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2008年10月

2008.10.29

■磯光雄著 『電脳コイル企画書 Coil THE “META”ILLEGAL』
  感想・2 藤子不二雄世界にならなかった『電脳コイル』

Mini

 右の絵は、『企画書』において、「最終話 二度と戻らぬ日」と書かれたページに置かれた絵である。

 これは、ネットで二番目に公開された『電脳コイル』の放映を告知する絵でもあった。この絵をよく見ると右の下の方に「コイル」と思しき電脳生物が地蔵の横に存在している。

 元々主人公であったこのコイルがアニメ版で実際には描かれなかったことで、根本的に『電脳コイル』世界のベクトルが変わってしまっていることを考えてみた。(コイルが主人公として出てたら、前回稚拙な作画で描いたようなシーンが登場したと思う。あの絵が僕らの知る『電脳コイル』世界と異なるのは、一目瞭然だろう。僕の絵の下手さがそうしてるのかもしれないけど(^^;;))

Photo_2  主人公であるこの「コイル」の不在は、『電脳コイル』を「オバケのQ太郎」や「ドラえもん」のいない藤子不二雄作品にしている。それはつまり藤子不二雄作品とは全く別のものになる、ということで、この企画書からの変更に、磯監督のオリジナルな物語生成への決意のようなものを感じる。

 書籍『電脳コイル企画書 Coil THE “META”ILLEGAL』のP43に下記の記述がある。

(略)藤子・F・不二雄の時代には通用した「想像上の不思議な“異物”が、子供たちの日常生活に溶け込み、友達になる」という設定は、現代ではもはや通用しないのではないかと、監督は思い始めたという。人ではないキャラクターをしゃべらせるには、「人でないのなら一体なんなのか、という事をやらねばならない、ハードルが高かった」

 “異物”であるキャラクターが人と同じくしゃべるというのは、“異物”を“異界”から来たものではあっても既に人の世のものとして語ると言うことになってしまう。

 磯監督の語っているのは、「キャラクターをしゃべらせる」が、しゃべることと同時に“異物”を存在として描けるか、という命題である。これは確かに難問だ。何故なら、しゃべるというのは、人であることのたぶん本質であるから。(このBlogで『進化しすぎた脳』とかを取り扱ってきて、しゃべることによって意識というものが生成してきたのかなー、とか考えていたので、「人であること」と「意識」と「言語」とは物凄く密な関係を持っていると思う。これは『コイル』とはまた別の話。まとめて何かいずれ書きます。)

 難問に答えを今回出せなかった監督は、“異物”であるコイルを主人公として不在にし、“異界”を描く物語を選択した。この主人公の不在が我々の観てきた『電脳コイル』のある意味、居心地の悪さを構成していた正体だったのだろう。

 そしてそれを監督が選択したからこそ、TV画面に存在した大黒市の“異界”。
 この企画書を読むことで、 『電脳コイル』の正体に一歩近づいた気がする。
 あとは「現代」を描くために、アニメ番組としてのひとつのフォーマットを捨ててまで、何故磯監督が“異界”を描くことを選択したか?という疑問が残る。

 でもこれは、26話全体が語った物語を見終わった我々にはある意味、最終回で明確なメッセージとして既に伝わっている。子供たちの隣にある“異界”を描くことで、人間同士の関係の本質的な部分を描いたものが『電脳コイル』であった。

 アニメーションとしては、藤子不二雄的世界でのアクションを選択した方が、よりダイナミックな映像が楽しめたはずだ(スタッフも観客も)。でも眼前にあった『電脳コイル』の物語はそうではなかった。アニメータである磯光雄がその動的な映像を選択せず、ある意味静的な“異界”の物語を選んだのは、まさに原画家から演出家への飛躍のための挑戦であったのだと思う。

 今回の企画書の出版で、磯光雄監督の作品に込めた想いは、より明確にファンに伝わってきたと思う。今回の出版の意味はここにあったのだろう。この値段では、そんなに売れないだろうに、出版した徳間書店の英断にファンとして感謝。

◆関連リンク
暗号式ジェネレータ ([perl] Okiraku Programming)

『電脳コイル 企画書』(amazon)

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2008.10.27

■磯光雄著 『電脳コイル企画書 Coil THE “META”ILLEGAL』
  感想・1 邪悪な「サッチー」とメタ・イリーガル「コイル」

01 『電脳コイル企画書』、磯監督の構想初期のイメージがとても興味深い。構想段階のポイントを以下に挙げて、その後、企画書と本編の差から『電脳コイル』について少々論じてみる。

◆Coil THE “META”ILLEGAL

<最初期の1枚絵>
・バトルアクションなイメージのサイバーパンク風。データグローブが戦闘スーツっぽく良い味出している。

<企画書>
・タイトルが『電脳コイル Coil THE “META”ILLEGAL』。
・「コイル」とは「“META”ILLEGAL」な電脳生物。
・そして物語はヤサコの元に、このコイルが現れることにより動き出す。
・「想像上の不思議な“異物”が、子供たちの日常生活に溶け込み、友達になる」藤子不二雄的なストーリーが考えられていた。
・ヤサコとフミエの性格が逆。当初ヤサコは活発なリーダー的キャラクターとして設定されていた。
・サッチーが邪悪なイメージ&違法な空間をムシャムシャ喰べてしまう。

<その他>
・「ダディとココイル」という「ドラえもんの4次元ポケットがブリーフだったら」というトンデモなキャラクターものの企画があった。これは下品なイメージでとてもNHKでは放映できない。

 で、冒頭のアニメ画もどきですが、これは私の稚拙な画。
 『電脳コイル Coil THE “META” ILLEGAL』が企画書のままアニメ化されていたら、我々の前に現れたかもしれない映像のつもり。邪悪な「郵政」サッチーが、謎の電脳生物 コイルに襲い掛かる図。
 アニメ化した時のセル画イメージを観てみたくて、磯監督のイメージボードを見ながらポーズを適当に作って自作してみた(^^;;)。サッチーはもっと黒い色の方がよかったかも。

 あまりに作画が稚拙で、企画書のイメージを表現できていないのはお許しを。(なにしろ学生時代以来うん十年ぶりにアニメ作画チックな絵を描いたゆえ)。
 脳内で井上俊之作画監督の修正を入れた上でお楽しみください。(これでもPaint Shopという安い画像ソフトで4時間近くかかった、、、馬鹿と呼んでください(^^;;))

 感想・2へ続く。

『電脳コイル 企画書』(amazon)

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2008.10.25

■アートディレクター森本千絵 CM「イロニンゲン」

Morimoto

CMライブラリー 「イロニンゲン」シリーズ | DIC株式会社

情熱的な赤、涼しげな青、陽気な黄色。
ひとつひとつの色には、性格や生まれた背景、
そして、その色のための名前があります。
それってまるで人間じゃないか。
そんな発想から生まれたキャラクターが
この「イロニンゲン」です。

今回のCMは、そのイロニンゲンたちが、自分を表現し、互いにつながり影響しあい、
あたらしい世界を創っていくまでの、三部構成のストーリー。
人と人との幸せな化学反応(=chemistry)がテーマの
カラフルで楽しい映像です。

 デジスタの審査員をされていたので、検索してみたらこんなCMを作られていました。

 これ、鮮烈な映像ですね。素晴らしい着想と鮮やかな色合い。
 たぶん実写とCGの合成なのでしょう。
 無数の「イロニンゲン」がマクロに表現する物の形象がダイナミックで暖かですがすがしい。この雄大な着想にまいりました。
(この着想で暗いトーンのイメージも観てみたい。なかなか凄まじい映像になるのでは)

goen (森本千絵 公式HP)
森本千絵 - Wikipedia
森本千絵(Amazon)

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2008.10.23

■豊田市美術館 ヤノベケンジ展 情報
  ウルトラ・ヤノベプロジェクト第二弾

◆豊田の街にヤノベケンジが帰ってくる !
 今後のプロジェクトについて(ULTRA PROJECT catalog)

ウルトラ・ヤノベプロジェクト第二弾の現場は美術館である。来年3月に開催する豊田市美術館での個展「ウルトラ」ではトンデモない新作を用意している。アート、デザイン、サイエンスをまさに融合させた極秘プロジェクト。その実験現場がこのウルトラファクトリーとなる。

 先日レポートしたULTRA FACTORYで配布されたパンフ「ULTRA PROJECT catalog」の中で発表されたプロジェクト第二弾の情報。
 ジャイアント・トらやんが三河の地に火を吐いた時から4年ぶりにヤノベケンジがモータウン豊田に戻ってきます。

 情報をあさってみると、公式HPに既に下記の広報がありました。

Ultra bloc: 豊田市美術館

2009/3/7(土) →2009/6/21(日) ヤノベケンジ展:ウルトラ 愛知【豊田市美術館】

スケジュール|豊田市美術館 (Toyota Municipal Museum of Art)

豊田市公式HP  市民文化

常設特別展:テーマを設定し、所蔵品を中心とする小規模な展覧会です。
ヤノベケンジ展: ウルトラ
平成21年 3月 7日(土) ∼ 6月21日(日)
美術作家ヤノベケンジによる待望の新作プ ロジェクトを初公開。ますます広がりを見 せる世紀のトリックスター「トらやん」の 世界。その活動を記した絵本作品の原画及 びドキュメントも併せて展示します。

 あと半年先。豊田は地元みたいなものなので、しっかり鑑賞できるので楽しみ。
 この広報文だと「小規模展」。「ウルトラ」プロジェクトなのに「小規模」じゃ駄目でしょう! と思わず突っ込みたくなります。京造大の学生さんとのコラボレーションで、ジャイアント・トらやんを超えるULTRAアートを期待します !

◆スタジオジブリ - STUDIO GHIBLI - 「西ジブリ」応募者募集中です!(いよいよ17日まで).

指導はジブリの作画部 門のリーダーでもある稲村武志とそのほか2名のベテランアニメーターが務めます。もちろん、宮崎駿監督も毎週、アニメーションに必要な知識とノウハウの講 義と指導を直接行ないます。宮崎監督自身の言葉を借りると「この2年間で、今後30年くらいはアニメーターとしてやっていける術を全部叩き込む」というこ とです。

ポッドキャスト
【Podcast】2008/07/22 監督・宮崎 駿が「ジブリ汗まみれ」に本格初出演!
【Podcast】2008/07/17 号外ポッドキャスト!TOKYO FM 独占インタビュー宮崎駿監督 ポニョのことば

 おまけにもうひとつ旧聞ですが、豊田に絡むアートな情報。この「西ジブリ」スタジオが作られるのが豊田市。
 何故豊田なのかは上のポッドキャストでそれなりに語られています。んが、豊田でなくても郊外な環境ならどこでも良いように聞こえます。
 折しも自動車産業に影が差し、トヨタの大幅減益が予想される昨今。はやばやと豊田市が自動車の次はアートだ、と生き残りの手を打ちはじめた、、、わけはないでしょうが、モータウン豊田がこのような形でアートへのアプローチをしている/偶然かも??は、近郊に住む者には嬉しいことです。
 ポッドキャストによると、宮崎駿は週一で豊田に通い、ピシピシ新人育成に取り組むという(怖いけどあと20歳若かったら考えた鴨(^^;))。
 うちのBlog的には、豊田市での宮崎とヤノベの遭遇に期待したりして。ジャイアント・ポニョは観たくないけど、、、(^^;)。

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2008.10.22

■未来技術遺産
 噴水型ジュース自動販売機, Philco Television

Oasis_2 電卓、自販機、ロケット
…「未来技術遺産」に23件登録
     (朝日新聞社)

 懐かしい噴水型のジュース自動販売機、「答え、一発、カシオミニ」、純国産ロケット――。国立科学博物館は、科学技術の発達史で重要な成果を示した重要科学技術史資料(愛称・未来技術遺産)の登録制度を始め、第1回として23件を登録した。

もう一度食べたい:
噴水ジュース 舞い踊るオレンジ(毎日新聞)

 噴水型の自販機は本社工場敷地内の記念館1階、それも展示場中央にデーンとあった。名称 は「オアシス」。白い箱形の本体にヤシの木が描かれ、「Oasis」の文字は涼しげな水色。上部にはジュースが入っていた透明ガラス製の容器

 一般紙に載った記事なので改めてここで掲載するのも何ですが、このレトロフューチャーなメカはどうしても載せたくて、、、。

 子供の頃、デパートの屋上やゲームコーナーで、ベルトコンベアー型の自動車ゲームと並んで、この自販機に随分未来的なテクノロジーを感じたものです。噴水で湧き上がるオレンジジュースがどんなにかおいしそうに見えたことか、、、。

Philco_television

 というわけで自販機だけではあんまりなので、もうひとつレトロフューチャーな技術遺産の紹介。PHILCO社製のTVとそれを利用/模したPC。

 薄型大画面TVにはなんだかちっとも未来を感じません。
 やはりフューチャーなTVはこうでなきゃ。噴水ジュースを飲みながら、こんなTVで60年代のSF映画を一日のんびり観てたいもんです。(<<じじぃか!)

◆関連リンク
山 田 屋 レトロな自販機の情報サイト
 ここの情報でも稼働しているものはすでにないみたい。
 朽ち果てた写真はこちら→ 噴水ジュース自販機
こちらキッズ自販機研究所 未来自販機の絵やアイディア大募集!
国立科学博物館 産業技術史資料情報センター 特別企画展.

世界最古の自販機とされているエジプトの「聖水自販機」(復元)、日本最初の「自働郵便切手葉書売下機」(レプリカ)をはじめ、昭和初 期の発声映写装置付きグリコ自販機(複製)、60年代初頭から中頃に大人気を博した「噴水型ジュース自販機」や現在の飲料自販機とは形状がまったく異なる 初期のびん入りコカ・コーラの自販機が展示されます。

 こんな展示会も開催されていたみたい。「聖水自販機」とは凄い。
Onomy Labs Resources for Press and Proposals
Philco Television、いくつかの写真
One Mod Predicta パソコン
The Official Predicta Television Site!. Gallery
 Telstar Electronicsという会社が作ってるレトロフューチャーなデザインのテレビ。
Dark Roasted Blend: Coolest Retro Devices.
 Weird & wonderful things
 レトロフューチャーなものたち。ラジオやロケットその他。

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2008.10.21

■核融合科学研究所 オープンキャンパス 2008

Herical_coil
核融合科学研究所 オープンキャンパス 2008 10/25(土)

LHD見学ツアー「最先端!LHD装置を近くで見よう」
* 核融合(フュージョン)発電のしくみと運転シミュレーター
* 霧箱工作 ~放射線がつくる飛行機雲~ 先着順
* 放射線測定体験 ー放射線をはかってみよう
* なに?なぜ?重水素実験コーナー

 昨年行った核融合科学研究所の見学会が今年も開催されます。
 ここは岐阜県土岐市、地上に太陽を生み出すための基礎研究が実施されています。

 石油の算出がピークに達したといわれ、20世紀に花開いたテクノロジーの時代がピークを向かえた現在。エネルギの石油からのシフトがどのような形でか成立するのかどうか。人類の未来の一端はこの研究所(とか)が担っています。

 我々の孫の世代が、安全性を確保した上で、現在と同じ安価で取り扱いやすいエネルギを豊潤に使えるかどうか。その鍵を握るかもしれないのが、トップに掲載した写真のような<巨大オヴジェ>。なんとSFチックなエネルギの未来でしょう。(注. 写真の装置は既に真空チャンパの中に格納されているので、見学会では観られません。念の為)

 核融合発電所の実現は、昨年の29年後から一年、時計を進めたかどうかが気になります。、、、、と思ったら、今年は核融合の講演会がない!!もしかして一年時計の針が進まなかったのかぁ??

◆関連リンク
社会科見学とイベント情報ナビ核融合科学研究所 - ウェブリアルバム
 迫力ある写真が掲載されています。
世界最強のレーザー核融合実験施設、動画レポート | WIRED VISION
ILC リニアコライダー計画
社会科見学とイベント情報ナビ

当Blog記事
・核融合科学研究所 大型ヘリカル装置一般公開
 (1)LHDそのテクノロジーとアート
 (2)夢の核融合発電実現まであと29年(目標)
 (3)大平貴之講演 メガスター開発ストーリー
核融合科学研究所 大型ヘリカル装置LHD

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2008.10.20

■オリハルコンテクノロジーズ シンラドーム テクニカルデモ第1回
 全天周映像システム コラボレーションの試みスタート

Synra_doom

ORIHALCON Project: シンラドーム テクニカルデモ第1回   (オリハルコンテクノロジーズ ORIHALCON Project)

日時: 2008年10月31日(金) 18:30~20:00頃
参加費: 無料
定員: 50名程度
主催: (株) オリハルコンテクノロジーズ / (財) 日本科学技術振興財団
プログラム(予定):
* シンラドームのハードウェア紹介
* シンラドームのコンテンツ紹介
UniviewMitaka Pro など、インタラクティブコンテンツの紹介
4D2U映像セントラルドグマ など立体ドーム映像の上映
* ドーム体験
インタラクティブ操作の体験、持ち込み映像の試写など
* ディスカッション
お申し込み:
下記ウェブフォームにて2008年10月22日(水) までにお申し込みください。お申し込み多数の場合は抽選となります。2008年10月25日頃までに抽選の結果をメールにてお知らせいたします。

 なお、この企画は今後定例化し、進化し続けるシンラドームの紹介やテクニカルデモ参加者とのコラボレーションの報告などを行っていく予定です。

 東大舘研究室出身の方からメールでお誘いをいただきましたので御紹介。
 例によって東京でのイベントで私は行けませんが、このような究極映像イベントが開かれます。東京出張を10/31に無理やり入れるしか私には参加するすべはありません(^^;)。

 今回が第一回。今後、定期的に開催され、このシンラドームの可能性を広げて行くコラボレーションを探索してゆく、ということなので新しい映像実験を試みたいという方には朗報でしょう。貴方の映像が全天周の立体映像として投影されるかも。

 なんにしてもこのような素晴らしい環境をコラボレーションの形で一般に開放して、未来映像の可能性を切り開こうという試みは画期的なので、是非このBlogでも引き続き、この試みを遠く東海の地より取り上げて行きたいと思います。

 インスタレーションアートを標榜する若手クリエータの方に、是非刺激的な映像をトライしてほしいものです。(デジスタに登場するアーティストに片端から声をかけるのも面白いかも)

 僕が観てみたいのは、もちろんこのドームを使ったアールキューブの実演です。
 ドームの中央にロボット操作のマスター装置を備え付けて、遠隔地(たとえばエベレスト)のスレーブロボットを操作。ロボットからのステレオ映像を全天周スクリーンに立体で投影。

 もうひとつは、大画面映像クリエータの大口孝之氏による立体CG映画。
 シンラドームでは名前がほぼいっしょの「ユニバース」というプログラムが上映されていますが、この名前を用いた全天周映像は元々大口氏が制作された『ザ・ユニバース』が元祖。

 あの『ザ・ユニバース1,2』の感動を超える立体映像の未来を是非シンラドームで見てみたいものです。そん時は出張なんてせこいこと言わずに、自腹で東京まで必ず行きます(^^;)。

◆関連リンク
「シンラドーム」がすごすぎた - カイ士伝
「シンラドーム」テクニカルデモに行ってきたよ!:小太郎ぶろぐ
 写真付のレポート。もう観たくてたまらなくなります(^^;)

科学技術館|お知らせ: シンラドーム
科学技術館|展示案内|フロア別案内: 4B シンラドーム

システム開発財団法人日本科学技術振興財団 
科学技術館
大学共同利用機関法人自然科学研究機構国立天文台
独立行政法人理化学研究所
和光研究所基幹研究所戎崎計算宇宙物理研究室
横浜研究所オミックス基盤研究領域
STU研究所
制作協力バルコ株式会社  有限会社天窓工房

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2008.10.18

■『ボックスアート ~プラモデルパッケージ原画
 と戦後の日本文化』青森県立美術館

Box_art_tenn ボックスアート ~プラモデルパッケージ原画
    と戦後の日本文化 | 青森県立美術館

併設企画「発掘された小松崎茂」展出品リスト

2008年9月20日 (土) – 11月3日 (月)
開館時間:9:30–17:00 (入館は16:30まで)

AFV、飛行機、船、スーパーカーからSF、ロボットまで…、僕らの夢と憧れをのせて、日本のプラモデルは今年誕生50年。

 これは東京どころか、はるか北は青森の展示会。
 とても行けませんが、ワクワクする感じなのでご紹介。

 併設展も小松崎茂で観てみたくなってしまう。

 これに合わせて下記の画集が出版。

『バンダイ ボックスアートコレクション 小松崎茂』予約開始! キャラアニ

昭和の遺産 小松崎茂の幻の原画満載!! 門外不出!幻の原画180作品・ここに画集初収録! それはボックスアートによって鮮明に蘇る昭和キャラクタープラモの歴史。 キャラクタープラモの第二の黄金期を築いたバンダイのプラモデルたち。 そのパッケージ・アート群がいま一冊に!!

Plastic_model_art この右の絵、小学生低学年の頃の僕のSFのコア(^^;)。
 今見ても、あの頃のワクワク感が蘇ります。
 特にゼロX号はお祭りで買って組み立てた時の感触のクオリアまで立ち上がります。

◆関連リンク
青森県立美術館関連企画
  開田裕治 展~怪物のユートピア~
 2008年9月22日(月)~10月4日(土) 11:00~19:00
 Welcome to SAG site/ようこそスパンアートギャラリーへ

 すでに終了してしまっていますが、こういうのも開催されていた。怪獣の絵が観たい。

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2008.10.17

■磯光雄監督 次回作と『電脳コイル2』!?を語る
  アニメ『電脳コイル』に見るリアルとバーチャルの接点

Photo あの東大舘暲教授らによって1996年に設立された日本バーチャルリアリティ学会。その08年9月の本大会で『電脳コイル』のパネルディスカッションが開かれ、ゲストとして磯監督が参加されたとのこと。

 全く知らなかったので、後追いでそのレポートリンク集です。若干ですが、次回作の方向についても語られています。そして『電脳コイル2』についても、、、(^^;)。

日本バーチャルリアリティ学会第13回大会 イベント情報.
  (日本バーチャルリアリティ学会公式HP)

アニメ『電脳コイル』に見るリアルとバーチャルの接点
~複合現実感の未来実現形態を探る
日時:9月25日16:00-17:30 開催場所:ミレニアムホール

コーディネータ 田村 秀行(立命館大学)
コイリスト 稲見 昌彦(慶応義塾大学)
蔵田 武志(産業技術総合研究所)
酒田 信親(大阪大学)

「メガネをかけてログインすると,現実世界に重なって電脳物質が見える…」そんな近未来の複合現実世界を描いた人気アニメ『電脳コイル』を取り上げ,原作 者である礒光雄氏と,電脳コイル探偵局の面々(コイリストたち)が語り合う特別企画セッションです.若手『電脳コイル』フリークたちが選んだ代表シーンを 分析し,そこからVR/MR研究が目指すべき挑戦課題を探ります.

 ごった煮ちゃんぽん 第13回日本バーチャルリアリティ学会大会 2日目
 『電脳コイル』の特別セッションに行ってきた
.

磯監督からのお言葉

「少なくとも現時点では、MRなどを題材にしたアニメを今後作る予定はありません。もし『電脳コイル2』のようなものがあるとしたら、それは皆さん(会場にいる研究者たち)が『電脳コイル』の世界を実現できたとき、それが『電脳コイル2』となるのだと思います。

日本バーチャルリアリティ学会二日目:
 電脳コイル - なぜか数学者にはワイン好きが多い
.

とても興味深かったのは,「数値的に正確に位置合わせをするよりも,見た感じに何となく違和感が無ければ受け入れられるのではないか.学術的な世界に貢献できるとしたら,これが唯一私から提案できることだと思います」というコメントでした. VRやMRについてずいぶん調べたようですが,次の作品が電脳系(技術系)のものになるかどうかは分からない,むしろ普通のファンタジックなアニメを作る可能性が高いとのことでした.

 「普通のファンタジックなアニメ」っていったい、、、、。
 それにしてもこうしたアカデミックな場で、「皆さんが『電脳コイル』の世界を実現できたとき、それが『電脳コイル2』となるのだと思います」って、カッコ良すぎます、磯監督。

VR学会全国大会 特別セッション
アニメ『電脳コイル』に見るリアルとバーチャルの接点 - 中将の研究日誌
.

「な ぜVRを題材としたか」という質問に対する答えは、アニメーターの矜持というか業のようなものを感じました。アニメーションは省略の力が生きるメディアな ので、リアルを目指すVRに対し(人間の錯覚のような)ごまかしを上手く利用しようとするMRにより共感した、とまあ監督の言いたいことはそういうことか なと思いました。

また最後、仮想現実と精神世界について、語っておりました。実は人間の脳みその中には仮想世界が構築されており、「(認識のための)雌型」のような物があって、実在するオブジェクトをありのまま見てるのではなく、自分勝手に解釈して見てる、といった話がありました。

 

 

ちなみに、パネルディスカッションの模様は後でVR学会誌についてくるから、みんな学会に入るようにとのことです。

 ここで脳と仮想の関係性についてコメントされていることは、僕もコイルの記事として近い認識で書いたことがあったので、「そうそう」とうなづいて読みました。(その記事は関連リンク参照)

 こうしたポイントは、コイルの物語ではほとんど触れられておらず、子供ものでも哲学的視点の導入を望んでいた僕は少々寂しい想いをしたものです。

 あとVR学会誌に記載される公式リポートが楽しみ。
 実はうちの会社の図書館は、このバーチャルリアリティ学会誌、購入してるんですねー。まだ発刊されていないようですが、またここで紹介しようと思います。

◆関連リンク
・当Blog記事 「メガネの子供たち」 と ミックスドリアリティ

実は電脳がない時代でも、ヒトの現実は脳という仮想世界と共存していたわけで、それがミックスドリアリティという技術で、誰でもが当たり前のものと認識しているのが『電脳コイル』世界である。

きなこ餅コミック 『電脳コイル企画書』10/21いよいよ発売!?.

 アニメージュ本誌には、『企画書』に収録されているであろうイメージボードのサンプルも載っているのですが……こいつがスゴかった!
 こ、これが『電脳コイル』の原型……!? なんというサイバー未来。なんという戦隊ルック。電脳メガネはメガネというよりスカウターです。

 ここで紹介されている初期イメージ画の電脳グローブの絵は凄い。これも観たかったなー。


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2008.10.16

■新刊メモ 『ビバ・イル・チクリッシモ!』 『可笑しな家』
  『浦沢直樹 原画集 漫勉』 『宇宙細胞』『モレルの発明』

大友 克洋, 寺田 克也『ビバ・イル・チクリッシモ!』(2冊セット) 完全限定版(amazon)

発作的に結成された自転車チーム"クラブ・パンターニ"による連載コラム7年分85本一挙掲載の《カーボンハート》《おしゃれハンドル》
◎ジロ・デ・イタリアを追いかけて1ヶ月、大友、寺田が見て撮って書いて描き下ろした観戦画集+エッセイ《ジロ・デ・イタリア》本、両A面
◎汗と涙と腰痛と自転車愛がサドルに踊る、総ページ192P、イラスト点数280点、うちフルカラーの新作50点、エッセイ15万字の2冊組

 大友克洋、最近、作品を眼にすることがなくなっていたと思ったら、こんな活動を、、、。またSFが読みたい。

黒崎敏 ビーチテラス『可笑しな家 世界中の奇妙な家・ふしぎな家 60軒』(amazon)

「え、こんな家に住んでるの?」 ここに建築の夢と未来がある──世界中の奇妙な家・ふしぎな家・建築家の傑作から素人の手造りまで60軒を収録! 世界中の変てこでユーモラスな個人住宅ばかりを集めた写真集。
黒崎敏 APOLLO一級建築士事務所

 立ち読みしたけれど、面白い家がいっぱい。
 こんな家が自分の家だったら最高(!?)なのに。

浦沢直樹 原画集・イラストブック『漫勉』(amazon)

浦沢直樹の画業二十五周年を記念して、子供時代の貴重な落書きから、未発表のカラー原稿まで、ロングインタビューと本人の解説により、浦沢直樹の全ての仕事・足跡を追った画集!!

 これはビニールで封印されていて、中味を観てません。
 いつの間にか、大友漫画を凌駕しつつある浦沢氏の画業。

黒葉 雅人『宇宙細胞』(amazon)

本の雑誌(10月号)の書評で「荒削りの魅力。新人賞だから商業出版ができた世界にも類がない作品」と紹介されました。第9回日本SF新人賞受賞作。

 このてらいもなくダイレクトにSFなタイトルに惹かれます。

アドルフォ・ビオイ・カサーレス『モレルの発明』(amazon)

 ブラザーズ・クエイの『ピアノ・チューナー・アースクエイク』の原作の新版。表紙がクエイの本なんて、画期的。
 映画もいよいよ公開ですね。

◆関連リンク 当Blog記事
『ピアノチューナー・オブ・アースクエイク』予告編 & 回顧展『ブラザーズクエイの幻想博物館』 
ブラザース・クエイの新作 The Piano Tuner of Earthquakes

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2008.10.15

■洋画家 遠藤彰子 Official Web Site

97Akiko Endo's Web Site 油絵

 日本を代表する洋画家 遠藤彰子。
 ネットで偶然見かけた絵が素晴らしかったので探してみました。とても充実した公式HPが運営されています。
 特に幻想的で夢のような油絵に注目。

 ウェブ上で多くの作品が観られます。夜の街が題材になっているものが多く、いずれも「夢」に似た肌合いの作品。本来、あまりよろしくないのでしょうが、この夢幻な雰囲気を紹介したくて、一枚だけ右に引用させていただきます。
 '97の「翳をくぐる鳥」という作品。
 歪んだ街と鳥の影がなんとも言えず素晴らしい空間を構築しています。

カット・イラストレーション
 篠田節子「讃歌」 久間十義「刑事たちの夏」

 これは新聞小説のカット。全話のイラストを観ることができます。新聞とともに毎日の一枚が消えて行くわけですが、このようにネットで全部観られるのはいいです。

彫刻作品 '94 ケンタウロス

 そして彫刻も味があります。

漫画エッセイ

 なんと全350回の素敵なエッセイと絵。画家の日常がユーモラスな絵とともに語られていて和みます。

満ちゆく生命 - 遠藤彰子の世界展 会場風景
          (池田20世紀美術館公式HP)

2008年10月2日(木)~2009年1月6日(火)
森の鳥や兎など自然との出会いは、喜びと驚きと 感動となり、『楽園』シリーズが生まれました。1975年、長男の急病を期に、日常が一瞬にして暗転してしまう予測のつかない現実であることを実感。社会 や人間をテーマに「街」シリーズを描き始めます。

 原画を観てみたくなったのですが、ちょうど展示会が開催中。でもまたもや関東。
 伊豆は遠い。

武蔵野美術大学 公開講座2008 10/22(水) 「絵と私」 18:45-20:15
 遠藤さんは、武蔵美大の油絵学科教授とのこと。
 この10月に作品を映像で紹介しながらの講演が予定されています。

 会場:武蔵野美術大学新宿サテライト(新宿センタービル9階)
  定員:100名 受講料:無料

私にとっての絵を描くことの意味。及び二十代から現在に至るまでの絵画における発見とその面白さ。人間や状況に対する世界観への変遷等。それらを絵画の紹介を交えてお話しします。

 

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2008.10.14

■原恵一作『クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』
山崎貴監督で実写化『BALLAD(バラッド) 名もなき恋のうた』

Photo 草彅&ガッキーで「しんちゃん」実写化  スポニチ

 メガホンをとるのは、山崎貴監督。(略)時代劇映画「BALLAD(バラッド)―名もなき恋のうた―」(09年9月公開)が製作される。原案は人気アニメ「クレヨンしんちゃん」の劇場版第10作原恵一監督「―嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」(02年)。(略)

2002年 文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門 大賞
  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ! 戦国大合戦

原恵一受賞の言葉
 私は今回のクレヨンしんちゃんの映画で、かつて日本人がもっていたと思われる、誇りとか心の格好良さを何とか自分なりに再現したいと思いました。(略)

贈賞理由
(略)この『嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』も、しみじみと味わい深い作品に仕上がっている。 子どもを活躍させながら、子どもの観客に媚びていないのがよく、そのていねいな仕事を高く評価したい。

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦 - Wikipedia

 このニュースは最初あの『クレヨンしんちゃん』が実写映画化とびっくりするとともに、それがあの『嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』と知って、山崎監督の着眼に感心。「三丁目の夕日」を実写化と聞いた時も凄く驚いたけれど、『ALWAYS』の作品としての成功に舌を巻いた記憶。
 今度も原恵一の組み立てた物語の実写化で、日本映画としてひさびさに合戦の素晴らしい、そしてすがすがしい侍の映画ができる予感。

 できればタイトルは原恵一監督がこだわったという『青空侍』にすれば良いのに。もしこのタイトルを使わないにしても物語の中では是非このキーワードは使ってほしいもの。

 今回のニュース記事では「原案」とあるが、それが果たして「原作」なのか、「シナリオ」原恵一なのか。僕は実写向けに原恵一がリライトした『青空侍』を観てみたい。

 『河童のクゥ』が秀作だったのにあまりヒットしていない様子なので、次回作が心配な原恵一監督。この山崎貴の着目によって、原恵一監督の才能がスポットライトを浴びることを切に願うものである。

◆関連リンク 当Blog記事
・Animation Director HARA  浜野 保樹編『アニメーション監督 原恵一』.

 原恵一の言葉
 『アッパレ戦国大合戦』で私は、格好いい日本人を描きたいと思いました。それも見た目の格好良さではなく、心の格好良さを目指したつもりです。どうも最近の日本人は自分も含め、何だか格好悪い。でも、昔の日本人はもっと格好良かったのではないか?もっと覚悟が出来ていて、さわやかで・・・・・・などと考えながら作った映画です。

 侍としての清々しい日本人像の復権。これがこの作品の実写映画化に望まれているものである。

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2008.10.13

■パパ・タラフマラ+ヤノベケンジ
「ガリバー&スウィフト 作家ジョナサン・スウィフトの猫・料理法」

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当Blog記事 『ULTRA FACTORY ウルトラファクトリー展』探訪記・3
         パパ・タラフマラ「ガリバー&スウィフト」
         ヤノベケンジの舞台装置と劇団リハーサル

 特筆すべきは、2mになろうかという巨大な女の変幻していくシーンの異様さ。
 芝居全体でのこの女の位置づけは不明であるが、呪縛された人工的 な肉体が、まわりの獣の面を付けた役者たちによって剥ぎ取られて行くシーンは普段着をまじえたリハーサル光景とはいえ凄みがあった。特に写真ラストのヤノ ベ氏独特の甲冑との絡みは、まさに異空間をそこに現出させていた。

 先週の時点で舞台の本公開中であったため、掲載を見合わせていたリハーサル光景の写真を掲載します(撮影は不肖BP。例によってハイビジョンビデオで撮影したものから写真を切り出しています)。
 できればクリックして拡大して観て下さい。リハーサルで普段着の役者もいるため、本来の舞台の雰囲気と異なる部分もありますが、アートが作られていく過程の映像として、生の迫力を体感いただければ幸い。このシーンはヤノベ氏が作った「解体娼婦」の解体シーン。

 本公演も是非観に行きたかったのですが、東海の地から東京は遠く、かなわぬこと。
 なので以下は観劇記へのリンク集です。

◆感想リンク集 (ガリバー&スウィフト | 演劇ライフ他 経由)
studio CAS/T cafe : 【ガリバー&スウィフト】お勧めです!.

開演前から舞台上に並べられたグロ 可愛いオブジェの数々が、どこか分からない不思議な世界へと誘ってくれ、次々に現れる奇妙な人々によって完全に彼等の世界へと引き込まれてしまいました。 僕は動きの専門家なので、音楽と動きがどう関わり合うのかに一番注目していたのですが、これが凄かった。いや、凄まじかった。偶発的にアクロバティックな 動きが続いているかと思いきや、全て計算され入念にリハーサルされた賜物だったのです。

~m-feliz~ blog パパ・タラフマラのガリバー&スウィフト.

本当にオブジェ凄いです。 ラストに登場するでっかいオブジェ・・・っていうのか? ・・・なんだこれ・・・・・

風の旅人 編集便り: パパタラフマラのガリバー&スウィフト.

 演出家の小池博史さんが敢えて”言葉”にこだわっているのだろうが、”言葉”が、ぐんぐんとした舞い上がりにブレーキをかけてしまう。広がりに枠組みを与えてしまう。 あちら側に行っている身体を、こちらに引き戻してしまう、と言ってもいいかもしれない。  それが現代の”言葉”の使われ方でもある。

 本公演の様子が少しだけ伝わってきます。是非今後各地での公開と、DVDビデオの発売を楽しみにしたいものです。

◆関連リンク
webDICE - 骰子の眼 - パパ・タラフマラ×ヤノベケンジ
 間違いなく面白い!新作公演『ガリバー&スウィフト』について語る

最初は自分のキャラク ターみたいなものをどんどん持ち込んでという気持ちもあったんですけど、やっぱりパパ・ラタフマラさんのパフォーマンス力がものすごく高いので、きちんと 融合していい形でエネルギーがぶつかるようなものにしていければと思ったので。4つの球体のオブジェが最初から最後まで出てくるんですけど、それは役者さ んが絡んでこそ、ものすごい力を発揮できるように、できるだけいろいろな変化ができるような要素を盛り込んでつくったんですけど、それを見事に料理してい ただいたっていう感じですよね。

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2008.10.10

■『電脳コイル』メモ 磯光雄著 企画書、BSアニメ夜話、アニメーション神戸賞

Photo『電脳コイル企画書』(著者:磯光雄)
   10月21日発売予定!

      (月刊アニメージュ【公式サイト】)

 2000年に磯光雄により描かれ『電脳コイル』の原作となった企画書を完全収録。
 特別付録として、没になったキャラクターや電脳グッズなど磯光雄直筆による多数のイラストやイメージボード、また2002年に書かれた、脚本の草案ともいうべきテキスト「もうひとつの物語」も収録!!
[A4ハード判/本文80P/3,150円]

 80ページで3150円は高いですが、買ってしまいそう。
 本当にマニア向けな一冊。

BSアニメ夜話 第11弾 メッセージ募集中

11月4日(火) 電脳コイル 監督: 磯光雄
11月5日(水) ガンバの冒険 監督: 出崎統
11月6日(木) 劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇
         (公開収録分) 監督: 今石洋之

 コイルのゲストは磯監督の可能性が高い、と何故か思う。いや、単なる推測です。

アニメーション神戸-第13回アニメーション神戸賞 

◇個人賞  磯 光雄(監督)

 こんな世界観があったのか、こんな世界を映像化した人がいるのか……。(略)『電脳コイル』を、初めて観たときの衝撃は忘れようもありません。 審査委員「週刊アスキー」総編集長/福岡 俊弘

 アニメーション神戸賞 授賞式

開催日時: 平成20年11月2日(日)
会  場: 神戸国際会議場 メインホール
◇「アニメーション神戸賞 授賞式」   15:30~17:30
アニメーション神戸賞の受賞関係者のご紹介と授賞式を行います。 また、第13回アニメーション神戸賞の受賞者によるトークショーを行います。

 またコイルの受賞歴にひとつの賞が加わりました。
 それにしても早く磯監督の次回作が知りたい今日この頃。誰か情報を持たれていたら、プロフィールのメールアドレスまでこっそり教えてください。決して記事にはしませんので、、、、。(誰も信じてくれないだろーなー)

◆関連リンク
『電脳コイル 企画書』(amazon)

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2008.10.08

■CGコンテスト 天下統一CG将軍2
 「絆 黒猫のファンク2」「東京雪女」「卵 TheEgg」

Cg_syougunn CGコンテスト 天下統一CG将軍2
本選出場者 本線結果発表
(BSジャパンオフィシャルサイト)

 10/4(土)夜に偶然TVで放映を見ました。
 放送作家,タレント,漫画家他とアマチュア,セミプロCGアーティストのコラボレーションコンテスト。

 僕が気に入ったのは、ダンス☆マンXあさをゆうじ「絆 黒猫のファンク2」、 さかもと未明X高嶋友也「東京雪女」、 とり・みきXそうまあきら「卵 TheEgg」といったところ。

 いずれも発想・シナリオ等を前者が作成し、後者のCGアーティストと相談しながら映像を作成していったもの。その制作過程も紹介されてバラエティ的な面白さも獲得している。反面技術面とかアートとしての分析とかはいまひとつだったけれど、、、。

 期待の内村宏幸氏の作品は、本人も番組で語っていたように練り方が充分でなかったみたいで、あのシュールなコントの凄みは残念ながら感じられませんでした。次回に期待。

 BSということでマイナー感が漂っていたが、それにしてもあまりに寂しいのが優勝賞金が30万円というところ。かなり生活かけた感じで登場するアーティストの心意気に対して、この金額はあまりにも酷。作品は良かったので、是非次回、もっと賞金をはずんでほしいもの。

◆関連リンク
『不思議の国とアリス』 - ニブンノイチケイカク 購入はここ
 そうまあきら氏の作品公式サイト。

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2008.10.07

■新刊メモ『樺島勝一 昭和のスーパーリアリズム画集』
 『少年マガジンの黄金時代 ~特集・記事と大伴昌司の世界~』他

Kabashima_syouwa_no_hyper_realism 樺島勝一 昭和のスーパーリアリズム画集(公式HP)
伝説のイラストレーター樺島勝一原画集1

昭和の 少年たちを熱狂させた冒険ロマン(略)の挿絵画家として一世を風靡した樺島勝一。本書 は、綿密な考証に基づく、リアルでドラマチックな挿絵185点を初めて原画から収録した資料的価値の高い画集。

弥生美術館・竹久夢二美術館

生誕120年記念
ペン画の神様 樺島勝一展
-写真よりリアルな密描画-
会期: 2008年10月2日(木)~12月23日(火・祝)

『樺島勝一昭和のスーパー・リアリズム画集』(amazon)

Img_0198  海野十三『太平洋魔城』の挿絵とか軍艦、潜水艦のイラストが素晴らしい。
 本屋で約30分、じっくりと立ち読みをしてしまいました。

 今の視点で観ると、さすがに「写真よりリアル」とはいかないけれど、昭和初期の少年の眼を疑似的にインストールして見ると(世代的には僕はずっと後です(為念))、飛び出すように迫力のあるリアルな画が迫ってきます。

 樺島氏の人となりも巻末に丁寧に語られており、興味深く読みました。

 東京では美術展も開かれているようなので、ファンの方は是非。

まるで写真を見ているようだ (樺島勝一の絵の秘密分析) (兵器生活)
 当時の雑誌の飛行機の写真と樺島画の関係を分析されている貴重な記録。

週刊少年マガジン編集部
平野 暁臣『岡本太郎と太陽の塔』
(Shogakukan Creative Visual Book) (amazon)

発見された資料を基に太陽の塔の全てを解説
永久保存が決まり、1995年に補修工事を終えた「太陽の塔」の全てを解説。初公開となる初期スケッチや写真、説計図などを用いて、岡本太郎が太陽の塔に 込めたメッセージを探ると共に、失われてしまった太陽の塔内部展示を誌面上にて再現。詳細な解説と、ビジュアル両面から岡本太郎の代表作に迫る。

 われわれ「20世紀少年」たちの未来の魂の故郷(おおげさ(^^;))、太陽の塔の貴重な資料集。これも樺島画集と同じ、Shogakukan Creative Visual Bookの一冊。今後のこの叢書からどんな本が刊行されるか楽しみです。

週刊少年マガジン編集部
『少年マガジンの黄金時代 ~特集・記事と大伴昌司の世界~』(amazon)

週刊少年マガジン掲載のなつかしい記事の集大成。1970年代、口絵の魔術師:大伴昌司の構成による少年マガジンのグラビア記事が一世を風靡した。 創刊から80年代までのマガジン黄金時代の記事・グラビアを公開します。

 そしてもう一冊、これも「20世紀少年」たちの魂の故郷、大伴昌司氏の作りだした未来。
 表紙が濃いですが、これは買います。

日本SF作家クラブ『世界のSFがやって来た!!―ニッポンコン・ファイル2007』(amazon)

 つけたしみたいになりましたが、昨年のワールドコンのレポート本。これも読んでみたい一冊です。

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2008.10.06

■David Portelaデザイン
  『The Future of Citroen 2CV:未来の新型シトロエン2CV』

Future_2cv_full

This Could Be The Future of Citroen 2CV Car | Future Technology.

This Citroen concept car has just entered from future for all Citroen 2CV lovers. This concept is designed by David Portela to present a classic model. You will get what you can expect from Citroen 2CV such as the same curved bonnet, hunk sides, roofed rear wheels and much more.

 パリオートショーのマツダのコンパクトカー「清:KIYORA」の情報を集めていて、ネットで見つけた未来のシトロエン2CVのカーデザイン。なかなか面白いデザインなので「清:KIYORA」から切り替えてこちらをアップ。

 デザイナーはDavid Portelaという人。
 graphiste-Designer David Portela 公式HP PDI1b

 他にもPSAやVWのデザインがあるけれど凡庸。この2CVが特に良い。
 最近の車は、どれも体積効率重視で四角を基本としたデザインで面白くないのだけれど、これはクラッシックカーのように四輪が出っ張って主張するフォルム。

 加えて面白いのがキャビンのタンク形状。これは新しい。
 デザイナーのページにも走行のCG映像はないけれど、走っている映像も是非観てみたいものです。2CVはファンが多いので、賛否両論でしょうね。否定派の方がきっと多いでしょうが僕は2CVのネーミングを付けるかはともかくこんなカーデザインも現実に観てみたい。

◆関連リンク
Citroen's 2CV is back! | Auto Express News | News | Auto Express
 これは2CVのスクープらしき記事。信ぴょう性は不明。
祝還暦! 「シトロエン2CV」の特別展が本国で開催中
 「2CV EXPO SHOW

場所:LA CITE DES SCIENCES ET DE L'INDUSTRIE
(科学・産業シティ博物館)
開催:2008年4月15日~11月30日

・同じデザイナーのConcept Hydroxというのも面白い。
 →Maroc Automobile Actualité VoitureAuMaroc.com Concours Design Peugeot.

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■NHK 「ヒミツのちからんど」ヤノベケンジULTRA FACTORY
  「夢のひみつ基地をつくろう!」・・・アートのちから

Photo ヒミツのちからんど 放送予定

10月11日PM6:50-7:15
10月18日AM10:05-10:30

「夢のひみつ基地」を作るために、現代美術のアーティスト・ヤノベケンジさんが本当に作ったひみつ基地を調査。そこは、ヤノベさんの子供の頃の大切な思い出がたくさん詰め込まれた場所だった。これから生きていくために、自分にとって「大切なこと」とは何か、ヤノベさんと一緒に考えて、自分の大切な物を置いた「夢のひみつ基地」をつくりあげる。
【ちからマスター】ヤノベケンジさん。

ULTRA TODAY.(ULTRA FACTORY公式Blog)

そういえばちいさなこどもさんがファクトリーに入るのは初めてのことで、なんだか新鮮な感じがしました。ファクトリーの中はこどもたちの好奇心をくすぐるようなものばかりです。休憩中もトらやんフィギュアに興味津々の様子。

 先日のウルトラツアーに参加できなかったヤノベファンに朗報です。
 今週末、NHKで京都造形芸術大のウルトラファクトリーの様子が放送されます。
 好奇心いっぱいの子供たちによって「空前絶後の」アートプロジェクト、番組タイトルにぴったりの「秘密の地下ランド」がどうレポートされるか、大変楽しみです。

※写真は、ULTRA TOURの際に僕が撮ったファクトリー内の様子です。プロトタイプジャイアント・トらやん(かな?)。

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2008.10.04

■『ULTRA FACTORY ウルトラファクトリー展』探訪記・3
 パパ・タラフマラ「ガリバー&スウィフト」
 ヤノベケンジの舞台装置と劇団リハーサル

Vert パパ・タラフマラ
ガリバー&スウィフト
 作家ジョナサン・スウィフトの猫・料理法

公演日:08/10/9(木)~08/10/12(日)
会場:東京グローブ座 (東京都)

作・演出・振付:小池博史  
舞台美術・オブジェ:ヤノベケンジ
作曲・演奏:松本淳一(エレクトーン)/デワ・ライ(ガムラン)  
オブジェ:田中真聡

 ウルトラツアーの白眉は、ウルトラファクトリーでヤノベケンジ氏と学生によって作られた舞台装置を用いた劇団パパ・タラフマラの小池博史氏演出のリハーサル潜入だった。

 リハーサルであるのだけれど、ウルトラファクトリーが作りだした装置の数々とパパ・タラフマラのパフォーマンスは素晴らしくインパクトがあった。
 事情があって舞台を撮ってきた写真はすぐ公開できないけれど、まずはヤノベ氏のスケッチの写真と、私のつたない言葉によるレポートでその迫力を感じて下さい(本公演が終わったら写真を公開します→08.10/13掲載記事)。

 僕が見学できたリハーサルは、約20分ほどだったのだけれど、東洋的な音楽(生演奏)に彩られたダンスと、ヤノベ氏デザインのギミックにあふれたオブジェ群と役者の迫力のある動きのコラボレーションが幻想的で熱いシーンを生み出していた。

 特筆すべきは、2mになろうかという巨大な女の変幻していくシーンの異様さ。
 芝居全体でのこの女の位置づけは不明であるが、呪縛された人工的な肉体が、まわりの獣の面を付けた役者たちによって剥ぎ取られて行くシーンは普段着をまじえたリハーサル光景とはいえ凄みがあった。特に写真ラストのヤノベ氏独特の甲冑との絡みは、まさに異空間をそこに現出させていた。

 ツアーには家族連れの中に3才くらいの男の子がいたのだけれど、彼がこのシーンを見て受けたショックはどんなものだったのだろう。僕ならトラウマが残ったかもしれない。この幼児期のインパクトが忘れられず、将来、彼が幻想的な芸術を生み出すことを期待したりして(^^;)。

 ツアーに同行し解説されたヤノベ氏に尋ねると、この女の繊細に動く機械的な指もウルトラファクトリーの制作物。ネコや球体も全てファクトリーで作られ、すぐ隣にある「春秋座」と呼ばれる立派な劇場へ運ばれたものとのこと。(搬入の様子)

 ファクトリーと劇場が近いことで、舞台と装置制作のコラボレーションに相乗効果が生み出されているという。

 舞台装置で一部(ネコとか巨大な女の顔つきとか)は今までのヤノベ氏の作品と少し様子が違うようだったので、ヤノベ氏デザインで学生制作かと尋ねてみた。しかしヤノベ氏の手が相当入っているとのこと。いずれ学生たちに任せることもあるだろうとはヤノベ氏の弁。そして装置を見に来た女優さんがウルトラファクトリーチームの熱い作品の想いに触れて涙を流されたとか。

 パパ・タラフマラ ガリバー&スウィフト blog : 稽古場レポートBlogによると、これを演じる女優は橋本礼さんとのこと。この女優さんのBlog そこなし日記 | ウルトラによると、

わたしが身を包む巨大な「解体娼婦」も完成を迎えつつあります。 一昨日は歩くのもままならなかったこの巨大娼婦。昨日は歩行がスムーズにできるようになり、今日は装飾も美しくされ、通し稽古でも使えるまでに改良されていました。ウルトラクルーのみなさんの仕事に大感動。

 「解体娼婦」! まさにイメージそのもののネーミング。
 きっと10月の東京グローブ座の本公開では評判となるでしょう。僕もなんとかしてできあがった芝居を観たいものです。東京かー、ちょっと遠いなー。ヤノベ氏によると2010年1月には大阪公演も計画されているとのことなので、ずっと先だけれど、大阪で見ようかなー。

 制作過程を追ったレポートとかビデオとかも公式Blog等で紹介されることを楽しみにしたいと思う。

 ウルトラファクトリーのULTRA PROJECT第一弾は、パパ・タラフマラのパフォーマンスと立体造形のコラボレーションとして素晴らしいものになろうとしている。今後の飛躍も期待。(ULTRA PROJECT第二弾についても情報があったので、後日掲載予定。乞うご期待)

◆関連リンク
・解体娼婦の写真はパパ・タラフマラの関連Blogにあります。ここここ
 巨大幼児他写真はここ(ULTRA FACTORY公式HP)その他の舞台装置
デジスタ・ラボ:NHKブログ
 ウルトラファクトリー潜入リポート!!

東京のアート情報を発信 立川直樹責任編集"TOKYO ART PATROL"~東京アートパトロール~ : 世界中を魅了するパパ・タラフマラの舞台が現代美術作家ヤノベケンジとコラボレーション!.

(略)それに応えたヤノベケンジのコメントが観劇 気分をさらにそそってくれる。 「スーツマン、小人猫、高級娼婦、そして巨大幼児…。ドキドキするよなキャラクター満載の脚本を受け取った途端に作家魂に火がついた!あたかもそれは小池 さんが私につき出した恋文?いや挑戦状?ならば返す刀で刺し違える心意気で渾身の舞台装置を突き付けよう!料理されるのは猫か私かパパタラか?演劇も美術 も破壊するごった煮劇場。舞台のラストを飾るは驚きの再生ビックバンとなるに違いない」とのたまうヤノベケンジは今回が初めての舞台美術への挑戦。(略)

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