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2004年5月23日 - 2004年5月29日

2004.05.29

■スティーブン・ソーダバーグ監督 『ソラリス』
                SOLARIS(2003)

SOLARIS --- ソラリス ---公式ページ

 タルコフスキーの映画では、ハリウッド映画にはない形而上学的SFの香りがあった。しかしこのハリウッド版は、そうした部分はわずかなセリフに残っているだけで、ほぼラブストーリーに取って代わっていた。うーん、頭が痛い。
 ソラリスの映像とか、スタイリッシュな映像ではあるが、なんでこうなっちゃうのかね。
 DVDのインタビュー映像で、製作のジェームス・キャメロンが「タルコフスキーのリメイクではなく、スタニスワフ・レムの本の映画化だ」と言ってるが、本当にレムの原作を読んでいるのかなーー。あと「こんな映画は今後10年間はアメリカでは作られない」とハリウッドタイプの映画でないいい作品ができたと言っているが、、、、ハリウッド頭ではここが限界ということでしょうか。ジェームス・キャメロンが撮っていたらどんな映画になっていたか、怖いもの観たさで想像してしまいそう。

タルコフスキー版と観比べた感想
タルコフスキー『惑星ソラリス』(Amazon)
スタニスワフ・レムの本(Amazon)
・国書刊行会 スタニスワフ・レム・コレクション (全6巻)
 ソラリス 沼野充義訳 (今夏刊行)
 フィアスコ(大失敗) 久山宏一訳
 天の声・枯草熱 深見弾・吉上昭三・沼野充義訳
 変身病棟・挑発 関口時正・長谷見一雄訳
 短篇ベスト10
 高い城・文学評論 芝田文乃他訳

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2004.05.28

■マイケル・ムーア監督 『ボーリング・フォー・コロンバイン』
             Bowling For Columbine(2002)

 遅ればせながら『ボーリング・フォー・コロンバイン』を観た。
 もっとギャグを咬ませたブラックユーモアに溢れた作品かと思っていたが、なんと凄くまじめな映画でないですか。とにかく自分の町とアメリカを少しでも良くしたいというマイケル・ムーアの心意気に溢れた映画。パロディやギャグだけの好きな人は、この映画はきっとまじめすぎてつまんないでしょう。僕は悪ふざけなくここまでストレートな作風に好感を持った。今度の『華氏911』も大期待。
 DVDの特典映像で監督のインタビューが入っていて、自らのこの映画での疑問の根源にある子供の頃の記憶を語っている。それはキング牧師暗殺のニュースに歓声をあげる教会の大人達に驚いた経験で、ここを起点にしていろんな自分の疑問を映画を通して解いてみようとした、と言っている。実に生真面目で良い監督ではないか。

 この映画でマイケル・ムーアが追及したのは、アメリカで何故、銃による殺人が年間1万人以上か、という謎。最初は全米銃協会の会長チャールトン・へストンの非道なキャンペーンを問いただし、銃所持の規制がないことが理由と考えていたようだが、カナダも同様に銃規制がなく全世帯の7割が所持するのに、殺人は2ケタ数が少ないことで、原因の推定が誤っていたことに気づく。で、追求した果てでつかんだ真実は、どうやらマスコミによる恐怖を人々に継続的に与え続ける文化にその根源の原因があるのじゃないか、というもの。実は殺人は2割程減っていたのに事件報道の時間は6倍になっている、という事実が劇中の学者の言葉として描かれる。

 簡単に言うと、銃を持っていて、そして周りから常に攻撃を受けるのではないかという恐怖心を持っていることによって、簡単に銃を人に向けて撃ってしまうという状況があるのではないかということのようである。
 では何故アメリカは、そうした「恐怖の文化」を持ってしまったのか?ここについては劇中にはさまれるコミカルなアニメによるアメリカの歴史のシーンで興味深い推定が描かれている。アメリカへ移住した人々が労働したくなくて奴隷をアフリカから連れてきた→奴隷が増えるのにしたがって自分達が逆に襲われるのではないかという恐怖から銃を持つ→その警戒心から自分達の周りに恐怖がある、という文化を構成。あと銃・軍事等企業のマスコミへの影響力、というのもボンヤリとではあるが、この映画は描き出している。僕はもうひとつ大きいのは、人がTVに求める事件の刺激にも原因があると思う。刺激的映像を興奮して観てしまう人間の本性みたいなもの、それと視聴率競争とかが相乗してTVはどんどんエスカレートし、そして人はますます回りに恐怖を覚える。テロ国家を想定し、攻撃を続けるアメリカの根源にはこうしたメカニズムで増殖した恐怖がどす黒く横たわっているのかもしれない。
 日本は銃社会でないからまだ良いけど、TVの報道はあきらかにその傾向がある。日本でも実は凶悪犯罪は減っているのに(以前どこかのホームページで数字を見た)、TV報道だけ見てると過激な事件が増えている印象を持つ。同様のメカニズムで「恐怖の文化」が蔓延しつつあるいやーな印象である。

 ここでネットで調べた数字から、アメリカの世界の中での殺人の数における位置づけについて。犯罪の国際比較のページの数字からグラフを作ってみた。
bowling_for_columbine01.jpg
bowling_for_columbine02.jpg
 政情不安な国々を別にして、いわゆる先進国と言われる国の中でのアメリカの突出した殺人の多さがみてとれる。殺人事件の数からいけば、全く文明的とは言えない発展途上国である。この事実をアメリカ人は認識すべきでしょう。そして自らの中にあるいわれなき「恐怖の文化」の認識。これが世界での紛争をいくらか止める力になると思う。
 ムーア監督には本当にこうしたアメリカの傾向に警鐘を鳴らし続けてもらうようエールを送り続けたい。映画が世の中を変えることが出来ると信じて、一歩一歩推進していこうとするこの監督のパワーは率直に凄いと思う。徒手空拳にみえる戦いも、案外、実は一つづつ社会を変えていけるのではないか、ということをこの映画で言っているのでしょう。頑張れ。

MichaelMooreJapan.com マイケル・ムーア 日本版公式ウェブサイト
マイケル・ムーアのDVD(Amazon)
マイケル・ムーアの本(Amazon)


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■M・ナイト・シャマラン監督『ヴィレッジ』The Village

 シャマラン監督の新作がアメリカで7/30公開。日本も夏公開らしい。
The_Village.jpg
 予告編2本。The Village - 1本目 2本目

 オフィシャルページはここ→ The Village -- The Official Movie Website


 「19世紀が舞台で不思議な生物が棲息する森に囲まれた小さな村で繰り広げられるナチュラル・スリラー」(eiga.com)とのことだけど、今度はどう驚かしてくれるのだろう。前作『サイン』がネタのわりに普通の展開だったので、今回はいつもの驚きのラストをみせてほしいものである。
 

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■黒澤明の料理

永田町黒澤-世界のクロサワを、料理の黒澤で

世界中で愛される黒澤明監督の名を冠し、その映画の感動を食で再現する、そんな台本のもと、食の黒澤はオープンしました。
こだわりぬいた料理、心地よいサービス、そして黒澤映画に迷い込んだような臨場感を、リーズナブルにお楽しみ頂けます。
監督がゲストを招いて開いたホームパーティーのように気取らないスタイルで、黒澤家ゆかりのメニューを堪能して下さい。

 数々の黒澤明のドキュメント本で読んだエピソードで印象的だったのは、黒澤監督の健啖家ぶりである。
 映画撮影中の現場でスタッフたちとよく食べて飲んだことが黒澤映画の原動力の一つだったとのこと。
 で、世の中にはこんな店があるのですね。たぶん有名なのだろうけど、僕は知らなかったので、ここで記録。
 黒澤プロと提携しているようです。で、メニューを引用。

季節の黒澤逸品料理「明」3品 2,100円(消費税込み) ・チーズ豆腐 雲丹・イクラ  クリームチーズを豆腐に仕立てました。  チーズと雲丹の香りをお楽しみください。630円 ・鮎魚女焼霜  三陸産の鮎魚女の皮目を  軽く焼霜にして脂をとばしました。  香ばしい鮎魚女を山葵醤油でお召し上がり下さい。1260円 ・子鮎の天婦羅  和歌山産の子鮎を天婦羅にしました。  一足先に初夏の香りを山椒塩でどうぞ。840円

 メニューの「明」というのが凄い。黒澤監督はこうした料理で現場でイメージをはぐくんでいたのでしょう。黒澤ファンとしては、いつか行ってみたいものです。

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2004.05.27

■羽ばたく飛行機の開発

 鳥を手本に「羽ばたき」や「翼の変形」を目指す、新型航空機開発 (Wired News)
inosence_datenshi.jpg
 択捉を飛ぶイノセンスの堕天使のような飛行機に痺れた人は多いと思う。現実に進んでいる鳥型飛行機(オーニソプター)の開発の記事が出ていたので紹介。

明るい青空に遠く浮かぶ小さな点々が羽ばたいたり、一瞬のうちに形が変わったりして見える? それは、もしかすると新世代の航空機かもしれない。  米政府機関や大学の研究者たちは、鳥が飛ぶ方法を模倣した航空機の開発を進めている。つまり、羽ばたいたり、飛行中に翼の形や角度を変えたりするのだ。

 ワクワクしますね。いつもうちの上空を自衛隊の飛行機が飛んでいくのだけれど、ちゃっちゃとこういうのを開発してうるさいキーンという金属音のしない優雅に羽ばたく飛行機に世代交代してもらいたいものです。(目的があわないって、、、、。)

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2004.05.24

■米国週末映画トップ10でSuper Size Meが!!

 米バラエティ.comより先週末の映画興行収入。

 Weekend 2004.5/21-5/23   単位:×百万ドル
 1.Shrek 2          $104.3
 2.Troy             $23.8
 3.Van Helsing         $10.1
 4.Mean Girls          $6.9
 5.Man on Fire         $3.5
 6.Breakin' All the Rules   $2.8
 7.13 Going On 30       $2.5
 8.New York Minute      $1.2
 9.Kill Bill Vol. 2        $1.1
10.Super Size Me       $1.0

 何故ひさしぶりに興行収入を載せたかというと、『シュレック2』の驚異的数字(なんと週末3日間で1億ドル。これは『スパイダーマン』の1.2億ドルに続く史上2位)ではなくて、以前紹介したあのおバカ映画Super Size Meが10位に入っていたから、そして週末だけでなんと約1億円を稼ぎ出していた!!
 たぶんこれは超低予算映画なので、監督・製作者は大喜びでしょう。
 で、日本人の我々は、このヒットで日本公開もあり得ることを喜びましょう。配給会社さん、よろしく!!
 最後に監督indieWIRE BLOGS >Morgan Spurlock本人のBLOGより喜びの顔と声!トータル3億円の興収!
We're showing on the least amount of screens of any movies in the top ten - only 148!!! Pretty damn impressive. We'll break the 3m dollar mark tomorrow.

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2004.05.23

■アヌシー国際アニメーションフェスティバル
    ANNECY International Animated Film Festival

 アヌシーの公式ページ(ANNECY International Animated Film Festival)

 カンヌも終わって、次はアヌシー(2004.6/7-6/12)ということでリンクしてみました。
 作品リスト 各スチールで作品の雰囲気がわかります。
 そのうちのインターネットショートフィルムは映像が観えます。
 昨年はヤマムラコウジ「頭山」が短編部門グランプリ受賞

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■矢作俊彦原作・落合尚之作画『鉄人』1-4 (小学館)

 『鉄人』サンデーGXコミックス(Amazon)

 矢作作品で『ららら科學の子』がアトムならやはりその対で『鉄人』は外せない、ということで4冊シリーズを読みました。矢作俊彦でSF、しかもロボットモノ、期待は高かったのですが、、、。
 中国長春を舞台にした日本軍の兵器を巡る物語。中国舞台ということで、古くは『気分はもう戦争』を思い出すが、こちらは完全に少年漫画として描かれている。
 現代の自衛隊が中国へ赴いている設定、ゴリラ走りする無骨なロボット、電磁波攻撃の兵器(まるで東宝特撮デザイン)等々、ワクワクする設定ではあるが、話がなんだかテンポ悪く乗り切れない。一番は鉄人自体の扱いが中途半端で戦闘シーンはほとんどないし、無骨さを活かしたストーリーにもならないし、、残念。大きな物語を狙っていたのかもしれないけど、構成が今ひとつ(最初の予定より連載を圧縮された??)。
 ちょっと前にジョージ秋山の『ザ・ムーン』を読んだのだけど、随分違うけどロボットを物語が使いきれていないところで、どっか似ている。どちらの話も巨大ロボットが町に隠れているのだけど、土台あのでかさでこっそりは出来ないはずなのに何故か誰もどこにあるか気づかないのが辛い(^^;)。やはり少年漫画の巨大ロボットは秘密基地をちゃんと背後に持って、悪と戦わねば。そしてスカッとした主人公の活躍、どちらもそこんところでうまくいってない。
 登場人物の描写とか政治力学とか矢作俊彦タッチもあったけれど、オチもそれなりにあったけど、なんだか今ひとつの感をぬぐえない作品でした。もっともっと面白くなりそうな題材なのに残念。
◆関連リンク
矢作俊彦 『ららら科學の子』 (2003 文藝春秋)
三島賞受賞!!『ららら科學の子』矢作俊彦

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■カンヌ映画祭 授賞式生中継

 MOVIE PLUSチャンネルをCATVで観ながら書き込み中。
 1:25~3:55の放送。随時状況をここにアップしようと思います。バカだねー。いやお祭り好きなもんで。

◆1:43 日本のスタジオで別所哲也とキャロル久末が各候補作の映像紹介中。
 『華氏911』の国際批評家賞受賞の紹介とブッシュが「ナイスショット!」と言ってるシーンがやってます。
◆1:57 現地では『2046』が評判良いとのこと。
◆2:00 現地生放送開始。あと30分で受賞作が発表と言ってます(?たぶん授賞式が始まる)。同時通訳が「タランチーノ」というのがなんか違和感。あ、タランティーノ登場。
◆2:06 審査員のキャスリン・ターナー、太ったねーー。
◆2:10 マイケル・ムーア。周りから「マイケル!!」の歓声多数。ムーア硬い。
◆2:19 次々と候補作の監督と俳優が車で乗り付け赤絨毯へ。で、会場へ入る前に記者が撮影。
◆2:29 2:00に締め切られたMOVIE PLUSの予測投票は、2046,イノセンス,華氏911の順とのこと。
◆2:35 授賞式、始まりました。赤絨毯に押井は現れず。
◆2:40 短編部門発表 パルムドール「TRAFIC」、審査委員賞「FLAT LIFE」
 「ブッシュに投票しないように」と米国民に訴えてます。
◆2:48 カメラドール(新人賞)「オール」(仏+イスラエル)と特別賞「パッセージ」(中国?)とあと一本(?)
◆コンペ部門◆
◆2:55 審査員賞 コーエン兄弟『レディーキラーズ』
 Apichatpong Weerasethakul『Tropical Malady』(タイからは初参加で受賞)
◆2:58 脚本賞 アニエス・ジャウィ、ジャンピエール・バクリ『LOOK AT ME』
◆3:01 監督賞 トニー・ガトリフ『EXILS』
◆3:05 主演男優賞 柳楽優弥14歳の少年俳優(凄い!) 『誰も知らない』
 受け取るのは是枝監督。
 中間テストでフランスへいけなかったとか。今までの最年少は27歳とのこと。
◆3:08 主演女優賞 マギー・チャン『CLEAN』(仏)
 ドラッグ中毒から立ち直る役らしい。
◆3:12 いよいよグランプリ、ドキドキします!! 韓国の『OLD BOY』パク・チャヌク
 日本の漫画の映画化とか。すみません、知りません。今、調べたら「ルーズ戦記 オールドボーイ」とのこと。
 原作/土屋ガロン、作画/嶺岸信明、双葉社ACTION COMICS
◆3:15 そして、パルムドール!
CANNE14.jpg
 マイケル・ムーア!!
CANNE15.jpg
「ミラマックスに感謝」
「この受賞によって米国民が観ようと思うようになるのが嬉しい」
「自分の子供たちとイラクの人たち、命を落とした人たちに奉げたい」とコメント。
タラちゃん、政治的選択??か、いや作品が凄いのだろう?! 楽しみに待ちましょう!
『イノセンス』は敗れましたが、『華氏911』に期待しましょう。では、ねむいのでお休みなさい。

おまけに主演男優賞の柳楽優弥。クリックしてください。
CANNE_daremoshiranai.jpg

・毎日新聞の授賞式報道

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■ティム・バートン監督 『ビッグ・フィッシュ』 Big Fish (2004)

 この映画のウェブページにある黄色い花の中に立つユアン・マクレガーのイメージどおり、夢にあふれた心温まる映画だった。自分の中では、ティム・バートンの作品の中で1、2をあらそう映画になった。いや、本当にいい話です。ティム・バートンのブラックでひねくれたところが好きな向きには、いい話すぎるかも。『シザー・ハンズ』のウォーミングな部分を切り取って、幻のようなエピソードを積み重ねた映画と言うとわかってもらえるかもしれない。ブラックなティム・バートンのファンにはケッってな照れるシーンもあるので、ご用心。
 いや、何度も言いますが、僕は気に入ったんですけどね。ティム・バートン作品で『バットマン2』の悪乗りの嫌いな人はまず大丈夫。是非、お勧め !

 原作のダニエル・ウォレスの小説は読んでいないけれど、映画のタッチは、『ガープの世界』とかの現代アメリカ文学の世界がうまく切りとられている。原作も読んでみたくなります、この映画観ると。

☆☆☆☆ネタばれ注意☆☆☆☆
 この映画は衒いなく、人生に幻という香辛料をふりかけることの素敵さを描いた映画である。
 アルバート・フィニー演じる父親が家族や友人に語る幻想のような経験。これが凄くいい。ちょっと奇想な彼の人生のエピソードが幻のようなティム・バートンお得意の色彩で、描かれている。この父親と息子のうまく交流できないもどかしい縦軸の物語は少々拙い描写だけど、ラストでここが活きてきている。
 この映画を観ながら、(また『イノセンス』ネタかと言われそうだけど)ロイターが伝えた押井監督のカンヌでの公式上映後の下記コメントを思い出した。

 監督はまた、人間が見ているものが現実とは限らないと指摘し、これを認めることが人間の真実を理解する糸口になるだろうとコメントした。

これは押井守のいろんな作品で顔を出す現実認識だけど、『ビッグ・フィッシュ』の父親は、人生の賢い市井の人として、直感的にこの認識で自分の体験を幻の味付けをして語っているのだと思う。言葉に出すと実もふたもなくなる押井発言のように語らずに。
 映画を観終え、自分もこの親父のように、ずっと少しだけのホラを吹き続けて人生を終えていけたらいいな、と思った。ラファティとかはこういう親父だったのかなーー。
 幻のラストと現実のラスト、どちらも彼を慕って集まった人々の顔がいい。特に川の中から岸辺の木々の下の巨人や上半身双子の東洋の女を映し出す画面。幸福な最高の人生の終わりのひとつが画面に結晶化していた。
◆関連リンク
・究極映像研 小説『ビッグ・フィッシュ』記事
・『ビッグ・フィッシュ英語公式サイト
日本語公式サイト
・うちのBLOGの過去記事 ティム・バートン『ビッグ・フィッシュ』 ビッグ・フィッシュ(シナリオ本) Big Fish: The Shooting Script
・原作 ダニエル ウォレス 『ビッグフィッシュ―父と息子のものがたり』(Amazon)
ビッグ・フィッシュフィルムブックKawade cinema books(Amazon)

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