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2009.05.18

■神山健治監督『東のエデン』 「第5話★今そんなこと考えてる場合じゃないのに」
 演出:岩崎太郎 作画監督:佐々木敦子/吉田隆彦

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神山健治監督『東のエデン』 「第5話★今そんなこと考えてる場合じゃないのに」

脚本:神山健治/菅正太郎 絵コンテ:神山健治/吉原正行/河野利幸/柿本広大 演出:岩崎太郎 作画監督:佐々木敦子/吉田隆彦 美術監督:竹田悠介

100億やるからこの国を救えだって?
いい加減にもほどがあるよ
だからジョニーはああなったんだ
だからいいんだよ咲も働かなくたって
いずれ困るのはあいつらさだから
それまでは何もしなくていいんだ

 滝沢が決意する話。
 咲の一日から、恋愛とこの覚悟の描写へ持っていく展開がさすが。

 電車の中での大杉と咲の憂鬱な会話と、週刊誌の広告。そして内定者面談。
 現実よりどぎつい色と内容になっている週刊誌の中づり広告の使い方がうまい。マスコミの退廃とこの近未来の若者の状況の提示が的確。(1年以上前の企画なのに、現在の就活の状況をリアルに表現。スタッフは近い将来このようになると描いたはずが、現在がストーリーを先取りしている過酷な現実)

 それにしてもギャグとは言っても総理のぎゃふんで支持率10%。しかもそれにかかった課金は60円。
 なんていう政治と民度。
 もしアニメ好きの麻生が今後「ぎゃふん」と言ったら、ミサイル・草薙事件に続き神山予言的中(^^;)。2chで麻生に「ぎゃふん」と言わせる祭りとかやったら、あの世襲総理、乗せられて本当にやるかも。アニメ大国なら総理がそれくらいやんなきゃねって。

 いくつものため息をつきながら、上の言葉をつむいだ滝沢。今後の本気の取り組みに期待。
 (にしても若者を使い捨てる企業社会批判って、自分たちの毎日も逆照射されているようで他人ごとではない。自分の胸に手を当てて、まじめにしばし沈思黙考。)

◆関連リンク
・当Blog記事
 第4話「リアルな現実 虚構の現実」 絵コンテ:柿本広大 演出:前島健一 作監:山本径子  第3話「レイトショーの夜に」 絵コンテ:吉原正行 演出:柿本広大  作監:豆塚隆/伊藤秀樹
 第2話「憂鬱な月曜日」 演出:河野利幸 作監:永島明子
 第1話「王子様を拾ったよ」感想
 竹田悠介美術 HDR(High Dynamic Range)写真タッチの映像

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コメント

 shamonさん、青の零号さん、おはようございます。
 亀レスですみません、今週も毎日仕事で午前様。

>>(にしても若者を使い捨てる企業社会批判って、自分たちの毎日も逆照射されているようで他人ごとではない。自分の胸に手を当てて、まじめにしばし沈思黙考。)

 なんて書きましたが、よく考えたら、最近は経費の徹底削減で残業をやらせられず、若者を早く帰し自分たちが深夜に帰る管理職過酷時代に突入しています(時給はあきらかに上の世代が低い(^^))。
 確かに就活とOSは厳しいけれど、神山監督、現状認識間違ってますよ、と言いたい労働づけの今日この頃です(^^;)。

>>男性が描く「いい男」像と、女性が認める「いい男」像には
>>かなりの(^^;ずれがありがちですが、滝沢のキャラクター設定&描写は
>>女性から見て申し分ない。

 たしかに見事な描写ですね。主人公を黒沢明ばりに「いい男」として描くという神山監督の今回のテーマは達成されている。重要なのは、洞察力とそれをベースにした優しさですね。
(でもへそまがりに一つ言うと、記憶を消している滝沢に元々彼女がいたとしたら、視聴者の受け取り方はどうなるか。記憶をなくしているのだから、自分に彼女がいたかどうかは滝沢にはわからない。そんな中で咲にああいうセリフを言うのは無責任男のそしりをまぬがれない(^^)。(まあ自分ちを観た段階で女気がないことから、彼女はいないと洞察してるという解釈も有ですが))

>>でもこんなかっこいい男の子、
>>なかなかいないんですけどね^^;。

 そうですよねー。それだからこそのセレソンへの選抜なのか。

>>派遣切りに至っては笑えませんね・・・。

 あと自分の子供が就活だったらと思うとぞっとします。


>>この作品、今のところ「メロドラマ(恋愛ファンタジー)の枠を守りつつ社会を斬る」というえらく難しいことを、うまくこなしてると思います。
>>これってソープオペラの枠物語を使って地方社会の歪みと不条理を抉って見せた
>>『ツイン・ピークス』に比肩するかも・・・と言う例えは、BPさんから見てどうでしょうか?

 あ、これは思いもしませんでした。もともとのテイスト、というかリンチと神山の生理の違いが大きすぎて、一瞬たりと脳裏に浮かばなかったです。変態とストイックな救世主ですからね(^^)
 でも物語のフォルムとテーマという意味では、青の零号さんの言われる視点は面白いですね。神山監督の本には、リンチ映画への言及はなかったけれど、どっかで狙っているのかも。

>>>>いずれ困るのはあいつらさだから
>>>>それまでは何もしなくていいんだ
>>このセリフ、いい加減に見えて実は結構核心を突いてると思います。

 この視点でどう滝沢が動くか、今後の動きにワクワク。

>>職にも生活にもあぶれた若年貧困層がそれに気づいて
>>「自分が食えないのに上の世代を養う道理はない」と自ら国を出ていってしまう危険も
>>常にあるんじゃないでしょうか。
>>攻殻SACの物語を経て、いよいよ日本人が招慰難民になる時代も近づいたようですね。

 日本沈没による難民化ですか。本当に笑えないリアリティ。
 やはり僕は技術立国としての仕組みと、子供/若者層へのそこへ向かう動機づけ(マスコミの自覚とそこへの戦略がキー)といった戦略がいいかなと思います。世界の中で日本のテクノロジーによる憧れの商品の流通、これによる日本人のアイデンティティ確立って道が資源のない日本の残された道のような気が、、、ここへ集中してモチベーションを上げられれば、若者の空気も変わるような気がします。文系はどうするって問題は残りますが。でもその答えがアニメ立国というのはなんだか寂しすぎるし、、、。
 アニメを論じながらアニメ立国には否定的という、、なんだか矛盾したことを言ってます(^^;)。工学立国を目指した時に、そこの先進性をうたえるSFアニメ立国(攻殻みたいなコンテンツで)ということかなー、あれ、なんだか自分の趣味を書いているだけになってきたぞ(^^;;)あせっ)

>>さながら駄菓子屋政権とでもいったところですか?

 うまいっ! あの総理って駄菓子屋のおやじ的風貌だったし。

 さあ、今から第六話だっ!!

投稿: BP(shamonさん,青の零号さんへ) | 2009.05.23 09:07

こんばんわ、青の零号です。
この作品、今のところ「メロドラマ(恋愛ファンタジー)の枠を守りつつ社会を斬る」
というえらく難しいことを、うまくこなしてると思います。
これってソープオペラの枠物語を使って地方社会の歪みと不条理を抉って見せた
『ツイン・ピークス』に比肩するかも・・・と言う例えは、BPさんから見てどうでしょうか?

>いずれ困るのはあいつらさだから
>それまでは何もしなくていいんだ

このセリフ、いい加減に見えて実は結構核心を突いてると思います。

世間で少子化対策と騒ぎつつも、では次の世代が増えたら社会のほうで
ちゃんとした仕事と安心した暮らしを手当てできるのか?と問われれば
「う~ん」と首を傾げざるを得ないのが、いまの現実。

少子化問題も見方を変えれば「リタイア世代をいかにして若年層が支えていくか」
という点に直結してますから、職にも生活にもあぶれた若年貧困層がそれに気づいて
「自分が食えないのに上の世代を養う道理はない」と自ら国を出ていってしまう危険も
常にあるんじゃないでしょうか。
攻殻SACの物語を経て、いよいよ日本人が招慰難民になる時代も近づいたようですね。

>総理のぎゃふんで支持率10%。しかもそれにかかった課金は60円。
>なんていう政治と民度。
ぎゃふん2回で60円と考えると、1回あたり30円。
いやはや、チョコバットやライスチョコの定価と同じですね。
さながら駄菓子屋政権とでもいったところですか?

投稿: 青の零号 | 2009.05.21 21:28

おはようございます。BPさん。

>恋愛とこの覚悟の描写へ持っていく展開がさすが。
これは上手いですよねぇ。
男性が描く「いい男」像と、
女性が認める「いい男」像には
かなりの(^^;ずれがありがちですが、
滝沢のキャラクター設定&描写は
女性から見て申し分ない。
韓国ドラマ「チャングムの誓い」に出てくるミン・ジョンホ(ヒロインの恋人)を彷彿とさせます。
でもこんなかっこいい男の子、
なかなかいないんですけどね^^;。

>現在がストーリーを先取りしている過酷な現実
派遣切りに至っては笑えませんね・・・。

投稿: shamon@最近早起き | 2009.05.18 05:51

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