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2006.12.24

■能楽師 山井綱雄 『能舞エヴァンゲリオン』(EVA AT WORK)

EVA AT WORK work12 「能舞エヴァンゲリオン」 山井綱雄(能楽師)
    (編集長メモ:【NEWS】「能舞エヴァンゲリオン」公開開始!より)

Eva_nou_306.12/22-12/26限定公開。22分間のムービー。
(トラフィックが悪く、観終わるのに40分くらいかかります。)

山井綱雄公式サイト
山井綱雄のコラム 「能舞エヴァンゲリオン」動画

能舞エヴァンゲリオンでは、新作は用いず、古来からの伝承曲5曲を抜粋して用いました。
「清経」「黒塚」で、碇シンジ少年の人生の苦悩を
「生田敦盛」で、エヴァ初号機の覚醒しての戦闘場面を
「百万」で、シンジの母・碇ユイの息子を思う心情を
「恋重荷」で、母・碇ユイの息子を守るという決意を
それぞれ表現しました。 

 凄く野心的なアプローチだと思う。上の山井綱雄氏のコラムでは、「私としては、どんなご批判・反対意見も覚悟の上での作品発表です。 ただ私は、能もエヴァも、冒涜も侮辱もするつもりはありません」と書かれている。能楽の世界では、この試み、かなり異端扱いされるのでしょう。

 EVA19話「男の戰い」で覚醒した初号機の映像は、素晴らしく幽玄な雰囲気を作り出していた。アニメータ磯光雄によって描かれたあの驚異的な映像は、日本でしか描けない夢幻な空間になっていた。

Eva_yugenn  あのシーンがあったから、今回、能という形態が選択されたのかどうか、よくはわからないが、とても面白い試みだと思う。(ただリンク先で観る能の映像は、少々退屈であったりするのだけれど、、、。おそらく僕が能というものを知らないからなのだろう。)

 今回の能のマスクは、いささか初号機というには表情的に厳しい。もっとアニメのマスクと近いデザインでもよかったのではないか。左の形態を顔だけでなく、体まで写し取って能の衣装が作成されていたら、もっと凄い表現になっていたのではなかろうか。振り付けに磯光雄の協力を仰ぐとか(^^;)。

 、、、、というのが期待値としてあったわけです。

・当Blog記事 アニメータ磯光雄

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コメント

 shamonさん、こんばんは。年末の慌しい中、コメントありがとうございます(^^)。

>>そうすればアニメーターの社会的地位や収入も上がり、
>>巷で作られる作品の質も上がるはず。

 アニメーターを現代アートのアーティストとして認めていくべきですよね。本当はアニメータの映像を集めたDVDや原画の本がいろいろと出たら楽しいのに、と思います。金田伊功や磯光雄やこのレベルの人たちは、ポップアートの本場ニューヨークで回顧展とかやったら絶対受けると思うのですが、、、。(最近、ニューヨークで現代アートがブームで、つまらない(としか観えない)絵が100万とか200万円で売れているというTV番組を観ました。有名ギャラリストが日本のトップアニメータに眼を付けて売り出したら、きっと一番アニメータは評価されていくと思うのですが、、、。)

投稿: BP | 2006.12.29 23:41

こんばんは^^。

>そういう意味で「近代能楽集」のアニメ化を、マンガ立国をとなえている麻生大臣(学習院では宮崎駿と同期らしいし、、、)に金を工面させて、日本の"神"原画マンたちに描かせたらいいでしょうね。

プラス次世代をしょって立つ監督たちにも参加してもらって、ですね。
国家プロジェクトとして彼等を招聘し作品を作らせ
日本の古典を世界に知らしめてもらう。
そうすればアニメーターの社会的地位や収入も上がり、
巷で作られる作品の質も上がるはず。
村上隆の???絵より数万倍も日本のためになりますよ、実現すればですけど。

投稿: shamon | 2006.12.28 20:03

 shamonさん、こんばんは。
 引き続き興味深い話をありがとうございます。

 狂言は2回ほど観てますが、能はまだ未見。
 今回のGAINAXのも観ててなんだか頭が痛くなる(^^;)、という。要するにどう観るかがわからないのです。
 正月に定番でテレビ放映するでしょうから、観てみようかな。

 今回のも舞台が能楽堂でまわりの自然の音がいろいろと聴こえていますが、EVA19話は山中の能楽堂かなんかで鳥や虫の音を聴きながら鑑賞したら、凄くいいでしょうね。

>>話逸れますが、村上隆が金田伊功の絵にインスピレーションを(略)

 これはさすがに有名な話なので知ってます。
 にしても現代アートと言うと村上氏のようなつまらん絵でも金が稼げるのが、、、。アニメータってもっと金銭的に恵まれてもいいと思います。おそらく芸術レベルとしては村上の100倍は斬新な金田伊功や磯光雄のアートが、きっと村上氏の1/100の収入しか得られていない現実はなんとかならないものかと思います(本気モード)。

>>金田氏がこの襖絵に影響されたかは定かではないですが、

 金田伊功の徳間から出た特集本とか見ると、彼はアニメータになる前ずっと戦闘機と女の子の絵しか描いていなかったようなので、「老梅図襖」は特別影響を受けていないと思います。(村上氏のビジネス上の箔付けにみえてしまう、ひねた私(^^;))

>>現代のアニメーターだって演出や動きなど古典から学ぶものはきっと
>>あるはずです。数百年を生き続けた伝統芸能の力は侮れません。

 そ、ですね。
 チェコのシュヴァンクマイエルがバロック建築とか伝統的人形劇からいろいろな影響を受けている(きっと)に対して、日本のトップアニメータが日本の伝統にどれだけインスパイアされてるか、、、。

 そういう意味で「近代能楽集」のアニメ化を、マンガ立国をとなえている麻生大臣(学習院では宮崎駿と同期らしいし、、、)に金を工面させて、日本の"神"原画マンたちに描かせたらいいでしょうね。当然村上の100倍のギャラで。

投稿: BP | 2006.12.24 23:43

こんばんは^^。ご対応感謝ですm(__)m。
ご参考になるかはわかりませんがTBお送りしました(今年3月のエントリですが)。
能楽は初心者ですが観世流の舞台を2回観ています(「葵上」と「熊坂」)。
また幸いにも詳しい友人がいるのでいろいろ教えてもらっています。

>面を作れたのでしょうか
これは、新しく作ったと思います。
面は能楽の命とも言うべき大切なものなので
(顔につけるときも表側に決して触ってはいけない)、
それをアレンジってのは考えにくい。
私が3月に見せていただいたのは200年近く前のものでした。
そして装束(衣装)は着方、組み合わせ、その柄、文様によって
役の性格が表現されます。
このしきたりは能楽の600年という歴史の中で培われ守られてきております。
今回の装束はその中で出来るだけ役に近いものを選んだのではないでしょうか。

演目を拝見すると前半は面なし
(能楽では現世に生きている役の時は面をつけない。
但し男性能楽師が女性を演じるときは役の年齢に応じた面をつける)、
後半は女性の面をつけて、という感じですね。
次回は是非国立能楽堂で見て見たい。
ここはジャミングが完璧なのでマナー違反の観客に悩まされることがないんです(笑)。

>どちらもいいところを取り入れて、両日本独自芸能(リミテッドアニメは独自と言っていいのでは?)が、さらに花開くといいですね。

話逸れますが、村上隆が金田伊功の絵にインスピレーションを受けて現代美術に進んだのはご存知ですか?
その村上氏が言うには金田氏の絵(「999」のメーテル星爆発シーン」)はNYメトロポリタン美術館所蔵の狩野山雪「老梅図襖」と非常に共通点があるそうです(日経新聞2005/6/15に掲載)。
金田氏がこの襖絵に影響されたかは定かではないですが、
現代のアニメーターだって演出や動きなど古典から学ぶものはきっとあるはずです。数百年を生き続けた伝統芸能の力は侮れません。

個人的希望としては、手始めに「近代能楽集」(三島由紀夫)辺りをアニメ化してほしいですね。もちろんIG×神山監督で(笑)。

投稿: shamon | 2006.12.24 21:13

 shamonさん、こんにちは。

 能楽、お詳しそうですね。貴重なコメント、ありがとうございます。

>>確か能楽の場合、面(おもて)も衣装も代々受け継がれるものでめったに新調は
>>しないはず。

 今回はスポンサーがGAINAXで、面を作れたのでしょうか。(それとも何か近い物を小改良??ってことはないか。)

>>どうせなら磯さんに能楽の動きを研究していただき、伝統芸能をアニメにしてい
>>ただくと面白いかも^^。

 どちらもいいところを取り入れて、両日本独自芸能(リミテッドアニメは独自と言っていいのでは?)が、さらに花開くといいですね。

投稿: BP | 2006.12.24 11:55

おはようございます。

動画はまだ未見(重くてダメ)ですが、記事を興味深く拝見しました。

>能楽の世界では、この試み、かなり異端扱いされるのでしょう。
サブカルとのコラボは「紅天女(くれないてんにょ)」(マンガ「ガラスの仮面」の劇中劇)の前例があります(国立能楽堂)。
「エヴァ」は1話で挫折した^^;私ですが、時代を席巻したアニメと伝統芸能とのこのコラボは凄い。
能楽界はファンの裾野を広げるのに一生懸命なので山井さんの試みは十分評価に値します。

>体まで写し取って能の衣装が作成されていたら、もっと凄い表現になっていたのではなかろうか。(^^;)。
衣装は難しいです^^;。
確か能楽の場合、面(おもて)も衣装も代々受け継がれるものでめったに新調はしないはず。
新しく作るとなると時間も費用もかかるし職人も探さなくてはならない。そしてそれはもろ観劇料に即跳ね返ります。
使い回しが出来ない衣装は作れないというのが実情でしょう。
振付は・・・最小限の所作(しょさ)で感情を表現するのが能楽のよさなのでアニメそのままはどーかな?と思います。
とはいえ新しい表現も見て見たい気もする。

>振り付けに磯光雄の協力を仰ぐとか
どうせなら磯さんに能楽の動きを研究していただき、伝統芸能をアニメにしていただくと面白いかも^^。
目の前で見る能楽師の動きは日ごろ目にしない動作なので実に刺激的ですよ。

投稿: shamon | 2006.12.24 08:10

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