« 2007年12月30日 - 2008年1月5日 | トップページ | 2008年1月13日 - 2008年1月19日 »

2008年1月6日 - 2008年1月12日

2008.01.10

■DVD デイヴィッド・フィンチャー『ゾディアック:ZODIAC』

Zodiac02vert ZODIAC - ゾディアック - (公式HP)

 ディヴィッド・リンチ『マルホランド・ドライブ』との差を考えながら観ていた。

 記憶とその認識の結果として脳内に投影される人にとっての現実に対して、カメラが写す写実の映像。前者が『マルホランド・ドライブ』とするならば、この『ゾディアック』の映像は明らかに後者だ。

 映画が映し出す最初のバーレーホーでの殺人は本来なら生き残りの男の記憶の映像として描かれていても良い。そこをフィンチャーはあくまでも写実的に描いている。だから人の経験している現実との乖離が大きい。
 そこに映し出されるのは、なんらひずみのない現実。あのように強烈な経験をしたならば、それが記憶の映像ならば、もっと激しく歪みを持つのではないか。『マルホランド・ドライブ』のリンチならば、ここの描写は全く違うものになるだろう。

 この映画が飛びぬけた傑作に成り得ていないのは、上に書いたような理由によるものと思う。『マルホランド・ドライブ』を21世紀の映画(ネクストレベル)と置くと、あきらかに『ゾディアック』は古い映画である。

 この映画を一種邪道なとらえ方で観ていたのは、下記の理由による。

 say*3さんのBlog日々是好日〜読書日記〜{Revised ed.}にて、「今年やりたいこと」を募集されていたので、つい下記のように書いてしまった(^^;)。

 今年こそ、なんとかちょっと長文で『マルホランド・ドライブ』論をやってみたいです。  いつも頭の片隅でこの映画のことを考えていたりしますが、少し切り口が見つかりそうなので、、、。

 切り口の断片の一つが上のような記述である。このようにして少しづつ『マルホランド・ドライブ』に切り込んでいきたいと思うので、リンチ映像ファンの方には、なんらかお楽しみいただければ幸い。僕の今年のテーマです(大げさな、、、、)。

◆関連リンク
・ゾディアック事件についてはzodiackiller.comが詳しい
当Blog記事
デビッド・フィンチャー監督PV 『Only』&新作『ゾディアック』メイキング

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.01.09

■NHK爆笑問題のニッポンの教養
  FILE022:「科学的分身の術~バーチャル・リアリティ学 舘暲」

Vr_image3 爆笑問題のニッポンの教養 (公式HP)
FILE022:
「科学的分身の術
~バーチャル・リアリティ学 舘暲」
2008年 1/8(火) PM11:00~11:30(30分)

 (略)舘が作ったロボットは、「ガンダム」とはちょっと違う。自分はロボットに乗り込まない。コックピットから遠隔操作でロボットを操縦する。かといって、「鉄人28号」とも違う。遠隔操作はするのだが、バーチャルリアリティの技術を駆使して、あたかも自分自身がロボットの中に入っているような、言い方を変えれば、自分がロボットになったかのような感覚で操縦する。(略)
 最先端のバーチャルリアリティ世界に何があるのか?爆笑問題がその驚異の感覚を体験する。

 撮影スタッフは収録の手順を確認するために、全員「テレイグジスタンス」を体験することになりました。装置を頭からかぶった瞬間から、目の前に広がるのは「別の場所から見た、『超リアル』な光景」です。そしてその中に、自分自身がいる・・・。あんまりリアルで、思わず「自分」から目をそらしてしまったほどでした。   この体験は、確かに人間に新たな「何か」を生む・・・。そう思いました。

 究極映像研あこがれの舘研究室の様子がハイビジョンで見られる!ということで、今日は朝からワクワク。

Vr_image2  まるでロボット特撮映画のスタジオのような舘研究室の雰囲気がまず素晴らしい。太田光はTWISTERの楽しげな感じを見て、TDL:東京大学ランドと呼んでた。
 いくらハイビジョンでもさすがにTVではTWISTERの立体映像は見ることができない。ものすごく観たい!

 ヘッドセットを付けた田中の顔と体の動きのままに最新のステレオカメラロボットとTelesar2が動くテレイグジスタンス操作の様子もしっかり見れた。これはまさに実際に体感してみないと本質はわからないだろう。爆笑問題二人の様子に感情移入して体感するしかないのが本当に残念。

 後半の対談部分では、人間の感覚の全てがもともとヴァーチャルであるとか、ラディカルな会話が交わされた。舘教授の本ではよく出てくる概念だけど、こうしたSF的な研究ガジェットを背景にして聞くこの話は、まさに空想科学空間を現出させている。
(人間の感覚のヴァーチャル性を説明するのには、以前書いた記事で紹介した池谷裕二准教授の本を参照すると非常によくわかる。我々の観ている映像はそのわずか3%が外の世界の情報で、それ以外の97%は脳が処理した別の視覚情報だということなので、これはもうヴァーチャルとしか言いようがない。この研究も東大ですね→東大薬品作用学教室)

 あと太田光はなかなか鋭くって、この技術による人間の感覚の拡大の可能性は充分理解した上で、なんか本当にここに未来があるのかな、という疑問を感じているようだった。

 彼の言葉で面白かったのが、ピカソの絵の方が写実よりも、現実の真実の姿をうまく伝えているのではないか、という指摘。
 これはヴァーチャルリアリティで現実の情報をできるだけ丸ごと遠隔地で再現しようと腐心している舘の研究に対して、逆説的なことを言っていることになる。ピカソの絵のように現実を何らか改変して伝えた方が、リアルが伝わるのではないか、と。情報量が多いと、解釈/情報の選択が多様になって、それは実は真実から遠ざかるのでないか、という指摘。

 ここについては、時間も短く、ちゃんとした議論にはならなかった。
 感覚情報としてマスター側の人間に何をどれだけ入力してやると、「そこにいる」という臨場感が得られるのか、という議論になるはずなのだけれど、、、。ここのディスカスをもっと見てみたかった。

 東大薬品作用学教室の池谷准教授と舘教授のコラボレーションが実現したら、脳の認識メカニズムに基づく画期的なヴァーチャルリアリティが開発されるかもしれない、なーんてことを考えてしまった。その時には上記太田光の指摘も有効なアイディアのような気がする。3%の現実映像で、残り97%を占める脳内映像情報を引っ張り出して、遠隔地の真実をどうやって再現するか。ここの工夫が知恵の絞りどころなのだろう。

◆関連リンク 
舘暲研究室 ・TWISTER ・Telesar2 
テレイグジスタンスマスタ・スレーブシステム テレイグジスタンススレーブロボット
(TELE-existence Surrogate Anthropomorphic Robot: TELESAR)
 残念ながら何故か最近は更新が止まっています。

当Blog記事
東大舘暲研究室   相互テレイグジスタンスの第二世代
  テレサ2とツイスター4に関する報告
 
東大舘暲・川上研究室  相互テレイグジスタンスロボット「テレサ2 (TELESAR 2)」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008.01.08

■隕石動画 「トヨタ タコマ」と「Case Tape 347」他

Toyota_tacoma_meteor_2Toyota Tacoma "Meteor" 
 (制作スタジオmethod公式HP スタッフ)

 トヨタ車に隕石があたるけれど壊れないというCM映像。
 日本では放映されてない(タコマは北米向けのSUVなので)。SUVのタフさを誇張するにはインパクトのある映像。

Case Tape 347 (Youtube)

 ビートたけしの超常現象(秘)ファイル(2007.12/30)で放映されていた隕石フィルム。なかなかリアルだけれど、作り物っぽい部分もあり。
 たぶん自主制作の映画だと思うけれど、今回ネットで検索しても、その確証はえられず。正体をご存知の方、教えていただければ幸いです。

 ・関連2ch スレ

隕石がビルに衝突する衝撃映像 CheeZ チーズ

 これはまさにプライベート特撮映像でしょう。

 隕石モノって、なかなか面白いですね。

 

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2008.01.07

■幻想植物 栽培日記10 ロマネスコのいる食卓

 栽培日記の最終回。ということでついに宇宙植物を殲滅する日が来ました。
Romanesco_0801_01
 これは最終形態とその実が切断されたところ。
 最終形態は、大きさ200mmほどまで生育、これが地球での通常のサイズかどうか、私には不明。しかしフラクタルの先端が既に薄く茶色になってきており、これが最終形態と思われるのでやむなく観察をここまでとして収穫に移行した。なんの抵抗もなくこの幻想植物はあえなくその生を終えたのです。合掌。

Romanesco_0801_02
 そしてわが手でその断面をあえなくさらす、奇想植物。
 断面で見るとその数学的容姿は、ブロッコリ形態との差を縮め、怪奇度を減ずるのでした。これなら食することができる!

 おそるおそる、まずは生食き。
 青っぽい感覚が口いっぱいに広がり、歯ごたえのあるしゃきしゃき感。
 そしてディテイルでは、舌がフラクタルな触感に数学的な喜びを体感したとでも書いておきましょうか。
 ブロッコリも実は生食したことがなく、比較はできないが、なかなか野菜感抜群。

Romanesco_0801_03
 それほどの分量でもないのだけれど、味覚へのチャレンジのため二種類の料理に。
 ひとつはシンプルに塩茹ででそのまま/マヨネーズで。そしてもうひとつは山形在住者からたまたま貰った平田牧場の三元豚の生ハムベーコンとともに炒めた。

 味覚的には、ブロッコリよりも青っぽい野菜そのものとしか形容できない強い感覚。
 触感は、少し火を弱めにしたため、かなり硬めの触感。塩と胡椒と地球の三元豚との相性は抜群でした。

 かのマンデルブロはフラクタルを「ハウスドルフ次元が位相次元を厳密に上回るような集合」と定義したという。ハウスドルフ次元が山形の三次元とかけ合わさって、わが舌の味蕾を、どのような位相空間に転移させたかは、マンデルブロのみぞ知る数学的深淵である。

 以上、ロマネスコとの遭遇から味蕾空間における移送転移までのレポートとして、締めくくる。今春も播種し、今度こそBlog来訪者へのプレゼントとしたいものである。(でも虫との対決が大変なんよ)

◆関連リンク 当Blog記事 
幻想野菜 ロマネスコ
幻想植物 栽培日記1 ロマネスコの種まき
幻想植物 栽培日記2 ロマネスコ、芽吹く
幻想植物 栽培日記3 ロマネスコ、フィールドへ
幻想植物 栽培日記4 ロマネスコ、地球の虫との対決
幻想植物 栽培日記5 ロマネスコ、巨大化
幻想植物 栽培日記6 ロマネスコ、瀕死!!
幻想植物 栽培日記7 ロマネスコ、復活!!
幻想植物 栽培日記8 ロマネスコ vs 青虫 冬の対決
幻想植物 栽培日記9 ロマネスコの光景

| | コメント (7) | トラックバック (2)

2008.01.06

■スティーヴン・アンダーソン監督『ルイスと未来泥棒』
 REAL D 立体映画体験 MEET THE ROBINSONS

Meet_the_robinsons_00horz

ルイスと未来泥棒(公式HP) (ディズニー公式)

 『ベオウルフ/呪われし勇者』に続き、REAL D方式の3D映画を観てきた。
 今回は、フルCGのファミリー向けSF。予告編のカラフルな画像でこのCGが立体映画で全編観れたらと実は相当に期待して行った。

 残念ながら脚本がかなりひどくて、ストーリーを追うのも何故か疲れるという辛い映画。観客を置いてけぼりにした筋運びとやたらに五月蠅いセリフ回しが疲れる原因。ラストのなぞ解きでやりたかったことはよくわかるので惜しいと思いつつも、久々に酷いシナリオの映画を観た。

 立体映像については、デザインとかCGの出来とか素晴らしいとは思うのだけれど、さほど立体であることを意識していないような撮り方で残念。
 ステレオ映画としての感動は薄く、むしろ映像としてはレトロな未来描写のデザインに目が行く。デザインの出来がいいので、本当にストーリーと立体への配慮があれば、と残念でしょうがなかった。

 立体映画としては、ゼメキスの『ベオウルフ』の方が数段上。

ウィリアム・ジョイス『ロビンソン一家のゆかいな一日』(amazon)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2007年12月30日 - 2008年1月5日 | トップページ | 2008年1月13日 - 2008年1月19日 »