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2005年5月

2005.05.31

■シオドア・スタージョン『ヴィーナス・プラスX』大久保譲訳

venus_plus_x
 国書刊行会の<未来の文学>第4弾スタージョン『ヴィーナス・プラスX』が4月に出た。上と下の写真は"VENUS PLUS X"で検索した各国のカバーだけど、僕は上の左二枚が凄く気に入った、小説のイメージとしては、三枚目の方が近いのですが、イラストとしては左二枚が良い。あと一番右のは論外。こんな小説ではないので、この画は忘れましょう(^^;)。

 ジェンダーSFというイメージが先行してあった本作だが、僕にはその側面よりもユートピアを描こうとした長編のように読めた。<未来の文学>で僕の読んだ3冊の中では一番好きな一冊になった。(ディッシュは相性が悪くまだ手に入れてません)
  この長編も最近続けて出た短編のいくつかと同じくリリカルなスタージョンが楽しめる。砂糖細工のような瞬間をトリミングしていくことによって描かれたユートピア。傑作『夢見る宝石』にはかなわないけれど、もっと人物が魅力的に描かれていれば、迫れたかも。

 ユートピアものとして読んでいった時、僕がどうしても思い出してしまったのが、宮崎駿の漫画『風の谷のナウシカ』。レダムが『風の谷のナウシカ』最終巻の7巻で墓所の手前で人間の文化を永遠に守る清浄なヒドラたちにオーバーラップしてしまった。そしてスタージョンも人工的な清浄に対するアンチテーゼをぼんやりとは描いているが、どちらかといえば、肯定的。宮崎のほうがグッと深みへ行っているように思われてならなかった。(それにしてもアニメでなく漫画版『ナウシカ』は凄いSFだ。一回ちゃんと何か感想を書いてみなきゃ。)
 
venus_plus_x02

◆関連リンク
・海外のサイト 単行本リスト 短編等掲載誌リスト (書影つき)
『ヴィーナス・プラスX』(Amazon)
この頃の乱読(読書感想)さんのレビュウ
Nomadic Noteさんの 『ヴィーナス・プラスX』(感想)
・濫読ひでさんの活字中毒者の小冒険 ヴィーナス・プラスX
・当Blog記事 スタージョン関連 新刊メモ『時間のかかる彫刻』 『夢みる宝石』
 <未来の文学>ジーン・ウルフ『ケルベロス第五の首』 イアン・ワトスン『エンベディング』

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■新日曜美術館 「建築・都市・ユートピア!実験建築の半世紀」

http://www.cybermetric.org/50/50_twisted_column.html ハイビジョンで録ってあった今年2月放映の「建築・都市・ユートピア!実験建築の半世紀」をやっと観た。
 これは六本木ヒルズの森美術館で開催されていたアーキラボを中心に紹介された番組。で、出てくる実験建築がなかなか嬉しい。まず一番僕が気に入ったのはこれ↓
ONL_acoustic_barrier
 オランダのカス・オーステルハイス_レナール Cockpit & Acoustic Barrier
 全体がひとつのコックピット形状である透明な防音壁兼自動車のショールーム。とにかくかっこいい。ただ遮蔽してしまって景色が見えなくなってしまう日本の道路公団の防音壁には、爪の垢でも煎じて飲んでもらいたいものである。
 公式ページから動画が観えます。が、これはかなりダサい。NHKの紹介映像の方が数段上でした。でも参考にリンク → 公式ページの ムービー1 ムービー2

kunsthaus
 オーストリアのグラーツにあるピーター・クックとコリン・フルニエのクンストハウス kunsthaus
 これ、美術館なのだけれど、凄いですね。一回、行ってみたいものです。このデザインは是非円谷英二か成田享に見せたかったと思うのは、ウルトラQ世代の私だけでしょうか。

 あと面白かったのは、仮想空間における建築というCGを利用した概念について。3D-CGによる架空の証券取引所で説明していたけれど、ウェブで建築がインターフェースとして使えるというのが、新鮮なコンセプトに思えた。確かにこれからの建築は現実の物体として現れなくても、電脳空間でもその機能を発揮して成立するわけだ。この捉え方は僕には目から鱗でした(既に自明だった??(^^;))。建築家がデザインした3D-CGのウェブインターフェースって既にどこかで稼動しているのだろうか。観てみたい。
 例えば、『イノセンス』の択捉-あのチャイニーズゴシック建築も、3Dデータとして開放すれば、探索とかネット通販の売り場(何を売るのか!!??)にするとか、いろいろな使い道があるわけである。確かに面白い。

◆関連リンク
・森美術館のページの展覧会一覧。ここからアーキラボの展覧内容が見えます。
・出演していた建築学者 五十嵐太郎氏のページ Twisted column 10+1 web site:Archives(世界の建築の写真)
けんちくヲタ日記 新日曜美術館「建築・都市・ユートピア!実験建築の半世紀」を見た

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2005.05.29

■めざめの方舟 映像一新 「百禽HYAKKIN(ひゃっきん)」

hyakkin第2章は鳥の目線 「夢みる山」めざめの方舟、映像一新 [CHUNICHI WEB PRESS]

 第2章「百禽HYAKKIN(ひゃっきん)」が公開開始したということで、中日新聞に押井守監督へのインタビューが出ました。

 -今回はどんな作品。
 スピード感があり、若い人を意識した。(略)

 -見る人には何を期待するか。
 (略)見ることより、見られていることを意識してほしい。人間は見せ物で、擬人像が観客。見ようとすればするほど、自分が見られることになる。

 -2カ月後にはまた第3章に変わる。
 1週間でもいいから3章全部を通してやりたいね。(略)

中日新聞 愛知万博 動画サイト
 『めざめの方舟』の解説を押井守自らが語っています。

 意味はわかんないでしょうね。まず観てほしいのは、おじさん。それから子供。

 ということで、今回の「百禽HYAKKIN(ひゃっきん)」はDVD『めざめの方舟』を家で観る限りでは3本のなかで一番なので、楽しみにして万博会場へ再び訪れたいと思っています。もちろん、アリーナ席で観ます。今度はどんな空間に仕上がっているか、楽しみです。
 上のインタビューにある3本の連続上映、是非実現してほしいものです。会場スタッフの悲鳴が聞こえてきそうな、気もしますが、、、。押井ファンの観客にとってはこれが実現するかどうかで万博にいつ行くかが決まるわけで、もし実現するなら、早く発表してほしいものです。

◆関連リンク
・制作会社デイズ スタッフの日記
『めざめの方舟』コンプリート版DVD(8/24発売らしい)
・当Blog記事 DVD『めざめの方舟』感想 『青鰉 SHO-HO』スロープ版感想 アリーナ版 リンク 体感型映像空間 「百禽HYAKKIN(ひゃっきん)」感想

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2005.05.28

■NHK技研公開2005 「スーパーハイビジョン」

 万博レポート スーパーハイビジョンv.s.レーザー ドリームシアターへの shamon さんのコメントを読んで、技研公開2005(5/26-29 at 世田谷)の内容をちょっと調べてみました。
SuperHivision_road_map
NHK、「放送技術研究所一般公開 2005」を開催(AV Watch)
20年後の本放送開始を目指す「スーパーハイビジョン」(AV Watch) (上の画像はここから引用)

 スーパーハイビジョンの実現スケジュール(ロードマップ)が示されています。2025年放送開始というのは気の遠くなるような未来に思えます。(が、実は年齢とともに年が過ぎるのは加速度的に速く感じるのでアッという間かも。時間よりそれまで生きていられるか、白内障は大丈夫かって方が重要になりそうです(^^;)。目の病気では究極映像研、廃業になるので真剣に怖いっす。)

NHK技研公開へのリンク いろいろ面白い技術が紹介されてます。
 ・ハイビジョン1080/60pシステム
 ・高精細触覚ディスプレイ
 ・メタデータ制作・活用技術
 ・電子ホログラフィによる立体表示技術
 ・スーパーハイビジョン放送の実現を目指した21GHz帯衛星伝送技術

◆レポート
 ・shamonさんのひねもすのたりの日々の記事

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2005.05.26

■池田宏監督『空飛ぶゆうれい船』

soratobu_yuureisenn  小黒祐一郎氏「懐かしの『空飛ぶゆうれい船』」(アニメスタイル)
 前編 ~社会派アニメとボアジュース~
 後編 ~リアルなメカ描写と「まんが映画」~

 クライマックスまでリアリズムで話が進み、最後の最後で、この世の本当の悪は、とらえどころない存在だという事が分かる構成になっている。

 本作のリアルなタッチについては、ゼロックスの積極的な使用に負うところも大きい。ゼロックスは『ホルス』でも使われた技術だ。それまでの作品では、動画の線をハンドトレスでなぞっていたわけだが、ゼロックスの導入で鉛筆の線をそのままセル画にコピーできるようになった。そのため、ハンドトレスではほぼ不可能だった機械の堅い線の描写や、緻密な描き込みが可能になったのだ。

 小学2年の時、学校の講堂で観た時のワクワクを久々に思い出しながらこのエッセイを読みました。『空飛ぶゆうれい船』は、僕の究極映像体験の原点近くに位置する作品(^^;)。

 もっとも小学生の時は、ボアジュースの耳につくCMの楽しさと、ハヤトの体験する冒険にワクワクしたのであって、宮崎駿の戦車の原画やボアとの決戦シーンに胸躍らせ、海の端正な作画に感心するのは、後年のことなのですが、、、。

 ところでアニメの評論について一言。これだけブロードバンドが進んできたので、アニメ評論で動画の引用というのは実現しないのだろうか。アニメスタイルの評論やインタビューがすごく良いので、ここにムービーで名シーンの引用があったら良いのにと思ってしまうのだけれど、、、。特に今回の『空飛ぶゆうれい船』のは、長文の評論でひとつの作品のレベルになっているので、戦車シーンの動画掲載くらいは、引用の範囲内で著作権的にOKのように思うけど、どうなんでしょ。自分でやってみるというのも有ですかねーー?(どうせゲリラだし(^^;))

◆関連リンク
DVD 『空飛ぶゆうれい船』(Amazon)
我が家のレーザーディスク 空飛ぶゆうれい船

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2005.05.25

■中島らも 『 ロカ 』

roka 中島らも 『ロカ』 (Amazon)

 昨年なくなった中島らもの絶筆。『酒気帯び車椅子』とは異なり、こちらは未完。主人公がとてもいい。世間に媚びず、わが道をゆく老作家の姿が気持ち良い一冊。ある意味ワンアイディアストーリーの『酒気帯び車椅子』に比べて、中島らもらしさ炸裂の傑作。

--------------- 以下 ネタばれ ----------------

 未完であるだけに最後、話が全く途中なのにスッパリ終わってしまうのが、悲しさを誘う。主人公の老作家小歩危ルカが若い恋人(未満)のククに会いに行こうとするところで本は突然終わる。その前にルカがギターにチューニングをするシーンがある。ここは何故だかくどいほどにチューニングを事細かに描写してあるのだけれど、まるで恋人に会いたいのになかなか会えない悪夢を見ているようなシーンになっている(結果的に)。

 そして絶筆。読者はこの主人公とともに、もう二度とククに会うことは出来ない。この余韻はまさしく悪夢だ。警官が突然出てきたところで終わるところまで含めて、図ったような夢の終了を思わせる終わり方になっている。主人公といっしょにククに恋をした我々読者はどうすればいいのか? この続きを読みたい !  これはククと中島らもが永遠になった瞬間なんだろう。

 大きな余韻を残して去っていく中島らも。ある意味、訃報を聞いたとき以上にジワジワと哀しみが広がっていきます。あらためて合掌。

◆関連リンク
・死の1週間前に書かれた本当の絶筆 「DECO-CHIN」
 (蒐集家ホラー競作集「異形コレクション」30巻目収録)

★以下、好きなシーン、言葉を引用。

続きを読む "■中島らも 『 ロカ 』"

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2005.05.24

■ソニー 業務向け小型ハイビジョンハンディカム HVR-A1J

HVR-A1J
ソニー、低価格HDVカメラの業務向けモデル
(AV Watch) -ラララ班・ヴァレンティーナさん経由
プレスリリース

◆比較 HVR-A1J v.s. HDR-HC1
 
プレスリリース等から下記比較してみました。これなら業務用ニーズでなければ、普及版HDR-HC1で良さそうですね。

同一性能
・動画解像度 1,440×1,080ドット
・センサ 単板CMOS 297万画素

HVR-A1Jのみの機能
・XLRタイプオーディオコネクター
・DVCAMフォーマット記録
・シャッター式レンズカバー内蔵レンズフード
・フルスキャン(全画素読み出し)モード
・シネマトーンガンマTM,シネフレームTM,ブラックストレッチ

HDR-HC1のみの機能
・静止画用のストロボフラッシュ
・自動電源OFF
・VAIO連動Click To DVD起動機能

◆関連リンク
HDR-HC1とHVR-A1Jの仕様比較表 (詳細はこちらを!)
・当Blog記事 ソニー 小型ハイビジョンハンディカムHDR-HC1発売!!

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2005.05.23

■触感と想像力 遠隔ニワトリ愛撫システム

touchimagination  触感を伝える技術の現在 - : Hotwired

 「これは過去に開発された中で初めての、人間と鳥とのインタラクション・システムだ」と、開発チームを率いるエイドリアン・デビッド・チェオク教授は語る。教授がこの技術の開発に携わるようになってほぼ2年がたつ。
 この技術の真の可能性は、遠隔触覚という構想の未来を切り拓き、いずれは人間同士の相互行為能力を大幅に強化することにある。
 チームは「インターネット・ハグ」の可能性を模索中で、人間用の最先端のハプティック・スーツの開発を計画している。このスーツは空気の詰まった小さな袋をたくさん備え、コンプレッサーとバルブを使って、抱きしめられる感覚を「忠実に」再現するものになる。

 もう、笑うしかないっすね。
 チュオク博士って、『悦楽共犯者』のファンかも。でなきゃ普通、ここでニワトリは使わんだろ(^^;)。
                    touchimagination_spiklenci_slasti
◆関連リンク
・ニワトリといえばここも傑作
  →服従ニワトリって悦楽共犯者っぽくない??(ゆらゆら大陸さん)

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2005.05.21

■栗本慎一郎『パンツを脱いだサル』

mystery_train  20年以上前の学生時代、日曜日の大学の研究室。研究室のラジオで「経済人類学」という聞きなれない言葉を語る学者の話をたまたま聞いた。学者がDJにリクエストした曲Mystery trainが静かな部屋に流れる。これが僕の栗本慎一郎とのファーストコンタクトであった。
 それから20年あまり、ずっとそのMystery trainに乗って、ブタペストから旅をはじめトランシルバニア、紀州、ナッシュビル、ついにはカザールという謎の帝国にたどり着いた。本書は東欧に存在したというカザールの物語である。

 似合わない感傷的な文章ではじめてしまったけれど、脳梗塞に倒れてもう刺激的な本は書かないのではないかと思っていた栗本慎一郎が『パンツをはいたサル』の完結編を書いたことがとても感慨深い。この本に書いてあることの真偽は僕には確かめようもない。
 んが、一編のフィクションとしてみた時になかなかのイメージ喚起力があることだけは否定できない。

 物語は地殻変動で陸が海に飲みこまれる670万年前の中近東ダナキル地塁からスタートする。陸から海に出ていかざるえなかった類人猿が我々ヒトの始祖となる。いわゆる水棲類人猿仮説なのだけれど、ここに経済人類学の過剰蕩尽理論を用いて、ヒトの本性がどう形付けられたのかが語られる。飛躍があってわかりにくくはあるが、大地が割れ海が侵入し山が火を噴くイメージがヒトの誕生の原初的イメージとして残っているという描写がいい(P59)。

 その人類が貨幣というパンツをはき、市場経済を発展させる。そして語られるマルクス主義の発生、ロシア革命、冷戦とその終結の物語。冷戦終結によって発生した浮遊貨幣5000兆円の「資金資本」という暴走自走するパンツが人類の終焉を招くのか、、、、。荒い論理展開に不満の声もあちこち(下記リンク)で聞かれるけれど、これもひとつの架空の人類史として読むと、そのダイナミズムにはワクワクする。オラフ・ステープルドン『最後にして最初の人類』を思い出させるセンス・オブ・ワンダーがあると思った。(陰謀史観部分は軽く読み飛ばしましょう(^^;))

 そして何故か付け加えられたビートルズについての一章。
 ここは僕はふたつの読み方が出来ると思う。ひとつは深刻な話をした時のクリシンのいつもの表面の冗談と諧謔の一種。(誰が壮大な人類史を語った後に真面目にビートルズをけなす文章を加えるか?これによる効果は狙ってやっているはず。だってここで触れる本はあの胡散臭いウィルソン・ブライアン キイの『メディア・セックス』なんだから。いつも彼の本はこう。だからヒトは安心してこの本を批判できる)。

 そしてもうひとつが栗本の学生時代への郷愁。P228にある戸田勝義のくだりにあるなんとも言えない心の襞に触れている文章である。栗本妻の兄って、こういう人だったのですね。これは本では初めて書かれたのではないだろうか。そして吐露される栗本のヒトの革新への想い。結局ヒトは若い日の幻影をしょっているものなんだな、っていう感慨と、この人の本のコアにいつもあるこの想いを再び読めたことが感慨深かった。

kurishinn_at_transilvania
                    『血と薔薇のフォークロア』よりトランシルヴァニアの栗本

 アーサー・ケストラーが『第13氏族』を書いて死んだように、この本が栗本の遺書にならないことを祈るばかりである。もっとも『光の都市 闇の都市』の頃から、「これは、私の遺書である。ブタペストとトランシルヴァニアに二日後に出発せねばならぬ時に書いている。つまり、"いしょ"がしいときに書いているということだが、それだけではない」なんて言いつづけている人だから、きっと大丈夫でしょう。『カフカスの短剣』も是非読みたいし、まだ隠して書いていないと著作で述べていた近江とか紀州をキイワードにした日本の根源の話(『シリウスの都 飛鳥-日本古代王権の経済人類学的研究』がそれになるのか?)も書いてほしいものである。

◆関連リンク
日々の雑感(tach雑記帳はてな版)さん 詳細紹介
・donaldさんの千種通信
2ch 哲学板 パンツを脱いだサル
 2chにしては真面目な議論になってますが、浅田彰ははっきり言ってどうでもいいので、もっとこの本のことを語ってほしい。
・Amazonリンク 栗本慎一郎『パンツを脱いだサル』 栗本慎一郎本 マイケル・ポランニー
たちばな出版|近刊案内 『シリウスの都 飛鳥 日本古代王権の経済人類学的研究』 栗本慎一郎著(四六ハード05年7月\2,100)

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■DVDメモ 谷口千吉総監督 『公式長編記録映画 日本万国博』

DVD_expo70公式長編記録映画 日本万国博(Geneon公式ページ)

直接製作費3億4千万円、のべ参加スタッフ数1万8千名、使用フィルム尺10万メートル。黄金色に輝く円型の頭部が太陽の塔の胴体に装着される大迫力のトップシーンから、観る者は一気に、まるで万博会場に立ち会っているかのような臨場感と興奮にひきずりこまれる。

■1971年度劇場公開作品
■文部省特選(成人向、青年向、少年向、家庭向)
■1971年度 日本映画興行成績ランキング第1位
総監督:谷口千吉「銀嶺の果て」「暁の脱走」
音楽:間宮芳生「太陽の王子 ホルスの大冒険」「火垂るの墓」
ナレーター:石坂浩二・竹下典子
封入特典(予定)
●カラー8P解説書(万博会場マップ再録掲載)
●万博ポストカード3枚セット

 このDVD、いいですね。「万博会場に立ち会っているかのような臨場感」っていうのが特に。
 当時撮られて編集された記録フィルムなので、熱気とか70年代の空気を表現しているのでしょうね。総監督の谷口千吉って、黒澤明関連の本でよく名前を見る監督なのですが(『銀嶺の果て』,『暁の脱走』とかが黒澤脚本・谷口監督)、実は未見。調べてみるとこの作品が遺作のようですね。
 ところで愛知万博の公式記録映画は誰が撮るのでしょうか。ワールドカップは公式映画ではないけれど、岩井俊二の『六月の勝利の歌を忘れない』がありました。愛地球博を岩井俊二のカメラで観てみたい気もしますが、もっともそんな映画に割く時間があるならもっと劇映画の本数を増やしてほしい気もします、、、。
◆関連リンク
『公式長編記録映画 日本万国博』 (Amazon)
『プロジェクトX 挑戦者たち 第VIII期 大阪万博 史上最大の警備作戦』 (Amazon)
・この映画の照明を担当された古市義人の記述。この映画の準備中に亡くなった照明マンの父 古市良三氏について書かれています。

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2005.05.15

■万博レポート 映像パビリオン アラカルト

 究極映像研究所の「究極映像」とは、もともとハイ・イメージ論Ⅰで筑波万博富士通パビリオン「ザ・ユニバース」の3D-CG映像を吉本隆明が評した言葉からとっている。大阪花博の「ザ・ユニバース2」と合わせて、この立体3D-CG映像は、万博映像としておそらく最高峰だと思う。

 赤青フィルタのメガネ(または偏光メガネ)をかけて、あの立体3D-CG映像を観た時の興奮は今だ忘れることができない。眼の前に広がる無限の空間で鳴動する水分子の映像。どこでも観たことのない映像の異空間。僕が万博映像に期待するのは、ハリウッドの映画が描くエンターテインメントの宇宙冒険でも幻想的なファンタジーの映像でもなく、純粋に映像そのものによってどこでもない空間に観客を連れ去るようなそんな高次映像-究極映像である。

 以下、今までに観た愛知万博の各映像系パビリオンについて、簡単にコメントします。
 んで、結論は今回の万博では究極映像の「究」の字も観ることはできません(^^;)。いずれもエンターテインメントとしては、まあ楽しいかな、ってくらいで、ぶったまげるような映像には出会えていません。子供だましと呼んでいいかも。あと残すのはいくつかのパビリオンだけですが、ほぼ諦めムード漂う究極映像研(^^;)です。残念。
 「ザ・ユニバース3」があったら10回は観に行ったのに、、、。富士通の景気さえ良ければ、、、残念。

三井・東芝館 『グランオデッセイ
 面白いのはシアター入場前に参加者の一人づつが顔の写真を撮り、それをCG画像として撮り込んで作品の中に登場させていること。僕は戦闘チーム「ガーディアン」のリーダーでした。そのまんまジャパニーズなこの顔がハリウッドエンターテインメントなカッコイイ戦闘パイロットを演じている画面は違和感のかたまりでした(^^;)。
 ストーリーはSF。よくある人類が移住した先から地球へ戻ってくるという設定。デザインとか纏まってはいるけれど、あまりにパターンな展開がつまらん。
 映像は十数人の各ブースごとに150インチほどの画面。東芝なので自社製のDLPプロジェクタ使用かも。ハイビジョン画質のフルCGでした。これも可もなく不可もなく。ただラストでブースの仕切りが開いて、スクリーンがとなりのブースとつながって広がる趣向はそれなりに良かったのでした。
  『グランオデッセイオフィシャルアートブック―Nikkei characters presents』

菱未来館@earth 『もしも月がなかったら』
 米国天体物理学者 ニール・F・カミンズの『もしも月がなかったら』を基にした映像。
 IFXシアターということで、途中までは普通の大画面映像、後半で幕が開くと鏡をうまく使用し映像とそれを反射して広がりを出した華やかな空間を演出していた。そこのところはなかなか良かった。

JR東海 超伝導リニア館
 映像としては、偏光メガネをかけて観る大画面立体3Dハイビジョン。
 なかなかの迫力なのだけれど、コンテンツが単調すぎる。ただ超伝導リニアの走行風景を繰り返すばかり。迫力ある音楽がバックにかかり、鉄道オタクはあれだけで満足かもしれないが、、、。
 展示としては、僕が万博で最もテクノロジーにワクワクしたのがここ。リニアの技術に技術屋として痺れました。
 時速581kmという速度は約マッハ0.5。ジャンボ機が時速930kmということでマッハ0.8。ほとんど飛行機のスピード。しかもリニアは磁石により約10cm浮上しているので、ほとんど地面を飛ぶ飛行機ということになります。浮上する時に支持脚/案内脚装置というのがまるで飛行機の車輪のように引き上げられる映像が離陸のようでかっこいい。
 技術としては「ビスマス系高温超電導線材」を使用して、超伝導を冷凍機のみで(液体窒素を用いないで)作り出す技術(これはまだリニアに実装はされていない)が紹介されていた。浮上するための磁気の方式もいろいろと工夫がされていてメカニズムが面白い。
 この技術のワクワク感が映像に反映されていたら良かったのに。たとえば映像で飛行機との速度比較を見せるとか。とかく環境技術のみがクローズアップされている今回の万博だけど、少年達はこういう技術に痺れると思うけどな。

◆グローバル・ハウス オレンジホール
 立体大型映像装置・電脳屏風スクリーンによるソンマ・ベスビアーナ遺跡の復元
 遺跡の像のとなりでひっそりと上映されている約3分の展示おまけ映像。14名限定で偏光メガネ式CG立体映像を会場の片隅で約50インチのスクリーンで観る。CGはベスビオス火山の噴火で灰に埋もれる街。CG的には少し前の時代の映像で古い感じ。ここでの展示装置が他と異なるのは、スクリーンの形が屏風型(世界初!)になっている点。スクリーンがフラットではなく、W字型になっている。で、その効果は、、、、少し立体感が増したよーーな気がする。

◆夢見る山 NGK ウォーターラボ シアター
 シアター前方にライブステージを設け、実像(ドク・ウォーターを演じるアクター)と偏光メガネ式立体映像を組み合わせたパフォーマンス。USJのターミネータとかと似た方式。
 子供づれで行くなら、たいしたことのない上の各映像よりこちらがお薦めかも。単純に楽しいです。ならばずに観えるし。

◆夢見る山 押井守総合演出 『めざめの方舟 青鰉 SHO-HO』 別記事→スロープ版 アリーナ版
NHK スーパーハイビジョンシアター
SONY レーザードリームシアター この2つは別記事

◆関連リンク
『ハイ・イメージ論〈1〉』吉本隆明(Amazon)

 現在の高度な世界都市のなかに、偶然にまたは設計してつくられた高次映像の場所は、いわば究極映像のほうから逆に照射されたとき、それに呼応できる場所を意味している。

・富士通『ユニバース』リンク集。システム構成等画面写真付き紹介赤青フィルタメガネ
 注意!!  幕張の富士通ドームシアターは2002年9月に休館されて今は観えません。

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■万博レポート スーパーハイビジョンv.s.レーザー ドリームシアター

 グローバル・ハウスのブルーコースとオレンジコースで、スーパーハイビジョンとレーザードリームシアターを見比べてきました。結果はスーパーハイビジョンの圧勝。

SONY レーザードリームシアター
 スクリーン 幅50m×高さ10m
 解像度(1920×1080)×3=約600万画素。 フルHDを横に3つ並べたもの

 はっきり言ってSONYのはスクリーンがでかいだけで映像はただのハイビジョン。期待したレーザーの鮮明だと言われる画像も特に通常のDLPプロジェクタを凌ぐようには観えなかった。とにかく画面はでかいが、解像度がよくない。あれなら名古屋港水族館でIMAXを観た方が良い。加えて3台のGXLプロジェクタを横に繋げているのだけれど、つなぎ目が明らかにわかる。約5-60cmの幅で特に暗いシーンではつなぎ目が一段白くなっていて誰の目にもわかる。そのつなぎ目だけ明度を落とすとかそのくらいの工夫は出来なかったのかと残念。

NHK スーパーハイビジョンシアター
 スクリーン 幅13m×高さ7m
 解像度7680×4,320=約3300万画素。

 こちらは解像度が素晴らしい。目をこらしてもまったくひとつづつのピクセルがわからない。四角のスクリーンで切り出されているから映像だと認識されるけれど、これが視野全部を覆っていたら映像とはわからないかも。ちなみに手でわっかを作って外の四角い枠を手で覆うとほとんど肉眼で現実を観てるような感覚になりました。
 ただコンテンツが寂しい。まず映されるのが朝霧につつまれる富士山とかぼんやりした映像。ここはくっきりした青空とかをドーンと映して観客席に「おぉー綺麗」というどよめきを作ってほしかったところ。会場に入る前にスーパーハイビジョンで撮られた観客自身の姿はさすがにはっきりしてましたが、、、。
 うわさに違わぬ高細精画像に息を飲みました。

 万博ではグローバル・ハウスの整理券は、その会場の前で随時配られており、ほとんど待たずに手に入れられるので、お勧めです。
 ブルーとオレンジを選択できるけれど、だんぜんNHKスーパーハイビジョンがあるオレンジがお薦め。「月の石とアポロ宇宙服」「ディファレンスエンジン(複製)」「類人猿ルーシー(複製)」「八谷和彦氏のOPENSKYプロジェクト 風の谷のナウシカのメーベ」とかも観えますから。

◆関連リンク
・当Blog記事 ■万博 NHK『スーパーハイビジョンシアター』
・同       ■ソニー 2005型スクリーン レーザー ドリームシアター
【レポート】愛知万博 - 開幕1週間前、万博の目玉が次々公開される (MYCOM PC WEB)

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■万博レポート
   押井守総合演出『めざめの方舟 青鰉 SHO-HO』アリーナ席版

pann_change  2回目を観てきました。前回はスロープ席で観たのだけど、今度はアリーナ席。
 前回、かなりがっかりのだけれど、アリーナからの方がずっと良かった。足元にはプラズマディスプレイの列。まわりに青鰉【しょうほう】の像が数十体ならび我々を見下ろす。そして上を見上げるとの巨大な姿とそのまわりに3つの卵型スクリーン
 前回のスロープからは全体は俯瞰できるが、この見下ろされている圧迫感みたいなものが全く感じられなかった。本来アリーナ席での体感を狙って作られた空間であることを実感。

 で、前回の感想を、若干、修正。
 アリーナ視点で一番良かったのは、卵型スクリーンの魚の目玉に睨まれた時の感覚。3つの目がを中心においてギロリと我々を見下ろす。天の視線。ある意味、神の視線のように感じられる。魚の目の無感情なところ、そして汎の無表情が威圧感をもって迫ってくるのが、なかなかの迫力。
 足元のプラズマディスプレイの映像は、今回もそれほど良くない。ディスプレイ間の太い構造材が目立ちすぎて映像の中にいる感覚がほとんどしないのが問題だろう。次回の万博(何年先!?)ではここをクリアできる新素材が登場するのを期待したい。
 本来は上に魚の神の視線を感じ、自分の足元にさらに一階層したの生命体を体感させていたら、グッときたような気がする。

 いずれにしても、結論は『めざめの方舟』は是非アリーナで観るべきだ、ということ。観る位置はの正面側から卵形スクリーンが3つとも観える位置をお薦め。
 今回、2時くらいにガラガラだった「夢見る山」前の整理券配布場所で、「アリーナ席を」とお願いすれば、即1時間後の券を入手できたので、ご参考まで。

◆関連リンク
当Blog 押井守総合演出『めざめの方舟 青鰉 SHO-HO』 スロープ版
『めざめの方舟』コンプリート版DVD(8/24発売らしい)

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2005.05.08

■星護監督 『笑の大学』(三谷幸喜脚本)

公式ページ 笑の大学
 DVDで観ました。 以前に西村雅彦と近藤芳正による芝居をVTRで観たことがあったので、どうしてもそれと比較してしまいます。原作・脚本の三谷幸喜は公式ページで下記のように語っています。

正直言いますと「笑の大学」は舞台でやるから面白いと思っていました。それによく「舞台の映画化は面白くない!!」と言われるじゃないですか。さらに、「笑の大学」は舞台をご覧になられた方はご存じかと思いますが、二人芝居。そう言った意味でも映画化するなんて難しいと思っていたんです。
ところが映画化してみると舞台とは違った面白さがありました。それもこれも、星監督だからこそこんなに素晴らしい映画になったんだと思います。

 星護監督は、『古畑任三郎』『僕の生きる道』の監督。この作品については三谷幸喜の希望でこの監督起用となったらしい。
 で、僕の結論は、やはり芝居の方が面白かった。映画もそれなりによかったのですが、芝居でこそ立ち表れるあの独特の雰囲気がこの作品には似合っているんだろうな、と思います。演出とか役者の違いも影響しているのでしょうが、、、、。芝居版もDVDを出せば良いのに、、、。→★出ました!! DVD『舞台版 笑の大学』

 この作品、「笑いの大学」であるとともに、「シナリオの大学」でもあります。喜劇脚本がどう構築されていくかというプロセスがとても楽しくみえます。笑えて、しかも三谷のシナリオ作りの一端が垣間見えるという一粒で二度おいしい作品。

◆関連リンク
フジテレビ 笑の大学 オフィシャルグッズ FUJITV WEB SHOP
・重岡由美子氏のプロデューサー日記(cocologにあったんですね)
龍の目さんの演劇版笑の大学」の記事)
DVD『笑の大学 スペシャル・エディション(Amazon)
DVD『笑の大学 スタンダード・エディション(Amazon)
『「笑の大学」の創り方』(Amazon)
・「椿一のモデルはエノケンの笑の王国の座付作家 菊谷栄

 以下、ネタばれ注意です。

続きを読む "■星護監督 『笑の大学』(三谷幸喜脚本)"

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2005.05.05

■ピニンファリーナ バードケージ 75th
   PININFARINA Birdcage 75th

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 遠くにありてにっぽん人「21世紀・夢の車を作りたい・イタリア・奥山清行」(NHK衛星第2)という番組で観たイタリアのカーデザインの名門ピニンファリーナの21世紀の車。このデザインをまとめたのが、奥山氏。

 2005.3のジュネーブモーターショーで公開されたものなので、ニュースでなく旧聞に属しますが、番組でのカーデザインのプロセスの紹介がなかなかクールだったのと未来的なデザインに痺れたのでご紹介。ちなみに上の写真の右がフロントです。

 ジュネーブモーターショー2005レポート

 ピニンファリーナは1954年に初めてMaserati A6 GCSコンセプトモデルのデザインを開始して以来75番目の記念すべきアドバンスモデルとしてバードケージをジュネーブショーで公開した。 ベースとなったのは、このところ強い絆となっているマセラティのロードゴーイングモデルであるマセラティMC12。全長×全幅×全高:4656×2020×1090mm、ホイールベース2800mm、トレッド前後1660/1650mm、車重150kg,これに前275/30R20、後295/35R22タイヤを履く。まさに地をはうスポーツカー。

 番組はピニンファリーナチーフ・クリエイティブ・ディレクターであるケン奥山(奥山清行)氏とそのデザインチームの半年の取り組みを丹念に追っている。通常、ショーモデルとは言え、こうした過程は企業秘密として取材など考えられないのだろうけれど、NHKはデザインのディスカスの生の声も紹介している。結構画期的なルポではないかと思う。特に若手デザイナーのジェイソン・カストリオーラのスケッチからこの車のコンセプトが固まっていくところ、ボディサイドのラインの高さの5mmにこだわって奥山氏とカストリオーラのやりとりとか、とてもスリリング。
MODULO その奥山氏が万博で子供時代に見て未来を感じたというのが、ピニンファリーナのFerrari 512S Modulo(左写真)。山形県の奥山少年がこういう未来にインパクトを受けてカーデザインの道で世界的に活躍している。万博の役割のひとつがこの未来の提示なんだろうな。これ、いい番組でした。『プロジェクトX』は技術のサクセスストーリーが多いのだけれど、デザインの現場のこうしたルポも新鮮でいい!

★追記(05.06)
 愛知万博のイタリア館のすみに、このバードケージ 75thの模型がひっそりと飾られています。かなり小さいので寂しい展示ですが、一応ご紹介。
 イタリア館のメイン展示のひとつは、チョコレートでコーティングされたフィアットだけど、どうせなら日本人デザインのこのバードゲージの実物をドーンと展示してほしかった。生で観たい。

◆関連リンク
・ピニンファリーナ pininfarina 公式ページ ジュネーブショーの「ベストコンセプト賞」受賞プレスリリース
・番組の協力としてクレジットされていたCARSTYLING 誌の最新号にこの車のデザインの記事。一部デッサン画がウェブで見えます。
『ピニンファリーナの60年』ピニンファリーナ出版部, 塚崎 文雄(Amazon)
・奥山清行の紹介記事 山形県メールマガジン ピニンファリーナにクリエイティブ・ディレクターとして復帰のニュース
【ジュネーブモーターショー05】ピニンファリーナのコンセプト、バードケージ75(response記事)
・BS-hiでも少し違うタイトルで同様の番組が放映されたらしい。Radical Imaginationさんの「デザインルームの6ヶ月—イタリア・スーパーカー誕生」。こちらは一時間半の番組だったようです。ハイビジョンの画像でこの車のなまめかしいボディ形状を堪能したかったです。

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2005.05.03

■古川日出男 『ベルカ、吠えないのか?』

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 最近新刊が出ると即購入するお気に入りの古川日出男なのだけれど、この『ベルカ、吠えないのか?』は難易度が高い。どう感想書こうか、迷いつつキーボードに向かっています。
 つまり手放しで面白い!!って感じでは全くない。犬を通じた近現代史でいくつかのエピソードが犬の系譜にそって系統的に描かれている。各エピソードは面白いし、あきらかに文体的に現在をきりとる実験をしているのはわかるしそれは成功しているのだけれど、、、、。この読後感のザラっとした後味の悪さは何なのだろう。とても古川日出男を初めて読む人には薦められません。
 はっきり言って、今回、何が書きたかったか私の鈍いセンサでは感知できてません。文体的には『ボディ・アンド・ソウル』の延長上、ザラっとした読後感はこのせいも大きいと思うが、いったいこの小説は何なんだろう、というのが正直な感想。

1943年・アリューシャン列島。アッツ島の守備隊が全滅した日本軍は、キスカ島からの全軍撤退を敢行。島には「北」「正勇」「勝」「エクスプロージョン」の4頭の軍用犬だけが残された。そこから「イヌによる近現代史」が始まった!

★★ネタばれ、注意★★

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