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2006.04.03

■ロイ・ウォード・ベイカー監督『火星人地球大襲撃』
    Quatermass and the Pit (1967)

Quatermassandthepit_title
Quatermass and the Pit (1967) Five Million Years to Earth (USAタイトル) (IMdb)
火星人地球大襲撃(Disc Station より ストーリー抜粋)

 「原子人間」「宇宙からの侵略生物」に次ぐ“クォーターマス”シリーズ第3弾。ロンドンの地下鉄工事現場で発見された奇妙な物体。それはなんと500万年前に地球に飛来していた昆虫型火星人の宇宙船だった。
 時同じくして地上では理由なき人間同士の争いが続発し始める。それが宇宙船から発せられるエネルギーのせいだと推測し、宇宙船内に残されたデータから、火星人に何が起きたのかを突き止めようとするクォーターマス教授。だがそのデータに残されていたのは、遙か太古に繰り広げられた火星最終戦争の記憶であった……。

 小学生の頃(10歳くらい)、TVで観て強烈な印象を受けた作品。ずっと観なおしたいと思っていたのだけれど、近所に新規オープンしたレンタル屋でついにDVDを見つけて、喜び勇んで借りてきた。

 白黒か受信状態の悪いテレビで観てたか、画像についてはぼんやりした記憶しかもっていなかったが、テレビ受像機に脳内映像を映し出すシーンのノイズの入った画面と、ロンドン上空に小鬼のようなイナゴ型火星人のイメージが立ち上がるシーンは鮮明に記憶していた。今回、観直してもそこの強烈なイメージがやはり良かった。特撮はチープだけど、そのシーンへ向けて盛り上げていく物語の作りがなかなか。もっともこの映画、『2001年宇宙の旅』(1968)の一年前の映画なのだけれど、さすがにこの名作と比較すると、ふるーい映画という感じがしてしまう。『2001年』がそれだけ凄いわけですが、、、。

 で、物語は上に抜粋したあらすじのようなものだけれど、ちょっとニュアンスの違うところがある。ポイントは下記二点。

①地下鉄工事現場でまず500万年前の類人猿の化石が発見される。そして同じ地層から謎の材質で作られた宇宙船らしきものが続いて発掘される。

②「宇宙船から発せられるエネルギーのせい」ではなく正確には、太古に人類にセットされた深層記憶が宇宙船の影響で発動する。(悪魔の姿はその深層記憶が生みだしたイメージとして人類の中にあったもの)。

 ここがSFとしての面白さの重要ポイント。①は小松左京の『果てしなき流れの果てに』を思い出させるし、②はクラーク『幼年期の終わり』とか、太古の人類にセットというところが半村良『妖星伝』を想いださせる。あと発動した後の「異種族」間の殺し合いのシーンは永井豪の『デビルマン』だったり、、、。

 これって最新のSFXでリメイクしても面白いネタになるのでは、と思ってしまう。
 チープなつくりではあるけれど、なかなかのSFマインド。

 観たいという長年の想いで過度の期待があった僕の「幻の一本」だっだわけだけれど、その期待に背かず、ここまでしっかり楽しめて満足でした。たいがい子供時分に観た作品って、幻だけが肥大化して実物を観るとがっかりしますから、、、。

◆関連リンク
Roy Ward Baker監督
・原作・脚本Nigel Kneale
 最近もThe Quatermass Experiment (2005) (TV)を制作・脚本
www.allcinema.netより映画のデータ

上映時間 98 分、製作国 イギリス
公開情報 劇場未公開・TV放映

監督: ロイ・ウォード・ベイカー Roy Ward Baker
製作: アンソニー・ネルソン=キーズ Anthony Nelson Keys
脚本・原案: ナイジェル・ニール Nigel Kneale
撮影: アーサー・グラント Arthur Grant
音楽: トリスタム・ケイリー Tristam Cary
 
出演: アンドリュー・キア Andrew Keir
ジェームズ・ドナルド James Donald
バーバラ・シェリー Barbara Shelley
ジュリアン・グローヴァー Julian Glover
モーリス・グッド Maurice Good
ダンカン・ラモント Duncan Lamont
ブライアン・マーシャル Bryan Marshall

・SF MOVIE DATA BANK 作品データ
 火星人地球大襲撃」(1967) 原子人間」(1956) 宇宙からの侵略生物」(1957)
 THE QUATERMASS EXPERIMENT、THE CREEPING UNKNOWN

Quatermass and the Pit (wikipedia)

・やはり子供時代にこれを観た記憶を書いている英文記事 日本語記事
 「DVDでは「火星人地球大襲撃」になってますが、テレビでは「大襲来」ではなかったでしょうか??調べてみると、1971年に放映されていた?」とのこと。

・SF Online 久保田明氏の<レーザーディスク倶楽部>レビュウ

いやはや低予算ながらあっぱれの世界崩壊描写である。『エイリアン3』のリプリーのような自己犠牲《サクリファイス》行為で事態は収まるが、人類進化の秘密を知ったクォーターマス教授は焦土と化した街路で呆然。開放感のないベットリとした幕切れが「名物シリーズ」の刻印だろう。

ロイ・ウォード・ベイカー監督『火星人地球大襲撃
 DVDは、2003.2に発売されたもの。

昆虫型火星人の邪念が解き放たれロンドンが壊滅するパニックSFの隠れた名品として、マニアの賛辞を集めた一作である。
【特典映像】 オリジナル劇場予告編
WORLD OF HAMMER / Sci-Fi”(25分)収録
ポスター&フォトギャラリー(1+27枚)

Live show at Cropwell Bishop quarry, UK, August 1997
 作曲家 Paul K Joyceによるこの映画にちなんだライブショー(公式HP) ポスター
Quatermassandthepit_liveshow

・TVシリーズ版の写真 Instances of Hob in modern science fictionよりQuatermassandthepit_tv

Quatermassandthepit_monster  あきらかに映画版より、火星人のイメージはこっちの方がいいです。

 DVDの監督と脚本家のオーディオコメンタリーによると元のTV版は3時間あって短縮されたらしい。

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コメント

「この物語は、ロンドンのとある地下鉄の工事現場から始まった」というTV放送の日本語吹き替え版では、このナレーションが入っていたことが、一番覚えていました。昔のローカルTV局ならではの、カットばかりで、ハイライトシーンをくっつけただけの放送だったと記憶していました。
私は、字幕なし海外の英語だけのアップで久しぶりに拝見して、こうだったのかと、細部まで思い出しました。主人公的な若いロニー博士が、自分の命も顧みず、敵を倒すシーンと、それを見たクォーターマスの苦悩ぶりが、大人になった現在、理解し心に響きました。私はとても良いSF作品だと高評価していますよ。

投稿: クリテンちゃん | 2012.10.23 11:16

 たまりんどさん、はじめまして。

 私もかなり心に刻み込まれ、ずっと観たかった映画でした。

>>ストーリーの背景は2001年と一緒じゃないですか。そのころ、宇宙人が人類を進化させたという話がはやっていたんでしょうか。

 そういう意味では『2001年』より早く映画になっていますから、偉大ですね(もしかして撮影中のキューブリック映画の情報が少し漏れていた…というか『2001年』のベースになったクラークの短篇「前哨」は世に出てたので、それが参考にされた部分もあったかもしれませんが…今となってはわかりませんね)。

投稿: BP(たまりんどさんへ) | 2012.08.27 23:49

すごく子どもの頃テレビで見てその晩はまったく眠れず、しばらく地下鉄に乗るのが怖かった映画です。タイトルもストーリーの細部も忘れていて、ただ地下鉄・バッタの宇宙人・空に白い影・クレーンで突っ込む・人がぼろぼろになるだけ覚えていてGoogleしていてここにたどり着きました。おかげでタイトルがわかり、おまけに全編Youtubeにあるのを発見してしまいました。ありがとうございます。しかし、ストーリーの背景は2001年と一緒じゃないですか。そのころ、宇宙人が人類を進化させたという話がはやっていたんでしょうか。

投稿: たまりんど | 2012.08.26 18:36

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