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2007年7月15日 - 2007年7月21日

2007.07.20

■大人の科学マガジン Vol.17 ふろく 『テルミンミニ』

TepmehVol.17 ふろく テルミンミニ
大人の科学マガジン|大人の科学.net

サイズ W80×D80×H120mm
スピーカー内蔵
単三乾電池4本使用

 高周波のうねりを利用して音を奏でるテルミンは、1920年、旧ソ連の天才物理学者・テルミン博士(写真)によって発明された。
 20世紀初頭、来るべき電化時代の幕開けを飾り、未来の楽器として欧米で旋風を巻き起こした。

A4変型判/100ペ ージ/2007年9月下旬発売予定

 こんなふろく、待ち望んでました!!
 一度でいいからやってみたかったテルミン。これはもう買いでしょう!

 テルミンの音を聴くと、まず『禁断の惑星』を思い出す。電子音といえば、往年のSF映画の世界です。

◆関連リンク
"Theremin Killed the Radio Star"(Youtube)
 The Buggles『ラジオ・スターの悲劇』とテルミンの競演
Google video Theremin
竹内正実『テルミン―エーテル音楽と20世紀ロシアを生きた男』
竹内正実『テルミンを弾く』DVD 映画『テルミン』
CD『The Art Of The Theremin』
ディレイ付きテルミンHIWATT ECHO THEREMIN

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2007.07.18

■時速200kmに挑戦する蒸気自動車
  British Steam Car Challenge『Inspiration』

British_steam_car_challenge_inspiration0
時速200kmに挑戦する蒸気自動車(WIRED VISION)

 写真に映っているのは、イギリスおよび世界の最速記録(ただし、蒸気駆動車両で)を目指すイギリス製の蒸気自動車『Inspiration』だ。

 この蒸気自動車は、チューブ状のスチール製シャーシを持ち、4基で出力4メガワットという、大出力ボイラーを搭載する。この出力がカーティス・タービンのエンジンに送り込まれ、(理論上は)時速320キロメートルで走行可能な225kWを実現している。

 Inspirationと『British Steam Car Challenge』プロジェクトを支えるチームの目標は、101年前の1906年に達成された、時速約205キロメートル(127.659マイル)という現在の記録を破ることだ。

British_steam_car_challenge_inspiration0_2  なにしろこのデザインで蒸気エンジンというのが痺れます。素晴らしい。
 詳細な仕様は下記を見ていただくとして、225kWという出力が頼もしい。ちなみにLEXUS LS(4.6Lエンジン)で最大出力283kWなので、ほとんどこれに迫る勢い。

 上の写真に開発チームの方々が写っているが、結構高年齢の方もいらっしゃる。この方たち、The Steam Car Club of Great Britainという蒸気エンジン愛好クラブのメンバーらしい。
 マニアックに趣味を突きつめてここまで実現された熱い情熱に拍手。

 あとは無事に世界記録を達成されることを祈るばかり。

British Steam Car Challenge (公式HP)より スペック

Overall length 5.25 m Wheelbase 3.80 m
Overall width 1.70 m Front wheeltrack 1.22 m
Overall height 1.10 m Rear wheeltrack 1.30 m
Frontal area 1.1 sq.m Drag coefficient 0.20    CD値 0.20

British_steam_car_challenge_inspiration0_1Engine
Two stage turbine on single spool.
Output: 300 b.h.p. at 12,000 r.p.m.
         (turbine speed) (225 k.W)
Output shaft gear ratio: 4:1
 or 4.45:1 to twin output shafts.
Differential: Epicyclic type with viscous couplings.

Output (each boiler):
Steam pressure 500 p.s.i.
Steam flow 284 kg/hr
Steam temperature 385 deg.C

Fuel
L.P.G. (Liquified petroleum gas). LPGガス

Design performance
Maximum speed 200+m.p.h. 時速320km
Initial acceleration: 0.52g   加速 0.52G

 この右写真が心臓部のタービン。ここで4000kWの蒸気パワーが225kWの駆動力として取り出される。効率5.6%だが、蒸気エンジンなのでいたしかたない。

The Steam Car Club of Great Britain

 歴代の蒸気機関の自動車や飛行機、そしてスチームバイク等の情報が盛りだくさん。
 『Inspiration』のボイラーのテスト風景のビデオとか、内部構造のスライドショーとかいろいろと楽しめます。
 クラブソングThe Stanley Steamerのコーナーには、歌詞とカラオケがあるので、あなたも歌えます。記録達成をこの歌で応援したいものです。

神林長平『魂の駆動体』(amazon) 僕の昔書いたレビュウ
 自分たちで車を一から設計する高齢のエンジニアを描いた工学SF小説。思わずこの本のことを思い出しました。これは傑作です。自動車が生まれる過程を描いた小説として出色。

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2007.07.17

■ハイビジョンで観るユカタン半島の水中洞窟
  世界一の透明度 メキシコのセノーテ:Cenote

Cenote02

世界一きれいな海ってどこ?(世界の果てまでイッテQ!)

 重い絵画の紹介の後は、涼しげで美しい洞窟のネタ。
 昨日のTV番組で偶然観たのだけれど、素晴らしい透明度の水中洞窟。ハイビジョンの威力をいかんなく発揮し、リビングの湿った梅雨の重い空気を涼しげに吹き飛ばしてくれた。

セノーテ wikipedia

 セノーテ(Cenote)は石灰岩台地の陥没穴に地下水が溜まった天然の井戸、泉のこと。

 語源は、ユカテコ・マヤ語の「ゾノト」(dzonot)から転化したと考えられている。ユカタン半島の北部低地では、川も湖もないため、主要な水源であった。ユカタン半島のセノーテは、チクシュルーブ・クレーターを埋めた石灰岩の層の中に形成されたものである。(略)

 サック=アクツン・システムは、総延長152.975kmの世界最大の水中鍾乳洞である。

 透明度がおよそ100m。最も美しいと言われる塩水の海の倍くらいとのこと。
 ハイビジョン映像で観る光景は、まるでダイバーが空中を飛んでいるようだった。

 そしてさらに素晴らしいのが、洞窟に差し込む光の柱。どこかの惑星のような幻想性。
 いつか自分の肉眼でこんな光景を観てみたいものです。誰でも現地ガイドといっしょなら観光として楽しめるそうです。とにかくため息が出ました。

◆関連リンク
Cenote Sistema Actun(Google画像検索) 上の画像はここから。
Cenote (Google Video)
観光ツアー セノーテ2ダイブツアー 40分×2回 US$ 200(!)
・当Blog記事
 NHK プラネットアース 究極の洞窟 : レチュギヤ洞窟

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2007.07.16

■ズジスワフ・ベクシンスキー
  画集 『ファンタスティック・アート・オブ・ベクシンスキー』
  Zdzilsaw Beksinski  "The Fantastic Art of Beksinski"

Zdzilsaw Beksinski 『The Fantastic Art of Beksinski』 (革装本)

Beksinski_2  先日記事で紹介したポーランド現代絵画孤高の巨人 ズジスワフ・ベクシンスキーの画集がAmazonから届いた。

レイアウト/デザイン
    James R. Cowan
出版社
 MORPHEUS INTERNATIONAL(@ラスベガス)

 全72ページで、絵画はカラー52、モノクロ9点、あとディジタル作品が5点。James R. Cowanの序文とベクシンスキー本人のコメントが英語で記されている。

 幻想的というひとことでくくってしまうわけにはいかない陰鬱な絵画群。
 たしかに"The Fantastic Art"と呼ぶにふさわしい幻想の国の物語が溢れてくる想像力をいたく刺激する絵であることは間違いない。しかし、、、。
 たとえばギーガーを比較に持ち出すとよくわかる。彼の絵は同じような骨や異界の生物を描いていても、どこか攻撃的で陰鬱なイメージは少ない。

 絵に漂う陰鬱さ/憂鬱さ/絶望といったようなものから、僕は30歳で夭折した北海道の幻想画家 深井克美のことをどうしても想起する。
 画文集『深井克美―未完のランナー』についての記事で触れた深井克美の絶望に彩られた幻想画、これとポーランドの画家の絵は幻想の地下水脈で通底し響きあって迫ってくるものがある。加えて『GAUDIA(ガウディア)造形と映像の魔術師 シュヴァンクマイエル』展で観たチェコのエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーと。

 この三人の画家の合同美術展が開催されることを夢想してみる。
 会場の沈んだ空気。圧倒的なイマジネーションが観客に見せる絶望した脳がみる異界の光景。そして既に鬼籍に入られ、今はかなわぬ三人の「人類の絶望と想像力による・・・・」というタイトルのパネルディスカッション。「・・・・」の部分に入る文字を決められるのは、この異界を真に覗き込んだ三人のみなのだろう。皆さんだったらこの絵画群からどんな言葉を想像しますか? 

 さて、本書から気に入ったものをいくつか挙げる。ベクシンスキーの絵はいずれもタイトルが付けられていないため、どの作品を示すのかが、わかりにくい。本書のページと描かれた年号を示す。

・P43(1976) (上の絵 左)
 戦乱(テロ)の街から逃げ出す、血に染まった包帯に顔を包まれた昆虫のような手足の人間。

・P57(1985) (上の絵 右)
 布に覆われた死神と老人と狼。茶のトーン。迫りくる死の影。

・P54(1972)
 赤い布に包まれた小型生物を大きな骨のような手に持つオーバーを羽織った岩石のような逆五角形の頭の怪異な二足歩行生物。
 モノトーンな色使いが多いのだけれど、この絵の赤のように、色が入ると鮮烈。

P25(1985)
 ゴシックの大聖堂を思わせるが、さらにそれを陰鬱にしたアーキテクチャ。
 そしてまわりの黒い墓石群。

 本書では、ネット上の作品と見比べると、モノトーンの作品が多い。中身をみないでチャレンジで買ったので致し方ないが、もう少し幅のある選択が望みたかったところ。
 Googleで検索すると、英語圏での画集の出版はどうもこれだけみたいである。やはりギーガーのように映画での知名度がないとこんなものなのだろうか。

 日本で出版された永瀬 唯解説 画集 『ベクシンスキー』 (河出書房新社)は、ネットで見る限りでは本書と絵はかぶっている部分があるようだ。

 ちなみにポーランドでは、少なくとも、BEKSIŃSKI 1, BEKSIŃSKI 2, BEX@という画集が出ているようである。本の中身が少し見られる。

 いずれにしても嬉しいのはインターネットの各種ギャラリーでかなりの点数の絵をみることが出来ること。例によって下記にそのリンクを示す。まずはネットで堪能ください。

◆関連リンク
画集『ベクシンスキー』(楽天)
09.1月エディシオン・トレヴィル 画集『ズジスワフ・ベクシンスキー』再復刻版 出版
 (09.1/2リンク追加)
ベクシンスキー公式サイト ここが圧巻。
MORPHEUS INTERNATIONAL GALLERY  Beksinski 展示

Morpheus Gallery specializes in the very best of contemporary surreal and fantastic art, with artists such as Giger, Beksinski, Yerka, Huss, and De Es. We sell art books, posters, signed prints, and original works.

www.beksinski.net  Gallery - Paintings and Digital Photography
beksinski Zdzisława Beksińskiego BEKSIŃSKI (Google Image Search) 
ポーランドのサイト 上の絵はこちらに展示されていたものから。
『The Fantastic Art of Beksinski』(革装本) これはマニアック。

永瀬 唯『欲望の未来―機械じかけの夢の文化誌』
永瀬 唯『肉体のヌートピア―ロボット、パワード・スーツ、サイボーグの考古学』
永瀬 唯『疾走のメトロポリス―速度の都市、メディアの都市』
 永瀬 唯氏の本は、とにかく刺激的で大好きです。特に『肉体のヌートピア』は傑作。

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2007.07.15

■熱い!古川日出男×向井秀徳 朗読ギグ ビデオ DAX配信中

古川日出男 朗読ギグ『スローモーション』@京都METRO 2007/5/5
     (キアズマさんのブログ  ライブイベント・キアズマ:KIASMA)

 当サイトへ、キアズマさんからTBいただいた記事で紹介されている古川日出男×向井秀徳 朗読ギグが素晴らしい。
 DAX:SPACE SHOWER Digital Archives Xで紹介されている以下の4本が必見。残念ながら配信は07.7/15(つまり今日!)までなので見逃してる方は即。(以前の記事でDAXの配信について触れていたのだけど、どうせTV放映と同じと勝手に思い込んで、配信スタートに気づかず見逃してた。キアズマさんに多謝)

古川日出男×向井秀徳 2007.5.3 Shibuya O-NEST 

 1."6本の狂ったハガネの振動"
 2."ベルカ、吠えないのか?"
 3."USODARAKE"
 4."TUESDAY GIRL" 

 僕のお薦めはこの順番。
 「冷凍都市 諸行無常 性的衝動 リピート リポート」な1."6本の狂ったハガネの振動"が最高。2."ベルカ、吠えないのか?"もTV放映より長い9分58秒で別ver.、TV放映版の荒削りな感じもいいが、こちらの方が完成度は高い。宇宙時代の始まりの1957年スプートニクとライカをこんなに熱く表現できた存在は世界にない。

 とにかくまず聴いてみて。古川日出男の文体の凄さと向井秀徳のロックがすんごいことになってるから。文体ぶっ壊れてるって。
 「奇跡のようなギグがここにあります。必見。観てて体が熱くなる。言葉というプログラムが脳の中に展開して拡散するこの感覚。凄い」(1回目観たダイレクトな感想がこれ。とにかく一回目は熱く観ました。)

 古川は芝居の脚本・演出をしていたらしいけれど、彼の演劇ってこんなラディカルなものだったのだろうか。あー、本当に観たかった。

 古川が「FICTION ZERO/NARRATIVE ZERO」誌に書く新作は「渋谷系SF」だという。しかもタイトルは『ゴーレム』ならぬ『デーモン』。
 それが破壊された言語によるワイドスクリーンバロックだったら、日本のベスターは古川日出男に決定(^^;)。
 ベスターが生きていて『ゴーレム100』を朗読したら、きっとリンク先のギグと同様の迫力だったと思う。これも聴きたかった。

古川日出男 朗読ギグ『スローモーション』@京都METRO 2007/5/5

古川日出男公認。本人による『スローモーション』(河出書房新社刊『ハル、ハル、ハル』に収録)の朗読。

 こちらは古川日出男の朗読。詳細は読了した『ハル、ハル、ハル』の感想と合わせて、次回。

◆関連リンク
消される前に俺がテキストデータ化しておく。(Blog こめびつの中身さん)

 彼は向井秀徳とのイベントで向井の歌詞を独自解釈で朗読していた。その朗読は一種の緊張を生みだし、その声は会場を圧縮していく。その圧縮が極限まで高まった時に向井秀徳のギターがかき鳴らされ、会場はその圧縮から解放される。

 その時の古川の朗読をもう一度我々が読める文章に戻し、見直す事によって向井秀徳の歌詞によって古川日出男が作り出した物語が見えてくるのでは無いかと思った。

 上の動画のうち、『ベルカ』以外の3本をテキスト化された労作。
 引用にあるとおり、この3本はもともと向井秀徳の曲があって、それにインスパイアされて古川が朗読部分を新作したということのようである。向井秀徳の詩のラディカルさとそれをさらに破壊する古川の言葉。
『ZAZEN BOYSII』 6本の狂ったハガネの振動収録
 向井秀徳のバンドのアルバム。これも一度聴かねば。
古川日出男×向井秀徳 in 博多 

07年9月2日(日) 福岡 博多百年蔵・壱番蔵
開場18:00開演18:30 前売 ¥3,500 (税込・1ドリンク付)
出演:向井秀徳アコースティック&エレクトリック/古川日出男

 朗読ギグが9月にまた開催されるそうです。

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■アルフレッド・ベスター著 渡辺佐智江訳『ゴーレム100

Golem100_2
※この本は、四枚の絵を切り貼りしてグチャグチャに並べて表紙にすると、少しだけベスターのイメージに近づくのかも。どの一枚も本の内容とは合わない大嘘なので騙されないように。

アルフレッド・ベスター著 渡辺佐智江訳『ゴーレム100 (amazon)
ストーリー(読むまで死ねるかっより)

 22世紀のある巨大都市で、突如理解不能の残忍な連続殺人事件が発生した。犯人は、ゴーレム100、8人の上品なミツバチレディたちが退屈まぎれに執り行った儀式で召還した謎の悪魔である。事件の鍵を握るのは才気あふれる有能な科学者ブレイズ・シマ、事件を追うのは美貌の黒人で精神工学者グレッチェン・ナン、そして敏腕警察官インドゥニ。ゴーレム100をめぐり、3人は集合的無意識の書くとそのまた向こうを抜け、目眩く激越なる現実世界とサブリミナルな世界に突入。自らの魂と人類の生存をかけて戦いを挑む。しかしゴーレム100は進化しつづける……。
 『虎よ、虎よ!』の巨匠ベスターの最強にして最狂の幻の長編にして、ありとあらゆる言語とグラフィックを駆使して狂気の世界を構築する超問題作がついに登場!

 『ゴーレム100』を読了。
 噂にたがわず、異色作/問題作でぶっ壊れている。約30年前の小説であるが、そのぶっ壊れ度が妙に日本の現実に合う。、、、というのは、この本を通学の学生がたくさん乗る電車の中で読んだのだけど、彼らの会話がバックグランドに聞こえてくると、妙にこの本の精彩が上がるのだ。訳者の渡辺佐智江氏があとがきで書いている下記表現が、まさにぴったり。

 現時点で既に言語崩壊のスピードを果敢に加速させ、ガフしゃべり一歩手前の日本人ならば、2280年を待たずして、世界の人々に先がけ、豊穣なるジョイス語をスイスイと繰り出しながら、二進法で女男で鳥肌で水不足で超格差で相互破壊なわけだ。

 僕は言語崩壊な本はバロウズもちょっと齧っただけだし、ジョイスも読んだことがない。だから一番近く感じたのが、古川日出男の描く小説だった。言語というのが人の無意識の脳活動と意識的活動の狭間で生まれているものなら、壊れているのはどちらなのだろう、なんてことを考えながら読んだ。

 ベスターが今回描いた世界はとても猥雑な2080年のアメリカ東海岸の巨大都市ガフ。退廃にして卑猥で不条理なその都市と登場人物。彼らはきっと意識も無意識もぶっ壊れているのだと思う。ベスターが描いた言語と無意識の世界の描写は、きっとそれら両方の破壊状況を描きたかったからなのだと思う。

 破壊状況を冷静に見つめる作家の眼がそこここに感じられるのだが、まだ表面的にしか読めていないので、それ以上の突っ込みは自分の意識の領域にも無意識の領域にも今は期待できない今日この頃。

 というわけで、実はこのぶっ壊れ方に中盤付いていけず、総論としてはあまり傑作とは感じらなかった。再読がきっと必要なのだろう。だけどまず未読の『コンピュータコネクション』を探してみたい。

◆関連リンク
映画評論家緊張日記: ゴーレム降臨!

(略)「〈三省堂SFフォーラム〉史上最悪のグタグタ」とか言われてしまいました……すいません……無理矢理登壇していただいた渡辺佐智江さん、若島正さん、山形浩生くんどうもありがとうございました。まあ滝本誠の知られざるSF史と自前でゴーレム・スタンプまで用意してきてくれる渡辺さんのラブリーさは伝わったと思うのでいいですよね。

a day in the life of mercy snow(殊能将之氏のメモ)

 でたらめで安っぽくて薄っぺらくて狂っていて下品で猥褻で悪逆非道なSFだった。

 「ガラクタ以下で完全にぶっ壊れている」という意見は変わらない。しかし、解説や訳者あとがきの評価にも反対はしない。(略)

 完全にぶっ壊れているからこそすごいのだよ。
 壮大な傑作イコール唖然とするようなクズ小説なのだよ。

夢のなかでも話したと思う。 (略)

ゴーレム降臨トークショーat神田三省堂(Blog 異色な物語その他の物語 さん)
 行きたかったイベントの貴重なレポート。かなり詳細に書かれていてとても嬉しい。

(略)滝本誠さんと柳下毅一郎さんが壇上に登場。ウォーミングアップにリンチとベスターの共通点について。キーワードは“フーガ”だと。次に滝本さんのSFとの出会いの頃の話。ディックの本を持っていると女の子に逆ナンされるという夢のような時代だったようだ。(略)

 それにしても渡辺さんの話が印象的で、『ゴーレム100』に関しては集中して訳す方法をとり、45日でほとんどを仕上げたようだ(これには山形さんも驚いていた)。(略)

  柳下さん「(渡辺さんが)訳すにあたって一番苦労されたところは」  渡辺さん「あの訳すときに、とっとこハム太郎のテーマがずっと頭から離れなくて」
  一同 ?????????

 あ、僕もこの本の「フーガ」という言葉には反応。リンチファンなら当然かも。『ロストハイウェイ』のサイコジェニックフーガ(心因性記憶喪失)」。滝本氏がさらにどう深く『ゴーレム100』に切り込んだか、確認したいものです。

コンピュータ・コネクション アルフレッド・ベスター 復刊リクエスト投票
 現在投票20票。是非、投票して復刊を実現させましょう。
国書刊行会  ・ゴーレム(wiki)

当Blog記事
新刊メモ アルフレッド・ベスター『ゴーレム100』
『願い星、叶い星』アルフレッド・ベスター/中村 融訳
国書刊行会-<未来の文学>第Ⅱ期、開幕
ジーン・ウルフ『ケルベロス第五の首』 
R・A・ラファティ 『宇宙舟歌』 
ジーン・ウルフ 『デス博士の島その他の物語』
イアン・ワトスン『エンベディング』

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