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2007年5月6日 - 2007年5月12日

2007.05.12

■NHK 磯光雄監督 『電脳コイル』スタート
  第1話 「メガネの子供たち」 と ミックスドリアリティ

ima-ima's INFO(磯光雄HP) 監督の言葉

随分と長くかかってしまいましたが、ついにと言うか、とうとう「電脳コイル」が5月12日午後6時半から放送開始です。

最初は深夜枠とかでこそっと放送されるのだろうと思い高をくくっていたのですが、思いがけなくいい枠を頂いてしまい、ちょっとどぎまぎしています。

 ついに待望の磯光雄初監督作品『電脳コイル』がはじまりました。

◆第1話 「メガネの子供たち」 (NHK,徳間書店(公式HP))

 第一話は、『電脳コイル』の世界がどんなものかを説明しつつ、なかなかいいテンポで、大黒市へ引っ越してきた主人公小此木優子のものがたりをスタート。
 ストーリー運びとこれはいったいどんな世界なんだというワクワク感があっていい感じ。ただ子供には、面白い事象があるけど、いったいこの世界は何って感じかも。

ミックスドリアリティ

Dennou_coil_itodennwa_1  『電脳コイル』が描く世界は、コンピュータの電脳空間(ヴァーチャルリアリティ(VR、仮想現実感))が、メガネ型ディスプレイを通して、現実の街の中に現れるミックスドリアリティ(MR、複合現実感)の世界である。

 「メガネの子供たち」というタイトルは、ミックスドリアリティのキーポイントとなる「メガネ」で自由自在にMRな世界を遊び場に楽しんでいる子供たちをズバリと表現している。フィジカルに子供が走り回る現実の街に、ドラえもんの秘密道具と同じに小さなカバンの空間から電脳ツリザオが取り出される世界。

 ただの電脳空間でなく、子供が飛び回りつつ不思議なものがいくらでも街の中に現れることのできる世界を(メガネへの投影とたぶん触覚、質量のフィードバックだけどね)、現実の技術の延長で説得力を持って設定できているのが凄く面白い。(ここまで徹底してやってるのって、今までないよね?)

ヴァーチャルとフィジカルの共存

 だけど面白いのは、第一話でデンスケが古い電脳空間から戻れなくなって、主人公が本気であせったように、ただの投影ではあるけれど、電脳空間の中では投影ではなくまさに実在である、っていうところ。

 現実の世界の重みと、電脳世界のヴァーチャルな存在の重みが等価で、登場人物の前に現出するというところが、物語の可能性をいろいろと予感させて、とても楽しみ。現在2007年の世界も、われわれの現実に対して電脳仮想世界のリアリティはどんどん増している。それがもっと進んだ世界で子供たちはどんな冒険をするのか。

 フィジカルに走り回る作画の達人たちによる漫画映画の楽しみと、エッジのきいたヴァーチャルなダイナミックさを共存させるのに、とてもいい設定だと思う。アニメータとしての磯光雄の才能を、物語作家としての磯光雄の設定が、うまく活かしてゆける設定。

そして現在へ投げかけるもの(なんちって)

Dennou_coil_book  もっと突っ込んで書くと、実は電脳がない時代でも、ヒトの現実は脳という仮想世界と共存していたわけで、それがミックスドリアリティという技術で、誰でもが当たり前のものと認識しているのが『電脳コイル』世界である。

 現実と仮想(電脳)の関係を、ある程度、正確に認識できる世界で、子供たちがどう賢く動いていくか。これはまだ現実と仮想(人体の脳)の関係があいまいな現代の子供たちに、何らかの行動指針を与えることが出来る設定でもあり、今後の展開が期待される。

 街の中に平然と不思議なものが現れる大冒険漫画映画になる期待も大きく、とにかく続きが楽しみ。次週「コイル電脳探偵局」をお楽しみに!! 

◆関連リンク 当Blog記事

<電脳コイル>
アニメータ磯光雄 と 監督作『電脳コイル』
アニメーター磯光雄と金田伊功と脳の構造の関係
『電脳コイル』 スタッフ公開!  
NHK試写会記者会見リンク
NHK教育『電脳コイル』 はハイビジョンか?
『電脳コイル』TAF2007プロモーション映像 
『電脳コイル』その他

<現実と仮想と脳の関係> サブカルよりの話
 池谷裕二『進化しすぎた脳』について
 感想 1 「脳と無限の猿定理」 感想 2 「無意識の脳活動と芸術家の「半眼」」 
 感想 3 「脳のトップダウン構造と視覚」 
 ※ミックスドリアリティと関係が強いのは感想3

以下、邪推ですが、ネタばれになりそうな部分を含むので、ご注意を

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  第1話 「メガネの子供たち」 と ミックスドリアリティ"

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■朗読ギグ 古川日出男×向井秀徳 放映&ネット配信
  単行本『ハル、ハル、ハル』刊行

古川日出男公式サイト インフォメーション

・KIASMA.vol.18「古川日出男ץ向井秀徳」(5月3日開催)で繰り広げられた古川さんと向井さんのセッションのダイジェストが、スペースシャワーTVの番組「爆音アトモス」内で放映されます。

・7月5日 単行本『ハル、ハル、ハル』が河出書房新社から刊行

Furukawamukai_1爆音アトモス
 (スペースシャワーTV) 
 ライブ:
 古川日出男×向井秀徳

 初回:5/9(水)
  21:00~22:00
 再放送:5/12(土)
  22:00~23:00
 再放送:5/15(火)
  24:00~25:00

 まさかTVで観られるとは思っていなかった。放映されたのは約7分。
 そこには『ベルカ、吠えないのか?』を熱く朗読する作家古川日出男とエレキギターを弾くロックミュージシャン向井秀徳の姿が。茶の間に。

 最初観た時は、朗読のリズムが自分の思っていたイメージと合わず奇異な感じ。
 そして2回目。頭の中に文字を思い浮かべ、手元の『ベルカ、吠えないのか?』をめくりながら観る/聴く。

 放映されたのは、P106「外見のまるで異なる雑種の七頭の子犬たち」~P112「同時に蒼穹を見上げていた」まで。+目次の各章タイトルの熱唱。

 やっと『ベルカ、吠えないのか?』のリズムが/作家の感じているリズムが、頭の中に体の中に染みてくる。向井秀徳の音も素晴らしい響きに。

 クライマックスは、ジャーマンシェパードの母犬シュメールとそのハイブリッドの七頭の子犬が、無重力の空間にいるソ連のライカと視線を合わせる「イヌたちの歴史に残る、あの1957年」のシーン。途中から向井の朗読/ボーカルがかぶる。ここが圧巻。

 素晴らしいギグに拍手を送りたい。

 再放送と、5月下旬からネット配信(http://www2.spaceshowertv.com/DAX/)もあるので、古川日出男を読まない人も彼の文学のイメージを体感できると思う。
 ファンの方は、NHK週刊ブックレビューで朗読する古川日出男を観た人もいると思うけれど、音楽とシャウトであれとはまた別種。

河出書房新社|特集|「ハル、ハル、ハル」刊行記念特設サイト

「この物語はきみが読んできた全部の物語の続編だ」
文学の臨界点に挑み続ける古川日出男の最高傑作。いよいよ7月7日発売決定!

古川さんへの質問を大募集。
いただいた質問、古川さんからの回答は7月7日発売の「文藝」秋号にて一挙掲載!

掲載させていただいた方にはなんと、「ハル、ハル、ハル」刊行記念・古川さん自身による朗読サンプラーCDを差し上げます。締切は6月1日AM0:00。

古川氏メッセージ「生まれながらのフィクション原理主義者として、親にも国家にも担当編集にも嘘をついてきましたが、読者にだけは嘘をつきません。何でも訊いてください。」

 「全部の物語の続編」、こりゃまた凄いチャレンジです。「読むものを狂気に導き歴史さえも覆す一冊『災厄の書』」を宣言して、作中作として描き上げた『アラビアの夜の種族』に続き、途方もない「全部の物語の続編」への古川のチャレンジを瞠目して待ちたい。

 朗読サンプラーCD、絶対ほしい!

◆関連リンク
「古川日出男×向井秀徳 in KYOTO」information
 (KIASMA:キアズマさんの ライブイベント紹介ページより)
ふなさんのblog真昼に見る夢 ■[ライブ]古川日出男×向井秀徳
 詳細にレポートされています。『ベルカ』のセッションがクライマックスだったとのこと。

・当Blog記事 『聖家族』シリーズ 朗読ムービーファイル
『爆笑問題のススメ』 古川日出男の巻 『ロックンロール七部作』 『ボディ・アンド・ソウル』 『ベルカ吠えないのか』  『LOVE』 NHK週刊ブックレビュー 特集 古川日出男『LOVE』を語る

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2007.05.09

■リアル板野サーカス
  航空ショーでの迫力ある赤外線フレア射出シーンの写真

Itano_circuse
惊险刺激的战斗机飞行表演 (赤外線フレア射出シーン)
C-130 Deploying It's "Angel Decoy" (天使の羽根を持つ戦闘機のムービー)
 (航空ショーでの迫力ある赤外線フレア射出シーンの写真 - GIGAZINE経由)

 いつも興味深い話題を提供されているGIGAZINEで見ました。
 まさにアニメータ板野一郎氏の板野サーカス(wikipedia)を地でいく素晴らしい映像。僕が稚拙な文で表現してもこの凄さは伝わらないので、とにかくリンク先を観てください。

ミサイル乱射シーン
ロケット花火遊びが活かされた板野サーカスの代名詞。ロックオンした標的へ一直線ではなく、複雑かつ立体的な軌道で迫る無数のミサイル。糸引く白煙の芸術的な航跡から通称「納豆ミサイル」と呼ばれ、それらを緊急回避する標的機の機動も見所となっている。従来のロボットアニメではサブウェポン扱いだったミサイルに着目し、破壊力よりも「弾数の多さ」でけれん味を演出している。

 中国の歌嘹亮さんという方の引用された写真なので、中国の戦闘機でしょうか。(どなたか詳しい方、コメントください。)

※5/13追記 STB-1さんの情報
 ロシアのスホーイ社製戦闘機Su-27「フランカー」でこれはアクロバットチーム「ロシアンナイツ」(ルスキーエビチャージ)の演技。

◆関連リンク
板野サーカス動画集
第3回 板野サーカスの神髄
(WEBアニメスタイル COLUMN アニメ様の七転八倒 小黒祐一郎氏)

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2007.05.08

■デヴィッド・クローネンバーグ監督『ヒストリー・オブ・バイオレンス』

History_of_violense ヒストリー・オブ・バイオレンス Trailer (APPLE)
ヒストリー・オブ・バイオレンス - 映画作品紹介 
A History of Violence (公式HP)

 エド・ハリス、ウィリアム・ハートら名優と並んで、素晴らしく深みのある役をヴィゴ・モーテンセンが見事に演じている。

 デヴィッド・クローネンバーグの渋い演出と、このV.モーテンセンの演技で素晴らしい映画になっていると思う。お薦め。

★★★★★★★ネタばれ注意★★★★★★★

 特に良かったのが写真のシーン。
 ここでモーテンセンの眼と体の動きが切り替わる。内面から隠れていたものがウニュっと現れる不気味さが見事に表現されている。
 記事を書くのに、改めてそこだけ見直してみたが、それだけでは凄みはあまり感じられなかった。映画の連続性の中で、微妙な演技の違いで観客に「変わった」と思わせているようだ。このニュアンスのつけ方が素晴らかった。

ジョン・ワグナー, ヴィンス・ロック『ヒストリー・オブ・バイオレンス』
 (Amazon) 原作コミックの翻訳版。このAmazonのカスタマーレビュウによると、賛否両論だけれども、コミックは映画とずいぶん違う印象のようです。

History_of_violense_comic_1  Vince Lockeの描く主人公はこんな顔。ずいぶん映画と違う顔。

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2007.05.07

■デジスタ 山路直樹作『うんぴつ』
   & 『アニメギガ』オープニング 

Unpitsu_2
アニメギガAnime Giga (NHK) 水曜日 00:00~00:39 [BS2],  18:00~18:39 [BS-hi]

5/30(水) 0:00-0:39 
世界が認めるアニメーション表現の最前線 今敏さん(アニメーション監督)

 という話題ではなく、今回はこの番組のオープニングについて記事にします。
 黒子が二人、ビルの谷間を駆け抜けて、空中に筆で雲の文字を書く(運筆/雲筆)、この印象的な映像について。

 この映像は、デジスタ出身のアーティスト山路直樹氏の作品。で、その元となった作品が『うんぴつ』というデジスタセレクション作品。

Unpitsu_3デジタル・スタジアム(06.10/14,キュレーター:ピエール瀧)

うんぴつ UN-PITSU   山路直樹 Naoki YAMAJI

Mr.中谷
 (略)背景となる写真を撮影します。ちょっとずつカメラの角度を変えながら、何枚も撮っています。撮影した写真をパソコンに取り込み、パノラマ状に配置します。こうすると、あたかも本当に屋上にいるように、自由にカメラアングルを設定できるんです。こうして出来上がった空間にキャラクターを配置して、動きをつけて行きます。(略)
 背景に写真を使って、更にあたかも実際に撮影したような手ブレを加えたことで、3DCGのバーチャルな世界にリアリティーを与えているんです。

 この作品、残念ながらグランプリには選ばれなかったのだけれど、僕はこの日の放映の中では一番と思った。リンク先でメイキングの詳細が述べられている。技法も良かったが、なにしろ映像のセンス 街の中の雲のCGのリアリティと立体感が素晴らしかった。

 アニメギガのオープニングは、この作品のさわりをエッセンスとして取り出しているだけで、『うんぴつ』全体が持つ独特の良さは出ていない。『うんぴつ』では、ビルだけでなく、街のアチコチが舞台になり、車といっしょに黒子が走るところとか、失踪感が素晴らしい。そして書き出される文字のメッセージ性。

 ラストの重いイメージについては、キュレータのピエール瀧は否定的だったけれど、僕はそこも含めて作品として好きだった。くっきりしたCGのシーンにかぶる荒れた画像のおそらく現実を暗示する暗ーいシーン。ここと黒子の爽快感の落差が素晴らしかった。
 (実は06.10月の放映後、記事を一度書いたのだけれどトラブルで全部消えてしまったので、アニメギガを機会に今回改めて書いてみた。)

 山路直樹さん、サラリーマン生活との両立は大変かと思いますが、今後もいろいろな作品を見せてほしいものです。影ながら応援してます!

◆関連リンク
山路直樹氏HP
・東京国際アニメフェアTAF2007
 Outstanding Animated Work (General Category) UNPITSU (うんぴつ) YAMAJI NAOKI(山路直樹)
 山路直樹 クリエーターズワールド

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2007.05.06

■幻想植物 栽培日記2 ロマネスコ、芽吹く

Romanesco070505mebuku

 まるで異星の生物のような様態を持つ謎の植物(?)ロマネスコ。その栽培日記2です。

 右の写真の青○の中が芽です。4/28にポットに種まきした55個の種のうち、現在28個芽吹いています。最初に芽が出たのが5/3、そこから一気に増えてきています。
 生育はなかなか順調。この調子でいくつの芽が幻想植物となるまで生育するのか、楽しみです。

Romanesco070505me_1  今のところ、種と同じく芽も特に他の植物と異なる特徴はありません。いつから変態するか楽しみです。

 芽のアップは左。ふつうでしょ。

◆関連リンク
幻想植物 栽培日記1 ロマネスコの種まき

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