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2010.08.02

■八王子市夢美術館「押井守と映像の魔術師たち」
 『ガルム戦記 G.R.M. THE RECORD OF GARM WAR』

Photo

特別展 押井守と映像の魔術師たち 八王子市夢美術館

2010.07.16(金)〜 09.05(日)10:00 - 19:00
 入館18:30 ただし8/7,8は 21:00まで
監修 押井 守
特別協力 バンダイビジュアル/Production I.G/DEIZ/バルク/モーターライズ/水野プロダクション/八八粍

 篠原重工のある八王子の地(^^)に初めて降り立ち、題記展示会を見てきた。
 展示全体については、関連リンクに示した各Blogの記事を参照いただきたい。

 僕はとにかく表向きに展示が公にされていない(未完成ゆえいろいろと権利関係がややこしいのだと想像される)『ガルム戦記 G.R.M. THE RECORD OF GARM WAR』に特化してレポートしたい。

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 なにしろ『G.R.M.』に関するスタンスは徹底しており、会場で最もインパクトがあり素晴らしい展示品であるその関連資料が、全236ページ/3150円という大部の図録にも写真1枚掲載されていない。関連リンクにある雑誌記事でも『G.R.M.』の文字は出てこない。
 ここでこの作品を中心に書くと、今後の展示にもしかしたら支障が出るのでは、と心配になるくらいの徹底ぶりであるが、所詮このネット時代に一般公開している展示品の情報が公になることは間違いのない事実なので、うちだけが口をつぐんでも、と思い、ならいっそ、しっかりした情報を押井ファンのために掲載する。

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(トップの写真説明:左は展覧会のチラシ。右は図録の表紙と裏表紙。図録はどこかに既に掲載されたアニメの設定画がその8割を占め、今回の展示の目玉の立体造形物や、スタッフインタビューは極 少ページという残念な出来。事情はあるのかもしれないが『G.R.M.』が記載されていないのが展示会図録としてはあり得ないくらいの不手際。モナリザ展でモナリザの絵が載ってない図録が発行されることを想像下さい(^^;))

■『ガルム戦記 G.R.M. THE RECORD OF GARM WAR』展

Horz

「押井守と映像の魔術師たち」展 #oshii: ひねもすのたりの日々

「巡洋艦イムラヴァ」イメージボード3枚
「巡洋艦イムラヴァ」ブリッジギミック 2種類 (全長30cm)
「巡洋艦イムラヴァ」模型(全長60cm)
「航空母艦コルンバ」模型(全長40cm)
「ナシャン天使形態」フィギュア(全長1m)
「戦車」模型(全長40cmくらい)
「空母艦載機」模型4種類(実演用,雷装形態,コクピットOPEN,巡航形態) (35×35cm)
「巨人 ダーナ」人物フィギュア(50cm)
「クムタク」人物フィギュア(40cm)
「ブリガ」人物フィギュア(40cm)
ブリガ甲冑(等身大)
「コルンバ」甲冑(等身大)
「コルンバ」男性フィギュア(40cm)
「コルンバ」女性フィギュア(40cm)
「ドルイド ナシャン666」女性フィギュア(30cm)

 当研究所の東京分室(^^)のshamonさんBlog「ひねもすのたりの日々」からの引用(一部追記)。いまだ映像化されざるこの大作の準備段階で作成された絵とフィギュア。今まで公になっている情報は、関連リンクのwikipediaを参考にしてほしいが、今回の展示で物語とその映像を想像させるこうした情報と造形が明らかにされた。

 圧巻は巨人ダーナ。これは凄く気に入って写真を撮っていいか警備員に聞いたのだけれどNGとのことで、しかたなくその場でスケッチ。僕の絵では現物の迫力には届きようもないけれど、観た方は自分の記憶をこれで掘り起こしていただければ幸い(^^)。
 この巨人ダーナ、右に立っている人物から想定すると、その身長は8〜10m、手に持った得物は12mといったところか。胸の巨大なフクロウのような顔があり、頭の位置の顔は黒い闇になっている。ここからなんというか虚無感が漂う。

 そして「ダーナ」はケルト神話からの引用らしい。身長10mあまりの巨人戦士ダーナの動く/戦う姿をみたいものだ。ゴシックとそして北欧の血。択捉を超える大伽藍映像が妄想される。

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 次に「航空母艦コルンバ」。こちらはラフに描いたものを帰ってから細部を思い出してでっち上げたので、たぶん実物と随分違うかと。
 僕の画力では巨大感が出ていないが、実際のフィギュアは、細部まで作り込まれ、空母の壮大感が表現されている。
 航空母艦とキャラクタ(?)の名前が同一のは展示の説明でも理由はわからなかった。甲冑を着たコルンバは紫の衣の女性と銃を持った男性だった。民族名かもしれない。

 次に『天使のたまご』を連想させ、それをさらに進化させたような戦車も凄かった。仰向けに寝そべったように乗るコクピットがなかなか興味深い形状。これが空母艦載機と戦うシーンを想起させる。

 「ナシャン天使形態」というのが凄い。これは「ドルイド ナシャン666」という少女のキャラクターが、顔と長い銀髪はそのままに体が巨大な竜になりのたうっている人形。
 おそらくクライマックスでの物語のキーイメージのひとつではないのか。
 そしてこの巨大な天使竜(?)が、巨人ダーナもしくは戦闘機械と戦うのではないかと容易な予想が立つ。
 緻密なフィギュアはこうした映画のシーンを観る者の頭の中に立ち上げる。
 G.R.M. Wikipediaに「製作総指揮 ジェームス・キャメロン」の名前がある。今回の造形物をキャメロンに見せたらきっと彼も3Dでこの映画を観たいと言ってくれるはず。誰かキャメロンを乗せて50億くらい日本に持ってこれるプロデューサーはいないんでしょうか。

◆関連リンク
八王子夢美術館「押井守と映像の魔術師たち」 - Biting Angle

 続いては展示内容を順路に沿ってご紹介。 美術館で展示リストを作っていないので、わかる範囲で書き留めてきたものです。

 詳細なリスト。ファンの方はこちらのリストで自分の観たいものがあるかどうか確認下さい。
『押井守と映像の魔術師たち』感想サイト - 押井守情報:野良犬の塒
G.R.M. THE RECORD OF GARM WAR(ガルム戦記) - Wikipedia
『押井守と映像の魔術師たち』展覧会へ行ってきました☆(週刊アスキー)

アニメーションから実写まで幅広く手掛ける押井監督の世界観が堪能できると同時に、もうひとつの目玉、未発表作品の展示もあります。ここだけでしか鑑賞することができない展示物は会場の奥に!

 展示物の写真が3枚。報道陣には写真撮影が許可されているようだ。
 何故『G.R.M.』を撮らないのか!
 G.R.M.については直接触れられてませんが、記事にしてはいけないとか、お達しでもあったのでしょうか?あれが白眉なのに、、。
押井守監督的なもの: 「押井守と映像の魔術師たち」

ガルム戦記、G.R.M. THE RECORD OF GARM WARとも言われる押井守監督未完の大作があり今回その関連品が展示されると言われてきた。その中には幻のパイロットフィルムの上映も噂に上がった。実 際、先の樋上晴彦氏や実姉である最上和子氏の発言から押井守監督が関係者に上映の許可を求める動きがあったらしい。しかしその望みは絶えてしまった。しかしそのフィルム以上にそこに展示された立体物には驚かされる。

立喰師列伝で使用された書籍等(Blog 押井守監督的なもの)
 59作品のタイトルと著者名リスト。労作です。
・幻の『G.R.M. ガルム戦記』パイロット
 BS2で紹介された短いもの。かつて観た記憶がある。BS2のどんな番組で紹介されたんだったか??
・デル・トロ監督がジェームス・キャメロンが制作で、最強のドリームタッグチームでラブ・クラフト「狂気の山脈にて」の3D映画化。(CIA☆こちら映画中央情報局です より)

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コメント

 青の零号さん、おはようございます。

>>宮崎駿の50冊展なんて、模写も禁止と書かれてました。
>>(まあここまで制限するほうがヘンではありますが)

 ルーブルでも写真撮影と模写OKなのに何故って感じですね。彼の国と日本では民度が違うということでしょうか。携帯カメラの砲列が絵に群がるシーンは見たくないですが、、、、それにしても模写も駄目って??

>G.R.M.の展示については、押井監督の想像力だけでなく
>デザインや造型などに関わったスタッフの高い力量を
>見せ付けられた感じです。
>逆に言うと、あれだけの顔ぶれが再び揃わない限り
>G.R.M.は我々の期待するレベルに達しないわけですから
>中途半端な再起動だけはして欲しくないとも思いますし、
>いろいろ悩ましいところです。

 今や皆さん一枚看板の人たちですからね。ギャラでなく犬監督にいかに人望があるかが問われる!?

>私はむしろG.R.M.の残像に思えるのが心配です。
>発想当時は新鮮だった素材が、使いまわされることで鮮度を失わないかと。
>特に「アサルトガールズ」の評判を聞くたびに、もはや趣味のひとことでは
>片づけられない問題にぶち当たっているようにも思えてなりません。

 たしかに残像にも観えますが、やはり肝は外し続けている気がします。『G.R.M.』を作りたい意志があるから、そこを外そうとしてある制限が加わり、『アサルトガールズ』は搾かすのようになってしまうのかも。予算の問題も大きいでしょうが、、、。

投稿: BP(青の零号さんへ) | 2010.08.09 08:03

ナイススケッチ!
G.R.M.については何の資料も用意されてない中で、
模写だけでもできたのはわずかな救いですかね。
宮崎駿の50冊展なんて、模写も禁止と書かれてました。
(まあここまで制限するほうがヘンではありますが)

G.R.M.の展示については、押井監督の想像力だけでなく
デザインや造型などに関わったスタッフの高い力量を
見せ付けられた感じです。
逆に言うと、あれだけの顔ぶれが再び揃わない限り
G.R.M.は我々の期待するレベルに達しないわけですから
中途半端な再起動だけはして欲しくないとも思いますし、
いろいろ悩ましいところです。

>ここ数年の押井作品は『G.R.M.』製作再開に向けての演習に思えるんですよね。
というshamon説ですが、私はむしろG.R.M.の残像に思えるのが心配です。
発想当時は新鮮だった素材が、使いまわされることで鮮度を失わないかと。
特に「アサルトガールズ」の評判を聞くたびに、もはや趣味のひとことでは
片づけられない問題にぶち当たっているようにも思えてなりません。

投稿: 青の零号 | 2010.08.08 12:54

 shamonさん、コメントありがとうございます。
 あちこちでしゃべってたので、ここのコメントへのレス、忘れてましたorz。

>>「イノセンス」公開時に出されたロマンアルバムに押井自身が語る凍結のいきさつがありますが、実際の造形物見ちゃうとますます悔やまれます。

 再復活は最近の押井作を残念に思っているファンみんなの願いですね。

>>私見ですが「イノセンス」以降、「スカイ・クロラ」にしろ実写にしろここ数年の押井作品は『G.R.M.』製作再開に向けての演習に思えるんですよね。
>>まるでロダンが「地獄の門」を造るために「考える人」を初めとする多くの作品を生んだように。

 『G.R.M.』が押井の「考える人」になっている未来に我々は辿り着くことが出来るのでしょうか(^^)

投稿: BP(shamonさんへ) | 2010.08.07 20:50

ども、分室です(。・ω・)ノ゙ コンチャ♪
お互い八王子は遠かったですね(苦笑)。
スケッチはかなり再現力高いですよ^^。

「イノセンス」公開時に出されたロマンアルバムに
押井自身が語る凍結のいきさつがありますが、
実際の造形物見ちゃうとますます悔やまれます。
細かなところまでよく作ってある。

そもそもこの造形物は誰に所有権があるのでしょう?。
監督?バンダイ?それとも他の第三者?
権利関係がややこしいとしても
ホントにダメなら出してはこないはずだし、
マスコミも『G.R.M.』は「不可触領域」扱いなのがなんとも不思議です。
相当な緘口令が敷かれてるのか?

私見ですが「イノセンス」以降、
「スカイ・クロラ」にしろ実写にしろ
ここ数年の押井作品は『G.R.M.』製作再開に向けての演習に思えるんですよね。
まるでロダンが「地獄の門」を造るために「考える人」を初めとする多くの作品を生んだように。
もちろん他の展示品も眼を惹くんですが、
『G.R.M.』への扱いが扱いなだけに
観客としては強く印象に残ってしまう。
なんとか企画が動いてくれるといいんですが。

投稿: shamon@究極映像研東京分室 | 2010.08.02 01:31

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