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2008年4月6日 - 2008年4月12日

2008.04.09

■伊藤計劃 『虐殺器官』 メモ

『虐殺器官』 ハヤカワ・オンライン

ポスト9・11の罪と罰を描く小松左京賞最終候補作
すごい男が現れた。
イーガンの近未来で『地獄の黙示録』とモンティ・パイソンが出会う。
日本SF史に残る衝撃のデビュー長編。    
猛毒注意。あなたはこの結末に耐えられるか?――大森望

 「SFが読みたい! 2008年版」でベスト1になった『虐殺器官』を読了。
 大森望氏の言葉通り、デビュー長編であるのに、かなり衝撃の一冊。近未来軍事SFとうたわれているけれど、エンタテインメントと思弁的・政治的な側面を両立させた傑作言語テーマSF。

 硬質な文体は翻訳SFを連想させ、無駄のない筆致と細部に盛り込まれたアイディアとトリビアなディテールが冴える。

 氏のBlog伊藤計劃:第弐位相を見ると、相当な押井守マニアで海外SFファン、ということだけど、本書はアニメ的に見ると、『パトレイバー2』の柘植の影響とか、もろもろ想像できる。映像的なシーンの鮮烈さは、まさに映画・映像ファンでもある氏の真骨頂。

 本書の面白さは、いずれ詳細に書いてみたいと思っているのだけれど、今日は駄文で締めておきます。

 本書、もしかして神山健治監督でアニメ化ということはないだろうか。
 ラストのくだりとか、もろもろ神山監督の手で映画化されたら、かなり合いそう。
 筋肉を震わせる飛行機械がタンザニア湖上空を飛翔するシーンが猛烈に映像で観たい。

 既に深く静かにそんな計画が進行しているのを夢想したりして、、、。

◆関連リンク 
・当Blog記事押井守 DVD『イノセンス』
 伊藤計劃:第弐位相へのリンク有。 といいつつ、この時アクセスして、たぶんその後はBlogを拝見してません。ずっとアクセスしてれば、新しいSF作家の誕生に立ち会えたのに残念でなりません。

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2008.04.08

■デヴィッド・リンチ禁断症状 
Helen Donlon "According To... David Lynch" e.t.c.

 最近リンチネタが切れて、キーを打つ手が震えてきたので、下記のようなdrugを供給。
 が、これくらいでは手の震えは止まらない。誰か新作情報を持ってませんか?

Helen Donlon『According To... David Lynch』 (amazon)

 2007年10月に出たデヴィッド・リンチ関連本。内容は不明(^^;)。けれども表紙が嬉しいので掲載。この表紙についてはこの記事参照。

David Lynch『Ghost Of Love/ Imaginary Girl』 (amazon)

 2007年11月のこのCDジャケットも傑作。
 このハードでブラックな感覚がリンチらしさを際立たせている。

◆関連リンク
・David Lynch's Visitor Weekend | Maharishi University of Management
YouTube - David Lynch on iPhone
 リンチがiPhoneで観る映画について語る。

インターネットマシン SoftBank 922SH(シャープ製)の概要

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2008.04.07

■アニメギガ 「板野一郎」
  &監督作『ブラスレイター』

Blasslater アニメギガ 板野一郎

 板野サーカスの自身による手法解説等、ファン必見な特集だった。
 広角レンズの効果とか、ミサイルの噴煙を流体として、風によって流す手法を実例で説明している。そして『マクロス』から『マクロスプラス』、ウルトラマンのCGへの進化。

 ジャパニメーションの進歩のため、作画技術の「量産化」を語る熱い姿が素晴らしい。

 そして最新作は以下。

ブラスレイター(公式HP) (wiki)
 プロモーションムービー(特設ページ)

 近未来のドイツ市街。その街では突如、死体が蘇り「異形の姿」となって人を襲う謎の事件が勃発していた。そんな中、生態のまま悪魔の姿へ自由自在に変化する者達が来訪する。

 これ、CGで描かれているとのこと。
 CGの特質を活かし、2D手描きではありえないこのキャラクターのディテイルの凝り方がいい。

 公式HPのオープニングでは、板野サーカスな貯めの効いたミサイルも登場。スピーディでしかもCGにより細部が緻密な動画が楽しみ。
 でも残念ながら4月末からスタートするこの番組、中部地方では放映がない。なんとかこっちでもやってほしいものです。

 あとアニメギガは、是非今度はアニメーターとして、金田伊功をとりあげてもらいたいもの。

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2008.04.06

■マット・リーヴス監督『クローバーフィールド:Cloverfield HAKAISHA』

Cloverfield マット・リーヴス監督
『クローバーフィールド HAKAISHA』
                                (公式HP

 以前の記事で紹介した予告編をみてからずっと期待していた『クローバーフィールド』を観てきた。

 この手で来たかって感じ。
 しかし想像の範囲は出ていないので、面白かったけれど、いまひとつの感は否めない。 

★★★★★以下、ネタばれ注意★★★★★



 結局想像の範囲を出ないというのは、ニューヨークを舞台にしたがゆえに、どうしてもアメリカ版『ゴジラ』を思い出してしまうからだと思う。
 映画の展開が大筋でそれをなぞっているように見えてしまい、せっかくホームビデオで撮っている臨場感を出す手法の意外性が、割り引かれてしまっている。残念。

 製作者たちは意図的にたぶん『ゴジラ』をなぞったのだろう。
 ここまでハンディムービーで撮ったドキュメントの体裁をとると、エンタテインメントどっぷりのハリウッド映画の観客に受け入れられるかどうか一抹の不安が残るはずで、そこを『ゴジラ』をなぞることでわかりやすくしてカバーしたのだと思う。

 でも怪獣映画を好きな我々日本の観客には、そんな配慮不要で、物語展開自体もどんどん意外性を持たせてほしかった。

 登場する破壊者はそれなりに面白い。怪獣というよりは、生物的に巨人風のテイストがあって、生々しく気持ち悪い。
 こんな巨人どこかで観たことがある。そうエヴァンゲリオンの拘束具の中身。
 で、海外のサイトではこんなクリップが作られている。

 Cloverfield/Evangelion - Truveo Video Search


 映像的には、ハイビジョンハンディカムで撮ったと思しき全編の映像が、適度に素人的に作られていて、臨場感はなかなか。特に前半で破壊者が現れてからのシークエンスは、あまり味わったことのない臨場感を体感できて、ゾクゾクする。

 これ、たぶん東京が舞台で日本人が主役だったら、もっとリアリティが出てただろう。
 アメリカで特にニューヨークで暮らしている人が観たら、僕らよりかドキドキしてしまうのだろう。

 ハイビジョンハンディカムが出た時に、これを使うことで誰でもが映画館にかけられるような画質のいい自主映画を撮ることができる時代になったと思ったのだけけど、この映画は本来ハリウッド大作としてではなく、アマチュアフィルムメーカーがいきなり出世作として、世に出すべき映画だったのかもしれない。

 エンドロールの最後に、"Special Thanks SONY HDR-HC1"と出るのを期待したけれど、やっぱり出なかった。なーんだ(^^;)。

◆関連リンク
・製作スタジオ BADROBOT
・当Blog記事 謎の映画の予告編 "01-18-08""CLOVERFIELD""MONSTROUS""FURIOUS""TERRIFYING" 011808_201-18-08(Apple-Trailers 予告編)
・店主55才、玩具道(オモチャミチ)の光と影 中子真治氏のレビュウ!

これほど細部にいたるまできっちりと設計された、若く、弾ける映画にはめったにお目にかかれない。

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