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2008年11月

2008.11.29

■iPhone, iPod touchアプリ OilCanvas
   触覚インタフェース油絵アプリ

Oil_canvas_tachikoma_bp
OilCanvas(Appstore Download), OilCanvasのデモビデオ(Youtube)
OilCanvasの目標設定
 (制作者の中島聡氏のBlog Life is beautiful)
Big Canvas PhotoShare

 以前紹介したiPhone用の写真共有SNS PhotoShareのファミリーに、素晴らしい画像処理アプリケーションOilCanvasが加わった。
 (このソフト、残念ながらiPhone,iPod Touch専用。5万ダウンロードまで期間限定で無料なのでiPhoneユーザはAppStoreへお急ぎください。現在無料アプリのランキング1位!)。

 冒頭のタチコマは、このOilCanvasを用いて加工した僕の写真。
 このソフトは、撮影した写真を下敷きにして、ブラシの大きさを五段階で指定して、指で上からなぞることで、油絵が作成できるというもの。
 冒頭は、左から右へ徐々にブラシサイズを変えて指でなぞっていくことで、油絵風のタチコマ画像が完成する様子。指で写真にタッチしたそのポイントの色が絵の具の色となり、指定したブラシの太さで指の動きをiPhone画面のキャンパスにのせていくといった動作をする。(百聞は一見にしかず。上のYoutubeのPVをご覧ください)

 次にこの2~3日で僕が描いた稚拙な作品を掲載します。
 1枚作成するのに約5分。アプリのレベルの高さで油絵を描いたことのない僕でもそこそこのタッチが生成されています。よろしければ拡大してお楽しみ下さい。

Oil_canvas_bp

 自分でブラシの大きさを選び、指でなぞる向きと長さを変えることで、様々なタッチの油絵が簡単に描ける。従来、写真を油絵風に変換する画像フィルターはあったけれど、このアプリはiPhoneのタッチインターフェースを利用して、同じ写真を使っているのだけれど、自分で描き個性を表現できるところが特徴。

 自分の指の動きで絵のタッチが変わっていくのが何とも楽しい。そして自分が指を使うことで、自分が描いている感覚が体験できる。まさにこれは油絵制作支援ツール。

 そして完成した油絵は、PhotoShareとの連係で簡単に世界の人に公開できる。
 アプリの登場から3日ほどだけれど既に数百枚(千枚以上?)の絵が公開されている。

 将来は、さらに油絵の感覚を再現するため、是非ともAPPLEにiPhoneのスクリーンで触覚フィードバック機能を付加してもらって、絵具を触る触覚を再現してほしいものです(なんて^^;)。

Life is beautiful: OilCanvas作品集
Life is beautiful: OilCanvas 中間報告:3日半で3万ダウンロード達成.

 「日曜の夜中までに5万ダウンロードを達成」を目標に期間限定で無料リリースをしたOilCanvas、ダウンロード数も順調に伸び、3日半で3万ダウンロードを達成したところだ(正確には30,454)。あと二日で2万稼がなければならないのでぎりぎりの所

 中島氏のBlogでPhotoShareにアップされた作品が紹介されている。
 アイドルやマリオやガンダムのキャラも油絵に変換され公に掲載。
 写真共有SNSとして油絵という芸術アプローチを加えたことで、著作権的にも興味深いアプローチになるかも。ある事柄についてPhotoShareの仲 間にコメントしたい時、関連写真のそのままの掲載はもちろんまずい。それを油絵として表現することで、著作権問題はグレーゾーンへ入っていくように思 うけれど、いかがでしょうか。 

◆関連リンク
指で「油絵」が描ける、中島聡氏の新作iPhoneアプリ:動画 | WIRED VISION

[Big Canvas社(本社ワシントン州ベルビュー)は、中島聡氏が2008年4月に設立したソフト開発企業で、iPhoneを使った簡単な写真共有サービスPhotoShareを提供している。中島氏は、米Microsoft社勤務時代に『Windows』や『Internet Explorer』の開発に携わったことでも知られる]

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2008.11.28

■神山健治 原作・脚本・監督
  新作『東のエデン:Eden of The East』

Photo_2 東のエデン(公式HP)
Production I.G [作品詳細]

ノイタミナ:攻殻・神山とハチクロ・羽海野がタッグ アニメ「東のエデン」が09年4月から - 毎日jp (野良犬の塒さん経由)

 同作は、神山監督の原作・脚本によるオリジナルストーリー。2010年、日本各地に10発のミサイルが落下するが死者はゼロという奇妙なテロの3カ月 後、アメリカ・ホワイトハウスの前で、卒業旅行のトラブルに巻き込まれた森美咲は、記憶喪失になった日本人青年・滝沢朗に助けられる。意気投合した2人は 一緒に帰国するが、その日、東京に向けて11発目のミサイルが発射され、滝沢の携帯電話に謎のメッセージが入り、82億円の電子マネーがチャージされ る……という物語。

声優ニュース.com - 神山監督の新作、TVアニメ「東のエデン」2009年4月より放送.

2010年11月22日(月)。 日本各地に、10発のミサイルが落ちた。 ひとりの犠牲者も出さなかった奇妙なテロ事件を、人々は「迂闊な月曜日」 と呼び、すぐに忘れてしまった。 それから3ヶ月。 卒業旅行でアメリカに出かけた森美 咲(もりみ・さき)は、ホワイトハウス の前でトラブルに巻き込まれ、ひとりの日本人に窮地を救われる。 滝沢 朗(たきざわ・あきら)。 彼は記憶を失っており、一糸まとわぬ全裸の姿で、拳銃と、82億円もの電子 マネーがチャージされた携帯電話を握りしめていた……。 滝沢 朗とは何者なのか? 謎の携帯電話の正体は? 失われた、滝沢の記憶とは何だったのか?
TVアニメシリーズ 「東のエデン」(全11話)
2009年4月よりフジテレビ“ノイタミナ”ほかにて放送
原作・脚本・監督:神山健治
(「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」「精霊の守り人」)
キャラクター原案:羽海野チカ(「ハチミツとクローバー」「3月のライオン」)
アニメーション制作:プロダクション I.G

 ポスターを見ると、携帯という知恵の実を得た人間の物語なのか。
 リンゴに書かれた「noblesse」「obligation(?)」は、辞書によると、「(特にフランスの)貴族階級, 高貴の生まれ」「恩義, 義務, 契約, 契約書, 義理, 責務, 職務, 本分」とある。なんかラジカルな感じで良いですね。(※文末 参照)

 神山監督の独壇場であるエスピオナージな近未来物語が楽しみ。

 来年4月に10発のミサイルからはじまる11本の物語をワクワクしながら待ちましょう。

※08.11/29 shamonさんコメントを参考にググって追記。どうやら林檎の文字はこれみたい。
 ノブレス・オブリージュ - Wikipedia

ノ ブレス・オブリージュまたはノーブレス・オブリージュ (フランス語:noblesse oblige) は「貴族の義務」あるいは「高貴な義務」のこと。一般的に財産、権力、社会的地位の保持には責任が伴うことをさす。一般的な用法ではないが、慇懃無礼ある いは偽善的な社会的責任について蔑視的に使われることもある。
起源
この言葉の意味する概念自体は新約聖書の福音書に由来している。「すべて多く与えられた者は、多く求められ、多く任された者は、更に多く要求される」 (「ルカによる福音書」12章48節)(新共同訳)。

OCNアニメ・特撮公式ブログ

混乱する空港。滝沢の携帯が起動し、一本の電話が入る。
「No.9、セレソンシステムの有効圏内に入りました。直ちに持てる者の義務を遂行して下さい」
ジュイスと名乗る女性からの謎のメッセージ。彼女は滝沢の携帯に、82億円の電子マネーがチャージされている事を告げる。

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2008.11.26

■マルク・キャロ監督『ダンテ01:DANTE 01』予告編

Photo_3 YouTube - DANTE 01 - Trailer
Dante 01 (2008) Marc Caro (IMDb)
 ビデオレンタル屋で手に取った聞きなれないタイトルのSFのDVD。
 あのマルク・キャロ監督の2008年の新作。なんと日本未公開!なんで!

 マルク・キャロと言えば、あのジャン=ピエール・ジュネ(Wikipedia)と共同で傑作『ロスト・チルドレン』を撮ったフランスの監督。ジュネ監督が『エイリアン4』でハリウッドへ行ってからは、日本ではキャロ監督作は公開されていない。ジュネ監督が『アメリ』でメジャーになっていくのと対照的で、どうしたんだろうと思っていたら、、、。

Marc Caro (IMDb)

  1. Dante 01 (2008) 
  2. Exercice of Steel (1998) (TV) 
  3. Cité des enfants perdus, La (1995) 
    ... The City of Lost Children (USA)
  4. KO Kid (1994) 
  5. Delicatessen (1991)

 フランスでも短編の”Exercice of Steel”という作品があるのみ。
 この映画、フランスでは今年の初めに公開されていたらしいけれど、日本ではついに未公開でDVD化。
 レンタル屋でも新作の棚の片隅にDVDが一本だけひっそりと入荷。
 『ロスト・チルドレン』のいかがわしさに泣いたファンは、このDVDは必見かも。 

◆08.11/30追記
 DVD、本日観ました。
 宇宙監獄の単調な絵柄の映像と、いまいち緊迫感のない物語に、思わず爆睡しました。
 ラスト、壮大なビジョンもちょっと独りよがりだし、はずしました。

 というわけでお薦めできませんが、キャロ&ジュネ監督作らしい役者とか、ファンにはちょっとだけ嬉しい作品、でも実は劇場公開は辛い、DVD販売で正解な映画かも。

◆関連リンク
ジャン・ピエール・ジュネ&マルク・キャロ監督『ロスト・チルドレン』(amazon)
マルク・キャロ監督『ダンテ01』(amazon)
ZOMBIE手帖ブログさん:宇宙刑務所『DANTE 01』のスチール
DANTE 01 - Google 検索
ジャン=ピエール・ジュネ - Wikipedia
JeanPierreJeunet.net(Official Website)

エイリアン4  Alien: Resurrection (1997年)
アメリ  Le Fabuleux Destin d'Amélie Poulain (2001年)
ロング・エンゲージメント  Un long dimanche de fiançailles (2004年)

Exercice_of_steel Marc Caro "Exercice of Steel"

 

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2008.11.25

■ブルーノ・メルル『変態“ピ”エロ』予告編

00 ブルーノ・メルル『変態“ピ”エロ』予告編
カンヌ映画祭のオープニングで会場混乱!? 『変態“ピ”エロ』(webDICE - 骰子の眼 -).

 本作は2007年カンヌ映画祭“批評家週間”の栄えあるオープニングを華々しく飾った。しかし、およそ115分の本編終了後には会場を混乱の極みに陥れ、観た人の多くが鈍い衝撃に愕然とし、物語をどう解釈していいのか、そして、映画そのものに対してどう反応していいのかまったくわからずに、ただ呆然と映画のエンドロールを眺めるしかなかったという。(略)野心的な実験精神と豊かなエンターテインメント性とを併せ持つ、新しい世代のデヴィッド・リンチが、フランスから誕生した

UPLINK X | 『変態“ピ”エロ』

製作:レ・フィルム・ドゥ・レキン
監督・脚本:ブルーノ・メルル
共同脚本:エマニュエル・デストルモウ

あまりにも理不尽で不可解な密室誘拐監禁劇。
“ピ”ことピエール・フォレ(ミカエル・ュン)は、TV局で公開番組の収録前にスタジオの観客を盛り上げることを職業とするエンターテナー。
(略) 幾度となく突然出現する謎の怪力男。
その怪力男に殺されても殺されても蘇る不死身のピエール。
彼が死ぬ度に現れる、遊泳する魚の群れ。
ベッドに横たわる白ばんだ男の硬直死体。
アパートメントを包囲する警察・機動隊と、電話の向こうの大統領。
どう見ても動きが一拍遅いドッペルゲンガー男。
太陽の燦燦が輝く青天のもと微笑みかける少女。
ピエールが盛んに話しかける、姿見せぬ男(たち)。

 この紹介文を読んでいると、なんか素晴らしくシュールなイメージが頭の中に展開するんですが、、、。奇想映画の傑作になっていることを祈るばかりです。

 デヴィッド・リンチ禁断症状の貴方(私?)にお薦め(?)。

◆関連リンク
ブルーノ・メルル『変態“ピ”エロ』(amazon)
 あと2ヵ月ほどでDVDも予定されている。地方の私はこちらを待つしかないか。
Bruno Merle hero - Google イメージ検索

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2008.11.24

■豊田市美術館 『ミシャ・クバル | 都市のポートレート』
  『不協和音―日本のアーティスト6人』

Mischa_kuball ミシャ・クバル|都市のポートレート
MISCHAKUBALL.COM
 (アーティストの公式HP)

 ドイツ・デュッセルドルフを拠点に活躍しているらしいメディア・アーティストの日本での初の大規模な個展、とのこと。

 加えて不協和音─日本のアーティスト6人 DISSONANCES-Japanese Six Artistという女性アーティストの展示があわせて開催されている。

 どちらもメディアアートに分類されるような作品展で、結構期待して行った、、、、のもだけれど、期待はずれでかなりがっかり。

■まずミシャ・クバル。
 プロジェクタとスクリーンを用いた光のアートということであるが、展示された作品で観る限り、はっきり言って全く刺激のない凡庸な作品。プロジェクタから映し出される映像は、コップを二つ並べてその底を通して見える街の光景。あれ?
 静かにいろいろな位置から眺めて、なんとか作家のイメージをつかみ取ろうと考えたのだけれど、、、。

 もともと光を用いたアートを街で展開する手法をとられている作家なので、こうした展示会場での作品に慣れていない?。街のビルを使ったりした作品は迫力があるのかも。

■美術館のこころ
 おまけに美術館側の対応の悪さが際立っていた。
 朝一番で行ったのだけれど、ある作品はプロジェクタが初期画面になっていて作品が成立していない。加えて何故か大きなクレーンのような重機が朝一番の会場でうるさい騒音をたてて作業。さらに美術館員たちが会場でおしゃべりしている!

 ここって美術館だよね。こんな酷い展示は初めてみました。作品自体の力もなかったけれど、この美術館の対応は、なんかおかしい。猛省をお願いしたい。

Photo不協和音─日本のアーティスト6人
 「戦後日本を代表する6人のアーティスト、オノ・ヨーコ、草間彌生、久保田成子、斉藤陽子、塩見允枝子、田中敦子」の作品展。うちオノ・ヨーコ、久保田成子、斉藤陽子、塩見允枝子の3氏は1960年代のニューヨークの前衛芸術運動「フルクサス」に参加したとのこと。

 面白かったのは斉藤陽子氏の作品で、無数の白い紙でできた立方体が糸で釣られている空間。大中小、いろんな大きさの立体が浮かぶ場所を、いろんなルートでくぐりぬけると、なかなか楽しい。立体をとらえる眼と、よける体の運動が気持ちいい。

 その他はまさに「前衛」。これらを受け止めて理解するのは、僕には少し辛かった。
 もしかすると、60,70年代の空気とかなりシンクロしている作品なのかもしれないけれど、残念ながら現在とのシンクロ率は低い。

◆関連リンク
フルクサス - Wikipedia
Fluxus - Google イメージ検索
YouTube - Fluxus

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2008.11.22

■新刊メモ『夢のアロマ VENEZIA』 『ミスター・ミー』
 『MUSIC MAGAZINE08.11』 『幻影の書』

新美 直『夢のアロマ VENEZIA』(amazon)
 (株式会社 アップフロントブックス)

冬の日、ヴェネツィアはカーニバルにきらめく。
異教徒の海の風景、運河と歩道の石畳が織りなす迷宮、
光と影が交錯する町、そこに悦楽と孤独の匂いが漂う。

非日常的な空気が支配する水の迷宮都市ヴェネツィア。
背徳的な衣装と仮面をつけた群衆が広場にむかうとき、
みつめる人々もまた中世の幻想に迷い込む。

  以前記事にした鮮烈な写真集 新美直『アリゾナの青い風になって』~Spiritual Journey~に続く、写真家・新美直氏の新しい作品集。
 まだ実はこの本、見たことがないのだけれど、前作のような鮮やかな色合いとシャープな画角でベネチアの幻想が切り取られているのだろうか。

アンドルー・クルミー『ミスター・ミー』(amazon)
 (東京創元社 海外文学セレクション).

 書 物に埋もれて暮らす八十代の老人、ミスター・ミーは、失われた謎の書物・ロジエの『百科全書』の探索に熱中しパソコン導入に至る。ネット検索の果てに老人 は、読書中の裸の女性のライブ映像に行き着いた!
 彼女の読んでいる本のタイトルは『フェランとミナール――ジャン=ジャック・ルソーと失われた時の探 求』だった。

 書物の世界とネットの海の探索の物語(?)。
 この紹介文を読むだけで、ドキドキしてくる本ですね。誰か読みました?

『MUSIC MAGAZINE (ミュージックマガジン) 2008年 11月号』(amazon)

特集ザ・ブルーハーツ、ザ・ハイロウズ、そしてザ・クロマニヨンズ
 甲本ヒロト&真島昌利が語る二人の現在、ヒストリー+アルバム・ガイド、『TRAIN-TRAIN』で僕はブルーハーツ・フリークになった、他

 表紙がいいです。甲本ヒロトのヴォーカルと真島昌利の詩はグループが変遷してもいつも凄い。

ポール・オースター『幻影の書』(amazon)

救いとなる幻影を求めて――人生の危機のただ中で、生きる気力を引き起こさせてくれたある映画。主人公は、その監督の消息を追う旅へ出る。失踪して死んだと思われていた彼の意外な生涯。オースターの魅力の全てが詰め込まれた長編。オースター最高傑作!

 これは映像をめぐる探索の物語。
 セオドア・ローザック『フリッカー、あるいは映画の魔』を思い出します。そして著者がポール・オースター! これも期待の一冊です。

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2008.11.21

■ベルギーの彫刻家 Stephane Halleux:ステファン・ハレックス
  スチームパンクなマシンたち

Stephane_halleux00
Stephane Halleux index (公式HP)
MySpace.com - stephane www.myspace.com/stephanehalleux.
(スチームパンクなマシンたち:WIRED VISION経由)

ベルギーの彫刻家、Stephane Halleux氏の作品は、「ティム・バートン[米国の映画監督]がジュール・ベルヌと出会った」ようだと評されている。

 WIRD VISIONにはこの作家の作品は一点のみ紹介されている。これがとてもスチームパンクかつコミカルで気に入ったので、探したてみたら上記ホームページとMy Spaceに作品が掲載されていました。

 特に上の最初の2作品に注目いただきたい。他がティム・バートンの影響が見て取れるのと同様、どこかで観た雰囲気を感じませんか。

 僕にはヤノベケンジ作品を連想させます。
 たぶんこちらの作品は小型のものなので、もしいつか入手できるものなら、手に入れたいものです。ほしい!

 調べてみたら、ここで売ってました→Device Gallery  Stephane Halleux作品
 なんと$12,000USD !! 一生、買えない!!

◆関連リンク
Stephane Halleux - Google イメージ検索
072608_FantasticContraption_02 on Flickr - Photo Sharing!
 こちらのFlickerにStephane Halleux氏の作品展の様子があります。
 他の作家の作品もなかなか素晴らしい。

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2008.11.20

■観た!アニメ夜話『電脳コイル』 『ガンバの冒険』
   『劇場版天元突破グレンラガン 紅蓮篇』

Vert_2NHK BSオンライン(BSアニメ夜話)

◆第1夜「電脳コイル」11/5(水)

【出演】松嶋初音、平松禎史、稲見昌彦、氷川竜介、岡田斗司夫【司会】加藤夏希、里匠

 ヴァーチャル・リアリティのメッカである東大舘研究室出身の慶応義塾大学稲見教授の出演がアニメ夜話としては異色。

 これも、いかに『コイル』の描いた近未来テクノロジーのコンセプトが優れていたかの証左であろう。

 稲見氏の発言で面白かったのが、舘研に入るとまず士郎正宗の『攻殻機動隊』を渡して、これを読んで議論に加わること、と指示されるというところ(^^)。(それを舘教授自らが決めたのかどうかは不明だが、教授が描いたテレイグジスタンスの概念が士郎作品と強く共鳴することは間違いない)

 そして出演者からの「こんな世界が本当に来るんですか?」という質問に対して、稲見教授の熱い言葉。
 「それを実現していくのが我々です」
 きっと舘研、稲見研の新人は『攻殻機動隊』に続き、『電脳コイル』も必須教材に指定されていることでしょう。

 ヴァーチャルリアリティもエンタテインメントやアートとしては一定の成果が出ているが、社会的にインパクトのある現実的アウトプットはとても少ない。

 「日本文化を牽引する」(本当か?)アニメーションが、日本のテクノロジービジネスを牽引する日も近い!?

◆第2夜「ガンバの冒険」11/6(木)

【出演】半田健人、仁藤優子、神山健治、椛島義夫、藤津亮太、岡田斗司夫【司会】加藤夏希、里匠

 冒頭に引用した写真。
 デザインと作画監督を務めた椛島義夫氏が好きなキャラクターとして挙げたのがシジンであるが、椛島氏の朴訥としゃべる様子とシジンの雰囲気がとても似ていると思ったのは、僕だけではないはず(^^;)。
 デザイン段階のキャラクターの絵が登場したのが嬉しかった。ガンバもイカサマも、こちらの方がよりマンガチックでシャープ。重い雰囲気もたたえた本編には、も少しリアル路線の最終デザインがやはりマッチしている。
 既にガンバは随分長いこと観ていないけれど、これを機に再見したくなりました。

Photo ◆第3夜「劇場版天元突破グレンラガン 紅蓮篇」11/7(金)

【出演】中島かずき、佐藤大、宮地真緒、福井裕佳梨、氷川竜介、岡田斗司夫【司会】喜屋武ちあき、里匠

 平松禎史氏の右の原画が登場。アクションゲージによるスピードと溜めの指示についての説明があった。

 監督の提示したコンセプトであるドリルから、中島かずき氏によりDNAや宇宙へと発想が広がっていく過程が、ダイレクトに視聴者に提示された。これ、やはりワイド・スクリーン・バロックですね。最初の穴倉世界描写もイアン・ワトスンの奇想SFなタッチがあったし、中島かずき氏ってSFマニア? 映画もDVD出たら、観なきゃ。(中島かずき氏wikiで見たら、双葉社の編集者が本業! 日曜シナリオライターって凄いですね)

 観客席から武田康廣氏の登場があったけれど、残念ながら岡田斗司夫との絡みはなく、「大阪芸人」ひさびさの再現は実現せず。

 そういえばロージェノム役の池田成志氏って、第三舞台の役者じゃないですか!TV観てる時はなんか見たことのある名だと思ったけれど、気づきませんでした。
 劇団☆新感線、中島かずき氏との演劇つながりでしょうか。

◆関連リンク
・椛島義夫氏wiki 作画wiki 社長を務める夢弦館
 『ぜんまいざむらい』も椛島氏!!まだ現役!!

・当Blog記事
メモ BSアニメ夜話 『電脳コイル』 『ガンバの冒険』
   平松禎史、稲見昌彦、神山健治、椛島義夫出演!!

 磯光雄監督 次回作と『電脳コイル2』!?を語る
  アニメ『電脳コイル』に見るリアルとバーチャルの接点

 電脳コイル』メモ 磯光雄著 企画書、BSアニメ夜話、アニメーション神戸賞

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2008.11.19

■オープンソースの3次元CGソフト
 ブレンダーのイベント Blender Party @ NAGOYA

Blender

Blender_party_nagoyajapan2008_2Blender party @NAGOYA,Japan2008
NAGOYA2008参加申し込み Wiki
 (でいをおかあさんのBlog
  PROJECT HYPER BALLより
)

LIVE & RESTAURANT BAR 〔SAN JOSE〕(サンホセ)
名古屋市中区錦3-1-9 桜町ビルB1
開催日時 11月29日土曜日,16:00-19:00(3h)
参加費用 4,500yen
募集人数 ~50名
 (会場自体のキャパは着席70名、立席100名)

Blender - Wikipedia

Blender(ブレンダー)はオープンソースの3次元コンピュータグラフィックスソフトウェアの一つで、3Dモデルの作成、レンダリングのほかアニメーション、コンポジット機能も備える。

 でいをおかあさんからご案内いただきました。
 来週末に開催される3D-CGソフトのイベントの紹介です。30~40分のCGアニメーションの上映会も予定されています。

 僕自身はCGソフトというと、MAC時代にStrataStudioをちょっと使ったくらいで素人なのですが、このBlenderは、ユーザーインタフェースがなかなか面白そう。
 時間なくてダウンロードしても、どれだけ遊べるかわからないけれど、週末に落としてみようと思っています。

◆関連リンク
Blender.jp - Blender Japanese Website
・ダウンロードはこちらから→blender.org - Get Blender 

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2008.11.18

■幻想の魔術師 カレル・ゼマン レトロスペクティブ
  :karel zeman Retrospectiva

Photo_3

カレル・ゼマン レトロスペクティブ 11/8-11/28@イメージ・フォーラム

幻想の魔術師 カレル・ゼマン レトロスペクティヴ Karel Zeman Retrospectiva 人形アニメ大国チェコにおいて、トルンカやティールロヴァーと並ぶ先駆的存在、そして前人未到の幻想世界の創造者カレル・ゼマン。

代表作『水玉の幻想』、『前世紀探検』、『盗まれた飛行船』を始め、幻の処女作『クリスマスの夢』から晩年の傑作『クラバート』、『ホンジークとマジェンカ』までのカレル・ゼマン13作品を一挙公開!トリック映画の創始者ジョルジュ・メリエスに魅せられ、SFの始祖ジュール・ベルヌを愛した<少年の心>を持つカレル・ゼマンの玉手箱のようなファンタジー・ワールドをお楽しみ下さい。

 shamonさんにメールで教えてもらいました。
 チェコの映像作家カレル・ゼマンの回顧展。

 実は恥ずかしながらカレル・ゼマン、未見なのです。昔からSF映画関連で、『盗まれた飛行船』『彗星に乗って』とか必ず紹介されていたのですが、何故か観ていないという、、、。

 上映会は行けないけれど、これを機に自宅でDVD鑑賞としましょうか。

◆関連リンク
カレル・ゼマン(NSW) おかだえみこさんの紹介記事
『幻想の魔術師 カレル・ゼマン コレクターズBOX』(amazon)

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2008.11.17

■赤塚若樹 著『シュヴァンクマイエルとチェコ・アート』

Photo_2 赤塚若樹 著
『シュヴァンクマイエルとチェコ・アート』

        (未知谷 公式HP)

ブルトン『シュルレアリスム宣言』から10年――表現主義、キュビスム、ダダなどの影響のもと、タイゲ、トワイヤン、ネズヴァル、シュティルスキーらは独自のアヴァンギャルド《ポエティズム》を推進し、その後発展的解消を経てシュルレアリスムを宣言する。社会主義体制下では地下活動を余儀なくされるが、幾度もの世代交代を経てチェコ・シュルレアリスムは、現在進行形である。
(略)シュヴァンクマイエル、チェコ映画、チェコ・アートの三部構成で論じる待望の評論集。

 08.7月刊行。
 出版されたことを全然知らなかったので、こんなに記事にするのが遅くなってしまいました。引用した紹介記事にあるとおり、シュヴァンクマイエルとチェコ映画・アートを論じた評論集。

 残念ながら僕は、シュヴァンクマイエル以外のチェコアートの知識が貧しく、それ以外は赤塚氏の文章からイマジネーションたくましくして想像した脳内映像に頼るしかない(^^;)。

 非常に興味深かったのが、第三章のチェコシュルレアリスムの歴史と現在について触れたところ。もちろん「戦闘的シュルレアリスト」であるシュヴァンクマイエルに関連した興味である。この本から紐解いて、ウェブ上でしかなかなか触れることはできないけれど、チェコのシュルレアリストの作品を調べてみたい。いずれこのBlogでリンク集を紹介できたら、と思う。

◆シュヴァンクマイエル
 著者が述べているように、ここ数年、日本のシュヴァンクマイエルの受容が広がっているわりに、ちゃんとした評論が書かれていないのは寂しい。
 そこを埋める形で書かれた5本の論考が収められている。

 「驚きの感覚」こそがシュヴァンクマイエル芸術を理解するのに必要なものではないかとも思う。(P11)

 シュヴァンクマイエルはみずからルドルフ二世の信奉者であるということを表明している。(略)シュヴァンクマイエルが芸術作品と称してつくっているのは、みずからの想像上のクンスト=ヴンダーカマーに収まるだろうもの、収めておきたいもの、そのなかでもとくに自然物(ナトゥラリア)である、と。つまり、夢の世界のナトゥラリアであり、空想世界の自然の驚異をつくりだしているのであり、それがシュヴァンクマイエルという稀有な才能の芸術・創作活動となっているということだ。(P26)

 手の押し跡を「創作者の心的状態の純粋な表出」とみなし、それをとどめる素材として粘土をもちいている(略)。(P46)

 多様な読みが可能なシュヴァンクマイエルであるが、こうしたポイントでの分析が面白い。アニメーションだけでなく、実写映像、コラージュ、オブジェ等、幅広いシュヴァンクマイエルの活動の総体をとらえるのはかなり広範な分析が必要で、今回の5本の論考はいくつかの視点から多角的な読みのアプローチがなされている。

 僕が特に強くひかれたのが、「戦闘的シュルレアリストの賭け」と題して、『ボヘミアにおけるスターリン主義の終焉』について詳しく論じたもの。
 政治的なダイレクトなメッセージと、シュルレアリスムと魔術、魔術とアニメーションの観点からの分析が総体としてのシュヴァンクマイエルをとらえているように感じた。
 そうした観点での戦闘的なシュルレアリストの姿と、人を驚かせてやろうという一種茶目っ気に溢れたヴンダーカマー的感性。これらの渾然一体となった総体が我々を惹きつけるシュヴァンクマイエルの魅力なのだと改めて思う。

 ここで急遽、アンケートです。
 ここの読者の皆さんに答えていただけたら幸いです。シュヴァンクマイエルのどういった作品に魅かれるか、クリックいただければ幸いです。
 ★回答いただくと、即現在の得票結果がグラフで表示されます。
 次の土曜11/22締切として、来週結果を掲載したいと思います。ご協力、よろしくお願いします。(NIFTYにアンケート機能があるのを今日知ったので、今後、利用したいと思います。このBlogに来ていただける皆さんで何かアンケートしたいことがあれば、この記事へのコメントでご一報ください)
 

◆関連リンク
・その全文がネットに掲載されている。
 「戦闘的シュルレアリストの賭け ヤン・シュヴァンクマイエルの『ボヘミアにおけるスターリン主義の終焉』をめぐって」(「スラブ研究」45号)
シュヴァンクマイエルとアニメーション
 アニメーションは魔術の現代的なかたち。
 初出:『夜想34』(特集=パペット・アニメーション). ペヨトル工房(1998年).pp. 68-83.
編集・翻訳(原文=チェコ語・英語):赤塚若樹
シュヴァンクマイエルとアニメーション インタビュー記事

  私には魔術的な側面のない自分の作品など想像できませんでした。(略)
 かつて芸術と魔術は溶け合って、さまざまな儀式――それによって文明の初期段階を生きる 人間が自然の善意(自然現象、先祖の霊魂、悪霊)を勝ち得ようとしたさまざまな儀式――の分けることのできない一部分になっていました。その後、芸術は魔 術からは距離をおきはじめて、みずから図像学上の機能、美的機能、再現の機能などといった、ほかの機能を獲得し、とうとう全体主義体制のイデオロギーのし もべになりはてたり、あるいは美術市場のためにつくられる品物という悲惨な役割を引き受けるようになったりしました。シュルレアリスムはいつも芸術にその “魔術的威厳”を取りもどそうとしていました。そして、それがあるから、私はそのシュルレアリスムにつよい関心を抱いているのです。

・引用されていたWhen Jan met Terry | Independent, The (London) | Find Articles at BNET.全文(かな)
赤塚若樹氏HP 著書と翻訳書 文章1.

「チェ コ・シュルレアリスムの歴史的概観・1918年から1948年まで」
 『比較文学・文化論集』第14号(1997年).pp. 1-9.
 この文章については、これまでに何度か問い合わせがありました。(ありがとうございました。)これまでチェコのシュルレアリスムの歴史を大づかみにでき るような日本語の文献がなかったので、取っておいたメモをまとめるかたちで書いた研究ノートのようなものです。ですから、何かを「議論」するようなたぐい の文章ではありません。
 内容は表題のとおりですが、同時に日本語(およびフランスと英語)で読めるチェコ・シュルレアリスムの文献をまとめる目的もありました(数はかぎられて います)。掲載誌はたまたまそのとき発表しやすかったものですが、残念ながらあまり入手しやすくないようです。

赤塚若樹『シュヴァンクマイエルとチェコ・アート』(amazon)
・当Blog記事
 小宮 正安 『愉悦の蒐集ヴンダーカンマーの謎』
 ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展@ラフォーレミュージアム原宿
 エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー関連図録  Eva Svankmajerova
 エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーと深井克美
 『GAUDIA(ガウディア)造形と映像の魔術師 シュヴァンクマイエル』

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2008.11.16

■虚構の劇団 第2回公演決定 『リアリティ・ショウ』

The_reality_show_2 虚構の劇団
第2回公演
『リアリティ・ショウ』 (公式HP)

ドラマや歌番組ではない、「本当の人生」を登場させたTV番組を、 世界基準では、『リアリティ・ショウ』と呼ぶ。(略)

テレビカメラがなくても、携帯カメラがある。
テレビ局がなくても、ブログがある。

うんと哀しい時、これはショウなんだとつぶやいて安心しよう。
うんと楽しい時、これはリアルなのかと念のために確認しよう。

リアルなのに、ショウ。ショウなのに、リアル。

それは、21世紀の私たちの祝福された絶望的な日常。
幻の観客の熱烈な拍手を求めて、リアルなショウは終わらない。

作・演出:鴻上尚史
出演:大久保綾乃、小沢道成、小名木美里、小野川晶、 杉浦一輝、高橋奈津季、三上陽永、山崎雄介、渡辺芳博
公演日程:2008年12月12日(金)→12月20日(土)

 うわっー、ポスターがめちゃくちゃ、カッコいい。
 旗揚げ公演も鮮烈なポスターだったけれど、今回のはとにかくクール。

 狙っているコンセプトも上の紹介文からすると、まさに鴻上尚史の得意な世界。12月の東京行、真剣に考えるか(忘年会を二個ほどパスすれば行けるかも(^^;)。個人的には断然こっちなのだけれど世間のしがらみが、、、、。)。

◆関連リンク
虚構の稽古場Blog リアリティ・ショウ 1日目

11月10日。 本日、虚構の劇団・第二回公演への実験が本格的に始動した。 まず最初の試みとしてこの空間の中で1週間過ごすことから始まるようだ。 休憩や食事、及び個別的な理由での退室は許可されているが、 決められた時間は基本的にこの部屋で過ごさなければならない。 この実験の先にある成功は 「この空間の中でそれぞれが新たな人格を形成すること」のようだ。 現段階ではここまでの撮影が許されたので、まずはこの実験空間の画像を提供したい。

・当Blog記事 虚構の劇団 旗揚げ公演『グローブ・ジャングル』

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2008.11.13

■筑波大学 岩田洋夫教授 Floating EYE:フローティングアイ

Photo_3 日本科学未来館
 メディア・ラボ展示作品
  (JSTニュース4月号)

日常の身体感覚を揺るがす
 岩田洋夫のデバイスアート(デジタル・スタジアム)

Floating Eye  [フローティング・アイ] 2006
球体のドームスクリーンを装着し、飛行船に取付けられたカメラで撮影された空中の映像を見るという作品。(自分の周りは見えない!)普通は一方向しか見ら れない映像を、この作品では特殊なシステムによって360度近くの映像が表示されます。地上にいながらにして、その自分の姿を上空から鳥の目で見るという 一種幽体離脱的な感覚! もうやってみるしかありません。

 IVRCでもらった日本未来館のチラシに掲載されていた凄い作品。

 とんでもないメディアアートがあったものです。下に動画がありますが、実感はできない。こればっかりは実際に気球にぶら下がって(?)歩いて体感するしかないのでしょうね。
 どんな感覚が生まれるか、興味津々。

VR lab. Univ. of Tsukuba 筑波大学機能工学系 岩田洋夫・矢野博明研究室

フローティングアイ 動画

他にもマッドなアート作品がいっぱい
 今日は詳細を観ている時間がないのですが、今後、じっくり観てみたいものです。

浮遊する視線

 「浮遊する視線」は視覚を身体から引き離す体験をもたらす作品である。参加者には空中で撮影された広視野映像のみが呈示され、自分の周囲の世界を直接見ることはできない。この広視野映像は小型飛行船に取り付けられた特殊なカメラヘッドによって取得され、参加者に対しては装着型のドームスクリーンに投影される。(略)
 参加者は自分が地上にいる姿を上空から見ることができる。この機能は一種の幽体離脱的な体験をもたらす。小型飛行船は糸を引くことによって移動させることが可能であるため、自分の姿と周囲の風景を見ながら歩き回ることができる。しかし、わずかな風が吹いても飛行船の姿勢が乱れるため、空気の微妙な流れを実感することになる。「浮遊する視線」は、このような体験装置を用意することによって、自己の認識と人間と大気の相互作用に新たな可能性を惹起させるものである。

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2008.11.12

■VRテクノジャパン「オーニソプターアドベンチャー」
  6面没入型立体映像システム「COSMOS」

Photo_2 ORNITHOPTER ADVENTURE
ITmediaニュース:全天立体視界のゲームが登場 「オーニソプターアドベンチャー」

 岐阜県科学技術振興センターが「VRテクノジャパン・テクノプラザ」(各務原市)に所有する6面没入型立体映像システム「COSMOS」用に開発した。COSMOSは視野角制限がない完全な全天表示が可能で、プレイヤーが液晶シャッター式ゴーグルを装着すると、頭の位置や角度をセンサーで検出してリアルタイムに映像に反映。CGとプレイヤーとの位置関係などを正確に表現できる。

 オーニソプターアドベンチャーでは、プレーヤーはゴーグルを付けて中央のコクピットに座り、左右のジョイスティックでオーニソプターの翼を動かし、ゲーム世界を飛び回る。全6ステージで、最大所要時間は13分程度だ。

 IVRC2008で初めて6面没入型立体映像システム「COSMOS」を体感した。

 2階分の巨大な空間の中央に浮かぶように設置された4畳半ほどの立体映像スペース。
 これは立方体の6面に外からプロジェクタによって、6面の壁として構成されたスクリーンに映像を映し出す仕組み。体験できたコンテンツは、この装置のために作られたインタラクティブゲーム「オーニソプターアドベンチャー」。

 プレーヤーは中央の椅子にすわり、ふたつの操縦かんではばたくことで上下動するオーニソプターを操って、気球に乗った人を救出していく。

 ゲーム性はいま一つだけれど、圧巻は、まるでガンダムのコックピットのような全周の立体映像。
 ゲームよりもその臨場感を体感したくて、きょろきょろと頭を動かしてみた。
 単なる平面スクリーンに映し出された立体映像よりも、没入感がある。上を見上げると独特のパース変化でオーニソプターの羽部分が頭上に広がる。この感覚は新しい。

 わずか10分程度だったけれど、なかなか貴重な経験ができた。

 にしてもわずか4畳半の空間を作るのに100坪ほどの広大な空間。ずいぶんと高価な映像空間である。この空間を利用した素晴らしい研究が実行されることを祈ります。アールキューブのコックピットとしてこれを使った時の体感ができる日を楽しみに待ちたい。

 アールキューブについては、以下。

◆関連リンク
・舘暲教授が語るアール・キューブ構想
・コンセプトがまとまった書籍 『アールキューブ―立花隆VS吉川弘之 ロボティクスの未来を語る』通産省アールキューブ研究会編(Amazon)
・当Blog記事
 東大舘暲研究室  相互テレイグジスタンスの第二世代
  テレサ2とツイスター4に関する報告

 

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2008.11.11

■IVRC 2008  Armella LEUNG, Olivier OSWALD
"l'Oreiller Rêveur (the Dreaming Pillow)"

Dreaming_pillow
第16回国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト
               IVRC 2008 Official Website

岐阜本選結果速報!

・総合優勝: YOTARO (筑波大学 チーム:おたまじゃくし)
・岐阜VR大賞: The Dreaming Pillow
  (ATI - Universtite Paris 8 : Armella Leung, Olivier Oswald)
・各務原市長賞 : La flèche de l'odeur
  (金沢工業高等専門学校 小坂研究室 チーム:TOM-KIT’s)
・審査員特別賞 :
  アソブレラ (大阪大学大学院 情報科学研究科 チーム:アトム)
  かおさがし (北陸先端科学技術大学院大学 チーム:くろびかり)
  人間椅子 (東京大学 チーム:変隊)
・Laval Virtual Award
  YOTARO (筑波大学 チーム:おたまじゃくし)

 ヴァーチャルリアリティ産業の勃興を狙う岐阜県各務原市で開催されたイベントへ、今年も行ってきた。

 素晴らしかったのが、フランスからの招待作品である"The Dreaming Pillow"。
 パリから来た男女の学生ペアArmella LeungさんとOlivier Oswaldくんによるデモンストレーションにとにかく感動。作品がOswald氏によりYouTubeにアップされているので、まずは百聞は一見にしかず、ムービーを観て下さい。

YouTube - l'Oreiller Rêveur (the Dreaming Pillow)

 作品は写真に示すように、白い枕に上からプロジェクタでCG映像が投影されている。
 枕にはiPhoneのタッチスクリーンと同じ静電容量センサと、圧力を感知するセンサが仕組まれている。静電容量センサなので枕表面を触る手の動きをマルチセンシングで検出可能。手の動きにより映像が操作できる。

 コンセプトが「夢」なので、手の動きと映像はiPhoneのように直接リンクしているわけではなく、ぼんやりと同期している。このたゆたう感じが枕の触感のぽんよりした感覚と妙にマッチして、触りながら眠くなる。眠りとともに幻想的な映像世界に没入して行くような錯覚があり、ヴァーチャルリアリティの仮想感たっぷり。

 東洋系女性アーティストArmella Leung氏の作品であるCG映像がとにかく素晴らしい。
 モノトーン、時々カラーの混じる薄く淡いCG。精神の内奥へ進んでいくようなファンタジックな映像。
 途中で枕の白い布に浮き出す人の手や顔にドキッとさせられる。ほんわかした映像に混入する悪夢。こんな工夫によっても観客は夢の実相に近づいていく。

 そして枕による触覚の芸術。
 睡眠を誘う枕の触感が映像とミックスした独特の味わいが素晴らしい。

 今回は、他の日本の作品に対して、圧倒的に芸術を体現したこの作品が僕の中ではグランプリ。他もアイディア勝負で面白い作品は幾つかあったのだけれど、アート作品としてはこれが抜群だった。

その他作品の写真(マイフォト)

Dsc06125  「人間椅子」というのが奇抜でぶっとんでいた。
 二つの椅子で片方の座面の力を、もう一方の椅子に座った人の腿に装着した加重パッドへ伝えるというもの。つまり椅子の中に入ることなく、人間椅子の触感を再現しようとしたもの。これをヴァーチャルリアリティで作ろうとした着想が凄い(写真はわかりにくいけれど、加重パッドの装着風景)。

 僕も体験してみたが、触感はいまいち。
 これは一方向通信だけれど、双方向にして遠距離で試験できるようにしたら、なかなか江戸川乱歩の妖艶な魅力を再現できていたかも。

◆関連リンク
Armella Leung(公式HP)
Olivier Oswald(公式HP)
・過去記事
 IVRC2006 国際学生バーチャルリアリティコンテスト
 IVRC2004 第12回国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト

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2008.11.10

■馬鹿SFコンテスト バカロボ:BAKAROBO 2008

Bakarobo2008 バカロボ2008 公式サイト- TOP

バカロボ三原則
1. バカロボはメカニックであること
   フィギュアのような形だけ=ハリボテではなく、必ずメカニックな仕組みを持っていること。

2. バカロボは役にたたないこと
   社会の役に立つ機能的なロボットではなく、できるだけくだらない目的のためのロボットであること。

3. バカロボは人を笑わせること
   バカロボは、面白い動き、機構、意外なシステムで度肝を抜き、人を笑わせることが目的であること。

※この「バカロボ三原則」を満たす、「笑える」ロボットを募集します!
募集期間:2008年9月1日(月)~10月24日(金)必着

 アイザック・アシモフも吃驚のバカロボ3原則。
 こんな凄い(^^;)コンテストが日本で開催されていたとは、しかも昨年から既に二回目で、締め切りを既に過ぎている。究極映像研、一生の不覚(^^;)。

YouTube - 【予告編】土佐信道(明和電機)監督作品『バカロボ2007』

【監督】土佐信道(明和電機)
【脚本】土佐信道(明和電機)
【主演】バカロボ2007 本戦出場者8組

 今年も審査員を務める明和電機・土佐信道社長による素晴らしい予告編映像。こちらも必見です。

 馬鹿SFを地で行くこのコンテスト、どんなに素敵なロボットが登場するかは、昨年のリポートをご参照ください。 

バカロボ2007イベントレポート 昨年のグランプリ

筋力鍛錬チャイルドロボ  キントレーZ
機械が体を鍛えるということで、昨今の人間の健康ブームをシニカルに表現。腕立て伏せをするロボットが、腕がもげてもがんばり、最後はキントレーZにパ ワーアップ。ところがあまりの動きのはげしさに、ほんとうにロボットの首が折れるというトラブルが発生。天然のバカロボを感じさせた作品。

 今年の審査員は土佐氏他、樋口真嗣、辛酸なめ子、稲見昌彦といった面々。ここに今年亡くなったバカSFの巨匠バリントン・ベイリーとか日本SF作家の名前がないのはなんとも寂しい。SFにこのようなバカの血は必須です(^^;)。

◆関連リンク
YouTube - Silly Robot 2007年出場のロボット

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2008.11.09

■「ギャートルズ肉」 エスケー食品から11月下旬発売

Photoエスケー食品の「神戸洋食倶楽部」
正式ライセンス取得 
あの肉が当ショップにて発売
 注文受付は11月下旬より

      (GIGAZINE経由)

 これは嬉しい!
 子供時代に、我々世代はこの肉にどんなに憧れたことか(^^;)。積年の想いが満たされそう。

 11月下旬の発売開始がまちどおしいです。

 これ買うのにはやはり今から石のお金を準備しておく必要がありますかねー(^^)。

◆関連リンク
『はじめ人間ギャートルズ DVD-BOX』(amazon)
「はじめ人間 ギャートルズ」がDVD-BOX化 -「あの肉」こと「原始肉」を特典として付属

Photoギャートルズ ソフビシリーズ スライスDEマンモ[FEWTURE MODELS]

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2008.11.06

◆新刊メモ 『光車よ、まわれ!』『神獣聖戦 Perfect Edition』
 『たったひとつの冴えたやりかた 改訳版』『マウリツィオ・カテラン』

天沢 退二郎『光車よ、まわれ!  』(amazon)

 当Blog記事 天沢 退二郎 『光車よ、まわれ!』で書いたように、『電脳コイル』に影響を与えた幻想児童文学の傑作。祝復刊。

  山田 正紀『神獣聖戦 Perfect Edition』(amazon)
 徳間書店

鏡 人=狂人は、人類から派生したミュータントともいうべき存在。その特異な能力によって相対性理論のくびきから解き放たれ、非対称航行によって背面世界、虚 空間へと移行した。そしてそこでは、人類と鏡人=狂人の中間種である悪魔憑きとの時空を越えた戦いが繰り広げられることとなった……。 伝説の名作となっていた本格SFが、いま、鮮やかに甦る!

 森下一仁氏 惑星ダルの日常『神獣聖戦 Perfect Edition 』 

で、驚いたのが表紙の挿画。作者は山田日南子――山田さんの娘さんなんですね。以前から絵を描かれていることは知っていて、作品も拝見したことがあったのですが、こんなに立派になられるとは……。  折りよく、山田日南子さんの個展が開かれています。13日から始まっていて、18日の土曜まで。場所は中央区銀座2丁目11-4富善ビル1階「アートギャラリー銀座」(電話:03-3545-1139)。  時間を作って観に行かなくては。

  ちょっと迷子に

生命力を感じさせる抽象図形をカラフルな色彩で描く幻想画は日南子さんならではの世界。

 山田正紀の二十数年の取り組みの成果。
 この表紙が、山田氏の娘さんの作品であることをリンク先の森下一仁氏のBlogで知りました。個展は残念ながら既に終了しています。

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『たったひとつの冴えたやりかた 改訳版』(amazon)

 いわずと知れた傑作の単行本版。以前の文庫と異なり、短編一作のみの掲載です。
 でもティプトリーファンとしては、欲しくなるわけです。

フランチェスコ・ボナーミ『マウリツィオ・カテラン (コンテンポラリーアーティストシリーズ)』(amazon)

1990年代、国際舞台に登場したイタリアの著名アーティスト、マウリツィオ・カテランの作品集。ウィットに富み、非正統的なオブジェ、パフォーマンス、写真作品を紹介。本人へのインタビュー、批評家による概説なども収録。
* 大型本: 160ページ     * 出版社: ファイドン (2006/06)

 剥製を利用したアート等、ショッキングなものもあるのでご注意を。
 表紙のコミカルなイメージに騙されてはいけません。

◆関連リンク
美術家DATAマウリツィオ・カテラン

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2008.11.05

■飛騨高山留之助商店プロデュース 徳信尊作『留之助ブラスター』

Photo 店主55才、玩具道(オモチャミチ)の光と影
: 留之助ブラスター・アップツーデート-15。

留之助ブラスター(略) キットの価格は、7万円台に収めようと算段中です。

現在、The First Edition=200挺分のパーツがあり、発売日までにはキットと完成モデルを各50挺お渡しできるようにします。 発売日についても、あらかじめ当ブログで告知しますが、11月下旬〜12月上旬を予定しています。

 ため息の出るほど素晴らしいブラスター。
 2007年10月以来、その制作レポートが掲載されていた工芸品がいよいよ発売されるとのことです。

 この素晴らしい試みを紹介しないわけにはいきません。この重量感と未来感覚。写真だけですが、ずっしりとしてた手触りが伝わってくるリアル感。

 最初の100挺を手に入れる幸福なファンは、どなたなのでしょう。僕も喉から手が出るほどほしいのだけれど、この金額は残念ながら私には手が出ません。

◆関連リンク
留之助ブラスター(制作記録)
 留之助商店店主さんをはじめ、プレランファンの熱い想いが溢れた素敵なレポートになっています。
ブレランをめぐる暴言 3/3 「徳信尊の挑戦」

徳信尊さんからメールが舞い込んだのは今年2月上旬のことだった。 “デッカードブラスター”で検索をかけたらこのブログに辿り着き、読み進んでいくうちに彼が高校生のころ親しんだSF映画関係の記事や本の執筆者と店主が一致したとかで、自己紹介をかねた数点の画像付きメールを送ってきたのだ。

(略)工芸品とでも呼びたくなるような高い完成度、そしてその向こうに垣間見えるひた向きで情熱的な個性。 デッカードブラスターを検索したぐらいだから、その名SF銃に興味があるに違いないし、だったら1挺、個人的に決定版を造ってはもらえないかと思ったのが事の始まりだったか。

店主55才、玩具道(オモチャミチ)の光と影 : もうじき来る期待のブラスター。
 ここに掲載された他社製ブラスターと比較すると、その秀逸な出来が一目瞭然。
徳信尊 - Google イメージ検索
詳細が徐々に明らかに。|ALL THAT BLADE RUNNER
 アドバイザー ブレランのに~ぜきさんのBlog。
ブレードランナーブラスターを語ろう! (2ch)

・当Blog記事
 ・飛騨高山 留之助商店 本店  訪問記
 ・オブジェモチャ専門店  飛騨高山 留之助商店 本店

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2008.11.04

■レビュウ 古川日出男 『聖家族 生まれちゃったんだよ、俺たち。』

Photo_2
Photo
古川日出男と聖家族(公式サイト)
記録シリーズ・天狗 古川日出男|RENZABURO レンザブロー

扉一
狗塚らいてうによる「おばあちゃんの歴史」

扉二
聖兄弟・1 地獄の図書館・白石
聖兄弟・2 地獄の図書館・大潟
聖兄弟・3 地獄の図書館・郡山
聖兄弟・4

扉三
「見えない大学」附属図書館

扉四
記録シリーズ・鳥居 聖兄妹・1
記録シリーズ・天狗 聖兄妹・2
記録シリーズ・学府 聖兄妹・3
記録シリーズ・DJ

扉五
狗塚カナリアによる「三きょうだいの歴史」

 2005年の夏から書き進められ、ついに刊行された古川日出男渾身の2000枚の大作。738ページにおよぶ大部の小説を一ヶ月近くかかってやっと読了(結構遅読(^^;))。

 読後の感想をどう記したらいいのか。これはわかろうとしてはいけない物語かも。
 読むことによって通り過ぎて行ったもの/ことの残した痕跡/記憶のかけらを拾い集め、姿を変える全体イメージを、時々頭の中に浮遊させるべき本か。

 、、、、、というわけで、Blogの短い文章でこの膨大なイメージを受け止めるために、今日は文章を破たんします、とあらかじめ宣言。

◆物語を喰い破る無意識の侵犯

 羅列された記憶と歴史の断片が「無意識」の領域となって、物語という「言葉」の世界に属するもの/「意識」される何ものかを侵犯していく。
 そうして読者の頭の中に展開される、広大な古川の脳内みちのくイメージ。

 通常、作家は自らの脳内世界と格闘し、読者とコミュニケーションするために言語というツールを使って物語を紡ぎだす。

 だが古川日出男は音楽も使用する。それは独特のテンポで切り出された言葉による音楽。文体というよりも音楽と呼ぶのがふさわしいような何ものか。音楽のような古川のリズムを直接体感するには以下をクリック。それは物語を破壊し、言語コミュニケーションの限界を越えようとしている作家の戦術。

朗読ライブラリ(古川日出男公式サイト)
 聖兄弟・2  01_100k.asx (video/x-ms-asf オブジェクト).P225-229

 朗読のリズムを体感し、その音楽的なテンポで彼の文章を頭の中の声として読みこむ。作家の頭のイメージが、読者の中に少しだけ正確に再現される気分。

 だが「言葉」の世界でコミュニケートする我々読者は、物語部分にどうしても魅力を感じてしまう。
 ダイナミックなイメージを展開するのは、やはり物語として構築された部分である。特に前半の短編はそうした色彩が強い。大部を読ませるため前半に置かれたこれも作家の作戦?

 馬の切り裂かれた胴に頭を入れて死んだらいてうの夫。それを見てヂゴクを得た牛一郎と羊二郎兄弟の父 真大。
 平成元年で時間を止め、街全体がテーマパークとなってしまった街 白石。(これは現実にそうした街が存在すると思わせるリアルな描写。しかし現実の白石はそうではない。)

 前半の短編のイメージ喚起力は絶大。破綻の手前の物語がまず我々に提示され、リーダビリティを獲得する。そして続けて、後半炸裂する物語の破たん。

◆市井の長大な歴史のパースペクティブ

 時間の切り取りのテク。語っている現在のポイントの跳躍。
 壮大な家族の歴史、市井の人々の歴史を描くのに、個人の年齢を跳躍して描く手法。

 『ベルカ吠えないのか』の犬たちの歴史。
 『ロックンロール七部作』のロックの歴史。
 それら市井の歴史を描く古川の筆。歴史を描く、音楽的な跳躍文体。歴史丸ごとを本の中に圧縮して閉じ込める古川日出男の実験は、さらに完成度を増し、この本の中にある。

◆私の読書の記憶としての記録

・おばあちゃんの歴史 異能の狗塚家の七百年
・聖兄弟 土地の記憶 ご当地ラーメン 殺人体術 対人練習
・図書館シリーズ 東北の三つの街 真大と有里が「見えない大学」のためのフィールドワークを進める
・鳥居の向こうから現れる神隠しの記憶 鉄と馬と剣の歴史
・見えない大学 附属図書館 船の形の図書館 両眼を包帯で覆った老人司書
・新興宗教 誘拐事件とDJたち 森の中の船
・記録シリーズ・天狗 歴史から不要とされた異類である烏天狗

◆関連リンク
・執筆中の日記(五月前半脱稿)
古川日出男『聖家族』(amazon)
・当Blog記事
 超大作『聖家族』シリーズ 朗読ムービーファイル
 朗読ギグ 古川日出男×向井秀徳
 『爆笑問題のススメ』 古川日出男の巻 『ロックンロール七部作』 『ボディ・アンド・ソウル』 『ベルカ吠えないのか』  『LOVE』 NHK週刊ブックレビュー 特集 古川日出男『LOVE』を語る

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2008.11.03

■メモ BSアニメ夜話 『電脳コイル』 『ガンバの冒険』 
  平松禎史、稲見昌彦、神山健治、椛島義夫出演!!

. NHK BSオンライン
 『電脳コイル』へのメッセージ(BSアニメ夜話)

11月5日(水) 午前0:00~0:55(4日深夜) 第1夜「電脳コイル」
【出演】松嶋初音、平松禎史、稲見昌彦、氷川竜介、岡田斗司夫
【司会】加藤夏希、里匠

11月6日(木) 午前0:00~0:55(5日深夜)
第2夜「ガンバの冒険」
【出演】半田健人、仁藤優子、神山健治、椛島義夫、藤津亮太、岡田斗司夫
【司会】加藤夏希、里匠

11月7日(金) 午前0:00~0:55(6日深夜)
第3夜「劇場版天元突破グレンラガン 紅蓮篇」
【出演】中島かずき、佐藤大、宮地真緒、福井裕佳梨、氷川竜介、岡田斗司夫
【司会】喜屋武ちあき、里匠

 NHKのHPに正式に出席者が載っていました。
 残念ながら磯監督の出演はありません。しかしオープニング等の演出の平松禎史氏と、ヴァーチャルリアリティの研究者の「コイリスト」稲見昌彦氏が出演。
 コイル演出裏話と、ヴァーチャルリアリティの専門家から観たコイルが聴けそうでワクワク。

Tempo rubato (平松禎史氏blog)

 ナメ構図などの説明用スケッチブックは結局使う間がなかった。。。残念。
 結果がどんな感じになるかピンと来ないんだけど、きっとおもしろいよ。 いつもよりテンション高かったそうだし。

(略)5日放送の「ガンバ」回に出演のためスタンバっていた椛島さんとお話ししちゃったよ。
ガンバの走りは
「2k3枚」
「伸び縮みはアニメの基本だよね。」
「コイルは日常芝居が多くて大変だったでしょう。ガンバはネズミだからそういうのなくてよかったなー(笑)」

 平松禎史氏がblogで、アニメ夜話出演の模様を語られています。
 説明用スケッチブックも観たかったー。

 そして「ガンバの冒険」で、神山健治氏と椛島義夫氏!
 あの作画監督の椛島氏の話をTVで観られるとは!

 今週はファン必見です。

◆関連リンク
慶應義塾大学 大学院 メディアデザイン研究科 稲見昌彦
 TWISTER:相互テレイグジスタンスブースや光学迷彩の研究者。
 大ボスの東大舘教授はさすがにアニメを語らないか?
パラレルワールドとしての電脳コイル:鈴木健の天命反転生活日記 - CNET Japan.

5月20日(火)に行われる第二回のテーマは技術である。攻殻機動隊の光学迷彩を実現したことで有名な慶応大学の稲見さんや電通大の長谷川さんというAR界の研究者お呼びして、電脳コイルの実現可能性について会場を交えて議論をしていく予定だ。

稲見昌彦(慶應大学)×清水亮対談「カウボーイは背中で語る」

・当Blog記事
 磯光雄監督 次回作と『電脳コイル2』!?を語る
  アニメ『電脳コイル』に見るリアルとバーチャルの接点

 電脳コイル』メモ 磯光雄著 企画書、BSアニメ夜話、アニメーション神戸賞

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