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2008年4月

2008.04.29

■飛騨高山 留之助商店 本店  訪問記

Tomenosuketile
                          ※その他写真はアルバムで公開。
飛騨高山 留之助商店 本店 公式HP

 SF映画研究家 中子真治氏が店主の留之助商店 本店へ行ってきました。

 高速が開通し、うちからなんと約2時間で高山まで着いてしまった。この距離に、ターミネーターやエイリアンの映画で使われた本物が存在していると思うと、それだけで嬉しい(^^;)。

 繁華街の大通りに面して留之助商店はある。
 店先には「玩具みたいな芸術みたいなオブジェモチャ専門店」、「ハリウッドSFX映画プロップ・ギャラリー」の二つの看板が向かい合って並んでいる。そして入場料500円を払って中へ。

 60m2くらい(推定)の広さの店内にはところ狭しとオブジェモチャとプロップが並べられている。特にプロップはそのまま置いてあるが、オブジェモチャはほとんどガラスのショーケースに収められている。それぞれがまさに壮観。店主さんのBlogで観たことのあるものが多いが、それにしても写真でなく実物の存在感は圧巻。特に写真ではわからない大きさの感覚と、(オブジェなので当たり前なのだけど)それが物体であることによる立体感。

◆オブジェモチャを鑑賞する脳の回路の物語

 あの写真のこれは、この存在感だったんだね、って、そんな感じでじっくりと見入ってしまった。
 特にプロップは以前アプライド美術館と倉庫で観ているので、今回眼に新しかったのが、オブジェモチャ。アートとフィギュアの中間に位置するアーティストの立体造形作品のポップなイメージを堪能。あまりこうしたものは日本で紹介されていることを知らないのだけれど、この味わいは脳の新しい回路を刺激する。

 正直、店主さんのBlogで拝見してた時は、頭の回路が着いて行ってなくて、どうもいま一つピンとこなかったのだけれど、今回立体物で全体の質感がとらえられて、なんだかとても感心して見入ってしまった。これが新しい脳の回路が開拓されていく瞬間なのだろう。

 無性にほしくなるアイテムもいくつかあったのだけれど、これ以上収集するものを増やすと、金銭的にもスペース的にも、そして家族の視線的にも辛いので、今回はオブジェモチャは一つも買わずに帰ってきた。同行した妻は、ざっとひととおり見て、また旦那の趣味が増えるのかと危惧しつつ、先に高山のGWの雑踏へと出て行ったのであった。(自制心という言葉は私の辞書にまだかすかに残っていたようだ(^^;))

 というわけでお土産は写真とアメリカの「HI-FRUCTOSE:ハイ・フルクトース」という“アートの秘境ガイド”誌。写真はアルバムとして公開します。いつものようにハイビジョンハンディカムで撮影した動画から切り出した静止画です。店内は撮影自由、Blogでの公開も店長さんにOKをもらったので、よかったら見てやってください。
 「HI-FRUCTOSE:ハイ・フルクトース」については刺激的な雑誌なので、後日詳細をご紹介する予定。

そして中子真治氏は今回不在

 実は今回、もしかしたら中子氏に会うことができるのではないかと期待して、氏がSF映画作家論を連載していた雑誌「奇想天外」と大作『超SF映画』を持参して行った。もし会えれば、それらのファンであるという話とサインをもらいたいと思ったから((^^;)。ミーハーと笑って下さい)。

 でも本当にこの「奇想天外」誌の連載「新主流派SF映画作家論」は、僕の学生時代のSF映画鑑賞のバイブルだった。鋭い分析とクールな文体は今も輝きを失っていない。この連載が単行本として纏まっていないことが今も僕には残念でならない。

 話をさせてもらった店長さんによると、中子氏は昨日来店してたとのこと(!)。
 最近は本業が忙しく、ほとんどここには来られないらしい。

 本にサインをほしかった、という話をすると、親切にも預かってお送りすることもできます、と言ってもらったのだけれど、さすがに気が引けてご遠慮しました。

>>店長さん
 プロップとオブジェモチャの紹介と、そして中子さんの話をありがとうございました。

◆関連リンク
mixiに「中子真治」氏のファンのコミュニティを作りました(今までないのが不思議!)。
 ファンの方、よろしけれぱ参加下さい。現在、会員は私だけ(^^)。
・Blog 店主55才、玩具道(オモチャミチ)の光と影
留之助商店 Download資料室
 むかしオブジェモチャのCMフィルムが観られる貴重なページ
・留之助商店 YAHOOでオークションの出展
Hida-Takayama travel guide - Wikitravel

For something completely different (and slightly out-of-place), Tomenosuke is a science-fiction movie gallery-store hidden a few blocks north of the Train Station. Inside the store you will find some very cool original movie props (a beast mask from Star Wars, the original robot suit from Spaceballs, and a 1/4 model of the Alien queen for example) in addition to replicas and American designer art figurines. There is an admission fee of 500 yen, but it is well worth it.

 留之助商店の紹介記事がイギリスのWikitravelで大きく取り上げられているとのことで原典をペーストしました。僕が見てた時、外国人観光客は入り口で興味深そうにしてたけど入店しませんでした。

◆当Blog記事
・92年 下呂のアプライド美術館と中子真治氏の倉庫
『ブレードランナーの未来世紀』町山智浩氏と中子真治氏
中子真治氏のオブジェモチャ専門店 飛騨高山 留之助商店 本店

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2008.04.28

■ヤノベケンジ 京都造形芸術大学 《ウルトラ・ファクトリー》
  Misia「Yes Forever」 PV

Yanobe_ultra_projectYANOBE KENJI ART WORKS ///
  ヤノベケンジ アートワークス
(公式HP)より

《ウルトラ・ファクトリー》
  ULTRA FACTORY in KUAD 予告編

Art! Design! Science!
空前絶後!ヤノベケンジが贈るウルトラ・アーティスト育成教育特殊機関プロジェクト。
2008年6月 全開始動!!

 京都造形芸術大学に建造中の《ウルトラ・ファクトリー》の構想がムービーで明らかになった。ダイナミックでセンセーショナルなこのヤノベ氏のコンセプトをご覧あれ。

 《ウルトラ・ファクトリー》から今後、どんな尖鋭的なアートが世に出てくるか、大いに期待したい。京都ならそれなりに近いから行けるし。

◆《ミニ・アトムスーツ出演》

Misia さん New Single「Yes Forever」(4月30日発売)
ミニ・アトムスーツがPVコラボレーション。

Yanobe_misiaMISIA OFFICIAL WEB SITE(PVの一部映像)

こちらで低画質だけれど、全編観える
(ここはたぶん無断掲載サイト)

 天体望遠鏡とプラネタリウム、ミニ・アトムスーツとロケットと、misiaの歌。ミニ・アトムスーツの風防に映る映像がいい。
 登場するロケットデザインがヤノベ氏かどうかは微妙。
 アトムスーツのコンセプトとこの歌の内容がいまひとつシンクロしていないように感じるのは僕だけか。

 にしてもジャイアント・トらやんをPVに使う歌手はいないのかなー。ファンキーな曲に合うと思うのだけれど、、、。

◆関連リンク
京都造形芸術大学BLOG. 春の顔見世展 映像
 ジャイアント・トらやんの勇姿 再び
Youtubeのヤノベ関連ムービー
当Blog ヤノベケンジ関連記事 

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2008.04.26

■新刊メモ『新海誠美術作品集 空の記憶~The sky of thet longing for memories』
  押井守『イノセンス アブソリュート・エディション』

『新海誠美術作品集 空の記憶
        ~The sky of thet longing for memories』
 cwfilms(詳細)

最先端クリエーター新海誠初の美術画集。 400点近い背景画を収録。新海誠の原点である“空”がすべてこの一冊に!!

 新海監督の描くクールな風景が画集になった。
 これはファンには嬉しい出版。僕は買いませんが、一度じっくり眺めてみたいものです。眺めるなら、春の今の時期がいいですね(図書館にリクエストしよう)。

押井守監督『イノセンス アブソリュート・エディション』(Blu-ray Disc)

音声はドルビー True HD とDTS HD マスターオーディオを新たに収録。画像圧縮はMPEG4 AVC を採用することにより、画質を落とすことなく「クリエイターが実際にスタジオで聴いている、マスター音声そのもののクオリティ」を維持するロスレス音声の収録を可能にしています。 (略)

 これは凄いかも。スタジオにいるのと変わらない音源がユーザーの手元に!
 うちのオーディオシステムでこの音源が臨場感をもって再現されるかが心もとないですが、ここまで書かれると、どうしても欲しくなってしまう。『イノセンス』を映画館で観た時の、音響の凄さが家で体感できるとなれば素晴らしい。
 Blu-rayの勝利も決まったし、このDiscの発売を知って、Cellの購入を決めました。うちにスーパーコンピュータが届くまであと二日(でもこのBlu-rayディスクの発売はだいぶんと先だけど、、、)。DVDでのアップコンバートの性能とか楽しみ。

◆関連リンク
・Other voices -遠い声- 2008年の近況(新海誠氏HP)

4月 25日に講談社から発売される美術画集『空の記憶』には、美術スタッフのインタビューもたくさん収録されているようです(こちらはminori作品とは関 係ありません。念のため)。なかなか表面からは見えない、個々のスタッフの苦労や成果が読み取れるかもしれませんね。僕は怖いので読んでいないけど (笑)。

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2008.04.24

■幻想植物 栽培日記11 ロマネスコ復活の日 開花

Romanescohorz
 春の新緑が眼に優しい季節、うちの畑にも新たな究極映像への息吹が、、、。

 終わったと思っていたロマネスコとの戦い(^^;)が再開されます。

 なんと冬を乗りきった一本のロマネスコから、新たな枝がニョキニョキと伸び、そしてその先に多くの花のつぼみが!?

 なんとロマネスコの開花です。黄色い花がひらきはじめています。
 さきほどGoogleってみたところ、数あるロマネスコの栽培日誌にも開花についての情報は見当たらない。

 このうえは、今年もつき合いたいと思います。まずは今週末にやってくる満開の映像と、続いて種の生育も追いかけてみたいと思います。

 今年こそは、ここの読者の方に、お送りできるくらいの育成を成功させてみたいものです。

 種が爆発的に飛び散って、うちの畑がロマネスコ一色に侵略されないことを、祈ってください!!(^^;)

◆関連リンク 当Blog記事 
幻想野菜 ロマネスコ
幻想植物 栽培日記1 ロマネスコの種まき
幻想植物 栽培日記2 ロマネスコ、芽吹く
幻想植物 栽培日記3 ロマネスコ、フィールドへ
幻想植物 栽培日記4 ロマネスコ、地球の虫との対決
幻想植物 栽培日記5 ロマネスコ、巨大化
幻想植物 栽培日記6 ロマネスコ、瀕死!!
幻想植物 栽培日記7 ロマネスコ、復活!!
幻想植物 栽培日記8 ロマネスコ vs 青虫 冬の対決
幻想植物 栽培日記9 ロマネスコの光景
幻想植物 栽培日記10 ロマネスコのいる食卓

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2008.04.23

■黒田秀樹監督CF 「TOYOTA IST : トヨタ イスト」

Isttile
toyota.jp ist CM FILM (公式HP)

 このCFは鮮烈でした。
 公式HPに8色のistのコマーシャルを一堂に鑑賞できるページがあったのだけど、記事を書きそびれていたら既になくなってました。で、探したら、YoutubeのこのCM集へのリンクがあった。そして8本のメーキングはこちら

 この退廃的な雰囲気と色彩のコントラストが素晴らしい。
 で、このCFについて調べてみると、、、。

TVCM紹介:CM情報

テレビCF監督(ディレクター):上田拓 他の作品 Ex.「アミノサプリ」(キリンビバレッジ)、「ist」(トヨタ)など

 監督はCFディレクターの上田拓氏らしい(ネットの情報では正確には不明)。この監督の名前で検索すると L'Arc en Ciel - Finale(YouTube)というPVがある。この冒頭の雰囲気がISTのCFに似ているので、まず特定してもいいのではないか、と判断。
 詳しい方、コメントいただけると幸いです。

◆07.7/26修正追記

 監督は黒田秀樹氏とのことをコメントの情報で教えていただきました。

 黒田秀樹 - Wikipedia

  CMディレクターの中島信也と大学時代にバンドを組んでいたという著名なクリエータの方でした。資生堂TSUBAKIとか、ニコレットのCMとかも作られているとか。

◆関連リンク
recomints part-3:トヨタ「ist」CM曲はK・クリムゾン

最 近、店頭でも「アノCMソングは誰?」と問い合わせの多いオダギリジョー出演のトヨタ「ist」。CMで流れている印象的なあの曲は、King Crimsonが1973年に発表したアルバム『Larks Tongues In Aspic~太陽と戦慄』に収録されている“Easy Money”。原題『毒蛇に呑まれるひばりの舌』という意味ありげなこの作品は、ロバート・フリップ(g)のほか、ジョン・ウェットン(vo,b/後にロ キシー・ミュージック、U.K、エイジアなどでも活躍)、ビル・ブラッフォード(ds/元イエス)、デヴィッド・クロス(vn)、ジェイミー・ミューア (perc)という新編成の第3期クリムゾンで制作されました。

 で、印象的なBGMは、キング・クリムゾン。映像とのマッチングが最高。

CMトピックス~話題のCMメイキングと出演者インタビューを紹介!!~
 「トヨタ ist」 | CM DATABANK CM総合研究所

オダギリジョーさんが8色分の世界観を表現。トヨタ「ist」はフルモデルチェンジに伴って、オダギリジョーさんを起用したCMをオンエアしています。ここではそのCM発表会の模様とメイキングを紹介。「情熱的で華やかな遊び人」「グラマラスで妖しい伊達男」など、オダギリジョーさん独自の世界観で表現した8変化CMの裏側は必見です。

 こういう特集記事も出てるようです。ネットでは詳細は見られません。残念。
・TVオンエアーとカンヌ広告祭出品のCFコンテストを開催

 2004年にistのCFのコンテストがあったようです。
・iron-kettle.comさん : ist CFilms

 旧istのCFについて。
・旧istのCMは、『SAMURAI FICTION』の中野裕之監督らしい。
  HIROYUKI NAKANO  中野裕之オフィシャルページ

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2008.04.22

■Hyundai IT、46型3D LCDテレビ 立体映像デモ

Hyundai_3d 46型3D LCDテレビを日本で予約販売
Hyundai IT(公式HP)

 韓国のディスプレイ・メーカであるHyundai IT社は、46型の3D立体LCDテレビを開発、日本での予約販売を開始すると発表した。解像度はフルHD。現在、ビックカメラに展示している。(略)
 12月1日に放送を開始した新しいテレビ局の日本BS放送が3Dを試験放送を行っており、08年4月から世界で初めて本放送を実施するためである。Hyundai ITは08年中に46型だけでなく、32型、37型も製品化する。

BS11│エンターテインメント │3D立体革命

 現在、BS11で、6分程の立体映像の放送が実施されている。

 このHyundai3Dモニタのデモをビッグカメラ店頭で観てきた。3D映像の方式はSide-by-Sideフォーマットとのこと。
 立体視は偏光式のメガネをかけてみる。店頭で観ているのは怪しい雰囲気(^^;)。映っていたのはサッカーとバスケットの試合。

 正面から観ると、かなり鮮明な立体視が可能。スポーツの各シーン、なかなかの迫力だ。しかし残念ながらフルハイビジョンの鮮明な画質とはちょっと異なる。たぶん右目と左目へ映像を分割してるため、分解能が半分ほどになっているのが原因だろう。縦方向に縞々な映像になっていた。

 アメリカで立体映画が普及する傾向にある中で、いずれは家庭へも立体視TVが普及していくだろう。このテレビは46型で49万円程度で、通常の液晶テレビと比べると割高だ。けれど、家庭で買えない額ではない(うちはまだとても買えません(^^;;))。

 これから放送時間がどう増え、受像機がどれだけ登場してくるか、楽しみである。
 願わくば液晶シャッター式で、フルハイビジョンのポテンシャルをしっかり引き出してほしいものである。

◆関連リンク
・Side-by-Sideフォーマット方式のゲーム用モニタ
 ::: Zalman, leading the world of Quiet Computing Solutions :::. (関連資料PDF)
・当Blog記事 BS11開局 立体視TVへのアプローチ 『3D立体革命』

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2008.04.21

■天願大介監督 『世界で一番美しい夜』予告編

Sekai_de_ichiban_utsukushi_yoruvert
映画『世界で一番美しい夜』公式サイト
 天願大介監督の次回作を探してみたら、なんともうすぐ公開(5/24)。
 「誰も死なない"テロ"のお話」!そしてファンキーな公式サイトの絵!(公式サイトの右上「スタッフ」とか「物語」をクリックすると、いろんな絵が出てくる仕掛け)

 予告編を観ると、なんだか今村昌平の『神々の深き欲望』を想起させるといったら先入観の持ちすぎだろうか。前作『暗いところで待ち合わせ』の乾いた静かな恋愛ものから、いきなりウェットな日本的な世界に突入か!?

 公式サイトのファンキーな絵は、スタッフリストを見ると判明。「絵師と題字 : スズキコージ」。あの『やまのかいしゃ』のスズキコージである!やはり(^^;)。

 今のところ、5/24の公開は、渋谷シネマ・アミューズだけであるようだが、是非、全国各地での上映に広がってほしいものである。

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2008.04.20

■天願大介監督 『暗いところで待ち合わせ』

『暗いところで待ち合わせ』  (公式HP)
オフィシャル掲示板 (何故かもうひとつ公式HP(?))

 天願大介ファンとして今までこの映画を観てなかったのを恥じなければ、、、。(正直『AIKI』に乗りきれなかったので、、、)
 これ、傑作です。天願作品の中でも一二を争う出色の出来。この映画、あまり評判にならなかったと思うけれど、広く観てもらいたい作品。

 先入観なしに観ていただくのが一番だけれど、淡々とした静かな乾いた描写が素晴らしい。
 日本映画はハーラン・エリスン原作(作家への嫌味です。為念)・行定勲監督の『世界の中心で、愛をさけぶ』のヒットに触発されたベタベタの恋愛ものが流行ったけれど、この映画の乾いた描写は胸に迫る。

 ネットで感想を読むと、押井守の義理の息子である乙一氏の原作が傑作らしい。
 ネタばれの以下の文で詳しくは書くけれど、天願大介がずっと描き続けているテーマに、ベストマッチした原作。

★★★★★★ ネタばれ あり ★★★★★★

 観た人にはわかってもらえると思うけれど、この映画で一番泣けるのは土鍋のシーンである。
 土鍋で泣ける恋愛映画の登場に拍手!!ずっとサイレントで進むシーンの後、動的に画面が動くこのシーンでも効果音は最低限に絞られている。そして土鍋の音がしない。

 ここで二人の感情が交差する。

 

 『妹と油揚』 (90)、『アジアン・ビート(日本編)アイ・ラブ・ニッポン』 (91)、『無敵のハンディキャップ 』(93)、『AIKI 』(02)、『暗いところで待ち合わせ』(06)、この映画を観るまで意識していなかったけれど、天願作品はいつも居場所のない存在がその場所を見つけていく映画だった。

 乙一の原作のセリフなのか、天願の脚本で追加された言葉なのかはわからないけれど、こうした彼の作品に通底した部分が今回、ダイレクトに述べられている。

 原作では日本人であるアキヒロをこの映画は中国から来たハーフに設定している。
 ここも過去の監督作品から考えると、監督にとっては必然的な変更だったのかもしれない。

◆関連リンク
天願大介 - Wikipedia

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2008.04.19

■押井守監修 トヨタ 近未来仮想都市:メタポリス
  しかしここは押井守の街ではない

Metapolis

トヨタ メタポリス 開設
…押井守が近未来の都市空間をテーマに監修(Response)

トヨタ プレスリリース

 トヨタメタポリスは、ココアが開発したネット上の3次元仮想都市『meet-me』内で同日から試行版を運用、5月12日にオープン記念イベントを行った後、今年10月にグランドオープンの予定。若年層をターゲットにした新たな情報発信媒体として運営していく。

TOYOTA METAPOLIS(公式HP)

 「押井守監修の原画(作画:平田秀一)からメタポリスができるまで」というコーナーも有。

 またこの公式HPから無料で『meet-me』のメタポリスへ登録可能。高層マンションを住居にして、押井守監修の未来都市を探索できる。(と言ってもなんだかプレスリリースを見ると、もろトヨタの車の宣伝ばかりの街のようで、これで「若年層」への情報発信ができるのか、既に不安??)

 ミュージアムの建物が最近の押井守の映像の雰囲気が少しあるくらいか。

 登録して歩いてみたが(こういうセカンド・ライフ系は、懐かしのFRANKY ONLINE以来の経験(^^;))、今のところ街に何もなく、人も少ないのでさみしい(深夜だけど、一応週末)。それにしても歩くのに時間がかかる。このかったるさは辛い。

 とりあえずiREALをゲットするイベントに参加するしかないか。BP@究極映像研という名前で登録しているので、メタポリスであったら、よろしく。

 最後に街を歩いた感想から断言しよう。
 この街は押井守が監修したかもしれないが、魂は込められていない。
 何故なら街に犬も鳥も魚もいないから。ここは押井の街ではない(キッパリ)(^^)。

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2008.04.18

■ネスカフェ 匠 CM 『怪獣 vs ヒーロー篇 (15 秒)』

ネスカフェ 匠(公式HP)
新「ネスカフェ匠」 4 月 14 日(月)新発売(プレスリリース)

『怪獣 vs ヒーロー篇 (15 秒)』
 ストーリー主人公は外まわりの営業マン。彼が公園のベンチで休憩中、「ネスカフェ匠」を一口飲んだ瞬間、その香りとコクに“おっ”とクギヅケに。彼の周囲でなぜか逃げ惑う人たちも目に入らない。実は目の前で巨大な怪獣とヒーローとの闘いが繰り広げられていたのだが、それにも彼は気づかない・・・。

 TV CFなので観られた方も多いでしょう。
 うっかりすると見逃すさりげなさで、ウルトラヒーローもののフォーマットを見せています。

 おっ、なんだ、これ。というのがこのCMの面白さなので、あえて画像はのっけませんので、公式HPでご覧あれ。

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2008.04.16

■タチコマ(ん?フチコマ) 立体映画で世界デビュー

3d_tachikoma「攻殻機動隊」ハリウッドで3-D実写映画化
   (Variety Japan)
 (野良犬の塒 経由)

実写版「攻殻機動隊」のキャスト案で
 日本全国が揺れています
    (ギズモード・ジャパン)

 既に旧聞(^^;)に属しますが、やはりこのネタは取り上げないわけにはいきません。いつかはハリウッド、と巷で語られていたことが現実になりそう。

◆映像の冒険

 あのスピルバーグが一枚噛んでいる。
 『プライベート・ライアン』でノルマンディー上陸作戦、というか戦争そのものを斬新な映像表現で描ききり、そして『宇宙戦争』でSFにも迫真のリアリティを導入したあのスピルバーグが攻殻 ! これは震えます!! と言っても残念ながら監督というわけではなさそうだけれど、、、。

 もうひとつの楽しみは、この映画が立体映画で撮られるということ。
 『ベオウルフ』と同じREAL D方式かDOLBY 3D方式かどちらかはわからないが、いずれにしてもデジタル上映による高精細な立体映画で『Ghost in the Shell』が観られるのは素晴らしい。

◆映画のチャレンジ

 ここで映画化の課題は、日本のアニメ作品をベースにするのか、それとも士郎正宗氏の原作をベースにするのか、というところだと思う。

 アメリカでもたぶんアニメ作品のほうがずっと知名度は高いだろう。どちらを選択するかは見もの。まったくこの二つを無視して、ハリウッドエンターテインメントとして作り上げてしまう危惧も大いにあるけれど、、、、。まずはお手並み拝見。

 僕の希望だけ書くと、やはり映像作品としては新しい表現を観たいので、押井守と神山健治監督の世界は一切無かったことにして(音楽だけは使ってほしいけど(^^;))、いまだ一度も映像化されていない原作の雰囲気をうまくすくい上げた本物のサイバーパンクの味にトライしてほしい。

 アニメ攻殻機動隊も魅力は当然あるのだけれど、原作の凄さを本当に表現できているかというと、なんかひとつ物足りなさを感じる。ここを突破して映画が士郎正宗の世界を描き出して完成したら、きっとSF映画の金字塔となるんじゃないか、なーんてことを夢想。そんなうまい話はないだろーなー。(ひとつの切り口は、漫画作品の素子のようにファンキーな主人公像を描くことかも。アニメファンには総スカンを喰らいそうだけれど、、、)

◆関連リンク
ヒストリー・オブ・バイオレンス - 伊藤計劃:第弐位相
 作家 伊藤計劃氏の秀逸なスピルバーグの分析。
tachikoma snap

 引用写真はこちらから。他にも街に現れたタチコマのスナップ多数。
 このレベルを超えて、ハリウッドのCGで思考戦車がどうリアルに描かれるか、期待大。

Spielberg Adapting Ghost in the Shell
  into Live-Action 3D! (FirstShowing.net)

Ghost In The Shell(Google News Search)

どうなる? スピルバーグ監督の『攻殻機動隊』3D実写版 | WIRED VISION.

Variety Japan | 米劇場の3-D対応、カギはスピルバーグの説得

「攻殻機動隊S.A.C.」カフェ-「笑い男」ホットケーキ提供 - アキバ経済新聞

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■HiRISE 火星の衛星『フォボス』 高精細写真とステレオ画像

Phobostile

HiRISE | Phobos Imaged by HiRISE (アリゾナ大)
             (WIRED VISION経由)

3月末、火星探査機『マーズ・リコネッサンス・オービター』に搭載されているHiRISE(High Resolution Imaging Science Experiment、高解像度撮像装置)が、2つある火星の衛星のうちの1つ、フォボスのこれまでで最も詳細な写真を撮影した。アリゾナ大学にあるHiRISETのウェブサイトでは、写真が立体的に見えるステレオ版の画像も入手できる。

 フォボスの写真が素晴らしい。
 この明るい映像、そして窪みとこの縞々模様のリアリティ、、ってCGに見えるけれど、、、(^^;)。

 宇宙の真空って、やはり写真のクリアさを引き立て、逆にCG的に見えてしまうのだろう。大気がないことで霞んだりするようなリアリティが欠如している。これも我々人類が地球の大気圏内でリアリティを育んだ生命だからなんだろーなー。

◆関連リンク
その他HiRISE 火星高精細画像(アリゾナ大) 
HiRISE Online Image Viewer 火星各地の写真にアクセス

 

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2008.04.15

■ベン・ヒボン:Ben Hibon監督 「コードハンターズ:Codehunters」

Codehunter
「コードハンターズ:Codehunters」 (映像はこちら → 公式HP
 (Blog CIA☆こちら映画中央情報局です さん 経由)

 3D-CGを用いたMTV用作品の短編アニメーション。
 異世界と列車とモンスター。そしてクールなキャラクターで独特の世界観が描かれている。

 アメコミとバンド・デシネ、そして日本のアニメを融合したようなタッチがなかなか新鮮。

 この作品、ハリウッドでこの短編アニメ監督自らの手で実写映画化される計画とのこと。
 乾いたこの世界が実写でどう開花するか、楽しみに待ちたい。

◆関連リンク
・監督のHP STATELASS FILMS 他の4作品が観られる。
  J LEAGUE 5という作品がなかなか味がある。あとイラスト多数有。
・BLINK PRODUCTIONS (uk)
 "choose director" -"Ben Hibon"を選択すると、彼の他の3作品が観られる。
・第11回文化庁メディア芸術祭特設ブログ:
 「Ars Electronica 2007」(10)アニメーションフェスティバル
.

今 年のGoldene Nica(大賞)はチェコ出身のベン・ヒボンの『Codehunters』です。チェコと言えば人形アニメーションの故郷と Pr_2007_codehunters_001_pしてアーティスティックな短編アートアニメーションを思い浮かべますが彼の作品は日本のアニメそのも の。押井守、宮崎駿、森本晃司等の影響が強く見られます。受賞式(GALA)でのコメントも日本のアニメへの讃歌でした。

 本人のサイトSTATELASS FILMSのBiographyには、ジュネーブ出身とあるので、チェコというのは間違いでしょう。

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2008.04.14

■ターセム・シン:Tarsem Singh監督
 『ザ・フォール:The Fall』 予告編

The_fall_tile

Apple - Trailers - The Fall - Trailer (公式HP) 08.5/9公開
The Fall (2006) India / UK / USA

 予告編続きで、もう一本幻想的な作品を紹介。
 「移民の娘に、病院の寝たきりの男が語るファンタシー」。
 とにかく予告を観てほしい。素晴らしい色彩とレイアウト。そして細密画のように鮮明なディテイル。どんな物語かは想像するしかないけれど、イマジネーションを刺激する映像だ。

 製作に、デヴィッド・フィンチャースパイク・ジョーンズの名前がある。このメンバーも凄い。

◆関連リンク
・ターセム・シン:Tarsem Singh監督 (IMDb) (はてな)

ケン・ラッセルやデヴィッド・リンチを意識しているようだが、「完全に凌駕してしまっている」と私は評価を下す。ブラザーズ・クエイのアニメ映画も取り入れているし、エイドリアン・ラインの最高傑作『ジェイコブズ・ラダー』にも言及している。この十年間の幻想作品で最も力のある作品(を作った監督)。

 『ザ・セル:The Cell』の監督。 実は『ザ・セル:The Cell』、未見。これは、観ないと。映像美だけの作品、という評価もありますね。
【シッチェス・カタロニア国際映画祭】
  ターセム・シン監督『The Fall』がグランプリ - エンタに関する悪魔の囁き

~インディーズカルトを愛するオバサンのつぶやき~
  ターセム・シン「The Fall」シッチェス・カタルニヤ国際映画祭のグランプリを受賞

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2008.04.13

■予告編 ヘンリー・S・ミラー:Henry Miller監督
  アナモルフ:Anamorph

Anamorphtile2_2
Apple - Trailers - Anamorph - (公式HP)  (IMDb)

When a reclusive detective (Willem Dafoe) is drawn into the case of a serial killer who is enacting anamorphosis - a painting technique that manipulates the laws of perspective - only with human bodies; he is thrust into a dark and unsettling underworld that threatens to reveal the secrets of his tormented past.

 アナモルフォシス : 歪み絵 を死体に描くサイコキラーの映画。
 Appleの予告編サイトで知ったけれど、映像的になかなか面白い。

 だまし絵やパラパラアニメ等も用いられていて、映像が犯罪と結びついて、どう映画としてまとめられているか、興味深い。

 公開はアメリカで2008年5月。

◆関連リンク
・Henry Miller (IMDb) この監督、日本ではまだ公開作がなさそう。
Art of Anamorphosis
 アナモルフォシス : 歪み絵とは、ステンレスのカップとか円筒状の鏡面を絵に当てて見ると、一つの絵が浮かび上がってくるアレです。
アナモルフォシス(歪み絵)体験(pdf)
_____ANAMORPH_____
 この映画とはまったく関係ない別のショートフィルム。こちらも良いセンス。

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2008.04.09

■伊藤計劃 『虐殺器官』 メモ

『虐殺器官』 ハヤカワ・オンライン

ポスト9・11の罪と罰を描く小松左京賞最終候補作
すごい男が現れた。
イーガンの近未来で『地獄の黙示録』とモンティ・パイソンが出会う。
日本SF史に残る衝撃のデビュー長編。    
猛毒注意。あなたはこの結末に耐えられるか?――大森望

 「SFが読みたい! 2008年版」でベスト1になった『虐殺器官』を読了。
 大森望氏の言葉通り、デビュー長編であるのに、かなり衝撃の一冊。近未来軍事SFとうたわれているけれど、エンタテインメントと思弁的・政治的な側面を両立させた傑作言語テーマSF。

 硬質な文体は翻訳SFを連想させ、無駄のない筆致と細部に盛り込まれたアイディアとトリビアなディテールが冴える。

 氏のBlog伊藤計劃:第弐位相を見ると、相当な押井守マニアで海外SFファン、ということだけど、本書はアニメ的に見ると、『パトレイバー2』の柘植の影響とか、もろもろ想像できる。映像的なシーンの鮮烈さは、まさに映画・映像ファンでもある氏の真骨頂。

 本書の面白さは、いずれ詳細に書いてみたいと思っているのだけれど、今日は駄文で締めておきます。

 本書、もしかして神山健治監督でアニメ化ということはないだろうか。
 ラストのくだりとか、もろもろ神山監督の手で映画化されたら、かなり合いそう。
 筋肉を震わせる飛行機械がタンザニア湖上空を飛翔するシーンが猛烈に映像で観たい。

 既に深く静かにそんな計画が進行しているのを夢想したりして、、、。

◆関連リンク 
・当Blog記事押井守 DVD『イノセンス』
 伊藤計劃:第弐位相へのリンク有。 といいつつ、この時アクセスして、たぶんその後はBlogを拝見してません。ずっとアクセスしてれば、新しいSF作家の誕生に立ち会えたのに残念でなりません。

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2008.04.08

■デヴィッド・リンチ禁断症状 
Helen Donlon "According To... David Lynch" e.t.c.

 最近リンチネタが切れて、キーを打つ手が震えてきたので、下記のようなdrugを供給。
 が、これくらいでは手の震えは止まらない。誰か新作情報を持ってませんか?

Helen Donlon『According To... David Lynch』 (amazon)

 2007年10月に出たデヴィッド・リンチ関連本。内容は不明(^^;)。けれども表紙が嬉しいので掲載。この表紙についてはこの記事参照。

David Lynch『Ghost Of Love/ Imaginary Girl』 (amazon)

 2007年11月のこのCDジャケットも傑作。
 このハードでブラックな感覚がリンチらしさを際立たせている。

◆関連リンク
・David Lynch's Visitor Weekend | Maharishi University of Management
YouTube - David Lynch on iPhone
 リンチがiPhoneで観る映画について語る。

インターネットマシン SoftBank 922SH(シャープ製)の概要

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2008.04.07

■アニメギガ 「板野一郎」
  &監督作『ブラスレイター』

Blasslater アニメギガ 板野一郎

 板野サーカスの自身による手法解説等、ファン必見な特集だった。
 広角レンズの効果とか、ミサイルの噴煙を流体として、風によって流す手法を実例で説明している。そして『マクロス』から『マクロスプラス』、ウルトラマンのCGへの進化。

 ジャパニメーションの進歩のため、作画技術の「量産化」を語る熱い姿が素晴らしい。

 そして最新作は以下。

ブラスレイター(公式HP) (wiki)
 プロモーションムービー(特設ページ)

 近未来のドイツ市街。その街では突如、死体が蘇り「異形の姿」となって人を襲う謎の事件が勃発していた。そんな中、生態のまま悪魔の姿へ自由自在に変化する者達が来訪する。

 これ、CGで描かれているとのこと。
 CGの特質を活かし、2D手描きではありえないこのキャラクターのディテイルの凝り方がいい。

 公式HPのオープニングでは、板野サーカスな貯めの効いたミサイルも登場。スピーディでしかもCGにより細部が緻密な動画が楽しみ。
 でも残念ながら4月末からスタートするこの番組、中部地方では放映がない。なんとかこっちでもやってほしいものです。

 あとアニメギガは、是非今度はアニメーターとして、金田伊功をとりあげてもらいたいもの。

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2008.04.06

■マット・リーヴス監督『クローバーフィールド:Cloverfield HAKAISHA』

Cloverfield マット・リーヴス監督
『クローバーフィールド HAKAISHA』
                                (公式HP

 以前の記事で紹介した予告編をみてからずっと期待していた『クローバーフィールド』を観てきた。

 この手で来たかって感じ。
 しかし想像の範囲は出ていないので、面白かったけれど、いまひとつの感は否めない。 

★★★★★以下、ネタばれ注意★★★★★



 結局想像の範囲を出ないというのは、ニューヨークを舞台にしたがゆえに、どうしてもアメリカ版『ゴジラ』を思い出してしまうからだと思う。
 映画の展開が大筋でそれをなぞっているように見えてしまい、せっかくホームビデオで撮っている臨場感を出す手法の意外性が、割り引かれてしまっている。残念。

 製作者たちは意図的にたぶん『ゴジラ』をなぞったのだろう。
 ここまでハンディムービーで撮ったドキュメントの体裁をとると、エンタテインメントどっぷりのハリウッド映画の観客に受け入れられるかどうか一抹の不安が残るはずで、そこを『ゴジラ』をなぞることでわかりやすくしてカバーしたのだと思う。

 でも怪獣映画を好きな我々日本の観客には、そんな配慮不要で、物語展開自体もどんどん意外性を持たせてほしかった。

 登場する破壊者はそれなりに面白い。怪獣というよりは、生物的に巨人風のテイストがあって、生々しく気持ち悪い。
 こんな巨人どこかで観たことがある。そうエヴァンゲリオンの拘束具の中身。
 で、海外のサイトではこんなクリップが作られている。

 Cloverfield/Evangelion - Truveo Video Search


 映像的には、ハイビジョンハンディカムで撮ったと思しき全編の映像が、適度に素人的に作られていて、臨場感はなかなか。特に前半で破壊者が現れてからのシークエンスは、あまり味わったことのない臨場感を体感できて、ゾクゾクする。

 これ、たぶん東京が舞台で日本人が主役だったら、もっとリアリティが出てただろう。
 アメリカで特にニューヨークで暮らしている人が観たら、僕らよりかドキドキしてしまうのだろう。

 ハイビジョンハンディカムが出た時に、これを使うことで誰でもが映画館にかけられるような画質のいい自主映画を撮ることができる時代になったと思ったのだけけど、この映画は本来ハリウッド大作としてではなく、アマチュアフィルムメーカーがいきなり出世作として、世に出すべき映画だったのかもしれない。

 エンドロールの最後に、"Special Thanks SONY HDR-HC1"と出るのを期待したけれど、やっぱり出なかった。なーんだ(^^;)。

◆関連リンク
・製作スタジオ BADROBOT
・当Blog記事 謎の映画の予告編 "01-18-08""CLOVERFIELD""MONSTROUS""FURIOUS""TERRIFYING" 011808_201-18-08(Apple-Trailers 予告編)
・店主55才、玩具道(オモチャミチ)の光と影 中子真治氏のレビュウ!

これほど細部にいたるまできっちりと設計された、若く、弾ける映画にはめったにお目にかかれない。

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2008.04.02

■新刊メモ 遠藤 誉『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』

遠藤 誉『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』

「た かがマンガ、たかがアニメ」が中国の若者たちを変え、民主化を促す--? 日本製の動漫(アニメ・漫画)が中国で大流行。その影響力は中国青少年の生き方を変え、中国政府もあわてて自国動漫産業を確立しようとやっきになっている ほど。(略)現代中国論としても、日中関 係論としても、サブカルチャー論としても、比較文化論としても、これまでにない論点を提示し、かつ、膨大な取材に基づき驚くべき事実を掘り起こした中国ノ ンフィクションの決定版!

中国"動漫"新人類 (中国"動漫"新人類):NBonline

 第一回  中国清華大学の「日本アニメ研」が愛される理由

あの中国に日本動漫を対象とした動漫研があり、周囲がそれを評価している。そこには、冒頭に述べた私の違和感を解くカギ、中国の若者の実態を解明する手がかりがありそうだと、実感させられた。

 【最終回】

  私の力不足で、日本のアニメ産業の実態にまで踏み込むことができず、アニメ産業を支えておられるアニメータの方たちが、どれほど苦労をなさっておられるか に関して現状分析をすることができなかったことを、最後にお詫びいたします。

 著者は、1941年 戦中に中国で生まれ動乱の時代に子供時代を中国でおくった理学博士。自身が中国人留学生との会話で興味を持った中国での日本のアニメと漫画の文化的浸透について、潜入取材を試みているらしい。

 上記NBonlineで連載分については読むことができる。

 中国文化論として鋭いものになっているとのことで、興味ある方はいかがでしょう。

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2008.04.01

■中島 らも『君はフィクション』

中島 らも『君はフィクション』 (amazon)

 未発表作含む鮮烈な小説集。 04年7月、52歳で急逝。原作映画もヒット、没して猶存在感が増す中島らも氏の未発表2作を含む、小説集。幻想、愛、恐怖、笑い、毒…。不世出の異才の多面的な作風と魅力の全てがこの本にある!

 ユリイカ 特集『中島らも*バッド・チューニングの作家』を見るまで、実は情けないことに、この短編集は知らなかった。最近、リアル書店へ行くことが減っていることの弊害だ(^^;)。

 ユリイカを見て、特に「DECO―CHIN」を読みたくなって、手に取った。

 傑作。
 「DECO―CHIN」は凄かった。ロックの神髄がここにある。もしかしたら絶筆となった『ロカ』の書かれなかった展開は、この「DECO―CHIN」につながっていくものだったのかもしれない。なんて。

 ホラーの三本もいい。セオドア・ローザックの傑作『フリッカー、あるいは映画の魔』を思わせる「コルトナの亡霊」、民話的怪異譚「水妖はん」、「山紫館の怪」。「コルトナの亡霊」は以前取り上げた幻の映画、『シエラ・デ・コブレの幽霊』を想い出させたり。

 あとどうでもいいけれど、個人的に本書は岐阜県短編集って感じで感銘。

 中島らもと岐阜の関係は全く知らないけれど、本書の舞台は二編が岐阜。
 一編が中津川フォークジャンボリーを舞台にした「結婚しようよ」。
 で、もう一編は可児の具体的な地名(広見と明智)まで出てくる「狂言「地籍神」」。

 それにしても最後に苦言。この松尾たいこの装丁はなんとかならなかったか。最近SFの短編集他も松尾たいこの表紙が増殖しているが、独自のあの絵の世界自体はいいのだけれど、とにかく本の雰囲気とのミスマッチが多い。

 特にこの中島らもとのカップリングのミスマッチは大きい。僕の感覚だと、きっと中島らもが生きていたらこの表紙にはしなかっただろう。「DECO―CHIN」を果たして松尾たいこは読んだ上でこの絵を描いたのだろうか。

◆関連リンク
・青春と読書  小堀純氏の本書へのコメント

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