2018.07.18

■情報 ヤン・シュヴァンクマイエル監督『蟲』公開決定! @イメージフォーラム・フェスティバル2018

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イメージフォーラム・フェスティバル2018
 プログラム IFF2018_tokyo.pdf

蟲 ヤン ・ シュヴァ ンクマイエル/デジタル/9 8分/2 0 1 8 (チェ コ) 現代随一のシュルレアリス トの巨匠、 最新作にして “最後の” 長編劇映画。 「ある小さな街で、 劇団の俳優たちがチャペッ ク兄弟の戯曲 『虫の生活』 のリハーサルを行っている。 その最 中、 俳優たちの人生が、 劇の登場人物たちの運命と混ざり合っていく」 ̶̶シュヴァンクマイエル カフカの 『変身』 よろ し く、 劇中に出演する監督本人も含め、 人が虫に、 虫が人に変容する。

”ヤン・シュヴァンクマイエル監督の新作長編映画『蟲』 イメージ・フォーラムフェスティバルで上映! 上映は8月6日と8月12日の2回、表参道のスパイラルホールにて。 詳細は公式サイトをご覧ください“

 いよいよシュヴァンクマイエルの新作が日本でも公開されることが決定したようです。まずは東京のイメージフォーラムフェスティバルで 8/6 と 8/12 の2回。

 お盆休みなので東京へ遠征するかどうか、悩ましいところですw。

★★★★ 以下の予告篇は大変 刺激的ですので、ご注意を!! ★★★★★


Hmyz (2018) oficiální trailer [CZ] - YouTube

◆関連リンク
ヤン・シュヴァンクマイエル『蟲』 当ブログ関連記事 Google 検索

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2018.07.16

■情報 『デヴィッド・リンチ:アートライフ』『ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ』リリース記念パーティー『デイヴィッド・リンチ:リミテッド・イベント』 CAFE: MONOCHROME presents『DAVID LYNCH LIMITED EVENT』

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『デヴィッド・リンチ:アートライフ』『ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ』DVDリリース記念パーティー7月14日(土)開催! - お知らせ | UPLINK

"『デヴィッド・リンチ:アートライフ』『ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ』の7月4日ソフト発売を記念したパーティーが開催されます!

日時:2018年7月14日(土)18:00~21:00
会場:原宿ZipZap
チャージ:¥6,000

ゲスト:マキヒロチさん(漫画家)、松崎健夫さん(映画評論家)、内藤理恵子さん(南山大学宗教文化研究所非常勤研究員、映画評論家)
◆詳細こちら
主催:CAFE: MONOCHROME
展示協力:小山登美夫ギャラリー
協賛:アップリンク、TCエンタテインメント"

デイヴィッド・リンチ アートライフ & ツイン・ピークス : リミテッド・イベント・シリーズ DVDリリース記念イベント、CAFE: MONOCHROME presents『DAVID LYNCH LIMITED EVENT』 - Togetter

" 原宿で開催されたデイヴィッド・リンチ、ツインピークス ファンイベントについてまとめました。参加したかったのですが、東京まで行けない地方ファンが勝手ながら疑似体験したくまとめましたw。"

 先週末に東京原宿で開催されたデイヴィッド・リンチ関連イベント。
 上記 Togetter に、このイベントの様子をツィートされた方々のレポートをまとめさせて頂きました。

 レポートの写真や雰囲気が伝わり、リンチファンとして至福の時間がそこにあったことがとても伝わってきます。東京から遠い地に住むことをこれほど悔やむことはありません(^^;)。

◆関連リンク
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2018.07.11

■レポート 『ツイン・ピークス リミテッドイベントシリーズ』モザイクアート@渋谷

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渋谷駅構内に『ツイン・ピークス』のモザイクアートが出現! | 海外ドラマNAVI

"リリースを記念したキャンペーンで完成したモザイクアートが、本日7月2日(月)より1週間限定で「田園都市線」渋谷ビッグ8で掲示されている。

このキャンペーンは、4月より公式HPやSNS展開していた「写真で一言キャンペーン」。『ツイン・ピークス』ならではの独特な世界観の写真にSNSユーザーが一言つぶやき、そのSNSアイコンがそのままモザイクアートへと反映され"ツイン・ピークス"の住人になれるというものだ。"

 DVD、ブルーレイ発売キャンペーンの一環で開催された、ツインピークス モザイク画を東京出張ついでに渋谷で観ました。
 田園都市線 渋谷駅、ハチ公前 8番出口前の地下3F ローソンの近くの一角に全長5mくらいの巨大なツインピークス モザイクポスターが貼られていました。
 東京出張が今週で良かったw、7/2からの一週間だけの掲示です。

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 ピーカーらしき(ってかそれしかないやろw)女性が写真撮ってらっしゃいました。貴重なツインピークスイベントはピーカーを吸い寄せますw。

 右はモザイク画を一部拡大したもの(ノーマの顔の辺り)。
 twitterで見かけたことのあるアイコンがいくつか。

 自分もキャンペーン参加して書き込めばよかったと後悔しきりです(^^;)。

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2018.07.09

■情報 『決定版 ツイン・ピークス 究極読本』&発売記念 滝本誠 高橋ヨシキトークショー、町山智浩 滝本誠トークショー、CAFE:MONOCHROME マキヒロチ 松崎健夫 内藤理恵子トークイベント

滝本誠+高橋ヨシキ監修『別冊映画秘宝 決定版ツイン・ピークス究極読本』 - 株式会社洋泉社

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"305頁、1500円+税。

★巻頭言 滝本誠 The World Spins Again & Again
★滝本誠、狂乱の美女図鑑
★『ツイン・ピークス The Return』 In Memory of ...
★滝本誠の電撃ボウイ大作戦!
★懐かしの90年代激レア・アイテム大全
“TWIN PEAKS”RARE GOODS DINER
★1989年に逆再生!リンチ演出ミュージカル『インダストリアル・シンフォニー No.1』 滝本誠
★PLAYBACK TWIN PEAKS FEVER!ぶらリンチング旅 1992 - 2018
●PARTⅠ 1992年、小人マイケル・J・アンダーソン来日記 本田敬
●PARTⅡ 2002年、聖地巡礼「ツイン・ピークス・フェスティバル」in シアトル 北原香
●PARTⅢ 2007年、リンチ大回顧展「The Air is on Fire」 in パリ 本田敬
●PARTⅣ 2011年、In Memory of ... MASAYUKI KAWAKATSU in TOKYO 滝本誠
●PARTⅤ 2018年、宮城の赤い部屋「café LYNCH」 樋口泰人
●PARTⅥ 2018年、渋谷のブラックロッジ「CAFE:MONOCHROME」岩田和明+北原香

★町山智浩のBANG!BANG!BAR ESSAY!
☆FIRE INTERVIEW WITH 裕木奈江
★【長編論考①】高橋ヨシキの『ツイン・ピークス』異次元論考
★【長編論考②】真魚八重子の『The Return』を因数分解する!
★日本初! パラノイア陰謀史家マーク・フロストHISTORY 髙橋佑弥

☆【吹替声優 ノーカット完全版ロング・インタビュー】 岡本敦史+吹替秘宝
① 原康義 as デイル・クーパー捜査官(カイル・マクラクラン)
② 安達忍 as ルーシー・モラン
☆FIRE INTERVIEW WITH 野木亜紀子
☆FIRE INTERVIEW WITH 鈴木慶一

★『ツイン・ピークス』全シリーズサントラ解説 山崎智之
★Ⅰ『シーズン1&2』
★Ⅱ 劇場版『ローラ・パーマー最期の7日間』
★Ⅲ 『The Return』

★完全保存版『ツイン・ピークス』全エピソード解説
★高橋ヨシキの赤い髪の部屋
★『序章』&『シーズン1』&『シーズン2』
★劇場版『ローラ・パーマー最期の7日間』
★高橋ヨシキの『最期の7日間』&『もうひとつのローラ・パーマー最期の7日間』賛歌
★『The Return』
★『The Return』第8話賛歌 高橋ヨシキ

★PLAYBACK!『オン・ジ・エアー』全話解説 大内稔
★すばらしき『オン・ジ・エアー』の世界 高橋ヨシキ
★『ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ』Blu-ray&DVD-BOX特典映像全解説 多田遠志

★<リンチDEEPガジェット論>
① ミステリアスなリンチ機械 高橋ヨシキ
② 電機フェチとしてのリンチ 本田敬

★香港の『ツイン・ピークス』を探せ! 『迷離夜』の異界 岡本敦史
★恒例! パチもん『ツイン・ピークス』の世界 多田遠志
★あとがき 高橋ヨシキ"

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『決定版ツイン・ピークス究極読本』発売記念 滝本誠さん&高橋ヨシキさんトークショー&サイン会

"会期 2018年07月18日(水)
定員 50名様
時間 19:00~20:30(開場18:45)
場所 2F 特設イベントスペース
主催 TSUTAYA TOKYO ROPPONGI
共催・協力 洋泉社
申し込み方法 店頭、電話(03-5775-1515)、ECサイトのいずれかよりお申込の上、参加費1,620円(『別冊映画秘宝 決定版ツイン・ピークス究極読本』書籍代)をお支払いください。書籍はイベント当日お渡し致します。 ECサイトはこちらから ※ECサイトでのお申込は2018年7月15日23時59分までとさせていただきます。"

 『ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ』ブルーレイの発売で、ミニ・ツインピークスブームが25年ぶりに再び日本に!?(^^)。書籍の発売とイベントが幾つか開かれる/開かれたので、ご紹介&一部レポートします。今年の夏も昨年のWOWOW放映に続き、ツインピークスの熱い夏!?

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 まずは素晴らしいのが、ツイン・ピークス究極読本
 滝本誠、高橋ヨシキという日本有数のピーカーの御二人による全305ページにわたる「究極」の研究本。

 発行されたこの本を既に読み始めているけれど、冒頭の滝本氏のリンチ愛、デイヴィッド愛に満ちた入魂の論考が素晴らしい。この濃さは恐らく今までに日本で(そしてもしかしたら海外含め??)出版されたツインピークス本で、最高濃度ではないだろうか。

 そしてその御二人によるトークショー!! 御二人の熱烈ピーカーの話、激しく聴きたい(^^)!
 ここに滝本氏の盟友 川勝正幸氏がいらっしゃらないのが残念でなりません。川勝さんに新シリーズ、是非とも論評いただきたかったです。 

 『究極読本には、滝本氏と2002年 聖地巡礼ツアーに参加された川勝さんの姿もあり、このツインピークスの究極本に川勝正幸さんも参加されているのが、ピーカーとして凄く嬉しい。改めて御冥福をお祈りします。

 上右の写真は、本屋での『別冊映画秘宝 決定版 ツインピークス 究極読本』10冊以上の平積み状態!(東京恵比寿にて)。 ブームよ、再びってな乗りで10冊買いました(嘘、1冊)。

 監修者 滝本誠さんの巻頭カラー「狂乱の美女図鑑」!師の妄想とリンチの幅広い美女趣味が渾然一体となった素晴らしい10ページ。改めてツインピークス3の豊潤なリンチ/滝本臭に感嘆(^^)。まさに熱い究極読本304ページ。

 最後に別のふたつのイベントを御紹介して、このツインピークス祭りのミニ特集記事を終えたいと思います(^^)。

【25年の時を経て蘇った伝説のドラマ】『ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ』徹底解説 | FILMAGA(フィルマガ)

“【ツインピークス:リミテッド・イベントシリーズ発売記念 「ツインピークス大解剖トークショー」】
■日時 8月26日(日)時間未定
■場所 都内某所
■イベントゲスト:映画評論家 町山智浩氏/滝本誠氏 ※町山氏はインターネット電話での出演となります。
■詳細は当選者に後日ご連絡します
■応募/レンタル対象期間 2018年7月4日(水)~7月31日(火)”

 滝本さんのもうひとつのトークショー。
 これも聞きたくてたまりませんが、東京、行けるだろうか、、、。

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CAFE:MONOCHROME カフェ:モノクローム.

"今年のアート展では公開されなかったリンチの版画作品を展示!
アートライフとツイン・ピークスの魅力に迫るトークイベント!!
『ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ』 Blu-ray&DVD
『デヴィッド・リンチ:アートライフ』DVD
<7月4日同時リリース記念>
CAFE: MONOCHROME presents「DAVID LYNCH LIMITED EVENT」開催!
日程:7/14(土)@原宿ZIPZAP
17:30開場
18:00開演ー21:00終了
ZIPZAP 渋谷区神宮前6-9-11堺ビル1F
http://www.zip-zap.jp/pages/684123/access
※会場はCAFE: MONOCHROMEではございませんのでご注意ください。

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◆デヴィッド・リンチを愛するトークゲストが登壇!
マキヒロチさん(漫画家)
松崎健夫さん(映画評論家)
内藤理恵子さん(南山大学宗教文化研究所非常勤研究員、映画評論家、コラムニスト、イラストレーター)
会費   ¥6,000(taxin)

◆参加申し込み リンク先 カフェ:モノクローム(公式HP)に詳細

◆展示:小山ギャラリー提供 デヴィッド・リンチ版画作品
(今年のアート展では未公開の版画も登場)
◆ビュッフェ形式のお食事&フリーフロー・ドリンク
◆この日限定のリンチモチーフスペシャルケーキご提供
◆アートライフDVD、この日限りのファングッズ販売
◆リンチサウンド満載のDJプレイ
◆リンチモチーフ・プチギフトもご用意"

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 最後に、近所のレンタル屋偵察(^^)。
 ツインピークス リミテッドイベントシリーズは各6本。1と2は5本づつ借りられてました。これだけのディスクが並ぶと何だか嬉しいものです(^^)。大ヒット祈願!!

滝本誠,高橋ヨシキ監修『別冊映画秘宝 決定版ツイン・ピークス究極読本 (洋泉社MOOK 別冊映画秘宝) 』

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2018.07.02

■情報 『フランシス・ベイコン・インタヴュー 』『ユリイカ 2018年7月臨時増刊号◎高畑勲の世界』

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デイヴィッド シルヴェスター『フランシス・ベイコン・インタヴュー 』(ちくま学芸文庫)
『フランシス・ベイコン・インタヴュー』解説  保坂 健二朗(ちくま公式)

" フランシス・ベイコンは自分の作品について次のように述べている。「具象的なものを、神経組織に対して、より暴力的に、そしてより鋭くもたらそうという試みなんです」(本書15頁、訳語は一部変更、以下同じ)。

 この短い言葉には大事なポイントが四つ含まれている。ひとつめは、ベイコンが「具象的なもの(figurative thing)」と言うとき、そこには人間像(figure)という意味が含まれていること。ふたつめは、ベイコンが自らの絵画作品の与える感覚は、観者の視覚/網膜にとどまらず、その神経組織(nervous system)まで辿りつくはずだと考えていたこと。"

 96年に単行本として『肉への慈悲 ─フランシス・ベイコン・インタヴュー』というタイトルで出版されていた本が、文庫化された。Amazonのマーケットプレイスで8000円ほどの値段が付きなかなか手が出せなかったので、この文庫化はとても嬉しい。

 豊田市美術館『フランシス・ベーコン展』を観て以来、どういう想い/考え方でこうした絵が描かれたのか、ベーコンの芸術活動に強い興味を持っていたので、読むのが大変楽しみです。

 特に上記引用文にある「観者の視覚/網膜にとどまらず、その神経組織(nervous system)まで辿りつくはずだと考えていた」というのは、まさに本ブログのテーマである「究極映像」そのものであるため(^^;)、心して異才の言葉に耳を傾けたい。

『ユリイカ 2018年7月臨時増刊号◎高畑勲の世界』

青土社 公式ページ

■図版構成 大塚康生のアルバム / 提供=大塚康生
■パクさんと―― パクさんと巡ったイタリアの旅 / 小田部羊一(聞き手・構成=叶精二)
アニメーション作家・高畑勲さんとの特異な出会いと知られざる教育活動 / 池田宏
トコトコ歩く / 竹内孝次
■批評家と実務家
高畑勲の批評性 / 福嶋亮大
すこしものたりないくらいの幸せ / 中田健太郎
五九年世代と「演出中心主義」――高畑勲と東映動画の〈長い六〇年代〉 / 木村智哉
民衆・女性・マイノリティ――高畑勲の映画における戦後民主主義のイメージ / 山本昭宏
■作品を作りながら考える
誰が描いても「高畑さんの作品」になる / 百瀬義行(聞き手・構成=叶精二) 『火垂るの墓』の赤い色は降魔色だった。 / 山本二三 TVにおける高畑勲の仕事 / 五味洋子
■演出という営為
6Pチーズをコンロの火にかざしてみたけれど――「名作文学アニメ」を完成させた高畑勲監督の仕事 / 津堅信之 他者との交渉――『赤毛のアン』『じゃりン子チエ』『おもひでぽろぽろ』 / 石田美紀 高畑勲の描いた「普通」と「理想」 / 藤津亮太 高畑勲と共感の倫理 / 八重樫徹
■高畑勲の“ことばたち”
プレヴェールというリアル――高畑勲訳および注解『ことばたち』をめぐって / 高畑勲+中条省平 躍動するスケッチを享楽する / 高畑勲(聞き手=中条省平)

■高畑勲をかたちづくるもの 人生の宝物――高畑勲を偲ぶために / イラン・グェン 一二世紀から二一世紀へ /土居伸彰 高畑勲のジャック・プレヴェール翻訳『ことばたち』 / 國枝孝弘 日仏におけるポール・グリモーという存在――制作者として、あるいは研究者としての高畑勲の視点から / 雪村まゆみ 高畑勲と今村太平『漫画映画論』 / 佐野明子 高畑勲の遺言 / 萩原由加里

■高畑勲の描いた絵図 絵の代わりに――高畑勲の描いたもの / 奈良美智(聞き手=蔵屋美香) 読み解く身体――『ホーホケキョ となりの山田くん』と『十二世紀のアニメーション』 / 細馬宏通 高畑勲と思考の演出術 / 石岡良治 高畑勲の孤独にしてラジカルな闘い――実写とアニメの境界で / 吉田広明 高畑勲作品の音楽語法 / 有吉末充

■監督の仕事と横顔 高畑勲との交差に至るまで / 片渕須直(聞き手=木村智哉) 草原に寝転ぶ人、あるいは狸。 / 叶精二 みずみずしく自由に / 坂口理子

■「漫画映画の志」に向かって 美しい悪魔の妹たち――『太陽の王子 ホルスの大冒険』にみる戦後日本人形劇史とアニメーション史の交錯 / 鷲谷花 春のほうへ / 髙山花子 『じゃりン子チエ』の心象地図――高畑勲の「ディープサウス」 / 酒井隆史 映画と大地の間にあるもの――『柳川掘割物語』その後 / 中谷礼仁 『火垂るの墓』の葬送するもの――戦争が壊した「大人たち」の権威 / 遠藤正敬 不快感と向き合うこと――『おもひでぽろぽろ』論 / 可児洋介 狸の物言わぬ屍に応答するために――『平成狸合戦ぽんぽこ』論 / 村上克尚 ボブスレーのアニメーション――『ホーホケキョ となりの山田くん』と『ジュラシック・パーク』 / 高瀬司 ■アニメーション監督の軌跡 高畑勲略年譜 / 叶精二

 東映動画からの同僚スタッフ、影響を受けられたアニメ監督各氏、高畑勲・宮崎駿作品研究所叶精二さん他、高畑監督ゆかりの方々による重厚な特集本。

 刊行されたこの週末に、最初から五分の一ほど読み進めましたが、僕が理解していた高畑作品像と別の姿が鋭く分析して語られ、大変興味深い内容になっています。
 読んだ中で特に素晴らしかったのは、文芸評論家 福嶋亮大「高畑勲の批評性」。例えばP36から以下引用する。

"どれだけ日常を精密に捉えていたとしても、高畑を幻想から解き放たれた自然主義的なリアリズム作家と見なすのは誤りである。あえて言えば、人間が常に幻想を伴侶としている現実を、歴史の地層とともに徹底して描こうとする、そこに高畑アニメのリアリズムがあるというべきである。ふ

 幻想を描くことにより立ち現れるリアリズム、この側面で高畑作品を見直してみたくなります。上でご紹介したフランシス・ベーコンと、「伴侶としての幻想」の観点で、まさか高畑勲が呼応するとは。

◆関連リンク
・当ブログ記事 感想(1) 『フランシス・ベーコン展 : Francis Bacon』@豊田市美術館
フランシス・ベーコン 当ブログ関連記事 - Google 検索

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2018.07.01

■情報 堺 三保 製作・監督・脚本 『オービタル・クリスマス』~聖夜を祝う全ての人に~ - 短編SF映画クラウドファンディング Orbital Christmas

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短編SF映画『オービタル・クリスマス』~聖夜を祝う全ての人に~ - クラウドファンディングのMotionGallery

"クリスマスの夜にほんの少しの優しい奇跡を。月に人が住み、地球のまわりを回る有人宇宙ステーションの数が3桁に近づいていた近未来。そんな宇宙ステーションの一つを舞台に、クリスマスに起こった小さな奇跡を描く短編SF映画です。

今回撮ろうとしている作品は、15分の短編ではありますが、かっちりとプロのスタッフを集めて本格的な映画を作ろうと考えています。自分のコネを最大限に利用して、特撮部分は日本で、実写部分はアメリカで作り、英語で撮って全世界の映画祭に出展、一つでも多くの映画祭で上映してもらって、なるべくたくさんの国の人に観てもらいたいと願っています。

日本側のスタッフとしては、本ページにもキービジュアルとして掲載したメカデザインを担当いただいているデザイナーの園山隆輔さんと、そのCG化を進めていただく帆足タケヒコさんに、特撮まわりの作業をお願いしております。さらに現在、実際の合成を担当していただくCGスタジオや、編集・音響MIXをお願いするスタッフと交渉を進めているところです。"

— Mitsuyasu Sakai/堺三保 (@Sakai_Sampo) 2018年6月29日

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 翻訳家、脚本家、評論家、アニメ設定者として活躍されている堺三保さんが、南カリフォルニア大学大学院映画学部を卒業されて帰国され数年、満を持して、自主制作短篇SF映画の製作をスタート、クラウドファンディングを立ち上げられたので御紹介します。

 スタッフは、メカデザイン 園山隆輔さん、CG監督 キムラケイサクさん、CG/特撮 帆足タケヒコさん、そして南カリフォルニア大学大学院映画学部のクラスメイトの方々がアメリカでの撮影に加わられるという(現地プロデューサーは映画学部の後輩とか)。

 さらにキャストはSAG(スクリーン・アクターズ・ギルド)に所属しているプロの映画俳優を使い、実写部分はアメリカで撮影されるという本格的な映画を目指したものという。

 クラウドファンディングは、2018年6月30日から8月31日23:59までの63日間を予定されているが、既に開始日6月30日で目標の400万円を獲得!!!

 現在はストレッチゴールとして、「なんとしてもプロの作品として遜色ないものに仕上げるため、俳優もスタッフも、正規の組合員を使おう!」と言う現地プロデューサーから提示された750万円から970万円を設定。
 そのストレッチ目標の750万円すら、初日で達成!! (6/30 21:30 256人の支援で756万円)。堺氏の今まで築れてきた実績と人気、人脈が成せる素晴らしい成果と言えそうです。

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 ストレッチゴールの詳細がクラウドファンディング公式ページに記載されているが、アメリカでプロを使った時の1日あたりの各費用が垣間見えたり、貴重な映画制作の記録にもなっているので、映画制作にご興味のある方は是非、リンク先をご覧ください。

短編SF映画『オービタル・クリスマス』~聖夜を祝う全ての人に~ - クラウドファンディングのMotionGallery.

"リターン(特典)について 皆さんからいただいたお金は、DVDの製作費以外は、すべて映画の製作費に投入、できる限りクオリティの高い作品に仕上げるよう努力するつもりです。なので、リターンは基本的に情報でご提供させていただきたいと思います。

1.製作状況を綴ったブログへのアクセス権
2.完成した映画のDVD
3.電子書籍版シナリオ
4.映画のエンドクレジットに皆さんの名前の記載
5.アソシエイトプロデューサーとして映画祭でスタッフと一緒に参列していただく権利"

 特典は、支援金額(500円〜50万円)によって変わってくるが、DVD以外は映画の製作費に使用するということで、映画のクオリティに拘る姿勢も本格的。

 日本での本格的なSF映画の誕生にワクワクしてきます(^^)。僕も微力ですが、協力しようと思っています。

◆関連リンク


荻上チキ×堺三保×中島かずき
『この10年でマーベル映画が与えたインパクトとは!?』 - YouTube

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ルーカスの後輩になる! 〜堺三保留学日記〜 第1巻
堺三保 - Wikipedia

"SF、ファンタジー小説、アメコミの解説、翻訳をする一方、アニメのSF設定や脚本も手がける。2007年から3年間、南カリフォルニア大学大学院映画学部の映画制作コースに留学した。"

Mitsuyasu Sakai/堺三保 Twitter フェイスブック ノート

園山隆輔が語るロボットデザイン - 人とロボットの関係をハッキリさせよう (1) 多くのデジタル機器のデザインに関与 | マイナビニュース
園山 隆輔『ロボットデザイン概論 プレミアムブックス版』

作品から探る帆足タケヒコ流モデリングのコツ! 「映画『GANTZ:O』ガンツロボ」編 | 特集 | CGWORLD.jp
帆足タケヒコ(studio picapixels)のクリエイター人生とは? | インタビュー | CGWORLD.jp

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2018.06.27

■VR動画 サルヴァドール・ダリ作品VR 「ダリの夢」Dreams of Dali: 360º Video


Dreams of Dali: 360º Video - YouTube

"Now also available worldwide for Oculus Rift & HTC Vive. Download Inception App:
https://inceptionvr.com/download/
Go inside and beyond Dali’s painting Archaeological Reminiscence of Millet’s Angelus and explore the world of the Surrealist master like never before in this mesmerizing 360° video. For an even more immersive experience, visit The Dali Museum in St. Petersburg, FL: the Virtual Reality experience is open daily from 11am-4pm (until 8pm on Thursdays) and is included with your admission to the Museum. For more, visit http://DreamsofDali.org

Oculus Rift&HTC Viveでもご利用いただけます。
Inceptionアプリケーションをダウンロード:
https://inceptionvr.com/download/
ダリの絵画ミレーの「晩鐘」の考古学的遺産の中を行き来し、この魅力的な360度のビデオでこれまでにないようにシュルレアリスムのマスターの世界を探索してください。 さらに臨場感あふれる体験をするには、フロリダ州セントピーターズバーグのダリ博物館を訪れてください。バーチャルリアリティ体験は毎日午前11時から午後4時まで(木曜日は午後8時まで)開かれ、博物館への入場に含まれます。 詳細については、
http://DreamsofDali.orgをご覧ください。"

オキュラスリフトで散策する、「ダリの夢」|WIRED.jp.

"仮想現実用ヘッドマウントディスプレイ「Oculus Rift」に対応した「ダリの夢」は、2016年6月12日(米国時間)まで開催予定の展覧会「Disney and Dalí: Architects of the Imagination(ディズニーとダリ:想像の建築)」で展示されている。"

 リンク先の動画をまずは観てください。
 ダリの索漠とした絵画世界をVRで体感できる360度映像。

 こんな世界に数時間彷徨ってみたいものです。でも、今後、10年くらいのうちにはそんな作品がいろいろと登場するでしょうね。VRの進化にはこれからこそ、強く期待します。

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2018.06.25

■感想 デイヴィッド・リンチ監督『ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ』特典映像 Twin Peaks Limited Event Series


7.4(水)「ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ」Blu-ray&DVDリリース! - YouTube.
 デヴィッド・リンチが全17話を監督した『ツイン・ピークス』第3シーズン、『ツイン・ピークス ザ・リターン』と呼ばれWOWOWで放映されていた作品が遂に日本でもブルーレイ、DVDとして7/4に発売される。

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 いち早くAmazon.co.jpで発売されている海外版 『 ツイン・ピークス The Return [Blu-ray リージョンフリー 日本語有り](輸入版) 』(タイトルがややこしいが、僕のところへ送られてきたのは『ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ』ドイツ版のパッケージだけど日本語 吹替/字幕も含まれているバージョン。この輸入版は値段が日本版の約半分と安いけれど、物によっては日本語版 吹替/字幕の入っていない物もあるようなので要注意です)を購入したので、その特典映像を中心に感想を記してみます。

『 ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ Blu-ray BOX』

"【特典】
▲デイヴィッド・リンチ製作のプロモ映像 ・ピアノ ・ドーナツ ・森 ・場所 ・人々 ・アルバート ・劇場公開版
▲「ツイン・ピークス」現象 ・パート1:誕生 ・パート2:打ち切り ・パート3:復活
▲コミコン 2017 ▲スタッフリスト
▲とてもすてきな夢:「ツイン・ピークス」の1週間
▲リチャード・ベイマー(ベンジャミン・ホーン役)の作品集
・リチャード・ベイマーからのコメント
・赤いカーテンの裏側
・デラドゥンで腐った牛乳を
▲RANCHO ROSA LOGOS
▲制作の舞台裏:フォトギャラリー
▲インプレッションズ:「ツイン・ピークス」舞台裏の旅
・逆立った白髪の男 ・言って マーティン ・2つの青いボール ・完成する数字 ・悪い双眼鏡 ・友よ 来世で会おう ・ヒッチハイカーを拾うな ・血だらけの指 ・ポーランド人の会計士 ・沸騰する油の鍋"

◆コミコン 2017

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 こちらはシーズン3放映途中に開催されたコミコン2017の会場での『ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ』出演者による作品について、そしてリンチについて語られる60分のパネルディスカッションの記録。

 旧作出演者の前作の思い出と新作での出演者およびスタッフとの再会の喜びの声。シーズン3で新たに合流したナオミ・ワッツ、ティム・ロス他のメンバーによるリンチ語り。いずれもアットホームなツイン・ピークスの撮影現場の雰囲気を伝えていて、ファンとしては嬉しい60分の記録である。

リチャード・ベイマー(ベンジャミン・ホーン役)の作品集「赤いカーテンの裏側」
 映画監督/脚本/アーティストとしても活躍しているリチャード・ベイマーによるメイキング動画。特にこの「赤いカーテンの裏側」、まさにあの部屋の裏側を活写した作品。ファンなら誰もが興味を持つあの空間の秘密が垣間見られてとても貴重な記録になっている。

Jason S.監督「Impressions: A Journey Behind the Scenes of Twin Peaks インプレッションズ : ツイン・ピークス 舞台裏の旅」 

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 ジョン・ニューエン監督 ドキュメンタリー『デイヴィッド・リンチ : ジ・アート・ライフ』 David Lynch: The Art Life" の製作も務めた Jason S.監督による10本のメイキング作品。

 約30分の10本は、それぞれが撮影風景のメイキングになっているのだけれど、その前後にアメリカ各地の空撮映像と独特のナレーションが組み込まれ、さらには撮影メイキング含め全体に独特の環境音楽が被されている。この音楽とアメリカの空撮で、単なるメイキングではなく、ひとつのアメリカを切り取った素晴らしい作品になっている。

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 リンチが制作した『ツイン・ピークス』がアメリカの歴史と現在をある種のデフォルメとして描いているのに、まさに共鳴するように作られた10本の作品。これはファンとしては撮影の状況を知るだけではなく、『ツイン・ピークス』リスペクトした映像作品として心して観るべき作品だろう。

 リンチリスペクトな作品であることは間違いないのだけれど、音楽もナレーションも独自の個性にあふれていて、新たな才能の作品としてもかなり楽しめます。

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 デビッド・リンチは撮影現場でとても紳士である、というのが今まであちこちで語られていたことだが、このメイキングはまるまるそのリンチの現場を、約5時間に渡って生々しく映し出した貴重な記録。

 この稀代の奇想監督の撮影手法を知りたいと思っていたリンチファンは必見だと思う。
 全体的にはとても穏やかなクリエイティブな現場の雰囲気がうかがえる。
 ただしさすがに5時間からの記録には、ギリギリの環境で苛立っているリンチの姿も残酷に記録されている。

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 たとえば、グレート・ノーザン・ホテルのシーンで、2日間しかスタジオ撮影の日程が組まれていない中で撮影は無理だと苛立ちを露わにするリンチ。大勢のスタッフで埋め尽くされたセットで不要な人間は出て行ってくれと怒るリンチ。撮影シーンに意見されて強くそれを否定するリンチ等。

 という恵まれてはいたはずだがそれでも厳しい状況もあった現場の、一種極限的なシーンは別にして、終始リンチの落ち着いた演出風景がこの10本の約30分の各ドキュメンタリー作品には記録されている。
 特に印象的だったのは、リンチの頭の中にあるイメージを彼が現場で口頭で説明しているシーン。

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 特にここで描かれているクーパーがニューヨークのあのガラスの箱に現れる前の空中を浮遊するシーン。
 リンチは自分の中にあるイメージを自らの体で表現し、スタッフと役者に伝えていく。まさに奇想監督のイメージが俳優の体とセットを使って、スタッフによって映像として定着されていく貴重なシーンである。

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 ここでわかるのは、リンチは相当に具体的に自分の欲しい映像をイメージとして予め持っていて、まさに撮影現場ではそれが的確に俳優とスタッフによって画となっていく、というところである。どこでも絵コンテというものが示されていない。時々リンチによって現場でスケッチされるのは、セットと俳優とカメラの位置を示したものだけ。それを書きながらシーン/カットのイメージを語っていくリンチ。
 そして時にリンチは、俳優のメーキャップ、セットの着色、粘土細工を自らのアーティストとしてのその手で作り出していく。
 こうして我らがデイヴィッド・リンチの映画は創造されていく過程が見事に記録されているのである。

◆関連リンク
『ツイン・ピークス』新作Blu-rayの特典内容が判明 約5時間の舞台裏映像も - 映画・映像ニュース : CINRA.NET

" 数量限定生産となるBlu-rayボックスは約8時間におよぶ特典映像を含む8枚組。特典映像は、昨年7月にサンディエゴの『コミコン・インターナショナル』で行なわれた『ツイン・ピークス』のトークセッションを約61分にわたって完全収録した『コミコン2017』や、カイル・マクラクランとリンチが撮影初日に再会を喜ぶ様子も映したドキュメンタリー映像、「赤い部屋」の撮影現場を記録し、「逆言葉」の撮影秘話などが明かされる『リチャード・ベイマー(ベンジャミン・ホーン役)の作品集』、約5時間におよぶメイキングドキュメンタリーなどで構成される。

 『インプレッションズ:「ツイン・ピークス」舞台裏の旅』と題されたメイキングドキュメンタリーには、シェリル・リー、シェリリン・フェンとリンチとのオフショットや、リンチがティム・ロスやジェームズ・ベルーシに電話で役どころを説明する姿、裕木奈江に演技指導をする様子、ナオミ・ワッツやカイル・マクラクランのオールアップ時の映像などを収録。
 9枚組となるDVDボックスには、Blu-rayに収録される特典映像の一部が収められる。"

・Twin Peaks: A Limited Event Series On Blu-ray & DVD, Complete Special Feature Breakdown & Pre-Order Details.

"Ten short films with behind-the-scenes footage directed by Jason S. who was given unparalleled access to document the making of the series. Watch a preview clip here.

The Man with the Grey Elevated Hair (29:40)
Tell it Martin (29:08)
Two Blue Balls (24:14)
The Number of Completion (29:17)
Bad Binoculars (28:08)
See You on the Other Side Dear Friend (30:00)
Do Not Pick Up Hitchhikers (26:44)
A Bloody Finger in Your Mouth (26:49)
The Polish Accountant (28:05)
A Pot of Boiling Oil (38:32)"

『 ツイン・ピークス The Return [Blu-ray リージョンフリー 日本語有り](輸入版) 』 

・Impressions: A Journey Behind the Scenes of Twin Peaks | Twin Peaks Wiki | FANDOM powered by Wikia.
Jason S. - IMDb

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2018.06.20

■感想 ロン・ハワード監督『白鯨との闘い In the Heart of the Sea』


In the Heart of the Sea - Final Trailer [HD] - YouTube

白鯨との闘い - Wikipedia

 ロン・ハワード監督『白鯨との闘い』ブルーレイ、初見。
 Dolby Atmosを試したくてヤフオクで購入。映画自体は評判がイマイチなようなので期待していなかったのだけれど、かなり面白かった。

 物語は『白鯨』の作家 ハーマン・メルヴィルが鯨によって沈没させられた捕鯨船エセックス号の生き残りの元船員に、その後の漂流の顛末を聞きに行くところから始まる。これはある程度史実らしい(実際にメルヴィルが聞き込んだのは船長のポラード船長らしいけれど、この映画ではキャビン・ボーイのトーマス・ニッカーソン)。『白鯨』のモデルにこうした事件があったことも知らなかったという状態(すみません、『白鯨』も読んでない...)。

 マイティー・ソーのクリス・ヘムズワースが主演。この人の演技で映画が引き締まった感じ。

 そして試したかったドルビーアトモス、捕鯨シーン、帆船の帆を上げるシーン等、確かに立体的な音響に感じられたが、まだうちのオーディオが7.1chまでで頭上スピーカがないためか、縦方向の音の変化はイマイチな感じ。

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 それにも増して素晴らしいと思ったのが、3D映像。
 捕鯨シーン、帆船のシーン等々、立体視に気を配った演出、カメラアングルが最大限の効果を上げている。
 同じ海の漂流ものでは『ライフ・オブ・パイ』も良かったが、今作は幻想的な描写はないけれど、この立体視を徹底して意識した海洋描写が白眉。

 手前に物を置くレイアウト、海上、海中、帆船の帆、そして鯨の巨大な体表を舐めるようなカメラアングルによる視線から画面奥までの連続的な立体視映像。これによる画面の躍動感が本作の一番の見所だった。立体視マニア、垂涎の映像と思うがどうだろうか。

 ステレオスコピックスーパーバイザーとしてクレジットされているのがBen Breckenridge (IMDb)。『ゴジラ:Gojira』『Maiti Sô: Dâku Wârudo』『Iron Man Three』『Alice Through the Looking Glass』等々、26作品もの作品の3Dスーパーバイザーとクレジットされている。

 インドのスタジオ、プライムフォーカスにより2D-3D変換らしいが、一体あの海面、帆、船上等々の精緻な3Dをどう2D世界から引きずり出したのであろうか。凄いテクニック/丁寧な職人芸としか言いようがない素晴らしい映像に感謝したいと思います。

◆関連リンク
捕鯨船エセックス号の生き地獄は小説『白鯨』よりキツい!? 本当にあったクジラと漂流の恐怖
3D3D3D -ステレオ3D情報ブログ- : 「白鯨との闘い」 3D初見レビュー
【NEWS】インドプライムフォーカス社、ダブルネガティブを吸収合併 4,500人規模、世界最大のVFXスタジオに | Inter BEE Online
Prime Focus Limited (PFL)(プライムフォーカス公式)

・当ブログ関連記事
 ■感想 アン・リー監督『ライフ・オブ・パイ: Life of Pi's』3D

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2018.06.18

■動画 TX社、遠隔操作ロボット「MODEL H」の量産型プロトタイプ プロモーション映像 TELEXISTENCE INC.


VR Robot Telepresence - MODEL H mass production prototype - YouTube
KDDIが出資するTX社、遠隔操作ロボット「MODEL H」の量産型プロトタイプを開発 | ロボスタ

"TX Inc.は併せて、テレイグジスタンス技術を活用したロボットの遠隔操作体験を、一般のお客も体験できるイベントを今夏に実施する予定であることを発表している。小笠原返還50周年記念事業の一環として、東京都小笠原諸島における観光資源のロボット旅行体験「TELEXISTENCE TRAVEL」を、KDDI、東急不動産、鹿島建設、一般社団法人CiP協議会と共同で検討しているという。 "

TELEXISTENCE inc.(公式HP)

"TX Incは、Telexistence、VR、通信、クラウド、触覚伝送技術を活用した空間を超える遠隔操作ロボット、量産型プロトタイプ MODEL Hを開発しました。今後の商業化を見据え、Model Hは、製品化前提に使いやすさ、耐久性の向上、起動・使用開始時間の短縮、デザインの洗練、独自クラウドインフラ、移動体通信・インターネット対応を実現しました。"

 まずは冒頭のテレイグジスタンス インクの公式プレゼンテーション動画を観てください。

 R^3(アールキューブ:リアルタイムリモートロボティックス)コンセプトで描かれたどこへでも瞬時に移動できる遠隔操作ロボットによる移動体験が見事に表現されている。

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 家に居ながらにして、サーフショップでボードを自分の手で確かめながら通販したり、桜の花見を息子としたり、そしてついには宇宙ステーションでの宇宙遊泳を体感できるテレイグジスタンスるによる超絶体験。

 舘東大名誉教授が描き続けてきた、SF的な未来があと少しで手に届くところに来ているような感覚を感じられます。この動画のような未来がこれから5年くらいで家庭に広がることを祈りたいと思います。

 まずは小笠原からのようだけれど、いずれ、僕らも月にいけるかも(^^;)。

◆関連リンク
移動をなくす、「幽体離脱」のテクノロジー | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン).

"富岡が提案したのがTELEXISTENCE TRAVEL。「MODEL H」はKDDIグループの伝送技術を活用。ロボットを自分の「分身」として、遠いところで活動させることを可能にした。つまり、距離や空間を超えて、分身のロボットを通じて、視覚・聴覚・触覚などの「体験」を自分に伝えることができるのだ。2018年夏、このロボットを使って小笠原諸島の体験ツアーを始めるという。"

 スタートアップとしてのテレイグジスタンス社の可能性を感じさせる記事です。
MODEL H テレイグジスタンス- Google 検索

・当ブログ テレイグジスタンス 関連記事 Google 検索

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2018.06.13

■情報 作家デビュー20周年×期間限定×公式ウェブサイト 『古川日出男のむかしとミライ』


古川日出男『ミライミライ』2/27発売開始 Trailer - YouTube.

公認映像セレクション – 作家デビュー20周年×期間限定×公式ウェブサイト 『古川日出男のむかしとミライ』

作家デビュー20周年×期間限定×公式ウェブサイト 『古川日出男のむかしとミライ』.

"当サイトは、古川日出男デビュー20周年を記念し、朗読劇「銀河鉄道の夜」スタッフが制作・管理する2019年3月31日までの期間限定特設サイトです。 毎週金曜20:00更新の「古川日出男からのお便り」をはじめ、最新情報や特別企画など随時更新していきます。"

 ニュースというには既に随分と前に開設されていたようですが、古川日出男氏の作家20周年記念のサイトが公開されています。
 興味深いコンテンツが山盛りなので、遅まきながら御紹介します。

 特に新刊『ミライミライ』関連の動画が興味深い。
 と言いつつ、まだ読み切っていないので、早く読んで、しっかりこれらページを堪能したいものです。

特別対談 – 作家デビュー20周年×期間限定×公式ウェブサイト 『古川日出男のむかしとミライ』.

"ベニー松山×古川日出男 「小説家誕生前夜──『砂の王』のころ」 デビュー20周年──とはいえそれは世に出るまでの数年間があってこそ。古川本人が言うところの“暗黒時代(笑)”をもっともよく知る人物=ベニー松山さんをお招きし、ゆるゆると語り合った「この際だから振り返っておきたいあの頃の話」。不可思議なワードが飛び交い衝撃の過去が明らかにされる、当サイトならではのスペシャル企画です。"

 デビュー当時の話がとても興味深いです。特に傑作『砂の王』と『アラビアの夜の種族』に関するエピソードがファンには嬉しい。両作ともいつか再読してみたいものです。

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2018.06.11

■情報 チェコのアーティスト ミラン・ツァイスによる「テメリーン原子力発電所の巨大な眼」


Velký noční hlídač na Temelíně - Milan Cais - YouTube

Facebook HNArt - 投稿(Facebook自動翻訳)

"Tata BojsのMilan Caisのアーティストと指導者は, temelínのプロジェクトに初めての歴史を持っていました. ナイトガードの目は冷却塔から, sauronovaの塔のように距離を照らしていた. (写真: ヤクブplíhal)"

チェコ蔵 CHEKOGURA - 投稿

"チェコのアーティスト、ミラン・ツァイスによるマッピング、「テメリーン原子力発電所の眼」、チェコ国内外話題に。"

 禍々しくも素晴らしい! チェコの原発でのプロジェクションマッピング。
 チェコのアーティスト ミラン・ツァイス氏によるものということだけれど、このダイナミックな迫力。原子力発電の本質的な課題の表象として、眼を使った畏怖感の演出が最大限の効果を表しているように見えます。

 リンク先の動画は遠目に撮ったもので今ひとつ全体感を写し撮れていないですが、実際にこの場で見たら、相当な衝撃度ではないかと思われます。生で観てみたいものです。

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 夕暮れから夜にかけて、黄昏時という光と闇の中間時間帯に行われたようです。
 ネット検索で見られる光景は、プロジェクションマッピングの映像としては、数字と眼。眼は瞬きをしていて、リアルに人間の眼を写したもののように見えます。

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Osmdesátimetrové oči Milana Caise rozzáří večer temelínské věže. Na počest obří jihočeské výstavy Google 翻訳

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" 6月6日と7日に、Temelin発電所の冷却塔がNight Watchmanと呼ばれるミラノ・カイセの壮大なインスタレーションを照らします (写真)。
 ギャラリーCeske BudejoviceとFlera Galleryが主催する第11回彫刻展「Art in the City」は、南ボヘミアの他の町や異例の場所に今年も成長します。 「今年は、ヴルタヴァ川に沿って彫像として実際に飛行したり、クレッメの頂上に登ることができます。"

 こちらに詳細記事があります。ここから読み取ると、80mの塔へのプロジェクション。一つの眼は80フィート(約25m)の巨大さとか。右の引用写真にあるように、地上の車(?)から投影されたようです。ぜひ、日本でもやっていただきたいものです。

◆関連リンク
Milana Caise (Wiki-pedia チェコ) Google 翻訳

"ミラノ・カイス (* 25 May 1974 Prague )は、 チェコの ドラマータタ・ボーズの 歌手

音楽活動に加えて、ミラノ・カイスは有名な彫刻家でもあります。 彼は芸術家であり、 p3D-01という名前で結成されています。 彼のインスタレーションは、例えば日本の愛知県で開催された世界展のチェコパビリオンに展示されました。"

 ミラン・ツァイス氏(正式な読みは私にはわかりませんが、チェコ蔵さんの書かれたこちらツァイスを使用)、音楽活動を主にするアーティストなのですね。そして、どうやら愛知万博でのインスタレーションが有名。チェコ館は僕も見に行きましたが、どの展示がミラン氏の作品だったのでしょうか。
チェコ館 | EXPO 2005 AICHI,JAPAN(愛地球博の公式HP)
万博ガイド:チェコ館: 愛・地球博blog -愛知万ブログ-

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2018.06.06

■予告篇 SF作家 ルグィンのドキュメンタリー『ワールド・オブ・アーシュラ・K・ルグィン』: Worlds of Ursula K. Le Guin

Worlds of Ursula K. Le Guin Official Trailer from Arwen Curry on Vimeo
Worlds of Ursula K. Le Guin - A documentary film(公式HP)

 アーシュラ・K・ルグィンのドキュメンタリーが制作されていて、既に予告篇が公開!

 公開予定は、2018.7/10、以下リンク先のシェフィールド・ドキュメンタリー・フェスティバルで公開されるということだ。日本での公開も首を長くして待ちましょう。 Sheffield Doc/Fest: Sheffield International Documentary Festival

◆関連リンク
『 ユリイカ 2018年5月号 特集=アーシュラ・K・ル=グウィンの世界』

  ・■映画 『ジェームス・ティプトリー・ジュニア : James Tiptree Jr.』  企画進行中 2011年公開か!?
 以前ティプトリーの自伝映画化の話題があったけど、2011年公開どころか、最近では制作の話題もとんど出てきません。ティプトリーの姿を銀幕で今だに観たくてたまらないのは、僕だけでしょうか。



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2018.06.04

■感想 岩切一空監督『聖なるもの』


映画『聖なるもの』特報 - YouTube 公式サイト
「聖なるもの」予告編【01】 - YouTube

"2018.4.14(土)ポレポレ東中野ほか全国順次ロードショー!!
監督・脚本・編集:岩切一空|劇中歌・主題歌:ボンジュール鈴木
出演:南美櫻 小川紗良 山元駿 縣豪紀 希代彩 半田美樹 佐保明梨(アップアップガールズ(仮)) 青山ひかる / 松本まりか

 大学3年になる「僕」(岩切一空)は、4年に1度、映画研究会に現れる謎の少女と作った映画は必ず大傑作になるという噂を耳にする。ある日、僕の目の前にミステリアスな黒髪の美少女・南(南美櫻)が現れる。彼女に魅了された僕は後輩の小川(小川紗良)らを巻き込み、衝動的に南主演の映画を撮り始める。"
 リンク先で88本の予告篇が公開中。

 傑作自主映画『花に嵐』の監督 岩切一空氏の新作『聖なるもの』を名古屋シネマテークの初日に観てきた。客は30人ほど、年配の男性が多い。岩切監督の評判を知っている映画ファン、そしてもしかして長い歴史を持つ早稲田の映研の岩切監督の先輩諸氏なのだろうかw?

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 『花に嵐』が新鮮な傑作だったので、そして今作の予告(特に冒頭に引用した特報)が凄かったので大きく期待して観た。

 前作とはフェイクドキュメンタリーのタッチは同じ、そしてPOVであるところも同じだけれど、エンタメとしての強度は弱い。しかしそれを補ってさらに溢れ出る映画の魅力。この魅力はなんなのだろうか。

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 シャープに切り出された映像。そしてそれにかぶせる、斬新な音響と音楽の使い方は相変わらず素晴しい ( 特に音響、何でもないシーンが音によって変貌するイメージ。『花に嵐』でも特徴的だったが、まるで登場人物の内面が音に溢れ出ている様だ。登場人物の意識にも登っていない内面の動きを音として表している様な映像空間の現出)。

 監督が数年、映画の主役を務めるように声をかけていたという主役の南美櫻の異界ぶりが素晴らしい。冒頭の特報に顕著であるが、特に登場して映画作りに合流するまでのその空間に漂うような幽玄な存在感。

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 今作の映画世界は、異界をキーワードに3層+αの世界を描いていく。
 学生映研の新歓と映像制作を基層にして、ひとつは主人公岩切くんの作っている自主映画の高校生活。さらにそれら2層に時々インサートされる2層から浮きあがった、もうひとりの主人公である小川と岩切監督との共同生活、まるで映画のこちら側の楽屋裏の現実のように描き出される層である。

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 こうした多重構造は前作『花に嵐』ではみられなかったメタフィクション的な構造である。これによって複雑さを持ちエンタメ的には犠牲を強いることになった映画は、でもその複雑さゆえに持つ多層な映像とその世界の向こうの異界を垣間見せるのに成功している。決して画面には映されずに、3層の各登場人物によって語られている異界は、それぞれの層で、息苦しい高校生活から外へというベクトルであったり、南の存在のありようだったり、監督と同衾しているように見える小川の語る脳の中の宇宙だったり、多様なイメージを持っている。先に3層+αと書いたα部分が、映画で直接描かれない「異界」のことである。

 映画制作の層での主役であるはずの南のシーンが減って、小川のシーンが大きく広がったということがパンフレット等で監督から述べられている。
 本来は「聖なるもの」= 映画の亡霊である南を撮ることに取りつかれた岩切の映画であったものが、3層目の実岩切と実小川層の関係のなんらかの影響を受けて映画の構想が変節したのでないか、と観客に邪推されるような映画の描写になっている。
 
 果たしてそれが事実なのか、それともそれもただの映画のフィクションのひとつの層なのかは、観客には知り得ない。

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 頭の中に宇宙があって、その頭もある宇宙の中に存在している、という小川によって述べられる言説。映画はそうした入れ子構造を、直接描かれた3層とそのそれぞれから幻視させる異界の「映像」によって観客の脳内にイメージ構築する。

 ラストはそのうちの2層あるいは3層が融合してしまったかのような海の映像で幕を下ろしていく。

 エンタテインメントとしての結構を崩して描かれた、カタルシスのない今回のラストシーン。その後のエンドタイトルで描かれた海のような羊水のような液体の映像は、爆笑の「松本」の家での謎の出産シーンとリンクして、観客がこの映画の胎道を通過して異界へと頭を出すところを想定しているのかもしれない。

 我々は岩切監督の映画の胎内から、どういう現実という異界に生み出されたのであろうか。

 最後にとても残念だったのは、特報のあの映像と曲が本篇で使われなかったことである。この特報から想起した僕の幻の大異界映画としての『聖なるもの』はいつ、映画の画面に描き出されるのでしょうか。監督、今後の作品も期待してます。(すでにtwitterによると、今作が描いた5月32日である、現実の6月1日に新たな岩切組作品がクランクインしたらしいので期待!)

◆関連リンク
岩切一空監督『聖なるもの』 - Togetter
 情報と感想のツィートをまとめました。
【映画深層】「聖なるもの」は映画への片思い(4/5ページ) - 産経ニュース.

"前作の「花に嵐」もPOVの手法で撮られている。大学の映画サークルに入って初めてカメラを手にした主人公が映画に魅入られるまでを描いた作品だったが、「聖なるもの」では映画に魅入られたものの映画に選ばれない人を取り上げた。次は映画に選ばれなかった人がどうするかという話を、やはりPOVで撮れればと考えている。

 「3部作なのかわからないが、それで初めて完結するのかなという気がする」と話すが、そのためには「聖なるもの」は極めて重要だと思っている。
 「現実には、やりたいからやる、じゃできないときもある。それでもあらがえない魅力が映画や少女役の南さんにはあって、それに片思いをしてしまう。この映画のことを全然知らないけどふらっと映画館に入って、見てみたらよくわからなかったけどすごかった、みたいな状態になってくれるとうれしいですね」"

映画『聖なるもの』感想と考察。岩切一空の向こう側の構造と系譜とは.

"それはスクリーンの光が“、母親の産道から生まれ出る先という向こう側”に見えたような気分がどうしようもなく沸き起こったのです。 胎内にいる赤ん坊のように、『聖なるもの』という映画(母体)から世の中に生まれ出たくなった出産の意志を抱かされました。 これは自分なりに観た印象なので、観客の多くが感じることではないかもしれません。"

新時代の到来を感じさせる天才映像作家 岩切一空監督が新作『聖なるもの』を語る|CREA厳選! イケメン青田買い|CREA WEB(クレア ウェブ).

"――幼い頃に持っていた将来の夢は?  ある日、雲を見たときから、羊になりたいと思っていました。もともと、豚などの四足歩行の動物が好きで。食べて、寝て、愛されて、草原にいる姿がとても幸せそうだったんですね。その後も、満員電車が苦手なので、普通の会社員になるのは難しそうだとは思っていました。

 僕はゼロから1を作れる人間ではないと思っていて、そうすると自然に自分に蓄積されたものの組み合わせや好みを考えていくようになっていきました。編集や音の使い方などは、「少女革命ウテナ」や「新世紀エヴァンゲリオン」など、中学・高校時代に見ていたアニメからの影響が大きいです。"

第58回日本映画監督協会新人賞は、『花に嵐』岩切一空監督に決定! - シネフィル
 岩切監督、新人賞受賞ということでおめでとうございます。この賞って商業映画以外も対象になるのですね。大島渚に始まり錚々たる監督が受賞されていますね。
 → 日本映画監督協会新人賞 wiki
Bonjour Suzuki - YouTube ボンジュール鈴木 楽曲
当ブログ関連記事
 感想 岩切一空監督『花に嵐』 と 「期待の新人監督2016」@カナザワ映画祭

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2018.05.30

■感想 静野 孔文, 瀬下寛之監督、虚淵玄原案,脚本『GODZILLA 決戦機動増殖都市』


静野 孔文, 瀬下寛之監督、虚淵玄原案『GODZILLA 決戦機動増殖都市』予告 - YouTube

  虚淵玄の絶望の破滅が加速。でもって哲学的絶望が進化SFしている。
 ナノメタルという設定でメカゴジラがまさかのSFに。『レディ・プレイヤー・ワン』の同キャラとは随分な違い(両方好きですけど)。

 そして前作の感想でも書いた硬質なCG映像とシャープな音響がこの哲学的絶望に最大限マッチして素晴しい効果を出している。このクールな物語を見事に盛り上げてる。

 CGのどこか非人間的な表現で、ナノメタルとの融合で新らたな進化を選びとる異星人「ビルサルド」と、人間の肉体に拘った地球人キャラクターの苦難。

 ある意味、『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』の絶望を超えている。サノスのシンプルな哲学(^^)と比べると何と深い絶望。人類の進化の到達点にいるゴジラとそれに対抗する、ロジックの神メカゴジラ。

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 諸星大二郎の「生物都市」の描いた進化の恍惚と同類のものを描いた上で、それを否定。テクノロジーのエッジとして描いたメカゴジラの暴走はある意味、東宝メカゴジラの極北の姿として描き出している。見事な魂の継承と思うがどうだろうか。

◆関連リンク
『 彼方より―諸星大二郎自選短編集』
 諸星大二郎の手塚賞入選作「生物都市」が収録されている短編集

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2018.05.28

■詳細レポート(2) 『クエイ兄弟 ーファントム・ミュージアムー』展 スペシャルトーク「クエイ兄弟の夢の世界」滝本誠氏、赤塚若樹氏@ 岡崎市美術博物館

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開催中の展覧会「クエイ兄弟―ファントム・ミュージアム」 | 岡崎市美術博物館ホームページ

"スペシャル・トーク 「クエイ兄弟の夢の世界」
登壇者
赤塚若樹氏(首都大学東京教授) 「ふたりの好きなもの」
滝本 誠氏(映画評論家) 「クエイ兄弟の手作り魔術」
司会 岡崎市美術博物館学芸員 高見翔子氏
日  時  5月6日(日曜日) 午後2時~ 
(当日午後1時開場)
会  場  当館1階セミナールーム
定  員  70名 先着順 ※午後1時から整理券配布 聴講無料"

 スペシャルトーク、後半の滝本誠氏の講演とラストのお二人によるトークのメモ、続きです。iPadのメモと記憶を頼りに書いてますので、記録ミスもあると思います。文責は私ということで、読んで頂く際はご容赦ください。トップに引用した画像は、お二人が用意され会場で配布されたレジュメ(一部)です。

■滝本誠 「クエイ兄弟の手作り魔術」

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・カフ力「変身」のザムザを表現した展示品。ザムサと部屋とベットとドア。クエイが想う形。このセットを、映像として完成させてほしい。スリルを感じた。
・フィラデルフィアでクエイと同時代を過ごしたはずのデイヴィッド・リンチも「変身」をシナリオ化している。2人ともフィラデルフィアでカフ力を発見。
・自分のイマジネーションの中で、クエイヴィジュアルで受けとっていた。
※写真は This Week In New York から引用させて頂きました。

・今買い展示されているドローイング、切断とか奇怪な夢を表現している。ブックデザインとか、噂は聞いていたがやっぱりというビジュアル。「クロコダイル」の頃に届かなかった情報。幻想力が入ってくる。

ジヤン=オノレ・フラゴナールの閂の絵からクエイが影響受けていると『映画の乳首、絵画の腓』に書いた。画家のフラゴナールでなく、解剖学者の従弟のオノレ・フラゴナールの影響であると、17年フラゴナ一ル博物館を初めて訪問して気づいた。クエイとフラゴナールで書き直した方がよい。

・パリ郊外にあるフラゴナール博物館、娘と2人で訪問した。人間の皮を一回はいでなめして頭蓋に張り付けたもの。荒俣宏氏も悲鳴あげた。余計な物を残しはりつけた。馬も凄い。1日楽しめるが、匂いがキツイ。ガラスの中から語りかける。女性に向いてると思う。(フラゴナール博物館については『荒俣宏の裏・世界遺産(3) 衛生博覧会を求めて』参照)

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・今回の展示品で「変身」のデコールに加えて、持ってかえりたいと思ったのは「クロコダイル」のデコールと、アムステルダムで展示されたオプティカルボックス。この三点が特に良い。
・オプチカルボックスはマックス・エルンストに関係。箱の中を覗く展示、既に破棄されたらしいので残念でならない。13個の穴ごとに別の物に見えたかどうか。これは見たかった。
(リンク C3 video archive and media art collection catalogue
 滝本さんが見たいと言われていた「ロプロプの巣」と言われる引用画像のキュレーション。マックス・エルンストの「怪鳥ロプロプ」のための架空の装置。97年にロッテルダムで展示された。)

・人為的な透視図法、またはアナモルフォーシス。バルトル・シャイティスのアナモルフォーシスとしたかった。手紙が届いた日にバルトス・シャイティスが死んだと言われてる。

バルトル・シャイティスアナモルフォーズ 』(国書刊行会)、クエイのアトリエでサインしてもらった。流麗かつ円がどこかへ引きずり込む様なサイン。上がティモシー? 上から下へ見事にひきついで素早く書かれた。カリグラィーの様。アトリエのBBCからエアチェックしたカセットテープの山と彼らのカリグラフィーの筆致は同じ。それらもまたイラストで埋まってる。

・カリグラフィー.、カリカリという昔の極上のエクスタシー。「書道家」。

・アトリエ訪門、1994年、イメージフォーラムのクエイのビデオが1万円x1万本以上売れた。そのご褒美として、イメージフォーラムの富山女史(富山加津江氏)と滝本氏、94年8月にアトリエを訪問した。(ここからアトリエ訪問の写真をスライドで見せながらの講演)

・2 Fがクエイのスタジオで窓が開いてた。2人で同時に顔を出した、ツインズの歓迎。1 Fはハロッズに肉を卸してる解体配送業者。「ストリート・オブ・クロコダイル」のレバーの購入先か。

・当時、クエイはピーター・グリナウェイから、早く実写を撮れ、と言わえてた。そして初めての実写長編『ペンヤメンタ学院』の初号試写。

・アトリエ内、植物系の絵、すべからく枯れている。枯れてこそ造形美を発揮する。枯木もいくつもアトリエにあった。作品の素材として置いてある。枯枝の様なパペットを天上に張り、そこに作品吊るしてある。落ちてくると危険。カバーシーツのカーブの写真、この流れがクエイ。

・テーブルの花も枯れてる。当時、35mmフィルムで、2人で撮っていく。照明、幕を張っている。スタロヴィエイスキの目玉の「砂時計のサナトリウム」。

・コースターもクエイ的、ビニール袋に入れて、穴をあけて、室内の風雨にさらす。粉なごみ、匂い、コースターに浮かび上がる。トイレにカフ力のチェコ版?のペーパバック、つり下げてある。ホコリ等の付着を楽しむ。彼の幻想の中の東欧か。

・変身のセットのリアル、写真を見直していて、20年たって衝撃受けた。

・手作りカセット、BBCエアチェック、手作り快感.。山をなして存在。
・家っぽい造形、エゴンシーレの肖像の様なパペット。映像になってない物、天上にぶら下がってる。ブラっと崩れる夢見に入る様子、写真を見ていて昨日気づいた。枯木の痕跡。人体模型。陰毛、自分たちで貼り込んだ。造形物に加えることで楽しむ。

・DVDのインタビュー、球体人形の陰部に指を入れる所から。映像になってない物、いろいろ。キリストはりつけ、腐敗的描写。フィラデルフィア、ポーランド移民多かった、そこへ向かうDNAか。

・まとめ? クエイを楽しみましょう。

■おまけの30分
 時間を延長して、30分ほどの追加講演

・東欧について話した。この展覧会は葉山、渋谷、ここ、見え方が違う。調べ直した。

・黒の素描。70年代となってるが、ベルギーの資料では74〜77年と記してある。英語じゃなくポーランド語等。モチーフ、街頭、パンタグラフ、電線、高圧線、クエイっぽい。
・この岡崎市美術博物館から見える電線。線にラケットがかかっていればクエイの素描そのまま。

・77年、ポーランドヘ74年に初めて行ってる。8mmカメラで映画撮ってる。そのスチル、後のモチーフ、市電、電線.。チェコの写真家にインスパイア、大聖堂のなかを走る、路面電車。人工の夜景に出てくる。映画のモチーフヘ痕跡が出ている。こうした見方も美術展の楽しみ方。

・クエイと東欧のつながり、フィラデルフィアは欧からの移民が多くいた。

・74年のワルシャワ訪問、東へ入りにくかった、鉄のカーテン、身ぐるみはがさえたり。
アンジェイ・クリモフスキ。クエイが東欧へ目を向けるきっかけ。イギリスの別の美術学校にいた。両親が東欧の役人(?)。卒業制作展で意気投合。文通。
・クリモフスキ、ワルシャワでポスターとアニメ学んだ、トマシェフスキに学んだ、レンツェとかの上の世代。アニメはカジミェシュ・ウルバンスキに学んでいた。この人を通してワルシャワへ。クリモフスキのポスター、『オーメン』とか、女の背中。アニメ「 死せる影」。密接に結び付いてることがわかった。

ウルバンスキPlaythings
・レンツェ、ボロフチク「家:The House」。電子音楽。シンセ。実験的。コラージュ、髪の毛アニメ。

Surrealism/Experimental/Avant-garde Art Cinemaの動画 | VK
 クリモフスキ「Dead Shadow : 死せる影」バレエ、階段のぼる人、撃たれる。
ポーランド最近も元気。


Nine Inch Nails - Closer (Director's Cut) - YouTube
 マーク・ロマネク:Mark Romanek監督のナイン・インチ・ネイルズ「クローサー Closer」PV。ターセムの『ザ・セル』と合わせて、「クエイエフェクト」と名付けられる様な映像の強い影響が現れている。もしくは「クロコダイルエフェクト」。肉、心臓、ほこり、そして蜘蛛の巣。


The Cell: The Demon King (2000) - YouTube.

◆関連リンク
滝本誠『映画の乳首、絵画の腓 AC 2017』
leeds canvas quay - Google 検索
 リーズ市の地下水路をアート化したもの。暗闇の光が素晴らしい。
The Hourglass Sanatorium (1973) ♦ A film by Wojciech Has ♦ - YouTube
 監督ヴォイチェフ・イエジー・ハス原作者ブルーノ・シュルツの「砂時計サナトリウム」。クエイに影響を与えた。まるでパペットのように見える人間の実写映画。
C3 video archive and media art collection catalogue
 滝本さんが見たいと言われていた「ロプロプの巣」と言われるキュレーション。マックス・エルンストの「怪鳥ロプロプ」のための架空の装置。97年にロッテルダムで展示された。
Max Ernst loplop - Google 検索
Un lieu d'exception(フランス フランスでのフラゴナール博物館 公式HP)
【閲覧注意】パリの「フラゴナール博物館」に世界最高傑作といわれる「人体標本」を観に行った!|健康・医療情報でQOLを高める~ヘルスプレス/HEALTH PRESS
【完全解説】マックス・エルンスト「コラージュ・ロマン」 - Artpedia / わかる、近代美術と現代美術

"1929年、最初のコラージュ・ロマンのエルンストの代表作となる『百頭女』を刊行。エルンストの鳥キャラクターのロプロプが現れる。絵の中の鳥はエルスント自身(エゴ)を表している。ロプロプとは鳥と人間の初期の混乱から起因する自分自身の延長のもので「分身」あるいは「守護霊」のようなものといっている。"

「砂時計サナトリウム」ヴォイチェフ・J・ハス - Credo, quia absurdum
・メカニカルインファクタ
 参考出品で展示。図録にも載っていないので検索してみたが、ネットには画像なし。とても残念。

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2018.05.21

■詳細レポート(1) 『クエイ兄弟 ーファントム・ミュージアムー』展 スペシャルトーク「クエイ兄弟の夢の世界」滝本誠氏、赤塚若樹氏@ 岡崎市美術博物館

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開催中の展覧会「クエイ兄弟―ファントム・ミュージアム」 | 岡崎市美術博物館ホームページ

"スペシャル・トーク 「クエイ兄弟の夢の世界」
登壇者
赤塚若樹氏(首都大学東京教授) 「ふたりの好きなもの」
滝本 誠氏(映画評論家) 「クエイ兄弟の手作り魔術」
司会 岡崎市美術博物館学芸員 高見翔子氏
日  時  5月6日(日曜日) 午後2時~ 
(当日午後1時開場)
会  場  当館1階セミナールーム
定  員  70名 先着順 ※午後1時から整理券配布 聴講無料"

 スペシャルトーク、貴重な御二人の話をたいへん興味深く聞かせて頂いたので、その一端をご紹介します。iPadでメモを採ったのですが、正確に記録できていない部分も多いと思うので、あくまでも文責はメモを採った私ということで、ご容赦ください。

■赤塚若樹  「ふたりの好きなもの」
・東欧関係とクエイの関係は、80年代終わりから。
・滝本誠氏『映画の乳首、絵画の腓』は恐らくクエイについて本格的に取り上げた日本で初めての書籍。
・赤塚若樹氏はシュヴァンクマイエル、クエイほかを『夜想』のパペットアニメ特集でとりあげた。ブルーノ・シュルツについても、雑誌「REAR」で、ポーランドのアニメーション他と合わせて文章を書いた。
・公式図録の主要参考文献には、この二人の著作は掲載されていない。高見氏の慧眼か、はたまた節穴か?、というのがこの講演でわかるはず(笑)。
・90年代ビデオ、イジー・バルタ、ヤン・シュワンクマイエルと合わせてクエイも発売された。イメージフォーラムフェス、シネヴィヴァンのレイトショーとか貴重な機会だった。パンフに滝本氏が書かれていた。その後90年に『映画の乳首、絵画の腓』が発行された。
・(滝本氏) クエイに30年おぼれ続けてるのでなく、最近、浮上してまた戻ってきた。

・(ここで参考上映 「ストリート・オブ・クロコダイル」) ポーランドのカフ力と呼ばれているブルーノ・シュルツの原作。平凡社ライブラリで翻訳が出ている。シュルツは作家であり、画家。
・デビューは偶像讚美の書。シュルツは小説より前に画家だった。(ここでシュルツの絵を紹介(参考リンク : Bruno Schulz - Google 画像検索)) シュルツの絵はクエイに影響。
・シュルツの絵を東大の講演で「足フェチ」と言っていたら、講演録で「足への愛好」と直された(笑)。
「ストリート・オブ・クロコダイル」の原作「大わに通り」と同じ舞台の連作に「肉桂色の店」。
ヴォイチェフ・ハス『砂時計サナトリウム』(72年)、この映像からクエイヘ影響しているのがよく分かる。人間がパペット的。(以下の動画参照)。


The Hourglass Sanatorium (1973) ♦ A film by Wojciech Has ♦ - YouTube.

・滝本『映画の乳首、絵画の腓』に、クエイへの東欧の影響について、すでに書かれている。ヤナ一チェク、ミランクニデラ、シュヴァンクマイエルの部屋。
・同じくシュルツの「砂映計サナトリウム」も現在、作ってる。そしてスタニスワフ・レムの「マスク」、バルトーク、カフカ「変身」。ロシアのアニメ作家 ヴワディスワフ・スタレーヴィチ等々が影響している。

・東欧、鉄のカーテンの標式が今もある。チェコ、ポーランド、スロバキア、ハンガリー、、、、以前はオーストリアから東へ行けなかった。世界の果てという認識があったころにクエイは東欧を訪問。
・REARに書いたポーランドのポスター。クロコダイルにも出てる。多くの東欧の作家がクエイに影響を与えている。ヤン・レニツァヴァレリアン・ボロフチク。ポーランド派の代表。
レニツァのアニメーション。ポーランドアニメーションの黄金時代。

チャーリー・バウアーズ「It's abird」レニツァ「A」 、AのあとBが来るというアニメーション。
・東欧、ファンタスティックな映像は西欧と違う。周縁、陰り、深みにひかれる。トルンカ、ノルシュテイン。そしてレニツァとボロクチク。
・ボロズウィック「再生」(1963年)。フクロウ、トランペットの再生、クエイが好きな作品として挙げてる。人形の再生、顔と頭、クエイの人形そのもの。最後、手榴弾。
・クエイ新作「砂時計サナトリウム」でも、ボロクチクにオマージュ捧げてる。
・クエイのドローイングもポーランドアートの影響受けている。

◆関連リンク
滝本誠『映画の乳首、絵画の腓 AC 2017』
The Hourglass Sanatorium (1973) ♦ A film by Wojciech Has ♦ - YouTube
 監督ヴォイチェフ・イエジー・ハス原作者ブルーノ・シュルツの「砂時計サナトリウム」。クエイに影響を与えた。まるでパペットのように見える人間の実写映画。
「砂時計サナトリウム」ヴォイチェフ・J・ハス - Credo, quia absurdum

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2018.05.16

■感想 『クエイ兄弟 ーファントム・ミュージアムー』展 @ 岡崎市美術博物館

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 『クエイ兄弟 ーファントム・ミュージアムー』展 @ 岡崎市美術博物館、観てきました。東京渋谷区立 松濤美術館に続き(当ブログレポート記事)、2回目だけれど、展示会場が異なり雰囲気はずいぶんと違って感じる。

 今回の最大の目的は、イベントのスペシャルトーク「クエイ兄弟の夢の世界」滝本誠氏と赤塚若樹氏講演の聴講。
 用意されたレジュメ(滝本氏のA4 3枚と赤塚氏のA3 2枚)とPCプレゼン資料と多くの映像。2時間(90分本篇。30分おまけ)に及ぶ深くて最新情報に満ちたクエイトークを堪能できました。
 会場の観客レベルをクエイマニアに設定されたような濃いトピック満載で素晴らしい講演でした。

 赤塚氏は主に東欧、特にポーランドアートのクエイへの影響について最新情報と関連作の動画等紹介。滝本氏は御自身のフランスでのフラゴナール博物館体験からクエイへの影響について、そして94年の渡英時のクエイ兄弟のアトリエ訪問写真紹介、フィラデルフィア近郊に育ったクエイと同時代にそこで青年時代を送ったディヴィッド・リンチとの共通性について。

 そして後半30分で、おふたりからのトレント・レズナーのナイン・インチ・ネイルズ PV Mark Romanek監督 "Closer" 、ターセム監督『ザ・セル』へのクエイのダイレクトな影響について。超ダイジェストに映像を見せつつの、とても濃くって興味深い話でした。


Nine Inch Nails - Closer (Director's Cut) - YouTube
 クエイ兄弟の映像に大きく影響されているナイン・インチ・ネイルズのPV"クローサー"。こちらのPV、冒頭他に刺激的なシーンがありますので、試聴は自己責任で

 詳細はいつものメモ魔で(^^;)、情報満載に記録したので、次の記事に掲載します。

 展示は松濤美術館になかったもの、そして前回も素晴らしく何度もその前に佇んでしまった撮影用のセットとパペットからなるデコールという立体展示、のべ4時間ほど会場にいて、じっくりと観覧させて頂いた。

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 特によかったのはデコール「この名付け難い小さなほうき」(右引用写真)と「変身」。特に後者はベッドの下で蠢く昆虫になってしまったザムサを描いたものだけれど、その部屋の雰囲気、蟲の造形等、素晴らしい闇の輝きである。滝本氏の発言にもあったけれど同様に持って帰りたい(^^)。
※写真は三菱地所アルティアムの記事から引用させて頂きました。

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 2012年の「変身」の映像ではこの造形の見事さが充分に表現されてないように見えて、これは造形物と合わせての鑑賞が必要かと。とにかくクエイの手になる創造物の存在感に溜息が出るばかり。
 「変身」は以下の動画作品だけれど、映像にはこのデコールの人形と部屋の造形が断片的にしか使用されていないため残念でならない。
※写真は This Week In New York から引用させて頂きました。

Metamorphosis - Mikhail Rudy / Brothers Quay - YouTube

 最後のコーナーにあった映画化企画中で、テスト的に作られているブルーノ・シュルツ原作『砂時計サナトリウム』の冒頭映像6分ほどが観られたのも嬉しかった(たしか松濤美術館にはなかったような記憶)。なかなか映画に恵まれていない最近のクエイ、なんとか実現することを祈りたいと思います。

◆関連リンク
・赤塚若樹氏twitter (@wakagi_akatsuka) 2018年5月6日

フランツ・カフカ  Quay Brothersの「変身 」 Google 翻訳.

"クエイ・ブラザーズの回顧の一環として現在ダン・ギャラリーで見られている一連の図を通し、1970年代半ばにカフカの最もよく知られた物語を映画化することを思いついた。 昨年、彼らはパリのシテ・デ・ラ・ムジークとロシア生まれのフランスのピアニスト、ミハイル・ルディにアプローチし、「変身」の適応に取り組んだ。 その結果、2012年3月に初演されたシンセシス作品は、 'アニメーションとライブアクションの組み合わせ、LeošJanáčekによるRudyの音楽パフォーマンスは、一緒に、Kafkaの物語に敬意を表する一方で、話題の全く新しい経験を生み出しています。"

オープニングイベント 上映会 & 講演会「映像作家クエイ兄弟の今昔」レポート(2) | 三菱地所アルティアム
 神奈川県立近代美術館 籾山昌夫氏の詳細な解説。深い話が掲載されているので、是非ご一読を。
■感想 双子がつくる悪夢的ビジョン「クエイ兄弟 ー ファントム・ミュージアム」展 The Quay Brothers Phantom Museum|松濤美術館

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2018.05.14

■感想 アンディ・ムスキエティ監督『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』


IT Trailer 2 (2017) - YouTube.

 アンディ・ムスキエティ監督『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』ブルーレイ初見。

 『スタンド・バイ・ミー』ミーツ ホラーというか、とてもキングらしいストーリーである。

 実は原作を20年以上前に読んだのだけれど(翻訳が出たのが1991年とのことで既に27年前! 期しくも本書で重要なキーワードになる「27年」と同じ年月である)、すでにほとんど忘れてしまっている。ので、とてもワクワクして全体を見終えた。

 まず青春映画としてよくできている。青春というか、子供から青年に移行する直前の年代の登場人物たちの心の動きを活写している。

 『キャリー』にもつながる、スクールカースト(嫌な言葉だ)的に言えば下層の、いじめられている少年少女の物語。それぞれが抱えている課題をそれとなく見せ、その7人の仲間が集まって戦いの体制を整えていくところの描写がなかなか見事。

 ホラーシーンも、ピエロのペニーワイズの持つ恐怖感。幻想性とリアリティのせめぎ合い。大人には見えていない描写等、ホラー映像の物語との拮抗も的確。

 原作を想い出してみると、この27年後の主人公たちグループの姿が描かれていたはず。続篇で描かれるだろう、彼らの姿も期待したいものである。

◆関連リンク
IT/イット "それ"が見えたら、終わり。 原作と映画の違い | MOJIの映画レビュー
 丁寧にしかもchpter2のネタバレも避けつつ、映画と原作との違いを分析されている記事。
IT (映画) - Wikipedia.

この作品の公開後、ピエロの存在を怖がる人々(道化恐怖症)が少なからず現れるようになったという。

道化恐怖症 - Wikipedia
 かならずしもこの作品だけが原因でないようですが、こういう病気が出てきているのはある意味凄い。映画によって精神的病が発症したというのは興味深い。
Andy Muschietti監督 - IMDb
Stephen King's IT (1990) - Georgie - YouTube.
 1990年の映像化作品、ペニー・ワイズが側溝から現れる冒頭のシーン。2017年作品とほぼ同じ展開を描いているが、恐怖感が映像によってパワーアップしていることがよくわかる。

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2018.05.09

■写真レポート 福井県立恐竜博物館

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 ゴールデンウィークに福井恐竜博物館へ行ってきました。
 前から行きたかったので、やっとという感じですが、44体の恐竜の全身骨格と千数百点の標本、そして大型復元ジオラマ、、、さすがに「国内最大」(よくある「最大級」でなく「最大」)と謳われているだけのことはある豪華さです。

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 未来的な宇宙船のような館内に展示された恐竜たちは、さながらノアの箱舟で未来へ連れてこられたような演出。10mに及ぶ巨大な「フクイティタン」ほか、この福井の地で発掘された復元模型も素晴らしいものでした。

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31648450_1985882771741307_625338193 そして中子真治さんが協力されたという(関連リンク参照)「ダイノギャラリー」と名付けられた恐竜イラストの展示コーナー(ここは残念ながら撮影禁止)。『超恐竜 恐竜アートの世界』で紹介されたイラストを直に見ることができて、これも感激でした。

 特にこの本の表紙に使われた右のイラスト。
 古代の息吹を感じさせるリアリスティックイラストに感嘆。
 今回、3Dハンディカムで、しっかり恐竜たちの立体映像を撮ってきたのでいつかYoutube等で公開したいものです。

◆関連リンク
・FPDM: 博物館バーチャルツアー - ダイノギャラリー
 (福井県立恐竜博物館 公式HP)

"恐竜アーティストも世界的に高い評価を受けている方ばかりです。画材も作風もさまざまで、油絵からアクリルや水彩さらにグアッシュやパステルといったものを使って描かれています。マーク・ハレット、ジョン・シビック、グレゴリー・ポールらの精巧な作品、パステルだけで植物食恐竜マイアサウラの生態を情感たっぷりに描いたダグラス・ヘンダーソンの作品、カナダの人間国宝の称号が与えられたエレノア・キッシュの遺作など、恐竜ファンだけでなく、芸術ファンの方にも十分な見応えがあるものです。さらに、しっぽを地面に着けたゴジラ型の姿勢をした恐竜を描いたウィリアム・シーリーの1960年代の作品など、その時代での恐竜研究により恐竜の背格好や風貌が異なってきていることがわかります。これらの作品は芸術的価値もさることながら、恐竜研究史的にも高く評価されるものです。

また、彫刻には映画「ジュラシック・パーク」(1993)で頭角を現したマイケル・トーシックの作品や「ジュラシック・パーク」でアカデミー賞特殊効果賞を受賞したスタン・ウィンストンが、この映画のために最初に基本制作したブラキオサウルス、ディロフォサウルス、ベロキラプトルが展示されています。何でここに展示されているのか!と目を疑いたくなるようなお宝です。"

ネオン集め その4 我が倉庫へ。 : 下呂温泉 留之助商店 店主のブログ

"1985年に恐竜画家ウィリアム・スタウトからプレゼントされた1枚の絵がきっかけで集めた恐竜復元画と復元彫刻のコレクションは、トヨタの池袋アムラックスホールで開催された『超恐竜展』のあと、福井県立恐竜博物館のダイノギャラリーという最高の環境で第二の人生を送っている。"

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