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2004.12.05

■ブラッド・バード監督 『Mr.インクレディブル』
      The  Incredibles

 子供ものかと思って子連れで行ったのだけれど、CGのレベルがとてもいい。&ストーリーも子供にはわからないようなヒーローの悲哀みたいなものを機敏に描いてある。しかもコメディの質もなかなか高い。これを本当に楽しめるのは、大人だ!(そしてCGファンだ!)と思った。
 CGは『トイ・ストーリー』に比べると、格段の進歩だと思う。このまま進化したらどこまで行ってしまうのやら。

 で、特に今回面白いと思ったのは、キャラクタの描写。リアルな人間を描くということでなく、あくまでもCGキャラをこの映画の世界の中に、どう存在させるかということに注力してある。実物の人間とは違うCG映画の中の存在として、グラフィカルにデザインとして、どう描写するかということに心を砕いてある。そしてその試みがちょっと過去のアメリカのポスターみたいなグラフィックで描いてあることから、大成功していると思った。実写映画があるわけだから、それに近づけることをやっていたら、行き詰ることはみえている(『ファイナル・ファンタジー』)。ピクサーが今回初めて人間を主人公にして描くにあたってとった手法は、映画のストーリーとの相性もよく、心地いい、CG映画のみが達成できるイメージを構築できていた。

 おまけに今回のネタはSF。街に現れる巨大ロボットとの対決だの、超能力合戦だの、CGでイメージをのびのびと展開していて、ひとコマどりを多用したアクションも際立っていて、クールな特撮タッチがいい。
 ウェブの予告編をコマ送りして観てみると、CGではあるが日本の金田伊功もかくやというような1コマごとに大胆に動きが飛んで設計してあった。
 CGだったら中割りは機械的に相当できるはずだけれど、これは(日本アニメを研究し尽くしているのか)、強烈なアクションのところは、アニメータにより丁寧に原画的に動きを設定してあって、快感のあるアニメアクションが楽しめる。
 とても日本じゃかなわないPIXERのRENDERMANによるCG画質(海も素晴らしい!)と、日本お家芸の"ひとコマ撮り"のアニメートが合体したそんなドリームチームのような映像だ。
 インクレディブルなのはこの映画のファミリーだけでなく、この映画の映像そのもの。日本はアニメ大国なんて浮かれている場合じゃない。

 そしてエンドクレジット。ここも決して席を立たずに観てください。このクレジットタイトルのグラフィックは、『サイコ』のソール・バスとかを思い起こさせるタッチだけれど、でも凄く斬新。以前紹介したチェコのポスターに少し似ていて、ドキドキするようなイメージを作っていると思った。あーー、なんでこんな絶賛になるんだ!!というくらい気に入りました。

◆関連リンク
Making The Incredibles, Brad Bird Animation Masterclass and Press Conference
Stuffo "Making the Incredibles"
The Incredibles movie review
Pixar - The Incredibles 予告編はここ。
Mr.インクレディブル公式サイト
The Incredibles -- The Official Movie Website

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コメント

 となえさん、こんばんは。よかったでしょ!あのCG!!
 「ファンタスティック・フォー」!懐かしいです。僕はアニメの『宇宙忍者ゴームズ』しか観てないですが、これの原作コミックでしたよね?
 (以前海外旅行のお土産にビデオをもらった)『アイアンジャイアント』の監督が、Pixerのテクノロジーをフルに使って、痛快なアニメを見せてくれて、これからもこの人、楽しみです。

投稿: BP@今日はサンタとしての責務があり夜更かし | 2004.12.25 01:35

今日やっと観て来ました。オマージュに溢れた傑作でした。結局吹き替え版にしたんですがあの科白の多さ早さは字幕ではかなりきついだろうなあと…。
映画秘宝の町山柳下対談でも触れてましたけど、CGという
よりはパペットアニメに近い、触感〜手触りを相当に意識
したキャラ造形だなーと。
ニモは未見ですが、何時ものNG楽屋オチのエンディングじゃないんですね。この辺りも作品に対する姿勢が過去のと全然違うなあと思いました。
アメコミの知識があればあるだけ、泣ける映画。知らなくても十分楽しめますけどね。
元ネタのひとつ、ファンタスティック・フォー(つーかまんま…)も映画化されるそうですが…まあ足下にも及ばない凡作駄作の覚悟はしておきます。

投稿: となえ | 2004.12.24 02:53

 となえさん、こんにちは。
 僕が観たのは吹き替えですが、実はあまり違和感なく楽しみました。あとであれ?主役の声は三浦友和と黒木瞳か、、、というくらい知らずに観たのですが、、、、。原語版、観てないので、なんとも比較できないですが、たぶん、吹き替えのほうがよりファミリー(が主役の)映画という感じは強調されているでしょうね。
 声はいいのですが、腹が立ったのはエンドクレジット。本文で書いたようにデザイン的でよかったのが、途中から日本語版の出演者名がどーんと出てきて興ざめ。原語版の声の出演者のクレジット部分に差し替えたのでしょうがいただけませんでした。
 今、ドイツです。今回はドイツの建築とか道具の近未来的デザインに目がいってます。なかなかいいです。写真は後日予定。(ホテルのネット環境はなかなか快適!)

投稿: BP@欧州 | 2004.12.10 00:39

ご覧になったのは字幕スーパー版でしょうか?
LotR以来、吹き替え版があればそちらをチョイスする事もまま
ある自分ですが、流石に今回のキャスティングは抵抗があります
ねえ。‥まあ若手アイドルよりは全然演技大丈夫なんでしょうけ
ど。
一応明日行く予定ですが…さて?

投稿: となえ | 2004.12.08 02:11

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