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2005年11月13日 - 2005年11月19日

2005.11.19

■『トンデモUFO入門』


 洋泉社公式ページ (と言っても充実してないけど)

山本弘、皆神龍太郎、志水一夫(と学会)著
UFOはエンターテイメントだ!ロズウェル、エリア51、矢追純一、アダムスキー…「信じる/信じない」はもう古い! UFOは面白い!「と学会」きってのUFO馬鹿3人が語り尽くす、古今東西トンデモUFO談義

 京極夏彦,村上健司,多田克己の『妖怪馬鹿』に触発されて「UFO馬鹿」三人が集まって対談した本、というのが山本弘の序文にあるこの本のコンセプト。

■宇宙人はいない!??
 「と」ばかりのUFO本の中で、この人たちの本は信頼できると思って読んでみたのですが、なんとわかったのは、(今までの事例から)UFOというのは宇宙人の乗り物でもなんでもなく、人の心が作り出した現象で、プロレスといっしょの楽しみ方が正しいということ。

 前にUFOの本を読んだのは、すでに10年以上前なのだけれど(労作『UFOの嘘』)、著者の志水一夫氏のスタンスは、まだ本物の宇宙からの来訪物である(または人の知らない不思議な未知の現象である)可能性が否定できない、というスタンスだったと思う。だから嘘を言っている本を告発して、最後に残る真実をあぶりだしたい、という視点があった。
 そこにセンス・オブ・ワンダーを感じていたのだけれど、、、。この本では明らかにUFOというのは20世紀の神話であり、真の宇宙からの来訪物などというものはないのだ、笑ってトンデモなUFO体験をフィクションとして楽しもうよ、ってスタンスなのである。なんだこういうUFO事例をさんざん調べてる人たちがみても、やはりUFOは宇宙からの来訪物ではないんだ、つまんねぇの、というのが率直な感想。

 いまだに生きてる間に宇宙人が地球へ本当に来たらワクワクするよな、と思っているので、この断言は衝撃的(^^;)。なんだやっぱり宇宙人は地球に来てないんだ、、、(<<今頃気づくなよ)。プロレスは全く好きでない私は、もうこれでUFO本を読む必要がないということが分かっただけで、時間の無駄を防げてよかったね、という本。

■妖怪馬鹿 v.s. UFO馬鹿
 分析として面白かったのは、(『未知との遭遇』等の影響で)宇宙人像がグレイ一色に塗り替えられていくことでUFOの楽しさがなくなっていったというところ。
 妖怪馬鹿トリオに比べてUFO馬鹿トリオが不利なところは、妖怪が世界に千体いる(C水木しげる)のに対して、宇宙人はグレイ1体に集約してきてしまったところですね。(というより、グレイも妖怪のうちの一体と分類されるのが、妖怪の定義として正しいのか。)

 妖怪馬鹿トリオのスタンスは、妖怪というのは人の作り出したフィクションである、その起源を探っていくことが人の精神活動のもろもろに繋がっていてそれを解きほぐして分析していくのが楽しい、というものだと思う。
 と学会は、そんなものを探求するよりキッチュなUFOを生み出している人間の馬鹿さ加減を笑おうぜ、というスタンスなので、やはり「学」としての深さは妖怪の方に分がある。Blogでもこの本の評価は低いのだけれど、そんなところの不快感があるのだと思う。対談を読んでいて、志水一夫氏のスタンスは若干他の二人と違うような気がしたけれど、、、。

 ということで、これからのUFO学は、この社会現象を生み出してきた人の精神的社会的メカニズムを、各種文献等を紐解いて、分析していくのでしょうね。妖怪学が民俗学文化人類学の境界領域にあるのに対して、UFOは精神医学方面と繋がってしまいそうなので、気持ち悪いことにしかならないかも。妖怪は過去の民俗的な人の想いのマクロを扱うのに対して、UFOはまだ近過去または現在進行形で個々の人の体験を扱うというところが、気持ち悪さの源泉かもね。

◆関連リンク
宇宙人大図鑑
志水一夫の 「日本臨界科學研究所」
・本の中に出てきたエーリッヒ・フォン・デニケンが作ったスイスの遊園地(通称デニケンランド!!) Mystery Park
 全景 ピラミッドや古代遺跡風の建物があります。GOOGLE画像。まわりにはミステリーサークルが。完全にスイスの景観を壊していますね。

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2005.11.18

■ON YOUR MARK

OnYourMarks
ジブリがいっぱい SPECIAL ショートショート
収録作品詳細リスト

On Your Mark
CHAGE&ASKAの楽曲「On Your Mark」のプロモーション フィルム。キーになる場面を繰り返し使用しながら、いくつかの別の結末を提示して見せることで、多様に存在する未来の可能性を、端的に表現した。宮崎駿監督作品 としては「天空の城ラピュタ」以来の本格的SFアクション活劇。

 『ハウルの動く城』と同時に、こんなDVDが出たのですね。
 んで、待望の『ON YOUR MARK』初DVD化収録!! めちゃくちゃ、待ってました。
 神林長平の火星の地下都市を思わせる近未来世界。メルトダウン後の地上と地下のカルト教団。まるで押井守のメガネシバシゲオを思わせるようなキャラクタ(と言ってもCHAGEか)、居酒屋(合成蛸酢とか未来?)、下宿でのPC作業、公団住宅とか、未来の生活感も楽しめます。

 この作品、『カリ城』や『さらば愛しきルパンよ』と一脈通じる傑作と思うのは、僕だけでしょうか。ポイントはたぶん大人の男が主人公というところ。『風の谷のナウシカ』以降の宮崎作品はほぼ全て子供が主人公。その中で多分唯一、大人の男(達)が主人公なのがこの作品。(豚はとりあえず除外)。
 『カリ城』のルパンのキャラクタの持つ奥ゆき(?)がなんとも好きなのだけれど、そこに一脈通じるような気がするこの作品の主人公二人。短いしセリフもないし、想像力で補っていることは否定しないけれど、あきらかにこのコンビは『カリ城』ルパンを彷彿とさせます。

 加えて、もろ宮崎なストーリー。以前にここで書いたけれど、「白い服の少女を助けて、その精神的な部分まで浄化する」というやつ。この話もそのまんま。小品ゆえに、もろに表現されています。最近の作品では、子供を主人公にして、思春期のもやもやが加わって、このモチーフがわかりにくくなっていますが(でもいつもモチーフはこればっか)、やはりストレートに出ている作品の方が、情感的には優れたレベルを達成できているように思う。

 助けた少女とともに、落下していく車体に遠くシルエットで浮かぶ二人の姿。最後まで諦めない闘志と、次に変化する浄化を予感させる明日。短いフィルムに見事に凝縮された宮崎イズムが光る一篇。

◆関連リンク
・05.8/26金曜ロードショー「猫の恩返し」の時に“ジブリ秘蔵作品”として放映されていたのですね。(- SCENE. -さんより)
(Amazon)
・当Blog関連記事 『ハウルの動く城』 BSアニメ夜話『カリオストロの城

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2005.11.13

■R・A・ラファティ 『宇宙舟歌』 柳下毅一郎訳

Space_Chantey
 国書刊行会<未来の文学>第5弾 R・A・ラファティ宇宙舟歌』を読了。ラファティの長編デビュー作(のうちの一冊)。画像は左から、エースダブルの原著、英国版、邦訳版。宇宙ほら話なので、イメージは原著の表紙がベスト。国書刊行会版は何か勘違いした表紙としか言いようがない。ま、原著の絵を使ったら、間違いなくSFファンでない海外文学ファンは逃げ出すので商売的には正解な表紙とは思いますが、、、。

 本作も怪作にして快作です。ラファティ版宇宙のオデッセイア。<未来の文学>と言っても、超絶叙述トリックや言語哲学的なアプローチはありませんので、肩の力を抜いてまさに「宇宙ほら話」として、ラファティおじさんの異様なイメージを楽しみましょう。

 収録された各惑星の旅はこんな感じです。

世界を背負う一人の男の話
 知覚しないと存在を停止する世界。その知覚する男との物語。なんだか分からない理論。

 (フィーラーの推論に関して)「不真面目な性質をもつ、ごく小さな天体に関しては、重力の法則に、脱力の法則が優先してもよい」俺は同情的な推論と呼んでるんだ。

・過去へ戻って賭けに勝ち続ける話
 壮麗なカジノで繰り広げられる"世界"をかけた賭博。

 ピョートルは大負けするたびにピストルを抜いて頭を撃ち抜く。ただのジョークだ。いつも同じ穴を撃つ。そしてピストルで穴から吹き飛ばされる。"脳"は実際には脳の穴にたまった粘液だった。とはいつても、はじめての人にとってはかなり異様な見世物だし、すぐ後ろに立った野次馬はしょっちゅう流れ弾で殺された。

・食人する羊の惑星
 乗組員の一人が食べると爆発する人造人間を食人すると、、、

 マーガレットはすでに船の四分の三を占め、男たちは隅に押しこめられ、ぎゅう詰めになって喘ぎ、身を屈めていた。マーガレットはゴロゴロ音をたてはじめ、今にも爆発し、すべてを道連れにしようとしていた。
「爆発する! 爆発するぞ!」と男たちは怯えて吠えた。「爆発したら、俺たちもみんなも船ごと巻き添えになっちまう」大爆発の前触れがさらに低くゴロゴロと音をたてはじめた。
 危機また危機! さらなる危機が襲い来る。故郷はまだまだはるかに遠い。

 襲い来る危機また危機。そして惑星ごとに炸裂するラファティの奇想爆弾。
 ラファティの奇想の特徴は、この作家の頭の中が本当に螺子が外れているのではないかという狂気冴え渡るイメージの飛躍にある。たとえば中井紀夫は、たぶんラファティをめざしてタルカス伝(『いまだ生まれぬものの伝説』他)を書いていたと思うのだけれど、わざとはずした頭の螺子がどっかまだ外れきっていない部分があった(それにしても、国内の奇想作家の中で随一の傑作だったと思う。続編が読みたい!!)。
 ここではたまたま中井紀夫を引き合いに出したのだけれど、たとえば河出書房新社の<奇想コレクション>の海外作家でも、ラファティに比べたら、同じようにどっか螺子は外れていない。作家本人は奇想の外にいて、冷静に描写している気配があるのだけれど、ラファティの場合は、どっぷりとその世界のロジックが作家の体と脳になじんでいる肌合いがある。
 奇想小説ファンで、もしラファティを未読の方がいたら、是非お薦めです。螺子外れっぱなしのラファティ脳内宇宙旅行の楽しさは格別。

◆関連リンク
11月10日(木)神田本店 イベント情報: 浅倉久志さんצ柳下毅一郎さん三省堂書店SFフォーラム『宇宙舟歌』刊行記念トークショー 国書刊行会の案内文

<未来の文学>完結巻、R・A・ラファティ『宇宙舟歌』の刊行を記念しまして、訳者の柳下毅一郎さんと、海外SF翻訳の第一人者として数多くの翻訳書を世に送り出しR・A・ラファティ作品の紹介者としても知られる浅倉久志さんをお迎えしてのトークショーを開催いたします。<史上最高のSF作家><世界でもっとも独創的な作家>であるR・A・ラファティの魅力をそんぶんに語っていただきます。さらに、浅倉氏、柳下氏が翻訳を担当している<未来の文学>第Ⅱ期刊行予定のジーン・ウルフ『デス博士の島その他の物語』や、ユーモア・奇想SFアンソロジー『グラックの卵』についての話もうかがいたいと思っております(編集部ST)。

・松崎健司氏のとりあえず、ラファティラファティ 原書リスト。 トロル族の空飛ぶ石盤のイラスト。
この頃の乱読さんのレビュウ(あらすじも詳しく載ってます)
・原書 R.A. Lafferty 著『Space Chantey 』(Amazon Japanでも扱っているようです)
・『宇宙舟歌 』(Amazon)

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■『日本沈没』製作発表

Nippon_chinbotsu_Image02 Nippon_chinbotsu_Image
32年ぶり再浮上!草なぎで映画「日本沈没」来夏公開 (サンスポ)

 少し前のニュースですが、樋口真嗣監督『日本沈没』の製作発表が行われた模様。
 上のイメージスケッチは、樋口監督によるもの。左が10歳の時に映画『日本沈没』を観た後に描いたもの、右が今回の映画のもの。「構想30年」ということです。
 特撮監督は前作が中野昭慶、本作が神谷誠(平成ガメラの樋口組助監督)という布陣。既に樋口真嗣が視覚効果デザインをつとめた『ドラゴンヘッド』では街の破壊が描かれいてるが、そこからどうイメージが発展するか、期待です。

 さて、配役ですが、ウィキペディア(Wikipedia)「日本沈没」(うまくリンクしない時は、ウィキペディアへ行って「日本沈没」で検索をして下さい)に情報がありました。ゲゲ、田所博士:豊川悦司!! 誰もこの配役は予想できなかったのでは?? しかしこれはもしかしてなかなかのキャスティングセンスかも。随分斬新な解釈の『日本沈没』が出来上がる予感。(渡老人が出ないのはさみしい。)

キャスト
小野寺俊夫:草彅剛
阿部玲子(ハイパーレスキュー隊員):柴咲コウ
田所雄介博士:豊川悦司
結城慎司(原作の結城達也に相当):及川光博
渡老人:未登場
山本尚之総理大臣:石坂浩二
野崎亨介内閣官房長官:國村隼
鷹森沙織危機管理担当大臣:大地真央
その他:ピエール瀧

◆関連リンク
eiga.com [ニュース&噂]
内閣総理大臣役の石坂浩二
女性大臣役の大地真央
エキストラ募集(11/13撮影分なので既に間に合わない)
東京右往左往: 日本沈没 by 樋口真嗣

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