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2008年8月10日 - 2008年8月16日

2008.08.15

■諸星 大二郎『未来歳時記・バイオの黙示録』

諸星 大二郎『未来歳時記・バイオの黙示録』
 諸星大二郎のひさびさのSFものと聞いて、さっそく読んでみました。

 タイトル通り、バイオテクノロジーによる奇怪な未来の地球の黙示録的世界が描かれている。連作短編6篇(「野菜畑」「養鶏場」「案山子」「百鬼夜行」「シンジュク埠頭」「風が吹くとき」)と、その間にはさみ込まれ、全体にひとつの物語の流れを作っている幕間劇5篇(「難民」「サトル1」「花」「サトル2」「サトル3」)で構成。

 植物と動物と昆虫と人のDNAの融合により、生物相が入り乱れて発生する奇妙な世界。

 初期の代表作「生物都市」を思わせるどろどろな生物の融合状態。発現してくる潜伏DNAとそこで生まれるさまざまなドラマがドタバタだったり悲劇だったり、どれも印象的。特に僕は、「風」が象徴的に描かれ、狂言回しとして登場したサトルが重要な役割を果たす全編の最終話「風が吹くとき」で描かれる異様なイメージが心に残った。特にエリアを深いところへ侵入して行く過程がイマジネーションを刺激する。

 21世紀、遺伝子工学が産業として拡大することは間違いない。
 今世紀末に地上に現出する黙示録的な世界は、こんな様相かもしれない、とどこか思わせる奇妙なリアリティがある。

◆関連リンク
諸星大二郎『バイオの黙示録』-夏目房之介氏の「ほぼ与太話」

この人の絵は、じつに奇妙な「現実」と「神話」のあわいを描ける不思議な絵なんだが、それがいかんなく発揮され、DNAが種を越えて混じってしまう世界を描いている。

・本Blog過去記事
 諸星 大二郎 短編小説集 『蜘蛛の糸は必ず切れる』
 諸星大二郎の「影の街」と磯光雄アニメート

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2008.08.14

■新刊メモ 笠井 潔『青銅の悲劇 瀕死の王』

 笠井 潔『青銅の悲劇 瀕死の王』(amazon) 僕の感想はここ

待望の矢吹駆シリーズ!!
1988年末、東京郊外の旧家、鷹見沢家に続発する奇妙な事件!そして冬至の日、会席の席上、当主の信輔が突然倒れる!旧家に纏わる忌まわしき因縁とは?!

 この本、すでに7月に出てたんですね。知りませんでした(^^;)。昨日、本屋で見つけて、吃驚。

 『バイバイ、エンジェル』からスタートした笠井潔の哲学本格推理、既に30年近く読み続けてきただけにこれは外せません。今回、舞台をフランスから移して「矢吹駆シリーズ日本篇 待望の第一作」とあります。772ページという大部の本なのでとても電車で毎日持ち歩けないので、この夏休みが読み切るチャンスと即買。この厚さで2310円というのは、お得な値段設定で嬉しい。

 さっそく昨日の夜から読み始めたのだけれど、何が吃驚したかというと、ナディア・モガールが日本へ留学しているのだけれど、その目的は「日本のアニメとマンガの研究」!!
 フランスにおける日本文化の受容が進んでいるのは有名だけれど、ナディア、お前もか!?って感じ。そして、出てくる『ナウシカ』、『ヤマト』、『ガンダム』という作品名。今のところ(70ページ分)、哲学者の名前はフッサールもハイデッカーもひとつも出てこずに、アニメ作品名が頻発。どうした、笠井潔!!

 究極映像研としては、なにやら楽しい展開ではあるのだけれど、この先、どうなるのか、心配。笠井潔の現象学的アニメ論が展開されるのか!?? 乞うご期待!!

 

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2008.08.11

■フランク・ミラー:FRANK MILLER監督
   『ザ・スピリット:The Spirit』予告編

The_spiritsThe Spirit - Trailer 2
The Spirit(公式HP)

It is the story of a former rookie cop who returns mysteriously from the dead as the SPIRIT (Gabriel Macht) to fight crime from the shadows of Central City. His arch-enemy, the OCTO ...

 フランク・ミラーの初単独監督作。

 デジタル合成とノワールの融合、という感じで渋くてポップな仕上がりになっている。
 コミックに続き、映画でも映像に革新をもたらすことができるのか。とかくデジタル処理は奇をてらい過ぎると、陳腐に見えるだけに期待半分、不安半分。特に右の写真の上から3番目。人物の映像に枠線が入れられている。これがどこまで成功しているか。
 2008年のクリスマスシーズンに公開。

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