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2007.10.09

■庵野秀明総監督 『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序
    EVANGELION:1.0 YOU ARE (NOT) ALONE』

Eva_jyoヱヴァンゲリヲン新劇場版 (公式HP)

 『新世紀エヴァンゲリオン』に観客が何を求めているか、によってこの作品は随分と異なる見方をされるのではないか。

 僕のエヴァは一言で言うと、「庵野秀明が挑んだ『ウルトラマン』~巨大な人型決戦兵器の死闘、でもラストはSF的に『デビルマン』や『2001年宇宙の旅』にも挑んでみようかな?」という作品なので、今回のリビルドの迫力は◎でした。

 特に全体を総括すると、三体のタイプの違う怪獣(使徒)に対して、毎回全力で最終回(ゼットン)を戦うウルトラマンみたいな展開で手に汗握った。絵の作りこみの緻密さ(特に建造物と電力設備)と音響の迫力は相当なもの。気の抜けたリメイクかなんかと思って観にいくと庵野総監督以下の気迫に圧倒される。(一割くらい、明らかにTVシリーズの原画を使いまわして気の抜けるショットもありますが、、、。)

 特にアチコチで書かれているように、ヤシマ作戦の迫力が素晴らしい。ここはもう一度劇場で観たいくらい。単に人造人間ヱヴァンゲリヲンの死闘だけでなく、シンジとレイの話としても物語の結構がなかなかうまく描写されていて、ラストの宇多田の音楽にはグッとくる。

 クライマックスの映像には、自分の血に流れている巨大なものが街に現われることによるセンス・オブ・ワンダーの刷り込みの強さを実感。僕の場合は、『鉄人28号』と『ウルトラマン』、東宝特撮と『ジャイアント・ロボ』と『ザンボット3』あたりが根っこにある。特に幼児期の『鉄人28号』は決定的。あの頃の自分が『ヱヴァンゲリヲン』を観たら、どんなに感動するかと思うと、恐ろしくて想像すらできない(^^)。今の小学生って、この映画観たら、どんな興奮を覚えるのだろう。いや、小学生には早いか、、、。

 小学生はともかく、エヴァを知らない中高生や大人にも今回の映画はお薦め。しっかり物語もこの映画だけで成立しているので、これから見てみようという人も大丈夫(だよね)。

★★★★★★以下、ネタばれ、注意★★★★★★

 TVシリーズに比べて、セカンドインパクトによる破壊の爪跡の描写が随所にあって、しかも第三東京市の存在の危うさとそこに住む子供たちの切迫感が表現されているのが効果を出している。しかもリリスをヤシマ作戦の直前でシンジにみせることで、人類の滅亡を実感できるものにしている。そしてその重要な作戦をわずか14歳の子供に背負わせる緊迫感。

 いやー、いいもの見せてもらいました。僕はTV版でヤシマ作戦の安直さに呆れて、相当嫌いな回だったので、そんな人にも今回の映画の丁寧に作りこまれた物語と動画の迫力はお墨付き。
 あと音響の素晴らしさも特筆。これは劇場で観るのがいいかも。プラグスーツの皮の音を克明に描いてあるのは、やりすぎの気もしたけど、、、。

 これから先の物語の展開だけれど、エンドクレジットの後に流れた予告によると、月とか六号機だとか、いろいろと新しい要素が入り込んできて、パラレルワールドへ踏み込みそうな予感。随分と展開が変わると思う。

 TVシリーズで嫌だったのがシンジの心の揺れ動くグヂャグヂャだったのだけれど、そこも今回のストーリーでは今までより意志のあるシンジが描かれているようにも見えるので、もしかしたらそれを脱して、少年の成長物語になるのかも。
 旧版は制作陣、特に監督のもろもろの切羽詰った心情がストレートに14歳の主人公に投影されたとかで、10歩進んで20歩下がるような悩みまくりの観たくもない屈折ムービーだった(世間ではそうした部分が受けていたようだけど、僕はそこの部分、評価できない。映画版のラストのアレを描くために必要だったという理解もできなくはないけど、、、)。
 そこをエンタテインメントとして、今回は成長物語にしてくれたら、(エヴァでなくなる部分は確かにあるけど)、僕は期待したい。 

◆以下蛇足

 今回改めてティーンエージャーの親となった自分の眼で見ると、ただでさえややこしい十代前半で、人類の将来をたったひとりの肩にかけられるということの重圧が凄まじいものに感じられる(いや、ロボットアニメでそれを言っちゃお仕舞いなのは理解しつつ(^^;;))。下世話な話、学校の勉強や友人関係もストレスとしてあるのに、そこへ持ってきて、親父はああだし、突然へんてこな人造人間に乗せられたら、そりゃ、屈折もするわな、とか。ある意味、凄い子供虐待ムービー。

 いや、思春期の子の父となって観るエヴァもなかなか味わい深いものです(^^;;)。

◆関連リンク
公開直前!ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序 特集! Bpart (ネタバレ有) 
 ウルトラマンとエヴァの関係を調べてたら、プロデューサの大月俊倫氏が今回の『ヱヴァ』は『帰ってきたウルトラマン』だ!と独特の熱い語りでのたまってます。
帰ってきたウルトラマン - Wikipedia

郷の挫折と再起を描いた第2話や、当時ブームが続いていたスポーツ根性もの的要素を取り入れた第4話、二大怪獣とMATの激突を劇場怪獣映画並のスケールで描いた第5話・第6話など、新たなタイプの秀作が生まれている。このように、それ以前のシリーズにはない新たな試みが多かったが、残念ながら1クール目の視聴率は期待に沿うものではなかった。その原因としては、シリアスなドラマが子どもたちに充分受け入れられなかった(略)

ヱヴァンゲリヲン新劇場版 - Wikipedia
スタジオカラー(公式HP) まだ構築中。
χαρα (カラー)制作日記 変電所やダムの見学。

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