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2005年6月5日 - 2005年6月11日

2005.06.11

■MAC OS on CELL

CELL  MACIntel CPUで走るようになる、という今週のビッグニュースは実はあまり衝撃的ではなかった。僕が思ったのは、あ、安いPCや自分の手持ちのWIN機でMACがマルチOSで動いたら、いいな。っていうくらいだった。(いろいろとこのニュースを見ていたけれど、いままでのWINDOWSマシンにそのままMAC OSが動くのかどうかはどこにも触れられてなかった。あまりに当たり前で書いてないのかな? >> 誰か詳しい方、教えて。)

 このニュースで真っ先に思ったのは、これがIntel CPUでなく、SONYのCELLで動くというニュースだったら、もっとインパクトが凄かったのではないか、ということ。PS3はハイビジョンもハンドリングできるエンタティンメントスーパーコンピュータという位置づけなので、MACとの親和性が高い。スティーブ・ジョブズとSONYの安藤社長がいっしょに壇上に立ったのは今年はじめのMAC Worldではなかったか(ITmedia Life Style他)。安藤社長、うれしそうに「HDR-FX1」を紹介するだけでなく、ビジネスの話をちゃんとしたのだろうか??

 なんてことを思っていたら、久夛良木インタビューでこんなことが書かれていました。

後藤弘茂のWeekly海外ニュース SCEI 久夛良木社長インタビュー(PC Watch)

 久夛良木氏

今回、我々は(PS3は)スーパーコンピュータですという位置づけにする。でも、コンピュータとして申請しないとコンピュータとして見ない人がいるから、OSを走らせる。(略)
だから、最初から(HDDに)Linuxを載せちゃうんじゃないかと思う……、おまけでね。コンピュータとして申請するために。

ほかのPC OSも、彼ら(OSベンダー)が載せようと考えるなら、WindowsでもTiger(Mac OS X 10.4)でも載せることはできる。ひょっとしたら、違うOSが出てくるかもしれない。(略)
ノンリニアの編集システムってすごいけど、あれCellの上に持ってきたら、もっとすごいことになる。

 そう、だよね。ハイビジョンのノンリニア編集を一番はじめにPCで実現したのはAPPLEなんだし、CELLと組み合わせてホームハイビジョンエンタティンメントを極めてほしい。インタビューでは「Cellの場合、OSはアプリだから(笑)。カーネルはCell(Cell OSのハイパーバイザ層のこと)で動いていて、複数のOSがアプリとしてその上に(仮想マシン上に)載るスタイルになる」とも言ってます。
 そーかアプリか。なら簡単に実現するんだよね。この時のビジネスモデルはどうなるんだろう。もはやPCにおけるOSのように、OSベンダーがのさばるのではなく、CPUメーカが主導権をとるんだろうか、、、、?? なんにしてもCELLからは目が離せません。
 楽しみにしてます>>久夛良木社長。

◆関連リンク
AppleとSonyのパートナーシップ?? (MAC REVIEWさんより)
 「IBM/Sony/東芝が開発したCellプロセッサを用いたビデオ編集のための高性能のアップル製ワークステーション」という噂がメリルリンチでレポートされていたそうです。
ついに明らかとなったCELLプロセッサ -アップルのMac(マック)との関連を探る ([C]Digital Townさんより)
アップルがCELLアーキテクチャーにMac OS Xをライセンスする可能性も推測している。(Mac & Palさん1/29より)
<05.08.07追記>
PS3でMac OSが動く?--ソニー、CellプロセッサによるTigerサポートを示唆(CNET Japan)

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2005.06.10

■プロトタイプロボット展の目玉はこれだ!!「泳ぐ金シャチロボット」

kinshachi プロトタイプロボット展(公式ページ)
  愛知万博(愛地球博) 6/9-19
天守閣の金の鯱が水中遊泳!?(公式ページ)
水を得た金シャチ(中日新聞)

 スタートしたプロトタイプロボット展、あちこちで記事が出てますが、ロボットたちの中で、こいつが一番キュートかと、、、。写真は中日新聞のウェブにしかなかった。どうしてこのようにバカバカしくも楽しいものを他のメディアは取り上げないんでしょう。
 東海地方在住者の名誉として言っておきますが(^^;)、作ったのは三菱重工業系の菱明技研株式会社という名古屋ではなく広島の会社です。ここ→菱明技研株式会社 「魚ロボットのレンタル」が充実
 アニマトロニクス技術(アニメーションとエレクトロニクスを融合させた新しい技術)と弾性振動翼推進技術(違和感なく滑らかに魚を泳がす技術)により滑らかに動くそうです。金シャチのムービーがないのが残念。(万博へ行けたら撮ってきます)

◆関連リンク こんなロボットもあります。
愛・地球博「プロトタイプロボット展」開催(PC Watch)森山和道氏レポート
 出品ロボットを網羅的に紹介されています。動画も必見。
ロボット「アスタリスク」 腕脚統合型ロボットの4脚歩行における安定性の評価

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2005.06.09

■山田太一 初期作品<木下恵介アワー>再放送
     & DVD『早春スケッチブック』

 番組:『山田太一が語る木下恵介アワー』(ホームドラマチャンネル 06-04 07:30) (再放送 6月11日(土)24:00 6月18日(土)7:30)という番組をケーブルテレビで観た。70年代後半からの山田太一ファンとしては初期の(シナリオ本)にもなっていない作品を見ることができる初の機会かもしれない。木下恵介アワーとしての放映リストは下記。うち山田作品は1966年の「記念樹」から。(テレビドラマデータベース 山田太一脚本リストを参考に山田参加作品は青字で示します)

全16作品441話
4月放送「喜びも悲しみも幾歳月」 (全26話/1965年)
5月放送「記念樹」(全46話/1966年)
6月放送「二人の星」(全26話/1965年)
7月放送「女と刀」(全26話/1967年)
7月放送「今年の恋」(全8話/1967年)
8月放送「もがり笛」(全13話/1967年)
8月放送「おやじ太鼓」(全65話/1968年)
9月放送「兄弟」(全26話/1969年)
10月放送「あしたからの恋」(全32話/1970年)
11月放送「3人家族」(全26話/1968年)
11月放送「太陽の涙」(全26話/1971年)
12月放送「二人の世界」(全26話/1970年)
12月放送「幸福相談」(全17話/1972年)
2006年1月放送「たんとんとん」(全26話/1971年)
2006年2月放送「思い橋」(全26話/1973年)
2006年3月放送「わが子は他人」(全26話/1974年)

 番組では『記念樹』の出来たいきさつを語っていた。九州をタクシーで木下恵介と旅した時に、そのタクシーの運転手が孤児院出身で途中の道中でそこの先生に会いに寄らせてほしいと言ったことから木下によって着想されたという。いい話。
 あと『女と刀』についてもシーンを流しながら語られていたけれど、なんか壮絶な話みたい。中村きい子という作家の原作を脚色したもので、非常に強烈な女の物語。主演の中原ひとみの顔が怖すぎ。これは後年の『早春スケッチブック』ファンとしては、主人公沢田竜彦への影響とかもしかしてあるかも、と邪推。観てみたい。
 あと番組では、『3人家族』が山田の初のオリジナル作品として語られていた。当時TVのホームドラマでは大人数の家庭が描かれて人気だったが、実際の都市では核家族化が始まっていた。そうした社会的動向を背景にそうしたホームドラマへのアンチテーゼとして着想する、といったところはいかにも山田太一。

 僕は木下恵介アワーではないけれど、『沿線地図』と『それぞれの秋』を一度で良いから観たい。ドラマは観てなかったけれど、後に読んだシナリオ本がとにかくよかった。特に『沿線地図』。このドラマの冒頭のシチュエーションとか凄いなって思う。

◆山田太一のおそらく(だって『3人家族』が凄いかもしれないではないか)最高傑作『早春スケッチブック』がDVD-BOXで発売された。soushyun_sketchbook

DVD(Amazon) シナリオ本 上(Amazon)
DVD特典映像 山田太一&山崎努 対談
山田太一&岡田惠和 対談
岩下志麻&鶴見辰吾 対談

 このドラマは僕にとっては最高のSFドラマだった(^^;)。いまだかつてここまでのレベルを達成したTVのSF番組を僕は知りません(マジ)。SFを価値観の相対化によるセンスオブワンダーと定義してですが、、、。(間違いなきように言っておきますが、SF的設定やガジェットはいっさい出てきません。外見はホームドラマそのもの。)
 ホームドラマの人の良いお父さんというイメージの河原崎長一郎演じる望月省一の家に、いきなり闖入した価値観相対化男 沢田竜彦(山崎努)。『岸辺のアルバム』とか『男たちの旅路』でも、社会派的に出てきていたこの山田太一の価値観相対化の視点がこの作品では極限まで推し進められている。
 さきほどSFと書いたけれど、これは究極のホームドラマでもある。竜彦が相対化するのは通常のホームドラマが描いている価値観である。ミステリにアンチミステリがあるように、本作はアンチホームドラマと呼べる。ホームドラマの『虚無への供物』というところでしょうか。

 価値観相対化による緊張感と笑い。絶妙のシナリオ。これをDVDで観えるようになったことはとても嬉しい。

 第一話で初めて会った竜彦と(河原崎の息子)和彦(鶴見辰吾)の会話から抜粋。

 竜彦「ケッ。5千円ぐれぇのことで、胸はるんじゃねえ」
 和彦「僕は小遣いひと月一万円です。五千円は大金です。理由もなしに貰えません」
 竜彦「おう、おう、そういう子供かよ、お前は」
 和彦「子供かもしれないけど---」
 竜彦「善人め!」
 和彦「----(なにを、と思う)」
 竜彦「気の小っちゃい、善良でがんじがらめの正直者め!」
 和彦「芝居の台詞かなんかですか?」
 竜彦「ハハ。それで、きりかえしたつもりか?」

 (^^;)どうです、笑えません? 初対面でいきなり価値観の転倒をとーとつに投げかけられて、これはもう現実感がなくなることおびただしい、「芝居の台詞」と思うよね。これが第一話の終盤。謎めいた美女(樋口可南子)につれられて洋館に連れてこられた和彦とともに僕ら観客はこの不思議な男と出会うわけです。
 何も知らないでこのドラマを観はじめて凄い掴み。思い出すとこのシーンでどっぷり『早春スケッチブック』に惹きつけられて次回を切望していました。

 ネットでこのドラマのことを書いているページのいくつかで、この竜彦と寺山修二の関係について触れられています。いわく寺山が竜彦のモデルであると。(望月の妻役の岩下志麻のだんな篠田正浩が講演で竜彦のモデルは寺山と語ったという情報もある)
 山田と寺山が大学時代親友で、本や哲学や美術等々について深いレベルで議論していた仲であることは、山田のいくつかのエッセイで有名な話。そこから連想されたことだと思う。
 この点について、山田の見解を一度で良いから聞いてみたい。(今のところ、直接書かれたことはないと思う。)寺山→竜彦。望月省一→山田、という単純な図式ではないと思う。各作品から感じるのは、一見温和な山田太一が実はうちに相対的な竜彦的視点をかなり持っているということ。僕はむしろ学生時代の山田も竜彦であり、ありきたりの日常に対して芸術的視点からいつも批判を加えていたのではないかと思うのだけれど、どうなのだろう。寺山+山田太一(の会話)=竜彦といったところではないのかなーと。(実は寺山修二についてほとんど知らないので、いいかげんな邪推。)

◆関連リンク
2005年6月下旬号 No.1431号 DVD特集『早春スケッチブック』<インタビュー>山田太一
 本屋で立ち読みしました。竜彦はニーチェに影響受けたと語っています。あと森卓也氏のレビュウ掲載。
木下恵介・映画の世界+α 掲示板
テレビドラマデータベース 山田太一・早春スケッチブック掲示板 各データ
テレビドラマデータベース 山田太一脚本リスト
・山田作品をみてシナリオライターを志したという岡田惠和氏の『TVドラマが好きだった』(Amazon) 『ふぞろいの林檎たち』について触れられているようです。

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2005.06.08

■宇宙3題  スーパーノバ 超新星爆発
    新刊メモ 『恐るべき旅路』 『スペースシャトルの落日』

supernova
NASAのハッブル宇宙望遠鏡がとらえた超新星爆発。これは地球から16万光年離れた大マゼラン星雲のどこかの映像だということです。太陽系に届くわずかな光量からこのようなエキサイティングな映像を抽出するハッブル望遠鏡に大感謝。
 SFファンは、傑作ノヴァ』(サミュエル・R・ディレイニー/伊藤典夫訳)を想い出します。この本もエキサイティング!

『恐るべき旅路 ―火星探査機「のぞみ」のたどった12年―』 松浦晋也著

度重なるトラブルを克服して火星を目指しながら、ついに周回軌道突入を断念した火星探査機「のぞみ」。27万人の祈りと希望をのせて飛び続けた「のぞみ」の苦闘のすべてを描く科学ドキュメンタリー。


『スペースシャトルの落日~失われた24年間の真実~』 松浦晋也著

欲をはって「寸足らずの万能機械」となった設計、政治的な重圧にあえぎ、功を焦ったNASA。
致命的な2度の事故、世界の宇宙開発に与えた深刻な影響、スペースシャトルの罪科をひとつひとつ明らかにしつつ、それによって未来のあるべき宇宙開発の姿を描き出す。

Nozomi_osorubeki_rakujitsu spaceshuttle_no_rakujitsu  宇宙作家クラブで有名な松浦晋也氏の本。たまたま会社で15年程前に『日経エアロスペース』という情報誌を購入していて、その頃からこの方の記事はファンでした。Space Serverも愛読者でした。今回の2冊の本も切り口が面白そうで是非読んでみようと思っています。「のぞみ」は我が家族の名前も載せてくれていただけに火星周回軌道に入れなかったのがとても残念。
・氏のBlog 松浦晋也のL/D

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2005.06.07

■究極映像小説

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 幻の映画監督とそのフィルムをめぐる映像探索の物語に今、嵌っています。次のようなセリフが出てきて、映像の魔力が封じ込められた小説。現在、半分読了。面白いので読み終わるのがもったいなくてちょびちょび読んでます。

「われわれはどこで映画に出会う?闇が領する場所、劇場、地下世界ではないか」キャッスルは映画という摩訶不思議な生き物がわれわれの人生に忍びこむ瞬間、闇の中で輝く光となる瞬間のパワーをつかみとろうとしていた。

マックスの言動はこの私にとっても強烈な劇薬だった。まるで火星からやってきたような男だった。だが私は彼の思い描くビジョンにすっかり魅せられていたので、製作の初歩的な質問で興をそぐつもりはなかった。

「目にみえない・・・・・隠されたもの」「まあそんな意味だろう。背筋の寒くなるような話だが、たぶん映像の向こう側にはいまだ知られざる映画世界がもうひとつ発見されるのを待っているのかもしれん。」

 有名な小説なので、なんだ今頃読んでるの?と言われそうですが、とにかくワクワク。後日、読了したら、感想また書きます。ではでは。

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2005.06.05

■荒俣宏・京極夏彦プロデュース 「大(Oh!)水木しげる展」

Oh_Mizukishigeru_ten_zuroku
岐阜市歴史博物館開館20周年記念特別展 荒俣宏・京極夏彦プロデュース 「大(Oh!)水木しげる展

 6/3-7/24開催の「大(Oh!)水木しげる展」へ行ってきました。昨年4月の鳥取をスタートに、北海道から福岡まで日本各地を巡業した後、やっと東海地方へやってきたというわけです。
 私、大ファンというわけでもないので、実はそれほど期待していなかったのですが、これは凄い。小水木ファンにもお薦め。
 なにが凄いって、この展示のマニアックさがたまらない。
 水木しげるの生い立ち、戦中の過酷な経験を写真とパネルにした水木漫画で紹介。まずそれを追体験させ、そして紙芝居、貸本から漫画、イラストまで怒涛の作品群を並べている。おまけに水木コレクションの仮面とか彫刻とかの民族資料と妖怪フィギュア、京極夏彦多田克己他による古今妖怪文献の数々(荒俣コレクションからの出展はないみたい)。受付で配られたリストによると、総数890点
 さすがは大水木ファンの荒俣・京極両先生のプロデュースだけあって、並みの漫画家の展示会ではありません。博覧強記で知られるお二人のマニアックさが炸裂。僕は観るまではその事実を忘れ、デパートでやる漫画家の展示会くらいのものをイメージしていたので、とにかくびっくり。

 数多くの原画を観ることができるけれど、過剰なまでに緻密に描きこまれた妖怪画、風景画が圧巻。もともと漫画の紙面でも異様な迫力のある細密画なのだけれど、原画に目を寄せて見ると画力が迫ってくる。一本の線もおろそかにせず書き込まれていることがよくわかる。この集中力は物凄いと思う。あとデッサンの凄さがよくわかるのが、「トーマの日々」と名づけられたスケッチ。南洋の人々の体を少ない線で見事に描いてある。(図録P40-41)

 水木ファンだけでなく、民俗学/妖怪ファンにも貴重な展示会になっています。
 南方のものを中心に世界の仮面と彫刻が75点。江戸・明治時代の妖怪図録等の本物が69点。この中には、京極の妖怪シリーズで有名な鳥山石燕百鬼徒然袋今昔百鬼拾遺河鍋曉斎百鬼画談、その他稲生物怪録など妖怪ファン、京極ファンなら一度は目にしたいものが盛りだくさん。しかも京極所蔵のものはまさにそれを見て、あの小説群が書かれたわけで、思わず凝視してしまう。(なんてミーハー!)

 あと特筆すべきは今回の展示会のパンフレットのすばらしさ。冒頭の写真の左端のがそれで「大(Oh!)水木しげる展 図録」と名付けられている。オールカラー総数246ページに作品や関係者のエッセイが満載。特に展示会で出ていない作品、妖怪図録のように本の形態で中身が展示では見えないものも相当数収録されている。これで2000円は凄いお買い得。お薦めです。

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 入り口からの風景。入ってすぐ実物大、水木像が観客を出迎える。これがリアル。

 あと今回の展示会で自分の収穫はもうひとつ。元々水木しげるの戦争体験は、あちこちで拾い読みした記憶はあるが、生い立ちからずっと戦後までを俯瞰するように自伝等を読んだことはなかった。
 今回の展示は、先に書いたように、入場してまず水木しげるの歴史が語られる。特に知らなかったのは、腕を失った時の話。生死の境を彷徨って戦場という過酷な環境で2年ほどの療養生活。そしてニューブリテン島でのトライ族との交流。南方での熱にうなされた中で見た幻影、ニューギニアのジャングルの深い緑。
 この展示の後、スケッチや原画を観ることで、この戦地でのイメージの熟成(?)が後の水木漫画の世界観に大きく影響したことが初めて実感として沸いてきた。
 初期の貸本の『墓場鬼太郎』等を読んだ時、飛躍だらけで辻褄のあわない、物語の拮抗を無視したような流れに異様な感触を持ったことがあるけれど、あの壮絶な体験があったら物語をきっちり描くことなんかはどうでもよくって、異様なイメージをまずは吐き出すことが前面に出てきても不思議はない。そんな風に実感して、水木漫画に少し近づけた感じがした。

◆関連リンク
展覧会にあたり、水木老のお言葉
水木プロの公式ページ
企画した朝日新聞社ページ
図録の通販ページ
江戸東京博物館:企画展|大(Oh!)水木しげる
岩手県立美術館
・who cares?さんの 堤幸彦監督『ゲゲゲの鬼太郎』実写映画化 来年公開予定
水木しげるの本 DVD(Amazon)
水木グッズ(楽天)

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