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2004.06.26

■マイケル・ムーア『おい、ブッシュ、世界を返せ!』
           黒原敏行訳(アーティストハウス刊)

 『華氏911』に内容的に直接つながるマイケル・ムーアの2003年出版の本。9・11テロに関するビン・ラディン一族および 9・11テロリストの出身国サウジアラビアとブッシュファミリーの経済的な癒着の事実をいろんな論証を交えて描き出す冒頭部分が圧巻。
 ぼんやりとはうわさを聞いていたけれど、ここまでとは! アメリカのマスコミが騒いでいないから日本のメディアにもほとんど載ってこない情報が開示される。経済的にメディアのトップとの繋がりで、メディアのコントロールが徹底しているのか。それだけで押さえ込めるわけはないので、メディアの対テロ戦機高揚の雰囲気作りの中で無意識にこういうニュースを抑圧しているのか??『ボウリング・フォー・コロンバイン』でもアメリカのマスコミによ民衆のゆがんだ現実像というのが印象的だったのだけれど、この本でもマスメディアの異常性が指摘されている。
 それにしても日本のメディアも、もっとこれらの情報を報道しても良いのに、と思う。
 そうしたらイラク派兵問題に対しても大きく世論は変わっていたのかもしれない。
 今後、『華氏911』の米国での評判と日本への波及は、ブッシュだけでなく現日本政権もびびらせることになるかもしれない。今年の夏は、熱くなりそうである。
◆関連リンク
・MICHAEL MOORE JAPAN.COM マイケルからのメッセージhttp://www.michaelmoorejapan.com/words/2004/0620_1.html
おい、ブッシュ、世界を返せ!』(Amazon)
asahi.com :「華氏911」、米批評家はおおむね高い評価
Michael Moore.com : The View From America: Responses to Fahrenheit 9/11
・町山智浩アメリカ日記 2004-06-25「華氏911」今、観て来た より。

歴史上、多くの宗教家や哲学家や芸術家やロックミュージシャンが戦争に反対してきたが、実際に止めることに成功した人はどれほどいるのだろうか?でも、もしかしたらそれが初めて実現するかもしれないのだ。(略)これほどまでに恐れられた映画があっただろうか?一人の映画監督が、世界一の大国の大統領の運命を、つまりは世界の運命を左右しそうなのだ。このクソみたいに出口のない世の中で、どうせ何やっても無駄なんだと思わせる世の中で、こんなに生きる元気を与えてくれることがあるだろうか。

 ウェイン町山氏のアメリカからの熱い声。このレポートで『華氏911』の内容を時系列で紹介してある。前半はこの『おい、ブッシュ、世界を返せ!』と共通するビン・ラディン一族とブッシュファミリーの経済的癒着の描写。そして後半は意識的/無意識的にコントロールされるアメリカメディアの伝えないイラクの惨状。という内容のようです。
・中日新聞04.06/26によると、マイケル・ムーアに反撃する保守陣営の動きがあるらしい。ひとつは『マイケル・ムーアは太っておろかな白人』という本の出版。
 "Michael Moore Is A Big Fat Stupid White Man" http://moorelies.com/book/ 「moorelies.com」というドメインがすごい。
 あとひとつは、今夏の公開をめざすドキュメンタリー映画『マイケル・ムーアは米国を憎んでいる』(監督マイケル・ウィルソン(『アイス・エイジ』の監督マイケル・J・ウィルソンと同一人物か不明??))。『華氏911』の批判映画であるらしい。
・華氏911日本語公式サイト
・「暗いニュースリンク」さん レオナルド・ディカプリオ、スパイク・リー、「華氏911」を熱く語る
・究極映像研記事 マイケル・ムーア監督 ボーリング・フォー・コロンバイン』Bowling For Columbine

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受信: 2004.06.27 23:47

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