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2006.01.16

■検索エンジンは世界を変えるタイムマシン??
   ジョン・バッテル著『ザ・サーチ グーグルが世界を変えた』 The Search

『ザ・サーチ グーグルが世界を変えた』

 GoogleにはうちのBlogも、お世話になっているので、たまたま図書館で見かけて読んでみた。Google(というか検索エンジン)がなかったら、いろいろなウェブの情報にアクセスするこのようなBlogは運用できなかっただろう。
 本書の中で、マスコミの記事がいつもGoogleに好意的なのは、記者が検索にいつもGoogleを使っているからだ、という記述があるが、まさにその通りかもしれない。僕らのネット生活は検索エンジンなくして成り立たなくなっている。最近はめっきり「お気に入り」も使用しない。整理できていない「お気に入り」よりも、Googleの方が早いからである。

 これだけお世話になっているグーグルの成り立ちと、ビジネスモデルの形成過程が描かれていて興味深く読んだ。以前から疑問だったDECのアルタビスタ:ALTA VISTAが知らないうちに衰退し、Googleにとって変わった理由もわかった。
 あとオーバーチュアのビル・グロスの「ペイドサーチ(キーワード広告)」との関係とか、なかなか興味深い。僕らとしてはグーグルのような優秀な検索エンジンが、ちゃんとビジネスモデルを成立させ進化していってくれるのは非常に有り難い、とまずは思う。(いささかビジネス的に巨大になりすぎている感は否めないが、、、。)

 本書の最終章で著者のジョン・バッテルが将来の検索エンジンについて書いている。ここで興味深かったのが、これから未来では過去の情報のアーカイブとしてネットが当然重要になり、検索エンジンは過去のいつの時点かを指定した上で検索が可能になるのではないか、という記述。つまりグーグルなり検索エンジン自体が膨大なネットの情報を過去のアーカイブとして記録に留め、時間軸を指定して過去のデータを検索できる時代が来るのではないか、というもの。
 それ以上の未来予測はこの本には書かれていないが、、、。以下、こんな想像をしてみた。

◆未来の検索エンジンは改ざんされた歴史を見せるタイムマシン??

 未来の検索エンジンが、時間軸で輪切りにして過去のネット上のデータを提示することが歴史的な意味を持ってくる、という視点がまず思い浮かぶ。こういうコンセプトで考えると、想像力をいたく刺激する。

 いままでの歴史は、歴史学者等が過去の文献を調査して記述していたわけであるが、人工知能を進化させるていくと、これからは検索エンジンがその役割を担う可能性がある、ということ。たとえば「グーグル 2010年」と検索すると、検索エンジンは2010年時点でのグーグルについてアーカイブにあるネットの情報を調べ、未来のネットワーカーにそのサマリーを2010年時点のアーカイブ内のウェブ各所の情報と合わせて提示する。ここでサマリーと書いたのは、ただ無秩序に提示したのでは、ただでさえ膨大なネットデータなので、人間にはなんらかの処理をした上でないと、既に扱えないボリュウムになっていると仮定したからだ。

 個人の歴史で言うと、自分の祖先の例えば「野比のびた」を検索すると、その人の情報はディジタルでネットにあげられたものは全て検索エンジンのアーカイブから取り出せる。そうなった時は、それが本物かどうか誰が証明するのだろう。そこから考えると、歴史というのを検索エンジンの持つ過去のデータとそれを処理するアルゴリズムが支配できる時代がくるかもしれない。もちろん恣意的な改ざんも可能。なので、いずれ過去のデータのアーカイブを、どう公平性を保って管理するかということが重要な焦点になるかもしれない。

 (もし最終戦争等で死滅していなければ)1万年後に、人類のディジタルデータの分量はどのくらいになっているのだろうか。それはそれはもの凄いものではないか。だって今こうして書いているような与太話のブログデータまで入れたら、人間の生み出している(垂れ流しいる)データは膨大だ。過去の文献の既に何億倍ものデータがインターネット上のデータとして発生しているのではないか。

 1万年後に、2006年というのはウェブの超古代として扱われているのだろう。古代のデータをみて我々の子孫はどう思うのだろうか。僕の子孫は祖先の書いた「究極映像研究所」のデータから、はるかなおじいちゃんが何を考えていたかを(文章自体は今の状態からデータとして全く劣化することなく)、読み取るようなこともあるのだろう、、、。その時にグーグルかどうかは分からないが、人工知能を持った検索エンジンは、それら莫大なデータをサマリーして(順位付けして)、どう歴史を表現(改ざん?)するのだろう。こうして考えると、検索エンジンというのは、未来において、場合によっては恣意的なディジタルデータのタイムマシンの機能も持つことになる。

 ディジタル時代のスタートによって、人類の歴史というのがある意味劣化しないデータとして残る時代が到来したわけである。ディジタル歴史家、ディジタル古代史家は1万年前のディジタルデータをどう発掘するのだろう。未来の歴史家の視点で、インターネットのデータと検索エンジンを考えると、また一つ別の新しいビジネスモデルが見えてくるのかもしれない。政治的な歴史改ざんの仕組みもここから構築される可能性があり、なんか怖かったりもする。本書のタイトルについて、著者もそんなことまで言及していないが、真の意味で「グーグルが世界を変え」るのは、未来においてなのかもしれない。それは誰もいまだかって想像したことのない、まさに人工知能によって管理された過去をいつでも覗ける未来なのである。

※ついダラダラと書いてしまいましたが、論旨がしっかりしてないですね。少し頭のほとぼりが冷めたら、いずれ整理して書き直してみます。まずは、陳謝!!

◆関連リンク
・ラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンの「バックラブ」のことを書いた検束エンジンのキーになる論文について、本書はhttp://www.db.edu/~backrub/google.htmlにあると書いているがリンク先が現在不明。興味のある方は、ここを見ると良いでしょう。
・本書に関するジョン・バッテルのBlogが、後書きではbattllemedia.com/thesearchにあると記されていますが、これも不明。
・本書のあらすじは、NV-CLUB ONLINE参照。
『検索エンジン戦争 インターネットの覇権をめぐる興亡と争奪戦の物語』 (Amazon)

 ヤフー、グーグル、MSNなど、検索エンジンの攻防を描いた本。中でも、グーグルが優れた精度やテキスト広告の提供で、ネット広告やWebマーケティングを“儲かるビジネス”に変え、ライバルの地位を脅かす存在に成長していく過程に焦点を当てている。同社の勝因として、高価なサーバーを使わずに大量の低価格パソコンを運用する分散システムで投資を抑えたことを紹介。著作権やプライバシの保護、表現の自由など、検索エンジンが直面する課題にも触れている。

Google video
 最近始まったグーグルの新ビジネス。冒頭ページにボブ・サップがでる日本のTVのビデオが入っていたりするが全体像がつかめません。どうやらプライベートビデオ作品も掲載できるようなのですが、、、。自主映画のアーカイブになってくれたら嬉しいな。ちなみに「David Lynch」で検索してもめぼしいものは出てきませんでした。

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