■伊藤計劃 『虐殺器官』 メモ
ポスト9・11の罪と罰を描く小松左京賞最終候補作
すごい男が現れた。
イーガンの近未来で『地獄の黙示録』とモンティ・パイソンが出会う。
日本SF史に残る衝撃のデビュー長編。
猛毒注意。あなたはこの結末に耐えられるか?――大森望
「SFが読みたい! 2008年版」でベスト1になった『虐殺器官』を読了。
大森望氏の言葉通り、デビュー長編であるのに、かなり衝撃の一冊。近未来軍事SFとうたわれているけれど、エンタテインメントと思弁的・政治的な側面を両立させた傑作言語テーマSF。
硬質な文体は翻訳SFを連想させ、無駄のない筆致と細部に盛り込まれたアイディアとトリビアなディテールが冴える。
氏のBlog伊藤計劃:第弐位相を見ると、相当な押井守マニアで海外SFファン、ということだけど、本書はアニメ的に見ると、『パトレイバー2』の柘植の影響とか、もろもろ想像できる。映像的なシーンの鮮烈さは、まさに映画・映像ファンでもある氏の真骨頂。
本書の面白さは、いずれ詳細に書いてみたいと思っているのだけれど、今日は駄文で締めておきます。
本書、もしかして神山健治監督でアニメ化ということはないだろうか。
ラストのくだりとか、もろもろ神山監督の手で映画化されたら、かなり合いそう。
筋肉を震わせる飛行機械がタンザニア湖上空を飛翔するシーンが猛烈に映像で観たい。
既に深く静かにそんな計画が進行しているのを夢想したりして、、、。
◆関連リンク
・当Blog記事押井守 DVD『イノセンス』
伊藤計劃:第弐位相へのリンク有。 といいつつ、この時アクセスして、たぶんその後はBlogを拝見してません。ずっとアクセスしてれば、新しいSF作家の誕生に立ち会えたのに残念でなりません。
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