« 2004年11月21日 - 2004年11月27日 | トップページ | 2004年12月5日 - 2004年12月11日 »

2004年11月28日 - 2004年12月4日

2004.12.04

■フランティシェク・スカーラ展

frantisek_skala.jpg
 プラハ在住の旅するランナーさんの展覧会の紹介に、フランティシェク・スカーラ展(Frantisek Skala)というのがあります。

特に面白かったのは、海藻から作った顔の数々でした。
アメリカ西海岸で採集した海藻から作ったようです。
写真では、気持ち悪いだけですけど、実物は、「コワ面白さ」一杯です。
ヤン・シュヴァンクマイエルに通じる雰囲気を醸し出していました。
「チェコは、変テコな芸術家が多いなぁ」と改めて感じました。

 ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの『すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた』に入っている「デッド・リーフの彼方」、この作品に近いイメージかもしれない。
  
・展示会の公式ページ Galerie Rudolfinum: Exhibition Skala v Rudolfinu 妖しい作者の姿に驚かないように。
・"The Eyes"という5分の短編フィルムをトゥルンカスタジオでつくったようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

■TOYOTAグループ 、「愛・地球博」ロボットショーを公開

◆搭乗歩行型ロボット「i-foot(アイフット)」
 トヨタグループの粋を集めたi-footが、『未来少年コナン』のロボノイドに完敗!! (^^;) ※となえさんの指摘にもとづき、逆関節のスカウト・ウォーカーも並べてみました。
robonoidtoyota_ifoot.jpg
 というわけで、下記リンクでi-footの動画も見えますが、ダイスの運転技術が凄いのかもしれませんが、僕は動きを見て、走って飛び上がれるロボノイドの勝利を確信しました。
toyota_ifoot_walk.jpg
 腕がないことでダイナミズムが削がれているのが残念です。
TOYOTA.CO.JP~ニュースリリース~
・PC WATCH トヨタ、「愛・地球博」ロボットショーを公開 動画があります。
・CNET JAPAN フォトレポート:トヨタが描く、新しい自動車のカタチ ここもムービー有。
 この手の情報はPC関係WEBが強い。車関係のAutoBizやASCIIのresponseには記事なし。
・中日新聞 楽しく移動 未来社会 トヨタ、万博内容発表
TOYOTA.CO.JP~トヨタ・パートナーロボット~(2004.3月発表) この時の搭乗型は逆関節ではない。いったいどれだけ開発しているんだろう?
宮崎メカ模型クラブロボノイド・・・1/100
・SW(スターウォーズ)メカニック・ガイド / 帝国軍

◆未来コンセプトビークル「i-unit(アイユニット)」 
toyota_iunit_concept_vs_tachikoma.jpg
 i-unitはモーターショーのPMの延長ですがスマート。あの葉っぱイメージをちゃんと実現してます。
 でもこれもタチコマの方が絶対カッコいい。しかも乗っている人の銀色コスチュームがダメダメ。東宝の金星人じゃないんだから、、、。
toyota_iunit_all.jpg 昨年のPMと、以前に発表されたトヨタパートナーロボット(2004.3月発表)に搭乗型があった→今回本命はきっとPM+搭乗型歩行ロボット=タチコマと勝手にイメージ膨らませてたので、がっかり。車輪走行は通常の車くらいで、その後すぐ変形して脚で階段をスコスコ登っていく、これが究極の移動機構に思えるけどなーーー。今回の発表でも「いずれ車椅子の変わりに実用化」とあるけれど、人が乗れるタチコマのような移動機構ができれば身障者の人も喜ぶと思うのだけれど。
toyota_pmrobonoid.jpg
 ね、あと一歩でしょ。トヨタのロボット開発チームの人たち、『攻殻機動隊』は観てないのかな? 

◆追記
・コメントいただいたbaby touchさんのRobot.Mとの優雅な平日の記事【現実逃避にトヨタのロボットを想う土曜の夜
・baby touchさんのコメントにある早稲田大学高西研 2足ロコモータ班 WL-16。こちらはパラレルリンクを用いた人間搭乗型2足歩行ロボット。ムービーがいいです。パラレルリンク、なかなかスムーズですね。

↓さらにこんなものも。

◆2足歩行ロボットの研究のメッカ 早稲田大機械工学科高西研究室で歩行と走行の協調動作の研究が実施されているようです。
汎用2足ロコモータ WL-16R(Waseda-Leg No.16 Refined)
車輪式足部機構 WS-2(Waseda-Shoes No.2)
・上の二つの機構を組み合せた歩行と走行の協調実験
wl16rws2wl16rws2_whoel
 MPGムービー 動画 1 動画 2 動画 3
 まだ動きが遅いけれど、これがハイパワー化&高応答制御化されれば、タチコマまであと一歩かも。

| | コメント (6) | トラックバック (1)

■大阪万博フジパンロボット館のロボットは今?

 「食堂車へようこそ」さんより フジパンロボット館

大阪万博のフジパンロボット館が愛知県に移設。
ところが、この愛知県児童総合センターは、愛知万博開催のため閉鎖されてしまった。皮肉にも、愛知万博開催のために、日本万国博のロボットは存亡の危機にさらされているのである。(略)大型の愛知県児童総合センターにある5体は引き取り手がないという。

toyota_gakudan_vs_fujipan.jpg
 勝手ながら比較のためコラージュしてみましたが、どっちが華やかかといったら、フジパンロボット楽団がいいですね。トヨタのロボット、白くて没個性的な顔でひと昔前のトヨタ車デザインみたい。もっと華やかでいいのでは?
 フジパンロボットは僕も見たことがあるけれど、愛知青少年公園の中にいました。愛知万博の煽りを受けていたとは! トヨタも新旧ロボット楽団の競演とか、粋な計らいをしてほしい。

小田原建築探偵~大阪万博編 2002.03にも記事。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

■イアン・ワトスン『エンベディング』山形浩生訳
    The Embedding (1973)

the_embedding.jpg 国書刊行会の<未来の文学>第二弾。『ヨナキット』や『マーシャン・インカ』を読んだのは既にもう20年前。マイナーだったけど、あの時のイギリスSFブームが懐かしい。んで、当時から噂の高かった『エンベディング』をハードカバー&山形浩生訳で読める喜びを噛みしめながらページを捲った。
 山形浩生氏のあとがきを読むと、褒めているんだか貶しているんだかわからない(貶しているに決まってる)。これを先に読んでしまったので、昔持った期待感なく読めてよかったのかな、思ったより破綻なくまとまって楽しめた。

 異星人とのファーストコンタクトものとしてなかなかいい。最近、この手のを読んでなかったから、コンタクトのシーンですごいワクワクして、ここでも自分のSF魂を確認してしまった。ベスター『願い星、叶い星では地球最後の人間の部分に時めくし、この本ではファーストコンタクト。ひねったものより、こういう原初に刷り込まれているSFの持つ怪しげなメインネタのダイナミックなワンダーに体の奥の方から反応。破滅もの異星人もの、これにドキドキするわけです、いまだに。正直『ケルベロス第五の首』より好き。

 このファーストコンタクトで登場する異星人とのトンデモ度の高い奇妙な取引、ここでキーになるのが言葉と現実という70,80年代を風靡した言説。うんなことないだろ、と飛躍に着いていけない気分と、あの当時、ディックとか神林長平とか読んで、現実が言葉によって構築されているというイメージを想いだすと、ほほえましくも懐かしい。
 ワトスンはこれを別に信じていたわけではないだろう。ひとつのヒトの現実を革命する小説内のツールとして選んだのだと思う。だけれど、当時の雰囲気って、ここに出てくるような言葉による現実認識の制限みたいのを切り崩すと何か新しい世界が出現するような期待感ってのがあったと思う。(これも『万物理論』の感想で書いた人間の現実認識が脳内の現象でしかないことを転倒して出てくる単なる妄想なのだけれど。)

 というようなシチメンドクサイ話でなく、これらをガジェットとして脳内に展開されるファーストコンタクトの異様な形態のひとつとして読むと、とってもワクワクする一冊。この秋の海外SFラッシュの中では僕のベスト1でした。
 こういうのハリウッドも映画化の目を向けるといいのにね。(売れない、売れない(^^;))

岡本俊哉氏のレビュウ
Ian Watson - Official Homepage ワトスンの思いがけなくも人のよさそうな写真と、なんとムービーも見えます。あと詩とか。
山形浩生勝手に広報部:部 室
『エンベディング』(Amazon)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

■キャロリン・パークハースト『バベルの犬』小川 高義訳
   The Dogs of BABEL

the_dogs_of_babel.jpg web KADOKAWA 『バベルの犬』

 突然、妻レクシーを亡くしたポール。警察は木から落下した事故死と断定したが、ポールは納得できない。なぜ妻は木に登ったりしたのだろうか……。唯一の目撃者は愛犬のローレライ。言語学者であるポールは、犬に言葉をしゃべらせることができれば、愛する妻の死の真相が分かるのではと考える。ローレライへの言語レッスンが始まった。

 書店で手にとって、この導入部にひかれて読んだ。なかなかの佳作。
 骨格となるミステリー部分の趣向も抑えたトーンで良いが、やはり言語学者の主人公と仮面制作を仕事とする妻との関係の部分が良い。
 一人称で物語が進むが、妻を亡くした主人公の心の動きが表面の文体の冷静さに対して、深いところで狂っている様がひたひたと伝わる部分はうまい。実はきっとすでに彼は心の奥で妻の死の意味を最初から知っている。で、物語全編がそれを深層から表層へ浮かび上がらせる過程なのだ。
 そして並行して描かれる二人の出会いから始まる追憶の物語。ここでは妻の仮面創作の推移が二人の関係の微妙なトーンを描き出している。ここもなかなかいい。

the_dog_of_babel_rolerai.jpg 二人の家族のローデシアン・リッジバック ローレライ。犬に言葉をしゃべらせるという狂気を、ある犯罪との関係で描いている部分は、物語のトーンを崩して若干読者サービスのきらいもなくはないが、ここのグロテスクさは犬好きにはたまらなく不愉快。
 映画化も決まっているらしいが、僕はこのシーンがある限り絶対映画館へは行きません。きっと小説のように抑えたトーンで描くのは難しいから。

『バベルの犬』キャロリン・パークハースト インタビュー (楽天ブックス)
・blog 見てから読む?映画の原作さんの映画化に関する記事
・当Blog記事 ★究極映像研究所★: ■新刊メモ 『バベルの犬』 『映画の魔』
『バベルの犬』(Amazon)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

■ハイビジョン生中継 「世界遺産 青きドナウの旅~プラハ」

 「ハイビジョン生中継 世界遺産 青きドナウの旅」という番組をやっていますが、12/4,5はチェコの首都プラハ。チェコアートファンは観逃せません。(って実は明日は涙を呑んで観れないけど、、、。) 生中継なので、もしかしたら街を歩く生シュヴァンクマイエルが画面を(ハイビジョンで)横切るかも。

美しきボヘミアの古都~プラハとチェスキークルムロフ」~チェコ・プラハから生中継~
 12月4日(土)後4・00~7・00、後7・30~8・45 BS hi デジタル衛星ハイビジョン
 12月4日(土)後7・30~8・45 NHK総合

プラハ~百塔の都・黄金の時」 ~チェコ・プラハから生中継~
  12月5日(日) 後7・30~10・00 BS hi デジタル衛星ハイビジョン

マリア・テレジアを始め名だたる王侯貴族が愛し、莫大な財宝を注ぎ込んだ「ボヘミアの真珠」プラハ。最終日はプラハ城を中心とするモルダウ川左岸と新旧市街の右岸からの二元中継。プラハ城は9世紀の着工以来、実に1000年以上に渡って増築が続けられた建築様式の坩堝。旧市街には14世紀にかけられたプラハのシンボル・カレル橋、500年に渡り時を刻み続ける時計塔がある。12月5日は聖マティアスの日。プラハの子供たちが一年で一番楽しみにしている祭りの日である。百塔の都、黄金の都、中世へのタイムマシン・・・様々な呼称で称えられる1000年都市の空気を感じる。

ゆらゆら大陸で、ununさんのチェコ旅行のお土産とレポートがアップされています。チェコファンは必見。
・というわけで、それに触発された私も、12/11,12 2泊2日プラハ旅行決行!! 再来週にはその成果をここでお見せできることでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

■TBS『世界遺産』の構成は生田萬

  たまたまBS-iで『世界遺産』のハイビジョン放映を見ていたら、エンドクレジットに懐かしい名前が!! 検索すると、

世界遺産:辻村Pの世界遺産こぼれ話より

作家:ナレーション原稿を書く人。
生田萬(よろず)さんは番組始まって以来の常連さん。資料収集の深さ、含蓄のある文章、それに筆の遅いのが特徴。

 劇団ブリキの自発団のイクターマンこと生田萬氏、今はこういう仕事をされているのですね。時々看板女優で氏の奥さんの銀粉蝶はドラマで見かけるのだけれど、ここ最近芝居のうわさを聞かなかったので、なんかみょーに懐かしい。これから『世界遺産』まじめにみよっと。

 僕のブリキの自発団ベストは、1987年の『柔らかい肌』です。こういう芝居の初体験だったので、鮮烈な印象。ビデオもなく戯曲も出版されておらず、幻のような記憶の中だけの舞台。魔法のランプの巨人が願い事を10個かなえてくれるなら、そのうちのひとつはこの芝居をもう一度観たいのであった。(懐かしモードに入って、自分の完全なメモですんません。)

生田萬作品(Amazon)

| | コメント (12) | トラックバック (0)

2004.12.03

■ハイビジョンレコーダ「Rec-POT M」250GBモデル

AV Watch I-O DATA HVR-HD250 「RecーPOT」250GB

地上/BSデジタルハイビジョンなどのデジタル放送をi.LINK経由でストリーム記録するHDDユニット「Rec-POT M」に、250GB容量モデル「HVR-HD250M」を追加。12月中旬に発売する。価格はオープンプライスだが、店頭予想価格は63,000円前後の見込み。地デジのHD放送を26時間録画。ムーブにも対応。

 ハイビジョンを録画したいけれど、ブルーレイはまだ買えないし、いまさらビデオレコーダはちょっとという方(→自分)に、ピッタリの商品。今までも随分迷ってたけれど、今度は買ってしまいそうです。

RecーPOT(Amazon) 
Rec-POT 160G(Amazon) ※まだ250G品は発売してないみたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.12.01

■『坂口尚作品集“すろををぷッ”』

sakaguchi.jpg チクマ秀版社から郵送で新しい坂口尚短編集の案内をもらったのでご紹介。

『坂口尚作品集“すろををぷッ”』のご案内をさせていただきます。坂口尚氏の未発表になっているシリーズ“すろををぷッ”の2作品(「未来(あした)へ」に紹介した)を中心に作者のスケッチブックから厳選した絵を128頁にわたって製作しています。
【収録作品】
1987年“すろををぷッ”「空の下の空」「かかと」
1990年~1991年「世界文学ハイビジョン」のカット他
「石の花」「あかんべェ一休」などの作品より厳選
以上約136頁前後、A4判、上製
 残念なことに若くして亡くなられた漫画家坂口尚氏。叙情的短編や『石の花』の鮮烈な印象が忘れられません。チクマ秀版社の熱意ある作品集の刊行に拍手を贈りたいと思います。
・レイアウトが美しいファンサイト 坂口尚氏の小部屋
坂口尚の本(Amazon)

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2004.11.30

■Dancing Citroen Transformer
  &PureeSoiree • Nike Crab

 kettleさんiron-kettle.comで知りました。カナダのThe Embassy Visual Effects Inc.製(ディレクターNeill Blomkamp)のCG2本。とにかくクール!!

citroen_c3.jpg
Dancing Citroen Transformer(ムービー)

nike_crab.jpg
PureeSoiree • Nike Crab(ムービー)

◆関連リンク
・以前、nikeのトランスフォーマー(オーラバトラー風)をうちでも紹介したことがありました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.11.28

■未来の車 GM Firebird Ⅲ

past_futurama.jpg     gm_firebird_3__03.jpg
 『スカイキャプテンと明日の世界』の記事で触れて、久しぶりに思い出した長澤均『パスト・フューチュラマ』(フィルムアート社刊)
 この本の表紙の未来カーがとってもかっこいい。ウェブで写真を探したら、いろいろありました。ファイヤーバードⅢのミニ写真展です。
gm_firebird_13.jpg gm_firebird_3__01.jpg 
 それにしてもため息が出るくらい未来的。
 子供の頃の刷り込みのせいなのかもしれないけれど、こうした形状は僕らの世代には未来そのものに思えてくる。現代の最先端の自動車デザインは、こうした流線型やテールフィンみたいなものは否定してしまっているようにしか見えないけれど、再度復活してもいいのではないかな。現代によみがえるレトロフューチャーカー。

gm_firebird_3__02.jpg  gm_firebird_3__04.jpg
 近未来の車のデザインでは『攻殻機動隊SAC』のいろんな車両が結構現実的に見えていいなと思っていたけれども、やはりかっこいいのは流線型。
 こんな車であふれる未来世界をどっかで映像化してくれるといいのだけれど、、、。
 『ガタカ』はいい映画だったけれど、未来カーは音だけモータ音に差し替えたお手軽電気自動車だった。『マイノリティリポート』のはブレードランナーのスピナー風レクサスだったし、、、、。だれか長澤均氏の未来ガジェットデザインで映画かアニメを撮ってほしいものです。

| | コメント (9) | トラックバック (1)

■ケリー・コンラン監督 『スカイキャプテンと明日の世界』
  SKY CAPTAIN & the World of TOMORROW

skycaptain_top.jpg

 自宅のガレージに置かれた1台のコンピュータを駆使しながら、ケリー・コンランは小さい頃から憧れてきたサイエンスフィクション、ファンタジー、歴史、運命などに含まれる“もし~だったら……?”という空想的要素にさらにひねりを加えていき、何と4年という長い年月を費やし6分間の映像作品を完成させた。この「The World of Tomorrow」と題された、たった6分間の短編作品が、コンラン自身の「明日の世界」を大きく切り開いていくことになる。(公式HPより)

総論
 上の画像に書かれたケリー・コンラン監督の言葉が、この作品について本当に的確な紹介になっている。僕らの失われたかつての未来世界がここにある、って感じ。町に突然現れる巨大なロボットや、摩天楼に係留される豪華飛行船、空飛ぶ空母、銀色の流線型のロケット、こういったものを空想して子供の頃きっと未来はこうなるだろうと、ワクワクした人にはこの映画は素晴らしい贈り物になるだろう。
skycaptain_title.jpg  
 なので、この映画は『スカイキャプテンと明日の世界』というタイトルが本来マッチする。ロゴも現在のものより当初使われていたこっちの方が断然イメージぴったり。
 元々"The WORLD of TOMORROW"というタイトルだったのが、『ザ・デイ・アフター・トゥモロー』と紛らわしてということで、"SKY CAPTAIN"を付け足したらしい。まさにワクワクするパストフューチャー "The WORLD of TOMORROW"の映画であるのだから、邦題も『スカイキャプテンと明日の世界』が良かったのに。
 岡田斗司夫に、二十世紀の最後の夜にとか、失われた未来(Amazon)といった著作があるけれど、あの本の好きな人には絶対お薦め。今のところ、ネットには岡田斗司夫の『スカイキャプテン』評はないけれど、きっと涙なしには観えないでしょう。って。

冒頭
skycaptain_dogfight.jpg 1939年ニューヨークのスカイクレーパーに係留されたヒンデンブルグ3。ここで事件が動き始める。
 セピア色でソフトフォーカスの画面が続くので少し気にはなるけれど、ここからロボットとの戦闘シーンまでがまず秀逸。とくにこの飛行船の映像が良い。摩天楼にぴったり。
 ゆったりとした時間が最も贅沢な今、なんで飛行船は復活しないのだろう。ちょっとデザインは合わないけれど、東京都庁や名古屋駅のツインタワーに係留される飛行船の光景を観たくてたまらない。
 ロボットが発電機を発掘して、運び去る展開もワクワク。奪われるニューヨークの街のエネルギー源、飛行ロボットと戦闘機のドッグファイト。そしてそれを取材する美人新聞記者に迫る危機。この道具立てを聞いて、ワクワクしない人はこの映画に向かないので観ないでください(^ ^;)。
 あと特筆すべきは「見える電波」。昔の映画であったようにこの世界ではスカイキャプテンを呼ぶ無線の電波が見えるのである。これのかもし出す雰囲気が良い。

俳優のリアリティ
 「美人新聞記者」役のグウィネス・パルトロウって、あれでアカデミー女優なんだビックリ。好みが合わなかったからかもしれないけれどタコ演技に観えて仕方なかった。
skycaptain_franky.jpg 俳優たちはブルーバックの前で23日しか演技してないらしいけれど、ジュード・ロウも精彩ないしCG合成映画って俳優たちの現場での雰囲気を作るための道具立てをこれからは考慮していかないと、このように薄っぺらな芝居になる危険があるんだろうね。安く凄い場面が撮れるのは良いけれど、俳優のリアリティの構築は課題でしょう。
 僕は、このタコ演技でもこの映画大好き。というくらい画面が好きだったのでいいけれど。
 アンジェリーナ・ジョリーの演じた英国空母艦長のフランキーは別格。かっこいい。あのコスチュームと眼帯で、演技するための雰囲気を的確に掴んだのかもね。

CGによるパストフューチャー
skycaptain_misile2.jpg ガジェットやら画面レイアウトやら、痺れまくりのパストフューチャーだったけれど、当然このCGが気に入らない、という意見も多いのだろうと思う。どっかのゲームのオープニングCGみたいな画質の気がしないでもない。だけれども勝利は監督のセンスでしょう。それを統一しているのが、この記事トップにある監督の言葉。これだけワクワクする画面を次から次へ提示してくれたので、このCGダサいというある意味客観的な現代の自分でなく、万博や50,60年代SF映画が好きだった過去の自分が体の奥の方から、ザワザワと喜ぶのだった。
 次から次への脅威の映像ということで書くと、ヒロインのカメラの役割がなかなか良い。あと残り二枚となったフィルムをまだこれから凄いものが撮れるかもしれない、と残しておく感覚。これが観客の期待感とリンクしていて楽しかった。

地球最後の日テーマのSFとして
 この映画のパンフレットに本作に影響を与えた作品の数々が挙げられているけれど、僕もSFから一作。
 先日読んだアルフレッド・ベスター『願い星、叶い星』の中に、地球最後の日テーマの2作があるけれども、そのうちの1作と本作のネタが少しだけかぶっている。コンラン監督がSFファンでベスターを読んでいるかどうか、全く不明だけれど、"Adam and No Eve"が元ネタになってたら楽しいな、とそんなことを思った。 ★次のリンク先 ネタばれ注意★(観てない人はクリックしないで下さい) このシーンのこのアイテムが、、、、。

興行成績
eiga.comによると、9/21週に全米公開でトップ、その後、10/19週に10位で興収は$3600万。制作費が$4000万とのことなのでトントン。まあ、DVDとかでもっと儲かるわけですが、、、。ケリー・コンランの次作はバロウズの『火星のプリンセス』らしいけれど、僕は<火星シリーズ>に思い入れがないので、『スカイキャプテン』の続編が観たい。

◆関連リンク
『スカイキャプテン』公式HP (日本) (米)
ノベライズ『スカイキャプテン―ワールド・オブ・トゥモロー』 K.J.アンダーソン,石田亨訳(Amazon)
DVD『スカイキャプテン』(発売日 未定)(Amazon)
サントラCD 『スカイキャプテン』(発売日 未定)(Amazon)
 曲目リスト
  1.The World Of Tomorrow   2.The Zeppelin Arrives
  3.The Robot Army   4.Calling Sky Captain
  5.Back At The Base   6.The Flying Wings Attack
  7.The Aquatic Escape   8.Flight To Nepal
  9.Treacherous Journey   10.Dynamite
  11.Three In A Bed   12.Finding Frankie
  13.Manta Squadron   14.h-770-d
  15.Flying Lizard   16.Totenkopf’s Ark
  17.Back To Earth   18.Over The Rainbow-Jane Monheit

◆岡田斗司夫の著作より(センチすぎる文体ですが、、、。)
otaking_20seiki_saigonoyoruni.jpg otaking_ushinawareta_mirai.jpg
『二十世紀の最後の夜に』

どうしてだろう。
待ちに待った未来が、こんなに涙でにじむなんて
いつも友だちと語り合ってた。
あと3秒で訪れる未来について。
ポケットに入れて歩いた金属の部品について。
夢の数だけちがう自分がいたあの頃。
まばゆい光、銀色の天幕。
なつかしいのに、新しい、自伝的極彩色物語。
「世界最後の日」。僕はこの言葉に、どんなにあこがれただろう。
大洪水だろうか?水爆戦争だろうか?
強くてかっこいい大怪獣が、僕の住んでいる街を破壊してくれないだろうか。

『失われた未来』毎日新聞連載分がここで読めます。
 科学と民主主義による輝かしい未来はどこへ行ったのか?おもちゃ、メカ、マンガ…1950~70年代に巷にあふれたモノたちは、銀色に輝く未来の理想郷を夢見ていた。科学万能主義の衰退とともに消え去ったその幻影を「失われた未来」をキーワードに追体験し、あり得た未来と現実のギャップを語る

◆パストフューチャーに関して
past_futurama.jpg・グラフィックデザイナー長澤均の『パスト・フューチュラマ』(フィルムアート社)もいいです。ここに紹介があります。『スカイキャプテン』のセピア色に対して、この表紙の流線型の車(GM FirebirdⅢ)のイメージで統一されたパストフューチャー映画も有だと思う。誰か作ってくれないかな。

・『パスト・フューチュラマ』について、うたかたの日々さんの記事
・長澤均の編集する20年間でたった3回しか発行されていない雑誌「パピエ・コレ」。ここでも『パスト・フューチュラマ』の紹介

| | コメント (0) | トラックバック (6)

« 2004年11月21日 - 2004年11月27日 | トップページ | 2004年12月5日 - 2004年12月11日 »