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2007年4月29日 - 2007年5月5日

2007.05.05

■新刊メモ他 奇想コレクション 『失われた探険家』
  タカラトミー 二足歩行ロボットおもちゃ 『Omnibot2007 I-SOBOT』

Ushinawareta_tankentaiパトリック・マグラア, 宮脇孝雄訳『失われた探険家』(Amazon)
   (河出書房新社公式HP)

12歳の少女が庭で見つけた、行方不明の探検家――現代のポーと激賞される異色作家が綴る、グロテスクで官能的な世界。SF寓話からゴシックホラーまで全19篇。待望の全短編集。

 デヴィッド・クローネンバーグ監督『スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする』 の原作兼脚本家 パトリック・マグラアの短編集。『スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする』は渋くて良かったので、この短編集も読むのが楽しみ。

◆松尾たいこ<奇想コレクション原画展>開催 河出書房新社

松尾たいこ<奇想コレクション原画展>
期間:4月23日(月)~5月6日(日)  会場:丸善丸の内本店3F 

 ミステリ、ファンタジー、ホラー、現代文学のジャンルを超えて、「すこし不思議な物語」の名作を集めたアンソロジー・シリーズ「奇想コレクション」。松尾たいこさんは、この不思議な世界を、カバーのわずかな面積で 毎回表現しています。その貴重な原画を今回、一挙に初公開!この機会に、松尾たいこさんが描き出す<奇想ワールド>をご堪能ください。

 紹介記事を書くのが遅れて、すでに今日が最終日です。最近SFの表紙にどんどん進出している松尾たいこ氏の原画。近くなら覗いてみたかったのですが、、、。何故海外SFの表紙にこの方のイラストが増えているのか、ご存知の方、教えてください。イラストとしては嫌いでないのですが、奇想コレクションに合うとは僕にはなかなか思えないので、、、。

タカラ『Omnibot2007 I-SOBOT』(Amazon)
 タカラトミー、31,290円の二足歩行ロボット「Omnibot2007 i-SOBOT」正式発表.

商品名    :『Omnibot2007 i-SOBOT(オムニボット 2007 アイソボット)』
価格     :31,290 円(税別価格 29,800 円、税 5%:予価)
商品サイズ :(W)96×(H)165×(D)67 ㎜(ロボット本体)
商品重量  :約 350g(バッテリー含む)
発売日   :平成 19年7月予定
年間販売目標 :5 万個

 この手の2足歩行ロボットとしてはお手ごろな値段。どのくらい遊べそうか、まずはおもちゃ屋でいじってから検討ですかね。Amazonの取り扱いはスタートしたけれど、店頭にはいつから並ぶんだろう。

◆関連リンク
・パトリック・マグラア, 富永和子訳『スパイダー』(Amazon)
パトリック・マグラア脚本,デヴィッド・クローネンバーグ監督
        『スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする』
(Amazon)
・松尾たいこ氏公式HP、Blog a piece of life

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2007.05.04

■刈谷市美術館『チェコ絵本とアニメーションの世界』感想

Czech_illustration_animation
 刈谷市美術館 『チェコ絵本とアニメーションの世界』(当Blog紹介記事)
 
 チェコ絵本・アート本のネットショップ クリチカさんから招待券をいただいて行ってきました(クリチカさん、本当にありがとうございました)。

 刈谷の駅を降りると、駅のコンコースにはこの展示会の大きな垂れ幕があります。そして歩いて10分ほどの美術館には上のような看板。以前のトゥルンカ展の時もそうですが、こうしたチェコの大きな文字とその独特の作品の一部が街の中に現れると、それだけでなんだか浮き浮きと嬉しくなってしまいます。

美術展の全体

Czech_illustration_animation_table  展示は美術館の一階と二階のほぼ全体を使っており、絵の展示が二会場、プロジェクタによる大画面での絵本映像とアニメの映写が一会場、そしてモニタによるアニメ紹介が4箇所。他に茶室での展示に関係したお菓子の茶会と、手にとって絵本や美術書を見られるコーナー(シュヴァンクマイエルの本やチェコ総合情報誌 CUKRも置かれていました)。右が映写会場のプログラム(クリックで拡大表示)。絵本映像というのがなかなか良かったです。これはこの展示会のために作られた映像で、子供が絵本をめくっていく映像を収めたもの。絵本をめくる手の動きから、子供のワクワク感がどっか伝わってきて、いい感じに出来上がっていました。

作品メモ

 実はチェコアートと言っても僕が知っているのは、ヤン・シュヴァンクマイエルとエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー夫妻、そしてイジー・バルタ、トゥルンカ、ブジェティスラフ・ボヤールといった一部のアニメーションアーティストのみ。絵本の世界は、時々目には触れているけれども実はその作家の名前も良く知らない、という素人。

 以下、作家の名前を意識しながら作品を見たのは実は初めてというような素人の感想ですが、興味を持った作品についてメモします。

オンジェイ・セコラ:Ondrej Sekora 『アリのフェルダ』 (Googleイメージ検索)
  『ミッキー・マウス』の誕生から数年後、チェコで生まれた秀逸なキャラクタ。絵のタッチがとても柔らかくて、そしてキャラクタが活き活きとして味わい深い。
 会場では人形アニメ版を上映していたが、僕はこの作家のタッチのままでセルアニメになったものが観てみたかった。

エヴァ・ベドナージョヴァー:Eva Bednarova 『チューリップ大尉とボルドーのお姫さま』 (Googleイメージ検索)
 図録を見ながら描いていますが、やはり原画が圧倒的に良かった。こちらはセコラと違って絵画的なタッチ。重厚で幻想的なイメージがよかった。モノクロ調の『レニと呼ばれた私』も好きです。

エヴァ・シェディヴァー:Eva Sediva 『パシャダイ王子をルツカがどうやって助けたか』
 淡い透明感のある水彩の絵。これは絵が不思議なイメージでストーリーを是非知りたくなった。大きな目玉の赤い鳥はいったい何なのだろう。

ヴラスタ・バラーンコヴァー:Vlasta Barankova 『Nの街から』 (Googleイメージ検索)
 時計塔の中でテーブルを囲む3人の男と、時計にとまる襟巻きをした大きなカラス。ぐりぐりと力強いイメージが絵から立ち上がってきた迫力のある1枚。

ペトゥル・シュマレッツ:Petr S'malec 『シュマレッツのアルファベット』
 残念ながらネットにはこの方の絵が見つからない。ディジタル彩色でくっきりきっちりとした絵だけれど、なんだかぬぼっーとした感じがとてもいい。セコラのフェルダが絵の一角に登場しているのも楽しい。

ペトゥル・シース:Petr Sis  :Hlavy
 これは上映されていたアニメーションの一本。ジョゼッペ・アルチンボルトにインスパイアされた作品。これは今展示会の映像作品の中で一番刺激的だった。 

刈谷とチェコアートの関係

 クレジットを見ると図録の「編集」は、刈谷市美術館学芸員 松本育子氏と株式会社イデッフ 柴田勢津子氏となっている。図録の中には松本育子氏氏による「ハヴリーチクーフ・フロト美術館を訪ねて」というエッセイが収録されている。ハヴリーチクーフ・フロト美術館は絵本のイラストレーションを専門にコレクションしているチェコの美術館で、多数の所蔵作品を今回の美術展に提供されているが、エッセイでは2005年にこの企画展のための調査で、松本氏がチェコのここを訪問されたことが綴られている。

 ここから判断すると(明確には書かれていないので私の推測)、この展示会を企画されたのは刈谷市美術館の松本育子氏ということになるかと思う。(以前の『イジー・トゥルンカ展』でも図録の編集に同じく松本育子氏と柴田勢津子氏の名前がある。)

 我が愛知県刈谷市に、こうしたチェコアートへのアプローチを続けている美術館のキュレータの方がいらっしゃるのは大変嬉しい。もともとトヨタがチェコに工場を持っていることから(プラハにはトヨタがネーミングライツを持った「レトナスタジアム」というサッカー場がある)、三河地域とチェコとは産業的な交流が多くなっているので、こうした取組みで文化的な交流が進むのはとてもいいことだと思う。(というか自分の好きなものが街の美術館に飾られるのが単純に個人的に嬉しいだけですが、、、。)

 あと調べてみると、株式会社イデッフは、2005年の神奈川県立近代美術館で開催された『造形と映像の魔術師シュヴァンクマイエル展幻想の古都プラハから』でも企画協力。さらにI.D.F.Incの名で『トゥルンカ展』とか『ブックデザインの源流を探して』『フランスコミック・アート展』といった展示の企画協力をされている。

 なんか気になって調べていくうちに、この部分の記述が増えてしまったけれども、今回の展示を楽しませていただいて、このお二方のご尽力に感謝します。今後もこうした企画を続けていただけることをチェコアートのファンの一人とし願ってやみません。

ミュージアム・ショップ
 絵本とか本を中心にポストカードやらトゥルンカのバッグ、箱、マッチ、ピンバッチ等々、チェコ絵本関連のグッズがたくさん並んでいた。どれも自分ちに飾れたらいいなーと思いつつ、結局図録のみ購入。
『チェコ絵本とアニメーションの世界』(Amazon)
 本展示会図録(上のリンク先はその書籍版)。全150ページにわたる展示作品と関係各位のエッセイ等が楽しめます。なぜかアニメーションのところはイジー・バルタへのインタビューでこれも嬉しかった。

・ほしかったのだけれど、随分収録作品に他の本とダブりがありそうで購入しなかったのが、イタリアのサン・ルドヴィツォ画廊(パルマ)で開催されたヤン・シュヴァンクマイエルとエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー夫妻の『記憶のアニメーション-アニメーションの記憶』展図録\6300。中身は残念ながら見られませんでした。
展示会詳細(.doc) Mostre Palazzo Pigorini
Parma. Palazzo Pigorini e Galleria San Ludovico 19.10.2003 – 4.1.2004

◆関連リンク
チェコ絵本[古本]のネットショップ【kulička-クリチカ-】さんのBlog記事
 【チェコ絵本・チェコアニメ】 - 【チェコ絵本とアニメーションの世界展】目黒区美術館
・当Blog記事 「イジー・トゥルンカ展 見学

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2007.05.03

■中国 北京石景山游来園 : Shijingshan Amusement Park
  国営遊園地で○ィズニー,キティ,ドラえもん他ニセモノ跋扈

Shijingshan_amusement_park

Disneyland in China (Youtube)
北京石景山游来園(公式HP)

 せっかくの春だというのに、昨日骸骨ネタにしてしまったので、今日はGWらしいネタ(^^;)。TVニュースを見てたら、中国の行楽地の紹介がありました。

 詳細はリンク先のYoutubeニュース番組引用を観てもらうとして、この中国国営の北京石景山遊園地、入場口にはってあるキャッチコピーが「ディズ○ーに行くのは遠いので石景山遊園地へ行こう !」(^^)。
 んで、中にはミッ○ーやドナ△ドや○ンデレラ城。21年前にオープンした遊園地らしいがいつからこんな状態なのか、、、??

 社長はインタビューで、あれはネズミではなく耳の大きなただの猫ですと答え、従業員はミッ○ーやドラえもんであると断言、「香港のデ○ズニーランドで勉強してきました。技術や踊りなどはディ△ニーに少し劣ってますが、ほぼ同じです」と自信満々で答える。たしかに公式HPには耳の大きい猫のオリジナルキャラクターが出てますが、、、。

 まさにバチモンランドという言葉がぴったり、素晴らしく面白いランドになっているようです!!従業員の力の抜け方も素晴らしい。
 ゴールデンウィークには、古今東西の有名キャラが一堂に会したこんな夢のような場所に是非行ってみたいものです。

 北京は遠いので、大阪でいっそバチモンランドというのを作ったら受けるかも。
 うまい棒のあのキャラクタや、その他もろもろ、著作権ギリのキャラクタだけ集めたら壮観かも。キャラクタが全員大阪弁で話し、ぬいぐるみの頭は脱ぎ放題。脱テーマパークな究極のキャラクタランドというのは魅力的かも(子供は連れて行けません(^^;))。、、、でも石景山遊園地のこの"ホンモノ"の面白さには勝てないかも。

※追記
・3/4のTVで日本にいる中国人留学生にインタビューしていたけれど、彼らも特に違法であるという認識は持っていないような発言だった。「もともとかわいらしいものを子供たちに伝えてあげたいからキャラクタは生まれた」、なのでそれを広めるのはむしろいいことでは、とコメントする女子学生。やはり中国は筋金入りの"ホンモノ"だ。

◆関連リンク
FAKE Disney Land IN china 偽ディズニーランド (Youtube)
DisneyLand in China? (Youtube)
国営アミューズメント・パークで、ディズニー模倣
 - 中国 AFP BB News - BETA -

中国“国営”遊園地の暴挙にアメリカ政府も激怒
 まあ一企業の都合で著作権法自体を変更してしまう国ですから、、、。
 →・アメリカの著作権延長法について(バーチャルネット法律娘)

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2007.05.02

■Kris Kuksi : クリス・クゥクシ 骸骨による戦争アート

Kuksi_lust_and_self_abuse_1 Kuksi_parasite_and_host_1
    Lust and Self Abuse             Parasite and Host
kuksi.com (GIGAZINE経由)

ガイコツや戦争をモチーフにしたようなアートで、ちょっとグロテスクな印象を受けるオブジェの数々です。

 Kris Kuksiというアメリカの34歳のアーティストの作品群。これはインパクトがあります。上の写真はオブジェの全体像。ガイコツと戦争を全体のフォルムとして、ディテールにこだわった偏執狂的とも言える作り込みが素晴らしい。

Kuksi_culture_cleansing_machine Kuksi_the_mouth_of_hades
   Culture Cleansing Machine       The Mouth of Hades
 ディテールを拡大したのがこちら。
 兵士と兵器とゴシック風の建築。右の写真のようにヤノベケンジ的なサバイバルな雰囲気の彫像もあります。

 これらで思い出すのが、H・R・ギーガーとシュヴァンクマイエルの撮ったチェコのクトナー・ホラにある墓地教会コストニツェ(kostnice)。特に後者のイメージとの近似が顕著。(コストニツェについてはununさんの素晴らしい写真館を参照ください)
 Kris Kuksi:クリス・クゥクシ氏は、コストニツェ他の骸骨礼拝堂を知っているのだろうか。全く影響なくこのイメージが独自に産みだされているとしたら凄い。

Kuksi_propaganda_ambush_machine_2_1   あと右のような政治的メッセージを持った作品もある。タイトルは"Propaganda Am-Bush Machine 2"。現在のアメリカの状況を考えれば、アーティストとしてこうしたアプローチが出てくるのは当然なのかもしれない。複雑なのだが、どんどんこうした強烈なアプローチは出てきてほしい気もする。

 その他、公式HPで紹介されている絵画作品、特に精緻なポートレイトとかなかなか素晴らしいのでお薦め。

◆関連リンク
・チェコのクトナー・ホラにある墓地教会コストニツェ(公式HP)
kuksi's deviantART Gallery アーティスト本人についてはここが詳しい
Kris Kuksi(グーグルイメージ検索) 
www.myspace.com/Kris Kuksi
deviantART Shop: Propaganda Am-Bush Machine 2
 ここのショップで写真が購入できます。
『ヤン・シュヴァンクマイエル 「ドン・ファン」その他の短編』(Amazon)
 短編「コストニツェ」はこのDVDに収録。

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2007.04.30

■岡田斗司夫総監督 『図録 王立科学博物館』

Ouritsu_zuroku
図録 王立科学博物館(三才ブックス刊)

発売日 07年04月26日  シリーズ名 王立科学博物館
製品仕様 A4判 210ページ オールカラー
解説 総監督:岡田斗司夫 造形企画制作:海洋堂

2003年から2004年にかけてリリースされた「王立科学博物館」(発売:タカラ、企画:岡田斗司夫、フィギュア製作:海洋堂)。この人気食玩シリーズの、ファンから高く評価されたリーフレット23編をまとめて、愛蔵版の書籍として編集致しました。ハイクオリティな誌面を高解像度で再収録し、末永くご愛顧いただける豪華装丁にてお届けします。

 これ、今日、本屋で見かけました。凄くほしかったのだけれど、書籍部分の中身がみれなかったのと高価なので見送りました。下記リンクではプレミアが付いているようなので、買っとくべきでしたかね。

 上のリンクからたどると、スペースシャトルのフィギュアがなかなか素晴らしい感じ。
 これがアポロだったら僕は落ちていたでしょうね(^^)。お好きな方はお早めに。

図録 王立科学博物館(Amazon) 既に在庫なし。
 ユーズド\4980が出てるけど、暴利じゃないかぃ。
楽天検索

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2007.04.29

■細田守監督 『時をかける少女』
  「アノニマス 逸名の名画」展 『白梅ニ椿菊図』の邪推

 今日は、初夏のような青空の日だった。で、昨年夏公開の青空が印象的なこの映画をDVDで観た。いまさら僕が言う必要もないのだけど傑作。脚本の瑞々しさと演出の組み立ての緻密さ、そして作画の活き活きとした躍動感。一級の夏の記憶の映画。
 既にネットに限らず、あちこちで語られ、きっとこれから書くことはどこかで既に語られていると思いつつ、僕が一番この映画で書きたくなったポイントについてメモ。

★★★★★ ネタばれ 注意 ★★★★★

Shiraume_nitsubaki_smal_1
 これらの絵は映画を観られた方なら、説明はいらないかもしれない。
 左から、①細田版『時かけ』の青空 ②「玄奘三蔵像」 ③「白梅ニ椿菊図」 ④「隠岐配流図屏風」。②~④はDVDの48minの時点で、主人公紺野真琴が芳山和子といっしょに国立博物館「アノニマス 逸名の名画」展を観るシーンで登場する作者不詳の絵画である。

 この映画でキーとなるのが③「白梅ニ椿菊図」。芳山和子が映画でこのように語っている。

 この絵が描かれたのは何百年も前の歴史的な大戦争と飢饉の時代。
 世界が終わろうとしてた時、どうしてこんな絵が描けたのかしらね。

 普通に考えればこの絵は過去のいつかの時代に日本で描かれた絵ということになるだろう。だけど僕が違和感を持ったのが「世界が終わろうとしてた時」という言葉。日本のいつの時代かの国の没落に、「世界が終わろうとしてた時」という表現を使うことの違和感である。

 この違和感と、未来人である間宮千昭がわざわざこの絵を観る為に過去へやってきたという事実を組み合わせて、僕は映画のクライマックスで、たぶん邪推なのだろうけれど、こんなことを考えていた。

 間宮千昭は、未来の滅亡寸前の地球から、その時代の希望をなんらかの形で象徴する「白梅ニ椿菊図」を観に来たのではないか。そしてその「白梅ニ椿菊図」は、かつてタイムリープをした芳山和子(もしくは彼女とコンタクトしたケンソゴル)が未来から現代へ運んだものではないか、という邪推。このように考えると、なんだかクライマックスの余韻はさらに深みを増すような気がする。

 この邪推はともかくとして、映画の前面に流れているコミカルで快活な前向きの意志と、背景に横たわる死の気配。これら4枚の絵に表出するそれらの陰影が、このアニメーションを印象的なものにしているのは間違いない。

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  「アノニマス 逸名の名画」展 『白梅ニ椿菊図』の邪推"

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