし、電脳空間と現実空間の位相を結ぶ。その結果、壁を叩くと、「電脳空間がブレる」という。(略)

 実は、リスト・バンドやアンクル・バンドもあって、体の位置とかから電脳空間での活動を支援している。いわゆるスマート・グローブの簡易版である。(略)

 電脳空間化は、車の自動操縦化とともに拡大し、GPSの支援信号群として、道路沿いに発展した。ロード・ドメインという。

 やはり自動車産業とのリンクで、電脳空間が発達したという設定があったんだ(あのストーリーから考えれば当たり前だけど、、、)。現在のカーナビは、もっとも街を仮想空間として表現している媒体になっているわけで、やはり複合現実の利用はITS絡みで進化するんでしょうね。(関連記事 電脳コイル世界の電脳ナビによる自動走行)

 マイクロマシンについては、もっと番組内でも語られてもよかったかも。ますます子供にはわかりづらくなるけど。

SFセミナー2008 (Blog 異色な物語その他の物語)

(略)
③それほどSF作品を読んでいないが、自分の作品がSFに近いとするならカレル・チャペックだとか真の黎明期であるような時代のものではないかと思っている。
④表には見えないような設定を詳細に考えるのは大好き。設定を考えるとき、実現不可能となった技術や失敗した技術を使うのがやりやすい。実際には終わってるから好きなようにいじれる。だから雑誌で実現可能な未来予測をしてくれという企画は本当に困る。
(略)
⑥1996年に火星の隕石に生命がいる証拠がみつかった、という大ニュースが報道された。しかしトップニュースどころかかなり低い扱いだった。トップで報道されるに違いないと思った自分は、子供の頃科学が話題の中心にあった特殊な時代に成長したことに気づいた。

 SFセミナー全般を丁寧にレポートされている。
 磯氏の発言を6つのポイントで簡潔にまとめてあってわかりやすい。その中から三点を引用させていただきました。全文はリンクを辿ってください。
 「子供の頃科学が話題の中心にあった特殊な時代に成長」、ここで言う科学というのは、「宇宙科学技術」のことでしょう。我々の世代と現在では宇宙への関心の度合いが圧倒的に温度差がある。昔の「宇宙」への関心がマスコミによって「環境」への関心へ大きくシフトしているのもSFが「倦怠期」な理由の一つなんでしょうね。

◆関連リンク
物理空間の統治者は電脳空間の統治者であるべきか ~Nagaya1730プロジェクト管理人に聞く!~:鈴木健の天命反転生活日記 - CNET Japan

去年の冬コミケ用にインタビュー・フィクションを作った。

電脳コイルテンプレまとめ@wiki - トップページ
 まだ残念ながら関連スレッドはまとめられていません。
SFセミナー2008 - val it : α → α = fun

磯光雄インタビューで聞き手をつとめました。私は何にもできなかったが磯さんがたいへん愉快な人だったので結果的にはとても面白い話になったのではないかと思います。

 これはインタビュアーの向井淳氏のBlogのコメント(のようです)。
『季刊S (エス) 2008年 04月号』 (amazon)
 磯監督への別のインタビュー掲載
電脳コイル(Bandai Channel) ネットで第一話、無料配信中。

当Blog関連記事
アニメーター磯光雄と金田伊功と脳の構造の関係
脳のトップダウン構造と視覚
電脳コイル世界の電脳ナビによる自動走行
「ダイチ、発毛ス」ギャグ & 奇想 & バカSF & 感動作 すげぇ

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2008.05.09

■アート雑誌 『HI-FRUCTOSE:ハイ・フルクトース
         アンダー・ザ・カウンター・カルチャー』

Hi_fructosevert_2

Hi-Fructose Magazine(公式サイト)

 飛騨高山 留之助商店 本店 訪問の記事で書いた『HI-FRUCTOSE:ハイ・フルクトース』という雑誌と、そこに掲載されていたアーティストの絵について紹介します。

店主55才、玩具道(オモチャミチ)の光と影:HI-FRUCTOSE

ハイ・フルクトース=高果糖という意味のこの雑誌のサブタイトルは、アンダー・ザ・カウンター・カルチャー=反体制文化の内側で。
ひとことでいうなら“最新ロウブロウアート情報誌”、というよりは“アートの秘境ガイド”、つまりオブジェモチャのルーツを探検するような心弾む内容なんだよ。
ギャラリーやモチャメーカーのグラフィカルなアドも多く、旬な情報はここらへんからも拾えるね。

 僕が購入したのは、留之助書店でネット通販もされているHI-FRUCTOSE Vol.7。表紙は趣味に合わず今ひとつなのだけれど、中身はとても刺激的。数々のアーティストの作品を大判のカラーで紹介してあってとにかく眼に楽しい。
 こんな刺激的な雑誌を教えていただいた留之助商店に感謝です。

 加えて、ギャラリーの広告がいくつも掲載されているのだけれど、そこで紹介されているアーティストも素晴らしい。

 このネット時代、嬉しいのは、アーティストの名前さえ情報として入手すれば、どんどん検索で探すとPCのディスプレイに美麗なイラストやオブジェの写真が高解像度で表示できること。

 もちろんそれで気に入った我執や雑誌は紙媒体としてもほしくなるのが人情で、ネットで厳選した上で購入できるのが嬉しい。留之助書店での通販もとてもありがたい。

◆こんなアーティスト、いかがですか。

 HI-FRUCTOSE Vol.7で気に入った絵から検索した結果が以下です。リンクの後ろに記載した丸付き数字が、右上の引用画像の上から順のNo.。どれも幻想的でポップでワクワクするので、しばし浮世を忘れて画像に見惚れていただければ、幸いです。
(注.引用画像はHI-FRUCTOSE Vol.7掲載作品とは別のものです。単なる僕の趣味に合ったもの)

Brian Despain(Google イメージ)
Mark Ryden
LUKE CHUEH.com
Elizabeth McGrath(Google イメージ) ③ ④
 Elizabeth McGrath 公式HP ギャラリー
Greg Simkins(Google イメージ) 
Chris Mars(Google イメージ)
Naoto Hattori (Google イメージ)
Edwin Ushiro(Google イメージ)
 WELCOME TO MRUSHIRO.COM
Brian Mccarty(Google イメージ) ⑥ ⑦
 McCarty PhotoWorks 公式HP
 Flickr: Brian McCarty's Photostream
  メイキング写真もある。ここは素晴らしい。
BEAUTIFUL MUTANTS Mark Mothersbaugh(Google イメージ)

◆関連書籍リンク
 以下、これらアーティストの書籍について、amazonと留之助書店へのリンクです。
Mark Ryden『Anima Mundi』
Elizabeth McGrath『Everything That Creeps』
Christy Kane『Tales of the Sisters Kane』 (留之助書店) 
Brian McCarty『Toys 2008 Calendar』 (留之助書店) Monte Beauchamp,Mark Mothersbaugh『New and Used Blab!』
Dot Dot Dash: Designer Toys, Action Figures And Character Art『Dot Dot Dash: Designer Toys, Action Figures And Character Art』 (留之助書店)

◆関連リンク
店主55才、玩具道(オモチャミチ)の光と影:SWINDLE.

SWINDLEと書いて、スウィンドルと読みます。意味は、ペテンとか、詐欺とか、ボッタクリといったところでしょうか。ロサンゼルスの先頭をいく超人気ポップカルチャー誌の名前です。

 もう一冊、留之助書店で扱われているアート誌。
Dot Dot Dash: Designer Toys, Action Figures And Character Art『Dot Dot Dash: Designer Toys, Action Figures And Character Art』 (留之助書店)

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2008.05.08

■黒沢清 『トウキョウソナタ』カンヌ出品
 新刊『恐怖の対談』

Variety Japan | 黒沢清『トウキョウソナタ』で5年ぶりカンヌへ.

黒沢監督は、「うそと疑心暗鬼と徹底した無視が、家族たち全員をどっぷりと浸しているところから出発させてみようと思った。最後にはどうにかしてある種の希望にたどり着きたい。(略)」

 イーストウッド、ソダーバーグ、ベンダース監督最新作がカンヌへ!
 Variety Japan | 2008年 第61回 カンヌ映画祭 関連ニュース一覧

 5/14に開幕するカンヌ映画祭<ある視点>部門に黒沢清の新作が選出されたとのこと。
 映画は今秋公開ということで今しばらくお待たせなのだけれど、カンヌでの結果が期待されます。黒沢清って賞をとってしっかりヒットしてほしい監督だと思うのだけれど、、、。

黒沢 清『恐怖の対談―映画のもっとこわい話』 (青土社)

Ⅰ 恐怖論
 高橋洋×鶴田法男 斎藤環 手塚眞

Ⅱ 作品論
 中原昌也 柳下毅一郎 青山真治

Ⅲ 作家論
 テオ・アンゲロプロス  サエキけんぞう  蓮實重彦

 伊藤潤二

 対談の相手がなかなか面白い取り合わせ。特にⅠの恐怖論が読んでみたい。

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2008.05.07

■ターセム・シン監督 『ザ・セル』

The_cell ターセム・シン監督『ザ・セル』

危険人物の精神世界へ入り込んでいくヒロインの冒険をスタイリッシュな映像で描いたサイコ・サスペンス・ホラー。

 『ザ・フォール』の予告編でその映像美に惹かれ、ターセム・シン監督の前作である『ザ・セル』を観た。

 あちこちで言われているように、映像センスは眼を惹くものがある。サイコな犯人の精神世界として、夢幻的悪夢的な映像が炸裂。

 いきなりの馬の断面シーンとか、石岡瑛子デザインによる悪魔的な装飾とか、枚挙に暇のない鮮烈な映像。

 特に僕が面白かったのは、巨大な空間の階段シーンと砂漠の三人の女のシーン。あのレイアウトや色合いは、まさに悪夢の映像化。
 つまり自分が観る悪夢に近い。これはそれこそ個人差があるだろうけれど、僕はこれらシーンにシンクロ。他の人もそうだとしたら、何か共通の精神的悪夢映像というのが人間の脳にはプリセットされているのだろうか。(もっともいろんな映像作品に影響されて形作られた後天的イメージとも考えられるわけですが、、、)

 ストーリーは、想像したよりずっと普通。
 かなり律儀にエンターテインメントとして筋の通った物語が導入されている。たぶんもともとは精神的世界の映像化をやってみたい、というモチーフが先にあって、ストーリーは後付で作られたものなのだろう。

 だけれど、ストーリーが整合されすぎていて、映像美との乖離が目立つ。映像が悪夢的なわりに物語が整然としすぎていて、悪夢のイメージを相殺しているという感じ。たぶんただ悪夢のみを描くと言うことでは前衛過ぎてハリウッドから不安視されたのではないか。で、ストーリーは雇われシナリオライターが、当時はやりのサイコものとしてきっちりエンターテインメントへ着地したというところでないか。

 もっとストーリーも幻想的にした方がバランスがとれたと思う。そんな映像も物語も幻惑に満ちた世界が次作『THE FALL』で展開されるかどうかが期待。

◆関連リンク
ターセム・シン監督『ザ・セル』(amazon)
・当Blog記事 ターセム・シン『ザ・フォール:The Fall』 予告編
『KINGS OF ADS 001』(amazon)
 ティム・バートン,リュック・ベッソン,デヴィッド・クローネンバーグ,ヴィム・ヴェンダース,スパイク・リー,デヴィッド・リンチ,エミール・クストリッツァ,ロマン・ポランスキー,王家衛,フランシス・フォード・コッポラといった名だたる監督によるCMフィルム集。これらの監督に加えて、もともとMPV畑のターセム・シン監督のCF作品も収録。

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2008.05.06

■独SPELCO社 装着型操縦桿付きグライダー『Gryphon』

Gryphon_2装着型の、操縦桿付きグライダー
『Gryphon』:時速240キロで正確に降下
独SPELCO社 (WIRED VISION経由)

Dimensions: Span: 1.800 mm
Length: 1.500 mm Heights: 430 mm
Maximum jump weight: 225 kg (with TW9 340)
Empty weight: 15 kg
Payload: 50 kg

Attack Wing: Glider Makes Waves With Stealth and Speed (FOXNews.com)
 (動画は、Click here to see video of the Gryphon glider in actionをクリック)

 パラシュートと組み合わせて使用するグライダー。ビジュアルがなかなかいいので載せてみました。
 飛行機から発進するしかないけれど、飛んでいる姿は、まるで『ロケッティア』みたいです。

 軍用だけれど、いずれ観光旅行で一般人も飛べるようになるかも。その前にお笑い芸人の誰かが犠牲になるか??

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2008.05.03

■押井守監督『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』
  完成試写会 レビュウ記事小特集

「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」公式サイト 予告編
MORI LOG ACADEMY: 2008年04月19日 (森博嗣氏Blog)
 (shamonさんのコメント情報より)

 落ち着いてから、一言感想をいうならば、やはり、監督の力というか、制御というか、極めてクールに仕上がっている。その世界観は、驚くほど原作に近い、と感じた。そうか、そういえば、これは自分の作品が原作だったんだな、としばらくしてから思い出した。そうじゃなかったら、もっともっと褒めたいところだが……、これくらいにしておこう。

 8/2の公開まで、まだ4ヵ月もあるのに、既に完成試写会が開かれているようです。
 プロダクションI・G渾身のキャンペーンが着々と進んでいます。これで押井守が名実ともに宮崎に次ぐブランドになるのか。I・Gの正念場。

 というわけで、原作者の森博嗣氏以外にもネットでいくつかコメントが見つかったので、リンク小特集で、ここでも微力ながらキャンペーン(^^;)。

週刊 大極宮 第346号 京極夏彦氏

 しっかり森作品で、どこまでも押井テイスト。押井さんの「やってきたこと、やりたかったこと、やりたいこと」が、森さんの用意したフレームの中にぴったりとはまっていて、しかもあふれるほど満載という感じで、たいへん感心いたしました。
 特に(特にってどうかと思いますが)SEマニアの僕としては、完璧な「音づけ」にやたら感心。アニメが出す音じゃないです。いや、つけるならここまでつけてくれなくちゃねえ。優れた音響設備が調っていたこともあって、SE的には満点でしした。

 京極氏が押井守ファンというのは、知りませんでした(森氏の記事によると、京極氏が観たのは四回目の試写らしい)。
 それにしても、やはりポイントは音響か。
 今回もスカイ・ウォーカーサウンドのSEは冴えわたっているようです。これは、しっかりした音の聴ける劇場で観なきゃ。空中戦のサラウンドが期待。

編集長メモ: 『スカイ・クロラ』試写会 小黒祐一郎氏

 作画に関しては、西尾鉄也さんの仕事が素晴らしい。質も高いし、それだけでなく、西尾さんが1人で長編の作監をやりきっている点にも注目。最近の長編で は作監を複数立てるのが当たり前だけど、今回は彼が1人でやっている。

 アニメ様のレビュウ。
 映画全般についてと作画について語られていて、いちばん興味深く読ませていただきました。

 われわれ、一般人はまだ4ヵ月近く待たなければならないのだけれど、Blog制作者向け試写とかのキャンペーンは予定されていないのかなー。

 「なかのひと」のアクセス解析によると、うちのページへもプロダクションI・Gから訪問いただいているようなので、もしこの記事が眼にとまりましたら、名古屋での試写に呼んでいただきたくここでアピール。映像と音の解析、やらせて下さいっ!(^^;) (声は届くのか!?) 。

◆関連リンク
押井守監督『イノセンス アブソリュート・エディション』(Blu-ray Disc)
『カウントダウン・オブ・「スカイ・クロラ」 count.2』(amazon)

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2008.05.02

■現代陶芸アート カルロ・ザウリ:Carlo Zauli展
  アンディ・ナアシィス:Andy Nasisse

Carlo_zauliカルロ・ザウリ展
  -イタリアの現代陶芸の巨匠-

 (岐阜県現代陶芸美術館)

土の造形素材としての可能性を徹底的に追求しダイナッミックな陶による造形作品から、繊細で緻密な建築壁面の仕事まで多様なもので驚かされます。

 カルロ・ザウリ美術館
 carlo zauli - Google イメージ検索

 うちの地方は陶芸が盛ん。素晴らしく立派な美術館も整備されている。
 ここに住んでたら陶芸の鑑賞を楽しまない手はないのだけれど、あまり実は食指が動かなかった。

 この作家の展示はポスターを見ると、心躍るものがあったので今週初めに行ってみた。
 平日とはいえGWなのでそれなりに混んでいるかと思えば、なんと我々の貸し切り。京都、東京と巡回される大型の展示にしてこの惨状。陶芸って現代的な美術としては、アピールするものが弱いのだろう。

 展示は写真を引用した巨大な球体の陶彫がなかなかインパクトがあった。大きさは直径約1m。波打つ様がダイナミックに迫ってくる。球体のモチーフだけで10点近く展示されていた。この奇妙な球体を360°で眺めることが出来て、眼は幸せでした。

Sandro_lorenzini_the_other_the_sameイタリアの現代陶芸

 併設の常設展。
 こちらでよかったのは、展示の最後に飾られていたサンドロ・ロレンツィーニ氏の作品「他者、同一者」(1994)(右の引用写真)。
 高さ1.2mくらいの迫力のある陶芸で、ご覧のように赤い仮面のマペットのような作品。

 解説によると、ロレンツィーニ氏は舞台芸術にたずさわり、マペット制作や操り師も経験されているとのこと。その経験と陶芸の融合からこのような作品が生み出されているようだ。「物語性のある作品が多く作られているイタリア陶芸界の中でも、独特の世界を持つ陶芸家」と説明されている。

 Sandro Lorenzini :: Saatchi Online - Show your art to the world 
 ネットでもっと作品が観たいと思って調べたのだけれど、モール風の作品20点が見つかったくらい。もっと人形風の作品が観てみたい。

 Artist in Residence 2003-2004 Part3

 この作家、レジデントで瀬戸市へ訪日もされていたみたい。

 、、、ということで、現代陶芸美術館のネタはここまで。
 これだけでは寂しいので、もっと現代的な陶芸アーティストはいないかと、ネットで探索しました。そしたら、こんな作家が、、、。この写真、なかなか心躍ります。

---★ここからは現代陶芸美術館展示品ではないので要注意★---

◆アンディ・ナシィス:Andy Nasisse
Andy_nasissetile
 Andy Nasisse Pottery Covered Jars
 Andy Nasisse Ceramics Workshop at MudFire Clayworks in Atlanta-Decatur, Georgia
 Andy Nasisse - Google イメージ検索
 Sherrie Gallerie: Andy Nasisse

 愛嬌のある顔の陶器と奇妙な抽象的彫像。これ、実物を是非観たいものです。
 どこか怪獣みたいな造形、この奇想な感じがたまりません。 (僕の美術的感覚が幼児期に怪獣によって刷り込みされていることがわかるだけだったりして、、、(^^;))。

◆関連リンク
Sherrie Gallerie: Janis Mars Wunderlich Sherrie Gallerie: Andi Moran
 Sherrie Gallerie: Thomas Bartel
 ここのギャラリーでいろんな作家の作品が観られる。
 この3人の作品もなかなか。
熊倉順吉《ジャズの城》 1977年、岐阜県現代陶芸美術館蔵
 ミュージアムショップで過去の展示のパンフをめくっていたら、こういう面白い作品もありました。

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2008.05.01

■押井守原作・総監修 『真・女立喰師列伝』

『真・女立喰師列伝』(amazon)
真・女立喰師列伝オフィシャルサイト Wikipedia

 遅ればせながらDVDで観ました。
 あちこちで述べられているように、前作『立喰師列伝』とは随分と雰囲気を変えた観やすいエンターテインメントな連作短編集。各監督の個性を楽しんで観られるのがうれしい。
 映像としては『立喰師列伝』のような2次元と3次元を複合したような面白さとかはなかった。あと一本戦後史として縦糸がしっかりとあったのが、今回はそうしたものはなく、一作ごと楽しめる作り。

 個人的に好きな順に短い感想です。

■「草間のささやき 氷苺の玖実」 主演:藤田陽子
 監督・脚本・撮影・編集:湯浅弘章

 唐黍畑の中、妖しい美しさで通りすがりの男たちを惑わせる女。エロティシズム溢れる美的映像詩。

 一番映画らしい作品。
 緊張感のある映像。夏の唐黍畑の雰囲気と、語られる物語の親和。

 畑の生き物たちのクローズアップをインサートする手法とか、風に揺れる葉とそれをカメラの移動でとらえた動的な画面作りもうまい。

 本編の湯浅監督は、別のいくつかの作品の撮影も担当している。『真・女立喰師列伝』にひとつのトーンがあるとすると、撮影の湯浅弘章氏の個性なのかもしれない。各作品のタイトルのところに撮影スタッフは記したが、4篇プラスOP,中CMが湯浅弘章氏撮影。

 この監督、今後も要注目ですね。アニメも撮ったら面白いかも。

■「歌謡の天使 クレープのマミ」 主演:小倉優子
 監督・脚本・撮影・VFX:神谷誠/撮影:村川聡

 1985年の原宿を舞台に、ブラックユーモアたっぷりに描く、虚実入り交じった「もう一つの昭和アイドル史」。

 前作の昭和史の側面を引き続き描いた作品。最初はタイトルに引いていたのだけれど、アイドルをアメリカの策略として描いて、ひとつの昭和史を浮かび上がらせた手腕がなかなか。

 B29二機と日本中にTV放映網を整備する予算が同じくらい、というトリビアにも感心。この作品は前作同様の写真の切り絵のようなアニメーションでみせてもらってもよかったかも。

■「金魚姫 鼈甲飴の有理」 主演:ひし美ゆり子
 監督・脚本:押井守/撮影:坂崎恵一、撮影/編集:湯浅弘章

 “伝説の女立喰師”をめぐるエロティックな幻想譚。アンヌ隊員ことひし美ゆり子・32年ぶりの主演映画が、押井監督の熱望で実現。

 映像と雰囲気の作品。
 短い中で緊張感のある画作りがされている。それにしてもひし美ゆり子に一言もしゃべらせないとは。

■「ASSAULT GIRL ケンタッキーの日菜子」 主演:佐伯日菜子
 監督・脚本:押井守/撮影:湯浅弘章

 AD 2052。巨大降下猟兵に乗って地球に降り立つ女大佐(カーネル)。戦艦やメカへの押井監督のフェティシズムが炸裂する異色SF編。

 なかなか迫力のCG。
 だけど予算が余りかかっていないのはよくわかる。

 この作品観ると、押井守が『GARUM戦記』を撮りたいのだろうな、というのがよくわかる。
 本作のオチはあんまりでしょう。

■「荒野の弐挺拳銃 バーボンのミキ」 主演:水野美紀
 監督・脚本・撮影・編集:辻本貴則/編集:湯浅弘章

 “幻のバーボン”を求めてさすらう美貌の女立呑師が壮烈なガンアクションに挑む痛快ウエスタン。

 ひさびさに西部劇を楽しめた。
 アクションシーンがなかなか。

■「Dandelion 学食のマブ」 主演:安藤麻吹
 監督・脚本:神山健治/脚本:檜垣亮、撮影:村川聡

 神山店長のファミレスに深夜現れた謎の美女。本作品中随一のスリリングでリリカルなラブストーリー。

 これ、神山監督ファンとしては悲しすぎるのだけれど、心を鬼にして言えば、出来が恐ろしく悪い。自主映画でももっとしっかりした作品はいくらでもある。脚本も月並み、撮影もあまりにもだるい絵が多く、なんでこれがあの『SAC』と同じ監督の作品かと我が眼を疑った。

 「映画は撮ったことがない」というのはSTUDIOVOICEに連載中の神山監督のエッセイのタイトルだけれど、この作品はファンとしては、神山監督第一回実写映画作品とは呼びたくない(^^;)。
 画面のレイアウト、実景の切り取り方 そうしたもので映画の空気感が出てくるはず。それは撮影機材がたとえディジタルビデオカメラであったとしても。
 ファミレスと街という極日常の風景を選んでしまったのがまず敗因かもしれない。しかしそれでもうまい監督とカメラなら、その切り取り方で映画になる可能性は充分あったはず。
 緊張感のない、まるでファミリービデオのようなカメラアングルがつらい作品。

 クランクインと映画公開の時期を誤解していたらしい神山監督、今回の作品は日程の問題とファンとしては思いたいものです。次回、期待します。

◆関連リンク
湯浅弘章監督

1978年、鳥取県生まれ。大学在学中よりミュージック・クリップを監督し、卒業後、林海象監督や押井守監督など数々の作品で助監督を務める。映像制作プロダクションのデイズにて押井監督作品ほかの演出や制作助手等を務める傍ら、自らの監督作品の企画・脚本執筆を続け、06年、第28回ぴあフィルムフェスティバルで入賞、函館港イルミナシオン映画祭の第10回シナリオ大賞でグランプリ受賞。本作『真・女立喰師列伝/草間のささやき 氷苺の玖実』(07年)で商業映画デビューを飾った期待の新鋭。また、本作品収録の多くのエピソードで撮影を担当し、美しい映像を紡いでいることも特筆に値する。

 押井守の実写映画での弟子?

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2008.04.29

■飛騨高山 留之助商店 本店  訪問記

Tomenosuketile
                          ※その他写真はアルバムで公開。
飛騨高山 留之助商店 本店 公式HP

 SF映画研究家 中子真治氏が店主の留之助商店 本店へ行ってきました。

 高速が開通し、うちからなんと約2時間で高山まで着いてしまった。この距離に、ターミネーターやエイリアンの映画で使われた本物が存在していると思うと、それだけで嬉しい(^^;)。

 繁華街の大通りに面して留之助商店はある。
 店先には「玩具みたいな芸術みたいなオブジェモチャ専門店」、「ハリウッドSFX映画プロップ・ギャラリー」の二つの看板が向かい合って並んでいる。そして入場料500円を払って中へ。

 60m2くらい(推定)の広さの店内にはところ狭しとオブジェモチャとプロップが並べられている。特にプロップはそのまま置いてあるが、オブジェモチャはほとんどガラスのショーケースに収められている。それぞれがまさに壮観。店主さんのBlogで観たことのあるものが多いが、それにしても写真でなく実物の存在感は圧巻。特に写真ではわからない大きさの感覚と、(オブジェなので当たり前なのだけど)それが物体であることによる立体感。

◆オブジェモチャを鑑賞する脳の回路の物語

 あの写真のこれは、この存在感だったんだね、って、そんな感じでじっくりと見入ってしまった。
 特にプロップは以前アプライド美術館と倉庫で観ているので、今回眼に新しかったのが、オブジェモチャ。アートとフィギュアの中間に位置するアーティストの立体造形作品のポップなイメージを堪能。あまりこうしたものは日本で紹介されていることを知らないのだけれど、この味わいは脳の新しい回路を刺激する。

 正直、店主さんのBlogで拝見してた時は、頭の回路が着いて行ってなくて、どうもいま一つピンとこなかったのだけれど、今回立体物で全体の質感がとらえられて、なんだかとても感心して見入ってしまった。これが新しい脳の回路が開拓されていく瞬間なのだろう。

 無性にほしくなるアイテムもいくつかあったのだけれど、これ以上収集するものを増やすと、金銭的にもスペース的にも、そして家族の視線的にも辛いので、今回はオブジェモチャは一つも買わずに帰ってきた。同行した妻は、ざっとひととおり見て、また旦那の趣味が増えるのかと危惧しつつ、先に高山のGWの雑踏へと出て行ったのであった。(自制心という言葉は私の辞書にまだかすかに残っていたようだ(^^;))

 というわけでお土産は写真とアメリカの「HI-FRUCTOSE:ハイ・フルクトース」という“アートの秘境ガイド”誌。写真はアルバムとして公開します。いつものようにハイビジョンハンディカムで撮影した動画から切り出した静止画です。店内は撮影自由、Blogでの公開も店長さんにOKをもらったので、よかったら見てやってください。
 「HI-FRUCTOSE:ハイ・フルクトース」については刺激的な雑誌なので、後日詳細をご紹介する予定。

そして中子真治氏は今回不在

 実は今回、もしかしたら中子氏に会うことができるのではないかと期待して、氏がSF映画作家論を連載していた雑誌「奇想天外」と大作『超SF映画』を持参して行った。もし会えれば、それらのファンであるという話とサインをもらいたいと思ったから((^^;)。ミーハーと笑って下さい)。

 でも本当にこの「奇想天外」誌の連載「新主流派SF映画作家論」は、僕の学生時代のSF映画鑑賞のバイブルだった。鋭い分析とクールな文体は今も輝きを失っていない。この連載が単行本として纏まっていないことが今も僕には残念でならない。

 話をさせてもらった店長さんによると、中子氏は昨日来店してたとのこと(!)。
 最近は本業が忙しく、ほとんどここには来られないらしい。

 本にサインをほしかった、という話をすると、親切にも預かってお送りすることもできます、と言ってもらったのだけれど、さすがに気が引けてご遠慮しました。

>>店長さん
 プロップとオブジェモチャの紹介と、そして中子さんの話をありがとうございました。

◆関連リンク
mixiに「中子真治」氏のファンのコミュニティを作りました(今までないのが不思議!)。
 ファンの方、よろしけれぱ参加下さい。現在、会員は私だけ(^^)。
・Blog 店主55才、玩具道(オモチャミチ)の光と影
留之助商店 Download資料室
 むかしオブジェモチャのCMフィルムが観られる貴重なページ
・留之助商店 YAHOOでオークションの出展
Hida-Takayama travel guide - Wikitravel

For something completely different (and slightly out-of-place), Tomenosuke is a science-fiction movie gallery-store hidden a few blocks north of the Train Station. Inside the store you will find some very cool original movie props (a beast mask from Star Wars, the original robot suit from Spaceballs, and a 1/4 model of the Alien queen for example) in addition to replicas and American designer art figurines. There is an admission fee of 500 yen, but it is well worth it.

 留之助商店の紹介記事がイギリスのWikitravelで大きく取り上げられているとのことで原典をペーストしました。僕が見てた時、外国人観光客は入り口で興味深そうにしてたけど入店しませんでした。

◆当Blog記事
・92年 下呂のアプライド美術館と中子真治氏の倉庫
『ブレードランナーの未来世紀』町山智浩氏と中子真治氏
中子真治氏のオブジェモチャ専門店 飛騨高山 留之助商店 本店

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2008.04.28

■ヤノベケンジ 京都造形芸術大学 《ウルトラ・ファクトリー》
  Misia「Yes Forever」 PV

Yanobe_ultra_projectYANOBE KENJI ART WORKS ///
  ヤノベケンジ アー