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2005年4月

2005.04.29

■H-R-GIGER IN PRAGUE
 H.R.ギーガー展 in プラハ

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 H-R-GIGER IN PRAGUE

 プラハ在住の旅するランナーさんの欧州日記 「H.R.ギーガー展」【写真付き】経由で知りました。

 チェコプラハの国立技術博物館Narodni Technicke Muzeumで2005.4/14-7/13に開催されているとのことです。プラハへ行く予定のある方は、シュヴァンクマイエルの住む街でギーガーを見るという幻想的な至福の時を過ごせるでしょう、って私はギーガーはそれほど趣味ではないですが、、、。
 公式ページFILMのところには、いろいろなギーガーが関わった映画(ショートフィルムがこんなにあるんだ!)の上映スケジュールが掲載されています。こっちも興味が沸きますね。下記はそのホンの一部。

Tagtraum 26 min 1973
Passagen 44 min 1972
Sex, drugs and Giger 4 min 1991
Böhsen Onkelz - Dunkler ort 5 min 2000
Angst als Motor der Kunst 2 min 2000
Teito Monogatari 135 min 1989
Retrospective 1964 - 1984 17 min 1984
HR Giger DVD trailer 5 min 2005

◆関連リンク
Giger MAGO-NO-TE なんと、孫の手!!
GIGER(Amazon)

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2005.04.28

■神林長平 『永久帰還装置』

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 『グッドラック』(1999)の次、神林長平2001年の長編永久帰還装置
 まず冒頭の面白さで、つくづく思った。神林長平って完全にSFファンだけを向いた作家なのだけれど、どう考えてもこれはもったいない。この冒頭、奇天烈なシチュエーションとテンポの良さによる面白さのレベルは第一級のエンターテインメントになっている。例えば『このミス』の読者が喜ぶ要素がこの冒頭には全てそろっていると思う。
 このエンタテインメントとしての面白さに加えて、この作家の面白いのは「言語」をコアにした哲学的なテーマのエンターテインメントとの融合がある。

 『このミス』でベストへランクインさせたり、哲学的テーマとの融合ということではP・K・ディックよりずっと現代的なので例えば『ユリイカ』でとりあげたり、もっと出版界はこの作家を広く読ませることを積極的にやらないといけないのではないかと切実に思う。いや、SFファン以外の読者にこの作家の面白さをもっと広く伝えるべきだと思うので、、、。とにかくもったいない。

 でも早川書房とか朝日ソノラマとか、彼を扱う出版社がいまいちマイナーなところなのが問題。こんなに言葉使いにセンシティブでテーマからエピソードまでリリカルなんだから村上春樹と同じように、、、、キャラクターの痛快さとか言語の意味づけでは京極夏彦と似ているのだから、、、例えば講談社でプロデュースして売れば、かなりの線に行くのではないだろうか。神林さん、メフィスト講談社ノベルス持込とかって、どうですか<<失礼)

 タイトルが損をしているのかもしれない。読んでみれば、それが意味するものの正体がなかなか良くて、素晴らしいタイトルと思えるのだけれど、これだけ見たら大概の本好きは引くのではないか。SFファン以外は、しちめんどくさいハードSFかと思うもの。神林ファンの僕も実はこのタイトルと、何故かイメージが合わないハードカバーの表紙絵(写真左)で積読だったから、、、。だけど実態はまるで違う。
 じゃ、売るためも考えるとタイトルは何が良いのか。すみません、僕の能力じゃくだらんのしか思いつきません。『神の追跡』とか、『永久追跡刑事 火星編』(^^;)とか、『赤い空の闘争』とか、、、。うーん、やはりこの本は『永久帰還装置』だ。周到にこのタイトルに向けて構築されていますネ。

 特に冒頭の破天荒なシチュエーションはミステリーファンに読ませたい。
 なんでこれが『このミス』のベストに入ってないか疑問(出版が11月末なのも問題)。ベスト3に入れても良いのではないか。なにしろ追うのは神(の刑事)、追われるのも神というトンでもない存在に関わる謎が冒頭で提示されるミステリー/刑事ものなのである、この本。神のような万能の世界改変能力。「本格」の必要条件である幻想的な凄い謎の提示にワクワクする。(一級のバカミスとも読める(^^;)というかバカミスそのもの。)

 とにかくSFファンのためだけの作家であるのはあまりにも惜しい人だと思う。そして編集者によってはSFでなくても(むしろSFで縛らない方が)凄い傑作を書く人ではないか。SFファンとしてはSFをずっと書き続けてほしいけれど、それ以外の例えばミステリーとかメインストリームの文学(『七胴落とし』のようなやつ?)とかも是非読んでみたいものである。
 こんな傑作がソノラマ文庫の扱いでいいわけがない(<<ソノラマにメチャ失礼(^^;)しかしなんでヤングアダルトのソノラマ文庫の扱いなのか、本当に疑問。逆にソノラマの読者の中高生あたりが面白さにぶっ飛んでいる例ってないのかな??)。とにかく小説好きの編集者! この人をSFだけで埋もれさせないでくれぇーー。(、、、と、本の感想というより、冒頭の凄い面白さに、つい熱くなって神林キャンペーンしてしまいました。)

◆関連リンク
永久帰還装置 神林長平の本 (Amazon) 
◆レビュウ特集
野阿梓氏レビュウ「永久帰還装置」~テロの時代の新世紀に書かれた存在論的なテロリストと、その意味論的解体の寓話~

本書は、神林の傑作である『猶予の月』のテーマを、よりエンターティンメントに徹してリミックスしたものだ、との見方も可能だ。否、そこには、作者の明らかな成熟があり、テーマのさらなる深化と、それにも関わらず、エンターティンメントであり続けることを見失わない、ほとんどアクロバット的な妙技を見せる。
だからといって、誤解されては困る。これは決して〈難解〉な作品ではない。サスペンスフルで滅法おもしろく、そして、驚いたことに、ウェルメイドな一篇の恋愛小説でさえ、あるのだ。
 あのテロリスト小説の白眉『バベルの薫り』の野阿梓が絶賛している。
SFオンライン57号(2001年11月26日発行) 書籍レビュー『永久帰還装置』評者:冬樹蛉
岡本俊弥氏のレビュウ
エスパラさんのどくしょ日記

 以下、ネタばれの本の感想を少し。


続きを読む "■神林長平 『永久帰還装置』"

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2005.04.24

■中島らも 『酒気帯び車椅子』

shyukiobi_kurumaisu 中島らもの遺作。遺作がこんなパンクでめちゃくちゃな表紙というのも、いかにもらもさんっぽい。B級SFの臭いがプンプンしてくる表紙ですが、物語はほぼリアル。近未来という感じでもなく舞台は現代。
 主人公が家族ともども無残な仕打ちを受け、復讐に向かう話。前半、この主人公の洒落っ気の効いた仕事振りと家族(妻と娘)との幸福な日常が描かれる。中島らもにしてはあまりに平和な風景の描写が後半へ向けて破壊される予兆を感じさせて、前半がガラス細工のようにいつ壊れるのかとドキドキしながら読まされる。(私ごとだけど特に家族環境が娘一人であることを除くと家族は妻と娘でサラリーマン、飼っている犬の種類までうちと偶然同じでなんだか非常にリアル。日曜にうどんを打つのも同じだし、、、、(^^;))
 で、後半の活劇のスピーディさも幕切れの痛快さもカラッとしていてエンターティンメントしてました。(願わくばもっとラディカルにアル中描写や車椅子描写を極めていてくれたら、ぶっ飛んで読めたかとは思うのだけれど、、、。)

 最後までエンターティンメントで、読者をハラハラさせてくれた作家中島らもに拍手をおくりたい。

◆関連リンク
酒気帯び車椅子』中島らも著(Amazon)
ロカ』中島らも著(Amazon) もうひとつの遺作。連載中に亡くなり、こちらは未完だけど傑作→当Blog記事
・アル中描写がかなり似ている、こちらはまだ死んでへんけど、悲惨な吾妻ひでおの『失踪日記(Amazon)
Comic 新現実 Vol.3』大塚英志編(Amazon)は、特集:吾妻ひでお。で、「うつうつひでお日記」が連載開始。

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■万博レポート タンザニア

ujama アフリカ共同館の中に、タンザニアの展示がある。愛知にあったマコンデ美術館が好きでマコンデ彫刻を時々観に行っていたので、懐かしくなりしばし眺める。
 そのブース直ぐ前のマコンデ彫刻ショップには約200体くらいの彫刻が売っている。で、これが安い。いままで見た市場価格の1/2-1/3くらいではないかな。1~2000円でもそれなり(20cmくらい)のものが買える。
 前から大きなウジャマーの像(人が上へ上へと重なっている像)がほしかったので興奮して物色。黒人の店員さんがいろいろと説明してくれる。悩んでいるとディスカウント! で、購入したのは、写真左のウジャマー彫刻。1.2万円と言っていたのが9千円になる。ラッキー。
 40cmほどの高さで、いままで見たものだと3-4万円していたので買えなかったのだけれど、これには手が出せました。待望の入手で万博みやげにご満悦、、、、となるところでしたが、帰ってから今まで持っていた写真右二体の小さい彫刻と比べるとなんか質感が大分と違う。完全にお土産用で荒い感じ。黒檀の光沢も違うし、、、。安いなりのことはあるのか。でもこれだけりっぱな大きさウジャマのが自分の部屋に並ぶとそれでも嬉しい。あまり近くに寄らないで眺めようと思う。
 興味のある方はショップが暗い照明なので、じっくり品定めされるのをお薦めします。

◆関連リンク
マコンデ美術館

 海抜500~800mの高さにある外界から隔絶した高原で、古代のマコンデ文化はすばらしい彫刻芸術の花を咲かせました。 最初の父親が黒檀を彫って最初の母親を創ったという伝説を持つ彼らにとって、黒檀の木は聖なる意味を持ち、今日まで数世紀の歳月を費やして独自の木彫りの技術を発展させてきました。
 今日のマコンデ彫刻は、ほとんどが東アフリカの豊富な黒檀を使っています。この黒檀は、恐ろしく硬く彫刻するには、かなりの抵抗感があり容易ではありませんが、彼らは枝や根の自然の形から、イメージを豊かにして製作をしています。
・愛知万博 グローバルコモン5 アフリカ共同館 タンザニア連合共和国
 万博 タンザニアナショナルデー 5月26日(木)午前8:00~午後5:30 
EXPO '70 タンザニア パンフレット
・マコンデの通販ショップ 無国籍雑貨 R・M・T

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2005.04.23

■新刊メモ 『ベルカ、吠えないのか?』

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 文藝春秋書誌ファイルベルカ、吠えないのか?(古川 日出男)
 古川日出男の新作が書き下ろしで出ました。なにしろ表紙がかっこいい。(是非上の写真をクリックして拡大写真で見て下さい。)
 神林長平を読み始めたところで、すぐ読めないのですが、期待の一冊です。

1943年・アリューシャン列島。アッツ島の守備隊が全滅した日本軍は、キスカ島からの全軍撤退を敢行。島には「北」「正勇」「勝」「エクスプロージョン」の4頭の軍用犬だけが残された。そこから「イヌによる近現代史」が始まった! 古川日出男待望の新作

◆関連リンク
・過去記事 ■『gift』 ■『ボディ・アンド・ソウル』
DVD『ベルカ、吠えないのか?』古川日出男著(Amazon)

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2005.04.21

■富士通FMV-DESKPOWER 初のハイビジョン録画PC
   ハイブリッド高画質化テクノロジーDixel(ディクセル)

開発者ストーリー
・ハイブリッド高画質化テクノロジーDixel(ディクセル)製品紹介
カタログ(PDF) 
・ハイビジョンのキャプチャーボードはピクセラ PIX-DTTV/P1W

パソコン本体のみでデジタル放送をHD解像度(ハイビジョン)のまま録画・再生を実現している製品として日本国内初(2005年3月現在)。 ※デジタル放送に対応しているモデルは、FMV-DESKPOWER TX90L/D、LX90L/Dのみ。フルデジタル処理に対応しているモデルは2005夏、FMV-DESKPOWERシリーズのみ。その他のテレビモデルでは対応しておりません。

 ついに「パソコン本体のみで」ハイビジョンをそのままの画質で録れる機種がでました。これがあればHD増設でハイビジョンがガンガン録れます(^^;)。
 気になる仕様はこんな感じ。

FMV-DESKPOWER TX90L/D,LX90L/D
地上波デジタル 1440*1080 9450MB/時間
BSデジタル    1920*1080 10800MB/時間

 しかしこのPCの問題はふたつ。まず32型ワイドデジタル液晶がフルハイビジョン対応でないこと。1360×768ドットでは本来のハイビジョンの高精細を満喫できないのでは?
 もうひとつは録画番組を他のモニタ/プロジェクタで観るための外部接続端子が何もない! 付属の32inchでしか観えない(i-LINKがあるので手はあるのかも)。D-VHSとかへの録画番組のムーブ対応が可能かは不明。
 しかしPCでのハイビジョン録画は、VAIOが先陣をきるかと思ったけれど、SONYはまたまたやられましたね。元気ないぞ、そんなに組織の壁が厚いのか>>SONY。PC部門とAV部門の壁が感じられます。(SONYのは他の機器とつなげるので使い方によっては)
 SONYのVAIOVGC-RA71PRA61シリーズについては以前記事にしたけど、ハイビジョンチューナ等とi-linkで繋いでHD録画することができる(VGC-RA73PL9および、RA72P・RA71P・RA62・RA61シリーズのみ)が、単体では無理だった。PC単体で実現することも可能だったはずなのにネ。
 あの一週間の番組を全部録れるお化けのようなPC type Xでも同じ。VAIOデジタルTVユニットというのをつないでも録画できるようだけれど、、、。AV部門がチューナー作って売り上げたててるのかな?そうしてシェアしないと社内調整が出来なかった??ユーザ不在ですね。
 富士通のは上のリンク先で開発ストーリーを読むと詳しいけれど、加えてハイブリッド高画質化テクノロジーというのが優れもののようで、実物が観てみたいものです。

◆関連リンク
・楽天ショップ 【分割払い可能】 富士通 デスクトップPC FMV-TXシリーズ FMV-DESKPOWER TX90L/DTX90L/D、 FMVLX90LD FMV-DESKPOWERLXシリーズ LX90L/DLX90L/D  
・価格.com TX90L/D FMVTX90LD LX90L/D FMVLX90LD

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2005.04.18

■東芝:水平に置いた画面で映像を立体視できる新型立体ディスプレイ

リンク: 東芝:プレスリリース (2005.4.15) PDF資料

 本ディスプレイで表示する立体コンテンツは、16以上の方向から撮影した映像や、それに相当するCGデータを立体表示用のHDTVサイズの特殊映像に変換する、当社独自のソフトウェアを用います。
toshiba_3d_display
toshiba_3d_display02
 この手のは年に何社か発表するのだけれど、これは凄いというのには当たらない。
 立体視オタクとしては、出来たら凄いとは思うけれど、あまり期待しないようにしている。IMAXで偏光眼鏡かけるのがいまだに最高のような気がします。
◆関連リンク
ASCII24の記事
PC WEBの記事

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■新刊メモ『PLUTO(2)』『雲の上の散歩』『流線形列車の時代』

◆浦沢直樹 著  『PLUTO (2)』 4/26刊, 『PLUTO (2)』【豪華版】 4/22刊。
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 いよいよ2巻が登場。私は迷わず【豪華版】を買います。前回、通常版を買った後にどうしても豪華版がほしくなって2冊買う羽目になったので、、、( 過去の記事 )。 時々連載を立ち読みしてましたが、ストーリーがつながってないので、楽しみです。

『雲の上の散歩』沼田元氣 著
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 実物は見てませんが、なんとなく表紙と下記ポップに魅かれました。飛行機乗るといまだに窓の外の景色ばっかり気になります。ずっと窓の外の雲見て、ワクワクしているような輩向きの本かと直感。
・出版社 ブルース・インターアクションズの公式ページ

雲の上の散歩――太古の昔には神様しかできなかったこと。ここからの眺めは、たぶん死んでから見る風景である。そこではじめて、今迄いた地上を俯瞰で見ることが許されるのだ。

『流線形列車の時代―世界鉄道外史』小島英俊 著
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 これも実物を見てない。ネットで見かけた本。鉄ちゃんではないのですが、流線型には郷愁を感じるもんで。
流線型の未来 GM Firebird Ⅲ
NTT出版の公式ページ 

美しきフォルムは時代のあだ花だったのか?
空気抵抗? 効率化? そんなコトは関係ない。
流れるようなフォルムは時代が求めた美意識の象徴。
そんな流線形の系譜をたどる旅。

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2005.04.17

■エドモンド・ハミルトン『反対進化』中村融編

 昨年の<奇想コレクション>『フェッセンデンの宇宙が同じ中村融氏の編で面白かったので今回も期待して読みました。
 『フェッセンデンの宇宙』よりも全体的に古い感じもあったけれど、なかなか堪能。
 一編づつの短評、行きます!気に入った順番。

◆「異境の大地」(Alien Earth,1949.4,青心社『星々の轟き』1982既訳)
 奥さんのリイ・帝国の逆襲・ブラケットが「埋もれた名作」と呼んでいると編者あとがきにあるけれど、これは本当に傑作と思った。植物の異界を描いた作品。目の前に異様な世界が突然広がったような気持ちになる。SFってこういうものだというパワー溢れる作品。
 「樹木信仰は人類の歴史と同じくらい古い。(略)あのもうひとつの異質な世界への原始信仰に由来する。」(P321)とか、スリリングな視点が素晴らしい一編。

◆「ウリオスの復讐」(The Avenger of Atlantis,1935.7,SFM既訳)
 こういうアイディアはバカバカしいと思いつつもワクワクします。歴史の闇に脈々とこんな闘争があったっていうのが、いい感じ。『妖星伝』とか『バビル2世』は遺伝子に潜んだけれど、この作品ではダイレクトに、、、。しかしむちゃくちゃしつこいおっさんやね。付き従ったスサンくんに敬意。

◆「失われた火星の秘宝」(Lost Treasure of Mars,1940.8,初訳)
 この宇宙冒険調の一編、楽しいです。短い一編に恋あり、冒険あり、火星の秘密あり。てんこもりの楽しさ。全体のトーンがどっかユーモラスでいいのですよね。

◆「呪われた銀河」(The Accursed Galaxy,1935.7, 青心社『星々の轟き』1982既訳)
 これ、あとがきにも科学的間違いについて指摘されているけれど、わざと書いてるような気もする。ここでの膨張する宇宙の解釈って、なんか好きです。「反対進化」とも通底する人類への冷たいまなざしが好きです。

◆「審判の日」(Day of Judgement,1946.9,初訳)
 編者鍾愛の一編とか。中村融氏は犬が好きなのかな、犬好きにはたまらない一編。
 僕は石森章太郎や手塚治虫より藤子不二雄をイメージした。S(すこし)F(ふしぎ)な短編。

◆「審判のあとで」(After a Judgement Day,1963.12,SFM既訳)
 こういう地球最後の日ものもなんか哀愁がいい。そして宇宙に流されるサイボーグに託される人類の記録。
 こういうのを読んで、星空を眺めると、中学のころのSFが蘇る。

◆「プロ」(The Pro,1964.10,青心社『星々の轟き』1982 、新潮文庫『スペースマン』1985既訳)
 アメリカ人の父子って雰囲気が良い。ハミルトン父子の実生活の、SF作家とその子供の関係もエッセイか何かで読んでみたい。あ、だれか著名SF作家の子供達が父親のSFの想像した未来をどんな風に受け止めていたかってエッセイ集を作ってくんないかな。万博の年にそんな本が無性に読みたい。

◆「反対進化」(Devolution,1936.12,ハヤカワSFシリーズ『フェッセンデンの宇宙』1972既訳)
 これは以前読んだことがあった。あー昔の脳の襞が覚えているって感じ。SFの原初的アイディアのひとつと思う。こういうのを自分で考え出した時のSF作家って嬉しかったでしょうね。

◆「超ウラン元素」(Transuranic,1948.2,初訳)
 壮大さでは本書中随一かも。月面での閉ざされた研究施設とか、これもひさびさに味わうプリミティブなSF。

◆「アンタレスの星のもとに」(Kaldar, World of Antares,1933.4,SFM既訳)
 これはいかにもな古い感じの話。「物質転送機による惑星間輸送」はハミルトンが初めて書いたアイディアとのことなので、そのアイディア創出には敬意を表する必要があるのでしょうが、古さはいなめないと思う。


関連リンク
・猫は勘定にいれませんさんの反対進化/エドモンド・ハミルトン
東京創元社|反対進化(エドモンド・ハミルトン)編者あとがき[全文]中村融
『反対進化』エドモンド・ハミルトン(Amazon)
・手当たり次第の本棚さんの『反対進化』 キャプテン・フューチャーのいない世界
・FSF通信さんの『反対進化』 ハミルトンによる珠玉のSF短編集
・BBSカフェアルファの『反対進化』について

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■作曲 : 菅野よう子, 詩・ボーカル : Ilaria Graziano " i do "

STAND_ALONE_COMPLEX_OST2
菅野よう子 サントラCD『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX O.S.T.2』(Amazon)

 シリーズ後半の音楽(BGMや挿入歌)が中心になるほか、2004年1月から日本テレビ系で放映の1st GIGのオープニングテーマ「Get9」「rise」のフルサイズバージョンも収録。

 

『攻殻機動隊S.A.C.2nd GIG』最終回第26話のクライマックスに流れる i do という曲が気になって調べてみました。魅力はボーカル。Ilaria Grazianoという女性。日本語表記はイラリア・グラィアーノだそうです。(グラジアーノと読むかと思ったらイタリア語の読み方がここに書いてありました。)このボーカルの参加CDリスト。全て菅野よう子のサントラです。(ILA:イラリア・グラツィアーノが本来の読みらしい)

 CDにイタリア語と和訳のこの曲の歌詞が掲載されています。全部引用はさすがにまずいので冒頭と最後の抜粋。
 

幻想の中で動かしえない力を信じていた
気力は衰え・・・
今感じることができるのは、変わりゆく出来事
感情が遠い記憶を呼び起す

I do, I do 深みからもがき抜け出す、そして
今までにないほど高くまで上ろう
I do, I do 未来を見つめ、微笑む
新しい自分(アイデンティティー)とともに
日がのぼるころまでに・・・

 ちなみにサントラにはタチコマくんたちの感動の楽曲は入ってません(^^;)。2nd GIGはこのある意味深刻な歌にAIたちの歌がかぶった時にイメージが完成するわけです。

◆関連リンク
Ilaria GrazianoのCD(Amazon)。
Ilaria Grazianoはてな
WANNA BE A WIND [ 菅野よう子ファンサイト ]

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■神山健治監督 『攻殻機動隊S.A.C.2nd GIG』 23-26話

KOUKAKU_2nd_GIG_last

第23話 「橋が落ちる日 MARTIAL LAW」
第24話 「出島,空爆 NUCLEAR POWER」
第25話 「楽園の向こうへ. THIS SIDE OF JUSTICE」
第26話 「憂国への帰還 ENDLESS∞GIG」

 全巻、観終わりました。こちらでは昨日から深夜枠でTV放映もスタート。地上波のハイビジョン、DVDよりきれいで、また、も一回これで観てしまうことになりそう。

総論
 1stの方がわかりやすく盛り上がったけれど、今回もラスト、テンションは最高潮。
 難民問題や革命に正面から挑んだ意欲作で、小説や映像作品含めて謀略モノとしてなかなか追従できないくらいのレベルを実現しているのではないだろうか。前の記事でシナリオが後半ほとんど神山監督の手になるため、監督のドラマ作りの力量がしっかりわかるのではと書いたけれど(第15話-第20話感想)、その結果は素晴らしいものでした。エンタテインメントとしての構成もそこそこ良いのだけれど、そこからはみ出してストーリーすら破壊してしまいそうな革命とか戦争部分への思考。万人が好むスタイルではないと思うけれども、、。聞き耳たてても聴き取れないクゼとかの政治的発言、通常文字で読まないとこのレベルの意味は音声ではなかなか認識できません。作家達は確信犯なんだけど。
 (『亡国のイージス』で福井晴敏氏の現在の日本の状況への批判のことを書いたけれど、神山監督のものはその先を行ってると思う。下記インタビューにも出てくるがあまりにも「低きへ流れる水」ということが批判のコア。少なくともその屈折した複雑さにおいて、現実の様相をどちらが色濃く反映できているかは自明。エンタテインメントとしては福井作品の方がずっと面白いけど。)

 作画レベルは2nd GIGはCG以外はかなり貧弱なイメージがあるのだけれど、25-26話はIGパワー全開。9課のキャラクターの立ち姿が惚れ惚れするくらいカッコいい。原画には沖浦他、IGの強力スタッフの名がある。

 で、クライマックス。26話全編がここに集約しているように思える。
 この項最後に記すのは、タチコマのこと。ファンの1人としてはもう落涙の最高のラスト。おまえたちっーーー、よくやったぞぉーーー、と空に向かって言って上げよう。(でも何で地上にダウンリンクしんかったの??)

関連リンク
・IG公式サイトの神山健治監督インタビュー ネタばれで引用しますが、やはりSACがこういう作品になっているのは紛れもなくこの監督の成果。この人に『イノセンス』の持つハイレベルな映像を継承させたら、最高の傑作が生まれるのではないか、是非映画を一本撮ってほしい。
DVD『攻殻機動隊S.A.C.2nd GIG Official Log 2』(Amazon)
・攻殻機動隊PKIの26話セリフ詳細
公式ページあらすじ
菅野よう子 サントラCD『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX O.S.T.2』(Amazon) クライマックスのボーカル Ilaria Graziano " i do "収録。
◆06.2/4追記
・総集編を超えた劇場版クラスの『攻殻機動隊S.A.C. 2ndGIG Individual Eleven
 shamonさんの「ひねもすのたりの日々」レビュウ

当BlogのSAC記事
 ■『攻殻機動隊/S.A.C. 2nd GIG』 第15話-第20話 
 ■『攻殻機動隊/S.A.C. 2nd GIG』 第11話-第14話
 ■『攻殻機動隊/S.A.C. 2nd GIG』 第1話-第10話
 ■STAND ALONE COMPLEX 1-26
 ■J・D・サリンジャー「笑い男」と神山健治『攻殻機動隊 S.A.C.』

★★以下、ネタばれ注意★★

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2005.04.16

■神の目の獲得 Google Maps

google_satellite_NY_JFKspace_center

 Google Maps
 こんな凄いものがあったとは!! 既にあちこちで取り上げられている話題のように思いますが、Wired Newsをひさびさに覗いていて今日初めてこの凄さを知りました。記事→衛星写真がとらえた「思いがけないシーン」

 上記のGoogle Mapsのサイトへ行って、右上のSatelliteをクリックすると、マウスで選択した土地の衛星写真を拡大自由に表示できます。しかもその応答性が半端でないくらいに速い! アメリカの各都市、各州へ瞬時に視点を動かせます。
 最高解像度は引用した写真の通り。左がNYのエンパイヤステートビル、右がFLのケネディ宇宙センタの射場です。かなりはっきり観えます。住所検索もできるのでかなり便利。(実はハリウッドの「マルホランドドライブ」を探したのですが、見つかりませんでしたが、、、。) (しかし透かしでGoogleの名が入っているので、引用はまずいかも、、、。)

 これを神の視点究極映像と呼ばずしてなんとしましょう!!
 子供の頃に初めて行った科学館で航空写真に見入った記憶があります。その感動を思い出しました! グーグル偉い! 早く日本でもサービスしてほしいっ!! 
 僕が感動した科学館のは3D写真でした。いずれGoogleも3Dになる可能性もあるのかな。凄い時代です。

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2005.04.13

■福井晴敏『亡国のイージス』

『亡国のイージス』福井晴敏

 福井作品は『終戦のローレライ』しか読んでなかったので、2作目。

 重厚な人間ドラマと海上アクションをしっかり堪能できました。分厚いけれど、リーダビリティ最高です。如月行の幼少期からの描写と宮津艦長の自衛官としてのドラマが特に読ませます。特に如月の冒頭でのシチュエーションとか、艦長の息子との関係とかうまいなー。さすがにこの人物描写の冒頭のテンションは最後まで続くということではないようにも思ったけれど、、、、。特にヨンファについてはもう少し強い男として描いても良かったのではないか。ヒステリックというか悪役の類型になってしまっているようなところが、、、。でもその分、いそかぜがどうなるのかという物語のスリリングさが良いのだけれど。

 宮津の息子の書いた論文、ここは『終戦のローレライ』の浅倉に水面下で直結している。日本に関する分析として面白い。で、物語を追ううちにそれに対するアンチテーゼが言葉ではなく、如月と先任伍長仙石の行動を通して描かれる。ここも『終戦のローレライ』と通底する。アンチテーゼと勢いで書いてしまったけれど、アンチテーゼと言い切れない所が福井作品の魅力かもしれない。たぶんどっちにも作者は思い入れがある。これにより作品が重層に感じられるのが魅力なんだと思う。

 謎の兵器の描写もいい。「辺古野ディストラクション」というフィクションが現実の歴史にするっと割り込んできて、リアリティを得てしまうあたり、本当に舌をまきます。

 艦上でのアクションシーン。実は巨大な艦上を二人の人間が孤軍奮闘して走り回るシーンに、僕は『未来少年コナン』を思い出してしまった。如月コナンに仙石ダイスがギガントの上を走り回るって感じ(^^;)。そんな風に思うと、宮津息子の論文とか宮津艦長による東京に戦争を現出させる企てとかは押井守『パトレイバー2 the Movie』の柘植そのものですね。

◆関連リンク
・関連本『もうひとつの 「亡国のイージス」 オールアバウト・如月行』福井晴敏監修
・同『水平線の光の中、また逢えたら―another『亡国のイージス』ジョンヒ 静かなる姫 』
林の頁さんの海上自衛隊横須賀基地のレポート
 本書で活躍したターターミサイルのランチャー写真(ミサイル護衛艦「さわかぜ」搭載)が掲載されています。
Sankei Web 特集 「亡国のイージス」今夏公開 「【インタビュー】任務終え帰国 イージス艦「きりしま」艦長と先任伍長に聞く」という記事が面白い。現実の先任伍長が語っています。
・公式 こんなにしゃべってイージスBlog
亡国のイージス : HERALD ONLINE
goo 亡国のイージス Offcial WebSite
goo 亡国のイージス 映画 Offcial WebSite 映画予告編
 映画では、宮津は艦長ではなく副長。艦長が謀反を起こす話では、自衛隊の協力が取り付けられなかったのか?映画としてのなんらかの工夫か?

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2005.04.12

■新刊メモ 『逃亡くそたわけ』 『ローレライ全画コンテ』

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『逃亡くそたわけ』絲山 秋子(Amazon)
 タイトルのインパクトに魅かれました。今日の中日新聞のエッセイに取り上げられていて、凄く面白そうだったので。ちなみにうちの近所でも大馬鹿者のことは「どぇりゃあくそたわけやでいかんわー」と言います。

『映画「ローレライ」画コンテ集』樋口 真嗣(Amazon)
 これはほしいっ! 熱い画コンテです。
 
◆関連リンク
逃亡くそたわけ : 記者が選ぶ : コラム : 本よみうり堂 : Yomiuri On-Line (読売新聞).
絲山秋子ウェブサイト.

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■山田正紀 『神狩り 2 リッパー』

★究極映像研究所★: ■新刊メモ 山田正紀 『神狩り 2 リッパー』

 30年前に読んだ本の続編! 中学の時に神の言語とヴィトゲンシュタインの哲学に触れ、主人公達が強大な存在に挑む『神狩り』をワクワクして読んだ。そして30年後の自分が、またワクワクして続編を読めるのかどうか?

◆結論
 僕の答えは前半○(ワクワク)、後半うーんちょっとって感じ。ドイツを舞台にしている前半の緊密で硬質なイメージは良かった。が、後半の殺人事件から始まるミステリー調の部分、日本が舞台になったところから、登場人物の神への闘いのベクトルが弱くって、なんだか乗り切れない。前半のイメージ構築に比べると、パワー不足でだれた雰囲気がしてしまう。前作は60年代の反体制な臭いと切羽詰った山田正紀の青臭さが良かったのだけれど、今回はそうした雰囲気が現代を舞台にすると馴染まないからか、山田正紀自身の変化かわからないけれど、いずれにしても『神狩り』とは大きく違った読後感だった。

◆神について
 神についてのアプローチがいろいろ出てくるが、山田正紀はこういうものを神として描いたのかなと思った『神狩り』でぼんやりと浮かび上がってきた解釈が、今回はモロに出てきている。(詳しくは下記のネタばれ部分に書きます。) 『神狩り』では、それを言っちゃあおしまいよ、というある意味身も蓋もない解釈のギリギリ一歩手前で踏みとどまって、その周辺を描写して強大な敵のイメージを作り出していた部分が今回割りとあっさり語られてしまっている。しかしラストで、、、、、。
 ラストのイメージは好きです。何、あれ??と思ったけれど、でもなんか迫真なイメージが構築されている。SFにしか描けないイメージ。ここは山田正紀に「ブーメラン」(あとがき参照)が戻ってきた瞬間なんだな、と思った。

◆関連リンク
・山田正紀作品の分析をやられているページ 
神狩り 2 リッパー』山田正紀(Amazon)
山田正紀 - Wikipedia

★以下、ネタばれ★

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2005.04.10

■万博レポート チェコ共和国

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 お約束のチェコパビリオンを見てきました。場所は南の果てのグローバルコモン4。北からはキッコロ・ゴンドラで直行、降りたすぐ前で楽チンですが運賃600円なり。JRの往復切符(の復路)を持っていると400円に割引でお得。
 4/9(土)は始まってから最高の入場者(でも7.8万人)で、チェコ館も10分の待ち。
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 階段状になった木製の展示会場。展示物はどこかの科学館の音のコーナーに似ています。何故か音が出るものの展示。他の外国館によくある国紹介のパネル等はいっさいなくいっそ清々しています。(でもはっきり言って気合い入らな過ぎ。チェコ好きとしては宣伝しなきゃと思いますが、となりのハンガリーやベルギーの方が魅せます(^^;))
 映画週間についてアテンダントに尋ねると、あれは東京のどこかでやるのだとか、、、、残念!
 会場では人形の展示もなしで芸術的には寂しい。奥で映画上映をしていて、タイトルは不明だけれど、伝統工芸のガラス細工をガラスの人間が作っているというCG映画。人形アニメの伝統とCG技術の融合ということだと良いのだけれど、特にチェコらしくはなく、どっかで観たことのあるような映像。これは日替わりかどうか聞き忘れました。
 出口で配っていたのが、下のパンフ。ただでかなり立派で嬉しい。チェコの各州のガイドブックです。
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 チェコ料理のレストランでご飯を食べました。「クルイダ」というボヘミア山のクリームスープと、「ビール醸造家好みのビーフシチュー」。ちょっと高いけどここらじゃチェコ料理の食べれる所はないので、嬉しいでス。
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◆関連リンク
チェコ共和国の愛知万博ページ 
チェコの輪-BBS 万博のチェコ情報はここ。


★★あと写真を並べて簡単なコメントにします。自分の目でファーストコンタクトしたい方は、以下は見ないほうが良いですよ。

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■押井守監修 林弘幸演出
   DVD 『めざめの方舟』SPECIAL EDITION

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 万博の『めざめの方舟』ショップで購入したDVDの感想です。

◆結論
 3本の短編をまとめてひとつの大きなイメージが感じられる作品にまとまっている。
 冒頭とかラストでたぶんDVDオリジナルと思われる映像があるが、それが縦軸を構築しているように思える。はっきり言って、僕はこちらの方が好き。全体のイメージもだけれど、2本目の「百禽HYAKKIN(ひゃっきん)」は凄く良い。たぶんこの作品は、舞台装置によって盛り上げようとした万博版より、余分なものがそぎ落とされて映像としてのイメージ喚起力が上がっているのでないかな。今のところ、会場でしか買えないようだけれど、とにかくお薦め。この2本目は『イノセンス』の到達点の次の作品として認めることが出来るって感じ。(随分、あの作品からイメージを持ってきていますが、、、)

 DVDで100inchクラスのスクリーン+5.1chで観たら、会場行くより感動すると思えたのでした(営業妨害、すみません)。

◆万博は映像中心の方が合ってたかも
 周囲に立つ魚と鳥と犬、そして上空の汎。足元に並ぶモニタの同一の複数の映像。現在のこの万博の形態は本来の映像の持つ力を分散させているように思える。むしろこれらのオブジェ群はメイン会場の前室とした方がよかったのではないか。
 観客が入場すると、まず大森林の中にオブジェが立つ空間がひろがる。そして何もアナウンスされずオブジェと対峙する観客。無言の10分。
 そしてメイン会場はIMAXのように巨大なスクリーンで構成して、観客にこのDVDのようなひとつのストーリーらしきもののある映像を見せる。万博会場で舞台演出としてのイメージ構築が失敗しているように感じたので、あくまで映像作家としての手腕が発揮できるこの形態の方がインパクトがあるんでないかと、DVDを見ながら思った。(偉そうですんません)

◆DVD概要
 このDVDには現在万博で公開中の「靑鰉SHO-HO(しょうほう)」の他、今後公開予定の「百禽HYAKKIN(ひゃっきん)」、「狗奴KU-NU(くぬ)」の2本の映像が収録されている。DVDオリジナル映像も入っているとのこと。全34min。
 「靑鰉SHO-HO(しょうほう)」の万博公開版と比較すると、会場のスロープ周囲に投影されていた実写の魚の映像がかなり削られている(カクレクマノミもいない!)。主にディジタル編集とCGで描かれたシーン(アリーナに映されていた映像)中心で1本の短編として仕上げられている。

◆関連リンク
・当Blog記事  愛知万博 押井守『めざめの方舟 青鰉 SHO-HO』感想 『めざめの方舟』のリンク 体感型映像空間 『めざめの方舟』」]
・演出の林弘幸氏について。CGIディレクター、海亀事務所株式会社代表で、博覧会映像もいろいろと手がけてた方らしい。万博版では総合演出:押井守。演出:林弘幸ですが、本DVDでは監修:押井守。演出:林弘幸。DVDオリジナル部分は林弘幸氏のイメージかも??
『めざめの方舟』コンプリート版DVD(8/24発売らしい)

◆以下、ネタばれ詳細 (観る前には絶対読まないこと。)

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   DVD 『めざめの方舟』SPECIAL EDITION"

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■万博レポート 押井守総合演出『めざめの方舟 青鰉 SHO-HO』

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 万博に行ってきました。近いので勢いでパスポート購入、これからもいくつかレポートしたいと思いますが、まずはなんと言っても製作過程から追っかけていたパビリオン 夢見る山の『めざめの方舟』。現在上映中は、「青鰉【しょうほう】水の記憶」、魚ですね。これのスロープ視点での感想。

◆結論
 はっきり言ってがっかり。高い金使って遠方から来る押井ファンは気をつけましょう。押井守は全力投球してません(きっと)。私は『天使のたまご』と実写作品の前衛映画は受け付けない似非押井マニアですので、ある程度割り引いて読んでもらった方が良いけど、それにしてもラストの盛り上がりのなさは特筆すべき駄作。(ネット見ても明確に誰も言ってないので、書いときます。)(一番良かったのは大音響で川井憲次の音楽が聴けたことですね。)
 「夢見る山」のショップで売られていたDVD『めざめの方舟』も購入したので、観た後、またレポートしますがファーストインプレッションの結論はこんなところ。(DVD観ました。こっちは本日中にレポートしますが、かなり良いです)

◆関連リンク
当Blog記事 『めざめの方舟 青鰉 SHO-HO』アリーナ席版(アリーナ席の方が数段良い!!)
野良犬の塒さん: めざめの方舟 物販情報
『汎ちゃんの玉―2005年愛知万博「めざめの方舟」』でいず (著), 西尾 鉄也 (イラスト)(Amazon) 現在、品切れ。
【愛・地球博 体験レポート第2弾】押井守監督が演出する人気パビリオン『めざめの方舟』を体験(Movie Walker) 結構、こちらでは絶賛されています。んーー??
当Blog記事 押井守監督『めざめの方舟』のリンク
・『めざめの方舟』コンプリート版DVD
(8/24発売らしい)

★★以下ネタばれ含む詳細。

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2005.04.08

■万博入場者数

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 自分で行くのに余り混んでない時に行こうと思って、公式ページの発表から、いままでの動員数の動きをグラフで分析しました。
 土日は少し多いけれど、月曜が結構多い。きっと月曜休みの人たちが、月曜なら大丈夫だろうとこぞって出かけているのでしょう。

 で、私はこのグラフを描いて、今週末はまだ大丈夫と思って、4/9(土)に決行したわけですが、なんと今までの最高人数。7.8万人ということでたいしたことはないですが、まだ今週は花見もピークだし5,6万人台だろうと踏んだ私の予測はハズレ!
 最高人数記録のニュースで今日は再び6万人へ転落。うーん、皆んないかに混んでない時に行くか、実に真剣に考えているようです。

 4/9当日は予約や整理券が必要なものは軒並み、一時間以上待ち。外国館もメジャーなところは30-60分待ちがざらでした。
 会場内は混んでるところまでは行かないけれど、並んでいるところは少し歩きにくい程度。座りたい時にだいたい椅子は空いてたので、まだ序の口でしょう。夕方は、企業パビリオンでも整理券のいらないところは、JR,三菱等20分ほど並べば入れました。レポートは後ほど。

 どっちかってーと、落ち着いてアフリカや東欧関係を見て回ったのが、派手な企業パビリオンより楽しめました。パビリオンのアテンダントさんやショップの人と話すのがミニ海外旅行気分が味わえて楽しかったのでした。また、行こっと。

◆関連リンク
ぼすのできごとさんのあしたの愛知万博入場者数予想。毎日明日の予想をされています。けっこう当たっています。
チェコの輪-BBS 万博のチェコ情報はここ。

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2005.04.02

■ピクセラ ハイビジョンデジタルテレビキャプチャボード
    PIX-DTTV/P1W

digital_capture 株式会社ピクセラ--news(2005/03/31) --

日本初となるハイビジョン映像(HDコンテンツ)を録画・再生可能なデスクトップパソコン向けの地上デジタルテレビキャプチャボードを発表。
製品型番:PIX-DTTV/P1Wは、日本初、ARIB(社団法人電波産業会)の標準規格に準拠し、地上デジタル放送、BSデジタル放送、110度CSデジタル放送をハイビジョン映像のままパソコンで視聴、録画、再生することができるデスクトップパソコン用テレビキャプチャボードです。
なお、本製品は2005年第2四半期(2005年4~6月)よりOEMでの出荷を予定しています。
 ついにこういう製品が出てきました。これがあれば、ハードディスクを増設していくことで、ハイビジョン画質でたくさんの録画が可能になるわけです。僕はRecPOT M HVR-HD250Mで録画してますが、すぐディスクが満杯になって消すのに苦慮してたので、こういう製品が嬉しいです。にしてもOEMとのことなので、PCごと買い換えないととりあえず手に入らないのか、、、、??あーあ。
 AV Watchが記事にしてますが、今ひとつ要領をえない内容。ハイビジョンをそのまま録画できることも書かれていないし、現在PCで実現しているのはNECだけと書いてあったり、、、。VAIOの方が(ハイビジョンチューナーと組み合わせが必要だけれど)優れているのに。

ついにパソコンでハイビジョン録画の時代到来 - nikkeibp.jp - 柔らかいデジタル 開発者へのインタビューあり。詳細な仕様について説明があります。残念ながらムーブ機能はまだない。

「今後の最優先課題はムーブ機能への対応ですね」と野村香久営業部営業企画グループ課長代理は将来への夢を語る。こうした機能はソフトのアップデートだけでできるようになるはずだから、ユーザーは心配することはない。

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2005.04.01

■CSサイエンス・チャンネル「映像表現の科学」

 下のアンダーカバーを検索していて、2chのストレンジなアニメーションについて。Vol.5を覗いたら、こんな番組にアクセスできました。名無しシネマさん、ありがとう。

 「映像表現の科学」 イジー・バルタのインタビューや新作ゴーレムの映像の一部がReal Playerで、44分の番組が、CSサイエンス・チャンネルに加入しなくても、今すぐ観えます。(いつまで公開されているか不明)
 イジー・バルタの未完の大作『ゴーレム』の映像と一部製作風景が興味深い。完成版が早く観たい!!
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科学技術の進歩にともなって、多様な表現を手にしている映像の世界。
多くの科学者や映像作家たちのインタヴューを軸に、技術や視覚の働きによって成り立つ映像の仕組みや、それを表現の手段として使いこなす映像作家たちの姿を通して映像表現の本質にせまります。出演、ピータークーベルカ、イジイ・バルタほか。
出演者名・所属機関名および協力機関名
野村正人 東京農工大学 工学部 情報コミュニケーション工学科
廣瀬通孝 東京大学 先端科学技術研究センター
佐藤隆夫 東京大学 文学部 心理学教室
泰羅雅登 日本大学 医学部 第一生理学教室
相原信洋 学校法人瓜生学園 京都造形芸術大学
栗原康行 映像作家 監修 、日本映像学会会員

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 動画、映画、立体視のメカニズムについて科学的に解析されてます。アニメが動いて見えるのは下限運動のおかげとか、そういう話。

 またプラハのアニメ作家ミハル・ジャプカのインタビューと作品(下写真)、ウィーンの映像作家ピーター・クーベルカのインタビュー、相原信洋氏の作品も観えます。エンドクレジットにはレン・コーポレーション、チェスキーケー、東京写真美術館の森山朋絵氏らの名前があります。制作は千代田ソフトプランニング。

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 イジー・バルタが『ゴーレム』でトライしているCGについて語っています。「(CGは)特有の表現方法や美学を持っているはずだが、まだ閉ざされている。」『ゴーレム』で新たな地平を切り開いてもらいたいものです。で、いずれPIXERと組んで一大幻想映画を構築、なんて。
◆関連リンク

吉雄孝紀さんのヒグマ通信よりこの番組について。

ヨーロッパを飛び回って、イジー・バルタやピーター・クベルカを取材するという気合いの入りよう。なんたって登場するみなさんは、この道何十年のツワモノたちです。

ただし、みなさん一様に何処か憎めない愛嬌があって、それこそ「デジタル~」やら「CG~」の回りにいる代理店系のおじさんたちとはエライ違いなのです。そう、一言で言って、映画が、映像が、好きで好きでしょうがない映画バカオヤジたちなのが、画面から如実に伝わってくるのです。さしずめ映画バカのワールドカップ決勝戦ってところでしょうか。彼らの熱い語りを聞くだけでも一見の価値ありなのです。

『映像体験ミュージアム―イマジネーションの未来へ』森山 朋絵編集

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