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2007年6月24日 - 2007年6月30日

2007.06.30

■BSアニメ夜話 細田守『時をかける少女』
  筒井康隆、アニメにおける文学の可能性を毒とともに語る

BSアニメ夜話 第8弾 『時をかける少女』6/27
 出演 筒井康隆、江川達也、岡田斗司夫、渡辺隆史、氷川竜介、加藤夏希、里匠

アニメ夜話に筒井康隆登場

 今回の見どころはなんといっても筒井康隆御大の登場。
 ベティとか往年のスラプスティックアニメについては、数々エッセイのある筒井だが、ジャパニメーションについて語ったのは見たことがない。
 辛らつであるが、他の誰よりも深く『時かけ』を語る筒井の姿に、アニメ夜話のいつもの温いファンの集い的雰囲気が引き締まった見事なパネルディスカッションであった。

Tokikkake_tsutsui タイムリープによる時間移動の整合性について、隣に座る渡辺隆史プロデューサーに、自分の原作ではきっちりと辻褄を合わせているのに、映画は合わせていない。「突っ込もうと思えばいくらでも突っ込めるんですよ。自転車くらい、ちゃんと修正しとけよ」と凄む筒井。右の写真の眼が怖い(^^)。本気でなく演技ですが、、、。

 「筒井さん、タイムリープできるとしたら、どこへ行きたいですか?未来だったらいつですか?」と江川達也にぬるい質問をされて、「未来は死ぬんだよ、俺は」。

 「これがあるから『時かけ』。ここをはずしてたら『時かけ』でなくなるという部分はどこですか?」というありきたりの質問にも、「別にそんなもの(『時かけ』で)なくなってもいいよ。タイトルと僕の名前が出てればいい。この本は孝行娘です、この子が一番稼いでくれる。渡してしまったら、後はどうなろうと知ったこっちゃない。

 SF作家としてのタイムトラベルものへのこだわりと、星、小松ら第一世代の作家のバカ話を髣髴とさせる往年の気概に溢れていて感動。
 まわりがおじいちゃん作家として扱おうとしているのを、毒のある笑いで突破していくところが観ていて気持ちいい。

『時かけ』の文学性 ゲーム的リアリズムについて

 東浩紀氏の「ゲーム的リアリズム」をひきながら、主人公 真琴がタイムリープでリセットしてカラオケを続けるシーンに文学をみる筒井。まさか筒井がアニメ『時かけ』で先端文学を語るとは思っていなかったので、なかなか刺激的。

 リセットして生きかえることが可能で、ゲームには本当の死というものが存在しないのに、それが文学に成り得るか、という命題がある。しかしそこに逆に文学性あるとするのが「ゲーム的リアリズム」らしい。

 死に対面する機会の少ない現代、逆にゲームでは自分の死を何度も体験している。リセットによるある意味小さな死に頻繁に出会い、ショックを受けているはずである、という言説らしい。

 そして『時かけ』でも、繰り返しシーンを描いているのが文学的な部分であると語っている。死を描いているわけでないカラオケシーンがどう文学なのか、これについての突っ込みはなかったのがちょっと残念。
 自転車のシーンで映画全体に横たわる死の存在を指していたのかもしれない。

◆さらに先端へ。真琴の世界の外部

 岡田斗司夫が『時かけ』を「世界系」として語ったところに筒井が反応している。

 岡田「恋愛ドラマとして物凄いと思う。恋愛感情が心の水面に浮かんでくる寸前を描いている。しかしそれを描いているかわりに世界が狭い、未来の世界が出てこない。真琴の世界観でギリギリのメンタルなところを描かなきゃいけないから、破綻させないためにルールが多い。それにより大きなリアリティをはずしてしまった」

 筒井「(恋愛感情ギリギリというテーマは)今まで文学で描けなかったことをアニメでできたことを良しとする」「これは文学でも一番難しいところ。うまくまとまりすぎていて、そっから先を書くと文学になるのに破綻するのが怖くて踏み込めない。こっから先できません。何故できないかを描けていたら(文学になる)、完全にメタフィクションですよ

 恋愛未満、そのギリギリのメンタルな部分を描いていることが、細田版『時かけ』のメインテーマなのは間違いのないところだろうけど、それが「物凄い」、「今まで文学で描けなかった」とまで表現するのはどうかな、と僕は思う(少なくとも映画やドラマではこの作品と並ぶ/超えるものはあると思う)。

 でも凄いなー、「こっから先、何故できないか」をアニメが描く。このイマジネーションに痺れました。どんなものか具体的には思い浮かばないけれど、なんとなく手触りは伝わってくる。
 細田版がもしそこへトライするとしたら、その手がかりは未来の世界をかすかにイメージさせている「アノニマス 逸名の名画」展の『白梅ニ椿菊図』のシーンがキーポイントになるだろう。

 未来から千昭が来た理由は、世界の滅亡/死と深いつながりがあるように描かれている。ここをもっと深く構成して、恋愛未満の感情が水面下から浮上し千昭との関係が結晶化する瞬間を描きつつ、同時に圧倒的な未来の絶望的現実/死に遭遇するように描く。
 「ゲーム的リアリズム」という閉じた「世界系」から、外部/本当の死へと越境していく、そんな文学がそこに現出していたかもしれない。

 さらにそこで作家/読者視点が物語に導入され、何故飛び出せなかったかを『白梅ニ椿菊図』をテコにして、芸術作品と現実の滅亡の関係を俯瞰できるメタフィクションとして成立するアニメーションの誕生。、、、、なんちゃって(^^;)。

 そんな超絶ストーリーを持ったもうひとつの『時かけ』を夢想させてくれたアニメ夜話/筒井康隆に感謝。(でもそんなアニメーションになってたら、『時かけ』のさわやかな青空のイメージは崩壊、破綻してたでしょうね。物語の中で、夢想させるきっかけを提示するくらいがたぶん正解なのでしょう)

◆関連リンク

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2007.06.26

■名古屋モード学園スパイラルタワーズ と バベルの塔

Nagoya_spiral_tower_backスパイラルタワーズ公式リリース
           (三井不動産) 
 
 名古屋駅前の高層ビル建築ラッシュ(と言っても3棟だけど)、その中でも建築デザインとして眼を引くのがこのビル。特に隣にある地味なトヨタのミッドランドスクエアビルの、言葉通り直角な味気ない姿と比べると、異彩を放つ。

 ひさびさに名古屋へ出て、ビルの間にこの異様な風体が現れ、なかなか壮大な景観だったのでパチリ。

 むき出しの鉄骨とガラスのモダンさのコントラストがまずは素晴らしい。

 そしてどこかバベルの塔を想起させるようなたたずまい。
 バベルの塔と自分の撮ってきた写真のアングルが偶然似ていたので、並べてみた。
Nagoya_spiral_tower_babel

 特に建築中の各階むき出しの鉄骨が塔の螺旋を思わせる。これは完成後よりも現在の姿の方がゴシック的で見ごろかもしれない。今後も時々観にいってみよっと。

 遠方の方は、下記のサイトが定点観測されていて充実してますので、そちらでご覧あれ。

◆建築記録サイト
スパイラルタワーズのできるまで (その弐)
ビル成長記録

◆関連リンク
バベルの塔絵画集
名古屋駅前 モード学園スパイラルタワーズ(名古屋市・超高層ビルデータベース)

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2007.06.25

■緊急のお知らせ! 滝本誠さん出版記念トークショー
  『滝本誠さんとLOWでリンチコーヒーをいかが?』

David_lynch_coffee_1 大阪のbooks&cafe LOW(大阪市中央区瓦屋町1-6-2)のlittlewonderさんからご連絡いただきました。
My favorite one : 滝本誠さん出版記念トークショー

滝本誠さんの新刊が6/25(月)に発売されます。

『コーヒーブレイク、デイヴィッド・リンチをいかが』(洋泉社/1700円)

オープニングの時、「新刊が出たらまたきます」と皆さんと約束してくださったとおりホントに来てくださることになりました!(略)

会場;books&cafe LOW
日時;7月1日(日)午後2時~5時
会費;1drink(リンチコーヒー)付き1000円

『滝本誠さんとLOWでリンチコーヒーをいかが?』

リンチコーヒーは滝本さん私物のため人数に限りがありますm(--)m 
参加ご希望の方は鍵かけコメント、あるいはbooks&cafe LOWにお電話(06-6763-2088)お願いいたします。

 詳細は追って、リンク先のbooks&cafe LOWのBlog My favorite oneに掲載される予定とのこと。参加希望の方は参加人数把握のため、上記までご連絡してください。

 リンチコーヒーを滝本氏と味わえる企画、こんなチャンスは二度とありません。

◆関連リンク
滝本 誠『コーヒーブレイク、デイヴィッド・リンチをいかが』(amazon)
デヴィッド・リンチサイン入りグルメ・コーヒー 当Blog記事

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■ヤン・シュヴァンクマイエル挿画 江戸川乱歩『人間椅子』
  & 『シュヴァンクマイエル PREMIUM BOX』限定発売

8月中旬発売予定 書籍『人間椅子』!

 チェコ絵本のネットショップ クリチカさんから、先日のヤン・シュヴァンクマイエル展情報に引き続き、新しい本の情報をいただきました。

著作 江戸川乱歩/挿画 ヤン・シュヴァンクマイエル 
B5判/パラパラ漫画、ケース付き 
予価:2,100円/発行 エスクァイア マガジン ジャパン

 確かに『人間椅子』って、触覚をテーマにしたシュールレアリスムそのものって感じなので、ヤン・シュヴァンクマイエルにぴったりですね。こういう本が日本オリジナルで出版されるというのは素晴らしいことですね。

 葉山の造形と映像の魔術師シュヴァンクマイエル展も若いファンで溢れていました。日本とチェコが芸術の深層でリンクしている。この源流を探るとか、面白いかもしれないですね。

シュヴァンクマイエル PREMIUM BOX 全世界で913部限定の貴重な美術作品

 上記リンクからたどったらこんな限定記念コレクションの発売が予定されていました!

DVD/VIDEO 2007/08/22 Release XT-2485-6 ¥18,900(税込)

Svank_finegraph《鬼才》ヤン・シュヴァンクマイエル-----世界的なクリエイターの、都内初の大規模な個展を祝して発売される、価値ある限定記念コレクション。
全世界で913部限定の貴重な美術作品2部作封入!

全国のDVDショップ・インターネット通販等で予約受付中。

【商品内容】
■ ファイングラフ 2部作 (右図)
ヤン・シュヴァンクマイエルが本企画のために「ルナシー」をテーマに描いた珠玉の2部作。このプレミアム・ボックスでしか入手できない珠玉の美術作品。
(ファイングラフ…日本の伝統工芸である越前和紙を使用し、特殊美術技法を駆使して、1点づつ制作される版画。)
△ 2作品同一の制作番号入り
△ 画寸:各約29×21センチ

■ DVD 『シュヴァンクマイエルのキメラ的世界』

■ DVD 『ルナシー』
2006年劇場公開の最新作。メイキング、予告編など特典映像収録。

■ “13の体罰”シールシート
ヤン・シュヴァンクマイエルの妻であり、制作上のパートナーでもあったエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー。彼女が描いた、『ルナシー』に登場する“13の体罰”カードをモチーフにしたシールシート。

 値段が値段だけに考えてしまいますが、たぶんこれを逃すと、シュヴァンクマイエル美術作品を手元におけるチャンスは二度とないのでしょうね。悩むけれど、、、。

◆関連リンク
シュヴァンクマイエル氏と語ろう(チェコブログさん)

前回の来日イベントでは、次回作(?)は江戸川乱歩の"人間椅子"も考えているというようなお話でしたが。 (かなりぴったり!!!!)

シュヴァンクマイエル!(koringo帳さん)

特に触覚に強いこだわりをみせるシュヴァンクマイエル、乱歩の「人間椅子」を映画化してみたいとか。

 前回の来日時、講演で『人間椅子』について語られていたようです。

『シュヴァンクマイエル PREMIUM BOX』 ¥18,900 ¥14,175 (amazon)
単品DVD『シュヴァンクマイエルのキメラ的世界』 ¥3,990¥ 2,993 (amazon)
単品DVD『ルナシー』 ¥4,935¥3,701 (amazon)

◆当Blog記事 関連リンク
ラフォーレミュージアム原宿 シュヴァンクマイエル展
  & ヤン・シュヴァンクマイエル氏と語ろう

シュヴァンクマイエル監督『ルナシー:Lunacy』 感想
造形と映像の魔術師シュヴァンクマイエル展 
エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー回顧展カタログ
エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー関連図録
エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーさん 逝去
『GAUDIA(ガウディア)造形と映像の魔術師 シュヴァンクマイエル』

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2007.06.24

■New iMac情報 新デザインと新コンセプト
  & Windows on APPLE BootCamp

Next_imac_concept
  "Future iMac Concept" by kromekat (Eye-freezing Future IMac Concept(Gizmowatch)経由)
  CGは下記リンク記事、iMAC新デザインとは無関係。でもこんなのが出たらいいですね。

Apple's iMac overhaul tracking for mid-to-late summer (AppleInsider原文)
 Apple Brothers Mac News:New iMac は7月後半から8月中旬頃に登場??

AppleInsiderから「7月後半から8月中旬頃」という情報が出てました。丁度、新学期に間に合うようにって感じみたい。

 Apple Brothers Mac News:今度出る新しい iMac は新デザインで登場???

新しいiMacは、現行のiMacよりも艶がありスリムになって、ラインナップは20インチ・24インチモデルで、17インチのモデルはないかもしれないそうです。

 iMACが新デザインを採用して新型として登場するらしい。

 今のデザインは非常にシンプルではあるけれども、もはや先端的デザインとは決して言えない、どちらかというと既に古い(<<失礼)と言った方がいいような状況なので、モデルチェンジはデザインで時代を先取りするAPPLEとしては当然なのでしょう。

 ではその時に商品コンセプトは、従来どおりMAC入門機なのか。そうではないという予測が下記に書かれています。

iMac は HDTV になる? (maclalalaweblog)

 アップルのホームエレクトロニクス分野への進出(侵略)は、ウォークマン/iPod、携帯電話/iPhoneに続き、ついにハイビジョンテレビへ、という予測。

 この記事では、Migliaという会社のTVMini HDというUSBポートにつなぐハイビジョンチューナーについて記し、 iTunesによるハイビジョンコンテンツの配信といったところまで話を展開。iMACが世界共通の製品であり、各国対応のTVMini HDのようなものとの組み合わせで、ハイビジョンテレビでもAPPLEの飛躍があるのではないかとまとめている。

 TVMini HDという製品は、レビュウによるとUSBハイビジョンチューナーのようだけど録画が可能かはわからない(公式HPはまだ詳細読んでません)。またMacで地デジ視聴できるPinnacle TV for Macという製品が欧米で発売とのことだけど、録画できるのはアナログだけ。

 国内メーカの地デジとBSハイビジョン対応の録画PCと比べると、MACは遅れている。著作権保護の関係で、ハイビジョン録画PCとハードディスクハイビジョンレコーダは、撮った録画データをそのマシンでしか観えないように限定している(データを外付けHDDへムーブはできても再生が不可になる)。そのPCまたはレコーダが壊れたら再生できないものをライブラリとして保存しておく意義は小さい。

 ブルーレイ等次世代光ディスクへのムーブだけが、現在ライブラリとして残せる唯一の手。この状況は、どう考えてもユーザのことを考えた処置とは考えにくい。

 次のiMACでAPPLEが、デザインとともにHDコンテンツのスキームに、革新的なコンセプトを打ち出してくれるのを期待したい(と言っても各国の著作権保護のルールの違いとかか障害になるのだろうな)。

◆蛇足とBootCampでのVista

 あまりAPPLEの記事は書いてないのに、何故に突然iMACの記事と思われるでしょう。
 実は現在使用のPC(NECデスクトップ)が少し古くなってきたのと、リビングでBlog書きをしたいので、ノートや一体型PCをWIN中心で物色中。

 某家電店でCore 2 Duoマシン中心に見てたのだけど、なんかVistaが重そうで最新のマシンのはずなのに、どれも遅いとしか思えない。

 で、既にOS8くらいで足を洗って、MACのつもりは全くなかったのだけど、展示コーナーのMacBookをみました。ここにはじめてみるBootCamp上で動くVistaのデモ。

 これがめっぽう早い。APPLEの説明員さんによると、たぶんWINノートに比べて、いろんなアプリが入っていないことによるらしいのだけど、それでも吃驚。あまり興味なくBootCampなんてどうせ大したことない、くらいにしか思ってなかったので、認識を新たにしました。結構使えそう。(その説明員さんによると、マイクロソフトの人が見に来て、その動きに驚愕。プライベート用にMAC BOOKを買ったとか)

 で、MACも視野に入れて調べなおし始めて、上のニュースでちょっと待ったモードに入ったというわけ。新型iMACを見てから、次のマシンを決めても遅くないかと。

 冒頭のCGのようなクールなハイビジョンマシンだったら、絶対iMACにします(^^;)。

◆関連リンク
その他iMACの想像デザイン他 (The Apple collection)
Vista対応のBootCamp Ver1.2βを試す
 (PC Watch 元麻布春男の週刊PCホットライン)
ショック…Boot Campで分かった同一マシンでのOS対決
「Windows XP vs Mac OS X」対決の衝撃的な結末とは?
(ITmedia D PCUPdat)
MacにVistaをインストールしよう!(ASCII.jp) 詳細なインストール方法
『MacBookパーフェクトガイド』
・PC候補 iMac ・MacBook
dynabook TX/66A PATX66ALP dynabookQosmioF40/87CBL 
 Fujitsu FMV BIBLO FMVNF75U/V

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