« ■Michael Kutsche:ミカエル・カッチェ
  ドイツのコンセプトアーティスト
| トップページ | ■カレル・ゼマン展 −トリック映画の前衛 − @刈谷市美術館 »

2010.03.05

■感想 ジェームス・キャメロン監督『アバター』3D

Avatar_detail

アバター - Wikipedia
『アバター』ストーリーについて
 (キャメロン語る)

 『アバター』の感想はtwitterで書いていたので、なんだか既に語ってしまったような気がしていたのだけど、先週REAL D方式で二回目を観てきたので、これを機にまとめてみます。twitterでつぶやいたものを繋いでみるので、読みにくかったらご免なさい。

◆IMAXでの一回目 鑑賞

 なんだか今までの映画とはどこか根本的に違う体験をしたような感覚を見終わった後に持った。映画4.0とでも言ったらいいのか、サイレント→トーキー→カラーと来て、次の世代の3D(CG)。
 映画の中に没入していく感覚がなんだか凄い。
 ストーリーの出来がよくない、という評価があちこちでされているけれど、僕はそんなことが全く気にならない、なんだか奇妙な映画体験をしたと感じたのだ。

 新しい体験であるのは、もちろん3Dで大画面に広がる奥行きのあるディテイル豊かな映像がその中心的な役割を担ったのは間違いない。空の飛行シーンの空間感覚、ナヴィ属の作られた顔がアップにされた時に、皮膚の立体感の描写がリアルにされているのを間近に彼らがいるように立体的に観れるのは、素晴らしい体験である。

 しかしもうひとつ、まだしっくりとその鑑賞の感覚の整理が付いていないのだけれど、ナヴィ世界の映像が全てCGであることが、映画が始まって百年強の歴史の中で特筆すべきでないのか、ということ。

 この映画大部分がナヴィ世界を描いているので、実写でなくCGアニメで出来ている。草木と岩、動物、全ての景色がアニメ。風景の映像がまるで中国奥地に実在するような本物感を持っている。またCGのナヴィのシーンの方がリアルに感じる。役者がいないで(と言ってもモーション・キャプチャーは使ってるが)実写映画が撮れる時代がきたということでは映画の革命だと思う。

 このようについに実写クオリティを、人間はこのレベルで生成できるようになったわけだ。WETAデジタルのこの偉業はまさに特筆すべき。こんなに大ヒットしているAVATARなのに、その特撮映像を解説した本が出版されていないという寂しい状況だけれど、映像としてのこの偉業はもっとしっかりと研究されていいと思うのだけれど、、、。それは確かに僕ら観客に何か全てをいまだに解析できない何かを残しているのだから、、、。

◆閑話休題 一回目のつぶやき

・まさに実写(3DCGアニメ)版 風の谷のナウシカ。

・まず驚いたのはナヴィの身長10フィート。主人公がアバターに入って歩ける喜びで走り回るシーン。人間との大きさの対比でとてもワンダーな画面になっている。

・ストーリーも戦争に至る過程が少し弱いけれど、幾多のアメリカ経済戦争を想起させて、僕には丸だったけどなー。欲をいえば、もっとアメリカ批判になってた方が好みだけど。最後地球人が去るシーンにかぶせたナレーション、「エイリアンは帰って行った」とかの皮肉も好きだ。

・動植物に関しては、もっと細部のディテールの鮮明さを描けていても良かったかも。現実の深海魚とかのデテイルの凄さは参考になると思う。

■『アバター』2回目

 前回IMAX、今回はREAL D。空いていたので前半前から6列目、後半3列目で比較観(^^;)。圧倒的に3列目での臨場感が素晴らしい。別の映画と言えるくらい。視野の7割以上がスクリーンになる位置で観るべき。2方式の比較より位置が重要と痛感した。

 前方位置、視野の7割以上がスクリーンである重要性は、後方で画面の枠が意識されるとせっかくの奥行きが台無しになること。後ろの時は「映画を観ている」客観的視点。前では「映画に入っている」没入感。顔の微妙な奥行きまで観るこれが映画4.0(サイレント→トーキー→カラー→3D)なのだと再認識。

 今回比較してみて、IMAX vs REAL Dは問題じゃないと思う。IMAXが2プロジェクタで明るいのは確かだろうけど、たぶん二つ並べて見比べないと差は感じない。それよりIMAXのスクリーン面積とシート配置で、客が視野の多くを画面に占められる確率が高くなることの方が重要だろう。なので前方鑑賞することで二つの方式は同等かと思う。

 IMAXでもたぶん前から5〜6列目までで観ないと映画4.0な没入感は得られないだろう。IMAXで観たのになんかそんなに凄くない、って思ってる人は他方式でもいいので前から3列目くらいで観ることをお薦め。注意は真ん中付近でないといけないこと。側方からはかなりスクリーンの変なパースにより違和感あるので。

 さらに前方すぎると、今度はスクリーンの上下のパースが気になるので注意です(^^;)。これは映画館によって最前列とスクリーンの距離が違うのと、前後シートの段差のとり方で変わるので。スクリーンをできるだけ正面から観られる、視野7割以上の位置が理想だと思う。3Dは本来、映画館の構造変更が必要で、どこからでもできるだけパース差が少ないような座席とスクリーンの関係を作るべきなのだろう、本物の巨大スクリーンのIMAXと同じように。

 観た位置と感想の相関をとると面白いデータが出るような気がする。つまりスクリーンが視野の何割だったかという数字と感動の度合いを数値で書くときっと比例関係がでてくると思う。
 前方と後方で感想を調べると、ストーリー中心で批判を感じた人は相対的に後方で観た人が多いのではないか。前方と後方では、映像体験したのと(映画4.0)、普通の映画を観たのと(映画3.0)の差が出ると思う。

 ということで、二回目は、長々とシート位置と体感評価についての『アバター』評で失礼しました。皆さんが位置との関係でどう感じられたか、教えてもらえると嬉しいです。

◆関連リンク
WETA DIGITALの『アバター』へ至る偉業
『アバター』3D全方式完全制覇レビュー:It's a ...:So-net blog.

立体感は XpanD≧RealD>Dolby3D(画面中央ではRealD=XpanDで、画面端ではXpanD>RealD)、画面の明るさは Dolby3D>RealD>XpanD、色の良さはDolby3D>RealD>XpanD、メガネの使い勝手は RealD>Dolby3D>>>XpanD、総合的にはRealD>Dolby3D>XpanDという判定となり ました。スクリーンのサイズは良好でしたが、とにかく3Dメガネが気になって落ち着いて見られない、というのが正直なところです。

キャメロン監督『アバター』2作目、3作目構想を明かす - MovieWalker.

キャメロン監督は、「これ(本作)が当たれば、Part2は絶対作ります。小説やアニメ、いろんな分野に波及していくと思います」と、期待が高まるようなことを口にした。 さらに、「3作まで書いてあります。とってもラフだけどね。でも、まずちょっと休ませてください(笑)。それからお金が入ってからちゃんと書きます(笑)」と、冗談交じりに監督は答えてくれた。

『アバター』のキャメロン監督、実は宮崎駿ファンだった! - MovieWalker.

「僕はもちろん宮崎アニメのファンだ。だから、そう言っていただいてうれしいよ。まあでも、人の反応はそれぞれだから、みなさん、とにかく映画を観てください」。

「新作「アバター」 宮崎アニメにオマージュ J・キャメロン監督」:イザ!.

「ミヤザキの新作は必ず見ているよ。実は映画の最後に『もののけ姫』にオマージュをささげたシーンがあるんだ」

Cinefex 120 - Avatar / 2012 / The Road
 『Cinefex 120』 (Amazon)

Weta Digital led the groundbreaking visual effects effort, with support from Industrial Light & Magic, Framestore, Frantic Films, Hybride, Weta Workshop and Stan Winston Studio.

 2010.1月発売。これが訳されればCGの秘密が明らかになるのだろうか。
押井守監督、『アバター』の完成度に衝撃!「10年かけても追いつけない」と完敗宣言でみんなで乾杯!? - シネマトゥデイ.

あれは事件だよ。全員 に観て欲しい映画だね。こちらがやりたかったことを全部やられちゃった。ハリウッドの物量だけの映画なら悔しくないけど、(監督の)キャメロンは頭がいい よね。あれには10年かけても追いつけない。映画『ターミネーター2』『タイタニック』でやってきたことを踏まえて、カメラまで開発して、今まで積み上げ たものが効いているんだよね

『109シネマズ川崎(7)IMAXデジタルシアター』レポート: N氏の映画館:不定期日記

大きさに自信があるのであればスクリーンサイズを公表するのでしょうが、109シネマズIMAXはスクリーンサイズ非公表となっています。そこで困ったときのwikipediaということで英語版のIMAXを 読んでみるとスクリーンサイズは28x58feet、メートル換算で高さ約8.5m×幅約17.7mということになっています。ちなみに35mmフィルム 時代の109シネマズ川崎シアター7のスクリーンサイズは6.8m×16.3mでしたので、英語版wikipediaのスクリーンサイズでほぼ合っている と思われます。高さ約8.5m×幅約17.7mというのは35mmフィルム上映で日本最大級のユナイテッド・シネマ豊洲 スクリーン10の9.29m×22.6mより一回り小さいということになります。

・町山智浩 12/18/09 07:04AM, 町山智浩 12/18/09 07:04AM tomomachi on USTREAM. Blog.
 紙芝居とか子供映画とかストーリーについての感想がほとんど。パンドラとパワードスーツと女戦士は絶賛。
3D立体映画スレッド(2ch)
映画『アバター』:ゼロ年代の最高傑作をお見逃しなく | WIRED VISION

|

« ■Michael Kutsche:ミカエル・カッチェ
  ドイツのコンセプトアーティスト
| トップページ | ■カレル・ゼマン展 −トリック映画の前衛 − @刈谷市美術館 »

コメント

 あさん、初めまして。

>>昔の新大陸発見のときアメリカと同じやん。
 
 ただし、このケースは続篇は知りませんが、インディアンが勝ったんですねー。

 以後の異星人(^^;)の反撃がどうなるか、気になりますね。

投稿: BP(あさんへ) | 2010.05.03 17:34

昔の新大陸発見のときアメリカと同じやん。

投稿: あ | 2010.05.02 21:44

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/24373/47129308

この記事へのトラックバック一覧です: ■感想 ジェームス・キャメロン監督『アバター』3D:

« ■Michael Kutsche:ミカエル・カッチェ
  ドイツのコンセプトアーティスト
| トップページ | ■カレル・ゼマン展 −トリック映画の前衛 − @刈谷市美術館 »