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2007.07.30

■『電脳コイル』12話  磯光雄 脚本・コンテ「ダイチ、発毛ス」
  ギャグ & 奇想 & バカSF & 感動作  すげぇ

Coil_star_wars02 12話 「ダイチ、発毛(作画@wiki)

脚本:磯光雄   絵コンテ:磯光雄
演出:木村延景 作画監督:秦綾子

板津匡覧  尾崎和孝  青山浩行  室井康雄
岡 辰也   渋谷崇将  下田功一  鎌田 均
柴田則子  坂元恵美  吉岡敏幸  秦 綾子
磯 光雄

 第一話以来の監督磯光雄による絵コンテと作画担当回。自ら手がけるところから考えると、相当の思い入れがあるコンセプトとストーリーであるのだろう。

 ギャグに始まり、奇想&バカSFであり、そして感動作になっているというとんでもない一話になっていた。
 特に後半の素晴らしさは、特筆。『電脳コイル』を観ていない奇想小説ファンやバカSFファンも是非この一話だけは観ることをお薦め。(でもこの一話だけとりだして観たら、いったい『コイル』ってどんなものだと思われるだろうか、、、、是非そんな観かたをした方がいたら、ここにコメント下さい。あー、そんな観かたをしてみたい(^^;))

★★★★★ 以下 ネタばれ ★★★★★

 前半のダイチ発毛ネタはコミカルさと夏休みの日の繰り返しに覚える郷愁をうまく描いていた。が、発毛ギャグがいまひとつ乗り切れない感も。

 しかし、傑作に飛躍する後半。

 SFではエドモンド・ハミルトン『フェッセンデンの宇宙』とか藤子不二雄の漫画でよくある創世記ものというか、宇宙を手の中で作成し観察するというSimcityを思わせる世界創生ネタなのだけれど、それを顔面に住まうヒゲ生命体で描いたところがすごい。

 戦争による知的生命のおろかさを描きつつ、その頂点として描写されるヤサコの顔面での核戦争。ここのシーンは、ついにロケットでヤサコのヒゲ生命世界が技術的に進化した素晴らしいシーンと思わせておいて、いきなり核爆発を見せるストーリー展開が秀逸。しかもそれが顔のヒゲの世界で起きるというバカっぽさと、星間戦争へのエスカレートという進展。(どうでもいいけど、この未来の小学生たちが「星間戦争」という言葉をなにげなく使うのが嬉しい)。

 作画面でもヒゲの文明の進化のシーンで、馬のような動物を使った乗り物のシーンとか、秀逸。もちろん核戦争シーンは白眉。

 そしてさらにヤサコが神としてその世界から見られている部分の哲学(ヒゲ世界のニーチェが言う「ヤサコは死んだ」)と、その争いの歴史が小学生の生活の諍いを鏡として照射し、たそがれる夕焼けのシーン。

 この俗な発毛のイメージと、哲学と奇想と作画の切れ、こうした混沌が見せる世界でラストに描かれたせつなさ。ワイドスクリーンバロックではないけれど、このイメージの混沌は紛れもなくSFのダイナミズム。少なくとも僕が観たバカSFアニメでは最高峰と呼んでいいでしょう。

 あー、コイルでこういう話が観られるとは思ってなかった。磯監督、秘めたSFパワーはどこまでいくのか。これから全話後半へ突入していくのだけれど、どこまで爆発してくれるか、ますます期待は高まる!

◆関連リンク
グレン・コイル Tempo rubato 平松禎史氏のBlog

で、コイル第10話。
今度の土曜日放送です。
これやってたのはもう1年以上前なんだよなぁ。
当時動画だった人のほとんどはもう原画になっていて、新人原画マンだった雨宮君なんかはグレンの中核スタッフでバリバリやってるし。
こちらも感慨深いモノが多々あります。
磯さんとの闘いの日々も今はもう何もかも懐かしい…てなもんで(^_^)

作画@wiki - 磯光雄.

原画に「忙しい人は読まない」とト書きをしており、多大な設定を書き込んでいる(有名なのが劇場エヴァのト書き(以下。

>足が沈み込まないのは、EVAが移動を想定できるすべての施設に対応が計られている為である。
>この地下地面(ジオイド面になっている)はグラスファイバー等強化材の他に
>パッシブに磁場を発生する装置が施工されている。
>磁場は250GHzの交流で、EVAの機体が磁化したり、静電気をためたりはしない。

上記は弐号機が全体重を左足にかけて体勢を保ってるカットの一部のト書き。
また弐号機のどアップ原画に  ←8m→ など細かい指示が多々見られ、これらが拝める劇場エヴァ原画集上巻は作オタの必須アイテムになっている。

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コメント

 jpさん、お久しぶりです。shamonさん、まいど。

>>文中のイサコはヤサコの間違いでは?

 失礼しました!ただちに修正。ご指摘ありがとうございます。

>>コイル面白いですよねー!

>>コイル、絵柄も内容も私たち?が子供だった頃の
>>「何気に風刺を仕込んだ楽しい良質のアニメ」
>>にいい意味で戻っているような気がします。
>>これからも見逃せないですね。

 噛めば噛むほど味が出る感じですね。

 凄腕アニメータのオリジナル作品ということで、僕はもともと動き回る『未来少年コナン』のようなものを期待してたのですが、だいぶんとタイプが違う作品ですね。(当たり前ですが。)

 まさか室内劇で核戦争(しかもヒゲ面の女の子の顔面で!(なんてバカなんだ!!))や星間戦争を観られるとは思いもよりませんでした。

 なんでも描ける広くて白いキャンパスである電脳コイルの強化現実世界で、これからどんな度肝を抜く企みが進行しているか、ほんと楽しみ。、、、制作が順調に進むのを祈るばかりです。スタッフの皆さん、がんばれ!!

投稿: BP | 2007.07.31 00:08

こんばんは。

見ながら相方に思わず訊いちゃいました
「貴方がこの年齢の頃、どうだった?」って(笑)。

顔面戦争?に対するハラケンの
「プライドだけだね」発言に苦笑。
どっかの大統領に聞かせてやりたいですね。
故星新一さんの
「始めるのは子供でも出来るが終らせるにはどちらかが滅びるまでやるのが戦争だ。」
を見ているようでした。

コイル、絵柄も内容も私たち?が子供だった頃の
「何気に風刺を仕込んだ楽しい良質のアニメ」
にいい意味で戻っているような気がします。
これからも見逃せないですね。

投稿: shamon | 2007.07.30 20:33

お久しぶりです。こんにちわ。
文中のイサコはヤサコの間違いでは?
コイル面白いですよねー!

投稿: jp | 2007.07.30 08:09

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