« 2005年1月23日 - 2005年1月29日 | トップページ | 2005年2月6日 - 2005年2月12日 »

2005年1月30日 - 2005年2月5日

2005.01.30

■ヴェルナー・ヘルツォーク監督
  『白いダイヤモンド ~南米ガイアナ・ジャングル飛行船の旅~』

the_white_diamond_van_werner_herzog02
 Cinema.nl: Herzog in de ban van de jungle [recensie] The White Diamond van Werner Herzog(ドイツのサイト)
 05.1/24 NHK BShi ハイビジョン特集・国際共同制作 ヴェルナー・ヘルツォーク監督『白いダイヤモンド ~南米ガイアナ・ジャングル飛行船の旅~』(5・1サラウンド放送)

 RecPOT M(HVR-HD250M)のおかげでハイビジョンをちゃんと録画できる環境になった。んで、月曜日のゴールデンタイムのこんな番組もちゃんと観える様になったのはいいが、有限なハードディスクの容量から土日に消化する宿題を背負ってしまった。DVDですら観る時間なかったのに(^^;)。(仕事さえなきゃ、20:00-からの番組くらい本来は生で観えるはずなのにネ、、、)
 ま、愚痴は置いといて、これからちょくちょく週末はハイビジョンによるBP世界紀行の旅を紹介するので、お付き合い(斜め読み)ください。世界紀行と名づけるのは、ハイビジョン+DLPプロジェクタ120inchでの臨場感は相当のものでミニミニではありますが、旅行体験に近いものがあるため。(余談ですが、東大舘暲教授のアール・キューブ構想のためのツールは日々進化して家庭へ潜入しているわけです(ひとつ前の記事を参照)。

 (前置きが長くなったが)ヘルツォーク監督の『白いダイヤモンド』は、飛行船で空から南米を研究しようという研究者Graham Dorrington氏の活動のドキュメンタリーである。
 内容はヘルツォーク自身のナレーションで進められ、ガイアナでの新しい飛行船の初飛行をとらえたもの。圧倒的な迫力の滝(というか瀑布)のシーンと緑の深いジャングルに浮かぶ白い飛行船のショットがとにかく美しい。しかしヘルツォークの関心はそれら風景よりも人間にあったようで、Dorringtonの過去の痛ましい体験のインタビューが中心になっている。以前の同じ飛行船での探索で同僚が目の前で落下して亡くなった体験が生々しく語られている。
 映像的には前述の飛行船と滝に尽きる。もっといっぱいそれらの映像を見ていたい、という感じ。なかでも印象的だったのは現地の人の言葉。滝の裏側は誰も覗いて見たことがない。村では巨大な蛇が住んでいるとも伝えられている。それをカメラの映像がとらえたとしても、他の人に見せないでほしい。それが村の文化の中心を破壊することになるからと語る。
 そしてヘルツォークは、滝の裏をとらえた映像があるはずなのに一切使用していない。これは映像とその認識によって世界が変容していくことへの配慮と、もうひとつは文化・民族的な背景から人に見える本当の滝の裏側の究極映像を、ヘルツォークとハイビジョンでもとらえられない、ということの敗北宣言なのかもしれない。

◆関連リンク
 このドキュメンタリー、日本のサイトではほとんど情報が見当たりません。NHKの扱いも全然ヘルツォーク作品としてアピールしてるように見えません。で、情報はドイツのサイトがメインです。(いいのかNHK!!)
The White Diamond | Filmstarts.de
ヘルツォーク.com(ここは英語)

| | コメント (7) | トラックバック (1)

■東大舘暲研究室
  相互テレイグジスタンスの第二世代
  テレサ2とツイスター4に関する報告

TWISTER
 少し古い話題だけど、04年12/9,10テレコミュニケーション,テレイマージョン,テレイグジスタンスに関する国際シンポジウムというのが開催され、タイトルのような最新の研究成果が報告されている。(PC Watch 森山和道氏の<ヒトと機械の境界面>「箱から出るコンピュータ、実空間と融合するVR空間~テレコミュニケーション、テレイグジスタンスの未来」に詳細。)
 ヴァーチャルリアリティとテレイグジスタンス、アールキューブというコンセプトで有名な東大舘暲教授の講演内容は下記の通り。

1980年の昔に提案した通常のテレイグジスタンスシステムでは、操縦者には遠隔環境にいるような実時間の臨場感を提供するものの、遠隔環境にいる人にとっては、そこに代理ロボットが臨場しているに過ぎず、操縦者が臨席している感覚は生じなかった。相互テレイグジスタンスは、まさにこの問題を解決することを目指しており、相互に臨場感を与えることによりロボットの働く遠隔にいる人にもロボットではなく操縦者がいるという明らかな操縦者の存在感が得られるようにしようとしている。このことが実現すれば、人間はバーチャル(等価的)に、ユビキタスになれる。すなわち、同時にどこにでも存在できるようになるのである。
 通産省が舘教授と進めていたアールキューブは知らない間にHRPというなんだか現実的な作業ロボットのプロジェクトに移行してしまって、(出渕メカデザインより)本来SF的研究としてセンス・オブ・ワンダーに満ちた上記のマッドな構想が後退してしまったのがとても残念だった。だけれど、東大舘研ではまだしっかりワンダーでマッドな研究が続けられているということで、SFファンとしてはワクワクしてしまう。

 没入型フルカラー動画裸眼立体ディスプレイ「ツイスター」、マスタースレイブ型のロボット「テレサ2(TELESAR 2, TELE-existence Surrogate Anthropomorphic Robot)」、「RPT(再帰性投影技術)」というのがその中核技術。特に「ツイスター」というのは現物を観ないと本当の感触はわからないのでないか。上記PC Watchの記事に動画があるが、これは3D CGの素材でデモをしているようだ。本来なら臨場感を示すのであれば、ハイビジョンもしくはその先にウルトラハイビジョン(だっけ)でデモするべきではないのかなーー。同記事では「愛・地球博期間中の2005年6月9日(木)から19日(日)まで開催される「プロトタイプロボット展」にて、光学迷彩の技術と合わせた形で、ロボットの内部に操作者の3次元映像を投影するというデモを行なう」とのことなので体感に行ってこようかと思う。

 本来、アールキューブ構想HRPで本気で取り組まれていたら、万博ではもっとこうしたロボットとバーチャルリアリティを融合した日本の取り組みをアピールする展示がSF的未来として提示されていたはずで、なんか残念でならない。本当は押井の『めざめの方舟』より、そういう本来万博が持たなきゃいけないテクノロジーによる未来開拓のコンセプトがみたいのだけどなーーー。
TELESAR たとえば、パビリオンの中に100台のマスター(ロボットの操縦側であり人が遠隔環境の臨場感を得るコックピット)が並び、世界各地(もしかして宇宙,月にも)100台のスレーブ側のロボットが派遣されている。観客は一人づつ、マスターに座り、エベレストの登山と月の1/6重力を体感する。情報/映像技術とロボット技術の融合の未来産業像はきっと新しい世紀を予感させたと思うのだけどなーー。(左の写真の動画はここで観られます)
 某自動車メーカの愛知万博の目玉であるロボットの振り付けとオーケストラでは残念ながら未来は体感できません。だって30年前の大阪で既に僕らはフジパンロボットでそんなコンセプトは体験済なのだから、、、。

 最近、車のディーラーは、大画面テレビが車の購入の際の最大ライバルと言っているらしいが、ハイビジョンの臨場感が移動手段と競合するというのもアール・キューブ的現象と思えてしまうのだけど、この先に元々のプロジェクトが持っていた21世紀産業の誕生は期待できないのだろうか、、、、。

◆関連リンク
・舘暲教授が語るアール・キューブ構想
・コンセプトがまとまった書籍 『アールキューブ―立花隆VS吉川弘之 ロボティクスの未来を語る』通産省アールキューブ研究会編(Amazon)
東大舘研究室 光学迷彩も有名だけど、SFとしてはやはりこのロボットとテレイグジスタンスの研究が目玉でしょ。最新は相互テレイグジスタンスの第二世代:テレサ2とツイスター4に関する報告
TELESARとTele-Existence Master-Slave System マスターとスレーブが同期して動くシーンはなかなか感動。←にある動画へのリンクはうまくつながってないですが、別のところムービーで観られます。
TWISTER
舘暲(たち すすむ) 研究文献、報告書等
 S. Tachi: Tele-Existence  , Journal of Robotics and Mechatronics, Vol. 4, No. 1, pp. 465-471 (1992)とか。
愛・地球博「ロボットプロジェクト~We live in the Robot Age/僕らロボット世代~」について 「プロトタイプロボット展」の詳細(pdf)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2005年1月23日 - 2005年1月29日 | トップページ | 2005年2月6日 - 2005年2月12日 »