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2009.09.29

■la machine:ラ・マシン『La Princesse:巨大クモ』@開国博Y150

La_princesse_01
巨大スペクタクルアート「ENEOS ラ・マシン」(「開国博Y150」公式サイト)

日本初上陸となるフランスの巨大スペクタクルアート劇団「ラ・マシン」。この革新的なチームは、アーティスト、 デザイナー、制作スタッフ、技術スタッフの 約50名で構成されており、フランスのナント市*とトゥールーズを拠点に、“生命のある機械”という世界観をコンセプトに活動しています。

La_princesse_02  本業の出張にくっつけて、閉幕ギリギリの09.9/26(土)に横浜へ行ってきました。
 2006年にネットでジャイアント・マンモスと巨大アンドロイド少女を知って以来、是非この巨大機械の実物を観てみたいと思っていたので、やっと念願が叶った。

 正確には下記wikipediaによると、ジャイアント・マンモスはロワイヤル・ド・リュクスの作品。そこのスタッフが設立したラ・マシンが今回の巨大機械グモを制作したということである。

 僕が本当に観たかったのは、ジャイアント・マンモスと巨大アンドロイド少女のゴシック感に溢れるパフォーマンスであるが、今回の蜘蛛も細部の作り込みがなかなかゴシックしていて、やはり実物は素晴らしいものであった。

 メカニズム的には、これらは巨大な油圧駆動機械であるようだ。蜘蛛の下のアームが巨大な台車につながり、台車には巨大な油圧コンプレッサが仕込まれている。そして特筆すべきはこのメカ、どうやらコンピュータ制御は使われていなさそうなところ。大勢のパイロットが台車とアームと蜘蛛の各脚を手動で操っている(もしかしたら油圧コントロールには一部使われているかも)。

 この手動操作により、巨大機械のフェールセーフは完璧だ。これだけ複雑な装置をコンピュータで制御しようとしたら、恐ろしく複雑なフェールセーフ機構が必要になるだろう。NASAお得意のFMEAなぞやろうものなら、機械はたいへんな冗長構成を要求されて、このように人の近くで駆動することは安全上きっと不可能になるだろう。

 多脚がそれぞれ別々の意志によって動かされているところから、蜘蛛の不可解さを演出しているのだろう。青空の下で蠢く巨大生物は、複数のパイロットの脳により操作され、複雑な動きを作り出し、異質な知性体を見事に演じていた。

 下記リンクにパイロットの方たちのBlogがあるが、メンバーはI.S.O.Tという京都の劇団のメンバーであるらしい。長い期間、お疲れ様でした。
 今回のパフォーマンスがきっかけになって、できたら日本でもこのような巨大機械芸術が発展するといいですね。京都には巨大機械彫刻で有名なヤノベケンジ氏がいるわけで、コラボレーションが実現したら、素晴らしいでしょうね。(参照:ヤノベケンジ×古田貴之  街を歩く巨大ロボット構想スタート!の企画とか)

◆関連リンク
Compagnie LA MACHINE / Accueil (公式HP)
ラ・マシンパイロットブログ.

最初は気色悪いクモも長い時間を触れ合うことによって、愛される存在へと変わっていく。 最初は意味嫌われた外国人も付き合っていく内に共存していくことができる。 国境・人種を超えた愛。 それがドラロジエールがこの『クモ』に託した思いでした。

ロワイヤル・ド・リュクス - Wikipedia

La Princesse (巨大な機械のクモ、2008)は、ロワイヤル・ド・リュクス設立初期(1987-)からのメンバー、フランソワ・ドゥラロジエール(Francois Delaroziere)が設立した別の劇団「ラ・マシン」(1999-)が製作、演出をした。La Princesseは、イギリス・リバプール(2008)、日本・横浜(2009)で紹介されている。

ラ・マシン - Wikipedia

# 2008 初めて独自で動かすパフォーマンス、'Les Mecaniques Savantes'をイギリス・リバプールにて発表。 # 2009 'Les Mecaniques Savantes'を日本・横浜にて開催される「開国博Y150」において発表。 # 2009 5月30日から6月1日まで、パリで機械ライブ・パフォーマンス'La Symphonie Mecanique'を開催。

ラ・マシンによるパフォーマンス、横浜に巨大クモ襲来! - Biting Angle
 青の零号さんのレポート。横浜市街で暴れる巨大蜘蛛

ロワイヤル・ド・リュクス『巨人の神話』
ロワイヤル・ド・リュクス『スルタンの象と少女』

当Blog記事
SF作家ジュール・ヴェルヌの没後100年パレード  ゴシック 月世界 ジャイアント・マンモスと巨大アンドロイド少女
新刊メモ 『映像+ 7 ラ・マシン特集』他
巨大スペクタルアート劇団「ラ・マシン:La Machine 」  巨大な生命のある機械 日本上陸!
巨大ロボット2点 La Machine 15メートルの巨大クモ

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コメント

 青の零号さん、こんばんは。

>>巨大さや造型の美しさも当然魅力的ですが、私も隠れた見どころは
>>この操作系じゃないかと思ってました。

 僕は根っこが機械系エンジニアなので、メカがどうなっているか、見どころでした。自分が図面を引くとしたら、どうするか、なんて(^^;)。

>>複数の人間が一体の巨大メカを操縦するというシチュエーションは
>>やはりロボ好きの魂をくすぐるものがありますから(笑)。

 そうそう、巨大な機械が動くだけでたまらないのに、まるで鉄人のリモコンのようなもので操縦しているのにワクワク。

>>もし実現するなら、その時はぜひ合体モノを!
そして総合演出には中島かずき氏を!

 『のだめ』のシナリオをやってる場合ではないですね。今西監督と共同演出でもいいのでは(^^)。

>>ツナワタリを思い出してしまいます。
>>これに乗って月まで行ってみたいですねぇ。
 
 そうそう中空に浮いた姿がまたグッとくる訳です。次はいつ見えるのでしょうね。

投稿: BP(青の零号さんへ) | 2009.10.03 22:19

こんばんわ、青の零号です。
BPさんも見に行ったんですねー。
こちらの記事までご紹介いただいてありがとうございます。

>複数のパイロットの脳により操作され、複雑な動きを作り出し、
>異質な知性体を見事に演じていた。
巨大さや造型の美しさも当然魅力的ですが、私も隠れた見どころは
この操作系じゃないかと思ってました。
これってある意味では人間がクモを擬態してるようにも見えますし、
複数の人間が一体の巨大メカを操縦するというシチュエーションは
やはりロボ好きの魂をくすぐるものがありますから(笑)。

>日本でもこのような巨大機械芸術が発展するといいですね。
もし実現するなら、その時はぜひ合体モノを!
そして総合演出には中島かずき氏を!
・・・ってのは、ちとシュミに走りすぎでしょうか(^^;。

足を畳んでる姿は、こちらではじめて見ました。
この姿を見ると、SF者としては『地球の長い午後』の
ツナワタリを思い出してしまいます。
これに乗って月まで行ってみたいですねぇ。

投稿: 青の零号 | 2009.10.02 23:16

 shamonさん、こんばんは。

 もしかしてshamonさんも最終日付近に来られてるのかなー、と会場で思ったりしてましたが、いろいろ大変だったのですね。

>>私は9月上旬に行く予定だったのですが、丁度その頃自宅での作業中に怪我してしまい(右肘から床に激突、骨折は免れたもののひどい打撲で家事も出来ない状態でした)

 痛そうですね。大変な9月になってしまったのですね。御自愛くださいませ。

>>もう一度来ないかなぁ(TT)。
>>是非新しいマシーンで再上陸を果たして欲しいです。

 会場での盛り上がりは上々だったと思いますので、どこかがまた声をかける可能性有、と思います。

 僕はどちらかというと、日本で似たようなことをやる団体が出てくるのを期待したいですが、、、。

投稿: BP(shamon@行きたかったよぉ(TT)さんへ) | 2009.09.30 23:53

まいどです。TBありがとうございます。
無事行かれたのですね。
写真もバッチリですごい。よかったです^^。

私は9月上旬に行く予定だったのですが、
丁度その頃自宅での作業中に怪我してしまい
(右肘から床に激突、骨折は免れたものの
ひどい打撲で家事も出来ない状態でした)
治りかけたらヤボ用の山に忙殺され結局行けませんでした(TT)。
#今は順調に回復しております。

もう一度来ないかなぁ(TT)。
是非新しいマシーンで再上陸を果たして欲しいです。

投稿: shamon@行きたかったよぉ(TT) | 2009.09.30 20:49

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