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2007.05.04

■刈谷市美術館『チェコ絵本とアニメーションの世界』感想

Czech_illustration_animation
 刈谷市美術館 『チェコ絵本とアニメーションの世界』(当Blog紹介記事)
 
 チェコ絵本・アート本のネットショップ クリチカさんから招待券をいただいて行ってきました(クリチカさん、本当にありがとうございました)。

 刈谷の駅を降りると、駅のコンコースにはこの展示会の大きな垂れ幕があります。そして歩いて10分ほどの美術館には上のような看板。以前のトゥルンカ展の時もそうですが、こうしたチェコの大きな文字とその独特の作品の一部が街の中に現れると、それだけでなんだか浮き浮きと嬉しくなってしまいます。

美術展の全体

Czech_illustration_animation_table  展示は美術館の一階と二階のほぼ全体を使っており、絵の展示が二会場、プロジェクタによる大画面での絵本映像とアニメの映写が一会場、そしてモニタによるアニメ紹介が4箇所。他に茶室での展示に関係したお菓子の茶会と、手にとって絵本や美術書を見られるコーナー(シュヴァンクマイエルの本やチェコ総合情報誌 CUKRも置かれていました)。右が映写会場のプログラム(クリックで拡大表示)。絵本映像というのがなかなか良かったです。これはこの展示会のために作られた映像で、子供が絵本をめくっていく映像を収めたもの。絵本をめくる手の動きから、子供のワクワク感がどっか伝わってきて、いい感じに出来上がっていました。

作品メモ

 実はチェコアートと言っても僕が知っているのは、ヤン・シュヴァンクマイエルとエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー夫妻、そしてイジー・バルタ、トゥルンカ、ブジェティスラフ・ボヤールといった一部のアニメーションアーティストのみ。絵本の世界は、時々目には触れているけれども実はその作家の名前も良く知らない、という素人。

 以下、作家の名前を意識しながら作品を見たのは実は初めてというような素人の感想ですが、興味を持った作品についてメモします。

オンジェイ・セコラ:Ondrej Sekora 『アリのフェルダ』 (Googleイメージ検索)
  『ミッキー・マウス』の誕生から数年後、チェコで生まれた秀逸なキャラクタ。絵のタッチがとても柔らかくて、そしてキャラクタが活き活きとして味わい深い。
 会場では人形アニメ版を上映していたが、僕はこの作家のタッチのままでセルアニメになったものが観てみたかった。

エヴァ・ベドナージョヴァー:Eva Bednarova 『チューリップ大尉とボルドーのお姫さま』 (Googleイメージ検索)
 図録を見ながら描いていますが、やはり原画が圧倒的に良かった。こちらはセコラと違って絵画的なタッチ。重厚で幻想的なイメージがよかった。モノクロ調の『レニと呼ばれた私』も好きです。

エヴァ・シェディヴァー:Eva Sediva 『パシャダイ王子をルツカがどうやって助けたか』
 淡い透明感のある水彩の絵。これは絵が不思議なイメージでストーリーを是非知りたくなった。大きな目玉の赤い鳥はいったい何なのだろう。

ヴラスタ・バラーンコヴァー:Vlasta Barankova 『Nの街から』 (Googleイメージ検索)
 時計塔の中でテーブルを囲む3人の男と、時計にとまる襟巻きをした大きなカラス。ぐりぐりと力強いイメージが絵から立ち上がってきた迫力のある1枚。

ペトゥル・シュマレッツ:Petr S'malec 『シュマレッツのアルファベット』
 残念ながらネットにはこの方の絵が見つからない。ディジタル彩色でくっきりきっちりとした絵だけれど、なんだかぬぼっーとした感じがとてもいい。セコラのフェルダが絵の一角に登場しているのも楽しい。

ペトゥル・シース:Petr Sis  :Hlavy
 これは上映されていたアニメーションの一本。ジョゼッペ・アルチンボルトにインスパイアされた作品。これは今展示会の映像作品の中で一番刺激的だった。 

刈谷とチェコアートの関係

 クレジットを見ると図録の「編集」は、刈谷市美術館学芸員 松本育子氏と株式会社イデッフ 柴田勢津子氏となっている。図録の中には松本育子氏氏による「ハヴリーチクーフ・フロト美術館を訪ねて」というエッセイが収録されている。ハヴリーチクーフ・フロト美術館は絵本のイラストレーションを専門にコレクションしているチェコの美術館で、多数の所蔵作品を今回の美術展に提供されているが、エッセイでは2005年にこの企画展のための調査で、松本氏がチェコのここを訪問されたことが綴られている。

 ここから判断すると(明確には書かれていないので私の推測)、この展示会を企画されたのは刈谷市美術館の松本育子氏ということになるかと思う。(以前の『イジー・トゥルンカ展』でも図録の編集に同じく松本育子氏と柴田勢津子氏の名前がある。)

 我が愛知県刈谷市に、こうしたチェコアートへのアプローチを続けている美術館のキュレータの方がいらっしゃるのは大変嬉しい。もともとトヨタがチェコに工場を持っていることから(プラハにはトヨタがネーミングライツを持った「レトナスタジアム」というサッカー場がある)、三河地域とチェコとは産業的な交流が多くなっているので、こうした取組みで文化的な交流が進むのはとてもいいことだと思う。(というか自分の好きなものが街の美術館に飾られるのが単純に個人的に嬉しいだけですが、、、。)

 あと調べてみると、株式会社イデッフは、2005年の神奈川県立近代美術館で開催された『造形と映像の魔術師シュヴァンクマイエル展幻想の古都プラハから』でも企画協力。さらにI.D.F.Incの名で『トゥルンカ展』とか『ブックデザインの源流を探して』『フランスコミック・アート展』といった展示の企画協力をされている。

 なんか気になって調べていくうちに、この部分の記述が増えてしまったけれども、今回の展示を楽しませていただいて、このお二方のご尽力に感謝します。今後もこうした企画を続けていただけることをチェコアートのファンの一人とし願ってやみません。

ミュージアム・ショップ
 絵本とか本を中心にポストカードやらトゥルンカのバッグ、箱、マッチ、ピンバッチ等々、チェコ絵本関連のグッズがたくさん並んでいた。どれも自分ちに飾れたらいいなーと思いつつ、結局図録のみ購入。
『チェコ絵本とアニメーションの世界』(Amazon)
 本展示会図録(上のリンク先はその書籍版)。全150ページにわたる展示作品と関係各位のエッセイ等が楽しめます。なぜかアニメーションのところはイジー・バルタへのインタビューでこれも嬉しかった。

・ほしかったのだけれど、随分収録作品に他の本とダブりがありそうで購入しなかったのが、イタリアのサン・ルドヴィツォ画廊(パルマ)で開催されたヤン・シュヴァンクマイエルとエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー夫妻の『記憶のアニメーション-アニメーションの記憶』展図録\6300。中身は残念ながら見られませんでした。
展示会詳細(.doc) Mostre Palazzo Pigorini
Parma. Palazzo Pigorini e Galleria San Ludovico 19.10.2003 – 4.1.2004

◆関連リンク
チェコ絵本[古本]のネットショップ【kulička-クリチカ-】さんのBlog記事
 【チェコ絵本・チェコアニメ】 - 【チェコ絵本とアニメーションの世界展】目黒区美術館
・当Blog記事 「イジー・トゥルンカ展 見学

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