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2006.02.05

■中沢新一『森のバロック』 総論

mori中沢新一『森のバロック』 (Amazon)

 1992年に出た本なのだけれど、本屋で見かけて、タイトルに興味を持って読んでみました。中沢新一ははるかな昔に『チベットのモーツァルト』を読んだ以来なので、すでに20年ぶりかも。

 これがかなりインパクトのある本でした。傑作。
 いろんな刺激的な言説があって、ページをめくるたびに新鮮な視界が広がる、という本。

 Amazon等の紹介に「日本思想の可能性の宇宙樹。南方熊楠論」とある。
mori02  僕の読後の感じとしては、中沢新一が熊楠の著作と膨大な書簡から読み解いた熊楠思想とその現代における可能性、という内容。現代の思想、自然科学等の知見と対比しながら、主に熊楠の日本的アジア的な思想が、どう西洋思想に対して拮抗し、さらに未来に向けて可能性を拡げていけるかを、熱く(本当に中沢の筆は熱い)書き起こしている。

 補遺は全体を軽く紹介した単独のエッセイなので読み飛ばすとしても、第1章から結論までは、本当に面白く読める。いちいち自分が今抱えている疑問や興味の対象や課題(仕事等)に、熊楠的(中沢的)な思考を当てはめてみると、思わぬ視野が広がる、という意味でどんどん読み進めてしまえる本。
 南方熊楠という名はアチコチで目にし、面白そうな印象はもっているのだけれど、熊楠の思想の実物にあたったことのない自分としては、どこまでが熊楠のもので、どこからが中沢のもの(もしくは彼の知る現代の知見)か判別できないのだけれど、まさに曼荼羅的/超領域的にワイドスクリーンバロックに展開するこの本はお薦め。

目次
第1章 市民としての南方熊楠
第2章 南方マンダラ
第3章 燕石の神話論理
第4章 南方民俗学入門
第5章 粘菌とオートポイエーシス
第6章 森のバロック浄のセクソロジー
第8章 ポリフォニーとマンダラ
結論 来たるべき自然哲学
補遺
ヘリオガバルス論理学
書簡による南方学の創生
Une sorte de Mozart Tib´etain

 長くなりそうなので、以下、各章ごとの感想とかメモは別記事にまわします。いや、噛み出がある本なので。
■中沢新一『森のバロック』 第一章,第二章: ★究極映像研究所★

◆関連リンク
南方熊楠 中沢新一 (ウィキペディア(Wikipedia))
粘菌生活:デジタル映像で見る細胞性粘菌の世界 動画
 (弘前大学農学生命科学部 応用生命工学科 細胞工学講座)
長女南方文枝さんが語る「普段着の南方熊楠」 (紀伊民報AGARA)
・写真家 森武史氏の-熊野古道-
森のフリー写真素材・壁紙集
 この記事の森の写真はここの素材を使わせていただきました。
・中沢 新一編 南方熊楠コレクション(Amazon新刊は品切れ) 
 kumakusu_collect

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