« 2007年6月 | トップページ | 2007年8月 »

2007年7月

2007.07.31

■Strange Craftの正体やいかに?
  ドローンの裏に『電脳コイル』の「暗合屋」が暗躍??

 以前記事にした「Bizarre Thing in Sky 空の奇妙なもの」の続報です。 
 てっきりフェイクということでけりがついたと思っていたら、まだまだネットでは盛り上がっているようです。

Drone_antigravity_generator_in_an_rsr Explanation of the Recent "Strange Craft" Sightings
 (BLOG Long Tail World
  「ドローンの謎:Explanation of the Recent
  "Strange Craft" Sightings
」経由)

 「Isaac」という人物が、多数の写真と内部資料でこの飛行物体を研究/製作(?)していたPALO ALTO CARET LABについて暴露記事を詳細に書いています。文書のそれらしさは、なかなかのもの。(経由先のLong Tail Worldさんの長文の和訳に感謝です。)

 全部捏造だとしても、その妄想力と手間のかけ方は尋常じゃない。ここまでやれば、敵ながらあっぱれ。乗せられてやろうじゃありませんか(^^)。

 写真の装置は、Fig 4.4 I-beam segments linked to the antigravity generator in an RSR.と記載され、「反重力装置」らしい。このデザインセンスとか、なかなか好きです。これCGなのかなー、そう見えないような気もするし、、、。でも左右の切断されたような部品は、自動車用のVベルトプーリーに瓜二つで嘘くさかったり、、、。

Drone_palo_alto_caret_lab

 そして問題は、この装置の仕組みを記した写真左の回路のような呪文のようなもの。まさにもうひとつのメタタグというか、『電脳コイル』の「暗合屋」の使う「式」のように見える。うーん、こんなところにも磯監督の伏線が、、、。(違う違う(^^;;)独自の文字が使われていて、これにより反重力が作動するということのようです。(何しろオーバーテクノロジーなので、我々には理解できない。世界は既にオーグメンテッド・リアリティに覆われているのだろうか(^^;))

 本国では、まじめに謎の文字の詳細研究他、膨大なコメントのスレッドが立ってたりします→Think tank for Isaac document。うーん、どこの誰が何の目的でこんな手の込んだことをしているのか?無性に知りたい。『トランスフォーマー』のキャンペーンでないことは確かだし、、、。これらの解明サイトには、アメリカ人の壮大な悪ふざけの正体にこそ、迫ってもらいたいものです。

◆関連リンク 当Blog記事
Bizarre Thing in Sky 空の奇妙なもの 正体判明
 これがガセだったらすみません。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2007.07.30

■『電脳コイル』12話  磯光雄 脚本・コンテ「ダイチ、発毛ス」
  ギャグ & 奇想 & バカSF & 感動作  すげぇ

Coil_star_wars02 12話 「ダイチ、発毛(作画@wiki)

脚本:磯光雄   絵コンテ:磯光雄
演出:木村延景 作画監督:秦綾子

板津匡覧  尾崎和孝  青山浩行  室井康雄
岡 辰也   渋谷崇将  下田功一  鎌田 均
柴田則子  坂元恵美  吉岡敏幸  秦 綾子
磯 光雄

 第一話以来の監督磯光雄による絵コンテと作画担当回。自ら手がけるところから考えると、相当の思い入れがあるコンセプトとストーリーであるのだろう。

 ギャグに始まり、奇想&バカSFであり、そして感動作になっているというとんでもない一話になっていた。
 特に後半の素晴らしさは、特筆。『電脳コイル』を観ていない奇想小説ファンやバカSFファンも是非この一話だけは観ることをお薦め。(でもこの一話だけとりだして観たら、いったい『コイル』ってどんなものだと思われるだろうか、、、、是非そんな観かたをした方がいたら、ここにコメント下さい。あー、そんな観かたをしてみたい(^^;))

★★★★★ 以下 ネタばれ ★★★★★

 前半のダイチ発毛ネタはコミカルさと夏休みの日の繰り返しに覚える郷愁をうまく描いていた。が、発毛ギャグがいまひとつ乗り切れない感も。

 しかし、傑作に飛躍する後半。

 SFではエドモンド・ハミルトン『フェッセンデンの宇宙』とか藤子不二雄の漫画でよくある創世記ものというか、宇宙を手の中で作成し観察するというSimcityを思わせる世界創生ネタなのだけれど、それを顔面に住まうヒゲ生命体で描いたところがすごい。

 戦争による知的生命のおろかさを描きつつ、その頂点として描写されるヤサコの顔面での核戦争。ここのシーンは、ついにロケットでヤサコのヒゲ生命世界が技術的に進化した素晴らしいシーンと思わせておいて、いきなり核爆発を見せるストーリー展開が秀逸。しかもそれが顔のヒゲの世界で起きるというバカっぽさと、星間戦争へのエスカレートという進展。(どうでもいいけど、この未来の小学生たちが「星間戦争」という言葉をなにげなく使うのが嬉しい)。

 作画面でもヒゲの文明の進化のシーンで、馬のような動物を使った乗り物のシーンとか、秀逸。もちろん核戦争シーンは白眉。

 そしてさらにヤサコが神としてその世界から見られている部分の哲学(ヒゲ世界のニーチェが言う「ヤサコは死んだ」)と、その争いの歴史が小学生の生活の諍いを鏡として照射し、たそがれる夕焼けのシーン。

 この俗な発毛のイメージと、哲学と奇想と作画の切れ、こうした混沌が見せる世界でラストに描かれたせつなさ。ワイドスクリーンバロックではないけれど、このイメージの混沌は紛れもなくSFのダイナミズム。少なくとも僕が観たバカSFアニメでは最高峰と呼んでいいでしょう。

 あー、コイルでこういう話が観られるとは思ってなかった。磯監督、秘めたSFパワーはどこまでいくのか。これから全話後半へ突入していくのだけれど、どこまで爆発してくれるか、ますます期待は高まる!

◆関連リンク
グレン・コイル Tempo rubato 平松禎史氏のBlog

で、コイル第10話。
今度の土曜日放送です。
これやってたのはもう1年以上前なんだよなぁ。
当時動画だった人のほとんどはもう原画になっていて、新人原画マンだった雨宮君なんかはグレンの中核スタッフでバリバリやってるし。
こちらも感慨深いモノが多々あります。
磯さんとの闘いの日々も今はもう何もかも懐かしい…てなもんで(^_^)

作画@wiki - 磯光雄.

原画に「忙しい人は読まない」とト書きをしており、多大な設定を書き込んでいる(有名なのが劇場エヴァのト書き(以下。

>足が沈み込まないのは、EVAが移動を想定できるすべての施設に対応が計られている為である。
>この地下地面(ジオイド面になっている)はグラスファイバー等強化材の他に
>パッシブに磁場を発生する装置が施工されている。
>磁場は250GHzの交流で、EVAの機体が磁化したり、静電気をためたりはしない。

上記は弐号機が全体重を左足にかけて体勢を保ってるカットの一部のト書き。
また弐号機のどアップ原画に  ←8m→ など細かい指示が多々見られ、これらが拝める劇場エヴァ原画集上巻は作オタの必須アイテムになっている。

関連リンク 当Blogその他記事

続きを読む "■『電脳コイル』12話  磯光雄 脚本・コンテ「ダイチ、発毛ス」
  ギャグ & 奇想 & バカSF & 感動作  すげぇ"

| | コメント (3) | トラックバック (3)

2007.07.29

■新刊メモ ジェイムズ・ティプトリー・Jr. 『輝くもの天より堕ち』
  Brightness Falls from the Air, James Tiptree Jr.

Brightness_falls_from_the_air輝くもの天より堕ち(ハヤカワ・オンライン)

 翼をもつ美しい妖精のような種族が住む銀河辺境の惑星ダミエム。連邦行政官のコーリーとその夫で副行政官のキップ、医師バラムの三人は、ダミエム人を保護するため、その星に駐在していた。そこへ〈殺された星〉のもたらす壮麗な光を見物しようと観光客がやってくるが……オーロラのような光の到来とともに起こる思いもよらぬ事件とは? 

 ティプトリーの長編が初めて翻訳出版された。

 あの超絶技巧を駆使した短編群に対して、ティプトリーが長編でがどのような世界を読者に提示してくれるのか。
 本書は、あの衝撃的な死からわずか2年前に発表された彼女の二作目にして最後の長編。日本語訳で578ページの大作である。

 人類を透徹した思考で徹底的にクールに描き出した作家の、晩年の作品を心して読み進めたいと思う。

◆関連リンク
ジェイムズ・ティプトリー・Jr.(wikipedia)
【作家紹介】ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
 2002年出版の研究本The Battle of the Sexes in Science Fictionのchapter 6を参考にした紹介記事
Brightness Falls from the Air, James Tiptree Jr..
 冬樹 蛉氏のレビュウ
原書27ページ分がここで読めます
ジェイムズ・ティプトリー・Jr. 『輝くもの天より堕ち』(amazon)

・当Blog記事
 ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア/浅倉久志訳
  『すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた』
james_tiptree_jr.jpg

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007.07.26

■生田萬 埼玉県富士見市民文化会館
  キラリ☆ふじみ芸術監督

続けて、雑誌「せりふの時代07年8月号」からの情報です。

特集 「公共劇場のこれから」
・生田 萬(キラリ☆ふじみ芸術監督)「地域のなかの劇場」

 ファンだったのに、最近は演劇での話題がなく、どうされたんだろうと思っていたブリキの自発団の劇作家&演出家 生田萬氏。
 最近、埼玉県富士見市民文化会館 「キラリ☆ふじみ」の芸術監督に就任されたということが載っていました。なんだかとても嬉しいので、ちょっとネットの情報を調査。

キラリ☆ふじみ 生田萬 芸術監督就任の弁

 芸術監督としてなにをしたいか。ありすぎるくらいいっぱいあります。(略) 町の外からパッとやってきて、公演だけして帰る芸術家ではなく、キラリ☆ふじみを根城として作品づくりに励む若い才能を探しだすことです。

選考過程について

 生田萬(イクターマン)は、ある時期、鴻上尚史と並ぶ僕の大好きな劇作家だった。「だった」ではなく、実は今でも生田萬が大好きである。僕の携帯にはブリキの自発団の芝居『夜の子供』の芝居の一部 セリフと音楽が入っていて時々電車の中で聞いている。そのシーンは、何度聴いたか数え切れず、ほとんど自分の血肉と化している(おおげさ(^^;))。

 そんな生田萬の仕掛ける文化会館事業。なんだかいいなー、任期は3年らしいけれど、一度くらいは「ブリキ」の復活公演をやってほしいなー、僕、観にいきますよ。

 あと今回検索したら、いくつかイクターマンニュースがあったのでメモ。
 ここに来てらっしゃる生田萬ファンの方は楽しんでみてください。(いるんだろうか??)

◆関連リンク

続きを読む "■生田萬 埼玉県富士見市民文化会館
  キラリ☆ふじみ芸術監督"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.07.24

■鴻上尚史 「虚構の劇団」始動。劇団員募集!

Koukami_kyokou_no_gekidann_1「虚構の劇団」始動 劇団員募集 公式HP (thirdstage.com)

鴻上尚史が新劇団を旗揚げ(シアターガイド)

 「共に演劇を遊び、創造する虚構の劇団員を募集します。公演はたぶん、小さな場所から始めることになると思います」と述べ、一からの劇団づくりに意欲を見せている。公演形態、時期などの詳細は「劇団員が集まったところで決めたい」としている。

 雑誌「せりふの時代07年8月号」にこの新しい劇団の旗揚げに関し鴻上尚史のインタビューが掲載されていて知った。

 興味深いのは劇団名。鴻上尚史の芝居を観たことのある人なら、鴻上と「虚構」という言葉は非常に親和性の高いのをわかってもらえると思う。ある意味、当たり前すぎて意外性のなさがインパクトを弱くしていると言ってもいい(ポスターとか、なかなかかっこいいけど、、、(^^;))。

 もともと第三舞台は下記のような鴻上のコンセプトによって旗上げされた劇団であった。

「まず第一舞台がありまして、それはスタッフとキャストが力を合わせた舞台のこと。第二舞台は観客席。第三舞台は、第一と第二の舞台が共有する幻の舞台。劇団の自己満足に終わらず、お客さんが付き合いで来ているだけでもない、最上の形で共有する舞台、ということで第三舞台と名付けました。(thirdstage.com)

 「幻の舞台」と「虚構の劇団」。この似て非なるコンセプト。
 ポイントは「舞台」と「劇団」という言葉の使い分けだと思う。第三舞台で幻だったのは「舞台」、今度は「劇団」が虚構。作品ではなく劇団そのものが幻の存在というのは、でもなかなかワクワクするコンセプトである。

 10年間封印され「幻の舞台」となった第三舞台に代わって、この「虚構の劇団」がどんな芝居を見せてくれるか期待は高い。

◆関連リンク
鴻上尚史の『Trance』BLOG イギリスの俳優を使ったロンドンでの公演の模様。
「せりふの時代」の発行部数はわずか8475部
 という事実に吃驚。値段も手ごろで戯曲や記事も充実しているのに、これだけの部数とは。演劇って、かなり今、市場が小さいのだろうか。
雑誌『せりふの時代 2007年 08月号』(amazon)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.07.23

■新刊メモ 『映像+ 01 人形アニメーションの現場』
  &アート・アニメーションのちいさな学校

Eizou_1_anime_title映像+ 01創刊号 人形アニメーションの現場グラフィック社
 ( あんまりようさんのBlog ちゃいるどふーず・ねばー・えんど経由)

1)巻頭海外特集
 1号は「’Tim Burton’s Corpse Bride’」のMackinnon&Saunders社をイギリス・マンチェスターで取材。人形アニメーションにおける最新技術と工房、マシンなどを取材。
2)国内第1特集
 1号では40年以上、CM業界に君臨する真賀里文子事務所にて、NHKぷちぷちアニメができるまでを密着取材。
3)国内第2特集
 1号では「「ALWAYS 続・三丁目の夕日」の白組が作る秘蔵人形アニメーションの数々を紹介。
Eizou_1_anime4)CM大集合
5)ひとりで作る人形アニメーション
6)資料文献、応用編技術、連載

 
B5変型判・並製  総176頁(カラー144頁)
定価:本体1,800円(税別)

 あんまりようさんの紹介記事で知りました。興味深い特集の雑誌が創刊。
 名古屋へ出る用があったので、名駅前の2大書店へ寄ったのだけれど、どちらも置いていなぁーい、どういうことなんだ!三省堂。

 ここにないということは、もしかして名古屋地区は全滅なのかも。
 もはや通販に頼るしかありません。本当にこんなことが続くと、僕はリアル書店にはなんら期待しなくなりそう。巨大書店よりうちのPCの画面の方が在庫(?)が多いんだから、、、。

アート・アニメーションのちいさな学校
  東京 阿佐ヶ谷 ラピュタアニメーションフェスティバル事務局
  (ちゃいるどふーず・ねばー・えんど経由)

<全日制コース> 4月から開講

平面アニメーションコース(10名)
  講師:石之博和、小林準治、鈴木伸一、片渕須直、角銅博之、
      久里洋二、古川タク、大地丙太郎
立体アニメーションコース(10名)
  講師:真賀里文子、野中和隆、丸山文雄、中堀正夫、市田喜一
人形製作コース(5名)
  講師:保坂純子、田村実(立体コースと兼ねる)
批評・研究コース(5名)
  講師:石上三登志、山田和夫、三木宮彦、おかだえみこ、原口正宏、
      松島利行、池田憲章、中野稔

<夜間コース> 既に募集は終了 4月から開講

アニメーションコース  定員20名
  毎週火・木曜日(人形アニメーションコースと共通授業)
人形アニメーションコース  定員20名 既に満員
  毎週火・金曜日(アニメーションコースと共通授業)
かけもちコース  定員10名 既に満員
  毎週火・木・金曜日

 これもあんまりようさんのBlogの情報で知りました。
 すでに今年は開講されてしまっています。講師陣も豪華で、特に全日制の方は、本格的にここで実制作までを学べるということで、今後、こちらから多数のクリエータが生まれて、われわれを楽しませていただけたら、素晴らしいなあ、と思います。

◆関連リンク
雑誌『映像+ 01 人形アニメーションの現場』(楽天)
amazonはまだ取り扱いなし

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2007.07.22

■加藤泉「人へ」 : KATO Izumi - Dear Humans
  (ARATANIURANO(アラタニウラノ)こけら落とし)

Izumi_kato_0707
加藤泉「人へ」 : KATO Izumi - Dear Humans @ ARATANIURANO

2007年7月14日(土) - 8月11日(土)
11:00 - 19:00 日曜・月曜・祝日休廊
ギャラリー : ARATANIURANO
東京都中央区新富2-2-5 新富二丁目ビル3A

プレスリリース (PDF)より

(略) 始まりは、胎児とも昆虫ともつかないような原初の生命体のようでもあり、その後、その生き物は (略) 加藤と絵との相互作用によって、キャンバスの中でゆっくりと育てられ、形を整え、変態し、羊水をまとったような「人のかたち」を帯び始め、時に境界線のはっきりしない不安定な色彩の中から、時に眩しい程鮮やかな色彩の中から現れ、不気味さ、愛らしさ、空虚さ、暴力性、様々なものを感じさせながらも、その「存在そのもの」としか言い様のない、「強烈な何か」を観る者に投げかけてきました。 (略)

1. 無題 2006年 H223 × W40 × D45 cm  木、アクリル絵の具、木炭、シリコン
2. 無題 2006年 H116.7 × W80.3 cm     キャンバスに油彩
3. 無題 2006年 H227 × W181.8 cm     キャンバスに油彩
 (1~3 写真提供:東京都現代美術館 Photo by Keizo Kioku)

 雑誌で新しいギャラリーのオープニングイベントとして開催されている加藤泉「人へ」展の記事を見かけたのでご紹介。

 まずこの素晴らしい作品を(プレスリリースからの引用なのでお許しを)、クリックして拡大、じっくり見てください。どこかアフリカのプリミティブなアートと日本の不可思議な現代芸術が奇跡的に出会って融合したようなこの強烈な作品。

 1.は、写っているドアと比べるとかなり巨大な作品らしい。
 迫力は写真からだけでも強く伝わってくるが、実物を目の前にしたら、かなりのインパクトだろう。たたずまいがその空間を歪めてしまうようなそんな迫力が圧倒的。

◆関連リンク
・Blog石黒屋さんのARATANIURANOオープニングレポート
・Blog感動タンクさんの加藤泉
 ヴェネツィア・ビエンナーレで日本人Painterとして初めての招待とのこと。
SCAI THE BATHHOUSE | 作家情報 | 加藤泉 Izumi KATO
はてな - 加藤泉、ドイツの画廊 Murata&friends 略歴  
ART遊覧: 加藤泉展「裸の人」

当Blog記事
豊田市美術館 内なる子供

 圧巻だったのは、加藤泉という作家の作品。ここ(藍画廊 加藤泉展)とかここ(GALLERIA CHIMERA )で作品が観えますが、この凶暴さがなかなか凄い。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.07.20

■大人の科学マガジン Vol.17 ふろく 『テルミンミニ』

TepmehVol.17 ふろく テルミンミニ
大人の科学マガジン|大人の科学.net

サイズ W80×D80×H120mm
スピーカー内蔵
単三乾電池4本使用

 高周波のうねりを利用して音を奏でるテルミンは、1920年、旧ソ連の天才物理学者・テルミン博士(写真)によって発明された。
 20世紀初頭、来るべき電化時代の幕開けを飾り、未来の楽器として欧米で旋風を巻き起こした。

A4変型判/100ペ ージ/2007年9月下旬発売予定

 こんなふろく、待ち望んでました!!
 一度でいいからやってみたかったテルミン。これはもう買いでしょう!

 テルミンの音を聴くと、まず『禁断の惑星』を思い出す。電子音といえば、往年のSF映画の世界です。

◆関連リンク
"Theremin Killed the Radio Star"(Youtube)
 The Buggles『ラジオ・スターの悲劇』とテルミンの競演
Google video Theremin
竹内正実『テルミン―エーテル音楽と20世紀ロシアを生きた男』
竹内正実『テルミンを弾く』DVD 映画『テルミン』
CD『The Art Of The Theremin』
ディレイ付きテルミンHIWATT ECHO THEREMIN

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2007.07.18

■時速200kmに挑戦する蒸気自動車
  British Steam Car Challenge『Inspiration』

British_steam_car_challenge_inspiration0
時速200kmに挑戦する蒸気自動車(WIRED VISION)

 写真に映っているのは、イギリスおよび世界の最速記録(ただし、蒸気駆動車両で)を目指すイギリス製の蒸気自動車『Inspiration』だ。

 この蒸気自動車は、チューブ状のスチール製シャーシを持ち、4基で出力4メガワットという、大出力ボイラーを搭載する。この出力がカーティス・タービンのエンジンに送り込まれ、(理論上は)時速320キロメートルで走行可能な225kWを実現している。

 Inspirationと『British Steam Car Challenge』プロジェクトを支えるチームの目標は、101年前の1906年に達成された、時速約205キロメートル(127.659マイル)という現在の記録を破ることだ。

British_steam_car_challenge_inspiration0_2  なにしろこのデザインで蒸気エンジンというのが痺れます。素晴らしい。
 詳細な仕様は下記を見ていただくとして、225kWという出力が頼もしい。ちなみにLEXUS LS(4.6Lエンジン)で最大出力283kWなので、ほとんどこれに迫る勢い。

 上の写真に開発チームの方々が写っているが、結構高年齢の方もいらっしゃる。この方たち、The Steam Car Club of Great Britainという蒸気エンジン愛好クラブのメンバーらしい。
 マニアックに趣味を突きつめてここまで実現された熱い情熱に拍手。

 あとは無事に世界記録を達成されることを祈るばかり。

British Steam Car Challenge (公式HP)より スペック

Overall length 5.25 m Wheelbase 3.80 m
Overall width 1.70 m Front wheeltrack 1.22 m
Overall height 1.10 m Rear wheeltrack 1.30 m
Frontal area 1.1 sq.m Drag coefficient 0.20    CD値 0.20

British_steam_car_challenge_inspiration0_1Engine
Two stage turbine on single spool.
Output: 300 b.h.p. at 12,000 r.p.m.
         (turbine speed) (225 k.W)
Output shaft gear ratio: 4:1
 or 4.45:1 to twin output shafts.
Differential: Epicyclic type with viscous couplings.

Output (each boiler):
Steam pressure 500 p.s.i.
Steam flow 284 kg/hr
Steam temperature 385 deg.C

Fuel
L.P.G. (Liquified petroleum gas). LPGガス

Design performance
Maximum speed 200+m.p.h. 時速320km
Initial acceleration: 0.52g   加速 0.52G

 この右写真が心臓部のタービン。ここで4000kWの蒸気パワーが225kWの駆動力として取り出される。効率5.6%だが、蒸気エンジンなのでいたしかたない。

The Steam Car Club of Great Britain

 歴代の蒸気機関の自動車や飛行機、そしてスチームバイク等の情報が盛りだくさん。
 『Inspiration』のボイラーのテスト風景のビデオとか、内部構造のスライドショーとかいろいろと楽しめます。
 クラブソングThe Stanley Steamerのコーナーには、歌詞とカラオケがあるので、あなたも歌えます。記録達成をこの歌で応援したいものです。

神林長平『魂の駆動体』(amazon) 僕の昔書いたレビュウ
 自分たちで車を一から設計する高齢のエンジニアを描いた工学SF小説。思わずこの本のことを思い出しました。これは傑作です。自動車が生まれる過程を描いた小説として出色。

| | コメント (0) | トラックバック (3)

2007.07.17

■ハイビジョンで観るユカタン半島の水中洞窟
  世界一の透明度 メキシコのセノーテ:Cenote

Cenote02

世界一きれいな海ってどこ?(世界の果てまでイッテQ!)

 重い絵画の紹介の後は、涼しげで美しい洞窟のネタ。
 昨日のTV番組で偶然観たのだけれど、素晴らしい透明度の水中洞窟。ハイビジョンの威力をいかんなく発揮し、リビングの湿った梅雨の重い空気を涼しげに吹き飛ばしてくれた。

セノーテ wikipedia

 セノーテ(Cenote)は石灰岩台地の陥没穴に地下水が溜まった天然の井戸、泉のこと。

 語源は、ユカテコ・マヤ語の「ゾノト」(dzonot)から転化したと考えられている。ユカタン半島の北部低地では、川も湖もないため、主要な水源であった。ユカタン半島のセノーテは、チクシュルーブ・クレーターを埋めた石灰岩の層の中に形成されたものである。(略)

 サック=アクツン・システムは、総延長152.975kmの世界最大の水中鍾乳洞である。

 透明度がおよそ100m。最も美しいと言われる塩水の海の倍くらいとのこと。
 ハイビジョン映像で観る光景は、まるでダイバーが空中を飛んでいるようだった。

 そしてさらに素晴らしいのが、洞窟に差し込む光の柱。どこかの惑星のような幻想性。
 いつか自分の肉眼でこんな光景を観てみたいものです。誰でも現地ガイドといっしょなら観光として楽しめるそうです。とにかくため息が出ました。

◆関連リンク
Cenote Sistema Actun(Google画像検索) 上の画像はここから。
Cenote (Google Video)
観光ツアー セノーテ2ダイブツアー 40分×2回 US$ 200(!)
・当Blog記事
 NHK プラネットアース 究極の洞窟 : レチュギヤ洞窟

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007.07.16

■ズジスワフ・ベクシンスキー
  画集 『ファンタスティック・アート・オブ・ベクシンスキー』
  Zdzilsaw Beksinski  "The Fantastic Art of Beksinski"

Zdzilsaw Beksinski 『The Fantastic Art of Beksinski』 (革装本)

Beksinski_2  先日記事で紹介したポーランド現代絵画孤高の巨人 ズジスワフ・ベクシンスキーの画集がAmazonから届いた。

レイアウト/デザイン
    James R. Cowan
出版社
 MORPHEUS INTERNATIONAL(@ラスベガス)

 全72ページで、絵画はカラー52、モノクロ9点、あとディジタル作品が5点。James R. Cowanの序文とベクシンスキー本人のコメントが英語で記されている。

 幻想的というひとことでくくってしまうわけにはいかない陰鬱な絵画群。
 たしかに"The Fantastic Art"と呼ぶにふさわしい幻想の国の物語が溢れてくる想像力をいたく刺激する絵であることは間違いない。しかし、、、。
 たとえばギーガーを比較に持ち出すとよくわかる。彼の絵は同じような骨や異界の生物を描いていても、どこか攻撃的で陰鬱なイメージは少ない。

 絵に漂う陰鬱さ/憂鬱さ/絶望といったようなものから、僕は30歳で夭折した北海道の幻想画家 深井克美のことをどうしても想起する。
 画文集『深井克美―未完のランナー』についての記事で触れた深井克美の絶望に彩られた幻想画、これとポーランドの画家の絵は幻想の地下水脈で通底し響きあって迫ってくるものがある。加えて『GAUDIA(ガウディア)造形と映像の魔術師 シュヴァンクマイエル』展で観たチェコのエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーと。

 この三人の画家の合同美術展が開催されることを夢想してみる。
 会場の沈んだ空気。圧倒的なイマジネーションが観客に見せる絶望した脳がみる異界の光景。そして既に鬼籍に入られ、今はかなわぬ三人の「人類の絶望と想像力による・・・・」というタイトルのパネルディスカッション。「・・・・」の部分に入る文字を決められるのは、この異界を真に覗き込んだ三人のみなのだろう。皆さんだったらこの絵画群からどんな言葉を想像しますか? 

 さて、本書から気に入ったものをいくつか挙げる。ベクシンスキーの絵はいずれもタイトルが付けられていないため、どの作品を示すのかが、わかりにくい。本書のページと描かれた年号を示す。

・P43(1976) (上の絵 左)
 戦乱(テロ)の街から逃げ出す、血に染まった包帯に顔を包まれた昆虫のような手足の人間。

・P57(1985) (上の絵 右)
 布に覆われた死神と老人と狼。茶のトーン。迫りくる死の影。

・P54(1972)
 赤い布に包まれた小型生物を大きな骨のような手に持つオーバーを羽織った岩石のような逆五角形の頭の怪異な二足歩行生物。
 モノトーンな色使いが多いのだけれど、この絵の赤のように、色が入ると鮮烈。

P25(1985)
 ゴシックの大聖堂を思わせるが、さらにそれを陰鬱にしたアーキテクチャ。
 そしてまわりの黒い墓石群。

 本書では、ネット上の作品と見比べると、モノトーンの作品が多い。中身をみないでチャレンジで買ったので致し方ないが、もう少し幅のある選択が望みたかったところ。
 Googleで検索すると、英語圏での画集の出版はどうもこれだけみたいである。やはりギーガーのように映画での知名度がないとこんなものなのだろうか。

 日本で出版された永瀬 唯解説 画集 『ベクシンスキー』 (河出書房新社)は、ネットで見る限りでは本書と絵はかぶっている部分があるようだ。

 ちなみにポーランドでは、少なくとも、BEKSIŃSKI 1, BEKSIŃSKI 2, BEX@という画集が出ているようである。本の中身が少し見られる。

 いずれにしても嬉しいのはインターネットの各種ギャラリーでかなりの点数の絵をみることが出来ること。例によって下記にそのリンクを示す。まずはネットで堪能ください。

◆関連リンク
画集『ベクシンスキー』(楽天)
09.1月エディシオン・トレヴィル 画集『ズジスワフ・ベクシンスキー』再復刻版 出版
 (09.1/2リンク追加)
ベクシンスキー公式サイト ここが圧巻。
MORPHEUS INTERNATIONAL GALLERY  Beksinski 展示

Morpheus Gallery specializes in the very best of contemporary surreal and fantastic art, with artists such as Giger, Beksinski, Yerka, Huss, and De Es. We sell art books, posters, signed prints, and original works.

www.beksinski.net  Gallery - Paintings and Digital Photography
beksinski Zdzisława Beksińskiego BEKSIŃSKI (Google Image Search) 
ポーランドのサイト 上の絵はこちらに展示されていたものから。
『The Fantastic Art of Beksinski』(革装本) これはマニアック。

永瀬 唯『欲望の未来―機械じかけの夢の文化誌』
永瀬 唯『肉体のヌートピア―ロボット、パワード・スーツ、サイボーグの考古学』
永瀬 唯『疾走のメトロポリス―速度の都市、メディアの都市』
 永瀬 唯氏の本は、とにかく刺激的で大好きです。特に『肉体のヌートピア』は傑作。

| | コメント (4) | トラックバック (1)

2007.07.15

■熱い!古川日出男×向井秀徳 朗読ギグ ビデオ DAX配信中

古川日出男 朗読ギグ『スローモーション』@京都METRO 2007/5/5
     (キアズマさんのブログ  ライブイベント・キアズマ:KIASMA)

 当サイトへ、キアズマさんからTBいただいた記事で紹介されている古川日出男×向井秀徳 朗読ギグが素晴らしい。
 DAX:SPACE SHOWER Digital Archives Xで紹介されている以下の4本が必見。残念ながら配信は07.7/15(つまり今日!)までなので見逃してる方は即。(以前の記事でDAXの配信について触れていたのだけど、どうせTV放映と同じと勝手に思い込んで、配信スタートに気づかず見逃してた。キアズマさんに多謝)

古川日出男×向井秀徳 2007.5.3 Shibuya O-NEST 

 1."6本の狂ったハガネの振動"
 2."ベルカ、吠えないのか?"
 3."USODARAKE"
 4."TUESDAY GIRL" 

 僕のお薦めはこの順番。
 「冷凍都市 諸行無常 性的衝動 リピート リポート」な1."6本の狂ったハガネの振動"が最高。2."ベルカ、吠えないのか?"もTV放映より長い9分58秒で別ver.、TV放映版の荒削りな感じもいいが、こちらの方が完成度は高い。宇宙時代の始まりの1957年スプートニクとライカをこんなに熱く表現できた存在は世界にない。

 とにかくまず聴いてみて。古川日出男の文体の凄さと向井秀徳のロックがすんごいことになってるから。文体ぶっ壊れてるって。
 「奇跡のようなギグがここにあります。必見。観てて体が熱くなる。言葉というプログラムが脳の中に展開して拡散するこの感覚。凄い」(1回目観たダイレクトな感想がこれ。とにかく一回目は熱く観ました。)

 古川は芝居の脚本・演出をしていたらしいけれど、彼の演劇ってこんなラディカルなものだったのだろうか。あー、本当に観たかった。

 古川が「FICTION ZERO/NARRATIVE ZERO」誌に書く新作は「渋谷系SF」だという。しかもタイトルは『ゴーレム』ならぬ『デーモン』。
 それが破壊された言語によるワイドスクリーンバロックだったら、日本のベスターは古川日出男に決定(^^;)。
 ベスターが生きていて『ゴーレム100』を朗読したら、きっとリンク先のギグと同様の迫力だったと思う。これも聴きたかった。

古川日出男 朗読ギグ『スローモーション』@京都METRO 2007/5/5

古川日出男公認。本人による『スローモーション』(河出書房新社刊『ハル、ハル、ハル』に収録)の朗読。

 こちらは古川日出男の朗読。詳細は読了した『ハル、ハル、ハル』の感想と合わせて、次回。

◆関連リンク
消される前に俺がテキストデータ化しておく。(Blog こめびつの中身さん)

 彼は向井秀徳とのイベントで向井の歌詞を独自解釈で朗読していた。その朗読は一種の緊張を生みだし、その声は会場を圧縮していく。その圧縮が極限まで高まった時に向井秀徳のギターがかき鳴らされ、会場はその圧縮から解放される。

 その時の古川の朗読をもう一度我々が読める文章に戻し、見直す事によって向井秀徳の歌詞によって古川日出男が作り出した物語が見えてくるのでは無いかと思った。

 上の動画のうち、『ベルカ』以外の3本をテキスト化された労作。
 引用にあるとおり、この3本はもともと向井秀徳の曲があって、それにインスパイアされて古川が朗読部分を新作したということのようである。向井秀徳の詩のラディカルさとそれをさらに破壊する古川の言葉。
『ZAZEN BOYSII』 6本の狂ったハガネの振動収録
 向井秀徳のバンドのアルバム。これも一度聴かねば。
古川日出男×向井秀徳 in 博多 

07年9月2日(日) 福岡 博多百年蔵・壱番蔵
開場18:00開演18:30 前売 ¥3,500 (税込・1ドリンク付)
出演:向井秀徳アコースティック&エレクトリック/古川日出男

 朗読ギグが9月にまた開催されるそうです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

■アルフレッド・ベスター著 渡辺佐智江訳『ゴーレム100

Golem100_2
※この本は、四枚の絵を切り貼りしてグチャグチャに並べて表紙にすると、少しだけベスターのイメージに近づくのかも。どの一枚も本の内容とは合わない大嘘なので騙されないように。

アルフレッド・ベスター著 渡辺佐智江訳『ゴーレム100 (amazon)
ストーリー(読むまで死ねるかっより)

 22世紀のある巨大都市で、突如理解不能の残忍な連続殺人事件が発生した。犯人は、ゴーレム100、8人の上品なミツバチレディたちが退屈まぎれに執り行った儀式で召還した謎の悪魔である。事件の鍵を握るのは才気あふれる有能な科学者ブレイズ・シマ、事件を追うのは美貌の黒人で精神工学者グレッチェン・ナン、そして敏腕警察官インドゥニ。ゴーレム100をめぐり、3人は集合的無意識の書くとそのまた向こうを抜け、目眩く激越なる現実世界とサブリミナルな世界に突入。自らの魂と人類の生存をかけて戦いを挑む。しかしゴーレム100は進化しつづける……。
 『虎よ、虎よ!』の巨匠ベスターの最強にして最狂の幻の長編にして、ありとあらゆる言語とグラフィックを駆使して狂気の世界を構築する超問題作がついに登場!

 『ゴーレム100』を読了。
 噂にたがわず、異色作/問題作でぶっ壊れている。約30年前の小説であるが、そのぶっ壊れ度が妙に日本の現実に合う。、、、というのは、この本を通学の学生がたくさん乗る電車の中で読んだのだけど、彼らの会話がバックグランドに聞こえてくると、妙にこの本の精彩が上がるのだ。訳者の渡辺佐智江氏があとがきで書いている下記表現が、まさにぴったり。

 現時点で既に言語崩壊のスピードを果敢に加速させ、ガフしゃべり一歩手前の日本人ならば、2280年を待たずして、世界の人々に先がけ、豊穣なるジョイス語をスイスイと繰り出しながら、二進法で女男で鳥肌で水不足で超格差で相互破壊なわけだ。

 僕は言語崩壊な本はバロウズもちょっと齧っただけだし、ジョイスも読んだことがない。だから一番近く感じたのが、古川日出男の描く小説だった。言語というのが人の無意識の脳活動と意識的活動の狭間で生まれているものなら、壊れているのはどちらなのだろう、なんてことを考えながら読んだ。

 ベスターが今回描いた世界はとても猥雑な2080年のアメリカ東海岸の巨大都市ガフ。退廃にして卑猥で不条理なその都市と登場人物。彼らはきっと意識も無意識もぶっ壊れているのだと思う。ベスターが描いた言語と無意識の世界の描写は、きっとそれら両方の破壊状況を描きたかったからなのだと思う。

 破壊状況を冷静に見つめる作家の眼がそこここに感じられるのだが、まだ表面的にしか読めていないので、それ以上の突っ込みは自分の意識の領域にも無意識の領域にも今は期待できない今日この頃。

 というわけで、実はこのぶっ壊れ方に中盤付いていけず、総論としてはあまり傑作とは感じらなかった。再読がきっと必要なのだろう。だけどまず未読の『コンピュータコネクション』を探してみたい。

◆関連リンク
映画評論家緊張日記: ゴーレム降臨!

(略)「〈三省堂SFフォーラム〉史上最悪のグタグタ」とか言われてしまいました……すいません……無理矢理登壇していただいた渡辺佐智江さん、若島正さん、山形浩生くんどうもありがとうございました。まあ滝本誠の知られざるSF史と自前でゴーレム・スタンプまで用意してきてくれる渡辺さんのラブリーさは伝わったと思うのでいいですよね。

a day in the life of mercy snow(殊能将之氏のメモ)

 でたらめで安っぽくて薄っぺらくて狂っていて下品で猥褻で悪逆非道なSFだった。

 「ガラクタ以下で完全にぶっ壊れている」という意見は変わらない。しかし、解説や訳者あとがきの評価にも反対はしない。(略)

 完全にぶっ壊れているからこそすごいのだよ。
 壮大な傑作イコール唖然とするようなクズ小説なのだよ。

夢のなかでも話したと思う。 (略)

ゴーレム降臨トークショーat神田三省堂(Blog 異色な物語その他の物語 さん)
 行きたかったイベントの貴重なレポート。かなり詳細に書かれていてとても嬉しい。

(略)滝本誠さんと柳下毅一郎さんが壇上に登場。ウォーミングアップにリンチとベスターの共通点について。キーワードは“フーガ”だと。次に滝本さんのSFとの出会いの頃の話。ディックの本を持っていると女の子に逆ナンされるという夢のような時代だったようだ。(略)

 それにしても渡辺さんの話が印象的で、『ゴーレム100』に関しては集中して訳す方法をとり、45日でほとんどを仕上げたようだ(これには山形さんも驚いていた)。(略)

  柳下さん「(渡辺さんが)訳すにあたって一番苦労されたところは」  渡辺さん「あの訳すときに、とっとこハム太郎のテーマがずっと頭から離れなくて」
  一同 ?????????

 あ、僕もこの本の「フーガ」という言葉には反応。リンチファンなら当然かも。『ロストハイウェイ』のサイコジェニックフーガ(心因性記憶喪失)」。滝本氏がさらにどう深く『ゴーレム100』に切り込んだか、確認したいものです。

コンピュータ・コネクション アルフレッド・ベスター 復刊リクエスト投票
 現在投票20票。是非、投票して復刊を実現させましょう。
国書刊行会  ・ゴーレム(wiki)

当Blog記事
新刊メモ アルフレッド・ベスター『ゴーレム100』
『願い星、叶い星』アルフレッド・ベスター/中村 融訳
国書刊行会-<未来の文学>第Ⅱ期、開幕
ジーン・ウルフ『ケルベロス第五の首』 
R・A・ラファティ 『宇宙舟歌』 
ジーン・ウルフ 『デス博士の島その他の物語』
イアン・ワトスン『エンベディング』

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2007.07.14

■『電脳コイル』探索<5> 電脳メガネの直系(?)の先祖
  川崎和男デザイン テレグラス:Teleglass T4-N

両眼用ヘッドマウントディスプレイ『テレグラス[Teleglass]T4-N』
        (増永眼鏡株式会社) (詳細 スカラ株式会社)

Teleglass_t4n  KAZUO KAWASAKIがデザインを手掛けたTeleglassをマイクロスコープ、デジタル顕微鏡のパイオニア[スカラ株式会社]と福井に眼鏡産業を築いた創業1905年[増永眼鏡株式会社]が共同開発。

 両眼用ヘッドマウントディスプレイ(HMD)の欠点であった重い、視界が完全に塞がれるという点を解消。長時間身につけることを考慮したwearable monitor式眼鏡です。

 Teleglass[wearable monitor]とは外部機器からの映像を直接両眼で大画面(2m先に45インチ相当)、高解像度(約31万画素640(H)×480(V))で、音声は鮮明(Audio(L/R)28mW+28mW)に鑑賞することが出来る眼鏡です。

価格:134,400円(税込み)

 ひさしぶりに買ったMACの雑誌で、このヘッドマウントディスプレイを観て、調べてみました。
 金沢が重要な地名として登場する『電脳コイル』。このアニメのキーデバイスの電脳メガネは福井で作られている可能性があるわけですが、テレグラスは現在、福井県の老舗のメガネメーカで作られている商品。まさに電脳メガネの直系のご先祖様かも。

 写真をみると、これ、相当かっこいいです。さすが川崎和男氏のデザイン。
 氏のエッセイをMAC POWER誌で読んでいたのは、もう随分前のこと。そのデザインポリシーと機能的デザインとエッセイの面白さに惹かれました。
 最近では増永眼鏡㈱でサングラスのブランドも手がけられているようです。あと異色なのが人工心臓のデザイン。「神は永遠に幾何学を業となし給う」とリンク先のページに記されています。

 人工心臓といい、この電脳メガネといい、人間のサイボーグ化に最も深くかかわっているデザイナー氏と、30年後にオーグメンティドリアリティな電脳メガネを産み出すかもしれない福井のメガネメーカに注目したいと思います。

◆関連リンク
Teleglass-テレグラスT3-F 
 世界初の電動ウェアラブルディスプレイ片目タイプ
 電動スカウンター TeleglassT3-Fの電動の動画(楽天)
KAZUO KAWASAKIのメガネとサングラス (楽天)  
川崎和男氏の本(amazon)

◆『電脳コイル』 当Blog記事

続きを読む "■『電脳コイル』探索<5> 電脳メガネの直系(?)の先祖
  川崎和男デザイン テレグラス:Teleglass T4-N"

| | コメント (2) | トラックバック (2)

2007.07.13

■品川亮監督[画ニメ]The Dunwich Horror
   『H・P・ラヴクラフトのダニッチ・ホラー その他の物語』

公式HP [画ニメ] JAM

Dunwich_horror_16/9(土)~6/22(金)
場所:アップリンク
(上映は既に終了)

監督・脚本:品川亮  
美術・造形:山下昇平
音楽:ジム・オルーク
声の出演:
ミッキー・カーチス 遠藤憲一 柄本祐

監督は、月刊誌STUDIO VOICE編集長で、自らも映画作品を手掛ける品川亮。観る人に圧倒的なインパクトを与える立体造形を、新進気鋭の美術作家、山下昇平が創りだし、音楽はオルタナティヴ・ミュージック界の奇才にして数々の映画音楽を手掛けてきたジム・オルークが担当。

 STUDIO VOICE編集長って、映像作家だったのですね。知りませんでした。
 と、画ニメにパペットものがあるのも全く知りませんでした。予告編を観ると、人形自体は動かないけれど、カメラワークによる動きと周辺の火やドアが動いています。

 雰囲気いいですね。是非観てみたいものです。美術・造形の山下昇平氏はエヴァンゲリオンの能面を作られた方のようです。

◆関連リンク
画ニメのラインナップ(幻冬社公式HP)
山下昇平氏作品(漫画家東村アキコさんのブログ)
DVD『H・P・ラヴクラフトのダニッチ・ホラー その他の物語』(amazon)

・当Blog記事 ダンウィッチ・ローズ

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007.07.12

■ヒューマノイドロボットHRPの遠隔操縦者インタビュー

Hrp3_cockpit 人間型ロボットHRP-3プロトタイプ
         (川田工業株式会社)

 操作者が意識して行う動作を遠隔操作で指示して、バランスをとるような無意識動作を自律制御で行う自律・遠隔ハイブリッド型全身操作技術により操作機能が向上しています。また、操作に適した遠隔操作コックピットを開発しました。(川崎重工担当)

人間型ロボットの操縦とは?
~等身大ヒト型ロボットを操縦し続けてきた
川崎重工業・蓮沼仁志氏インタビュー
(RobotWatch)

(略)机の奥にあって手が届きにくかったら机の上に手をついてバランスを取りながら手を伸ばしたりします。そういう無意識にやっている部分をロボットの自律機能として付け加えてやろうと考えました。そうすることによって、遠隔操作で足らない部分を自律機能で補えば、ロボットの全身動作が生成できるだろうと。

(略)「何を」「どうする」ということを選択することで、選べる意図をある程度限定してやって、あとはどういう動かし方をするかをメニューで選ぶわけです。

 我々はロボットの操縦というものをテレビや映画を通して、子供の頃からドップリと観て育った世代である。
 最初は『鉄人28号』。あの素朴極まりない2本の操縦桿が、子供の頃にどんなに輝いてみえたか(^^;)。操縦装置は、♪敵に渡すな、大事なリモコン♪敵も味方もリモコン次第♪と主題歌にも歌われるほど重要なアイテムだった。
 時を経て、いまや我々はリアルな二足歩行ロボットが多数存在する世界に生きている。
 が、ロボット本体はマスコミで取り上げられても、本来ロボットの「敵/味方を決定する」その操縦装置と操縦者について触れられることはほとんどない。

 科学ジャーナリストの森山和道氏によるこのインタビューは、そんなロボットの心臓部を握るキーマンに迫った貴重な証言である、必読(なんちゃって)。(でも少なくともテレイグジスタンスに眼がない僕は、こんなレポートを待ち望んでた。)

Hrp_super_cockpit  上の引用部分を読むと、自律制御と操縦の切り分けがエンジニアリング上は最大の工夫点のようである。いままでロボットアニメを観ていても、そんな風なところに触れられることがなかったので、刺激的。次にリアルロボットものを描くアニメ監督はそんなところをガチガチに描くのも新鮮かも。

 インタヴューで、初期のアールキューブプロジェクトだったころのHRPの遠隔操作プラットフォームについても、その臨場感について語られている。

 あれは実際に「歩いているなあ」という感じがありました。目をつぶっていると、お尻が上下に突き上げられているだけなんですが、目を開けて絵が動きながらだと、つまり加速感があると「歩いているな」という感覚がありました。

 いわゆるジャンボーグA型で、「スーパーコックピット」と呼ばれたまさしくマッドサイエンスティックなあのアイテム。もしかしてロボットへ搭乗して操縦している感覚があるとしたら、この方は史上初のアニメチックなロボット搭乗を体感した人類になるのかも。(全くうらやましい)

 是非ロボットアニメを見たのと、実際の操縦の違いについて、尋ねてみたいものだ。
 ありえないけれど、もしここを読まれていたら、コメントいただけると幸いです。

◆関連リンク
HRP 遠隔操作プラットフォーム(コクピット) (pdf)
次世代人工現実感研究会 平成14年7月4日

遠隔操作ヒューマノイドロボットによるフォークリフト運転の実現
  蓮沼 仁志 氏 (川崎重工業株式会社システム技術開発センター)
 NEDO委託の人間協調・共存型ロボットシステムの開発(通称:ヒューマノイド ・ロボティクス・プロジェクト,HRP)において,力感覚提示機能をもつ7自由度 双腕マスタアームと2自由度把持感覚提示装置,移動感覚を提示する体感提示装置,包囲型ディスプレイを使って高臨場感が得られる遠隔操作システムを開発した.

「人間協調・共存型ロボットシステム研究開発」 事後評価報告書(pdf)
 初期のHRPに関する詳細報告書

<当Blog記事>
相互テレイグジスタンスの第二世代 テレサ2とツイスター4
SFと科学技術におけるテレイグジスタンス型ロボット操縦システムの歴史
  -ジャンボーグAとその後の発展-

 アールキューブの映像有
産総研認定ベンチャー「HRP-2m Choromet」(チョロメテ)
走る人間サイズロボット HRP-2LR 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.07.10

■GAINAX NET|EVA AT WORK|work02
  『エヴァ・コース』 by.パンタグラフ

EVA AT WORK work02 『エヴァ・コース』 by.パンタグラフ (旧スタジオ・ビッグアート)

Eva_cource  エヴァンゲリオンは、"相手を自分に取り込む"、"敵をむさぼり喰う"、"一緒になる"、といった「融合」を連想させるシーンやキーワードが印象的だ。それは我々の日常生活に置き換えれば「食事」という行為に通じているのかもしれない。(略)

 これ、新しい情報ではないですが、たまたま覗いてインパクトがあったので、、、。こんなお皿で味わう料理は、ちょっと想像がつきません。これはえぐぃ。
(昨日の『グレンラガン』15話すしお作監の熱さに思わずGAINAXを久々に覗いたのさ(^^))

 ここに制作レポート。アイディアラフスケッチが楽しい。

 ロンギヌスナイフとフォークも素晴らしいのですが、エヴァ関係は以前も画像を使ったら、知らないうちにNIFTY(?)に消されたことがあるので、今回もまずいかも。(なので小さめに掲載(^^;))

 というわけで、しっかりCMさせていただきます。
 こんなイベントが開催されるようです。

EVA AT WORK 情報サイト

会場01 表参道ヒルズ内 IDEA FRAMES ギャラリー
タイトル「IMAGINATION OF EVANGELION」
会期:2007年7月21日(土曜)~8月3日(金曜):14日間
----------------------------------
会場02 ギャラリー POINT
タイトル「EVA AT WORK」展
会期:2007年8月24日(金曜)~9月8日(土曜):16日間

 これら会場で、生アダム・プレートを観られるのでしょうか。
 (※7/15追記 ギャラリー POINTさんのコメントから、展示はPOINTのみとのこと)
 このギャラリー POINTでは過去にこんな展示会も開催されていたようです。面白そう。

The Horror Show
「マタンゴ」「美女と液体人間」「透明人間」「電送人間」「ガス人間第一号」
珠玉の東宝ホラー作品をテーマにアーティスト達がグラッフィックアートを制作・展示。
会期:2007年3月17日(土)- 3月24日(土)
アーティスト:広岡毅 草野剛 井口弘史 伊藤桂司 日野日出志

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2007.07.09

■究極自販機:ULTRA VENDOR 食品缶版
   「ラーメン缶」「おでん缶」「妖怪汁」自販機

Villagevan_raumen_jihannki ヴィレッジヴァンガードの究極自販機

 いちばん近所の(と行っても30分かかる)ヴィレッジヴァンガードである各務原店(VOL1)へ久しぶりに立ち寄ると、入り口横に怪しげな自販機が、、、、。

 その名も「究極自販機:ULTRA VENDOR 食品缶版」。
 このインパクトを皆さんにもお伝えせねば、と携帯のカメラでパシャリ。(写真をクリックすると拡大して見えます)

Villagevan_raumen_kann

 以前に店内で売られていた妖怪汁については、記事にしたことがあったけれど、ラーメン缶とのセットと、加えてこの自販機のデザイン(特にラーメンマーク)には驚いた。

 このラーメン缶、世の中では既に評判のようですね(下記関連リンク参照)。僕は怪しすぎて買いませんでした。下記リンクの設置場所によると、ヴィレッジバンガードでも置いてあるのは、全国ここだけとか(たぶん妖怪汁とのセットはここだけ)。

 というわけで、世にも奇異な、鬼太郎ドリンク(ポップ付き)&おでん缶&ラーメン缶な究極自販機の話題でした。

万代書店 各務原店

 というわけで、各務原へ行くと、ついここにも立ち寄ってしまいます。
 小さなビニール袋に入って店内無数にぶら下がる食玩とガチャ、昔の超合金にフィギュア、古本、DVD。この猥雑な感じがたまりません。店内に今時、『バビル二世』やらの音楽がガンガンかかっているのも素晴らしい。

Mandai_shyotenn ヴィレヴァンの雑然とした玩具箱のようなあの雰囲気もだけれど、まさに一週間の疲れた大人のサラリーマン生活を癒してくれる子供時代のワクワクを思わず感じる空間。店内のビデオで『仮面ライダー』を食い入るように見つめる幼児は、どっちかというとこの瞬間仲間です。

 特に何を買うというわけでもないんですけどね、、、。(変な客(^^;))

◆関連リンク
ITmedia News:「ラーメン缶」アキバに現る “情報発信型”自販機続々

東京・秋葉原で今話題の「ラーメン缶」。これを仕掛けた自動販売機メーカーのフジタカ(京都府長岡京市)の最新機には、大画面の液晶ディスプレーが搭載され、「ついに出ました! らーめんの缶詰が!!」といった動画CMが流れる。

フジタカ「札幌らーめん缶」 全国 ウルトラベンダー設置場所
㈱アプリス 商品情報
 ゲゲゲの鬼太郎ドリンクとして、「猫娘汁」「ねずみ男汁」「1反木綿の絞り汁」新登場!「スカポンタンドリンク」とか「ブラックジャック ぶどう糖」とか、「江頭2:50 えが茶ん」とか。
ゲゲゲの鬼太郎ドリンク10本(楽天)
札幌ラーメン缶(楽天)
・当Blog記事 究極食物 「目玉のおやじ汁」「妖怪汁」

| | コメント (5) | トラックバック (2)

2007.07.08

■ポーランド現代絵画孤高の巨人
  ズジスワフ・ベクシンスキー:Zdzilsaw Beksinski

 『ミサイルマン―平山夢明短編集』の表紙が鮮烈だったので、ポーランドの画家ズジスワフ・ベクシンスキーについてちょっと調べてみた。(全く知らなかった!のです)

Beksinski_1ズジスワフ・ベクシンスキー(永瀬 唯解説)
  画集 『ベクシンスキー』
(河出書房新社 公式HP)

 死、腐敗、損壊。言い知れぬ寂寥感と恐怖に支配され永遠の廃墟と化した時空。そこにはただエロスの魂だけが虚ろに木霊している。
 エルンスト・フックスH.R.ギーガーと並び称されるファンタスティック・リアリズムの画家、写真家、彫刻家。その夢魔的な画風で世界中のファンを魅了し圧倒的な支持を得たが、自らは幻想画家であることを否定し、ポーランドで隠者のように暮らし、先頃ワルシャワの自宅において刺殺体で発見されたポーランド現代絵画孤高の巨人ベクシンスキー日本唯一の作品集。

 残念ながら絶版(というかトレヴィルが倒産)。復刊.comで復刊されたようだが、既に在庫切れ。

ベクシンスキー公式サイト

 ポーランドに置かれたベクシンスキー公式サイト。右の絵はその表紙からだが、インタフェースも凝りに凝っていて、素晴らしい。
 公式サイトには、数十点の絵画に加え、写真作品、デジタルアート等も展示されている。

ベクシンスキーのギャラリー

 これもポーランドのサイト。絵画ディジタルアートで300点ほど。圧巻!
 特に最近のデジタルアート作品が素晴らしい切れ味。どちらかというと絵画はウェットさを持っているが、デジタルアートはとにかくシャープで触ると切れそう。

  3回見ると死ぬと言われている絵はこれ(自己責任で(^^;))。

 ベクシンスキーは、ポーランドのクラクフ工業大学で学んだということだが、同じ街に住んだ異世界生命体を描く巨匠スタニスラフ・レムともなんらかの関係があったかもしれない。もしかしたら、レムの表紙画を描いたこともあるのだろうか。(ネットで検索しても見つかりませんでした)

 上の絵は、レムが描く異星のイメージである、と言われても何の違和感もないのだがどうだろうか。

◆関連リンク
画集『ベクシンスキー』(楽天)
09.1月エディシオン・トレヴィル 画集『ズジスワフ・ベクシンスキー』再復刻版 出版
 (09.1/2リンク追加)
・Google画像検索 ベクシンスキー Beksinski
ズジスワフ・ベクシンスキー, 永瀬 唯 『ベクシンスキー』(amazon)
Zdzilsaw Beksinski 『The Fantastic Art of Beksinski』
 さっそくこの画集をAmazonで注文してしまいました。
・ULTRA GEWALT sampeikinba's painting blogさん ベクシンスキーについて
Beksinski (ベクシンスキー) - 関心空間 
『ミサイルマン―平山夢明短編集』
『高い城・文学エッセイ』
永瀬唯(wikipedia)
・更新が止まって久しい永瀬氏のBlog 錯合回廊--CisMatrix Corridor
 再開を楽しみにしています。

| | コメント (6) | トラックバック (1)

2007.07.07

■古川日出男 『ハル、ハル、ハル』
  & 「文藝」秋号 『特集・古川日出男』 本日発売

Furukawa_haru_haru_haru
『ハル、ハル、ハル』 07/07/07本日発売 (公式HP)

 乱暴で純粋な人間たちの、圧倒的な現在を描いた、古川日出男の最高傑作。

「文藝」秋号にて『特集・古川日出男』 (公式HP)

【特集 古川日出男】
フルカワヒデオ日記 「原稿よ、自由意志で増殖せよ」
〈対談〉×爆笑問題
     ×向井秀徳(ZAZEN BOYS)
〈インタビュー〉聞き手/柴田元幸、佐々木敦
〈エッセイ〉江國香織、角田光代、小澤征良   e.t.c.

古川日出男公式サイト インフォメーション

8月1日 新文芸誌「FICTION ZERO/NARRATIVE ZERO」に、衝撃の渋谷系SF『デーモン』冒頭200枚弱が一挙掲載

 うちの近所の書店では「文藝」しか置いてない。またAmazonに頼りました。こうして近所の書店が衰退していく。

 「文藝」をちょこっと読んだけれど、最初の柴田元幸との対談で相当疲れた古川日出男がいた。仕事量が半端ではないのは、公式サイトのイベント量をみてもよくわかる。くれぐれもご自愛を。

 8月に出る講談社の「FICTION ZERO/NARRATIVE ZERO」に古川SFが登場。今までも『アラビア』とか『13』とか充分SFだったわけだけれど、あえて今回SFと呼んでいるのは何故だろう。SFガジェット出まくりか。期待。

◆関連リンク
『文藝2007年08月号 特集古川日出男』(amazon)
『ハル、ハル、ハル』(amazon)

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.07.06

■江戸川乱歩原作 佐藤圭作監督 『人間椅子』

Rampo_ninngenn_isu02_1 佐藤圭作監督『人間椅子』公式サイト 予告編
 (<エロチック乱歩> 『屋根裏の散歩者』と週代わりレイトショー)

映画紹介 INTRO | 『人間椅子』

 乱歩の代表作に新鋭が挑む!短編処女作『二花子の瞳 ?にかこ、の、ひとみ?』で国内外から絶賛を浴び、『蒼き狼 ~地果て海尽きるまで~』では脚本協力を務めた新鋭の佐藤圭作が初の長編監督作として江戸川乱歩の耽美と官能と衝撃の世界に挑む。

 ヤン・シュヴァンクマイエルが挿絵を描いた本が8月に出版されるのと直接関係ないのでしょうが、何度目かの映画化作品が公開されている。

 僕は江戸川乱歩はほぼ『少年探偵団』しか読んだことがない素人なのだけれど(薄くってすみません)、さすがに『人間椅子』の映像は、何本目かの映画かTVドラマで観ている。
 今回、この映画の予告編を観て、改めてシュヴァンクマイエル好みの物語だと再確認。特にこの予告では黒い皮の椅子が使われているようだが、ヒロインが椅子をなでる姿がシュヴァンクマイエルの触覚の映画を彷彿とさせる。

Rampo_ninngenn_isu_2 上記リンクの公式サイトが右の画像。
 主人公の体の各部が、映画紹介のコンテンツのリンクになっていて、ここでも触覚風インタフェースが、乱歩&シュヴァンクマイエルな雰囲気を醸し出している。

 監督の佐藤圭作氏は自主映画作家として有名な方のようです。

◆関連リンク
8月中旬発売予定 書籍 『人間椅子』

著作 江戸川乱歩/挿画 ヤン・シュヴァンクマイエル 
B5判/パラパラ漫画、ケース付き 
予価:2,100円/発行 エスクァイア マガジン ジャパン

【チェコ絵本専門店】 | ヤン・シュヴァンクマイエルx江戸川乱歩『人間椅子』出版
『江戸川乱歩全短篇〈3〉怪奇幻想』(「人間椅子」所収)
『不思議の国のアリス』 ・『鏡の国のアリス』

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2007.07.05

■アメリカ Moller International社
 垂直離着陸 円盤型自家用飛行システム「M200G」

Moller_m200g
まるで空飛ぶUFOだ! - 8エンジン搭載の垂直離着陸飛行機「M200G」が発売

 米Moller Internationalは、8機のロータリーエンジン搭載の垂直離着陸が可能な円盤型の自家用飛行システム「M200G」の製造を開始した。このアダムスキー型UFOと見間違えそうな飛行システムの販売価格は9万ドルから。間もなく発売される予定だという。

 (略)小型乗用車のように陸上を走行できるほか、飛行モードにシフトすれば10フィート(約3m)の高度をキープしながら、空中にスムーズに浮き上がって移動できるという。

Moller International M200G詳細(PDF) 動画 (公式HP)Moller_200g_mov

垂直離着陸が可能な円盤型の自家用飛行システム「M200G」 (公式HP)

1989年以来、2人乗りのVTOL volantor(M200X)の200以上の有人/無人の飛行デモンストレーションが実施されている。

 リンク先のMoller社のHPでムービーを観ると確かに飛んでいる。クレーンのワイヤで上から吊ってあるようにも見えるが、ワイヤがたるんでいるシーンがあり、クレーンはあくまでも最悪のトラブルに備えて安全策として用意しているようだ。
 飛び方はふわふわと空中を軽やかにホバリング。音はきっとエンジン音がうるさいのだろうけれど、ムービーではしょぼいBGMのみで生の音が入っていないのでうかがい知れない。

Moller_400_1
 上級バージョンのSkycar M400という機体。
 こちらのは以下のリンクの動画で音が聞けるが、かなりエンジン音がうるさい感じ。

Moller SkyCar - Flying car 
ポール・モラー博士とM400、200X 飛行シーン 風洞試験

Moller_hystory

 右の写真が開発の歴史。
 なんと1965年から続けているのですね。もしこれで本当に今回発売されるとしたら、この開発の持続力と世に出す気概に、拍手喝さい。
 ほとんどホバークラフトレベルじゃないの、という批判は置いてといて、乗り物のこういう未来への進化には喝さいを送りたい。

 今日、TVで東京で飛行船の遊覧飛行がスタートするというニュースをやっていたけれど、近い将来、こんな空飛ぶ車のレジャーが日本に上陸するのを楽しみに待ちたいものです。

| | コメント (3) | トラックバック (1)

2007.07.04

■新刊メモ 櫻井圭記 Philosophia Robotica
  『フィロソフィア・ロボティカ
   ~人間に近づくロボットに近づく人間~ 』


櫻井 圭記『フィロソフィア・ロボティカ ~人間に近づくロボットに近づく人間~』

                              Production I.G [最新情報]

 気鋭のSF脚本家、櫻井圭記が「人称代名詞」をキーワードに読み解く、現代日本ロボットの最前線。
 これまでアニメーション作品「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」シリーズでタチコマやアンドロイドなど、ロボットにまつわるシークエンスを多く執筆してきた著者が、「人称代名詞」という独自の視点からロボットを論じます。
 本書では、AIBO、ASIMO、HRP-2、ビル清掃ロボット、ロボットスーツHALなど約30のロボットに言及。マルクス、黒崎政男、マクルーハン、ウェーバー、加藤尚武、オング、ミード、ブーバー、ドーキンス、ラヴロック、大澤真幸らの議論を参照しつつ論を展開します。

 株式会社毎日コミュニケーションズ価格:2,500円、2007.7/7発売予定

著者について
 プロダクションI.G所属。東京大学経済学部卒業。2002年3月 東大大学院新領域創成科学研究科修了。
 修士論文は「他我を宿す条件 ~人間・ロボット間コミュニケーションの行方~」。同大学院在籍中に日本のアニメとメディアに関する論文を発表し、「情報通信論文ISID」「JMF日本マルチメディア大賞」で最優秀賞を受賞する。これがきっかけとなって『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』のアニメシリーズに参加し、脚本家としてデビューを果たす。

 最近は『精霊の守り人』『エヴァンゲリヲン新劇場版』のシナリオで有名な櫻井圭記氏のロボットの本。もともと下記リンクにあるように、こうした分野の専門家であった氏の初評論集として、期待。

 タチコマのAIの進化を描いたのは、この方の功績なのだと思うけれど、タチコマの知能化の秘密についても触れられていたら楽しみ。30体のロボットのうちの一体がタチコマであることを願うファンは多い!

 まじめな話、『攻殻機動隊S.A.C.』の「タチコマな日々」は、数十年後にロボット知能が地球上に誕生したら、彼らの歴史の黎明期の1ページを飾る重要な記録になるんじゃないでしょうか。

 加えて、『攻殻機動隊S.A.C.2nd GIG』26話 「憂国への帰還 ENDLESS∞GIG」におけるA・Iタチコマたちの活躍は忘れられません。 

◆関連リンク
瀬名秀明צ櫻井圭記(五月祭特別対談) : INNOCENCEに見る近未来科学 : SCI(サイ)
・当Blog記事 東大立花隆ゼミ 5月祭 瀬名秀明×櫻井圭記対談
Interview with Yoshiki Sakurai(英文インタビュー)
野良犬の塒: 脚本家 櫻井圭記
・wikipedia 櫻井圭記
『フィロソフィア・ロボティカ ~人間に近づくロボットに近づく人間~』(amazon)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.07.03

■幻想植物 栽培日記4 ロマネスコ、地球の虫との対決

Romanesco0706mushikui  異星の生物のような様態を持つ謎の数学植物(?)ロマネスコ。その栽培日記第4回です。

 前回、畑への移植を紹介しましたが、あれから梅雨の時期に突入し、水分と太陽光を受けて順調に生育しています。すでに大きいものは、体長30cm近くに伸びています。

 しかし!ここで思わぬ敵が登場!
 なんと最大の敵は、わずか10mmの緑色の地球の生物 青虫。

 写真の虫食いだらけのみぼらしい葉っぱを見てください。そして左に写るにっくき葉喰いの青虫。何もしゃべらず(当たり前(^^;))ただ黙々と暑い日差しの中、葉を食べ続けるこいつらのおかげで宇宙植物ロマネスコの生育や、いかに!!

 、、、、というわけで、虫を退治する消毒を敢行。さあ、一難は去った。いよいよ生育の本格化する夏の到来である。

◆関連リンク 当Blog記事 
幻想野菜 ロマネスコ
幻想植物 栽培日記1 ロマネスコの種まき
幻想植物 栽培日記2 ロマネスコ、芽吹く
幻想植物 栽培日記3 ロマネスコ、フィールドへ

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2007.07.02

■新刊メモ 神林長平 『敵は海賊・正義の眼』
  & 神林初期作品 新装版

神林 長平『敵は海賊・正義の眼』 (ハヤカワ・オンライン)

 敵は海賊シリーズの最新刊が10年ぶりに出た。
 と言いつつ、実は神林作品はほとんど読んでいるのだけれど、『敵は海賊』のみ、シリーズの4作目以降を読んでいない。これを機に読んでみようかと思う。

Kanbayashi_1

 リアル書店で、平積みで神林の文庫がいっぱい置いてあって感激。
 『敵は海賊・正義の眼』の刊行に合わせて、ミニフェアの様相。しばらく見ていなかった初期作品が新装カバーで並んでいたのが嬉しい。

 残念ながら、「神林長平でamazonの検索をかけても、これら新装版は表紙絵が入っていない。どうなってるんだ、amazon!と思ったら、楽天も似たようなものだった。

 というわけで、新装版の表紙を引用。ハヤカワオンラインで全部見えます。

◆関連リンク
『狐と踊れ』『言葉使い師』『七胴落とし』 (amazon)
『あなたの魂に安らぎあれ』『帝王の殻』『膚の下』 (amazon)

当Blog記事
『永久帰還装置』 ・『膚の下』 『ライトジーンの遺産』 
『魂の駆動体』 ・『完璧な涙』 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.07.01

■『まんが道』の才野茂 と (タカアンド)トシ

Saino_toshi

 先日テレビで、タカ アンド トシを見て、ずっと感じていたデジャヴュの正体に気がついた。

 トシは、『まんが道』の才野茂にそっくりだ。

 実際並べてみると、頭の形と眉毛と眼が瓜二つ(?)。

 この写真ではわかりにくいけれど、才野の特徴であるとがった口も、漫才の最中のトシは、似ているのではないだろうか。

 一発ネタ、失礼しました! 

◆関連リンク
藤子 不二雄A『まんが道 (第1巻)』
 これ、現在絶版なんですね。この名作が。
 中央公論は愛蔵版をずっと出版し続ければいいのに。
藤子 不二雄A『満賀道雄の青春 (1)』
『+メガネ 01(プラスメガネ)』
 電脳コイルの関連本??
『新作単独ライブ タカトシ寄席 欧米ツアー2006』 これ、好き。
欧米ツアー2006 (ヨシモトファンダンゴBB)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2007年6月 | トップページ | 2007年8月 »