« 2006年10月 | トップページ | 2006年12月 »

2006年11月

2006.11.29

■『攻殻機動隊 S.A.C. SSS』DVD 特典ディスク

Sac_sss_kuraza
新作映像を含む、秘蔵映像は1時間超!! 特典DISC徹底ガイド (clappa! クラッパ!)

新生公安9課の公用車として描かれたクラーザ、トグサが乗車している「スポーツコンセプト」。ともに、劇中に良いアクセントを加えている。 さらに(略)タチコマ・ロボットの制作秘話や、元気に動き回る映像を収録した「MAKING OF TACHIKOMA ROBOT ロボ・ガレージの挑戦」(略)。

 特典DISCについても、面白かった自動車とロボットにおけるアニメとメーカの連動について簡単に感想です。

 まずS.A.C.とNISSANのコラボレーションについて、詳細が紹介されている。
 特に面白かったのが、日産の車両3D設計データをプロダクションI.G.が正式に入手して、3D-CGに利用したというところ。さすがに自動車メーカのデータは緻密で、そのままアニメ用には使えず、データを活かしながら省略したり、デフォルメしたりといった工夫が紹介されている。
 ゲーム業界では例があるようだけど、アニメでは初ということで、I.G.サイドではいい刺激になったとのこと。実は日産の若いデザイナーが攻殻機動隊S.A.C.のカーデザインとか世界観を自分たちの仕事に活かしていたというエピソードも披露されており、アニメ→実車→アニメと刺激しあい好循環が作られたというのが、面白かった。

 こんなコラボレーションが他でも拡大すると楽しい。タチコマのアニメ3Dデータが下のミニチュアロボットに活かされたかどうかは不明だけど、CGデータを利用して実物大を日産がトライして人が乗れるものを作ったら、めちゃめちゃ凄いのに。トヨタのi-Unitに是非対抗してほしいものです。

攻殻機動隊 タチコマ | ROBO GARAGR [ ロボ・ガレージ ] (公式HP)
ムービー1, ムービー2

Sac_sss_tachikoma■全長 40cm ■胴体直径 約12cm
■体重 1.5kg ■自由度 19
■バッテリー リチウムポリマー
■素材 プラスチック、アルミ、カーボンファイバー
■基盤 VSTONE社VS-RC003
■特長 攻殻機動隊DVDのプロモーション用に製作。声優玉川氏による専用収録音声を使用。
■製作期間 5ヶ月 ■製作者 高橋智隆
■製作協力 バンダイビジュアル、プロダクションI.G、VSTONE、大阪大学松村氏

 ロボ・ガレージの高橋氏が語るタチコマアニメの制作秘話。3D CADで内部の機構を設計していく様子、そのデータから光硬化樹脂によるラピッドプロトタイピングで実機の外殻を作っていく過程が記録されている。これは注目。

 そしてロボットの個性を動きで表現する-自然さを何気ない無意識の動きで「個性」表現するということを『攻殻機動隊』から学んだと語っている。

 どちらかというと機械的なデザインのタチコマに、ここまで我々が感情移入して愛着を持ってしまうことの原因のひとつが動きにあると分析している。そしてその動きを見事に19自由度を持たせたアクチュエータで実現している。(写真のように脚の根元は、アニメでは球体関節だが実機はモータの調達のため四角になっている。しかし色でうまくカムフラージュしてぱっと見には本物そっくりに見えるデザイン処理が素晴らしい。)

 最後に高橋氏が語る。「いずれ一家に一台ロボットの時代が来る。タチコマへの感情移入は家庭へのロボットの導入の参考になる。そしてもしかしたら、タチコマそのものが初めて家庭に入るロボットになるのかもしれない」

 ふぇー、そんな『攻殻機動隊S.A.C.』ファンを奮わせるような発言しないでください(^^;)。その時は必ず♪僕らはみんな生きている♪を玉川さんの声で歌うように作ってください。絶対、買う!!

◆関連リンク
日産、「攻殻機動隊S.A.C. meets NISSAN」展を開催~タチコマロボットも登場
:: ロボコンマガジン編集部員日記 | タチコマ ::.
各種タチコマ(amazon)

当Blog記事
動くリアルタチコマロボット!!(本名:プロモーション・タチコマ)
神山健治監督 『攻殻機動隊 S.A.C. SSS』真犯人の謎解き

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2006.11.27

■小和田明監督 『新中野 片山ゲリオン』

Katayamagelion
SWFBLOGさんより 「新中野 片山ゲリオン」

 これもかなり有名なようですが、ネットをさまよっていて、やっと知りました。
 おそろしいほど本物にシンクロしています。とことん合わせたくなったスタッフの皆さんの興奮が画面から伝わってきます。現場のお祭り騒ぎが想像できて、本編と合わせて楽しめます(^^;)。
 この勢いで、「宇宙戦艦片山ト」とか、「攻片山機動隊S.A.C.」とか、驚異のシンクロ率で創造を続けてほしいものです。

◆関連リンク
SWFBLOGさん 新世紀エヴァンゲリオンOP MAD総特集
絶叫*機械 映画刑務所 こちらに主演の「片山」氏が出ている作品があります。出演は別の方ですが、『冷凍庫大炎上』というのがバカバカしくて素晴らしい作品です。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2006.11.26

■神山健治監督 『攻殻機動隊 S.A.C. SSS』真犯人の謎解き
   STAND ALONE COMPLEX Solid State Society

 待望の『攻殻機動隊S.A.C. SSS』を観た。神山版「人形使い」であり、神山版『イノセンス』(○C shamonさん)。

 結論から言うと、109分の長編としては密度が高く、コンパクトに全体がよくまとまっているのだけれどS.A.C. 1st.、2nd.と比べると僕は物足りなかった。映像はかなりグレードアップされていて、充分堪能できたのだけれど、、、。

 「映画は撮ったことがない(STUDIOVOICE)」 神山監督としては、OVAもしくはTVシリーズでなくこうしたオリジナル長編は初めてだと思うけれど、残念ながら劇場版としての一般性(この映画だけ観る観客がいることへの配慮)は持っていない。

 というかそれを狙ったのでなく、スカパーとDVDでの公開というのが前提だったから当たり前なのかもしれない。独立した映画として、また劇場版的な完成度としては、神山監督作品としてみたら期待に答えていないというのが率直な僕の感想。(他の監督のならこれでも高レベル作品と感じると思います。ひとえに1st、2ndが好きな僕の欲張りな感想ととらえて下さい(^^;)) (僕の2nd GIG感想1st感想)

 いたって個人的な感想からこういうことを言うのもなんですが、もし『攻殻機動隊S.A.C.』未見の方は、1st、2ndの総集編『The Laughing Man』『Individual Eleven』をご覧になることをお薦めします。その後のお楽しみとして、本作品を楽しまれることをまずはご推奨。

◆関連リンク

アニメフェアで「攻殻機動隊 S.A.C. SSS」のトークショー(AV Watch)
攻殻機動隊 S.A.C Solid State Society NYでプレミア上映(アニメ!アニメ!)
【攻殻SSS】オリコンDVDデイリーチャート第1位!(攻殻機動隊 S.A.C. まとめサイト)
・バンダイチャンネル
 《総力特集》サイバー時代の最先端アニメ『攻殻機動隊 S.A.C.』
 鬼才漫画家・士郎正宗 そのアニメ化作品を徹底特集!
攻殻機動隊特集clappa! (クラッパ!)

 『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society O.S.T』

『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man』
『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG Individual Eleven』

-----★以下、ネタばれ注意★ 真犯人についての邪推は下記 ★-------

続きを読む "■神山健治監督 『攻殻機動隊 S.A.C. SSS』真犯人の謎解き
   STAND ALONE COMPLEX Solid State Society"

| | コメント (29) | トラックバック (3)

2006.11.24

■YouTube - 梅本真里恵シークレット一人芝居
   末満健一企画・構成・演出 『風の谷のナウシカ』

Umemoto_nausicaa
YouTube - 梅本真里恵シークレット一人芝居「風の谷のナウシカ」 1of14
 企画・構成・演出 末満健一 SUEMITSU KEN-ICHI (ピースピット・主宰)
 at ジャングル・インディペンデントシアター JUNGLE in-dependent theatre 2006.6/20

 YouTubeで「宮崎駿」を検索して見つけました。ググルとあちこちで既に紹介されているのでご存知の方も多いのかもしれませんが、ご紹介。

 タイトルどおり、映画『風の谷のナウシカ』を全編一人芝居で演じたもの。10分くらいのムービーが14本。なかなか見ごたえあります。今のところ、僕はつまみ食いで3本ほど観ただけ。力作です。

 まず一本めはタイトルバックのスタッフまで全て紹介するきめ細かさ。
 人名は読み上げるのですが、読みがおかしいものも、、、。「金田伊功」は「かなだただよし」と読んでいる様に聴こえます(^^;)。残念。

 では、以下名場面の抜粋をどうぞ。やはり作画オタク的にはここでしょう。丹内司氏のシーンも好きなのですが、、、、。

YouTube - 梅本真里恵シークレット一人芝居「風の谷のナウシカ」 6of14

 金田伊功作画シーン(ペジテのガンシップの襲撃)。残念ながら金田伊功独特のポーズは再生できていません。、、、、生身の人間ではやはりあのポーズは無理があるか、、、(^^;)。

YouTube - 梅本真里恵シークレット一人芝居「風の谷のナウシカ」 12of14

 庵野秀明作画シーン(言わずと知れた巨神兵)。溶ける巨神兵が役者の体全体で表現されています。素晴らしい。

 次は是非、傑作の漫画版『風の谷のナウシカ』1-7巻全編をやってほしいものです。(って、何時間かかるんだろう、、役者さん、死んじゃうよ(^^;))。

◆関連リンク
演劇人:梅本真里恵(劇団 売込隊ビーム所属)
売込隊ビーム Urikomitai BEAM BLOG* 梅本真里恵 umemoto marie
梅本真里恵の多面的主観的日記
ピースピットの末満健一による息切れ日記。 酒と薔薇のまんとなく日記
末満健一のどうでもいい話

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2006.11.23

■Technobahnより ジェット戦闘機が音速を超える瞬間

Technobahn - 航空機: ジェット戦闘機が音速を超える瞬間

画像は米海軍の航空母艦キティーホーク所属のF/A-18F「スーパーホーネット」が今月5日、日本海で行われた演習中に見せた音速を超える瞬間の写真。

 お気に入りのニュースサイトTechnobahnで記事になっています。

 これと同じ内容の映像をずいぶん前にうちでも紹介しました→■F14戦闘機が音速を超えた瞬間。この記事のコメントで教えていただいたのですが、本当は音速を超えた瞬間ではなく、Prandtl-Glauert Singularity現象(Wikipedia)というのだそうです。、、、、
 と言ってたら、Technobahnの記事タイトルが「プランドル・グロワート・コンデンセーション・クラウド」に変更されました。これは「局所的に急に気圧が下がって(温度が下がり)水滴が出」るという現象とのことです(gadge goe Jaleiiさんの情報提供による)。

 実はこの記事、うちのBlogではずっとコンスタントにアクセスが多い記事です(^^;)。ここで紹介した牧野 光雄『ソニックブーム―その現象と理論』 という本があるのですが、これもうちのAmazonアフェリエイトでアクセスは最も多い(現四半期130件アクセス)。ですが、いまだ一冊も売れたことがない(^^;)という幻の本。
 この幻の本、実は最近、うちの会社の図書室で発見。いったい誰が何のために買ったのか知れませんが、手に取った時は、この記事のせいで妙に親近感を覚えたのでした。、、、、雑談、長くてすみません。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.11.22

■CUTが選ぶ日本のアニメ映画ベスト30!

『Cut (カット) 2006年 12月号』(Amazon)
 Cut 編集部#latest (rockin'on official site)

CUTがお届けするアニメ映画の大特集は、日本人なら愛さずにいられない数々の名作から、大胆不敵に30本をランキングする特別企画です! 気になる堂々の1位は……!? そして、歴史に残る傑作を生んだ天才たちへのインタビューから、噂の新作『鉄コン筋クリート』『パプリカ』『アフロサムライ』の徹底分析まで、読みどころ満載の保存版!

『攻殻機動隊』押井守15000字インタビュー 
『時をかける少女』細田守インタビュー
『鉄コン筋クリート』 蒼井優、宮藤官九郎×マイケル・アリアス
『パプリカ』今敏インタビュー

◆押井守インタビュー

 注目の押井守15000字インタビューは、押井作品の復習。
 インタビュアーの渋谷陽一の合いの手が可笑しい。『イノセンス』について「『共同幻想論』から『心的幻想論』に移った自分のテーマの変化を、今度は自覚的に撮ったものだよね」とか。
 新作については、「脚本家は自分でない」「今回はね、自分が変わることの願望も含めて、とにかく違うものを作ろうっていう。たぶん驚くよ」といったコメントがあるくらい。(新作については、野良犬の塒さんの記事参照)

◆ベスト30

 編集長 渋谷陽一の趣味なのでしょう、ベスト30が宮崎駿長編に偏りすぎているのが、なーんか違和感がある。この際、自分の趣味の日本アニメベスト30、なんてのをやってみます。おまえの30本なんてみたかねぇよ、という方もいらっしゃるでしょうが、暇だったら覗いてやってください。(シリーズは全体で選定。ただし特に好きな一本をメモ。リンクは基本的にうちのBlogの記事です)、、、あれ?、僕も結局、宮崎駿作品(初期)がかなり入り込みました(^^;)。

ルパン三世 カリオストロの城
未来少年コナン(大津波)
攻殻機動隊S.A.C. 2nd GIG(憂国への帰還 ENDLESS∞GIG)
機動警察パトレイバー 劇場版
機動警察パトレイバー2 the Movie
イノセンス
新世紀エヴァンゲリオン(男の戦い)
新世紀エヴァンゲリオン劇場版 (まごころを君に)
攻殻機動隊 S.A.C.
母をたずねて三千里(ペッピーノ一座大あたり)
伝説巨神イデオン 発動篇
無敵超人ザンボット3(海が怒りに染まる時)
うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲
ON YOUR MARK
空飛ぶゆうれい船
アルプスの少女ハイジ(なつかしの山へ)
ルパン三世 泥棒は平和を愛す
人狼 JIN-ROU
機動戦士ガンダム(ガンダム大地に立つ)
もののけ姫
銀河鉄道999(映画第一作)
無敵鋼人ダイターン3(遥かなる黄金の星)
宇宙の騎士テッカマン
悟空の大冒険
まんが偉人物語(小林治の絵に ! )
ルパン三世ファースト(黄金の大勝負! )
鉄人28号(初代)

、、、、なんか他にも忘れていそうなので、空席2本あけておきます(^^;)。その時々でこだわりを持って観ていたものを選びましたが、てんでバラバラ。

| | コメント (4) | トラックバック (1)

2006.11.21

■ラース・フォン・トリアー 『ドッグヴィル』
   LARS VON TRIER "DOGVILLE" 

Dogvilleドッグヴィル
  (日本公式サイト)
"DOGVILLE"
  (デンマーク公式サイト)

 映画館で観ようか迷っていた映画だけど、Hi-Vision放映でやっと観た。

 これ、凄い映画だ。
 ほとんどなんの情報もなく観たが、ラストで完全に打ちのめされた。とんでもない暗黒映画が、ニコール・キッドマンというハリウッドメジャーな女優を主演にして撮られていたわけで、さすがラース・フォン・トリアー。
 先日、Blogの記事で、北海道の夭折したシュールレアリスト深井克美を紹介したが、そのダークサイドな衝撃度では、この映画も負けていない。

 以前、会社の同僚に「最近何か、面白い映画ない?」と訊かれて、ちょうど前夜に観て衝撃を受けた『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を推薦して、「なんて暗い映画を好きなんですか」と少し冷たい視線をあびせられたことがある。

 『ダンサー・イン・ザ・ダーク』にしてそうなのだから、間違っても、この映画は普通のお茶の間のエンターティンメントを求める映画ファンには薦めてはいけない。家族といっしょにこのような映画を観たら、トラウマになることは間違いない。薦めるなら、さっきテレビでやってた『ザ・ディ・アフター・トゥモロー』にしませう。

『ドッグヴィル』 『ドッグヴィル・コンプリートボックス』(Amazon)

★★★ 以下、ネタばれ注意 ★★★

続きを読む "■ラース・フォン・トリアー 『ドッグヴィル』
   LARS VON TRIER "DOGVILLE" "

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2006.11.20

■新刊メモ <骰子の7の目 シュルレアリスムと画家叢書>
        古川日出男『僕たちは歩かない』

河出書房新社| 骰子の7の目 シュルレアリスムと画家叢書

 「骰子の7の目」日本語版刊行に寄せて 画家の明証――瀧口修造 

 人は絶えず何ものかに賭ける。しかも、6の目の骰子を振りながら、その実は7の目をもとめているのではなかろうか。画家もまた例外ではない。 
 絵画は人間のもっとも古い発見のひとつとして、その平らな面の表現の世界は、人に寄り添う影のように消えることを知らない。それは無重力の宇宙を遊泳しながらも、必死に地上へ帰着、ふたたび二次元の床の上に身をよこたえるようなものか。だが、夢はふたたびあらぬ彼方の次元を飛ぶだろう。(略)
 こうして絵画は鏡の向うのn次元の明証となるだろう。

 1973年に刊行されたものの一部復刊。「こんどの重版は、共同出版のパートナーであるフランスの出版社が無断で版権・原版を放棄してしまい、奇跡に近い復刊といってもよい」とのことで貴重な出版。
 復刊されなかったものは、下記リンク先によれば次の6点。

So-net blog:カイエ:骰子の7の目 シュルレアリスムと画家叢書

レイモン・シャルメ『クロヴィス・トルイユ』(種村季弘訳)
カタリン・デ・ヴァルタースキリヒェン『パウル・クレー』(矢川澄子訳)
ダニエル・マルシュソー『イヴ・タンギー』(飯島耕一訳)
ラドヴァン・イヴシュク『トワイヤン』(巌谷国士訳)
ジェラール・ズリゲーラ『ウィフレード・ラム』(与謝野文子訳)
マックス・ワルター・スワーンベリ『別巻』(澁澤龍彦訳)

Furukawa_bokutachi_wa_arukanai_1

古川日出男『僕たちは歩かない』 web KADOKAWA

 「僕たちは歩かない。その終電に乗ったら、歩かない。」 
 雪の夜、東京で、レストランで、山手線で。やわらかな緊張感に包まれながら、僕たちは時間のひずみにはいってゆく。一夜の奇跡の物語を、挿絵入りで。

 11月刊行予定の古川日出男の新作。
 今度も東京の街の物語。表紙絵が素晴らしいので、本文の挿絵も楽しみです。古川日出男の本で挿絵が入るのは初めてではないか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.11.18

■森田修平監督 片山一良絵コンテ・演出 『FREEDOM 1』
  オープニング by 神風動画 が素晴らしい

Freedom_01

Yahoo!動画 - FREEDOM 1 
 本編無料配信
 06.11/17 12:00 - 11/20 11:59限定。

企画・原案:高松聡
シリーズ構成:
 佐藤大、千葉克彦
世界観設定:渡部隆、曽野由大、青木智由紀
エフェクトアニメーション:橋本敬史
CGI監督:佐藤広大 美術監督:市倉敬
絵コンテ・演出 片山一良
監督:森田修平

 shamonさんのTBで教えてもらいました。さっそく観てみると、なかなか好調な滑り出しで映像がいい。特にオープニングと後半の背景の雰囲気は傑作。

shamonさんのひねもすのたりの日々 「FREEDOM」スタート

作品の顔であるOPは、手描きアニメ、CG、実写にプラスして大友氏のマンガ的ショットが入れてあり目を惹きます。もしかしてこれって初めての試み?

 こんな映像は観たことないですね。特に大友克洋マンガ的ショットをインサートするアイディア。(大友漫画のような文字とカット割りとスクリーントーンな背景。)
 実写部分の工場萌えな雰囲気、アニメ部分の疾走感。そして宇多田ヒカルの「This Is Love」との融合で素晴らしいオープニングになっている。

O.P.映像を制作した 神風動画社長 水崎順平氏インタビュー

 OP映像は賛否両論が出るかと思いますが実写も組み込んだ構成にし「アニメファン層以外の興味もキャッチ」をコンセプトにしました。
 もしこれがテレビ放送枠だったとして、こんなOPが流れていたらアニメファン以外の層もそのまま本編も見てくれるだろう、というのを狙いとしています。

 狙いはともかく、僕が感じたのは、大友漫画のクールな感覚が初めて映像になったような快感。実は『AKIRA』とか『スチーム・ボーイ』とか、大友自身が作るものは凄いことは凄いのだけれど、なんか映像としては大友漫画のシャープさ、クールさをうまく移し得ていないのではないかと思っていた。カット割がどっか古い映画のように感じられるのがその理由。(詳細解析はしてませんが、観終った時の全体の雰囲気が、、、。)

 それがこのオープニングでは、見事に大友漫画的感覚を獲得していて、素晴らしい。オープニングだけでも一見の価値があります。

 あと印象的だったのが、後半の背景画。これも大友漫画的。水彩インクというのかな、大友がカラー絵で好んで使う素材の色合いがこのアニメではうまく背景に活かしてある。本作はキャラとメカのデザインのみが大友克洋だけれど、映像としてはかかわっていないらしい。本人の映像作品ではなく、きっと大友漫画が大好きだった本作スタッフたちにより、大友漫画の映像への移植が進んだことに何よりカンドーした一本でした。続きも楽しみにしたい。

◆関連リンク
東京国際映画祭「3Dアニメの現在形」森田修平監督(WEBアニメスタイル)

 僕はずっとデジタルでやってきたので、デジタルの弱いところは本当によく知ってた。(略)
 僕の方は、例えば『なるべくレイアウトは手で描いてくれ』とか『CGは使わないでくれ』とか、要は作画に頼ってる部分が大きいんです。なぜかというと、CGから入った人間はアニメの基礎を知らないんですよ。なんでコマ数が減っていったのか、それによってどんな面白い表現が生まれたかとか、そういう事を知らない人達が現場に入ってきてやっている。日本のアニメはデジタルの導入で進歩しているように見えて、実は質が落ちていってる気がしていた。だったら僕としては、スタッフにまずアニメの基礎からやらせようと。

『FREEDOM 1』 
『FREEDOM previsited』(Amazon)
YAMATO WORKS  ・フロッグネーション
・当Blog記事
 大友克洋のアニメCM カップヌードル   FREEDOM-PROJECT.JP
 「広告批評」[特集 FREEDOM] 大友克洋

| | コメント (4) | トラックバック (1)

■デイヴィッド・リンチがバラードのCDアルバムを計画中(?)
   BRUTUS No. 606「映画がなければ生きられない!」より

『BRUTUS (ブルータス) 2006年 12/1号』No. 606 11月15日発売
BRUTUS ONLINE (公式HP)

CineLove 映画 ラブ
映画がなければ生きられない!
デイヴィッド・リンチ 謎の新作公開迫る! 鬼才監督を緊急直撃。

 新作『インランド・エンパイア』に関するインタビュー記事。新作に関する新しい情報はあまりなく、ネットで既に流れている情報のおさらい(と読めたけれど、立ち読みなので詳細は直接確認ください)。

 ひとつ吃驚したのが、リンチがどうやらボーカルをつとめるバラードのCDアルバムを計画中という情報。ヴァダラメンティと組むのかどうかもわかりませんが、文脈からすると、自分で歌うように読めるので、どんなものが出てくるか、興味津々。

 ネットで探してみましたが、これに関する情報には行き当たりませんでした。どなたか詳細をご存知の方、お知らせください。

◆関連リンク
・当Blog記事 デビッド・リンチ監督『インランド・エンパイア』
         Devid Lynch's Inland Empireベネチア映画祭上映

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.11.17

■新刊メモ 『昭和モダン建築巡礼/西日本編』
   『プラネットアースメイキング―究極の映像への挑戦』
   『オールアバウトシュヴァンクマイエル』

磯達雄 著/宮沢洋 イラスト『昭和モダン建築巡礼/西日本編』
      日経アーキテクチュア | ケンプラッツ(公式HP) 日経BP書店 書籍紹介

 「日経アーキテクチュア」の人気連載「昭和モダン建築巡礼」のうち、西日本編(沖縄~滋賀)を加筆のうえ再録。取材のついでに立ち寄った8施設を、「寄り道巡礼」として新たに収録しました。名前は知っていてもなかなか行けない地方都市の名建築の現状を、愛情たっぷりのイラストと、ウンチクたっぷりの文章でリポートします。

 学生時代、となりの大学のSF研つながりで交流のあった磯達雄氏の本が出版されましたので、ご紹介。
 編集と評論で学生時代に素晴らしくキレの良いSFファンジンを作られていた磯氏の建築の本。実は僕はまだ本の実物を見ていないのです。これ以上のご紹介ができないのが残念。

デヴィッド ニコルソン著
『プラネットアースメイキング―究極の映像への挑戦』

 NHK出版(公式HP) NHK番組サイト(公式HP)

■プラネットアースの魅力―誰も見たことない地球を求めて
■壮大な計画―地球をまるごとテレビ番組にする
■最高で最悪の旅
■青い海―クジラの領域 マッコウクジラの母さんに叱られたカメラマン
■極限の熱さ、極限の深さ
■謎の地底探険 有毒ガスが充満する洞窟、そして地底の滝
■型破りなプロジェクトに立ち向かう―日本人スタッフ撮影秘話
  ・桜と世界遺産とカメラの位置
  ・海底千メートル クジラの墓場

 時々、観ていたプラネット・アースの撮影裏話をまとめた本。目次を見ると、興味深い内容が満載。ハイビジョンを縦横無尽に駆使した究極映像のメイキングとして期待できそうです。

All_about_svank_1

『オールアバウトシュヴァンクマイエル』 関心空間

 シュヴァンクマイエル監督新作映画「ルナシー」に合わせてオフィシャルガイドブックとして制作し、「ルカの本」としての「プラハアート案内」の続編にあたります。ファン必見のシナリオ完全収録。
 美学の谷川渥氏、小田部胤久氏に寄稿していただくなど豪華な内容になっています。
 今回は2006年5月の監督の来日時のプレミア試写会に始まり、対談取材に同行したり、デザインだけではなく編集企画会議から参加した貴重かつ濃密な制作期間を体験することができました。

 まちにまった新作『ルナシー』が明日から公開。エスクァイア マガジン ジャパンのHPにはまだ詳細な紹介がありませんが、この本は11/15に既に発売となっているようです。手に取るのが、本当に楽しみです。僕のようないなかでは入手不可能なので、amazonへ発注しなきゃ。 

◆関連リンク
・当Blog記事 シュヴァンクマイエル関連 
        NHKプラネットアース 究極の洞窟 : レチュギヤ洞窟

| | コメント (0) | トラックバック (3)

■押井守 大学の講義で×××

06.11/16更新 元情報を書かれた方から情報の削除依頼がありましたので、下記の通り伏字にして訂正します。これだけ伏字にすれば問題ないかと思いますが、、、かえって意味深ですね。ごめんなさい。

チロ日誌。さんの 「押井守が学校に来た」
(野良犬の塒さんのBBS野良犬の溜まり場経由)

 氏は×××の、×××が登場するアニメーション作品で、 (氏は作品の内容について×××) ×××はCGでモデリングしてその輪郭を活かしてトレースし、作画していることを挙げました。

 このことについてIGの若いアニメーターが全部手描きでやればいいのにともらしたところ、 じゃあ全部描き直すかと氏が問うと「いやそれは無理」と答えたそうです。 既にこの方針で作画が進んでいるのに途中から手書きに直してしまうと強い違和感が生じますね、
(略) しかしこれに対して、×××や×××などは氏は徹底して手描きを要求したそうです。

(略) ともかく、氏が言うには、 どういう風に見えるのかな、ということを考える作業はどこまでいっても何をしても、二次元の世界である、ということのようです。

 大学の講義をきっちりと採録されており、読み応え充分なレポートです。(チロ日誌。さん、書き起こし、ありがとうございます。)

 ×××がでてくるアニメ(?)ということしか内容の情報はありませんが、×××が×××の予定ということがわかったのがポイントですね。もっと×××じゃないかと心配だったので、このまま順調に仕上がることを祈りたいと思います。また×××なのでしょうか。

 あと2次元と3次元について述べたところがなかなか興味深いです。
 学生の鋭い質問に、詭弁(?)と勢いで切り抜けるツワモノの講師の姿が見事に描写されています(違うか、、、(^^;))。
 人間の視認識が所詮2次元だという解釈は、なんとなくわかるのですが、2つの眼による視差を利用した3次元での外界の認識というのは、それが視認識かどうかはともかく脳内情報処理としては確実にあるわけで、そこを2次元と言い切るのは詭弁だと思うけれどいかがでしょう。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2006.11.16

■宇宙から初めてのハイビジョン生中継 06.11/15

Iss_live
当Blog記事 
■宇宙から初めてのハイビジョン生中継 06.11/15決定
スペース・ビデオ・ゲートウェイ(Space Video Gateway:SVG)

史上初!ハイビジョン生中継
  LIVE宇宙ステーション
NHK総合 BS-Hi 放送日 :2006年11月15日(水)
NHK総合 PM11:50~翌日0:40(50分) 
BS-Hi   PM11:59~翌日0:40(41分)
出演者:マイケル・ロペズ=アレグリア宇宙飛行士(米)
     山崎直子,米村でんじろう,野口健,江川達也,安めぐみ
カメラ:トーマス・ライター宇宙飛行士(独)
司会:住吉美紀,水野倫之 
~国際宇宙ステーション ISS:International Space Stationから中継~

 さきほど世界初のハイビジョン生中継が成功しました。
 時々、ダウンリンクがうまくいかず、絵が止まったり、ブロックノイズがはいるシーンもありましたが、初めてにしてはなかなか素晴らしい映像が届けられました。

 僕は720pのDLPプロジェクタという視聴環境だったのですが、特筆すべきは、ISSのアメリカ実験モジュールの臨場感(生活観)。番組でも江川達也氏がスクリーンの裏に周ると、すぐそこにいるようだと表現してましたが、ハイビジョンの臨場感は充分体感できました。ただ肝心の地球の映像が砂漠(サハラ上空)だったり、宇宙ステーションの雄姿が映されなかったのは残念。

 手持ちのハイビジョンカメラで飛行士が撮影していたわけですが、登場したマイケル・ロペズ=アレグリア飛行士とカメラが無重力で揺れることにより、画面が相対的に絶えず動いて酩酊感をさそったのがリアル。若干ですが、船酔いの感覚が残りました。アレグリア飛行士の手前を漂うハーネス類の揺れが特にその感覚を誘いました。

 地上にいながらにして、宇宙酔いを体感できたと言ったら大げさでしょうか(^^;)。でも原理的には同等と思うのです。(違ったっけ?)

 短い忙しい中継だったけれど、それなりに楽しめました。次回、もっと宇宙ステーションや地球のライブを見せてもらえることを期待します。

◆関連リンク
ビデオ映像の手ぶれで50人以上が不調 三重の女子校
 こんな事件がありましたが、原理的には同じなのでしょう。人の体に変調を与える映像、というのはこのように存在するわけです。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2006.11.13

■IVRC2006 国際学生バーチャルリアリティコンテスト
  

 2004年に続き2回目になる国際学生バーチャルリアリティコンテストを見学に行ってきました。実はこの土日、残念ながら用事がたて込み、会場滞在時間30分の駆け足での参加。じっくりと楽しめなかったのは残念でしたが、学生さんたちのいろんなヴァーチャル・リアリティの創意工夫に触れられて、充実した30分でした。

 ハイビジョンの動画も撮ったのですが、下記リンク先でどんなものかは写真があり観てもらえるので、簡単な文字レポートです。

IVRC2006 岐阜本選大会 候補作

本選出場作品 (チーム名 所属)

まじかるSPLASH (水柱 北陸先端科学技術大学院大学)
 光るタクトを振るのに合わせて、水柱が多彩な色で吹き上がる。夏の花火会場に置いたら、大人気という感じ。
 もっと水柱を高精細に何本も作り上げたら、芸術的な映像空間が立ち上がってくるだろうと思わせる発展性を秘めている。そういうのができたら、どっかのオケの演奏に合わせて名指揮者にタクトを振らせたら、かなり幻想的な空間になりそう。

ビュー・ビュー・View (Blue Elephant 電気通信大学)
 画面に口で風を送ると、それに合わせてCGが動く。また画面から逆に顔に風が吹き返される。
 風というマンマシンインターフェイスも面白い。CGは箱が積み上げられていて、それを吹き飛ばすゲーム的なものだった。これもCGの工夫で、もっと臨場感が上げられると思う。紙風船とか飛行船が自分の吹く息で動くとか、コンテンツはいろいろとアイディアが出そう。

COGAME (MEGARS 東京大学)
 人が手持ちで照らす位置を変えられる小型プロジェクタの映像に合わせて、ラジコンの亀が動く。プロジェクタの映像と亀の位置関係をカメラでとらえることで、面白いリモートコントロールを実現。説明してくれた方によると、将来は家庭のリモコンとかへの応用等、考えているとのこと。これも映像のコンテンツでインタフェースとして、相当幅広いアイディアがでてきそう。プロジェクタが遠隔操作デバイスになるという発想は斬新。

REVES (ESIEA Ouest, France)
 テーブルの上に置いた物や手に合わせて、テーブルの下から投影されるCGの動きが制限される。それを振動型のジョイスティックで操作するというもの。
 たしかにインタラクティブなのだけど、もちっと工夫がほしいです。

Virtual Scooter
(ESCIN et Master MNRV, France)
 これもアイディアがありきたり。スクーターにヘッドマウントディスプレイをかぶって乗り、映し出されるパリの街をヴァーチャルドライブ、、、、って、ヘッドマウントディスプレイはあるけど、それ以外だったらバイクゲームでいくらでもあるようなもの。辛口ですみませんが、新しさがわかりませんでした。残念。(フランスにはバイクゲームないんでしょうか。)


個人部門作品

CREATUREs:Tabby (植木淳朗 慶應義塾大学)
 内側から光るぬいぐるみの毛でできた風船。なで方を赤外線センサでとらえて、光かたを変えている。これ、強度等確保して、クッションとして売り出したら成功しそう。明かりを消した部屋で、このクッションの暖かな光はなかなかいい感じだと思う。
 癒し系のぬいぐるみロボットというのもいろいろあるけれど、むしろキャラクタっぽくないこうした抽象化されたものの方が、ぴったりきそう。2-3年後に東急ハンズで売られていても不思議ではないですね、と作者の方に話すと、何人かから声がかかっているというようなことを言ってみえました。

Empty Box 2006 (竹谷 康彦 岐阜大学)
 上の公式HPでは屋外の風景が渦のようにゆがむ変わった空間を作り出している例が載っていますが、会場では置物の汽車に手持ちの映像のフレームを向けると、汽車からCGの煙が出ているように映像が現実の光景にかぶさるようなものでデモされていました。
 ミックスドリアリティというやつかと思うのだけれど、僕はあらかじめHPで観ていた風景が渦のようにゆがむような現実を改変するようなインパクトのある映像が観たかったので、残念ながらちょっと期待はずれ。違う時間帯にはこの渦のバージョンもデモされていたのかもしれません。

招待作品

Virtual Seesaw (SH project IAMAS)
 スクリーンに対してV字に折れ曲がって、Vの先端に別々に人が乗れるシーソー。これも映像と実物が交じり合う時の効果をシーソーの遊びに取り入れたもの。デモは二人の洋服にプロジェクタで文字によるメッセージが映し出されていた。子供たちが嬉しそうにやっていたので、キャラクターがシーソーと自分たちの体の上で動くような映像だったらもっと受けていたかも。

遊んでくりえいと~A Sand-Create~ (モグラーズ 岐阜大学)
 これ、凄く気に入りました。ペットボトルの破砕した小片が光に照らされた幻想的な砂場を構成し、そこで砂遊びをすると、高さを光から検知してプロジェクタが光る玉の映像を低い方へ転がすというもの。シンプルだけれども小片を手で触れる触覚と、映像の動きのコラボレーションで飽きずに長く遊んでいたくなる。
 芸術に触覚が導入されるものに実は弱い部分があって(^^;)、これ、好きです。このペット材でなく、本物の砂やもっとフワフワしたスチロールのビーズや、いろんなものを入れて触角の違いによる遊び感覚の差を体感してみたい。

 今回、最終審査でどれが優勝したのか、ネットに情報が挙がっていずわからないけれど、僕の一押しはCOGAMECREATUREs:Tabby。アートとしての凄さではなくって、商品性発展性で可能性があるようにみえたので。
 子供を含めて遊べるという意味では、
A Sand-Createがベスト。

 来年以降も楽しい作品を見せて貰いたいものです。この領域って、結構いろいろやられてしまっていると思われるのだけれど、人間の5感×コンピュータ等テクノロジーの進化×特に映像コンテンツの無限の組み合わせで、まだまだいろんなものがでてきそうな期待があるので、来年も凄んごいのをよろしくお願いします。

◆当Blog記事
 IVRC2004 第12回国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.11.12

■新刊メモ 冲方 丁『マルドゥック・ヴェロシティ』

 
早川書房公式HP

 毎週一冊ということで出版がスタート。

 実は前作『マルドゥック・スクランブル』を今、読み始めたところ。まだ『The First Compression 圧縮』を読み終わったところですが、噂にたがわず面白い。テンポもいいし、人体改変とデカダンな雰囲気がしっかりサイバーパンク。なにより疾走感が心地良い。またちゃんと3巻読み終わったら、感想書きます。

◆関連リンクMardock_pv
・アニメ 『マルドゥック・スクランブル』公式サイト
 ソエジマヤスフミ監督によるGONZO作品。
GDH、「マルドゥック・スクランブル」を革新的な3DCGキャラでアニメ化 年初のプレスリリースでは、2006年末にOVA発売予定となっていますが、、、、。
マルドゥック・スクランブル(wikipedia)

『マルドゥック・ヴェロシティ〈1〉』 『〈2〉』 『〈3〉』 (amazon)
『マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮』
 『The Second Combustion 燃焼』
 『The Third Exhaust 排気』 (amazon)

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2006.11.11

■宇宙から初めてのハイビジョン生中継 06.11/15決定
スペース・ビデオ・ゲートウェイ(Space Video Gateway:SVG)

Iss_17sept2006

史上初!ハイビジョン生中継 
 LIVE宇宙ステーションNHK総合 BS-Hi

放送日 :2006年11月15日(水)
NHK総合 PM11:50~翌日0:40(50分) 
BS-Hi   PM11:59~翌日0:40(41分)
出演者:マイケル・ロペズ=アレグリア,山崎直子,米村でんじろう,野口健,江川達也,安めぐみ
司会:住吉美紀,水野倫之
 ~国際宇宙ステーション ISS:International Space Stationから中継~

 以前お知らせしたハイビジョン生中継、年末という情報もありましたが、順調に準備が進んだようでいよいよ今週実施されます! ハイビジョンの臨場感は今までもいろいろと書いてきましたが(当Blogハイビジョン関連記事)、僕は視覚情報としては相当、現実の体験に近づいたものと思ってます。なので今回の宇宙中継は、今までの中継と単に量的に変化するだけでなく、臨場感の質的な変化に近いものがあるのではと期待しています。IMAX等での今までの宇宙映像に近いものが、大画面デバイスによって家庭で体感できるわけですから、、、、。

 NASAでは、このプロジェクトをスペース・ビデオ・ゲートウェイ(Space Video Gateway: SVG)という名称で呼んでいます。こういうネーミングセンスもかっこいい。リアルタイム伝送が目玉技術なので、ゲートウェイと言っているのでしょう。(フレデリック・ポールのSF『ゲート・ウェイ』とはなんら関係ないと思います(^^;))

 上記「出演者」とありますが、でんじろう先生が宇宙から理科実験をするわけでなく、宇宙飛行士と地上を繋いでの放映になるのでしょう(当たり前)。
 NASAステータスレポートによれば、国際宇宙ステーションISSからは宇宙飛行士マイケル・ロペズ=アレグリアが出演ということです。この方、10/10打ち上げのソユーズでISSに飛んだ第14次長期滞在クルーのNASAサイエンス・オフィサー(JAXAサイト参照 この人)ということです。

NHK INFORMATION「NHKトップトーク(会長 2006/11/2)」

宇宙からのハイビジョン生中継は史上初となる。放送日が確定次第、すみやかにお知らせする。宇宙からの生中継は、(1)高度400kmを時速2万8千kmという猛スピードで地球のまわりを飛行している宇宙ステーションからの中継であること、(2)機材が宇宙に持っていくため特別な仕様であること、(3)広帯域なハイビジョン伝送であることなどから画期的な試みである。2回目以降の生中継も可能だが、船外からの中継の予定はない。

 「機材が宇宙に持っていくため特別な仕様であること」というのは、基本設計は地上のハイビジョンカメラと同じで良くても、使用できる材料がNASAハンドブックに載っている可燃性等のレーティングを満足していないといけないということで、設計変更はきっとたいへんだったように思います(ISS内での発煙時ガス等に厳しい規定がある)。
 船外中継がないのは少しさびしいですが、真空中対応のカメラがいずれ開発されて、将来的には実現することを期待しましょう。

◆関連リンク
国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #06-44 原文

今週、スペース・ビデオ・ゲートウェイ(Space Video Gateway: SVG)の点検のために機材の設置が開始されました。この点検では、ISSから高精細度テレビ(HDTV)映像を送信する能力を実証することになっています。

NHK、史上初となる宇宙からのハイビジョン生中継

 現在、地上400kmの軌道上に3人の宇宙飛行士が滞在し、宇宙ステーションを建設中。ステーションのアメリカ実験棟「デスティニー」とNHKのスタジオを中継で結び、宇宙から見える地球の姿などをハイビジョンで中継する予定。

 「宇宙ステーションは、高度400kmを時速2万8,000kmで地球の周りを飛行しており、その中で宇宙向けの特別仕様の機材を用いて、ハイビジョン伝送を行なうことは画期的な試み」としている。

NHK INFORMATION「技術情報」
高精細度ハイビジョンカメラシステム(HDTV)(JAXA)

<アメリカのメディアでの記事>日本より注目されている。 
Streamingmedia.com: NASA Takes Streaming Into Space
Expedition 14 crew tests the HDTV Space Video Gateway.

・女性宇宙飛行士Nina PatelさんのSpace Video Gateway操作風景(?)

・当Blog記事 宇宙から初めてのハイビジョン生中継
       HDTV in ISS:International Space Station

| | コメント (4) | トラックバック (1)

■IVRC2006 国際学生バーチャルリアリティコンテスト
   & 体験教室「バーチャルロボットを作ろう!」

IVRC 2006 Official Website 第14回国際学生バーチャルリアリティコンテスト

岐阜本選ご案内
 11月10日(金) 一般公開10:30-16:00
 11月11日(土) 一般公開10:00-16:00
 会場: 岐阜県各務原市テクノプラザ 入場料: 無料

 記事にしようと思っていて遅くなったけど、昨日からこういうイベントが開催されています。中継掲示板というのもオープン。
 面白そうなので、ハイビジョンハンディカム持って行ってきます。レポートはまた後日!

体験教室「バーチャルロボットを作ろう!」 が同時開催。

日時 2006年11月11日13:00-16:00
会場 岐阜県各務原市テクノプラザ 1階 研究室
内容 産総研の開発したModulobeを使用したバーチャルロボット制作
対象 小学生高学年~中学生 20名 事前申し込み必須

 このイベントで使われているフリーウェアのModulobe、簡易的な機構解析ソフトで自分の設計したロボットがヴァーチャルにデスクトップで動きます。なかなか楽しいので、ご紹介。

・当Blog記事
 IVRC2004 第12回国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト

続きを読む "■IVRC2006 国際学生バーチャルリアリティコンテスト
   & 体験教室「バーチャルロボットを作ろう!」"

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.11.09

■アニメータ磯光雄 と 監督作『電脳コイル』

アニメータ磯光雄

MADビデオ(磯光雄作画集)「CIKY NO KIKI(地球の危機)」
その他磯光雄作品検索 (YouTube) 

 なんといっても強烈だったのは、『新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 Air』の作画。
 エヴァ弐号機とアスカの鬼気迫る原画は、ここ10年のアニメで特筆ものでしょう。あの素晴らしい動きのタイミングが生成するダイナミックな映像。

 フィルモグラフィによると、『エヴァンゲリオン』TV版19話「男の戦い」も磯作画。
 19話の使徒喰いのシーンの凄さにも仰天しました。ロボットものが巨大生物ものに化けるあのセンス・オブ・ワンダー。もともと庵野秀明が諸星大二郎の「影の街」(『ぼくとフリオと校庭で』所収)のイメージにインスパイアされて、あのシーンが『エヴァ』企画のコアにあったらしいけれど、磯光雄によって、原典を超える奔放なイマジネーションを獲得したといっても過言ではない。

 特にあの幽玄な雰囲気の獲得は、素晴らしいと思う。動きで幽玄を表現できるアニメータって、世界でも何人もいないはず、、、というか僕はあのシーン以外にアニメで幽玄って味わったことのない感覚だったりする。他に何かありましたっけ?(『風の谷のナウシカ』で腐海の蟲たちが幽玄な動きをしていたら、どんな傑作になったかと思うと、、、。)

(と書きつつ、僕はこの原画のアニメータが誰かYouTubeの上記MAD VIDEOを観るまで、知らなかったという体たらくなのですが、、、、(^^;)。作画監督の本田雄の名前しか頭になく、てっきりこの方の原画シーンなのかと適当に思っていたという次第。なんともいいかげんです。)

◆脱線して『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』四部作について

 新劇場版四部作というなんだかものものしい企画があるようだけど、「企画段階の構想に近い、大団円となるエンターテイメント志向の作品」になるとのこと。
 僕はうじゃうじゃしたシンジの世界系描写なんて馬鹿馬鹿しくてどうでもよく、19話「男の戦い」から先、なんで初号機他の暴走がエスカレートしていった大センス・オブ・ワンダーなSF新生物ストーリーが観れないのかと不満に思っていた。なので、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』四部作は、そんなワクワクする映画になるのなら、観てみてもいいかな、と思っている。

 でも磯光雄は下の監督作があるので、新劇場版にはきっと参加しないでしょう(物理的にきっと無理)。(『エヴァンゲリオン新劇場版』前編は鶴巻和哉と摩砂雪の共同監督。中篇の絵コンテ佐藤順一という情報がありました。)

◆磯光雄 初監督作 『電脳コイル』

Dennou_coil02_1
原作・脚本・監督 『電脳コイル』 TVアニメ化決定(徳間HP)

 というわけで、こんな新作が用意されているという。
 この絵のイメージは、『エヴァ』でみせた凄さの片鱗があまり感じられないけれど、ラーゼフォン15話の磯演出作の渋い絵コンテで、実力は実証済なので、この監督作、とても楽しみ。できれば自身の原画もたくさん描かれるといいけれど、そんなことしてたら死んじゃいますね。(NHKで初監督作というのが、おなじく天才アニメータ宮崎駿と同経歴になるわけで、しかも上の絵の海底に沈む都市が『未来少年コナン』と符合して、なんだかワクワク。)

・宮村優子著 小説『電脳コイル』(Amazon)
池田綾子 , 斉藤恒芳『電脳コイル サントラ音楽集』(Amazon)
DVD『電脳コイル (1) 限定版』 『通常版』 (Amazon)

関連リンク 当Blogその他記事
『電脳コイル』探索<5> 電脳メガネの直系(?)の先祖
 テレグラス[Teleglass]T4-N

『電脳コイル』探索<4> 第6話「赤いオートマトン」
  電脳コイル世界の電脳ナビによる自動走行

『電脳コイル』探索<3> 脳-電脳インタフェース
 ブレイン-コンピュータインタフェースBCI/マシンインタフェースBMI

第2話「コイル電脳探偵局」 ポストンくんと『グラン・ヴァカンス』グラスアイ
『電脳コイル』探索<2> 第2話「コイル電脳探偵局」
  ポストンくんと『グラン・ヴァカンス』グラスアイ

『電脳コイル』探索<1>  複合現実と強化/拡張現実
  ミックスドリアリティとオーグメンテッド・リアリティ

 (現実に研究されている『電脳コイル』の技術の映像)
NHK 磯光雄監督 『電脳コイル』スタート  
 第1話 「メガネの子供たち」 と ミックスドリアリティ

アニメーター磯光雄と金田伊功と脳の構造の関係
NHK試写会記者会見リンク
『電脳コイル』TAF2007プロモーション映像 
『電脳コイル』 スタッフ公開! 
NHK教育『電脳コイル』 はハイビジョンか?
・その他 Google検索 
『電脳コイル』 第4話「大黒市黒客クラブ」
  電脳戦闘スタート 作画、本領発揮!

ネットで拾った磯光雄アニメートの評価等リンク

続きを読む "■アニメータ磯光雄 と 監督作『電脳コイル』"

| | コメント (4) | トラックバック (1)

2006.11.08

■岩井俊二監督の新作 ドキュメンタリー『市川崑の世界(仮)』

Iwai_ichikawa

市川崑監督を岩井俊二監督が撮る - シネマニュース : nikkansports.com
「市川崑の世界(仮)」(eiga.com)
岩井俊二が巨匠の人生を衝撃のドキュメンタリーに? 岩井監督コメント

「そう、衝撃のドキュメンタリーですよ。ふふふ」と含みを持たせる。「映画って罪深いですよね。90年もの人生を1時間とちょっとにしなければいけないんだから。それで、その人の人生を見せたことにするんですから。『24』みたいに、リアルタイムで描ければいいんですけどね(笑)。でも、90年ですから」と冗談めいた口調で語っていた。

 ひさびさの新作はドキュメンタリーということです。
 『犬神家の一族』のリメイクに合わせて、岩井俊二が市川崑をどう撮ったのか、ただのメイキングではないはずで、気になる映画です。

 にしてもこの引用コメントにある『24』のようなリアルタイムの90年を描く映画があったら、トンでもない、、、、。ほとんど『トゥルーマンショー』の世界(^^;)

※上の文字、このネタの時は、お約束の明朝体。本当は極太明朝体というのが適切らしいですが持っていないので、DHP平成明朝体というので作成しました。(はてな参照。「極太明朝体 フォントワークスが販売する『マティスPlus-EB』という書体・劇場版ではもう少し太いUBを使用」とのこと)

◆関連リンク
『虹の女神 Rainbow Song』 プロデューサーと脚本 岩井俊二(桜井亜美と共同脚本)
『虹の女神』(公式HP)
・新装したラジオ 円都通信 最終映像 -Final Cut-
フォントワークス マティス(amazon) フォントワークス(公式HP)

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2006.11.07

■宮崎駿 初期原画<1> 『侍ジャイアンツ』第一話

Miyazaki_samurai_g_01
侍ジャイアンツ』第一話「ほえろ!バンババーン 」より番場蛮の作画
 作監/大塚康生 原画/宮崎駿・小田部羊一(Aプロダクション)

 CATVのキッズステーションで『侍ジャイアンツ』の放映が始まった。あわせて『ルパン三世』の第一作も放映されている。これを機に、宮崎駿の初期TV作品での原画担当シーンをちょっとだけ分析してみたい。(宮崎が「フィルム1/24」やアニメ誌でとりあげられはじめた1980年ごろに、再放送をVTRに撮って繰り返しみたこれら作品がデジタルのおかげで詳細分析できるようになったので、懐かしいやら、嬉しいやら。深井克美と並べて『侍ジャイアンツ』を述べる醍醐味が究極映像研の持ち味です(^^;))

 この第一話は、前半が小田部羊一、後半が宮崎駿という凄いラインナップ。

 まず上の写真。番場蛮のシャープでダイナミックなフォルムと、全部原画のような作画にまずはご注目。これ、間を一、二枚抜いて引用していますが、中割りするには大胆な原画で、動画マンでなく、かなり宮崎自身の絵ではないかと思われます。(終わりから2枚目のしまりのない顔は少しいただけませんが、、、。中割りの動画なのかな??)

 最初の3枚のみごとに決まったレイアウトと、かっちりしたデッサンは、紛れもない宮崎駿の特徴のある絵となっています。そしてその後のスパイクと手のアップのダイナミックなコマ運び。5~7枚目の大胆なデフォルメも良い味出ています。まるで薄い箔のように撓む腕が伸びやかな動きを作り出しています。投球のシーンが何回か描かれていますが、それぞれにアニメのダイナミックさが心地よい出来。

Miyazaki_samurai_g_02
 さて次は他の場面から宮崎原画の特徴的なカット。

 1枚目は、自動車のフロント部の立体感とバイクのリアリティがかっちりとしたレイアウトでまとまっています。4枚目の長島選手、川上監督、八幡先輩、番場の構図、そして背広の肩の立体感が宮崎らしいと僕の感じる絵です。というのは、『空飛ぶ幽霊船』の戦車シーン周辺の有名な宮崎原画のイメージとかなり近しいものに観えるから。自動車のフロントと背広の肩の描き方は、『空飛ぶゆうれい船』と同じく、物の立体感の把握とその回り込み方が独特の空間感覚を形成しています(、、、ちょっと大げさ)。

 2枚目はいわずと知れたヘラクレスポーズ。もちろん『未来少年コナン』を思い出します。あと3枚目の喧嘩シーンの動きのシャープさと、凝りに凝ったレイアウトは特筆もの。引用したシーン以外もアニメートの快感に満ちています。

 ということで、褒めちぎって書いてきましたが、実はひさしぶりに再見して、昔、感じたより作画の凄さは縮小しているように思ったのも事実。かなり手間かけないで描いていることが明白で、たぶん宮崎にとってはのびのびと肩の力を抜いた作画だった気配が濃厚。結構、あまい構図や動きもいくつかあります。
 最近のTVアニメータのトップレベルのシーンと比べると、そのアニメセンスが勝っているか、かなり微妙。宮崎駿のTV作画のレベルを判断するのは、次にファースト『ルパン三世』を観てからとなりそうです。(気楽に描いた(失礼)TVのシーンでここまでまさか30年後に云々されるアニメ作画オタクな時代がこようとは、想像されてなかったでしょうね(^^;)。これもネットというメディアの特徴かも。)

◆関連リンク
高畑勲・宮崎駿作品研究所 宮崎駿フィルモグラフィー[1971~1973]
・当Blog記事「叶精二『宮崎駿全書』 と 宮崎駿『もののけ姫』について」 「池田宏監督『空飛ぶゆうれい船』

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2006.11.06

■柴 勤 著 『深井克美―未完のランナー』 : Katsumi Fukai

Fukai_01 Eva_svank_01_1
深井克美 友達1 (1978)  エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー Mediumni kresba (2004)

柴 勤 著『深井克美―未完のランナー』(amazon)
 (北海道新聞社刊 ミュージアム新書〔14〕)

函館生まれの深井克美は病魔に苦しみながら、人間の肉体と魂の在り方を問い、独特の幻想的な世界を描き続けた。30歳で衝撃的な死を遂げた深井の作品と生涯を紹介する。

 以前の記事「澁澤龍彦コレクション『幻想の画廊から』 」を書いた時に、ネット検索で見つけて紹介した、30歳で夭折した北海道の幻想画家 深井克美。彼の画業を紹介した本を購入。カラー25点。モノクロ22点。著述文(詩とエッセイ)7点が収録されている。凄くインパクトのある本になっている。特に絵が素晴らしい。

 内省的で幻想的。自己の内側へ限りなく沈潜していったその先に観えた研ぎ澄まされた幻覚ような絵画が素晴らしい。著述文で自らの脊椎カリエスから生じた肉体的なハンディキャップを苦にし、外出の際の対人恐怖について述べたくだりがある。上の絵で特徴的なのは複数の眼である。この眼の描写と「友達」というタイトル。彼にとっては友人ですら自分を観る視線が気になり、そしてその存在をひとつに固定できない不安の対象でしかなかったのかもしれない。この絶望的な絵画の圧倒的な存在感は凄いと思う。

 上で紹介した作品を観て、僕が真っ先に思いだしたのは、チェコのシュールレアリスムのアーティスト エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーのメディウム・ドローイングと名づけられた作品群。ふたつの絵を見比べた時に、その「内省的で幻想的」なイメージの共通性を強く意識せざるを得ない。残念ながらエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーの絶望が何に由来していたのか、チェコ語の読めない僕はまだ理解の端緒にもついていないが、この二人の画家が精神的な面で、どこかで通底していることは間違いないと思う。

 <幻想の画廊から>と題したHPに、この「深井克美」の作品が数点紹介されている。この絵を見てもらうと、さらに深井克美の凄さがわかると思う。僕がインパクトを受けたのは、特に次の二点。(リンク先の絵はスキャニングの品質が今ひとつで、本の色合いとかなり違うため、気になった方は是非本を購入されることをお薦めします。)

◆『2時37分』(1976)

 この怪物三体にみえるものはいったいなんなのだろう。本の著者  柴 勤氏も三体の生物と観ているが、実は一体である可能性も否定できない。一つの体から増殖した臓器のようにも観える。もてあましたそれら臓器に針と糸が天空から降りてきている。いろんな幻想の物語を想像させる画である。が、これも画家の苦悩の表象なのだろう。

◆『オリオン』(1977)

 美術評論家の坂崎乙郎氏が「絵画が達しうる一つの極みである」と述べている言葉が、本書に紹介されている。とにかくどこまでも深みのある絵画。異形のふたりの人間(サイボーグ?)の姿を描いたこの画は、個々をとりだすとH・R・ギーガーとかのイメージと似通っているように観えるのだが、二体の抱擁のようにみえるその形態が凄い。お互いを抱いている異世界の手。この描写が単なる幻想画ではない切実なものを観客に投射してくる。ここから広がるイメージの奥深さは、僕の筆ではとても描写できるものではない。

 この絵は、個人コレクター植木正心氏が、群馬県の自宅を改築した「植木美術館」というところで公開されているらしい。

 その他、多くの深井克美作品は、北海道立近代美術館に収蔵されている。先日、北海道へ行く前に調べたが、残念ながら今は展示はされていないようなので、観には行かなかった。いつか機会を見つけて、なんとか一度は実物を観てみたいものである。

◆関連リンク
・Blog 分け入つても分け入つても本の山さんの「深井克美」に関する文
坂崎乙郎氏の著作(amazon) 著作リスト
エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー関連図録 Eva Svankmajerova

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2006.11.05

■カールステン・フラー作品 巨大すべり台
  Carsten Höller Test Site 2006

Tate_modern_test_site_2006

Tate Modern | Current Exhibitions |
       Carsten Höller Test Site 2006
 写真
([フォグレス:ロンドンアート日誌]さん経由)

 これ、何だかわかりますか?

 イギリスの国立近現代美術館テート・モダンのThe Unilever Series : ユニレバー・シリーズ展において、展示された美術作品。体感するアート、巨大すべり台です。

 元発電所だった場所の発電タービンが設置されていた広大な展示空間を利用した55mの急降下滑り台。凄いですね。ジェット・コースターが駄目な僕には、決して滑り落ちることはできないと思います。写真見てるだけで、高所恐怖!

artholic daysさんに建造風景が掲載されています。
・グーグルイメージ検索 Carsten Tate Modern
 Giant Slides こっちは巨大すべり台の検索。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2006.11.04

■スコット・コフィ監督『ナオミ・ワッツ プレイズ エリー・パーカー』
 NAOMI WATTS Plays ELLIE PARKER 予告篇

Ellie_parker_poster

ナオミ・ワッツ プレイズ エリー・パーカー 予告篇
 (イメージフォーラム11/11公開)

 ナオミ・ワッツが、デイヴィッド・リンチ監督の『マルホランド・ドライブ』で出会った俳優仲間のスコット・コフィと意気投合。製作費の全くないまま勢いにまかせて製作した16分の短編コメディーが4年の歳月をかけて長編に仕立てあげられた『ナオミ・ワッツプレイズエリー・パーカー』。コツコツと手作り感覚で撮影されたハリウッド女優主演の究極のインディーズ・ムービーである。

 ナオミ・ワッツ扮する無名の女優エリー・パーカーが明日のスターを夢見て朝から晩までオーディションを受けまくり、貧乏と挫折の荒波にもまれながらもタフに生きる様をハイ・テンションな演出で描いた映画。

 製作途中で主演のナオミが無名の女優から現実にハリウッド・スターになってしまい、フィクションがセミ・ドキュメンタリーへと変貌を遂げてしまった作品。ナオミ・ワッツの裏ベストとも呼びたい新鮮さにあふれていて必見。

 リンチの『マルホランド・ドライブ』マニアにはたまらない映画です。特に女優のオーディションシーンの素晴らしさでナオミ・ワッツファンになった私としては(^^;)。なんせ、この映画、オーディションがテーマなのですから。

Ellie_parker00

スコット・コフィ 『ナオミ・ワッツ プレイズ エリー・パーカー』について語る

 ここを読むと、監督と女優とほとんど二人でデジタルビデオを駆使して撮影されたようです。まあなんと幸せな監督なのでしょう。

Scott Coffey(IMDb)は、Inland Empire (2006)でJack Rabbit役。ナオミ・ワッツはRabbitの声役のようです。
Tank Girl (1995)でもこの二人は共演。今の今まで怪作『・タンク・ガール』にナオミ・ワッツが出てたこと、知らなかった。タンク・ガールなナオミ・ワッツ

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2006.11.03

■アンビリバボーなうちの中学校
   奇想コレクション

 うちの娘の中学校が不思議な空間になっている(^^;)ので、2題ご紹介。

フジテレビ アンビリバボー06.10.12 前世スペシャル 
  (稲垣勝巳著『前世療法の探究』より)

 この番組に娘の中学の教頭先生が登場。教頭の睡眠療法により前世の記憶を語る女性のVTRと、その語った内容の検証。日本では前世の証拠として、ここまで事実と整合している例は珍しいのだとか。長文だけど、語られたのはこんな内容。 

 中部地方で現役の中学校教頭を務める稲垣勝巳先生は、教育催眠を中心に催眠療法に取り組んできた。(略)過去の記憶にさかのぼってストレスの原因に迫るのだが、時に本人の知り得ない記憶が出てくることがある。
 しかし稲垣先生は、これが前世の記憶であるということには疑問を持っていた。(略)

 生徒の母親・理沙さん(主婦・仮名)が退行催眠を受けたのは2005年6月4日。(略)理沙さんはすぐに深い催眠に入ると、現在とは別の人生について話し始めた。桑畑で桑の葉を摘んでいるという。名前はタエ、13歳、安永9年、シブカワ村、上州、上野(こうずけ)国(現在の群馬県)に住む孤児だという。
 さらに3年後の話を聞くと、年号は天明3年、あさまのお山が大分前から熱くなって、火が出るようになり、白い灰が毎日積もるという。

 彼女はさらに天明3年7月、七夕様の時、龍神様と雷神様がアガツマ川を下り水が止まって危ないので、私がお供えになります、と話す。稲垣先生が「命を失いますよ」と問いかけると、「みんなのためになって嬉しい」と答える。噴火と止まった川の水。龍神と雷神の怒りを鎮めるため、タエは橋に縛られ、いわゆる人柱になったという。(略)

 長文引用&オカルトチックですみません(こういう記事書くと、Googleの検索結果でガードがかかるというのは都市伝説??)。
 番組ではひとつひとつの事実が正しいことを証明。結構驚愕だったりするのだが、気になったのが「龍神様と雷神様」「タエ」「人柱」という言葉。
 このキーワードがなんか昔TVドラマか映画で観たような気がする。もしかしてこの人、子供の頃に感情移入して観た史実に基づくドラマが記憶に沈潜して睡眠で語ったのかも。で、それを前世として勘違いしている。

 気になって、そういうドラマか映画がないかと、ネットで調査。

 残念ながら、このキーワードでひっかかるものは見つからない。僕の仮説は証明できず、こうした環境の学校にかすかな不安を感じざるを得ないので(^^;)、誰か何か思い当たるものがあったら教えてください。

 検索の過程で見つけた面白い年表。労作。
 →福岡大学漫画研究愛好会 <空想科学総合歴史年表> 総合歴史年表 

「わたしのできるのは、透視」

 同じ中学の2つ目の奇想なエピソードは数年前のこと。(友人たちに宛てた当時の僕のメールを抜粋。基本的にこのBlogでは自分の周囲のことは書かないのだけど、これは時効(^^;)になりつつあるので、、、。)

 先日、娘の中学の入学式へ行って、SFに遭遇した。
 
 入学式の後、学級開きという行事がある。クラスで初対面の先生と生徒が自己紹介、父兄は学級参観の形で同席する。

 うちの娘の先生は、二十代の女の先生でしっかりした感じ、しかも明るいとても良い雰囲気の方である。はじまってしばらく、生徒の心をキャッチする先生の愉快な冗談と、教え子が病気で亡くなったという悲しいエピソードを交えた話。
 先生のやさしい人柄がにじんでくるような自己紹介で、ここまでで父としての僕は娘をあずけて安心と直感。

 すこしクラスの緊張もほぐれてきたところで、、、。 次の話がスタート。

・みんな、幽霊は信じてる? 先生は見えるよ。ここの理科室は大丈夫。
・UFOは、先生、信じていない。だって見たことないもの。
・超能力は信じるよ、先生はできるから。
 「わたしのできるのは、透視

 え、何、冗談、、、、黒子に徹すべき子供の授業参観だというのに、僕は思わず大声で笑っちゃいました。いや、絶妙の間でした。まさかこの場でこんな話が語られようとは、、、。

 その後、先生はおもむろに湯呑み3つと、ビー玉1ケを取り出す。子供にビー玉を湯呑みのひとつに入れさせて、どれに入っているかを担任が当てる。
 3回やって、すべて的中。1/9の確率である。悪ふざけをするタイプには見えないから、何かの話の落ちがつくのか? 実は学生時代、手品部だったとか、と思っていると、そのまま学級開きはおしまい。え、え??何、これ。
 まさしく、狐につままれたとはこのことで、妻と僕はきょとんとして教室を後にしたのでした。(以上、メール引用)

 そして1年。結果はとても良い先生で、娘も彼女を大好きだったし、僕らも安心したわけですが、今回のアンビリバボーを見て、何故にこうした自己紹介が普通に学校で実施されていたか、なんだかわかったような、わからないような気になっています。

 こんな奇想コレクションのようなうちの学校が、実は好きです(^^;)。

| | コメント (5) | トラックバック (1)

2006.11.02

■ザ・シンプソンズ ピンボールパーティ
   The Simpsons Pinball Party

Simpsons_pinball02

The Simpsons Pinball Party 詳細 (公式HP)

 ひさびさにゲームセンターへ行ったら、こんな素敵なピンボールマシンがありました。

 子供時代に駄菓子屋の店先でこういうアナログなゲームを楽しんだ世代なので、郷愁とともになんとも嬉しくなります。ヴァーチャル・ゲームと比べようがありません、この感覚/感触。

 写真ではよく見えないけれど、左側に立つ2つの原子炉バンパーがポイント。ここの動きがなかなかいい。こんなしかけはピンボールでの物騒度、世界一では。ちなみにいくら玉が当たっても振動するだけで、メルトダウンはしませんので、ご安心を(^^;)。

 このマシン、あとイッチー&スクラッチーがいてくれたら、言うことありません。

◆関連リンク
シンプソンズ ピンボール パーティ  設置場所検索
 世の中、こんな便利なものがあるんだ!
・The Internet Pinball Database (!) The Simpsons Pinball Party
 素晴らしくディテールを紹介してあります。あ、Itchy & Scratchy Targetsがあったんだ!!
「シンプソンズ」公式サイト 映画シンプソンズ予告篇 2007.7/27公開 US
新品のピンボールマシンが月々24,700円!もちろん送料、設置料すべて込み!ピンボールシンプソ...【楽天市場】ピンボール シンプソンズ
 なんと892500円でネット通販がありました。「36回払い、分割金利ゼロ、なんと月々24700円」。むちゃくちゃほしいけど、当然買えません。楽天アフェリエイトで頑張り続けて稼いで買おうかと思いましたが、50年くらいかかりそう(^^;)。

| | コメント (4) | トラックバック (2)

2006.11.01

■紅葉の森林に佇む彫刻群
  札幌芸術の森 野外美術館・2

当Blog記事 「札幌芸術の森 野外美術館・1」 の続き

Artpark_saikatou
彩霞燈 一色 邦彦 作 1982年
 この作品、デフォルメの感じがなかなか味わい深い。このようにゆがめて造形できるセンスが素晴らしいと思います。
 この作家の他の作品

Artpark_uturoi Artpark_uturoi02
うつろひ 宮脇 愛子 作 1986年
 ステンレススチールの4本の支柱と、風にふかれてしなやかに揺れる8本のワイヤー。
 これはSFマインドをくすぐります。芝生の緑と薄茶にかすれた背景の森林、そして金属の輝き。作品と自然の融合or侵入のイメージがなかなか鮮烈。
 右はこの作品近傍の森。静止画では表現できませんが、風に対する揺れ方が絶妙で、はるか古代に森で暮らしていた祖先の記憶がDNAレベルでわさわさと騒ぎます(^^;)。この森への感覚、わかりますよね??

Artpark_soukousekai_1

走向世界  田 金鐸(ティアン ジンズオ)作 1986年
 これはなんだかほほえましいフォルムが気に入りました。
 髪型はウランちゃん(^^)。全体的に抽象化した造形が手塚治虫のキャラクタになんか似ています。

 背景の白樺とのどこかミスマッチも楽しい。

 というわけで、第二弾でした。まだ続けようかと思います。(野外美術が、たまらなく何故か解放の感覚をさそって、ひさしぶりにのびのびした気持ちを取り戻せた感じ。森林のおかげかな。いや、最近、ちょっと本業で疲れ気味なので、、、、。)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2006年10月 | トップページ | 2006年12月 »