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2004年9月19日 - 2004年9月25日

2004.09.25

■『SRI怪奇事件特捜チーム わらう火だるま男』BSフジ

 さきほど(04.9/25 22:00-22:55)BSフジで『SRI怪奇事件特捜チーム 笑う火だるま男』というハイビジョンドラマを観た。
 これが円谷プロの三十数年前のTVシリーズ『怪奇大作戦』の新作。今、ウェブで調べてみたけれどこの作品の情報がまったくグーグルでヒットしない。おまけに円谷プロのページにもBSフジのページにも情報がない。BSフジの今日の番組表のページにもこのドラマの事が書かれていないという不思議。、、、、今日のうちの新聞の番組表にはちゃんと書かれているのですが、、、。なんなのだろ?

 で、この『笑う火だるま男』というまるでお笑い番組のようなタイトルのドラマの内容は、「よみがえった岸田森が間寛平と組んで、なんばグランド花月に現れた島木譲二演じる火だるま男と現代ナノテクノロジーの粋を集めて戦う」というトンでもないもの。(と嘘を書いても、ウェブに情報がないので、しばらくは本当の話がどんなだか観た人以外誰も気づかないでしょう、、、、(^^;) と我々はかようにインターネットに依存しているわけです。)
 本当はタイトルとは違って実にまじめに『怪奇大作戦』現代版を作っていました。出演は緒川たまきと寺田農と宮川一朗太(と主演男優 誰だっけ?)。実は冒頭の10分を見逃して内容が今ひとつ判ってないのだけれど、笑う火だるまの髑髏男による怪奇な火炎事件がおき、それをSRIが追うというもの。ストーリーの詰めが甘くて、いまひとつ緊迫感を出せていないのが残念だったけれど、『怪奇大作戦』の雰囲気をそれなりに現代的に再現していました。
 脚本は上原正三。監督は一部、実相寺的映像もありましたが別の監督で服部光則。ナレーターは田口トモロヲで何故かプロジェクトXのしゃべり方。SRIのトータス号の替わりは、アルファロメオGTV。特撮はCGを使ってますが、火炎のアナログ映像との合成等でそれほどCG臭くなくまあまあ。髑髏男の火だるま映像はなかなか好きでした。

 ドラマが終わった後に、おまけに実相寺昭雄と上原正三と円谷粲の対談が放映。『怪奇大作戦』の思い出話と放映された『笑う火だるま男』の感想会をやってました。

 単発なのか、連続なのかも不明でした。この番組について特捜が必要。あれ、2chにもスレッドがない、、、。

◆関連リンク
・『怪奇大作戦』のファンサイト 怪奇大作戦のページ ここの掲示板にこのドラマについての情報がありました。

 今日、BSフジの『TV☆LAB』という番組の中で、新作ドラマ『怪奇大作戦』が放送されました。
 BSフジの『TV☆LAB』とは、新番組を放送して《視聴者からの意見をBBSに書き込んでもらい、番組作りに反映する為の番組》らしいので、今回の放送は視聴者の反応を見るテスト放送みたいですね。

 9月28日に同局で再放送があるらしいので 気になる方はチェックしてみてください。

・BSフジ『TV☆LAB』の掲示板。番組内のスポットでこのURLをさんざん紹介していたのに、このドラマへの書き込みは現在1本だけ! もっと書き込まないと、シリーズ化は無理です。ファンは、観たい!!と書き込みましょう。

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■新刊予定 古川日出男『gift』

 集英社の新刊予告より。
 『gift』 古川日出男 2004年10月26日刊行予定。 1,365円(税込) 。
 今年は続けて2冊、古川本が読める!!下記編集プロダクションの記事によれば、タイトルどおりに「贈与」に関する小説だとか。かんべむさし『笑撃・ポトラッチ大戦』と読み比べてみたいものです。
 Clover books : Cafeさんの記事。

 古川日出男さんに新刊『gift』についてインタヴュー@SPUR。古川さん、現代の天才的な語り部。最近は個人的な読書では「贈与論」について書かれた本が面白くってしかたがないのですが、まさに古川さんの小説には、交換のシステムばかりが浸透して大切な贈与ということがおろそかになり、すっかり荒んでしまった社会における贈与や純粋贈与の瞬間が描かれているし、今回はタイトルがまさにgiftだし、きっとそういう意図でお書きになっているにちがいない、と思ってお聞きしたら、ぜんぜん意識してなかったとのこと。でも、ご本人が無意識だからいいんでしょうね。その後も、文化人類学的に見て非常に面白いお話をいろいろしてくれ、非常に興味深かった。

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■新刊メモ 加藤幹郎『「ブレードランナー」論序説』

Bladerunner_ron_jyosetsu.jpg
 『ブレードランナー』論序説リュミエール叢書 34(Amazon)。
 下記リンクにある著者の言葉。

 本書はいまのところ世界でもっとも網羅的な『ブレードランナー』論である。しかし単なる作品論ではない。本書は作品論であると同時に映画技法論であり、映画史論であると同時に映画理論である。本書がそうした複数のスタンスをとるのは、いかなる作品も、それが帰属すべきミディアムとジャンルの創造と展開の方法と歴史なしには存在しえないからである。

◆関連リンク
『「ブレードランナー」論序説 映画学特別講義』を書き終えること   加藤幹郎
・加藤幹郎著『「ブレードランナー」論序説 映画学特別講義』(筑摩書房2004)を読むための用語解説(入門篇1)  今井隆介

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■押井守の体感型映像空間
    愛・地球博 『めざめの方舟』

 愛知万博まであと半年。子供の頃にみた大阪万博に比べて、自分の中のワクワク感が今ひとつ(子供じゃないんだから、当たり前(^^;))なので、盛り上げるために何回か記事にしたいと思います。なにしろ今回は家から1時間くらいのところで開催されるので堪能しなくっちゃ、というわけ。
 で、まずは押井守監督が総合演出するパビリオンのリンク特集。中日新聞がプロデュースしているので、中日のウェブにいろいろと記事がアップされていますので、それを中心に紹介。(写真の無断引用ですが、これも万博を盛り上げるため、笑って許してね中日新聞さん(^^;))
hakobune_akafuji.jpg hakobune_kannai_zenkei.jpg hakobune_hannran.jpg hakobune_shisatsu.jpg hakobune_kinoko.jpg
 犬と鳥と魚の顔を持つ身長2mの150体のキャラクターに囲まれた空間で、観客は上空の半球状の卵型スクリーンと、高精細の50インチプラズマディスプレー100枚に映る押井映像を見上げる。まさに押井の趣味空間が体感できるパビリオンということで、期待(半分/不安半分(^^;))。金を与えて、こんな好き勝手にやらせたら『天使の卵』みたくなっちゃうけど、いいのか??中日新聞(^^;)!!。
 でも特に僕は卵型スクリーンの映像には期待します。
共同館テーマゾーンを説明。
 押井さん「天地逆転の世界に」
世界初、映像流れる半卵
 テレビのように映像が映る半卵形のスクリーン製造は世界で初めて。
 総合演出押井守は「半卵形は“小宇宙”を抽象的に表している。パビリオン全体で人類や生命の根源を連想させる幻想的な空間を創造したい」
ニョキニョキ鉄のキノコ
 天井が地面となる「逆転空間」をつくり出すため、天井を大地に見立ててキノコを生やす。
浮かぶ「赤富士」
 中日新聞プロデュース共同館「夢みる山」で29日、館の象徴となる大屋根の照明テストがあり、葛飾北斎の「赤富士」さながらの姿が夕闇に浮かび上がった。
「夢みる山」視察
 キノコや木の葉をあしらった鉄製の美術造形物と直径約5メートルの卵形スクリーンの取り付けが、ほぼ完了した。
館内ののCGイメージ
パビリオンの建設状況
・愛知万博の公式ページの「夢見る山」紹介
◆関連リンク
・作家・荒俣宏さん、愛知万博への期待を語る。「お化けの森つくって」

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■楳図かずお『わたしは真悟』 演劇化

watashiwashingo.jpg
 umezz.com 楳図かずおオフィシャルホームページより。
 あのSFマンガ『わたしは真悟』の芝居が上演されるようです。アロッタファジャイナという劇団。

原作 楳図かずお(小学館刊)
監修 那須博之(東映「デビルマン」2004)
脚本・演出 松枝佳紀
キャスト
上野未来、谷口大介、根岸絵美、高橋正倫、藤澤よしはる、
ナカヤマミチコ、m.m.マダム、新津勇樹、奥村拓武井邦洋、
池亀みひろ、安藤ケースケ他
2004.10/26-10/31@高田馬場アートボックスホール
10/1~前売り開始

 あの世界がどう演劇化されるのか、なんかワクワクしますが、、、。
 関東圏の方、是非レポートをよろしく!!
 しかし、ポスターは随分あのマンガとイメージが合いません。ここの劇団の芝居はいつもこんなイメージのポスターのようなので今回もこうなったのでしょうか?

◆関連リンク
『わたしは真悟』小学館文庫(Amazon)

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2004.09.19

■矢口史靖監督 『スウィングガールズ』 SWING GIRLS

 究極映像研的には、『華氏911』とか『アイロボット』を観に行くのが先のはずですが、何故か『SWING GIRLS』。
 矢口史靖監督のはいつも手堅く笑えて楽しめる映画で、&どっかすっとぼけたセンスがいいのですが、今回も矢口節は健在。
 特にイノシシのシーンで爆発的にわらかしてもらいました。最近会社で仕事が煮詰まってる私、ひさびさに腹の底から大笑い。サッチモの"What a Wonderful World"と『マトリックス』のショットガンカメラ映像の日本的(チープな)融合が、このような傑作シーンを創造するとは!! 矢口監督に脱帽!!
・公式サイト SWING GIRLS

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■テリー・ギリアム監督 『ブラザー・グリム』
  Brothers Grimm, by Terry Gilliam

Brothers_Griim.jpg
 ひさしぶりにググッたら、スチルが少し出てきました。早く観たいっすね。
◆関連リンク
Dreams: Brothers Grimm, by Terry Gilliam
・幸さんの「読む映画試写会」 
ブラザーズ・グリム(THE BROTHERS GRIMM)@映画の森てんこ森

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■オラフ・ステープルドン『最後にして最初の人類』
    浜口稔訳 (国書刊行会刊)

last_and_first_men.jpg
 中学の時に、繰り返し図書館で借りた『SF教室』筒井康隆編(昭46ポプラ社)でその紹介文を読んで以来、ずーーーーーと読みたかったステープルドンの『最後にして最初の人類』をあれから約30年たった今、読了。訳者の浜口稔さんに『SF教室』ファンは足を向けて眠れません(^^;)。中学の時に、なんて小説が世の中にはあるんや! と読みたかったわけですが、あの紹介文(by.伊藤典夫氏?)のワンダーに近いものをしっかり感じて、読み終わった。
まずは総論
 本書は1930年(昭和5年!)に書かれているので既に74年前の本であるが、噂にたがわぬ傑作SFであった。これが74年前に書かれていたとは驚きである。SFファンと気宇壮大な話の好きな人は、必読です。ひさびさどまんなかのSF。
 20億年の地球人類の歴史の全体像をこのように描き出している想像力に感動。今、このような遠大で哲学的試みをできる作家は他にいないのでは。現在の作家が描く20億年も是非誰かの筆で読んでみたい。この本の翻訳をきっかけにして、日本人で挑む作家がいることを強く望む。
 たぶんステープルドンは、地球と人類の未来を切実に見たいと思ったのではないか。僕も自分が死んだ後の人類の未来をみることができないのが、いつも悔しくってしょうがないのだけれど、本書はその欲望の何分の一かを満たしてくれるものだった。驚異の未来に立ち会えないことの悔しさを感じたことってないですか?

各論のよーなメモ
 で、あとは読みながら思いついたことを、メモ的に、、、。
・空を飛行することを一種の理想として描いているのは、1930年当時に飛行機というテクノロジーの持っていた意味と無縁でないと思う。
・宇宙旅行の概念が出てくるのが随分後。これは現在書くとしたら、もっと前面に出されるでしょう。
・核兵器を開発した中国人。この部分が唯一、普通の小説的に個人の視点で物語られている。ここで少しほっとしました。冒頭から歴史的筆致で書かれていたので、最後まで読めるかと危惧したのだけど、各人類の描写にアイディアとワンダーがあって、驚異の未来を体感しながら、ちゃんと読み進められるのでご安心を。
・どの人類に対しても著者の知的生命への愛情が溢れている。
・A・C・クラークらへの影響。オーバーロードとオーバーマインドや、2001年へも確実に影響している。それらの存在すら、本書の20億年の人類の諸相にとってはちっぽけな一過程にしか思えないところが凄い。
・我々20世紀人はついテクノロジーで文明の進化をはかるのだけれど、ステープルドンはどちらかというと精神的な進化で文明を描こうとしている。テクノロジーとしてはメカでもエレキでもなく、バイオ。しかしDNAを知らない時代にこう描けてしまうのもなかなか凄い。
・過去を見ること。未来から過去への干渉。つい、『ケルベロス第五の首』を読んだあとなので、第18期人類の一人が第1期人類である著者を通して本書を語っているところに叙述的陥穽が潜んでいるのではとか、疑ってしまった。20億年のときをへだてた凄い規模の叙述トリック、、、。タイトルの『最後にして最初の人類』というのはこの第18期人類の一人が第1期人類である著者を通して、というところを表現した邦題なのでしょう。
・訳者解説で興味深かった一節です。スターメイカーも読まねば。

 本作品の未来人類にしても、その退化の様は異様で奇怪。どう見ても弁証法的に肥え太っていくような進歩史観を展開しているように思われません。それなのに、読後感として人類への悲観も神への不信も感じることができないのです。この堅固な哲学的確信の出自はどこにあるのでしょうか。

◆関連リンク
・岡本俊弥氏のレビュウ年表(LOGスケールが嬉しい労作)
・訳者の浜口稔教授 (明治大学理工学部 総合文化教室 英語第3研究室)の大学のHPでの自己紹介文。ステープルドンを教えられているのではなさそうです。

これまで欧米の言語思想をもとに言語生物<ヒト>の存在の不思議をおっかけてきましたが、最近は東アジアと南洋の歴史・地理・自然を背景にした諸文化の湊(みなと)としての琉球の奇妙な個性に惹かれまくっています。おもしろそう? なら、総合文化ゼミナールでお会いしましょう。

・森下一仁氏のレビュウ。最後技術論でまとめてしまっているのが、ちょっと今ひとつか。
オラフ・ステープルドンの作品解説
すみ&にえ「ほんやく本のススメ」さんによる本書の対話レビュウ
最後にして最初の人類(Amazon)

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■村上春樹『アフターダーク』(講談社刊)

 ぼんやりした夜明け前のあさぼらけな雰囲気がこの本の読後感だ。
 
 まず文体。今回、まるで映画のシナリオのような文体をわざと使っている。
 章ごとの導入の文章は、「前と同じ「デニーズ」の店内。」とか、「浅井エリの部屋。」という具合に、シナリオのト書きそのまま。
 そして前半は浅井マリと浅井エリのエピソードが交互に現れるのだけれど、どちらも「私たち」はカメラのポジションが移動するように彼女達を観察することになる。※1

 私たちは店内をひととおり見まわしたあとで、窓際の席に座ったたった一人の女の子に目をとめる。(P9)

 カメラのアングルは今ではひとつに固定されている。カメラは「顔のない男」の姿を正面、いくぶん下方から見据えたまま動かない。(P72)

 いつもの「ぼく」の一人称とは違う映画シナリオ的描写により、感情のトレースは少し弱く、客観的に小説の登場人物を眺めているような感覚になってくる。
 何故、今回、村上春樹はこういう文体で描いたのか? 映画化はほとんどされていない村上作品なのだけれど、映画化を前提にした小説で既にどっかの映画会社と話が進んでいる?? ってのは、多分違うでしょう。
 全体で描いているものとこの文体が村上春樹の中では、不可欠だったのだろう。
 よくはわからないけれど、こういう眺める視点で状況をドキュメンタリー的に切り抜きたかったのかもしれない。
 姉の様子から家にいたたまれず夜中の街をさまよう浅井マリ。ホテル「アルファヴィル」の元女子プロレスラーカオル。中国人の女を殴るシステムエンジニア。、、、、どれもこの現在の街のどこにでもありそうな情景である。
 そして全編の底流に流れる不安感。薄皮一枚でつながっているが、その下に広がる闇。コンビニの携帯電話で象徴したどこにでもある薄皮一枚向こうの暗闇。村上春樹の目には、切り取りたかった現代はこんな風に映っているようだ。
 不安感漂う一冊。

※1.こういう叙述的仕掛けがありそうな書き方をされると、『ケルベロス第五の首』読後の後遺症で何か仕掛けが??と悩んでしまうではないですか? これって、ケルベロス症候群とでも名づけますか?
◆関連リンク
・25pesoさんの「アフターダークの冒険」。ウェブでいろいろな「アフターダーク」を調査されてます。
『アフターダーク』(Amazon)
・ゴダールのDVD 『アルファヴィル』ALPHAVILLE
◆音楽リンク
 小説中で流れている音楽。村上春樹の中ではこれらの曲がこの小説に必要だったわけです。
 AppleのiTuneをダウンロードしてSEARCHして試聴するのもいいですね。
・Curtis Fuller "Five Spot After Dark"
・Duke Ellington "Sophisticated Lady"
・Hall and Oates "I can't go for that"
・Sonny Rollins "Sonny Moon For Two"
・Solvatore Adamo "Tombe La Neige"
・スガシカオ「バクダンジュース」

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