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2010.12.15

■ヤン・シュヴァンクマイエル 新作『Surviving Life』に関するパリでのティーチイン

YouTube - Jan Švankmajer sur l'art tactile 1
 先日紹介したヤン・シュヴァンクマイエル監督 新作長篇『Surviving Life』予告篇の記事に書いた、Tamaki Okamotoさんが参加されたバリのパネルディスカッションの映像がYoutubeにアップされている。

 そしてTamaki Okamotoさんによるレポートが、twitterでつぶやかれているので、ポイントになる部分を一部、引用させていただく。興味のある方は、是非、全文を下記のリンクで読んでみて下さい。

Tamaki Okamotoさん(@tmk_kmt)/2010年12月08日 - Twilog

"当時シュルレアリスム・グループの発足が、チェコスロヴァキアが最初だった。シュールレアリストグループの創始者ふたりのうち1人は、ヤンにとって教祖的存在だそう"

"画家の奥様のエヴァには、自分が絶対できない分野(『悦楽共犯者』の人形や、『アリス』の美術など)を頼んでやってもらってたそう。ただ彼女をコントロールするのは不可能で、やりたいようにしかやってくれず、完全にまかせていたとの話"

"奥様のエヴァ亡き後初めて製作された作品『Surviving Life』は、ちょっと何かがぽっかり抜けた印象で... ヤンのスタイルが変わったのではなく、エヴァがいなくなった喪失感。彼女の世界の比重、想像以上に大きかったということなのですが"

◆ヴラチスラフ・エフェンベルゲル

 まずチェコのシュルレアリスム・グループ創始者で、シュヴァンクマイエルの教祖的人物について。twitterで尋ねてみたら、御二人の方から、情報をいただきました。

S.ザンギさん(@ginmaku) Twilog

参考までに。手元の本に「エフェンベルゲルは言葉の真の意味での導師です」という記述が。 RT @tmk_kmt: なれないチェコ名で... RT @butfilp: この方の名前は…。

Twitter / @ジュリアさん

@butfilp 横からすみません…。もしかしてヴラチスラフ・エフェンベルゲルという方のことではないでしょうか?

 そしてネット検索してみると、下記のような情報が、、、。

武蔵野美術大学 イメージライブラリー

"「私は自分がシュルレアリストだと思っていたが、エフェンベルゲルとグループの活動に出逢ってはじめて、シュルレアリスムについて自分が実際に抱いていた考え がどれほど表面的なものであるか理解した。エフェンベルゲルは言葉の真の意味での導師である」(『シュヴァンクマイエルの世界』著者:ヤン・シュヴァン クマイエル/編集・翻訳:赤塚若樹/発行:国書刊行会/p65〜P66)"

 この本、持ってましたが、この記述は失念してました。

 ヴラチスラフ・エフェンベルゲル  "Vratislav Effenberger" で画像検索するといくつか作品が見られる。ダークなイメージの作品である。いくつか画集も出ているようなので、いずれしっかりと作品を鑑賞し、ヤン・シュヴァンクマイエルへの影響を分析してみたいものである。

◆ヤン・シュヴァンクマイエル作品におけるエヴァ・シュバンクマイエロヴァーの位置づけ

 冒頭に引用させていただいたヤンのエヴァに関する発言は、エヴァのシュールレアリスムのファンとして嬉しいw。

 シュヴァンクマイエル『Surviving Life』のスチルや予告篇を観ると、今までの作品との感触の違いを感じる。
 これは、まさにエヴァ・シュバンクマイエロヴァーの美術の不在が影響しているのかも。上の発言からも、今までのエヴァが美術を担当した作品は、二人の共作ととらえるべきなのかもしれない。

 特にエヴァのいなくなった影響は、色彩の違いが大きいように感じる。
 あと乱暴に言うと僕はシュバンクマイエルはコラージュ、エヴァは絵画というフィールドの違いが映画の肌触りに影響しているように思う。

 もう一つ思ってること。

 ヤン・シュヴァンクマイエルの著作の中には、いくつかエヴァの文が含まれている。そこで、二人の文章を読むと、シュヴァンクマイエルよりエヴァの方がさらに戦闘的シュールレアリストだと感じる(^^)。
 それを体現した彼女のメディアムドローイングの絵画(こちら
こちらを参照)のイマジネーションと色彩は凄い。

 シュールレアリスムの世界は、本当に惜しい方を亡くしたと思う。
 
 という趣旨をツイッターでつぶやくと、Tamaki Okamotoさんから下記のような情報をいただきました。

Tamaki Okamoto(@tmk_kmt)/2010年12月10日 - Twilog

"@butfilp あ、その戦闘的というか、ある種の激しさの源、生い立ちを聞いて、はっとしました。両親は兄弟たちを贔屓して、娘のエヴァには無関心だったそうです。唯一 両親がほめてくれたことは、彼女が幼少時から才能を発揮していた美術。兄弟たちはからっきしダメだったらしく。
 美術は、兄弟より優位に立てて、両親の関心を自分に向けてくれる唯一のものである ー エヴァが芸術家になる決意をした理由は、それがすべてだったと。びっくりしました。激しい原動力ですよね。ルイーズ・ブルジョワに通ずるものを感じますw"

 ヤン・シュヴァンクマイエルのトラウマは、幼少時代、食べ物を食べられなかったことらしい。対してエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーは両親と兄弟との人間関係。
 より後者の方が深く複雑かもしれない。それが戦闘的で鮮烈なシュールレアリスムを誘発したかどうかは、エヴァ亡き後、永遠の謎である。

◆関連リンク
当Blog過去記事
ヤン・シュヴァンクマイエル監督 新作長篇『Surviving Life』予告篇

GAUDIA EVAŠVANKMAJERJAN― 造形と映像の魔術師シュヴァンクマイエル展 幻想の古都プラハから
『GAUDIA(ガウディア)造形と映像の魔術師 シュヴァンクマイエル』
 エヴァのメディアムドローイングについて。

『深井克美―未完のランナー』 : Katsumi Fukai
 深井克美とエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーの関連について。

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