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2008.06.19

■『ナンシー関の記憶スケッチアカデミー』

『ナンシー関の記憶スケッチアカデミー』(amazon)

「記憶スケッチ」とは、提示されたお題を記憶のみに頼って描くこと。「カエル」「パンダ」「鉄腕アトム」「ランドセル」など、お題は一見簡単に描けそうなものばかり。ところが全国から寄せられた大量のサンプルが、「人間の記憶」のあやふやさを暴き出してしまう。

NANCY SEKI's FACTORY『ボン研究所』:記憶スケッチアカデミー

 このナンシー関のHPで、本の一部を見ることができます。加えて、アントニオ猪木カッパパイナップルとか本に入っていないお題も楽しめる。

 この「記憶スケッチ」って、うちのBlogのテーマに直結。脳の記憶の映像をスケッチという形で取り出したサンプルがここに一堂に会している。
 抱腹絶倒な超画伯な絵から、哲学的深淵を覗きこむような震撼するようなイメージまで、ナンシー関のコメントを読みながら、いろいろと考えさせられる一冊。

 また最後に記された分析が面白い。
 たとえば年齢と連続直線の関係。これは年齢と一気に引ける直線の平均距離が反比例するというグラフを示した分析。凄い。脳の構造と何か関係があるに違いない。

 そして最後に置かれたいとうせいこうと押切伸一との対談も面白い。この中に人間は物を二次元の絵としてではなく概念(例えば「カエルは緑」とか「パンダは目の周りが黒い」とか)で記憶しているのではないか、と分析している。

 では皆さん、ちなみにカマキリの絵を、今、記憶だけで描いてみてください。

お題の「カマキリ」は記憶スケッチ界において「伝説のお題」と呼ばれているほどの大ネタです。ソツもスキもなく、人から「アイツはデキる」と言われる人に、カマキリを描かせてみましょう。その人がそれまでに積み上げてきたものが、一瞬にして崩れるかもしれません。カマキリを描くというのはそれほど危険なのです。

 そのうち脳-コンピュータインタフェースが発達して、3D-CGソフト(アニメーション可)とダイレクトに繋がったら、21世紀記憶スケッチアカデミーを開催してほしい。ダイレクトに脳内記憶が眼前に現れた時、我々はどんな驚愕を覚えるのか(^^;)。

◆関連リンク
テレビ朝日|『ぷっ』すま 記憶力絵心クイズ!
 実はこのTVの絵心クイズのネタはこの本からのパクリ。
 でも草彅画伯の傑作にはいつも笑かしてもらいました。
眞鍋かをりのココだけの話 画伯ゲーム: バカボソパパ
 これも同じですね。

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