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2006年10月

2006.10.31

■デビッド・リンチ Inland Empire続報

Inlandempire_poster2

Inlandempire_poster1Inland Empire (film) - Wikipedia

 いまだに公式サイトとトレイラーが公開されていません。ドイツでは11月、アメリカでも12月に公開予定というのに、、、。

 で、Wikipediaに現時点でわかっている最新情報がまとめられていたのでリンクしました。そして、これが正式なポスターのようです。

 ちょっと地味だけれど、雰囲気は出てますね。

◆関連リンク
ドイツのマニアックなリンチサイト
 updateページに『インランド・エンパイア』に関するインタビュー番組が複数紹介されています。が、ドイツ語吹き替え版。

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2006.10.30

■モルフォビジョン Morphovision ゆがむ立体
  もしかして、新しい芸術ジャンルの誕生!!?

Morphovision
shamonさんよりおしえてもらった奇妙な映像作品
Morphovision 詳細 ゆがむ原理 岩井俊雄氏解説 (公式HP)

 「モルフォビジョン」は高速回転する物体に特殊な光を照射することで、目の前で硬い立体物が柔らかく変形したり、バラバラになったりといった視覚的イリュージョンを作り出すシステムである。ここでは、家のミニチュアを高速回転させ、タッチパネルの操作で、照射する光のパターンを選び、変形をさまざまに変えることができる。パターンの中には、物体をアニメーションのようにグニャグニャに変形させてしまうものもある。これらの効果は、物体の高速回転とシンクロして、物体上をスキャンする光を照射し、その光の形状をリアルタイムに変えることで実現している。

NHK放送技術研究所 News
NHK INFORMATION 立体像提示装置「モルフォビジョン"morphovision"」を開発

「モルフォビジョン」は、暗室の中で高速回転している物体に、回転するミラーを用いてスリット状の光をスキャン投影します。スキャンの間に物体が同期して回転するため、眼の残像効果により、物体そのものが変形しているように見えます。

 NHK放送技研とアーティスト岩井俊雄氏の共同開発品。

 原理はこちらで観ていただくとして、残像効果とプロジェクタを活かした新しい映像世界が広がっているようです。
 この例では、ゆがむ家となっていますが、これは相当奥の深い技術じゃないかと直感。
 プロジェクタで照射する映像は無限にあるわけだし、さらにそこにスクリーンに相当する立体造形物×回転速度コントロールが可能で、この組み合わせだけ考えても、もしかして全く新しい芸術ジャンルと呼んでも良いような広がりがありそう。

 アートとしての展開。広告媒体としての利用。コンピュータゲームとしての可能性。アニメーションの立体上映、、、、多種多様にアイディアが沸いてくるのではないか。岩井氏他、今後の展開がとても楽しみです。

 2006年10/中旬以降、放送技研のエントランスホールで実物が展示されるらしい。是非、観てみたい。こういうの大好きです。

◆関連リンク
・岩井俊雄氏のBlog TENORI-ON開発日誌より
 ・Morphovision at SIGGRAPH2006 シーグラフでの評判
 ・Morphovision in 360VR.com
  360VR.comに掲載されたモルフォビジョンの360°ヴァーチャルリアリティ映像
Emerging Technologies: SIGGRAPH 2006(シーグラフ公式HP)
デジタル・スタジアム「体験!デジスタ・ミュージアム2005」
岩井 俊雄著 『いわいさんちへようこそ!』(Amazon)
『岩井俊雄の仕事と周辺』(Amazon)
『どっちがへん?』(Amazon)

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2006.10.29

■紅葉の森林に佇む彫刻群
  札幌芸術の森 野外美術館・1

Artpark_title
 ようこそさっぽろ「野外美術館を歩く」(各彫刻作品の紹介ページ。動画もあり)

Artpark_menoshiro_90  北海道の札幌芸術の森へ行ってきた。一日しか自由時間がなかったのだけれど、観光ガイドブックで選んだここが大正解。特に素晴らしかった野外美術館をまずはご紹介。

 この日は天気も良く、10月末にしては気温は高く、気持ちのいい秋らしい一日。
 何が素晴らしいかというと、紅葉の北国の森林の中に彫刻作品が佇む、その様が圧巻。寒さがしのびよる10月の北海道の澄んだ空気と眼に鮮やかな紅葉、そしてそんな自然の中に、突如現われる非現実的な建造物。
 何故だか週末なのに閑散とした空間。自然の山野を一人、秋の異空間をさまようような体験が得がたいものになった。

 右の写真には、白樺は写っていないが、紅葉と白樺の山の中を進んでいくと、異世界からやってきた人造物が現われ、とにかく心躍らせた。以前に箱根の「彫刻の森美術館」は行ったことがあるが、あそことは空気感が全く違う。原野に近い山の中をさまよう感覚が圧巻。

 美術館の人と話すと、春はうっすら桜も咲き、また別種の良さがあるという。冬はカンジキを貸し出し雪の中で作品に出会えるらしい。またいつか違う季節にも訪れてみたい。

異空間に出現した作品群・1
目の城 '90 新妻 實 作 1990年
 上の写真の作品。この穴から覗く紅葉が良い。同じ作者の「目の城'86」というのが、碧南市役所にあるらしい。

Artpark_kakusaretaniwa00_1 Artpark_kakusaretaniwa
隠された庭への道 Way to the Hidden Garden
 ダニ・カラヴァン 作 1992-99年
 まず森のはじまりにこの全長300mの作品が登場する。青空を突く円錐が素晴らしい。左の写真では、四角の穴がインディアンのテントのような印象を作り出してしまっているが、後ろから観た右の情景の方がインパクトがある。どうせならこの開口部はやめた方が良かったのではないか。
 建造した日本仮設株式会社の特殊型枠施工事例に図面と建造風景がある。

 日本ではほとんど前例のない"ホワイトコンクリート"での作品制作は、カラヴァン氏の求める高い精度のフォルムを実現させるために試行錯誤を繰り返し、困難を極めたものでした。

Artpark_shaft2_00 Artpark_shaft2_01
シャフトII アントニー・ゴームリー 作 1990年
 縦横に入った溶接の線が猟奇的雰囲気を感じてさせてしまう作品。この彫像がみつづける風景の寂しさがなんだか身に沁みてくる作品。
 Antony Gormleyの他のオブジェ。同様のモチーフが感じられる。

 長くなりそうなので、札幌芸術の森 野外美術館・2に続く。

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2006.10.23

■金沢コミュニティ映画祭
  ~Kanazawa Community Film Festival 2006~
  黒沢清ש高橋洋の恐怖映画史講義

金沢コミュニティ映画祭 ~Kanazawa Community Film Festival 2006~
                    (金沢コミュニティシネマ推進委員会)

トークイベント1 黒沢清ש高橋洋の恐怖映画史講義
【日時】11月5日(日) 12:30会場 12:40「LOFT」上映 14:45トーク開始(予定)
【会場】金沢21世紀美術館シアター21

新作「LOFT」の上映に併せ、黒沢監督が愛してやまない〈恐怖怪奇映画〉について語ります。お相手は「女優霊」「リング」などで世界的なホラーブームを巻き起こした高橋洋氏。
怪奇映画の2大巨頭によるトークを見逃すな!

 これは聴きたい!金沢なら行けない距離でないし、21世紀美術館も一度は観てみたいし、、、、。『LOFT』もまだ観ていないので、行くしかないと僕のゴーストが囁いています(^^;)。

 なにやら怪しい映画が総数38本上映されるようです。
 以下、気になったものを引用しますが、暇が許せば、38本のうち、半分くらいは観て見たい、、、。『覆面上映A, B』は何か気になります。
 当てた方に景品は出せませんが、もし想像付く方は、コメントで書いてみてください。僕はとりあえず、冨田勲のあの音楽も封印してしまった『ノストラダムスの大予言』としておきましょう。(当時のサントラを今も持っているのが、自慢だったりする(^^;))

■世界の怪奇幻想映画
Kanazawa_community_film_fes_1  ●聖なる映画作家 カール・ドライヤー
極限まで研ぎ澄まされた純粋さと残酷さ。デンマークが生んだ孤高の映画作家の代表作2作。
『吸血鬼』Vampyr
1931年/ドイツ・フランス/1時間22分/白黒/サイレント
『奇跡』ordet 1955年/ベルギー・デンマーク/2時間6分/白黒

封印作品
『獣人雪男』
1955年/日本/1時間35分
監督:本多猪四郎 主演:室田明、根岸明美、河内桃子
『覆面上映A』  『覆面上映B』
※諸事情によりタイトルは伏せた覆面上映とします。

■ショック・ドキュメンタリー 特集:フレデリック・ワイズマン
『臨死』Near Death 
1989年/アメリカ/5時間58分
尊厳死、脳死など、死と生の境界をめぐる末期医療の新しい問題を臨床現場から掘り起こした6時間に及ぶ超大作。先端の医療技術を誇る病院の集中治療棟で行われる生命維持装置を使った診療をめぐり、患者と医者が直面する現実に多角的に迫る。

『肉』Meat 
1976年/アメリカ/1時間52分
野の草を食む「牛」はいかにして「肉」となるか。「牛」が徹頭徹尾「肉」として扱われる巨大精肉工場で、無数に細分化された各工程が一分の狂いもなく進行する過程を、的確な映像と編集のリズムによって映し出していく。

『法と秩序』Law and order
1969年/アメリカ/1時間21分
カンザス・シティの最も犯罪率の高い地区で、売春の摘発や拳銃を所持する窃盗犯の逮捕など緊迫した状況を追う一方、老女のバッグ探しや迷子の保護、夫婦のいさかいの仲裁など、市民生活のあらゆる側面に関わる警察の活動をとらえている。

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■<幻想の画廊からリンク集02>レオノール・フィニー
  Leonor Fini

Leonor_fini_1澁澤龍彦コレクション―幻想の画廊から(amazon)
 卵・仮面・スフィンクス―レオノール・フィニーの世界

 「仮面の効能は、種の定着性を、新しい種で置き換えるところにある」とジョルジュ・ピュロオが断言している、「新しい種とは、すなわち混淆種のことである。人間=鳥、人間=精霊、人間=猿、人間=羚羊、人間=祖先などが、それである。そして、この混淆種のおかげで、個人は、いつでも好きなときに、おのれの単調で無力な存在条件から脱出することができ、また解放されて、動物や神々が暴れまわる、あのはるかな地平のかなたへと飛翔することができるのである」と。

 アルゼンチン出身のイタリア人女流シュールレアリスム画家レオノール・フィニー。
 幻想的なタッチに女性的な雰囲気が丸みを与えている絵が特徴(と簡単には言えないけど、、、)。しかし時々ドキッとするようなシャープで怖い凄みのある絵に遭遇する。
 スフィンクス、仮面の人間といったものが素材として登場するが、澁澤龍彦はそれらが女性であることが多いのを指摘している。

 澁澤龍彦がセレクトした絵が素晴らしいのでカラーの画像を探したが、ネットで見つからない。「土地を愛するスフィンクス」「不死鳥を守る女」「若者の驕りを庇う黒い牝のスフィンクス」の三枚。どなたか見つけられたらご教示を。

◆画像他リンク
Leonor_fini_2La galerie Minsky - Leonor Fini(公式HP)
Leonor Fini at Weinstein Gallery
Leonor Fini 
Leonor Fini Original at CFM
Gallery Site officiel de leonor Fini/galerie Minsky 
画家本人のポートレート

・右の写真はここから。これも素晴らしい。
JDN /東京アートレビュー /17-6 レオノール・フィニ展
 シロフクロウの仮面をかぶったフィニの写真。
 だいぶ違うけど、アンダーカバーのシュヴァンクマイエルへのオマージュ作品を思いだします。
Kunst am Sonntag: "Leonor Fini - ein Fest" am 20.Februar 2005 
名古屋市美術館 「レオノール・フィニ展」
 げげ、去年名古屋にきてたんだ!一年前、、、残念。

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2006.10.22

■ベルトラン・シュミット監督
  『シュヴァンクマイエルのキメラ的世界』
  Chiméry Jana a Evy Švankmajerových

Chimeryjanaevysvankmajerovych_1

シュヴァンクマイエルのキメラ的世界』(レン・コーポレーション)
 前の記事でも少し触れたけど、シュヴァンクマイエル氏とエヴァ夫人についてのドキュメンタリー作品。2006/11/18よりイメージフォーラムでレイトロードショー。
 興味がわいて、いろいろとネットで探してみました。

・日本版宣伝チラシのデザインを担当されたゆさかずや氏の紹介文
チェコで発売されているDVD
『Chiméry Jana Švankmajera』(2000)(チェコの映画データベース)
『Chiméry Jana a Evy Švankmajerových』(ČESK TELEVIZE)

 チェコのテレビでの放映記録。
 čtvrtek 2. 9. 2004
 Stopáž: 59 minut

LES CHIMÈRES DES SVANKMAJER
 de Bertrand SCHMITT & Michel LECLERC
(チェコフランスのサイト)
Chimeryjanaevysvankmajerovych00_1
 チェコ語なので、内容はさっぱりわかりません。
 どなたかチェコ語に堪能なシュヴァンクマイエルファンの方に、解説いただきたいところ。公開後、きっと日本語版DVDがでることを信じています。
 僕の期待は、シュヴァンクマイエルの自宅であるガンブラギャラリーと、そしてその近くのプラハの大ゴシック建築ヴィート大聖堂での取材シーンが入ってないかな、ということ。
 あれだけ近所に住んでいて、シュヴァンクマイエルがゴシックの建築に対して、どのようなとらえ方をしているのか、凄く知りたい。もしかして、近くに住むことを望んであの場所を選んだのか、どうなのか、というところ。

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2006.10.21

■cinra magazine vol.11
  特集:ヤン・シュヴァンクマイエル

cinra magazine vol.11 特集:ヤン・シュヴァンクマイエル

Lunacy・新作、「LUNACY」を観よ!
・インタビュー:
 チェコカルチャーの仕掛人
 くまがいマキ氏
   (配給会社チェスキー・ケー)
 田中廉也氏
   (レン・コーポレーション)
・ヤン・シュヴァンクマイエル作品、徹底解剖!
・Who is ヤン・シュヴァンクマイエル
「芸術新潮」06.7、「CGWORLD」06.7、「TONE」05.11の三誌からインタビュー転載

 私の作品の基礎は、世界を≪類推的に≫受け入れることです。≪類推≫は最も繊細な言語で、人間の感情の繊細な震えさえも捕らえることができます。一方でアイデンティティの上に建てられた実用的な文明が生んだのは道理にかなった言語です。繊細な言語をヨーロッパの文明はルネサンス期にどこかで捨ててしまいました。もう一度ヨーロッパが、かつて(マニエリスム、ロマン主義、シュルレアリスム)の時代に短期間戻ったとしても、大陸文明の主流を昔に戻すことはできません。日本では<古代の>自然や人間、時間への魔術的な知覚がまだ生きています。

 シュヴァンクマイエルの発言でこの部分がクローズアップして紹介されているが、素晴らしい言葉だと噛みしめて読んだ。
 近代が科学を根拠にして工業社会を立ち上げたことで世界が得たものは大きい。だけれどもそこから抜け落ちてしまった人間の言語≪類推≫(とシュヴァンクマイエルは名づけている)。

 エンジニアリングの世界でメシを喰っている身として、工学のロジックと言語で、不可思議なヒトの感情の動きが整理されて、いろんな物事がある意味、公平に決まっていくことの便利さは日々実感しているのだけれど、一方でそこで殺されていく≪類推≫の悲鳴も自分の中で痛感している。(特に今週、つらかったし、、、(^^;))

 まさにその実感にこれほどピッタリの言葉に今日行き当たったことで、シュヴァンクマイエルの作品の持つ自分への印象の意味に、また一つ強く気づかされたという感じ。

 あとくまがいマキさんのチェスキー・ケーの成り立ちと今後の配給したい作品はイジー・バルタとか、面白いインタビューが読めます。読ませる特集です。

◆関連リンク
cinra magazine
『Lunacy ルナシー』作品情報@CINEMA COMIN'SOON
・ 『ルナシー』(レン・コーポレーション)11/18日本公開にあわせて、各種のイベントが紹介されています!ドキュメンタリーが一番、観たい!! 
 ・『オールアバウト・シュヴァンクマイエル』
  エスクァイア マガジン ジャパンより刊行  
 ・シュヴァンクマイエル作品回顧上映
 12月、新宿 K’s cinema
 ・『シュヴァンクマイエルのアリス』展 
  チェコセンター 11/1(水)~12/4(月)
 ・『シュヴァンクマイエルのキメラ的世界』(イメージフォーラム)
  シュヴァンクマイエル氏とエヴァ夫人についてのドキュメンタリー作品。
  日本版宣伝チラシのデザインを担当されたゆさかずや氏の紹介文

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2006.10.20

■「メッセージ.jp」 冨田勲 立体音響へのチャレンジ

メッセージ.jp (BS Fuji)

冨田勲さん(シンセサイザー奏者)
聞き手:福田和也(文芸評論家 慶應義塾大学教授)

 ひさびさに冨田勲出演のインタビュー番組をテレビで観た。70代というのに、その語りの熱さに感動。シンセサイザー『惑星』の革新的な音をはじめてラジカセで聴いた、中学生の自分の興奮を想い出す。

 番組は音との出会いと学生時代、そして世界の冨田へ、という内容。
 中国の天壇公園で音の不思議な魅力に出会った少年時代の冨田氏の回想とか、手塚との出会いと『ジャングル大帝』での主題歌のエピソードとか、僕ははじめて聞いたので、とても興味深かった。『ジャングル大帝』は本当に今聴いても名曲!

 NHK「今日の料理」の「チャッ チャカチャカチャカ チャチャチャ-」が冨田作曲というのも知らなかった。

 そして一番興味深かったのが、作曲家としてデビューしてすぐのラジオでの仕事「立体音楽堂」(1954)。どんなものかというと、、、、。

 たふらんけさんのBlog
 二〇世紀ひみつ基地  立体音楽堂・カーネギーホールより抜粋させていただくと、

*「立体音楽堂」とは

昭和二十九年(1954)NHK第一・第二放送で、世界初の立体放送による、日曜昼の定時番組放送開始。その番組名が「立体音楽堂」。放送は1960年代半ばまで続けられた。 立体ラジオ放送「立体音楽堂」の冒頭は、「この放送を立体放送としてお聞きになる場合は、二台の受信機をご用意ください。一台を第一放送、二台目を第二放送の周波数に合わせ、それぞれの受信機を結ぶ線の、ちょうど三角形の頂点の位置でお聞きになり、私の声が真中から聞こえるように調節してください」というアナウンスではじまり、バランス調節のために蒸気機関車が走り去る音などが流されたという。クラシックのほかに放送劇なども放送している。

ステレオということばが、まだ市民権を得ていない時代から始まった「立体音楽堂」は、オーディオマニアやクラシックファンにとっては特別な存在であり、そのタイトルは立体音響を象徴するものであったのだ。

 凄いなー。人間の聴覚の立体感の獲得のための努力は、こんな形でトライされたんだ。
 そして今では当たり前のステレオ放送に感動する人々の姿が思い浮かぶ。わずか50年、人間が立体音響の放送メディアを持ったのは、たったの50年なんだ。

 番組のラスト。冨田が今、興味を持っているサラウンドの可能性へのチャレンジについて語る。少年時代の中国の回廊での音の不思議の体感、大学時代にFENで聴いた「春の祭典」の感動、そしてシンセサイザーとトミタサウンドクラウド(長良川で僕も聴いた)。冨田少年のたどってきた立体音楽との関係が、いま、サラウンドの凄さをもっと体感できるソフトを実現するという夢を持った活動に見事につながっている。

 立体聴覚の拡張、という視点を縦糸に冨田勲をとらえたインタビューになっていて、刺激的だった。今なお、若々しく究極の音像を求めてやまない冨田勲になんか元気をもらいました。(ちょっと仕事で落ち込み気味だったのだけど、、、(^^;))

◆関連リンク
DVDオーディオ『惑星サラウンドバージョン』 
 冨田勲『惑星<2003>』(Amazon)
 探したら、こんなサラウンド作品が2003年に出てました。さっそく注文!届くのが楽しみでしょうがありません。(DVDオーディオプレーヤー、持ってませんが、DVDビデオでの4.1ch再生ができるとのこと。)
5.1サラウンド・サウンド セミナー報告(PDF)
 サラウンド版の「冨田勲:源氏物語幻想交響絵巻」。立体音響の歴史も書いてある。

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2006.10.19

■<幻想の画廊からリンク集01>幻想の城 シュヴァルの理想宮

Chevals_ideal_palace

澁澤龍彦コレクション―幻想の画廊から(amazon)

 郵便配達を職業とするシュヴァルは、まったくの独力で、ただ自分の手と脚とを用いるだけで、ドローム州オートリヴの静かな村に、あの壮大な理想の宮殿を完成したのである。「古今無比の、世界で最も独創的な建造物。たった一人の男が、この厖大な仕事を独力で完成するのに、三十四年の片意地な努力を要した」と作者自ら誇らしげに語っている通りである。

Postman Cheval's Ideal Palace(公式HP)

 カンボジアを思わせる建造物。これをひとりの人間が毎日自分の街で石を拾い、こつこつと築きあげたという事実が凄いインパクト。素晴らしい妄想力です。

 年を経るとともに、人生短いなー、と最近感じますが、こういうものに打ち込むのってとてもいいですね。後世に自分の妄想の建造物が残るって。ネットに妄想のBlogを垂れ流すだけとは、銀河の距離ほどの差があります。

 あとシュールリアリストの誰かが、こういうものを作り出したら、その構内に入って探検してみたいものです。ワクワクするなー。シュヴァンクマイエルなら、さしずめ「触覚の宮殿」。くすぐったそう(^^;)

 下記のサイトの写真などでお楽しみください。

◆関連リンク
Facteur Cheval's Palais Ideal BEST PHOTOS
シュヴァルの理想宮 (サイト カンボジア書記さん)
岡谷 公二著『郵便配達夫シュヴァルの理想宮』(Amazon)

日本珍スポット100景-B級スポット観光ガイド-さんの知多半島のシュバル理想宮「貝がら公園」【愛知】

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2006.10.15

■澁澤龍彦コレクション『幻想の画廊から』

Gensou_no_garou_01『澁澤龍彦コレクション―幻想の画廊から』

 「幻想的な美術や芸術作品に惹かれる」生来の資質から渉猟しはじめられた膨大な「ヨーロッパの幻想画家の画集」や「悪魔学や錬金術やエロティシズムに関するテキストならびに研究書」のエッセンスを自由自在に組み合せ、渋沢龍彦自身の強い“好み”から見事に統一を与えられた伝説の美術論集。
 「マニエリスムからシュルレアリスムへ」という革命は本書から始まった。

 食わず嫌いで読んだことがなかった渋澤龍彦。
 たまたまいつも行く本屋に、2001年刊行の本書が何故か平積みになっていた。アルチンボルドの有名な絵に引かれて、手にとってみると、下記の画家たちの名前が幻惑的な章題とともに並んでいた(ほとんど知らない体たらく(^^;))。思わず、購入、帰りの電車でざっと目を通した。

 各章が画家たちの紹介になっているのだけれど、エッセイは簡単な紹介程度で少し物足りない。画家たちの作品は、文庫版の場合モノクロ印刷で各1-2枚掲載されている。どれもモノクロながら妖しい魅力を放っている。が、これもモノクロで欲求不満になる。これをインデックスとしてネットで各画家の作品にあたると、広大なシュルリアリスティックな空間が目の前に開けそうで、ワクワクしながら電車を降りた。

 というわけで、今日もネットでフランスの郵便屋シュヴァルが一生かけて構築した幻想の城などをググってドキドキしていた。これから何回か、この幻想の作家たちのネットでのリンク集を作成したいと思う(不定期です(^^;))。

 それにしても、巻末の<河出文庫 渋澤龍彦コレクション>のラインナップを眺めると、どれも面白そう。ポチポチとこれから手にとることになりそうな予感。いまさらですみません。

◆関連リンク集
・各作家ごとに記事を作成し、できたところから下記にリンクさせるつもり。ということで最初はまだリンクがありません。明日にでもまずは郵便屋シュヴァルへのリンクを作る予定。

空間恐怖と魔術―スワンベルクとブロオネル
女の王国―デルヴォーとベルメエル
イメージの解剖学―ふたたびベルメエル
卵・仮面・スフィンクス―レオノール・フィニーの世界
夢みる少女―バルテュスの場合
混沌から生成へ―タンギーの世界
マグリットの冷たい夢―終末の青空
神の香具師ゾンネンシュターン―月の精の画家
サルバドール・ダリの両極性―堅いものと軟らかいもの
光り輝くルネサンスの幻影―ダリ展を見て
『百頭の女』と『スナーク狩り』―マックス・エルンスト
ピカビアと機械崇拝―あるダダイスト
存在し得ない空間―M・C・エッシャー
ボマルツォの「聖なる森」
崩壊の画家モンス・デシデリオ
だまし絵・ひずみ絵―ホルバインその他
メタモルフォシス―アルチンボルドを中心に
一角獣と貴婦人の物語
北欧の詩と夢―ベックリンとクリンガー
密封された神話の宇宙―ギュスターヴ・モロオ展を見て
幻想の城―ルドヴィヒ2世と郵便屋シュヴァル
人形愛―あるいはデカルト・コンプレックス
玩具考―古き魔術の理想
仮面のファンタジア

・「幻想の画廊から」で検索してたら、こんな画集のHPがありました。
 →幻想の画廊から。この中の「深井克美」作品が素晴らしい!

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2006.10.14

■スタニスワフ・レム追悼企画『ソラリス』完全舞台化
  演劇ユニットG.com vol.5 『孤独の惑星』

Solaris_kodoku_no_wakusei
演劇ユニットG.com vol.5 [孤独の惑星] スタニスワフ・レム追悼企画 (公式HP)
 <06.10/23追記>公式ブログで稽古風景がご覧になれます。
 mixiの「スタニスワフ・レム」コミュからの情報です。きっとうちのブログを見てる方に興味を持ってもらえると思い、情報掲載者のみゆきさんから許可いただいてご紹介します。

 2001年9月にG.com第2回公演として上演された「孤独の星」の再演。
 本作の原作者であるポーランドの作家:スタニスワフ・レム(2006年3月27日逝去)への追悼公演として、同作の上演を目的とする。
(略)
 レム本人に戯曲化を承諾され舞台上演された作品は日本国内では(おそらく)本作のみ。
 2001年公演では、翻訳者である飯田規和氏(2004年1月14日逝去)に連絡。
 上演の快諾を受け、早川書房に上演許可をお願いする事となり、レム氏と直接交渉。

日程 ● 2006.11/2 (木) - 11/5 (日) (略)      
     場所 ● 劇場MOMO(中野区中野3-22-8ザ・ポケット2F)
     料金 ● 前売り3000円 / 当日3500円 / 学割チケット2500円
   作・演出 ● 三浦 剛
     原作 ● スタニスワフ・レム『ソラリスの陽のもとに』 
         (訳:飯田 規和 ハヤカワ文庫SF)
     後援 ● 駐日ポーランド共和国大使館
     出演 ● 浦川 拓海 / 佐藤 晃子 / 内藤 羊吉 / 星野 祐介 / 
         犬塚 浩毅 / 楠見 藍子 / 松村 沙瑛子 / 重盛 玲架
   舞台監督 ● 劇工房双真
   演出助手 ● 大河原 準介  (略)
     協力 ● CHINRA-MAGAZINE / MENTE / AD-AReT / 中島みゆき

 すでに2001年に一度公演されているとのこと。
 凄く観に行きたいのですが、東海地方からは遠ーいので僕は断念ですが、もしどなたか観に行かれたら、この記事へのコメントで感想をお聞かせください。

 『ソラリスの陽のもとに』って、考えたら演劇に案外むく題材かもしれません。レムの言葉がスモークのたかれた劇場の空間に拡がっていくのをイメージすると、なかなかゾクゾクします。(スモークの匂い、好きだし(^^;))

◆関連リンク
演出家プロフィール 三浦剛氏
 プロデュースユニットGCOM主催。「実験空間」専任作家/演出家。
・三浦剛氏(作・演出)オーケストラ芝居。
 実験空間×GCOM公演 「完全な真空/ブラックボックス」
 こちらはレム原作ということではないようです。
『ソラリス』 スタニスワフ・レム作品(Amazon)
・当Blog記事 
 スタニスワフ・レム Stanislaw Lem 死去
 フロリアン・クラール個展「ソラリス-セカンド・チャンバー」Solaris
 スティーブン・ソーダバーグ監督 『ソラリス』

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2006.10.13

■株式会社ココロのシリコン生物
  「アクトロイド:ACTROID-DER2」

Actroid_der2

リアル人体型ロボット「アクトロイド」がスラリ足自慢&小顔に~ココロ、「アクトロイド-DER2」を発表 (RobotWatch)

アクトロイド エアサーボシステム(株式会社ココロ)

シリコーンゴムが活躍する進化するロボットをご紹介します
 (信越化学工業HP)
 株式会社 ココロ 動刻部 動刻営業課   主任 松崎 辰夫さん

 現在、大阪大学の石黒研究室と共同で、ロボットと人間が共存するためにロボットに求められることは何かを研究中です。この「アクトロイド」は、その研究材料として活用されています。

 今以上に人間に似せたロボットを作るには、より人間の肌に近い材料が必要不可欠。確かに、シリコーンゴムは有力な候補の1つですが、今以上の質感を求めたい。そのためにも、信越化学さんなどの素材メーカーさんと、今以上の協力体制を確立していければと思っています。

 右が今回発表されたもの。左の万博のと比べても、だんだんと表情とか触感がリアルになっているようです。不気味の谷の問題はこのロボットを実際に目の当たりにするとどんな感情が沸いてくるか、ということで、はかれるのかもしれません。RobotWatchのリンク先にある動画もかなりリアルな動き。でも不気味さはそれほどでもない。実物をみるとどんなものなのか、、、。

 今回、メカニズムとか知りたかったのだけれど、エアサーボシステムというのが通常の空気圧アクチュエータと何が違うのか、調べても良くわからなかった。ディズニーが開発したものとそんなに変わらないのじゃないか、という雰囲気。

 触感については、信越化学とかがこうした分野でも先端技術を発揮するというわけですね。シリコンがここでも活躍。頭脳(ハート)もケイ素で体もケイ素。アンドロイドは実はシリコン生物だったんだ(^^;)。昔のSFにシリコン生物が出てきた。あれは石のような外観だったが、この珪素生物はシリコンのゴムの外観をまとう。21世紀は柔らかいシリコン生命体の時代なのかも。

 あと、記事で初めて知ったのは、株式会社ココロがサンリオの関連子会社である、ということ。きっとピューロランドとかの出し物の制作とかからスタートした会社じゃないのかと思った。うーん、21世紀にサンリオがアンドロイドを世に問うているとは? サンリオSFでお世話になったP・K・ディックも想像していなかった未来がここにある。

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2006.10.10

■ギレルモ・デル・トロ(Guillermo Del Toro)監督
  『Pan's Labyrinth:パンズラビリンス(牧羊神の迷宮)』予告篇

Pans_labyrinth
Pan's Labyrinth | Official Movie Site | Picturehouse (Trailer)

 メキシコ出身のギレルモ・デル・トロ監督のファンタジー(たぶん)。

 この監督の映画は『ミミック』も『ヘルボーイ』も観たことありませんが、この予告、クリーチャと画面の雰囲気がきっちりしていて、なかなか良い出来です。さて本篇はいかがなものでしょうか。アメリカでは2006.12/29公開。

◆関連リンク
Guillermo Del Toro監督(Imdb)
ギレルモ・デル・トロ(Wikipedia)
ファンサイト

★07.2/26追記
アカデミー賞 3部門受賞!! (cinema cafe)

スペインの鬼才・ギレルモ・デル・トロ監督作品の『パンズ・ラビリンス』が撮影賞、美術賞、メイクアップ賞の3部門受賞という快挙を成し遂げた。ちなみにノミネートは外国語映画賞、作曲賞、脚本賞も含む6部門。

公式HP(日本)

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2006.10.08

■現在のツイン・ピークス Welcom to Twin Peaks

Twin_peaks
Twin Peaks, WA

(Dugpa.com - A David Lynch Electrical Resource経由)

 デビッド・リンチのTVシリーズ『ツイン・ピークス』のロケ地:ワシントン州スノカルミー (Snoqualmie) の現在を紹介するサイトが2006.10月4日にオープン。まだ上記リンク先サイトは640アクセスなので、世界のピーカーの中でもいち早く写真を観られます(^^;)。

 写真は上が番組の中のシーン、下が現在。
 The Great Northern Hotelと滝は当時のままの映像にみえますが、The Packard Sawmillはすっかり面影をなくしています。あれからすでに17年近く経っているわけですか、、、物悲しいものがあります。

◆関連リンク
ツイン・ピークス(Wikipedia)
Twin Peaks Festival 2006 毎年こんなコンベンションが、、、。
ツインピークスのロケ地SNOQUALMIE(スノコルミー)を訪ねて
・新作『インランド・エンパイア』の予告編はいまだ未公開。公開されるまでは、YouTubeのこういう映像で渇きを癒しましょう。David Lynch Inland Empire
New York Film FestivalでInland Empireは上映されるのですね。

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2006.10.07

■京極夏彦『邪魅の雫』 プロモーション・ビデオ
  ラジオドラマシリーズ『百鬼徒然袋 雨・風』

Jami_pv
MouRa|講談社ノベルス、スペシャル映像|京極夏彦『邪魅の雫』

その世界観を余さず伝える
著者・京極夏彦の朗読付きスペシャル映像
【完全版】を一挙公開!

 白黒映像による『邪魅の雫』プロモーション・ビデオ。作者自らの朗読であの世界を聴感できます。なかなか雰囲気出ています。京極夏彦氏の声のイメージがなんかちょっと違ったけれど、、、。

京極夏彦ラジオドラマシリーズ『百鬼徒然袋 雨・風』

 本日第一話が放送されました。
 AMラジオを聴くのは何年振りでしょう。しかし、うちの中で受信状態最悪。まるで聴こえなかったので、泣く泣く車の中で聴きました。

 ちょっと京極小説のイメージよりふざけすぎていてあまりいただけないかなと、個人的には思いました。楽しいけどね。(そりゃ、元々『百鬼徒然袋』はそういうバイアスかかってるけどさ。)あと一回20分は少ない。ドラマ後の夏木マリの語りをちょっと減らしてもドラマを進めたほうがいいのかな、と思いました。

 ここ(ウェビオ:ウェブラジオ)でいずれネット公開されるらしいですが、まだありません。

◆関連リンク
・当Blog記事
 京極夏彦ラジオドラマシリーズ『百鬼徒然袋 雨・風』

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2006.10.06

■ヤノベケンジ 『取手終末チネチッタ(CINECITTA)』
 『ジャイアント・トらやん・ファイアー 呼び覚ませ、縄文の魂!』

取手アートプロジェクト Toride Art Project TAP2006
  終末処理場プロジェクトBlog  デイリー・スペクタクル 
  ゲスト・プロデューサー ヤノベケンジメッセージ

Yanobe_toride_art_pro 『取手終末チネチッタ(CINECITTA)』へようこそ!
 人生は映画のようなものである。人は皆、自らが主人公のドラマを作りながら生きている。
 ならばアーティストの生き様を投影する作品とは、彼らの人生の瞬間を記録する媒体(フィルム)といえる。

 閉鎖された汚水処理施設「終末処理場」。その廃墟に華やかに入り乱れ展開するアーティスト達の公開制作、インスタレーション、ライブパフォーマンス、 ワークショップ。
 その場所はまるで、それぞれの人生の映画をあちこちでエネルギッシュに製作している「映画撮影所」の風景に似るのではないだろうか。

 茨城県取手市で催されている取手アートプロジェクトにおいて、2006年11月11日~11月26日(金土日祝オープン)に終末処理場プロジェクトというのが開催される。
 21組のアーティストの終末の競演。遠いけど、観にいきたいよー。

 アーティストには、Antenna淀川テクニックといったヤノベゆかりのアーティスト(下記リンク参照)も参加されているようです。

縄文と現代 〜二つの時代をつなぐ『かたち』と『こころ』 | 青森県立美術館

数千年の時を越え、ジャイアント・トらやんが縄文のエネルギーたる「炎」を今、放つ!!
《ジャイアント・トらやん・ファイアー》呼び覚ませ、縄文の魂!
2006年10月21日(土)青森県立美術館B2F企画展示室入口前
第1回 13:00~14:00 ※開催中は展示室が閉鎖されます。
第2回 17:00~18:00 ※閉館時間の開催となります。

 今度は青森の地に、ジャイアント・トらやんが復活する!!
 縄文とジャイアント・トらやん、なんだかバッチリのコラボになりそうな予感です。

◆関連リンク
Antenna blog 終末処理場プロジェクトの制作風景もあります。
淀川テク日記 取手アートプロジェクト記事
・尾崎泰弘氏のKOKUFUMOBIL | 戸頭終末処理場浮上計画
  (この方のギャラリーもお薦め)

・当Blog記事
 「ヤノベケンジ ジャイアント・トらやん・ファイアー@豊田市美術館
 「Antenna×ヤノベケンジ -ジャッピー、トらやん、そして第3の塔-
 「デジスタ 淀川テクニック

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2006.10.05

■京極夏彦『邪魅の雫』

Jami  「殺してやろう」「死のうかな」「殺したよ」「殺されて仕舞いました」「俺は人殺しなんだ」「死んだのか」「──自首してください」「死ねばお終いなのだ」「ひとごろしは報いを受けねばならない」
 昭和二十八年夏。江戸川、大磯、平塚と連鎖するかのように毒殺死体が続々と。警察も手を拱く中、ついにあの男が登場する! 
 「邪なことをすると──死ぬよ」

 今週は『邪魅の雫』週間で、読書に呆けていました。
 2003.8月の『陰摩羅鬼の瑕』 から3年、800ページのサイコロ本のシリーズ最新刊に満足。そういえば、このBlogで京極堂シリーズ本篇の感想を書くのは初めてですね。

 さっき、ざっとmixiの感想なぞ読んでいたのだけれど、やはりこのシリーズ、キャラクタ小説として読まれています。「今回はあいつは活躍が少なかった」、「彼は、、、だった」的言説が多い。読者みんなの「世界」に浸透している京極堂世界。

『邪魅の雫』(Amazon)

--------------------★ネタばれ注意★-----------------------

 今回のぼくにとっての圧巻は、大鷹と江藤というキャラクタの描写。

 こいつらの思考過程が自分の頭の中に入り込んでくるのが、たまらなく気持ち悪かった。作中で「馬鹿」と評される大鷹と、鉛が頭の中に溜まっていく江藤。そしてそこに吹き込まれる神崎宏美の言葉/現実。

 世の中で起きる殺人事件で、被害者の家族をもっとも苦しめるのが、この大鷹や江藤のような殺人者が何故人を殺したのかわからない不合理さではないか。
 画家の西田の世界は、閉じているがまだわかる。しかしこの二人の内的世界は尋常ではない。通常の感覚ではわからないが、それが、その思考過程がしごくすんなりと自分の頭に再構築されてしまう気持ち悪さ。それを作り上げている京極夏彦の筆力は凄い。

 家族を殺されて、その原因もわからずに苦しむ人たちは、この小説を読むと、もしかして少しだけ殺人の実像に近づくことができるのではないだろうか。不可解な殺人のいくつかは、こうしたシチュエーションとこうした人間の感覚から生み出されているのかもしれない。

 論理とか道理とか科学とか工学とか、近代世界が産み出したそうしたツールによって、人間は、その巨大な脳とそこに生まれた意識という生臭い生物として抱えてしまった不気味な世界像を統御しているようにみえる。
 しかしその実像は、統御しきれずに殺人事件や信仰宗教やUFOや妖怪といったものとして漏れ出てくる。この過剰な内面といったものが漏れ出てくる気持ち悪さが、今回の大鷹と江藤というキャラクタの描写であったと思う。

 別名百鬼夜行シリーズといわれるこのシリーズは、多かれ少なかれこうしたイメージでとらえると、わかりやすいテーマを内包していたと思う。今回は、複数の内面世界の錯綜を意識的に描き、この実像をさらに鮮明に描き出した作品になっている。

 鮮烈さは弱いが、それだからこそ、より現実世界とシンクロした薄気味の悪い世界の実像に触れている小説になったのではないだろうか。

 電車の中で本作を読んでいて、ふとまわりを見ると鉛をたたえたような目の大人が実はかなりいることに気づく(仕事に疲れている自分の目も心配ではあるが、、、(^^;))。各人がその脳髄の中にひとつひとつ別の世界を抱えていると考えると、吐き気を覚えることがある。『邪魅の雫』は、ぼくにとってそんな世界を思い出させる小説だった。

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2006.10.02

★★ルディー・ラッカーのブログ!!
  Rudy's Blog at rudyrucker.com

Rudyrucker_mad_professorRudy's Blog at rudyrucker.com

 ラッカーが撮った写真によるワールドコンレポートだとか、イラストだとか満載。すごーーくファンキーでいいよー。興奮。(ろくに読めてないけど、、、(^^;))

 最近、日本ではラッカーの話題を全然聞かなかったのだけれど、本国では元気。

 Ruckerのページにトラックバックもコメントも付けられるわけで、考えただけでワクワクします。(だけどドキドキして、結局まだ何も実行できていない私。)

Wikepedia ルーディ・ラッカー

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2006.10.01

■押井守監督 『立喰師列伝』

立喰師列伝(公式HP)  立喰師列伝企画書(押井守公式HP)
押井守監督 「立喰師列伝」への思いを語る - 「livedoor コンピューター」Home

 昭和20年、太平洋戦争終結直後、廃墟からの復興を期する東京の片隅。まもなく店を閉めようとしている立喰い蕎麦屋に、伝説の立喰師「月見の銀二」の姿があった。「つきみ、・・・そばで」、月見の銀二の容赦なき「ゴト」が静かに仕掛けられてゆく。

 やっと観ました『立喰師列伝』。なかなか傑作。あまりに評判が悪いので、劇場へは行かなかったのだけれど、DVDで楽しんだ。アンチ押井守実写映画派の僕としては、今回もとても不安だったのだけれど、好きです、この映画。
 そういえぱ、もともとこれは、実写映画というより写真を用いたアニメーション映画だ。

Tachiguishi_gendai_bungaku02_1 この映画は、押井守の現代文学への挑戦って文脈で観ると面白いのではないか。劇中に吉本隆明、高橋源一郎、村上春樹、リチャード・ブローティカ゜ン作品への言及があるという単純な理由の他にもいろいろとその根拠はある。

 冒頭から飛ばすナレーション。押井守独特の文体で語られる途切れのないナレーションは、映画ではなくまるで小説を朗読されているように感じる。映像が静止画の加工であることからまるで小説の挿絵のように観えないこともない。

Tachigui_yoshimoto  そしてフランクフルトの辰のシークェンス。
 観覧車のシーンはまるで現代のカッティングエッジな小説世界に入り込んでしまったような趣がある。何故なのか実は分析できていないのだけれど、そんな気持ちがヒシヒシと押し寄せてくる。押井守が小説について語る言葉は、あまり聞いたことがないのだけれど、ある意味、実験実写映画を撮ってきた押井監督が新しいと言われる小説を読んで、なんだ、これでいいんだ、と開き直って描いた映画世界がこれだ、という感じ。

 犬が登場する戦後史というところから、自然に思い出すのが、古川日出男の『ベルカ、吠えないのか?』。あの雰囲気にも近いところがある。(犬馬鹿の押井監督が『ベルカ、吠えないのか?』をどう読んだか知りたいところ。)

 ハンバーガーの哲のシークェンスで、店長神山の怪演技に大笑いさせてもらった後、観覧車でとっても文学的脳内映像を見せてもらって、大満足な映画でした。(村上春樹というよりは、高橋源一郎ファンにお薦めかも。)

◆関連リンク
野良犬の塒さん 立喰師列伝
・限界小説書評 『火曜日になったら戦争に行く』/渡辺玄英におけるいくつかのこと   ――セカイ系、押井守、現代詩、『スーパーロボット大戦』その他
・整腸亭日乗さんの - 押井守は凄いぞ

「ケツネコロッケのお銀」の喪失感は、吉本隆明の詩「分裂病者」の引用で補完している。

リチャード・ブローティガン『バビロンを夢見て』(Amazon)
『吉本隆明全詩集』(Amazon)
・当Blog記事 古川日出男の『ベルカ、吠えないのか?』

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