« 2007年8月 | トップページ | 2007年10月 »

2007年9月

2007.09.30

■『電脳コイル』 第18話「異界への扉」

Coil_ikai_01vert 電脳コイル 第18話「異界への扉」(公式HP)

ネットの噂によると、メガネの設計や開発の過程は複雑な利権と歴史にいろどられているそうです。

第19話 黒い訪問者
第20話 カンナとヤサコ
第21話 黒いオートマトン
第22話 最後のコイル

 右は10/1の郵政民営化に合わせたかのような郵便マーク(サッチー)の爆裂の様子(^^;;)。というどうでもいいことはおいといて、いよいよ物語が核心へと進み始めた。このままラストまで高いテンションで突っ走りそうな雰囲気。

 "鍵穴"の描写が素晴らしい。子供たちの世界の隣にある異界をこんな形で映像化して凄みを感じさせるスタッフの力量にとにかく拍手の一本。

 電脳体が現実体の位置とずれるというのがどういうことを意味するのか。これを考えていて、とても怖い物語に潜む設定を想像してしまったので、書いてみる。もしかして低確率だけど、当たっている可能性もないと言えないので、ネタばれ注意とします。この設定が本当に隠されているとしたら、相当なショックがあと8話の間にセットされているかも。

Coil_ikai_02horz

★★★以下、ネタばれ(かも)、注意★★★

続きを読む "■『電脳コイル』 第18話「異界への扉」"

| | コメント (2) | トラックバック (3)

2007.09.27

■『電脳コイル』2題 メガネのコイルからワイヤレス給電
  磯監督 最終回の絵コンテを完成!!

Coil_in_glasses_2人工網膜にワイヤレスで給電するシステムを
            東北大試作 - nikkei BPnet

 人工網膜を開発中の東北大学 大学院工学研究科 教授の小柳光正氏の研究グループは,眼球に埋め込んだ人工網膜用LSIに外部から電力をワイヤレスで供給するシステムを試作した。(略)

 今回発表したシステムは,電磁誘導型のワイヤレス給電を使う。小型の電池を備え,眼鏡のレンズに埋め込んだ1次コイルから,眼球のレンズとなる水晶体に埋め込んだ2次コイルへ電磁誘導で電力を送電する。今回の主な開発部分は2次コイルと,2次コイルが受けた交流電流を直流に整流するためのショットキー・ダイオードの2点である。

 メガネに仕込んだコイルから、人体に給電する技術。給電だけでなく、情報伝達も当然非接触でできるはず。

 『電脳コイル』 第14話 「いきものの記録」で猫目が語る言葉。

 「君は電脳コイルという言葉を知っているか。」

 今だ、何を意味するかわからないタイトル『電脳コイル』という言葉が初めて劇中で語られ衝撃的だったシーン。2007年に研究室レベルにあるこんな技術が、2030年代に実用化されているのかもしれない。

 これを研究している東北大学 バイオロボティクス専攻 バイオデバイス工学講座 小柳・田中研究室は『電脳コイル』を知っているのだろうか。

磯監督のHP imago-image更新 !

先日最終話のコンテも終わり、
最終回は作画や撮影の作業も(ちょびっと)手伝おうと思ってます。

HPにメールを頂いたまま、お返事を返せないでいる
皆さん、本当に申し訳ありません。
特に子供さんが夢中で見てくれているといった
内容のものには本当に力づけられております。

 すでに現場は無事に最終話に辿り着いているとのこと。まだ放映までには1ヶ月以上あるはずで、これなら余裕の制作状況なのだろう。

 果たして「電脳コイル」とは!?? ラストへの盛り上がりが楽しみ。

 あと磯監督のもともとの本作の狙いが子供たちに向けたアニメの制作であったことは間違いない訳で、子供の反応が励みになっているようだ。ずっとネットで子供たちがどう観ているか直接の書き込みを探しているのだけれど、なかなか見つからない。

 どなたかこの掲示板でこどもたちが書き込んでいるよ、といった情報をお寄せください。

『電脳コイル』最終話シナリオ完成 2007.09.25
    (アニメージュ編集部 桜蘭の東京日記)

 ※若干、ネタばれあり ★以下、 要注意★

続きを読む "■『電脳コイル』2題 メガネのコイルからワイヤレス給電
  磯監督 最終回の絵コンテを完成!!"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.09.25

■山村浩二監督 『カフカ 田舎医者』
  オタワ国際アニメ映画祭 短編部門グランプリ受賞

山村監督オタワでグランプリ受賞 4大アニメーション映画祭制覇 (animeanime)

Franz_kafkas_a_country_doctor  9月19日から23日まで、カナダ・オタワ市で開催されていたオタワ国際アニメーション映画祭で、日本の山村浩二監督の『カフカ 田舎医者』が短編部門グランプリを受賞したことがわかった。

OTTAWA INTERNATIONAL ANIMETION FESTIVAL(公式HP)

Franz Kafka's A Country Doctor
(Franz Kafka's Inaka Isha) [2007]
Koji Yamamura Japan | 35MM | 21:00

 リンクをはろうと思ったのに、オタワ国際アニメーション映画祭の公式ページには、まだ受賞の告知が上がっていません。今頃、映画祭のスタッフは打ち上げで飲んだくれているのだろうか(??)

 本当に山村監督はじめ、スタッフの皆様、おめでとうございます。
 今回の作品、ポスターや予告を観ると、陰鬱なタッチの中に、どこかユーモアが漂っている感じ。予告編の伸縮自在な人物のアニメーションは、絵が動く素晴らしさに溢れています。上映が楽しみ。(監督の出身の名古屋での上映はあるのだろうか。)

◆関連リンク
映画『カフカ 田舎医者』(公式サイト) inaka_ishaの日記 (公式Blog)
知られざるアニメーション 田舎医者(山村監督のBlog)
 受賞の模様(ご自身のレポート)

(略)発表の2時間前、受賞を願ってくれていたフェスティバル・ディレクターのクリス・ロビンソンとすれ違ってしまって、その時彼がものすごく複雑な表情を浮かべて黙っていたので(当然この時点で彼は、結果を知っている)、どっちの意味か急に気になって、ちょっと緊張しながら、受賞発表に向かいました。(略)

東京国際映画祭 | 自主企画 - カフカ 田舎医者 ほか4作品

監督,脚本:山村浩二
プロデューサー:瀬戸麻理子/寺西 史、原作:フランツ・カフカ
声の出演:茂山千作/茂山七五三/金原ひとみ

・Digital Arena 不条理すなわち、エンタテインメント。
 短編アニメーション監督・山村浩二、異色の新作『カフカ 田舎医者』【動画付き】

◆以下、蛇足。

 今回のニュースに触れているマスメディアは少ない。
 にしても、ウェブに記事をアップしている大手マスコミの怠惰さはなんなのだろう。どこも公式発表のリリースを書き写しただけ。せっかくネットに記事を上げているのだから、簡単にリンクをはれる公式ページや公式ブログの情報を載せればいいのに。(上のうちの記事を作る手間は、約1時間。新聞社のウェブ担当者には、これだけの手間をかけるだけの余裕もないのだろうか。こんなことをしていると冗談じゃなく、マスコミは衰退すると思う。ま、その隙間でうちのBlogも成り立っているようなものなので、あまり文句を言ってもしょうがないのですが、、、(^^;;)。)

| | コメント (2) | トラックバック (4)

2007.09.24

■天沢 退二郎 『光車よ、まわれ!』

天沢 退二郎『光車よ、まわれ!』(amazon) 復刊.com

 和製ファンタジーの金字塔、思春期の黙示録的行脚がここにある。不朽の名作ファンタジー。73年筑摩書房刊の再刊!

 単行本刊行時の装丁をほぼ再現!(司修氏による装丁デザイン・挿絵は当時のまま。ただし今回は函装でなくカバー装になります)。

 ある雨の朝、登校した一郎は、クラスの様子が、周囲がいつもと違うことに気づく。迫り来る闇の力に、一郎は神秘的な美少女、龍子たちと共に立ち向かう。「光車」とは何か?一郎たちは闇の力を無事に打ち倒すことができるのか?「指輪物語」など幻想文学好きにはこたえられない、神秘の深みを湛えたカリスマ的作品。

 いい評判を聞いて20年前に購入したのに、ずっーと積読になっていたこの本を、最近やっと読んだ。あちこちで『電脳コイル』が『光車よ、まわれ!』を思い出させるという書き込みを読んだから、というアニメな理由(^^;)。『電脳コイル』の天沢勇子の苗字は、この本の作家へのリスペクトではないか、という説もある。

 そして、読み終わった感想。これは傑作ジュヴナイルであり、素晴らしい詩的なファンタジーである。繊細に描かれた少年少女の心の動きと、つむがれている幻想的イメージが素晴らしい。ファンタジーの部分は、理屈やリアリティの構築でなく、詩的空間の構築にすべてが向けられている。

 東京なのに架空の地名の「サダヤ区」が舞台。学校にあらわれる異様に顔の長いばけものとしかいいようのないものとか、地霊文字とか、ドミノ茶とか、緑色の制服の集団であるとか。そこに論理はないのだけれど、リアリティのある小学生たちの生活描写と、これら言葉のイメージで、東京に幻の空間が切り開かれている。

 とくに不可思議な存在が中谷晃人と呼ばれる老人。この人の言う不可思議な言葉の意味は最後までどういうことだかわからない。だがどこか魅力的な詩的イメージが広がる。

 少年少女の快活さと、不可思議な幻想言語イメージ。こんな傑作が磯光雄の『電脳コイル』世界の底流に流れているのかもしれない。『コイル』世界は、今のところ理屈で割り切れる世界を着々と描き、「あっち」へと越境していこうとしている。この先の世界が、理屈を超えた詩的幻想世界を花咲かせて描写されたら、素晴らしい作品になるかもしれない。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007.09.23

■MCM 第五回公演 DVD 『アルハーゼンのアストロラーベ』

Astrolabeアルハーゼンのアストロラーベ
  インフォメーション
(公式HP)

 過去 現在 未来 を反芻しながら進むとき見えてきたあなたと私の間にある見えない時間の物語
 光学の父 アルハーゼンが本当に伝えねばならなかったメッセージを今あなたに
「問題の単純化は世界の明解である」

 企画・制作・主演 MCM
 振付・ステージ MIKA SAKAI
 音楽・作・etc CHIE WATANABE
 音楽プロデュース MITURU KOTAKI 

 C'(シーダッシュ)さんからお送りいただいたDVDを拝見しました。

 芝居のようなミュージカルのようなライブのようなハイブリッドな舞台。セリフよりもかなり歌詞の比重が高い。それによって描かれるアルハーゼンの物語。

 舞台装置はほとんどなく、舞台にはバンドが常時存在し、その前でかなり幅広いジャンルの歌が歌われる。躍動感ある舞台が楽しめる。

 下記にあるようにアルハーゼンはアラブの科学者、そしてアストロラーベは上左写真のような天体観測の道具(実はこの舞台のタイトルを調べて、初めてこの科学者とこの装置の名前を知りました。「光学の父」って感じで、本来うちのBlogの範疇なのに(^^;))。

 これらでどんな物語が展開されているのか?
 実は残念ながらDVDの音声がかなり聞き取りにくく(音楽にマスキングされている様子)、僕のうちのオーディオでは、1回観ただけで物語を理解するところまで行けませんでした。残念。たぶん音はビデオカメラのマイクロホンで録られたものなのでしょう。かなり自分ちのスピーカーを大音量にしてみたのですが、、、、。

 タイトルからいろんな想像をしてしまいます。

◆MCM 第六回公演
 アフェクショネート メッセンジャーズ「四番目のネッカーキューブ」

「やがて スクエアーが重なり 空間は長四角に連鎖する
ランダムなカオスの定義より 空虚な摂理のほうが今はわかりやすく
四方の角が門に変るとき あなたにもわからない自分自身に出逢うことでしょう
さあ今あなたの 気付いていない もうひとつの世界に
そこかしこに隠れている 四角い世界へ ようこそ 」

振付ステージング 酒井美佳
音楽プロデュース 小滝満
芝居演出 アンテナコンテナ
総合企画プロデュース 渡辺千恵
企画制作出演画MCM 企画
11月30日ソワレ 12月1日マチネ ソワレ 2日間 3回公演
http://chie-vocal.org/
http://members2.jcom.home.ne.jp/from-oneness/index.html
151-0071渋谷区本町1-2-1京王新線初台駅下車 Tel 03-5350-5800

 ネッカーキューブということで認識論的なお話になるのでしょうか。大変面白そう。
 ネッカーキューブ、このアプレットとかご参考まで。

◆関連リンク
アルハーゼンのアストロラーベ (Youtube) ダイジェスト
・アルハーゼンについて
 イブン・アルハイサム(週刊アラブマガジン)

 アラブの偉大な科学者イブン・アルハイサムを紹介しましょう。
 彼の名は、アブー・アリー・アルハサン・ビン・アルハイサム。ヨーロッパではラテン名「アルハゼン(アルハーゼン)」として知られています。西暦965年にバスラで生まれ、1039年ごろにエジプトで没した科学者です。彼の学問の領域は大変幅広く、その主なものは数学、哲学、神学、天文学、医学、物理学などで、特に知られているのは光学の分野です。

 光学の分野で有名な著書「視覚論」です。この書は光学の世界に革命を起こしました。イブン・アルハイサムは、後に近代光学の基礎となった新しい理論にたどり着き、それによってそれまで支持されていたプトレマイオスの視覚理論の多くの部分を否定しました。

 イブン・アルハイサムの「視覚論」は13世紀にはラテン語に訳され、「アルハゼンの光学宝典」と改題されてヨーロッパ各地に広まり、17世紀までヨーロッパの光学研究者の教科書として使われました。そしてこの書の大きな影響を受けて、ケプラー、デカルト、ニュートン等が更に光学を発展させて行ったのです。

 「アルハゼンの光学宝典」 (金沢工業大学ライブラリーセンター所蔵)

Al-Hazen. (Ibn Al-Hytham). (965-1040).
Opticae Thesaurus Alhazeni.
Basileae, 1572, First edition.
アルハゼン(イブン・アルーハイサム)
光学宝典
バーゼル, 1572年, 初版.

アストロラーベ
 アンティキティラの機械

 アストロラーベという中世にイスラム世界で作られ、ヨーロッパにも持ち込まれた天体観測の道具があるが(『薔薇の名前』でショーン・コネリーが見てたやつ)、これはその、とんでもなく高度なものだったということらしい。

 Al-Hazen astrolabe(Google Image)

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2007.09.20

■新雑誌 FICTION ZERO/NARRATIVE ZERO
  古川日出男のSF 『デーモン』掲載

FICTION ZERO/NARRATIVE ZERO
編者: 講談社文芸X出版部
(公式HP)

Fiction_zero_narrative_zero

ーノイズまみれの世界を変えようー「フィクションゼロ/ナラティブゼロ」は新文芸のための新しいパッケージです。(略)
 巻頭の古川日出男による「フィクションゼロ宣言」は、新文芸の誕生を謳っています。

フィクションゼロ Fiction Zero Side 
Seven Illusionsー小説・ゼロ地平の幻影
古川日出男・豊島ミホ・小川一水・壁井ユカコ・将吉・木葉功一・三田誠
ナラティブゼロ Narrative Zero Side
Six Narrationsーキャラクター世代の話法
東浩紀・福井晴敏・万城目学・虚淵玄・桜坂洋・仲俣暁生・桑島由一……
マンガ・小島アジコ
パラパラコミックス・湯浅政明
Animetic illustrations coordinated by STUDIO4℃
Art directed by Noriyuki Tanaka

 古川日出男 渋谷系SF『デーモン』冒頭の200枚が掲載されている雑誌。知らなかった、もう8月の頭に創刊されていたんだ。僕はさっきネットで知ったところで、まだ実物を見てません(最近、大きい本屋へ行ってないもんで、、、)。Amazonで買っちゃおうか、迷ってるところ。

 ということで、書評を探してみましたが、まだ長編の冒頭が掲載されただけということなので、あまり書評がない。いち早く読まれた方々の感想は下記リンク。

Blog 最後の本たちの国で さん : 「デーモン」 
Blog あくまでも。さんの 出発点はいつも、 

 それにしてもこの表紙はインパクトがある。SFだぁー。これだけでほしくなった。STUDIO4℃を起用しているところは素晴らしい。湯浅政明氏のパラパラコミックスもなんかダイナミックなものを予感させます。その他、掲載作品リストはこちら

『FICTION ZERO/NARRATIVE ZERO』(amazon)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.09.18

■X-48B 無人実験機
  ボーイング・ブレンデッド・ウィング
  Boeing Blended Wing Body(BWB)

X48b01X-48B(Technobahn ニュース)

 7月20日に初飛行に成功したブレンデッド・ウィングの無人実験機「Boeing Blended Wing Body(BWB)」

 こうしたブレンデッド・ウィングを商用旅客機に応用した場合、小型自動車並みの燃費効率を持つ商用旅客機を開発することも可能といった研究報告もでてきている。

 また、ブレンデッド・ウィングによるもう一つの効果が騒音の大幅な削減となる。 素晴らしく美しい機体。

 我々が子供のころに見た未来の飛行機はまさにこんなイメージ。僕は『ウルトラマン』でもジェット・ビートルより小型ビートルや、『ウルトラセブン』のウルトラホーク1号が大好きだったので、それらに似た形を素晴らしく進化させたこのX-48に魅せられた。

 こんなかっこいいデザインの飛行機で(しかも音が静か)、成層圏を飛んでミニ宇宙旅行ができたら、素晴らしいでしょう。底面を全部ガラスにして、旅客にパノラマで地球上空の飛行を楽しませてくれたらいいのに。(以前の記事 飛行機でできる宇宙旅行 参照)

 で、このブレンデッド・ウィングなるものについて、ちょっと検索。

Boing X-48(wiki) Blended Wing Body(wiki)

Blended Wing Body, or BWB, designates an alternative airframe design which incorporates design features from both a traditional tube and wing design into a hybrid flying wing configuration.

 ハイブリッド全翼機という表現になるのでしょうか。

全翼機 リフティングボディ(wiki)

 なお、現在研究の行われているボーイングX-48は胴体と翼を融合しつつ、全体で揚力を生み出す構造である。そういった意味では全翼機形態とリフティングボディの中間にある存在とも言える。

 うーん、中間というよりは全翼機と呼んだ方がしっくりきますが、専門家方面ではどう言われているのか、気になるところ。素人には下の透視図を見るとまさに全翼機に見えますが、、、。

X48b02

◆関連リンク
NASA PHOTO GALLARY
初期デザインとX-48A
・HP 航空史の片隅 全翼機の世界 古今東西の写真が豊富
飛行機の形を読んでみませんか? 【三菱重工業(株)名航】

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.09.17

■幻想植物 栽培日記6 ロマネスコ、瀕死!!

Romanesco_catastrophe

 しまったーー ! (ここ60pointくらいの文字で読んでください)

 シュヴァンクマイエルだ、リンチだ、と浮かれて、ここしばらく週末に畑を見に行かなかったら、虫が葉っぱを食べてしまったーーー!!

 葉っぱは、ほぼ95%食べられて、中には茎まで芋虫が侵入し、腐ってきたものも。上の写真はクリックで拡大すると、結構ショッキング。うちの家族はシュヴァンクマイエルより、不気味だよ、といってます。気の弱い方は小さい画像のまま、ご覧ください。

 ロマネスコの葉っぱは美味しいらしく、近くの野菜は全然大丈夫。

 もしかして幻想植物の名のとおり(って自分で名づけただけなのだが)、虫に対して幻覚作用があって、それに吸い寄せられているのか。

 しかし冗談ではなく、この事態はまずい。
 さっそく農薬に頼ることに。にっくき虫は、芋虫二種類、バッタ、カタツムリ、てんとう虫、カマキリと多種多様。こいつらぁーー。

 さて、shamonさんとミの付く職人さんに、ここでお約束したロマネスコは、本当にお届けできるのか。宇宙植物の生命力を乞うご期待!! (皆さん、リバースを祈ってください!!お願いします。)

◆関連リンク 当Blog記事 
幻想野菜 ロマネスコ
幻想植物 栽培日記1 ロマネスコの種まき
幻想植物 栽培日記2 ロマネスコ、芽吹く
幻想植物 栽培日記3 ロマネスコ、フィールドへ
幻想植物 栽培日記4 ロマネスコ、地球の虫との対決
幻想植物 栽培日記5 ロマネスコ、巨大化

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2007.09.16

■リチャード・ケリー監督『ドニー・ダーコ:Donnie Darko』
  と 新作『Southland Tales』

Donnie_darkoドニー・ダーコ(公式HP) Donnie Darko

ある日 ×××が落ちてきた
銀色のウサギがドニーだけに「あのこと」を告げる

 遅まきながらリチャード・ケリー監督の『ドニー・ダーコ』、観ました。これは面白い。

 ストーリーの骨格、ディテイルのアイデア、ビジュアル、そして主人公の屈折したあの雰囲気。どれも秀逸で見せる。うさぎも素晴らしい。先週の『インランド・エンパイア』と合わせて、うさぎ幻想映画二本立てに、大満足。

 しかしこのHP、もろにネタばれではないですか。これからDVDを観る方は映画を先に観ましょう。

◆Blog ディック・コワルスキー・ローラントさん
 リチャード・ケリーの新作『Southland Tales』は
  『ドニー・ダーコ』を超えるか?

 その若き天才監督の新作『Southland Tales』は、2008年のロスが舞台、テロによってテキサスに核爆弾が落とされ閉塞した社会は黙示録のような様相。黙示録的な世界の原因を解明しようと本を書きはじめる記憶喪失の男とそのガールフレンド、アメリカのエネルギー危機を解決する機械を開発する男、大きな秘密をかかえている双子の兄弟、これらの物語が2008年ある7月の週末に絡み合う。

 06年のカンヌ映画祭で公開されたらしいけど、不評だったとのこと。
 こんどもSFのようで、期待。で、公開の予定を調べてみたら下記のとおり。

http://www.southlandtales.com/ (公式HP)

Southlandtales

 公式ページでⅠ~Ⅵ話がグラフィックノベルとして公開されて、続きのⅦ~Ⅸを映画館で、という展開になるらしい。公式ページの各話はCOMING SOONだし、映画公開の予定も出てこない。

 しかし、ありました。Cherry Road FilmsのHPには、"Southland Tales" in U.S. theaters on Nov. 9, 2007とあるので、今年の11/9公開の予定。それまでにHPでⅠ~Ⅵ話を観えるようなので楽しみにしましょう。

DVD ノベルコミック サントラ(amazon)

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007.09.15

■幻のホラー ジョセフ・ステファノ監督
  『シエラ・デ・コブレの幽霊』 覆面上映会
  THE GHOST OF SIERRA DE COBRE カナザワ映画祭2007

ホラー番長-ソドムの市-BBS(高橋洋氏のHP)

 樫原辰郎監督プレゼンツで『シエラデコブレの幽霊』が9月の映画祭 で上映できることになりました。会場は金沢の魔窟として有名な駅前シネマというところです。(かなざわ映画の会blog)

カナザワ映画祭2007|かなざわ映画の会

駅前シネマ オールナイト  9/16(日) 22:30より
 『嗚呼! おんなたち猥歌』 1h13m
 『狂い咲きサンダーロード』 1h26m
 『水のないプール』 1h33m 他
 覆面上映1本

 本日から開催されるカナザワ映画祭2007で、かつて三十数年前、一度だけTV放映された伝説の恐怖映画が覆面上映されるそうです。もともとTV作品なのでどうやら劇場での一般公開は世界初らしい。

 上の高橋洋氏のBBSによると、某所で開催された地下上映を見逃した黒沢清監督が悔しがったといういわくつき(?)の作品とか。ご近所の方でホラー映画ファンの方は、ぜひ。(この記事、ここを見てくれている旧友のホラー好きO君向けです。でも急に金沢は行けないね。も少し早く察知できなかったのは陳謝(^^;))

 というわけでどんな映画かちょっとだけ調べてみました。残念ながら画像も映像(Youtube)もウェブには存在しませんでした。

シェラ・デ・コブレの幽霊<未> (1959) THE GHOST OF SIERRA DE COBRE IMDb

監督: ジョセフ・ステファノ : Joseph Stefano
脚本: ジョセフ・ステファノ
撮影: ウィリアム・A・フレイカー  コンラッド・L・ホール
音楽: ドミニク・フロンティア

出演: マーティン・ランドー ダイアン・ベイカー
    ジュディス・アンダーソン  レナード・ストーン

Blog シーフォースブログ: 一足お先に怖い映画でも。さん

 実はこの映画、当時のNETテレビ(日本教育テレビで現在のテレビ朝日)の「日曜洋画劇場」で放映されたのみで、劇場公開どころかビデオもDVDにもなっていない、というレアな映画だ。調べてみると1959年の作品らしい。私は幾つくらいでこの映画を見たのか、はっきり思い出せないが、小さい頃だということだけは憶えていて、とにかく今までに見た幽霊映画で一番怖いというものだ。怖さが先行して、ストーリーは忘れてしまった。

http://www.eigaseikatu.com/com/3847/92295/

そう。確かに日曜洋画劇場でした。何かの薬で、幽霊の幻覚を見せる商売をしていた人が、どうしても見えないと言い張る客に大量の薬を飲ませて、結果的に死なせてしまう。その客が亡霊になって・・・。

 この映画、海外でもあまりウェブの情報がない。特に日本での評価が高いようだ。で、DVDもビデオも出ていない。今回の金沢の公開で評判になって、DVDが発売されるといいですね(調べてたらどんどん見たくなってきた。時間的には、明日なので金沢なら行けないことはないですが、、、、月曜、うちの会社休日じゃないので駄目っ)。

 9/16追記 監督・脚本のジョセフ・ステファノは、あのヒッチコック『サイコ』のシナリオライターだった!とにかく吃驚。
 『サイコ』の脚本って、最初は女が主人公の犯罪映画かと思わせておいて、いきなりあの展開へ観客を叩き込むという、素晴らしい骨格を持っていて、あれを考えたのがもしかしてジョセフ・ステファノということなのだろうか。これは凄い。(ロバート・ブロックの原作と比較すればわかるはずなのだが、残念ながら手元にない)
 しかも『シエラ・デ・コブレの幽霊』(1959)は、その『サイコ』(1960)の前年の作品で、1922年生まれのこの監督は37歳とまさに油が乗っている頃の作品と考えられる。

 何故かフィルモグラフィ(IMDb)を見ると、監督作はこの一本のみ。あとは『アウターリミッツ』等のシナリオやプロデュースという経歴。こういうところも想像力をいたく刺激する。

 是非DVD化を実現してほしいものです。(ジョセフ・ステファノは2006年に84歳で鬼籍に入られたようです)

 09.9/4追記 探偵!ナイトスクープ 『シェラデコブレの幽霊』
 この幻の映画がTV「探偵ナイトスクープ」で取り上げられた!!
 番組では、16mmフィルムの持主、映画評論家・添野知生氏を探し出し、版権を調査しTVで紹介する予定だったが、、、、惜しくも版権者が見つからず出演者だけが試写会という展開に!! 視聴者に多大な期待のみを残し、フィルムはまたアンダーグラウンドへ。

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2007.09.13

■デヴィッド・クローネンバーグ監督
   新作『イースタン・プロミスズ:Eastern Promises』
   『At the Suicide of the Last Jew in the World in the Last Cinema in the World』

Eastern_promisshorz
Eastern Promises Video Clips, Previews, Teasers & Trailers - MovieWeb
                             (Blog 落穂ひろいさん経由)

クローネンバーグ監督、ロシア・マフィアを描いた新作犯罪スリラーを語る
  AFPBB News

 クローネンバーグ監督の最新作となる同作は、ロシアのマフィアを描いた犯罪スリラー。「できるだけ見た人の気分がめいるような作品にしたかった。希望に満ち過ぎていると思えるような部分もあるがね」と監督は語った。

 ヴィゴ・モーテンセンが『ヒストリー・オブ・バイオレンス』に続き、クローネンバーグの新作に主演。共演はナオミ・ワッツという豪華なペア、このふたり好きなので凄く楽しみ。前作でも素晴らしい演技を見せていたヴィゴ・モーテンセンと、これも名優ナオミ・ワッツがどう演技で対峙するか見もの。(実はクローネンバーグ作というところよりも、このお気に入りの俳優に今回は魅力を感じている。でもクローネンバーグの素晴らしい配役)

 予告編や写真を観ると、ヴィゴ・モーテンセン、凄みが増している。こりゃ、怖そう。

世界25か国から集った監督35人による短編映画集
  『Chacun Son Cinema(英題:To Each His Own Cinema)』
監督陣

テオ・アンゲロプロス、オリヴィエ・アサイヤス、ビレ・アウグスト、ジェーン・カンピオン、ユーセフ・シャヒーン、チェン・カイコー、マイケル・チミノ、イーサン&ジョエル・コーエンデヴィッド・クローネンバーグ、ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ、マノエル・デ・オリヴェイラ、レイモン・ドゥパルドン、アトム・エゴヤン、アモス・ギタイ、ホウ・シャオシェン、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、アキ・カウリスマキ、アッバス・キアロスタミ、北野武、アンドレイ・コンチャロフスキー、クロード・ルルーシュ、ケン・ローチ、ナンニ・モレッティ、ロマン・ポランスキー、ラウール・ルイス、ウォルター・サレス、エリア・スレイマン、ツァイ・ミンリャン、ガス・ヴァン・サント、ラース・フォン・トリアー、ヴィム・ヴェンダース、ウォン・カーウァイ、チャン・イーモウ

 カンヌの開催60周年を記念した短編映画集。クローネンバーグ作品はAt the Suicide of the Last Jew in the World in the Last Cinema in the Worldというながーいタイトル。作品内容はちょっと調べがつきませんでした。ここに少し情報があります。

◆関連リンク
NYで映画『Eastern Promises』の上映会開催
『Eastern Promises』ワールドプレミア上映会にナオミ・ワッツが登場
Eastern Promises (2007) (IMDb)
Chacun son cine ou Ce petit coup au coeur quand la lumiere s'eteint et que le film commence (2007)(IMDb)
・当Blog記事 デヴィッド・クローネンバーグ監督『ヒストリー・オブ・バイオレンス』

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.09.11

■Production I.G 創立20周年記念
  押井 守監督 講演

Production I.G 創立20周年記念講演
『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』押井 守監督
        ( shamonさんのひねもすのたりの日々経由 )

Production_ig

◆I.Gの拡大要因

 (略)その意味において、I.G はいってみれば健全に機能している、ぼくに言わせれば非常にめずらしい会社です。傍で見ているほど、大胆に、ドラスティックに経営規模を拡大しているわけではないですし、コンスタントに右肩上がりに大きくなっている。(略)
 今後もおそらく、株主さんたちの期待を裏切るかもしれません。大ヒット作と呼ばれるものはI.G からは出てこないような気がします。

 一作、大ヒットしてしまうと、それに縛られてスタジオとしての作品の幅が狭まり、安定的拡大は難しくなる、という論説。

 一見、ものすごくもっともに聞こえるけれども、でもどっか詭弁っぽい。何故なら、普通の企業なら、そうした大ヒットを当てた上で、そのヒットを支えたコアコンピタンスを有効利用して、その他事業で安定的な拡大を図るのが常道だから。

 本当にアニメスタジオを優良な企業として成立させていくには、客商売ゆえ、大ヒットは必要事項と思う。その後の戦略を持った上で、ということだけれど、、。それを大ヒットがないのはこの会社が優秀だから、という論へ持っていくのはいかにも詭弁に聞こえる。

 結局、こういう論説が通りよく聞こえるのも、アニメビジネス自体が未成熟ということなんでしょうね。

◆そして『スカイ・クロラ』

 若いキャラクターの感情の動きを軸にして、非常にドラマチックな物語を考えております。甘酸っぱい恋愛感情に浸りながら、最後は衝撃的な結末に向かっていきます。ぼくにしては珍しく、ドラマチックな方法論を取っています。具体的にいうと、作品内の台詞の分量を大幅に減らしています。いままでの1/4以下です。
 これで当たらなかった場合、もちろん1000万人の観客動員を目指すといったバカなことは言いませんが、ぼくの場合は100万人が一つの壁ですので、本作で100万人の壁を超えられなかった場合は、元に戻ります。

 こうは言われているけれど、実は100万人より上を狙えるというしたたかな勝算を持っていそう。ただ大ヒットしなくても、I.Gとしては逆にいいんだ、と論陣は既に上のように張っているので、既に鉄壁の守りが作られている。なんとしたたか。大ヒットしてもヒットしなくても既にI.Gの株価をこうして守っているわけだ(笑)。

 そして神山健治を次を支える監督として育てる布陣もしかれていて、実は大ヒット後の戦略も持っていそう。きっと押井守と石川光久でこうした戦略は日ごろから討議されていて、この堅実さがI.Gを支えているのですね。

 ジブリが宮崎駿の子息という同属経営戦略をとるしかなかったのに対して、やはりI.Gは本当に成熟した企業へアニメ・スタジオを持っていこうというしたたかな戦略が(押井の詭弁戦術含め)ありそう。株、買っとこうかな(^^;)。(資金ないけど)

| | コメント (7) | トラックバック (0)

2007.09.09

■ジェイムズ・ティプトリー・Jr. /浅倉久志訳
  『輝くもの天より堕ち』
  Brightness Falls from the Air, James Tiptree Jr.

Brightness_falls_from_the_air
 カバー絵のイメージ 僕は左から3番目が近い感じ

輝くもの天より堕ち(ハヤカワ・オンライン)

 翼をもつ美しい妖精のような種族が住む銀河辺境の惑星ダミエム。連邦行政官のコーリーとその夫で副行政官のキップ、医師バラムの三人は、ダミエム人を保護するため、その星に駐在していた。そこへ〈殺された星〉のもたらす壮麗な光を見物しようと観光客がやってくるが……オーロラのような光の到来とともに起こる思いもよらぬ事件とは? 

 ティプトリーの長編初翻訳出版、ワクワクして読み始めた。

 結果はまさしくティプトリーの作品。578ページの隅々にティプトリーが存在し、ファンには素晴らしい作品になっている。僕は今のところ、本年のSFベスト。(たいして読んでないけど(^^;))

 たしかに透徹した思考で徹底的にクールに人類を描き出している往年の短編群に比べると、スパイスが弱い部分もあるかもしれない。しかしその舞台設定であるとか、登場人物一人ひとりへの気づかいとか、SF小ねたアイディアとか、紛れもなく全編にティプトリーらしさが横溢している。作家の衝撃的な死の後、20年を経て、長篇小説を新刊として読むことができる日本のファンは幸せである。

◆全体

 ミステリタッチではあるけれど、謎解きストーリーになっているわけでない。ノヴァとなったヴリラコーチャと、その光景を二十光年離れた惑星ダミエムで観光するツアーの面々。

 それぞれの登場人物とヒューマンが背負った過去。特にヒューマンがヴリラコーチャとダミエムで背負った二つの大きな罪の設定が深い。その残虐性は数々人類が21世紀まで延々続けている愚行の高純度のもの。それに絡んで事件が発生し、各登場人物の人生が浮き彫りにされてくる。SFならではの設定で描かれるこの縦糸と横糸が読み応え充分。

 若干類型的な人物も出てくるが、SF設定と密接に関係し、ほかではちょっと読めないスケールの世界が提示されている。

 ノヴァ前線で観られる光景と、翼を持ったダミエム人の美しい姿のイメージが素晴らしい。

◆関連リンク
Brightness Falls from the Air, James Tiptree Jr..
 冬樹 蛉氏のレビュウ
大野万紀氏のレビュウ 津田文夫氏のレビュウ 岡本俊弥氏のレビュウ

原書27ページ分がここで読めます

『輝くもの天より墜ち』(amazon)

ジェイムズ・ティプトリー・Jr.(wikipedia)
【作家紹介】ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア

・当Blog記事
 ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア/浅倉久志訳
  『すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた』

ネタばれ(以下、未読の方はご注意を)

続きを読む "■ジェイムズ・ティプトリー・Jr. /浅倉久志訳
  『輝くもの天より堕ち』
  Brightness Falls from the Air, James Tiptree Jr."

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.09.08

■デヴィッド・リンチ監督 『インランド・エンパイア』
  David Lynch's Inland Empire

Inlandempire_trailer_1 INLAND EMPIRE 予告篇 (公式HP) 

 ようやく東海地区でも公開された『インランド・エンパイア』、待ちに待って初日の第一回で観て来た。

 劇場は伏見ミリオン座。実はここの映画館、今まで行ったことなかった(^^;)。とても雰囲気がよくて気に入りました。(今頃、名古屋の映画ファンとしてモグリと言われそうだけど、、、。) 他の映画館が一館として上映しない中、東海地区で初上映してくれたことに本当に感謝。

 さて、傑作『マルホランド・ドライブ』から6年間。自分にとって今のところオール・タイム・ベストな映画の後、リンチがどんなものを撮ってくれるのか、本当に楽しみにして観た。

■この生っぽい感覚

 『マルホランド・ドライブ』で映画芸術を究極まで完成させた(ように僕には感じられた)デヴィッド・リンチ、今度はこう来たかってのが率直な感想。とにかく映像と音を作りこんで、あのマジカルな空間をスクリーンに構築してしまった後、この映画監督がめざしたのは、こうしたリアリティというか、生の感覚だったのか、と。

 シンメトリカルスタジオで作られたサウンドはあいかわらず素晴らしいの一言。『マルホランド・ドライブ』のクラブ・シレンシオのシーンは、リンチの素晴らしい音響設計がなくてはあそこまでの空間は構築できなかっただろう。今回も、選曲と効果音設計がとにかく素晴らしい。

 で、生の感覚はどこから来ているか、これはもちろん、映画フィルムからDVへカメラを変えたことによる。とにかく映像がラフで荒い。カメラはSONYのDVCAMカムコーダー DSR-PD150。当時は最高クラスの小型ビデオカメラだったのかもしれないけれど、いかんせんハイビジョンではない。

 大画面では耐えられないような画の荒さ(うちのハイビジョンハンディカムの方が当たり前だけど、ずっと映像が鮮明で美しい)。そして、オートフォーカスを使っているのだろうけれど、ところどころピントもブレブレ。おまけに手持ちで映像はグラグラ、アップの多用で顔が歪みまくり。

 さらに荒いのは画像だけでなく、演技もラフ。そしてやたら長まわしでとりとめなく映像がダラダラと進む。展開もライブ感覚。たぶんリハーサルとかでカメラワークや俳優の演技を作りこんで撮るのでなく、わざと即興的に撮っている。カメラワークもその時の気分だろう。

 特に思ったのは、怖い顔のおばちゃん(グレイス・ザブリスキー)とローラ・ダーンがコーヒーを飲むシーンで、執事がコーヒーをカップに注ぐシーン。あのカメラワークは今までの映画ではありえない。ほとんど家庭用ムービーでパパがコーヒーポットを追いかけてカメラブレブレで撮った映像。

 とまるで否定的に書いているのだけれど、実はそれによって生まれたのが、独特の生っぽい雰囲気。まるでプライベートな空間を覗き見しているような隠微で陰惨な感覚が立ち上がってくる。それが三時間続く(全部がDVでなく、きっちり作りこまれた映像もかなりあるけれど、、、)。

 僕にはストーリーの謎解き(さんざんネットでも語られているみたいだけれど)よりも、その映画の中枢をしめるこの映像のタッチが印象的だった。

■何故、今、生っぽさ?

『インランド・エンパイア』デヴィッド・リンチインタビュー - シネマトゥデイ

Q:なぜ今回はデジタルで撮影したのですか?
 デジタルの場合は時間が短く、コストも削減でき、どんなアイデアでも実現可能なんだ。映像や特殊効果など、すべてを可能にしてくれるたくさんの機能やツールがあるので、デジタルはとても良いと思っているよ。また、フィルムでの撮影では多くのクルーが必要だし、セッティングに時間がかかるけど、デジタルの場合は時間がかからないので、現場のムードが変わらないうちにどんどん撮影を進めていけるんだ

Q:デジタルを使うことで新しい発見はありましたか?
 フィルムに比べて操作性が抜群だね。今後はデジタルでしか撮らない。高い精度が得られるので、もうフィルムに戻る気はないよ。

雑誌 Movie Maker誌インタビュー
 For his latest experiment, the legendary moviemaker embraces a DIY approach.

With film, you wait for two or three hours to move the camera and light the damn thing. This is what kills a scene; it kill it. So this thing (DV's quickness) gives life to the whole process.

 現場のムードのことをここでは"life"と言っています。どうやらリンチは、今までの映画で死んでいた部分に命を吹き込みたいと考えているように読める。

 そして先ほど「生っぽい」と書いた部分だけれど、今回の映画は、完成度としては恐ろしく『マルホランド・ドライブ』と比べると劣るのだけれど、そこにはない生々しさを獲得していることだけは確か。

 『マルホランド・ドライブ』で今までのフォーマットの線上にある映画を極北まで進めてしまった後、リンチが自分の映画に足りないと思ったのがこの"life"なのだろう。これを獲得することで『マルホランド・ドライブ』の先を目指したのがこの映画の本質のような気がする。

 リンチが描きたかった"life"というのが何なのかは、Movie Maker誌にも触れられてない。今までの映画が持ち得なかったような何らかの生命感かもしれない。確かにDVで撮ったりしたドキュメンタリタッチの映画は何本もあるけれど、どっかこの映画とは肌触りが違うと思う。

 ザラザラとしたわけのわからない肌触り。これが僕の観た『インランド・エンパイア』の印象だ。この解析をすることがリンチの今後の映画でめざす方向を炙り出すことになるのだろうけれど、僕にはまだザラザラ感を体感できたのみ。DVDで観ると、また違ったイメージが観られるのかもしれないが、まずはここまで。

◆関連リンク
オリジナルサウンドトラック『Inland Empire』(amazon) 9/11発売!

続きを読む "■デヴィッド・リンチ監督 『インランド・エンパイア』
  David Lynch's Inland Empire"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007.09.07

■円谷プロ ツイン・ピークスな『ウルトラセブンX』
   ULTRASEVEN X

Ultrasevenvert 新ウルトラセブン、CBC、来月5日から放送(CHUNICHI Web)

 八木監督は「重厚なストーリー性を大切に、12話すべてにミステリーが存在します。参考にしたのは、過去のウルトラシリーズではなく『ツインピークス』『24』など、米国のテレビシリーズ。新しい世界観をお届けできると思う」と力を込めた。

ウルトラセブンX:40年目に“小顔”で復活 ストーリーは「ダークに」 (まんたんウェブ)

 「ウルトラセブンX」は、町中に張り巡らされたモニターによって人々が管理された世界で、日常生活に潜むエイリアンを秘密裏に抹殺する特殊捜査チーム「DEUS(デウス)」のエージェント・ジン(与座さん)が、謎の美女エレア(加賀美早紀さん)から手渡されたウルトラアイで、ウルトラセブンXに変身、エイリアンたちと戦うというストーリー。

ULTRA SEVEN X (公式HP)

 我々が暮らす日常とは、似て非なる世界、しかし、どこか異質で不気味な雰囲気を漂わせる大都会の喧騒。そこは、われわれの住む世界とは異なる世界である。この世界では街中に張り巡らされた無数のモニタが政府の意図を伝え、様々な情報を与える。市民はその情報によって支配されている高度な管理社会である。

監督・シリーズ構成:八木毅 
監督:鈴木健二、梶研吾、小中和哉 
脚本:小林雄次、太田愛、福田卓郎、金子二郎、林壮太郎、長谷川圭一

地区放送局名放送スタート日時
東海 中部日本放送(CBC) 10月5日(金)深夜2時15分~2時45分
関東 東京放送(TBS) 10月5日(金)深夜2時25分~2時55分
関西 毎日放送(MBS) 10月6日(土)深夜3時25分~3時55分

 ダークで『ツイン・ピークス』なウルトラセブンって、凄い。

 「日常生活に潜むエイリアンを秘密裏に抹殺する」、秘密裏に抹殺というところがなかなか危ないストーリーを想像させる。実は邪悪な宇宙人として抹殺したはずなのに、それが普通の地球人でウルトラセブンが人類に追われる、とか。

 そして登場する小人とログ・レディとドーナツの好きな捜査官、音楽がアンジェロ・バダラメンティ、、、リンチファンの想像力を刺激するウルトラシリーズの誕生を楽しみに待ちたい。ってそんなわけないだろ。

◆関連リンク
ウルトラセブンX(ULTRASEVEN X)ブログ

| | コメント (3) | トラックバック (2)

2007.09.06

■中子真治氏のオブジェモチャ専門店
  飛騨高山 留之助商店 本店

Tomenosuke02 飛騨高山 留之助商店 本店
             (公式HP)

玩具みたいな芸術みたいな
オブジェモチャ専門店
数千点の絶版トイをストック 海外アーティスト作のトイ&絵画 60年代の海外製玩具&家電 ハリウッド映画の小道具を展示・販売するオシャレな新感覚ショップ

 家族が偶然観た夕方のニュース番組で、中子真治氏の店を紹介していたとのこと!!

 調べてみたら、こんな公式HPがあり、お店は2006年9/29にオープンしていたそうです。近くに住んでいながら知らなかったとは不覚。

urban designers toy
  LOWBROW Art 
  Doll and ACTION FIGURE
  PROP REPLICA
  WEIRD and UNUSUAL STUFF
  店舗のご案内

 HPはこのようなコーナーで構成されていて、心躍るオブジェモチャや映画のプロップが満載。YAHOOでオークションの出展もされています。

 さらに、、、。

◆Blog 店主54才、玩具道(オモチャミチ)の光と影

 ここは凄い。あの中子真治氏のBlog。昨年の7月からスタート、店のオープンへ向けた準備の様子や、開店後の様子、新しい商品の入荷情報等満載で、ほぼ毎日更新されています。

 つまり中子氏の文章を我々ファンは毎日読めるわけです。なんというもったいない。今まで知らなかったことが悔やまれますが、雑誌と異なり遡って読むことが可能なのがネットの素晴らしさ。ワクワクしながら、今、読んでいます。

 映画の話題、特にロス在住当時の記事や交流のあった映画関係者の話題にも触れられています。ブレランをめぐる暴言とか、パリ、カルティエ、デイヴィッド・リンチ。とか、うちのBlogの来訪者の皆様にはきっと嬉しい、素晴らしい原稿が読めます。このリンチの記事には中子氏が若かりし日のリンチを撮った写真も掲載されています。

店主としては1983年以来、映画というフィルター越しでしかデイヴィッドを垣間見ることができなくなり、いまでは遠い存在の人となってしまったが、なぜかそこ、カルティエのガラス張りの美術館には20数年の空白を埋めてくれる“時間のようなもの”が展示されている気がしてならない。

 リンチについて書かれた文章の引用です。往年の中子節は健在で、この文体でエッジの効いた映画監督の情報を読むのが大好きだった僕は、ほんとうに嬉しいです。

 8ミリ映画上映会のお知らせ/前編 後編

「これを機会に倉庫から8ミリ・フィルム見つけ出し、懐かしいデザインのパッケージなどスキャンしようかと思います。で、それを紹介がてら、一度は店主の元を離れっていった膨大なフィルム・コレクションが、訳あって出戻って来るまでの四方山話でもさせてもらうつもりです。主演は小松左京先生、共演は手塚治虫先生、乞うご期待」

 この記事も最高。中子真治氏のSF映画コレクションにこんな顛末が、、、。中子ファン必読。(今までBlogがあるのを知らなかったファンはもしかして僕だけかもしれない、、と思いつつご紹介しました。)

◆関連リンク 当Blog記事
・92年 下呂のアプライド美術館と中子真治氏の倉庫
『ブレードランナーの未来世紀』町山智浩氏と中子真治氏
デヴィット・リンチ絵画展@パリ ジ・エアー・イズ・オン・ファイアー展
デヴィット・リンチの美術展 カタログ感想『The air is on fire, David Lynch』 

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007.09.04

■韓国 大怪獣映画 『D-WAR』 予告編

Dwar01
D-WAR』(公式HP)

Trailer1 Trailer2 Making

 Imoogiという名の怪獣が『グエルム』の数倍の規模で、暴れているようです。

 上のリンクで、CGのメイキングが観られる。韓国で制作されているようだけれど、すでにCGでは日本を越えているように見える。レイアウトとかカット割とか迫力十分。

 にしても先日紹介した"01-18-08"にしてもこの映画にしても、あきらかに911の影響下にある作品。ちょっと複雑。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

« 2007年8月 | トップページ | 2007年10月 »