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2007.12.06

■デジタル3Dシネマ方式比較
  リアルD:REAL D
  v.s. ドルビー3Dデジタル:Dolby 3D Digital Cinema

デジタル3D CGシネマ 立体映画 REAL D
ロバート・ゼメキス監督『ベオウルフ/呪われし勇者』
(当Blog記事) 

 先日の記事でお約束したデジタル3Dシネマの方式比較。
 主に下記のサイトを参考にさせていただきました。その情報から比較表をまとめました。

注目の3D対決--映画館を支配するのはREAL D?それともドルビー?(CNET)
Real D方式、ドルビー方式(インフィティック:Infitec方式)等、各種解説
                          (大口孝之氏の特殊映像博物館)

          Projector_zsscreenhorz_3

  REAL D Dolby 3D Digital Cinema
(インフィティック(Infitec)方式)
左右画像生成 Z-Screenを使用し光を2方向に円偏光 RGBの波長が異なる映像を交互切替
フレームレート 144Hz 144Hz
3Dグラス方式 円偏光タイプ カラーフィルタ(50層)
3Dグラス値段 5セント 50ドル
スクリーン 特殊なシルバースクリーン 従来の映画用スクリーン
スクリーン値段 5500ドル -
最大投影サイズ 47フィート(約14.3m) 38フィート(約11.6m)
スクリーン欠点 2D時「ホットスポット」現象  

 表の青部分が二つを比較して優れているところ、赤が劣るところになる。
 残念ながら画質について明確に比較して記した情報は今のところ見つからない。

 仕組みから考えると、どうなるのか。フレームレートは同じ144Hz、144コマ/秒の画像が投影され、その半分の72コマ/秒の情報が左右の各眼球に見えることになる。
 REAL Dは偏光、Dolby 3Dは色の波長をずらすことで、左右の画像を分離しているところ。これによる色と光度の違いが、映像の質を決めることになる。投影された絵を写真で比較できると、ここの質の差があきらかになるはず。どこかで比較画像が発表されることを期待。

 REAL Dをワーナー・マイカルで観た感想としては、チラツキはほとんど気にならない。
 左右で各72コマ/秒というのは、かのダグラス・トランブルが開発したショー・スキャン方式の謳っていた60コマ/秒というリアルな映像にとって理想的なコマ数を超える数字なので、違和感にはつながらないのだろう。

 あえていうと、画像が少しだけ暗いような気がした。これは偏光版に対する光量の課題なのだろうけれど、普通の映画でも映画館によってバラつきがあるので、その範囲内くらいで問題はないように思う。さてDolby 3Dの絵も観てみたいものだ。

 あとこの比較表でいえるのは、劇場の投資と、メガネのランニングコストの違い。
 映画館で採用するのであれば、このスクリーンの値段なら、むしろランニングコストの方が観客数から考えて大きいので、REAL Dに軍配が上がりそうだけど、どうなんでしょう>>劇場業界関係者殿

 一方、家庭用の展開では、上と逆の理由で、DOLBY 3Dの可能性も。

 いずれにしても、こうした技術の進化は、とても素晴らしいことですね。

◆関連リンク
最新技術で迫力の立体映像を堪能できる3Dシネマ「ベオウルフ」が公開
ドルビーの新3D上映技術が「ベオウルフ」で国内初採用-12月より新宿バルト9など8館で3D上映

米Dolby Laboratoriesは28日、12月1日より全国公開される映画「ベオウルフ/呪われた勇者」を、国内8カ所の劇場において「ドルビー3Dデジタルシネマ」で3D上映すると発表した。

ITmedia +D LifeStyle:ドルビー、立体映画技術「Dolby 3D Digital Cinema」を公開
Real D(公式HP)
wiki Real_D
Real Dに関するニュース (Youtube)
REAL D社方式の立体上映劇場リスト
 (大口孝之氏の特殊映像博物館)
・・3-D無料体験イベント ~ “3-Dエクスペリエンスin WM” ~
デジタル3Dシネマ Real D (ワーナーマイカル)

 デジタル3Dでは、フィルム映写機では無くデジタルプロジェクターを用いて左目・右目のデータを1フレームにつき各3回(合計6回)を投影します。通常、映画は1秒間24フレームですが、デジタル3Dでは1秒間になんと合計144フレームでスクリーンに投影されます。これにより、実写、アニメ作品共に従来のフィルム映写機ではなしえなかった今までに経験した事が無い驚くほど鮮明な3D映像を、専用のメガネをかけるだけでご覧いただく事が出来ます。(略)

現在アメリカをはじめ、世界各国でこのデジタル3Dを導入する映画館が急激に増えています。

(略)2009年以降のドリームワークスのアニメ作品については全て3Dで製作・公開すると発表し、さらに、ジェームス・キャメロン監督は「タイタニック」以来の次回作、「Avatar」(2009年公開予定)も3Dで製作しています。

Dolby 3D
Stereographics Projection ZScreen® 

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コメント

 ma6pm3さん、貴重なお話、ありがとうございます。

>>ところがデジタルシネマの場合はハードディスクに非圧縮の音声を収納出来るのでドルビーデジタルを使う必要がなくなります。ドルビー研究所も早くからそれに備えてDOLBY 3Dを開発していたのでした。

 生き残りをかけた企業戦略としての3D、なんですね。面白い。3D映画の企業戦争ドキュメント、本にならないですかね。

>>3方式の比較イベントに参加した劇場関係者に聞いたところ、色の再現性ではDolby 3Dが一番良いと言っていました。

 さすが質にこだわるドルビー研究所ということでしょうか。

Dolby 3D、未見なので、どこかで一度観てみたいものです。

 これからもこうした情報があったら、教えて下さい!

投稿: BP(ma6pm3さんへ) | 2010.02.27 08:44

ear
音響関係の仕事をしています。映画のフィルムにはドルビーSRという4chのアナログ信号とドルビーデジタルという5.1chの音声をAC-3という圧縮信号にして記録されています。Dolby-SRは必ず入れるという映画業界の規定があります。
アナログとデジタルが入ったフィルムはSRDプリントといいます。ライセンス料が100万円以上かかります。
邦画だけでも年間300タイトルは上映されていますので3億円は黙っても入ってきます。洋画は制作国で払っています。確かに「映画の音は悪い、悪い」と言われていた映画音響に大革命をもたらしたのも事実ですからしかたがないとはおもいますが・・・それに対抗してDTSというCD-ROMをフィルムに同期させるシステムが開発されました。価格もかなり安いのとCD-ROMを替えれば他の言語にすぐ替えることもできます。ところがデジタルシネマの場合はハードディスクに非圧縮の音声を収納出来るのでドルビーデジタルを使う必要がなくなります。ドルビー研究所も早くからそれに備えてDOLBY 3Dを開発していたのでした。

DOLBY 3DとXpandを同じ劇場で見比べることはまだできないようです。「アバター」は新宿ならバルト9がDOLBY 3D、新宿ピカデリーがXpandです。2時間越えの3D映画を連ちゃんで見る気力はちょっとないですが、上映時間が合えば可能かもしれません。3方式の比較イベントに参加した劇場関係者に聞いたところ、色の再現性ではDolby 3Dが一番良いと言っていました。ただ
、スクリーンのサイズに限界がるので大きなスクリーンの劇場では難しいようです。(よく分からないと言う人もいました)ただ言えるのはXpandのネガネは大きく重くて小さな子供にはかけられません。あとは初期導入コストやランニングコスト、ライセンス料とか経済論になるのでしょう。

投稿: ma6pm3 | 2010.02.26 20:19

 Anonymousさん、貴重なコメント、ありがとうございます。

>>当館ではX-Pand方式(昔ながらの液晶シャッター)方式を採用しました。
>>X-Pand方式はメガネのコスト(一個約7000円らしい)はかかるものの、トランスミッター(赤外LEDアレイ)と専用の送出機さえあれば、もっともコストを喰うDLPとスクリーンは普通のものを使用でき、また工期も夜間に数日行うのみで終了しました。

 僕が行く映画館はREAL D方式ですが、毎回偏光メガネが試供されますが、これの代金も含めて2000円と映画一本としては非常に高いです。
 持ち帰りはできてもメガネが家に何個もあってももったいないばかり。

 X-Pand方式は、その点、メガネは劇場所有で貸し出しなわけですから、観客の財布にもエコにも嬉しいということでしょうか。

>>他社系列の近隣シアターも同方式を採用しているようですのでDLP未導入なシアターでは同じような方式がとられているのではないでしょうか。

 簡易的な工事でできるこのような方式で立体映画が拡大することは、ファンとして嬉しいです。

投稿: BP(Anonymousさんへ) | 2009.07.23 23:26

映画館のスタッフです。
当館ではX-Pand方式(昔ながらの液晶シャッター)方式を採用しました。
というのもスクリーンを代えるのも、ドルビーのシステムを導入するのも、現状のシステムを維持したままの変更には工期やイニシャルコストの問題で許容できないからです。
X-Pand方式はメガネのコスト(一個約7000円らしい)はかかるものの、トランスミッター(赤外LEDアレイ)と専用の送出機さえあれば、もっともコストを喰うDLPとスクリーンは普通のものを使用でき、また工期も夜間に数日行うのみで終了しました。

観客から見たら、追加設備はメガネだけのように見えますけど、映画館的にはソフトの送出からDLP、フィルター、スクリーン、トランスミッター、オートメーションなど大きな変更になります。
スクリーンにしても工事費と工事中の収益を含まない単体での値段でしょう。特にドルビーはライセンス料が馬鹿高く・・・
しかも当館ではDLP映写機自体が初めての導入であり、常設ではなく移動式だったりします。プログラムが変更になると映写機が移動するんです。

他社系列の近隣シアターも同方式を採用しているようですのでDLP未導入なシアターでは同じような方式がとられているのではないでしょうか。

投稿: Anonymous | 2009.07.21 03:58

 電気屋エディさん、はじめまして、こんばんは。

>>いつも楽しく拝読させていただいております。特殊映像博物館の大口孝之さんが脳溢血で入院されたとの事。様態は安定している様子で少し安心。下記サイトで詳細がわかります。以上お知らせまで。

 ちょうど大口さんの本を紹介したばかりでした。このニュースはびっくりしました。大口さん、大垣なのですね。わりと私、近くです。これも何かの縁でしょうか。

 早いご回復を陰ながら御祈りいたします。

投稿: BP(電気屋エディさんへ) | 2009.06.27 19:56

いつも楽しく拝読させていただいております。特殊映像博物館の大口孝之さんが脳溢血で入院されたとの事。様態は安定している様子で少し安心。下記サイトで詳細がわかります。以上お知らせまで。

http://groups.google.co.jp/group/siggraph-tokyo?pli=1

投稿: 電気屋エディ | 2009.06.24 12:15

 般若さん、はじめましてこんばんは。

>>違いはなにが大きいか 一概に言えないのでが、立体固有の画質としては 左右像の分離 逆に言えば 左右像のもれ(見かけとして 像のボケ あるいは影のような二重像)がどうなるか 特に 静止状態で 背景とのコントラストが高い像、奥行きが大きい場合などで判りやすいのですが 如何でしょう 

 こればっかりは見比べてみないとなんとも言えません。でも僕が見たRealDは、液晶シャッター式のIMAX 3Dとかとほとんど遜色なかった印象。たぶん画質の差はよほど時をおかないで見比べないとわからないくらいではないでしょうか(いいかげんな推定です(^^;))。

 「ベオウルフ ー 呪われし勇者ー」で2方式が見比べられるくらい近くでやっているところはないのでしょうかね。たぶん東京かな。

 どっかのBloggerがトライしてくれないかなー。

 ではでは今後ともよろしくお願いします。

投稿: BP | 2007.12.19 23:52

11月26日(月)、新宿バルト9にて「ベオウルフ ー 呪われし勇者ー」のプレミア3D試写会イベントが開催された。バルト9では「色波長分離 ドルビー3Dデジタルシネマ」方式にて上映され>た、そうですが、 本記事の 偏向旋回分離 のRealD の 同じ映画を比較されれば良かったですね。

>これによる色と光度の違いが、映像の質を決めることになる。>
違いはなにが大きいか 一概に言えないのでが、立体固有の画質としては 左右像の分離 逆に言えば 左右像のもれ(見かけとして 像のボケ あるいは影のような二重像)がどうなるか 特に 静止状態で 背景とのコントラストが高い像、奥行きが大きい場合などで判りやすいのですが 如何でしょう 
ご意見を メールして頂ければ幸いです

投稿: 般若 | 2007.12.16 18:50

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