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2007.11.12

■核融合科学研究所 大型ヘリカル装置一般公開(1)
    LHD そのテクノロジーとアート

Lhdtile
土岐プラズマ・リサーチパーク 自然科学研究機構 核融合科学研究所
2007年度のオープンキャンパス
ヘリカル装置 (公式HP)

 以前記事(大型ヘリカル装置LHD)で紹介した、核融合科学研究所の一般公開に潜入。
 実は装置内部まで見学できるかと期待していたのだけれど、真空槽の中でクリーン度を保たれている内部には一般人が入れるはずもない。見学は装置外部と、そして試作機の置いてあるところにとどまった。

 上はその見学コースにあった大型ヘリカル装置の実物大試作品(全体リングの1/5部分試作)。だいたい外径3mくらいの大きな螺旋形立体構造物である。以前の記事の大型ヘリカル装置LHD内部の写真と比べると、螺旋部分の構造がイメージできると思う。このステンレスの螺旋は日立が製作したとのことだが、狭い空間での溶接技術に素晴らしいスキルを持った専門家の活躍があったとのこと。日本のテクノロジーはそうした職人技が支えているわけ。

 説明を聞いて、どんなことがこの装置で行われているかわかったのでここからレポート。実は核融合そのものの実験かと思っていたけれど、そこに至る過程として、一億℃(太陽の6倍強)の超高温で水素プラズマの作成実験をしているらしい。(まったく不勉強ですみません)

 合わせて核融合についての講演と、研究員の人としゃべっていろいろと教えてもらった。核融合の進歩が想像以上に進んでいて、新エネルギとしての未来の可能性を認識。科学装置の映像的センス・オブ・ワンダーを目的に行ったのだけれど、エネルギ革命のテクノロジーのセンス・オブ・ワンダーにしびれて帰ってきた。

◆LHDの構造と作動

 このステンレス製の構造物に超伝導コイルが螺旋状に巻かれ、真空容器に入れられる。容器は10^-10Torrの超高真空に引かれ、コイルは液体ヘリウムで-269℃に冷却され超伝導状態(抵抗値は35kmのコイルでわずか2mΩ)へ。

 そこへ電流が流し込まれ、3テスラという強磁場空間が作られる。そして内部には水素ペレットと巨大な熱エネルギが投入されて、高温のプラズマが作られる。プラズマは、この磁場によって螺旋内部に維持される。

 この時の電力は数字は聞き漏らしたが、冷却系まで含め、設置された土岐市全域の電力くらいが必要とされるらしい。

 構造について詳細は、超伝導ヘリカルコイルの完成と最終設置他。

Lhd02tile
 これは上のリンク先から引用した建造風景だけど、この雰囲気、まるでハリウッド映画の異星人の秘密基地(笑)。未来テクノロジーの脅威の映像がここに、って感じ。SFファンはこの光景にセンス・オブ・ワンダーを感じるはずです。

 なかでも美しいのは、右下のステンレスの光沢を湛えた螺旋状リング。世の中を革新するテクノロジーはこうした美しさとシンプルなダイナミズムを持っていることが、なんだかとても重要な気がする。未来のテクノロジーは魔法に見える、と言ったのはアーサー・C・クラークだけど、本当に革新のテクノロジーはアートとしても凄い、という気がする。
(残念ながらこの右下の写真は解像度が高くない。ネットで探してもこれしか見つからないのだけれど、もっと鮮明な写真をご存知の方、ぜひともご教示を)

 というわけで、見学で観たその他のLHD。大学でのこれらの試作評価が実をむすんで、大型のとてつもない螺旋のコイルが生まれたわけです。このアートの変遷をお楽しみあれ。

Lhd_old_tilt

 このテクノロジーに関する講演会のレポートは次回掲載予定。

◆関連リンク
プラズマ閉じ込め装置公開  岐阜の核融合科学研究所(動画)
・Blog ☆星のかけら☆核融合☆さんの 核融合実験装置の心臓部を公開
 こちらは核融合科学研究所に勤められている方のBlog。
プラズマ閉じ込め装置公開 岐阜の核融合科学研究所 (日経)
ライブカメラ プラズマが発生している映像 超伝導コイル 施設見学のご案内

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コメント

 もじらさん、はじめまして。

>>私も、11月10日のオープンキャンパス(一般公開)に行ってきました。

 あ、もしかしていっしょの見学ツアーだったかも。

>>アメリカのオークリッジ国立研究所に同じようなヘリカル型のプラズマ実験装置があるそうです。
ドーナツ型のヘリカル構造体をやはり同じように360度製作して接合しようとしたところずれがかなりあったそうです。
そこで、むりやり“ガッコン”と変形させて接続。
そのせいで期待通りのプラズマ封じ込めが出来ず、結局補正コイルを追加しているそうです。

 このネタは聞き漏らしました。
 極低温と一億℃が隣り合わせに存在する過酷な状況で、熱膨張収縮が発生する中、コイルの位置は2mmずれてもいけない、という説明は聞きました。

 地上の太陽は楽ではないですね。でもこの精度が必要なことが壊れた時のフェールセーフになるというのはメカニズム的にいい感じ。

 日本の技術力でビジネス的にも有利。

 来年もオープンハウスへ行ってみようと思ってます。一年でどう進化するか、楽しみです。で、ご近所でこんな未来が切り開かれているかと思うと、ワクワクします。

投稿: BP | 2007.11.15 23:50

私も、11月10日のオープンキャンパス(一般公開)に行ってきました。
“究極映像研究所”の所長さんと同じようにLHDの5分の1の螺旋構造体のところで感心してしまいました。
研究員の方の説明によるとこの構造体を最終的に360度製作して接続する時にわずか3mmのずれしかなかったそうです。
すごい!
アメリカのオークリッジ国立研究所に同じようなヘリカル型のプラズマ実験装置があるそうです。
ドーナツ型のヘリカル構造体をやはり同じように360度製作して接合しようとしたところずれがかなりあったそうです。
そこで、むりやり“ガッコン”と変形させて接続。
そのせいで期待通りのプラズマ封じ込めが出来ず、結局補正コイルを追加しているそうです。
LHDのこれを製作した溶接職人は、技能オリンピック金メダルクラスの人だそうです。
もうこの人達がいなくなったら、次期ヘリカル型プラズマ実験装置は製作不可能だなんて研究員の方は半分冗談で言ってましたよ。

投稿: もじら | 2007.11.15 18:43

 ミのつく職人さん、shamonさん、こんばんは。

>>空間喪失症になってもこれに触れば治りそうな造形です。開発の指揮をととっているのはやっぱり悪魔のような博士?

 核融合でもタンデムミラー方式は筑波大みたいですね。悪魔みたいな博士がいるんだろうか(^^;)。

Plasma Research Center HP - タンデムミラー方式

>>なんだかすごいですね~。私も行きたかったな・・・。
上野の「大ロボット展」でガマンしておきます(笑)。

 ロボットも夢があってうちのBlogのテクノロジー担当のBP(<<って全部一人の担当でまかなってるだろ(^^;;))の探索対象ですが、核融合もアイテムとして追加することが当Blog探索テーマ会議で決定しました。今後も地上の太陽のネタをピックアップします。

投稿: BP | 2007.11.12 23:13

連投失礼します。

なんだかすごいですね~。私も行きたかったな・・・。
上野の「大ロボット展」でガマンしておきます(笑)。

投稿: shamon | 2007.11.12 20:21

空間喪失症になってもこれに触れば治りそうな造形です。開発の指揮をととっているのはやっぱり悪魔のような博士?

投稿: ミのつく職人 | 2007.11.12 03:53

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