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2007年10月14日 - 2007年10月20日

2007.10.20

■東京モーターショー マツダ 大気 : MAZDA TAIKI

Taiki_sassou MAZDA コンセプトカー 大気
  2007 東京モーターショー

マツダデザインの未来を探求する「Nagare」デザインの4作目であるマツダ大気。
エクステリアデザインは、「空気の流れが目に見えるデザイン」をコンセプトに、空から舞い降りてきた2枚の羽衣のイメージを具現化。

 「大気」は、これまで「颯爽(さっそう)」、「先駆(せんく)」、「鏑(かぶら)」「流(ながれ)」「流雅(りゅうが)」「葉風(はかぜ)」で追求してきた、マツダデザインの未来を探求するコンセプトカー。

 マツダデザインにいつも注目している。今回の東京モーターショーの「大気」のデザイン(右の一番上)のぶっ飛び度が素晴らしい。

 特にリアタイヤまわりと多層化したエクステリアデザイン。 
 ここまでやると市販車での実現はなかなかイメージできないが、こんなものが次期RX-7か何かで実現したら凄いだろう。どうせスペシャリティで、あるユーザー層にしか売れないのだから、いっそのこと実現してしまってほしい。

 それこそ、ZOOM ! ZOOM !
 

 右の写真はなかなかウェブでもマツダの先進デザインの進化をまとめたページがなかったので、新しいものから順に並べて示した。この進化は圧巻。
 僕は上から三番目の「流雅」がほしい(^^)。

◆関連画像リンク 右の写真の順
「大気(たいき)」 「葉風(はかぜ)」 「流雅(りゅうが)」 「流(ながれ)」 2 
「鏑(かぶら)」 「先駆(せんく)」 「颯爽(さっそう)」

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2007.10.18

■HARA WORK SHOP 原 將人 ワークショップ(1)
  映画楽@京都芸術センター
  ~音楽の精神からの映画楽の誕生~

原 將人 ワークショップ 映画楽
 ~音楽の精神からの映画楽の誕生~
 原將人公式HP  @京都芸術センター 

(略)今回のワークショップでは、ほとんどフィルムに触れる機会が失われつつある若い世代のために、映画とは何かという根源的な問いかけからプログラムを考えました。
 まず、フィルムとビデオを統合的に扱い、映画という概念に到達するため、 映画楽、カメラ覚、ムービィアンという造語を開発しました。
 映画楽は音楽、カメラ覚は楽器を弾く感覚、ムービィアンはミュージシャン と、すべて音楽とのアナロジーであります。(略)

Hara_kantoku  ムービアンさんのコメントで教えていただいた原將人監督のリニューアルHPへ飛んだら、こんな素晴らしい映画講座の情報がありました。ムービアンさん、感謝感激です。

 原将人監督が講師となったワークショップが毎週二回三ヶ月開催されます。下記にその前半、11月までの分をダイジェストで紹介させていただきます。原監督の作品と、映像テクニックの数々。ファンには素晴らしい講座です! 毎週、京都まで行くわけには行かないし、、、。こりゃ、京都へ引っ越すしかない!!?(^^;;)

京都芸術センター 正式プログラム(PDF)

◆アーカイブ講座  土曜日  <<10/20~1/12毎土曜日Open 3ヶ月間12講座>>

10/20(土)18:30 @制作室5  「おかしさに彩られた悲しみのバラード」
世界初!ビューアー上映で見るコマ編集の秘密~ 1968年、若干17歳の原將人が、各界から賞賛を受け、天才と言われ、映画監督デビューを果たした幻の名作! その製作過程が40年の時を経て今、明かされる!

10/27(土)18:30 @制作室5 「初国知所之天皇」
8ミリ原版による製作過程のオープン~作曲法の発見! 「まるで、映画を見ているようだ!」神話の映画的構造と映画の神話的構造の鮮やかな二重写しを見たことがあるか?! ~幻の8ミリ原版が30年の時を超え蘇る!~

11/03(土)18:30 @制作室5 「初国知所之天皇」
16ミリへの変換とマルチレイアウトの試み~ 生の映画空間が弾けるのを味わったことがあるか?「商業映画はレトルトだ!」

11/10(土)18:30 @制作室5
世界は無数の撮られなかった映画から成り立っている~「焼失と修復」映画の生きる時間~ ~幻の「ロンドンーマラケッシ」からアナログハイブリッド「ユリシズの不思議な旅」まで~「初国」で日本を縦断した後、ヨーロッパの旅に出た原が撮影し、帰国後、火事に遭った幻の8ミリフィルムを、修復し、初めて公開する。

11/17(土) 18:30 @制作室5 
「1001の乾杯といただきます」~日常の断片から作品へ!~ 1993年、映画的記憶の凝縮したハイエイトカメラの名機TR2を手にした原は、数年間飲食を中心に日常の断片を記録し、そこから1990年代に私的ドキュメンタリーと呼ばれる映画界のムーブメントの先駆となった数々の作品が生まれた。 参考上映作品「百代の過客」「20世紀ノスタルジア」など多数。

11/24(土) 18:30 @制作室5 
「MI・TA・RI!」音楽ノート 1999年、国歌国旗法案の年。君が代と日の丸の旗のもと、経済が国境を超えて行く日本を横目に、原は日本音階に西洋音楽の和声を付けて沸き上がる、夥しい楽曲群の波打ち際にひとりたたずんでいた。

『20世紀ノスタルジア』

◆ムービィアン講座 日曜日 <<10/21~1/13毎日曜日Open 3ヶ月間13講座>>

10/21(日) 第0回 ☆特別オープン講座☆ open 15:00 ⇒17:30
「8ミリフィルムは21世紀印象派!」 
2007年初夏に、東京でモネの大回顧展を観て、改めて思った。8ミリは、21世紀の印象派である!と。(略)テクノロジーと欲望のせめぎあう岸辺で、8ミリフィルムからの21世紀印象派の誕生を宣言する!

10/21(日) 第1回 open 18:30 ⇒21:00
「映画史一望~映画から映画楽へ」 
映画はアルタミラ、ラスコーの洞窟から始まり70ミリを通過して8ミリにまで到達した。石器時代,洞窟の中で,焚き火に揺らめいていた壁画が、映画の始まりだった。その中で、人々の口ずさむ律動と音程を伴った、歌であり、祈りでもあった音楽とともに揺れ動いていた壁画は、映画楽の始まりだったのだ。それを伝えるのは8ミリだけであると私は思う。

10/28(日) 第2回  open 18:30 ⇒21:00
「カメラ覚入門~世界に内在する音楽の発見!」 実 習 編
視覚!聴覚!カメラ覚!  カメラ覚とは何か?視覚、聴覚、味覚、臭覚、触覚、圧覚、痛覚、温度覚などすべての身体感覚を総動員したものに機械として他者、カメラの感覚を統合したもの。8ミリを使い、ビデオカメラを使い、40年にわたって研究してきた原將人秘伝のカメラ覚のチューンアップ術を伝授。映画を見るように日常を撮ってみる。カメラが撮るように日常を見る。編集しながら見る!原將人式撮影術を、原が語る!

11/04(日) 第3回  open 18:30 ⇒21:00
「ムービィアン入門~歌の歌詞のようにシナリオを書いてみる!」 実 習 編
カメラ覚を身につけたら、もうムービィアン!カメラ覚で世界を見ると無数の新しい映画が見えてくるはずだ。  それを言葉に紡ぐと、さらなる映画が見えてくる。  歌の歌詞のようにシナリオを書いてみよう!新たな世界イメージを獲得するために。

11/11(日) 第4回  open 13:30 ⇒日没後
「ムービィアンセッション~8ミリで撮る!その1」 実 習 編
ムービィアンセッション!の初回。カメラ覚によるシナリオを映画楽に乗せてみよう!リズム、ビート、そして、ビートとリズムの変換、コード進行と和声によるアンサンブルを決めて!8ミリでしか撮れないもの。ビデオでしか撮れないもの。また、ミックスしたらいいもの。そうか!シナリオとは、譜面?だったのか!

11/18(日) 第5回  open 13:30 ⇒日没後
「ムービィアンセッション~8ミリで撮る!その2」 実 習 編
映画楽はドキュメンタリー性とスペクタクル性を統合しつつも超える。
複数のカメラによるカメラ内編集のすべて。気を撮る!人を撮る!関係性を撮る!

11/25(日) 第6回  open 13:30 ⇒日没後
「ムービィアンセッション~8ミリで撮る!その3」 実 習 編
8ミリカメラのフィルムの回る音と、ビデオカメラの手軽さ。そこに収められる、ムービィアンセッション。
世界で唯一のフィルムとビデオによるハイブリッド映画。撮影実習の、いよいよ最終回!

◆原將人OFFICIAL HOME PAGEへのリンク 
初国~エピソード1~映画と云ふ神話 2007年完成予定の新作!
Profileのページのタイトルが内容と関係なく、何故か「原將人全作品DVD+CDボックス出版計画」となっています。もしかしていずれこういうBOXが世に出る可能性があるのでしょうか。少なくともここに一名購入するファンがいるので、是非実現してほしいものです。

◆関連リンク 
20世紀ノスタルジア ファンサイト・ニューロンシティーズ 
20世紀的鄉愁 中国の海賊本

・当Blog記事 
原將人始動 ! 『仲よき事は 美しき哉』 
CDメモ 原正孝(原将人)『 はつくにしらすめらみこと』 
原將人『父と子の長い旅』 

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2007.10.17

■NHK ETV特集『21世紀を夢見た日々〜日本のSF50年〜』

Sf50_nenETV特集 21世紀を夢見た日々~日本のSF50年~
   【NHK教育】 10/21(日) 22:00〜23:30
             (某K君のmixi情報より)

 出演/ゲスト: 小山薫堂, 栗山千明

 伝説的なSF作家たちのグループ、「SF作家クラブ」が結成されて45年。星新一、小松左京、筒井康隆、手塚治虫など、SF作家クラブのメンバーは、文学の枠にとどまらず多方面で縦横の活躍を果たし、黄金の60年代と呼ばれるようになる。鉄腕アトムやウルトラシリーズなどがそこから生まれていった。彼らが育んだSFの「遺伝子」は、70年代半ばから音楽、映画、小説、アニメへと、さまざまなジャンルに広がり、世紀末を挟んで「オタク文化」の豊穣な世界を作り上げて行った。

 高度成長期の日本に生まれ、半世紀を経て世界に認められるようになった、日本SF。その50年にわたる歴史をたどりながら、育まれた遺伝子がどのように発展し現代日本文化を生み出したのかを浮き彫りにする。

 うすうす感じていたけど、やっぱSFが「「オタク文化」の豊穣な世界を作り上げて行った」のか(^^;;) 「日本文化」とか凄い持ち上げ方。

 何故この二人がゲストなのか、不明。二人とも実はSFファンなのだろうか。

 栗山千明の後ろに写る本棚が楽しみ。貴重な映像記録も放映されると良いな。60年代の「SF作家クラブ」のフィルムとか残っていないのだろうか。星・小松・筒井の往年のバカ話が映像で残っていたら素晴らしいのに。

◆関連リンク
・「SF作家クラブ」のHPには何もこの件は載っていない。
栗山千明(公式HP)

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2007.10.16

■デヴィッド・リンチ展覧会 ミラノ トリエンナーレ財団美術館
  『The air is on fire』 @ Triennale de Milan

The_air_is_on_firetriennale_de_mila  リンチの展覧会『The air is on fire』は、パリに続き、ミラノの「Triennale de Milan」(リンチ展公式HP)にて2007.10/9~2008.1/13まで開催中。

2008年01月13日(日)
デイヴィット・リンチ
〜ジ・エアー・イズ・オン・ファイアー展

David Lynch: The Air is on Fire
ミラノ トリエンナーレ財団美術館
Fondazione La Triennale di Milano 「ツインピークス」「マルホランド・ドライブ」など、抽象的なストーリーと幻惑的な映像が融合する映画作品で有名なアメリカの映画監督デイヴィット・リンチの特集。展示ではおなじみの映像作品だけでなくリンチが手掛けた絵画、写真、オブジェ、サウンドなどを公開、「カルトの帝王」独特の世界観に迫る

 パリの時とはポスターのイメージが違いますが、展示自体はどんな展開をしているのでしょうか。カタログはパリの時と少なくとも表紙は同じようです。たぶん中味も。

◆関連リンク

Pen_art雑誌 Pen 「一冊まるごと、現代アート入門」オフィシャルサイト

「いま」を表現する、注目すべき作家たち。
●加藤 泉 ●森村泰昌 ●ヤノベ ケンジ ●エルネスト・ネト ●やなぎ みわ ●デヴィッド・リンチ ●オノデラユキ ●李 禹煥 ●オラファー・エリアソン ●フセイン・チャラヤン ●ピピロッティ・リスト ●アドレアナ・ヴァレジョン ●ソフィ・カル ●ジグマー・ポルケ

 数人しか知りませんが、好きな作家の名前が並ぶと嬉しいですね。各作家1~2ページの紹介文程度で、もう少し突っ込んだ評論が読みたかったりします。

 この雑誌に「リンチの展覧会は世界を巡回予定」とあるので、是非日本にも来てほしいものです。

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2007.10.15

■新刊メモ 『黒沢清 映画のこわい話』『ユリイカ 安彦良和』
  『現代思想 ドキュメンタリー』『二足歩行ロボット自作入門』

『黒沢清対談集 映画のこわい話』

 映画はなぜこわく、面白いのか。その謎を探ることこそ、二一世紀をきりひらく。
 青山真治、万田邦敏、高橋洋、周防正行、相米慎二、阪本順治、三池崇史、手塚眞、唐十郎、楳図かずお、蓮實重彦。自主映画時代以来の盟友や共作者との語らいから、同時代ライバル作家との丁々発止、異業種の雄との交流、夢の師弟対話まで豪華メンバーによる血わき肉踊る傑作対談集。

 いかにもなタイトルに、さもありなんな対談相手。 

 意外なのは唐十郎と楳図かずおか。楳図世界と黒沢映画を対比して考えたことなど、一度もなかったけれど、なかなか面白い取り合わせかも。

ユリイカ 特集*安彦良和
 『アリオン』 から 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』 まで
(amazon)
(公式HP)

【ヴィルトゥオーゾかく語りき】 歴史の忘却と捏造に抗して
 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』 という挑戦
 / 安彦良和 [聞き手・構成=更科修一郎]

 この本、随分前に出ていたのですね。知らなかった(^^;)。
 で、漫画もろくに読んでないし、それほど安彦氏には強い関心はないので、パラパラ立ち読みしました。

 このインタビューで、押井守と神山健治作品に凄い批判的なのが面白かった。安彦氏に噛み付かれているのは、『人狼』『イノセンス』『SAC』ってところ。
 結局、運動の部分とか戦後史の書き換えってところが安彦氏世代にはひっかかるみたい。僕は当時を知っている人間ではないけれど『人狼』のハードな描写は、結構本質を突いてるんじゃないかと思っていたので、ちょっと意外。

『現代思想 2007年10月臨時増刊号』
          総特集=ドキュメンタリー
(amazon) (公式HP)

 ほとんど観たこともない監督さんの名前が並んでいるけれど、こういう本、好きなんですよね。で、なかなか作品を見る機会がないから、もんもんとするという、、、、。

吉野耕司『60日でできる! 二足歩行ロボット自作入門』(amazon)
(公式HP)

ロボットの基本的なしくみから、電子部品の半田付け、プラ板工作のいろは、CやVBでのプログラミングと進み、最終的に「敵を見つけて近づいてパンチする」ことができる二足歩行ロボットを作り上げる入門書。前提知識は一切不要。

 暇があったら是非やってみたい趣味のひとつ。(Blog書いてる暇があれば何時でもできるといわれそう(^^;;))
 いずれ初期のマイコンみたいに趣味として広がっていくだろうと言われているロボットも着々とその地歩を固めているようです。21世紀のマイクロソフトが日本から生まれるといいですね。

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2007.10.14

■マイケル・ベンソン/檜垣 嗣子訳
  『ビヨンド:BEYOND 惑星探査機が見た太陽系』
  機械知性のみが知覚する宇宙の畏怖

マイケル・ベンソン,檜垣 嗣子訳
『ビヨンド 惑星探査機が見た太陽系
 BEYOND : VISIONS of the INTERPLANETARY PROBES 』

 新潮社HP 公式HP ギャラリー(一部閲覧可)

 カラー・モノクロ295点を収録した決定版。 燃えたぎる太陽、優美な土星リング、海王星の青き輝き…。惑星探査機が約40年にわたって送信してきた膨大なデータを厳選。

ベンソン,マイケル  作家、映画制作者、写真家。
 アメリカでは「アトランティック・マンスリー」、「ニューヨーク・タイムズ」、「ネーション」、「ローリングストーン」に、またヨーロッパでも「インターナショナル・ヘラルド・トリビューン」をはじめとする新聞・雑誌に、記事や写真を発表している。
 長編ドキュメンタリー『Predictions of Fire』は、ニューヨークのフィルム・フォーラム・シネマで封切られ、アメリカ各地に配給、いくつかの国際映画祭でベスト・ドキュメンタリー賞を受賞した。
 現在は、世界各地をまわるロード・ムービー『More Places Forever』と、無重力状態での初めての舞台パフォーマンスを題材にした映画『Zero』を制作中。妻、息子とともにスロヴェニアの首都リュブリャナで暮らしている。

 この本は、宇宙機による探索の歴史をえがきながら、太陽系の星を順を追って大判の写真で紹介した本。

 図書館で見かけて、ただの宇宙写真集と思って観はじめたら、中に入っている著者と関係者の文章が哲学的で素晴らしく、写真とともにひさびさに宇宙の雄大さを感じて読み終わった。

Beyond_jupiter  まずアーサー・C・クラークの序文。
 全宇宙の大きさを地球大と仮定すると、人類の活動圏20億km^3はほぼ原子一個分の大きさに過ぎない。類人猿が道具を使うことを覚え、その道具が人類を生み出した。そして人類が生んだ機械知性が人類の到達できない宇宙へ進出してその活動圏を広げている(その活動範囲は最遠のボイジャー1号が130億km彼方で、活動圏は既に人類の4×10の20乗倍)。それを進化と呼ぶなら、既に人類から機械知性へのシフトが始まっているのではないか。
 この探索機の撮った写真に受ける感動は、彼らが既にして知性と創造力を獲得している証なのかもしれない、とクラークは続けて書いている。

 著者のマイケル・ベンソンもこのスタンスは同様である。長文だけれど、なかなか面白い視点なので、紹介する。

Voyager_1_looked_back_at_saturn_on_  もし私が事情に通じていなかったら、地球を取り巻く大気のはるか遠くで、一種のバトンタッチのようなものがおこなわれつつあるのではないかと思ったことだろう。血と肉でできた"私たち"から、ナットとボルトでできた"彼ら"へと。(略)

 時々、私は考えてしまうのだ。人間が作ったセンサーが天空から送りつづけてきた、眼を見張るほどの豊かさに、多くの人が気づかなかった、あるいはあえて眼を向けようとしなかったという事態は、私たちの文明についていったい何を物語るのだろうかと。こうした夢のような機械を作り出した非宗教的な時代が同時に、機械によって解き明かされたものに向けられるべき畏怖の念を多少なりと消し去ってしまう原因にもなっているのだろうか。機械にある程度の心と好奇心を与えたことによって、私たちはその分、自分たちの心と好奇心を失ってしまったのだろうか。もしかしたら、私たちにはもっと時間が必要なだけなのかもしれない。あるいは角度を変えれば、もっと空間が必要なのかもしれないのだ。

 僕はエンジニアとして実にアバウトな人間なので、直感的にテクノロジーが意識を持った人工体を作り出すのは、そう遠いことではないと思っている(以前書いた記事)。なのでこの本で述べられていることは、なんとなく実感できる。有機体では到達にすさまじいコストが必要になる距離でも、宇宙探査機のような機械知性体であれば、らくらくと活動を広げていける。

 知性体の進化を宇宙への活動範囲の広がりで計るとすれば、既に人類は次の世代へバトンタッチするその端緒に着いているというクラークのコメントは卓見である。そして彼らが直視した宇宙の脅威の映像の一端がここにある。

 この写真集で我々は、機械が直面した非宗教的だけれども、とても宗教的なそれらの光景の持つ畏怖をどれだけ感じとれるのだろうか。そんな感慨とも諦観とも感じられる感想が本書の読後感である。ウェブで探した本書の感想は、ただ写真の感想が多いけれど、著者のラディカルな思想をこころしてお読みください。

◆その他 メモ  映像研究的に面白いところ。

・ルナーオービター探査船は70mmフィルムを露光・現像し、それをスキャンした情報を地球へ送信していた。
・ボイジャーをはじめ探査機からは宇宙の写真が洪水のごとく送られてくる。ハッブル宇宙望遠鏡からは20億バイト/日。次世代宇宙望遠鏡は数百テラバイト/日に拡大する。
・既に天文学のある部分は、これらデータをヴァーチャルな空間で観察するデータマイニングの領域へ突入している。
・著者はスロヴェニアの首都リュブリャナからインターネットで探査機のデータアーカイブを探索し、NASAの画像処理技術者と協力して、マルチフレームの合成画像、データに基づいた着色作業を進めて、この写真集を構築した。
・ユークリッドは、人間の視覚は眼から出た光の反射により生じていると考えていた。
・火星の運河で有名なパーシヴァル・ローウェルが金星に車輪状の構造を見つけたのは、実は望遠鏡内部に映った自分の目の血管だった。これは2002年にある論文で明らかになった。

◆関連リンク
Michael_Benson(Wikipedia)
Beyond_more_places_for_everhttp://www.kinetikonpictures.com/
 マイケル・ベンソンのHP(?)
 ギャラリーや映画作品の紹介
 次回作 MORE PLACES FOR EVER(右写真)
 宇宙と人間のかかわりを描いていそうで期待。
・同HPの宇宙関係アーカイブへのリンク 

芸術としての宇宙写真が人類に伝えるもの(WIRED VISION)

 ベンソン氏の写真集の折り込みピンナップとされるだろう作品からは、宇宙の巨大なスケールが感じ取れる。それは、ボイジャー1号が撮影したエウロパの連続写真を融合させた魅惑的なモザイクだ。木星表面の旋回する渦、帯、荒れ狂う大気の「大赤斑」をバックに穏やかに浮かんでいるエウロパを、ベンソン氏は「宇宙に浮かぶ一粒の真珠」と描写している。

 ベンソン氏は、『フォトショップ』を使って3週間作業を続け、高解像度の画像60点をもとにこの大作を作り上げた。この作品は、探検画家トーマス・モランの絵画『イエローストーンのグランドキャニオン』について、美術評論家のD・O・C・タウンリー氏が1872年が書いた批評を思い起こさせる。「巨大なキャンバスの使用を正当化する主題がもしあるとしたら、確かにこれが該当する」とタウンリー氏は述べていた。

探査機『ニューホライゾンズ』、冥王星に向かって出発
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JAXA SPACE REVIEW MAGAZINE
 BEYOND プレビュー

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