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2005.11.20

■1/24秒に命を吹き込む・人形アニメーション作家川本喜八郎の世界

 NHK・BShi ハイビジョン特集
 「1/24秒に命を吹き込む・人形アニメーション作家川本喜八郎の世界

 番組は、川本監督の最新作となる映画『死者の書』の製作を、一年に渡り追ったドキュメンタリーです。カメラは撮影スタジオや監督の工房を取材、人形の製作から、美術セットや大道具の搬入、カメラや照明のセッティング、そして人形のアニメートまで、映画製作の裏舞台に迫ります。
 さらに、川本監督がその芸術において一貫して追い続けてきたテーマである「執心と解脱」、それを表現し得る人形アニメーションの奥深さを掘り下げ、その集大成となる映画『死者の書』にかける監督の想いに迫ります。川本監督の情熱と映画『死者の書』が描き出す世界が、きっと垣間見えるでしょう!

■人形アニメのドキュメンタリーとしての素晴らしさ
 かなり前の番組なのだけれど、録画してあったのをようやく観ました。
 番組は、丹念に『死者の書』の制作風景をドキュメントしていて、川本アニメの記録としては素晴らしいものとなっています。制作風景も当然ハイビジョンで撮られており、人形制作のディテールからアニメートの詳細まで、細部がまるで目の前にあるかのように視聴者に迫ってきます。(シュヴァンクマイエルファンとしては、これと同様のアプローチでチェコで映画制作の記録を残してもらいたいと切望。)
 若いアニメータを指導しながら、モブシーンの共同作業を進めるところなどは、今後のクリエータにとても参考になるのではないか、と思いました。集大成として作られた『死者の書』の場面もいろいろと観られて、ファンにはたまらない番組に仕上がっています。

■人形のアニメート
 しかし実は川本アニメをそれほど好きでない僕には、何故好きでないかの理由が、ひとつ、わかったような気がする内容がありました。(ファンの人には、以下申し訳ない表現かも。)EMI_OSHIKATSU_by_MASAAKI_MORI
 というのは、恵美押勝の人形の森まさあきによるアニメートの場面(右写真)。このシーンが素晴らしい。声の江守徹もいいのだけれど、人形の表情のアニメートが素晴らしい。
 川本アニメートと比較すると、何が違うかというと、目の動き。通常の川本アニメートは目玉が動くことがなく、顔の表情は向きとか首ごとすげ替えることで表現されている。しかし森まさあきアニメートは、この目玉が表情に合わせて動くのだ。そのひとコマづつの動かし方も番組でやっていたが、爪楊枝のようなものを目玉に入れてグルリとやると、動く仕組みになっている。これにより人形が獲得する存在感がなかなか凄い。
 ここで川本アニメを想いだしてみると、人形の表情がどうしても平板な印象を残してるような気がしてくる。もしかすると僕が、NHKの三国誌とかで川本氏の人形のイメージがどうしても固定されてしまった世代なのが、原因なのかもしれない。
 その先入観でちゃんと川本作品を観ていないので反省。一度、しっかり観てから本来こういうことは書くべきですね。『死者の書』を通して観てみる必要がありそうです。

◆関連リンク
川本喜八郎と人形アニメーション ―立ち止まってアニメーションを考える…―
多摩美術大学 「死者の書」の制作風景を公開
川本喜八郎 Official Web Site 死者の書制作日記
森まさあき Works (フィルモグラフィー)

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コメント

 SACさん、こんばんは。
 情報、ありがとうございます。もうすぐオープンなのですね。まだずっと先だと思ってたのですが、月日がたつのは早いです。

>>飯田市川本喜八郎人形美術館の開館前スペシャルイベントとして、「アニメーションとトークを楽しむ夕べ」が開催されます。
日時:平成19年2月23日19:00から

 なんと金曜の夕方。
 これ、飯田周辺住民しか参加できないイベントですね。生高畑氏を見る貴重な機会なのに、、、(^^;)。

投稿: BP | 2007.02.15 00:18

"ややこしく"なりそうだったので、僕は(行動に規制をかけられたわけではないのですが)あまり「関わり」を持たないようにしていた"話題の一つ"がいよいよ3/25(日)のOPENに向けて着実に動いております。

【川本喜八郎人形美術館の開館前スペシャルイベントのお知らせ】
飯田市川本喜八郎人形美術館の開館前スペシャルイベントとして、「アニメーションとトークを楽しむ夕べ」が開催されます。
日時:平成19年2月23日19:00から
場所:飯田文化会館(飯田市高羽町5-5-1、TEL0265-23-3552)
内容:
第1部アニメーション上映(19:00~20:15)
「セルフポートレート」(1988年、1分、監督:川本喜八郎)
「パンダコパンダ雨ふりサーカスの巻」(1973年、38分、監督:高畑勲)
「不射之射」(1988年、25分、監督:川本喜八郎)
第2部(20:30~21:30)
川本喜八郎トークショー
ゲスト:高畑勲
テーマ「アニメーションと日本文化」
チケット:一般1,000円、高校生以下500円(川本美術館のプレミアムチケット400円相当付き)
http://ikpm.exblog.jp/6473307

投稿: SAC | 2007.02.13 13:05

>>後援会本部(最年少=パシリ)事務局員なので微妙な「立場」なんです(-_-;)

 ありゃりゃ、なんだかややこしい雰囲気ですね。僕もわりと会社でいらぬことまで文句言って、エネルギを浪費することがありますが、こればっかは性分で言いたい時はあるものなのですね。ぐわんばってください。

投稿: BP | 2006.05.29 23:38

えーと、僕が知る限りはかなり前から07年春OPENでしたよ。でも、BPさんが言われる通り、当初は建築完成と同時の06年秋OPENがインフォメーションされていたかも?(i市役所のこういうとこが許せんのですよ)
実は今夜もそのこと(K美術館)のことも含め、「圧力団体(現市長後援会青年部)」の方々とお話してきたんです(^_^;)※因みに僕は何の因果か「マッポの手先」ならぬ、後援会本部(最年少=パシリ)事務局員なので微妙な「立場」なんです(-_-;)
彼らから言わせると「混乱させる元凶」のような存在な僕ですが、利益誘導や勝ち負けでやっているつもりは毛頭ないし、「ここは田舎だから」という発言には容赦なく鉄槌を食らわせ(反論し)、「コイツ生意気」と思って頂ければ、今夜もいい討論できてるじゃないの、と。
正義感振り回すだけの政治なんて興味ないし、大衆迎合の政治手法も問題山積みな地方自治体にはそぐわないし、「バブル世代の40代の意識改革次第なんじゃないの?」と(下の世代なんで)挑発して参りました。世代間で「熱い」ものが共有できれば地域社会も変われるかなぁ、と。
ま、僕はケンカ売るのが根っから好きなだけなんですけどね。

投稿: SAC | 2006.05.29 01:18

 SACさん、またまた情報、ありがとうございます。さっそく眺めてきました。人形は『三国史』と『平家物語』なのですね。

 あれ、OPENって、07年春に変更になってますね。準備が遅れているのでしょうか。

投稿: BP | 2006.05.28 21:57

追加情報です。
既にご覧になられたかもしれませんが、「川本喜八郎人形美術館HP」が更新され、展示される人形の情報も公表されました。
現在、建築工事は順調に進み、これから本格的に内装・外構工事に入ります。
http://www.city.iida.nagano.jp/puppet/kawamoto/

投稿: SAC | 2006.05.28 18:06

丁寧なアドバイスありがとうございます。
早速(たぶん今週)、市の担当者に会って参ります。
(BPさんにi市のことを忘れられないように)また状況を報告致しますね。

投稿: SAC | 2006.04.24 23:59

SACさん、おはようございます。コメント、ありがとうございます。情報ソース、よくわかりました。

>>食玩に限らずなのですが、多くの方が何回も美術館及び飯田市に訪れてくれるための
>>「仕掛け」として『ミュージアム限定グッズ』をセンス良く、販売して欲しいんです
>>よねぇ。
>>近いうちに市の担当者の方とお会いし、意見交換ができるようですので、アドバイス
>>を是非お願いします。

 自分が何回も足を運ぶとしたら、と考えて正直に書きますと、残念ながら「川本喜八郎」だけでは一回だけになりそう(^^;)。上の記事にも書きましたように、僕は熱心なファンというわけではないので、、、、。じゃあどんな企画があれば何回も行くか、といいますと、川本氏にちなんだ企画(若い頃に修行されたのがチェコのトルンカの工房だった)ということで、<チェコパペットの源流をたどる>(伝統的な人形たちと人形劇の展示)とか、<トルンカとチェコのアニメ作家>とか、チェコがらみなら、足をはこびそう。最近、若い人にもチェコパペットアニメって(一部コアな人たち?)、人気なので集客力、あるかも。(私がシュヴァンクマイエルのガンブラギャラリーへ行った時、そこで日本の旅行者らしき2人に偶然会いました。プラハで、ある一時間を切り出した時の3人という集客力は、長野なら何人に相当するのでしょう!)

 あと人形アニメの映像アーカイブ(世界の全ての短編の収集!)とか定期的上映会というのも観てみたいですね。これは飯田市がどれだけ本気でこの美術館を運営するかにかかってますが、、、。館長さんもまだ決まっていないというのは、少々心配??ちなみにうちの近所文化会館は、館長がどっか東京の劇団にいた照明監督らしい。地方の箱物行政が「文化」の名の元に、中央の文化団体の天下り先になっているような気がして、ちょっとなんだかなー、な感じ。
 少なくとも川本氏の熱心なファン、個人的に願わくばパペット全般のマニアに館長さんをやってもらってアクティブな運営を期待したいものです。

投稿: BP | 2006.04.24 06:11

BPさん、こんにちは。

一応、公式なルートで正式に依頼し、回答を市担当者から頂いたということになりますので、一般市民の手に渡った時点で、公開はfreeで大丈夫かと。
食玩に限らずなのですが、多くの方が何回も美術館及び飯田市に訪れてくれるための「仕掛け」として『ミュージアム限定グッズ』をセンス良く、販売して欲しいんですよねぇ。
近いうちに市の担当者の方とお会いし、意見交換ができるようですので、アドバイスを是非お願いします。

投稿: SAC | 2006.04.23 17:43

 SACさん、おはようございます。
 貴重な情報をありがとうございます。川本喜八郎人形美術館(公式HP)よりも先にここで情報公開(って、いいんですかね?(^^;))。

 文面から察するに、SACさんから、ミュージーアムグッズに食玩を提案されている、ということでしょうか。 川本人形の精巧なフィギャアだったら、一体はほしい! 実現するのを期待しています。

投稿: BP | 2006.04.22 08:28

※「K美術館裏情報」です。取り扱いご注意を。といってもネットですものね。ご要望があれば私にメールをお願いします。何とか?出来るかも?

川本喜八郎人形美術館についてのご質問にお答えします。
展示内容のメインは、寄贈される「三国志」人形84体、「平家物語」人形42体です。その他、人形アニメーション関係など35点を組み合わせて展示します。
オープン時の具体的な常設展示や企画展示の構成については、川本喜八郎氏の意見を尊重しながら計画中です。この内容につきましては、順次ホームページで情報を掲載して参りたいと考えております。(ホームページの更新時期は、4月末頃の予定です)
ミュージアムグッズにつきましては、既に販売されている関連商品を取り扱う方向で考えております。特に、食玩等に関するご意見は参考にさせていただきますが、人形やキャラクターの二次使用につきましては、難しい面もありますのでご理解ください。
川本ファンに対するリサーチ状況についてですが、川本作品に係るこれまでのテレビ放映、人形劇公演、展覧会、アニメーション上映、講演会、メトロカードや食玩などの二次使用、既存展示施設運営などの実施状況や反響等について、川本氏(川本プロダクション)が把握し、数値化やリスト化もされていますので、川本氏の協力を得ながら、川本氏の、または川本作品のファンに対して周知を図って参りたいと考えております。
飯田市を中心とした川本ファンの集まりとしましては、「桃園の会」があります。
この会は、川本氏の人形美術作品を享受し、氏と交流することで様々な学びを行う会です。飯田市民有志によって発足され、今年で4年目を迎え、現在60名程の会員がいます。
これまで「桃園の会」と飯田市との共催で、人形アニメーション「死者の書」鑑賞会などを実施していますので、人形美術館の開館後も、協働で各種事業に取り組んでいきたいと考えております。川本美術に関心をお持ちの方には、入会をお薦めしています。
予想来場者数につきましては、様々な期待を含め、初年度の目標来館者数を8万人と設定しております。
美術館運営に関しましては、当面、飯田市の直営を考えておりますが、長期的には行財政改革の中で検討してまいります。スタッフ体制につきましては、市民や観光客の利便性を考えまして、夜間開館等も視野に入れつつ効率的な体制を検討しております。
 美術館館長につきましては、現在検討しているところでございます。

投稿: SAC | 2006.04.21 01:30

 SACさん、また新しい情報をありがとうございます。
 『死者の書』の上映会、一般公開前に、来年1/27飯田市公民館ホール開催!! これがワールドプレミアかもしれないですね。

>>葬儀広告が掲載されている夕刊紙はなくてはならないものらしいですが…

 (^^;) うちの新聞は、中日新聞ですが、地方専用ページには、町で生まれた赤ん坊と、亡くなった方の名前を掲載しているコーナーがあります。「中日」って、東海地方じゃメジャー紙なんですが、、、。

投稿: BP | 2005.12.07 22:02

地元の新聞(「南信州新聞」という地元の人間しか知らない夕刊紙があるんです。あと「信州日報」というのもあります。義理が頻繁に発生する田舎には、葬儀広告が掲載されている夕刊紙はなくてはならないものらしいですが…)に川本先生に関する記事がありましたので報告します。以下、記事です。
「川本喜八郎さんが監督した新作人形アニメーション『死者の書』の上映会が一般公開前に、来年1/27(金)19:00~、飯田市公民館ホール(飯田市吾妻町)で開かれる。あわせて、川本さんと竹田扇之助記念国際糸繰り人形館長の竹田扇之助さんによるトークショーも行われる。同作品は東京・岩波ホールで2/11~ロードショー公開される。問い合わせは、飯田文化会館・人形劇のまちづくり係(0265-23-3552)へ」

投稿: SAC | 2005.12.06 22:31

 SACさん、はじめまして。情報、ありがとうございました。

 「川本喜八郎人形美術館(仮称)」、楽しみですね。飯田市なら車で2時間ほどなので、オープンしたら、是非行ってみたいと思います。 こけらおとしで『死者の書』の公開とかも期待できるのではないでしょうか。

 今後とも、宜しくお願いします。

投稿: BP | 2005.12.04 17:45

貴blog、いつも興味深く拝見させて頂いております。おかげでユリイカSAC特集も知ることができ、早速書店で(田舎なので、ネットで取り寄せ)購入してきました。私の住む長野県飯田市に「川本喜八郎人形美術館(仮称)」なるものが平成18年秋にできるそうです。私の家から歩いて2分くらいの建設中の再開発ビルの1FにOPEN予定なのですが、この地域住民にもまだあまり認知されていないようなので、全国的には?と思い書き込み致しました。私自身は関わっていないのですが、毎年8月に「人形フェスティバル」というイベントがあり、国内はもとより海外からも参加団体がある人形劇という(幼児・小学生以外から見れば)マニアックな芸術をアピールできるようです。「りんごと人形劇の街」みたいな感じでしょうか?因みに川本先生の美術館は飯田の名所となっている「りんご並木」のすぐそばに出来ます。長野県に来る機会がございましたら、是非飯田市にもお越し下さい!(3年前まで東京在住の者より)

投稿: SAC | 2005.12.04 14:50

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受信: 2005.11.22 23:05

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