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2009.06.04

■新刊メモ 笠井 潔『例外社会』 ベイリー『禅銃(ゼンガン)』
 クラーク『太陽系最後の日』

笠井 潔『例外社会』(朝日新聞出版)

秋葉原テロ事件は、なぜ起きたのか? 格差、ニート・フリーター問題から、下流、ワーキング・プアといった新たな貧困層の出現。また、教養主義崩壊以降、サブカルチャー的な知性の台頭、インターネットの興隆によって、人間のあり方まで大きな変化が起こっている。「ゆたかな社会」が終焉を迎え、未曾有の「例外状況」にある日本社会。その決定的な変化を世界史的なレベルから総括しつつ、「階級論」「教養論」「群衆論」という三つの視点から、新たな社会思想の潮流を展望する著者久々の社会評論集。

 SF界でもっとも世界を救おうとしている人 笠井潔の新作評論集。
 このテーマ、『東のエデン』に通じるものがありそう。

バリントン・J・ベイリー『禅銃(ゼンガン)』(ハヤカワ・オンライン)

栄 耀栄華を極めた銀河帝国は、いま黄昏を迎えていた。激減した純人間を補うために動物たちが宇宙艦隊に乗りくんでいる。その折も折、辺境星域に帝国を滅ぼす 力を持つ武器が出現したとの報をうけ、アーチャー提督は早速調査に赴いたが……英SF界の鬼才が奔放なアイデアで描く傑作ワイドスクリーン・バロック!

 カバー画が刷新されて復刊されたベイリーのワイド・スクリーン・バロック。
 既にこの本の初版から24年ほどたっているのですね。

 新しいカバー絵が素晴らしかったので、掲載しようとしたのですが、残念ながらまだネットには画像がありませんでした。

アーサー・C・クラーク『太陽系最後の日
(ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク 1) 』
(ハヤカワ・オンライン)

人類のために奮闘する異星人たちを描いた表題作のほか、名作『幼年期の終り』の原型短篇「守護天使」、作品集初収録の中篇「コマーレのライ オン」、大戦中の空軍士官クラークの体験をつづるエッセイ、年譜などを収録した日本版オリジナル短篇集第一弾

 未読の「守護天使」を是非読みたい。
 こういう出版は嬉しい。

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コメント

 青の零号さん、コメント、ありがとうございました。

>>見えやすいネタ元としてはベイリーですが、もう少しひねりが入ったネタ元としてはC・スミスの「人類補完機構」があげられると思います。
>>獣人に抑圧される人類という関係は、人類と下層民の上下関係を逆にしたものですし獣人四天王は下層民の秘密組織の長を連想させるところがありますからね。

 コードウェナー・スミスですか。これも意外。
 ひととおりむかーし読んだのですが、まさか獣人が!(ほとんど忘れてますね(^^;))

>>たぶん脚本とシリーズ構成を担当した中島かずきさんが影響を受けた作品のエッセンスが、相当な分量で詰め込まれてるハズです。

 中島氏、相当なSFマニアなんですね。
 双葉社社員と聞きますが、双葉から海外SFの文庫でも出たらいいのに。ベイリーをクレヨンしんちゃんの表紙で読むってのもなかなかかも(^^)

>>アニメでもいいですが、中島さんのホンを劇団新感線で舞台化するという手もありそうですね。
中島さん『カエアン』も大好きらしいですから。

 新感線の芝居って、もしかしてSFしてるんでしょうか。馬鹿SFかワイドスクリーンバロックを舞台でやったら凄いですね。

投稿: BP(青の零号さんへ) | 2009.07.11 08:47

BPさん、たびたびこんばんわです。

>『禅銃』と『グレンラガン』の関係
元ネタ自体がマイナーなので、たぶん一般的ってほどではないと思いますが、
wikipediaや2ちゃんねるあたりでは既に一部SFファンから指摘されてたようです。
(Wikipediaの記述はかなり削除されちゃったみたいですが。)

見えやすいネタ元としてはベイリーですが、もう少しひねりが入ったネタ元としては
C・スミスの「人類補完機構」があげられると思います。
獣人に抑圧される人類という関係は、人類と下層民の上下関係を逆にしたものですし
獣人四天王は下層民の秘密組織の長を連想させるところがありますからね。
シトマンドラあたりは、イ・テレケリのケバいバージョン(笑)と思いながら見てました。
あと螺旋界認識転移システム、あれの原理は『虎よ、虎よ!』のジョウントにそっくりかと。

私が気づいてないモノも含めて、他にもSFネタがたくさん入ってると思います。
それに気づけばさらに楽しめるというところも、この作品の密かな魅力。
たぶん脚本とシリーズ構成を担当した中島かずきさんが影響を受けた作品のエッセンスが、
相当な分量で詰め込まれてるハズです。

>次は是非『カエアンの聖衣』で一発、かましてほしいものです。
アニメでもいいですが、中島さんのホンを劇団新感線で舞台化するという手もありそうですね。
中島さん『カエアン』も大好きらしいですから。

投稿: 青の零号 | 2009.07.08 22:01

 青の零号さん、こんばんは。

>>ちなみに表紙の猿は、月岡芳年作「月百姿」のうちの一作「玉兎 孫悟空」をコラージュしたものです。

 情報、ありがとうございます。
 そうなんですね、月岡芳年のコラージュ。いいセンスしてますね。

>>「玉兎 孫悟空」を使った壁紙が、専修大の特設サイトから無料でダウンロードできます。

 ダウンロードしてみます。

 あとブログで書かれていた『禅銃』と『グレンラガン』の関係、実は言われるまで、想像してませんでした。確かにグレンラガン、ワイドスクリーンバロック風味でしたが、まさかベイリーとは!?
 これって、グレンラガンファンの間では、一般的なんですか? 途中なんどか飛ばしてますが、『グレンラガン』、ひととおりみてたので、なんか不覚(^^;;)

 次は是非『カエアンの聖衣』で一発、かましてほしいものです。

投稿: BP(青の零号さんへ) | 2009.07.08 00:29

こんばんわ~。

『禅銃』はハヤカワ・オンラインに表紙が出ましたね。

ちなみに表紙の猿は、月岡芳年作「月百姿」のうちの一作
「玉兎 孫悟空」をコラージュしたものです。
どっかで見た絵だな~と思ったら、4月に専修大でやってた
「描く 月岡芳年展」に出ていた作品でした。

「玉兎 孫悟空」を使った壁紙が、専修大の特設サイトから
無料でダウンロードできます。
http://www.senshu-u.ac.jp/library/200904/page03.html

投稿: 青の零号 | 2009.07.05 23:30

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