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2010年8月15日 - 2010年8月21日

2010.08.20

■感想1 デヴィッド・リンチ「DARKENED ROOM」展@コムデギャルソン大阪 Six

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鬼才デイヴィッド・リンチ監督の展覧会、大阪で開催
 (映画ニュース - 映画.com)

 リンチ監督が学生時代に製作した短編 映画とコミッションワークを収録したDVD「The Short Films of David Lynch」(2002)と、公式サイトで公開した短編映画をまとめたDVD「DYNAMIC:01-The Best of David Lynch.com」(07)の中から、12本(計約156分)を上映。本編の前には、リンチ監督による解説フッテージがついている。絵画は、2009年 に制作された本邦初公開7点を含む作品が展示される。

 大阪心斎橋コムデギャルソン大阪 アートスペース Sixで開催されているリンチ展へ行ってきた。

 約8×5m、40平方メートルくらいの会場の両側に2009年の絵画7点と、それらに囲まれた中央に約100インチスクリーン+30席のパイプ椅子の黒いカーテンで覆われた上映スペース。
 8/11火曜の平日に行ったが、上映スペースの客席は半分程埋まっていた。

 リンチの生々しい筆使いが脈打つ絵画に囲まれて、ほぼ初見で2時間半を超える短編映画12本を観る快楽に浸った(^^;。

 短編映画12本は実験的作品ばかり。白眉はAIFの奨学金で作られた"GRANDMOTHER"。処女作ではないが、以後のデイヴィッド・リンチ作品のキーイメージが内包されてる。暗闇に白く浮かび上がるエキセントリックな人物達が強烈な1本!
 絵画作品のモチーフもここにルーツがありそう。暗闇とそこに存在する幻影のように歪んだ人々。モノトーンに青のカラー等々。この映画を観たあと、会場でリンチ肉筆の絵画の筆使いに感嘆。

 短編映画は充実もしてたが、"LAMP"辺りは非常に過酷だった(^^;;。リンチの発音のしっかりしたあの声を聴きながら夢うつつで現実との境界をたゆたうのもまた格別(^^;)だったり。

 これをきっかけにパリのような大規模展が日本で開催される事を期待たい。

 各短編映画についてのメモを後日レポート2として報告予定。
 今週はここまで。

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2010.08.19

■感想 よしながふみ『大奥』1-5巻

  よしながふみ『大奥』

大奥 (漫画) - Wikipedia

治療法も見つからぬまま80年余りが経過し、病は『赤面疱瘡(あかづらほうそう)』という名で国に根付いていた。凄まじい勢いで減っていった男子の人口は、女子の約4分の1で安定した。そして男子はその生存率の低さから子種を持つ宝として大切に育てられ、女子があらゆる労働力の担い手となっていくのであった。

 よしながふみ『大奥』5冊、やっと近所のレンタル屋で借りてきた。
 ティプトリー賞受賞に納得。ジェンダーテーマのSFというだけでなく、ティプトリー作品に通ずる凄みがある。特に2巻クライマックスの<修羅の道>描写は奮える。大奥って、この本での男女の転倒も面白いけれど、そうでなくても場所としていまさらながら凄まじい設定だ(現実にあったというのがまた凄い。当時の政権の家系を絶やさないための子づくりシステム!)。

 そして『大奥』3巻。だんだんこの異様な世界が、一妻多夫の人類以外の生物の物語に見えてくる。この異質感はラディカル!!

 5巻まで読んだが、でもやはり1-3巻の吉宗篇と家光篇が白眉だ。あの世界が構築されていくところの面白さとその中で蠢く生物としての人間。その後は歴史改変の面白さだろうけど、3巻までのような人物描写の凄みが薄れている。

 映画は吉宗篇。ティプトリー賞対象は1,2巻のようだ(下記関連リンク参照)。

◆関連リンク
コミックナタリー - よしながふみ「大奥」、米のSF賞「ティプトリー賞」に輝く

ティプトリー賞の公式サイトによると、審査員は「疫病によって日本の若い男性の4分の3が死亡し男女の立場が入れ替わった、パラレルな封建社会の日本」という設定に惚れ込んだとのこと。 この設定を用いて、男女間の微妙なパワーバランスで成り立つ社会を巧みに描き出した、と評価している。

James Tiptree, Jr. Literary Award Council

We chose Fumi Yoshinaga’s Ooku, Volumes 1 and 2 as our Tiptree winner with some trepidation.  No one on the jury has read much manga; no one is an expert in Japanese history.  What we fell in love with was the detailed exploration of the world of these books — an alternate feudal Japan in which a plague has killed 3/4s of Japan’s young men.  In Ooku, the shogun and daimyo are women and much of the story takes place among the men in the Shogun’s harem.

The first volume (set in a later time period than the second) shows us a world in which men are assumed to be weak and sickly, yet women still use symbolic masculinity to maintain power.  The second volume focuses on the period of transition.  Through-out the two books, Yoshinaga explores the way the deep gendering of this society is both maintained and challenged by the alteration in ratios.

The result is a fascinating, subtle, and nuanced speculation with gender at its center.

 ティプトリー賞HPに記された受賞を紹介する記事。
 特に審査員に日本文化の専門家がいたわけでもないのに、ティプトリーに通ずる凄みが選者に伝わったのでしょうね。

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2010.08.18

■ヤノベケンジ×ウルトラファクトリー「MYTHOS ミュトス」展
 第2章「大洪水」@入善町下山芸術の森発電所美術館

Twitter / Fuke P-san: Kouzui by Kenji Yanobe

ヤノベケンジ洪水:発電所美術館にて、8月22日までです。想像を上回る凄さでした。 後ろでカメラマンが逃げてます。

 P3ksisさんがYoutubeにアップされた動画を紹介させていただく。
 この大洪水のダイナミックな姿には感動する。現場で体感した訳でないので、その本質はまだ僕には未知だけれど、この映像で雰囲気が伝わってくる。

◆関連リンク
学生レポート報告!プロジェクト学生は見た!ー富山編ー
 京都造形芸術大学ULTRA FACTORY Blog

 設営中の迫力の写真とレポート。
入善町の発電所美術館にてヤノベケンジ 大洪水 on Twitpic
 5トン! の水の迫力の写真。
第5回戦争と芸術ー美の恐怖と幻影展詳細
 ヤノベケンジ《アトムスーツ・プロジェクト:大地のアンテナ》2000,
 名和晃平《PixCell-Toy-Machine Gun》2009他。

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2010.08.17

■感想 諫山創『進撃の巨人』1~2

諫山 創『進撃の巨人(1)』  『進撃の巨人(2)』

 巨人がすべてを支配する世界。巨人の餌と化した人類は、巨大な壁を築き、100年以上の間、壁外への自由と引き換えに侵略を防いでいた。
 だが、名ばかりの平和は壁を越える超大型巨人の出現により崩れ、絶望の闘いが始まってしまう。

 諌山創『進撃の巨人』1,2巻読了。情動にねじれた絵と異様な設定、これはまさに奇想SF漫画ですね。時間感覚もねじ曲がっていて異質感を醸している。
 巨人の佇まいの異様さが特筆すべき。欧州風の街中を走っていく大小の裸の巨人の気持ち悪さは必見。
 今後、この世界の謎と、壁の外の幻想が壮絶になるのを期待。

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 僕がこれを読んでまず思い出したのがアイスランドのレイキャビックに現れた巨人。上の写真がそれ。一番右が『進撃の巨人』のコマ引用である。欧州の建物と巨人の大きさ、顔の表情がどことなく似ている。

◆関連リンク
現在進行中の黒歴史
 『進撃の巨人』の作者 諫山創さんのBlog。読者からの質問へ丁寧に回答されていたり、町山智浩さんがツイッターで自作について書かれたのを紹介したり、『ウォッチメン』の巨大イカについて述べられたり、なかなか興味深い。
Twitter / 町山智浩: 別冊少年マガジンの巻頭グラビア

別冊少年マガジンの巻頭グラビアは連載漫画のヒロインの水着イラストで、「進撃の巨人」のそれがもう……。

 月刊マガジンで噂の『進撃の巨人』水着ピンナップ見てきた。これはのけぞる。
 あの巨人がスクール水着を着ている。名札の佐伯って誰?と呟いたら、BitingAngle、青の零号さんに教えてもらった。 同じ別冊少年マガジンの『惡の華』の登場人物で、名札入りの体操服を盗まれるところから話がスタート。それをなぞったものらしい。ここに絵があります。
コミックナタリー - 狂気!別マガ水着グラビア集に「進撃の巨人」が参戦

特に「進撃の巨人」の巨人が水着をまとった、インパクト絶大なイラストは必見だ。

進撃の巨人 - Wikipedia
諫山創『進撃の巨人』1~2:夏目房之介の「で?」:ITmedia オルタナティブ・ブログ

この作家のうまいとはとてもいえない画は、たまに何が描いてあるのかわからないコマもあるほどで、マンガとしてもう少しうまければ、と思う場面もある。が、この「うまくない」ところが異様な迫力になっていることも確かで、ヘタにうまくなられるとこのマンガの面白さも失われるかもしれないと思わせる。

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2010.08.16

■感想 MAG・ネットスペシャル「アニメの革命児 金田伊功」

MAG・ネット アニメの革命児 金田伊功
(NHK公式HP, 一部MAG・ネット - Wikipediaより) 

 日本アニメの歴史に燦然と輝く天才アニメーター、金田伊功さんが亡くなって一年。 金田さんが生み出したテクニックは、多くのクリエイターたちに大きな影響を与えています。 番組では、その輝かしいキャリアを振り返り、彼が何を描こうとしていたのかを探ります。

出演者
金田牧子(金田夫人)、金田一雄(金田の父(写真))、金田昌子(金田の母)、庵野秀明越智一裕(アニメ監督)、小林治貞光紳也友永和秀野田卓雄(アニメーター)、氷川竜介村上隆飯島正勝(アニメ監督)、鍋島修亀垣一北野義宏スクウェア・エニックスデザイナー)、沼田誠也

放送日時:
2010年8/14(土)23:00〜24:00(BS2)
2010年8/23(月)23:15〜24:15(BS hi)

スタッフ
 ディレクター : 堀田尚志、平井正孝
 プロデューサー : 村中祐一 制作統括 : 吉田直久、富田満
 リサーチャー : 牛久保明子 取材 : 平田光雄、武井美穂

■総論
 非常に充実した内容だった。高密度で金田作画について1時間みっしり情報が盛り込まれ引用映像も多数。これを雑誌メディアでなくテレビで実現したのは凄いと思う。
 一級のアニメーターの仕事はもっと一般に注目されて、評価されるべきだと思うので、こうした番組は素晴らしい。アニメーターが注目されることで金銭的/社会的な位置づけも確立し、優秀な人材が集まるような好循環が(夢のようだけれど)実現すると良いので、この番組のような取り組みは拡大するといいと思う。

 ただし内容については、一方でマニアの自分は満足できないところも、、、(^^;)。
 いずれの情報も既に金田氏を特集した雑誌や番組(アニメ夜話『銀河鉄道999』のアニメマエストロのコーナー「アニメの魔術師金田伊功」)と内容的にはほとんど重複している。たぶんアニメージュと氷川竜介氏の仕事を参考にされたか、もしくは氷川竜介氏が構成にかなり関わられているかもしれないので、それら過去の記事等に基づいた部分が大部分を占めたからなのではないか。(スタッフクレジットには氷川氏の名前はない)

 今までアニメ界で金田氏について語られていることの定番・定説であるのかもしれないが、もっと新鮮な切り口での分析や映像も見たかったというのが、僕の欲張りな率直な感想。

 新情報としては、映画『ファイナルファンタジー』のイメージボードと、企画中だった作品『幕末黙示録』『残鬼伝』という作品のイメージボードとストーリーメモ,取材ノートが公開されたこと。
 特に前者は、金田氏のイメージボード(幻魔大戦の火炎龍のようなもの)とその動きが、アメリカ人のCG制作者に理解されず、映画に金田氏の意向が活かされていないということが紹介されていた。ここはCG映画で苦労されていた状況とともに、金田氏の動きの先進性をよく表したエピソードであると思う(もしかしたら2Dで考える日本人と3Dで考える西欧人の違い、そして金田映像の秘密の一端があるように思う。海外での金田作画は一定の評価をされているということは聞くが、実質どうなのだろうか、とか興味は尽きない。このあたり研究テーマになりますね)。

■番組メモ(twitterの実況ベース)
 以下は番組を見ながら僕がつぶやいた内容を一部整理して記載。
 荒い紹介だけど、BSが見られなかった方のなんらかの参考になれば、、、。
  " ・・・・ " 部分は番組内の発言の引用。見ながらタイピングしたので意訳(?)のところも多いのはご容赦下さい。

・まず999,ヤマト,ザンボット3,ナウシカの映像。
 村上隆"今後、偉人として残って行く天才"
 直筆原画数百枚。発掘された作画風景等の貴重映像。タイトルバックにザンボエースの銃を構えたところ。金田家の映像、牧子さんによる金田氏の仕事部屋。亡くなった時そのままの机。そして伝説の雲形定規が拡大される。

・友永和秀氏 "要求されたことを再構成して、視聴者にインパクトを与えるものを作っていた。僕は職人、彼は職人+クリエータとして突き抜けたものがあった"

・神源五郎の倒れる姿の原画による作画法の紹介。
 ザンボット、メカ・ブースト ガルンゲとの戦い。ダイターンの万丈ジャンプ。ザンボット空母メカ・ブースト ブウボンとの戦いシーン。ダイターンの銃を構えるシーン、レーザービーム、999メーテル星破壊シーン。

・金田氏の自由な発想ということでドンデラマンチャの絵コンテと映像。これが氷川氏のつぶやいていたDVD化されていない作品だろう。僕はこれを代表的に金田の個性を説明しようとすると何か間違った要素が強くなるような気が、、。コメディ部分、金田伊功のオリジナリティのひとつだが、僕は実はあまり評価できない。本来金田伊功が評価されるのは、演出でなく、アクションを中心とした作画だと思うので。

・庵野氏 ザンボットバスターの投げるシーンについてコマ送り映像の説明 "普通、こんな風につなげられない"。ナウシカのスタジオの想い出"金田氏と深夜話して金田さんが帰るとスタジオで寝ていた" "アニメは手を抜けばいいと言って、アニメが記号であることを熟知してやっていたのではないか"

・愛弟子 越智氏による雲形定規での作画の再現。テンプレートを動かしながら自分の欲しい線を引いていった。慣れない人にはめんどくさく時間もかかるが、金田さんは人物もこれで描いていた。早かった"

・牧子さんによる金田家の紹介。ベランダに力を注いでいた。よくベランダへ出てコーヒーを飲んでいた。朝晩は海を見ながらの歯磨きも。
 牧子さんが語る出会い。旅行好きの金田氏を旅先の写真で紹介。

・一周忌で仲間が集まったという宴会の映像。飯島正勝(政勝とクレジットされていたがこちらが正解)、鍋島修氏。"遊ぶために仕事するというのを教えてもらった" 。

・亀垣一氏"ここはバーンですね、といわれたらバーンと作画、そうやって教えてもらった"

・自衛隊の戦闘機乗りの父親に憧れて飛行機に乗りたかった話の紹介。お母さんの金田昌子さんも登場。そして視力を落として飛行機乗りの夢はついえ、次に『空飛ぶゆうれい船』の宮崎原画のゴーレムと戦車のシーンに憧れた。

・高校時代のスケッチブック紹介。例の鮎原こずえの絵ほか。いままでに公開されてなかった絵も出てます。
 野田氏"何年も原画描いてるみたいに線が繋がってないし、整理されていないように見える絵だった。だけどアニメーションに必要なことは全部入っているという絵"。ガイキングのシーン。

・氷川氏の預かった原画。"最終の画面がどういう気持ちで描かれているか。ブッチャーの指を描いているその筆致から金田氏本人(の個性)が出てくる"。

・氷川氏が語る秘密。"時間にも細工、ひずみが埋め込まれている"。ブライガーのコマ分析。22121121のコマ運び。独特のギュギュギュ感。作画マニアはこの数字の羅列で奮えます(^^;)

・氷川氏 "テレパシーのように気持ちが伝わってくる。アニメっていうのはそこまで行けるんだ、と思わせてくれた功績" そしてブライガーOPのノンクレジット版。
 筆致によって金田氏の込めた気持ちが伝わるというのは、まさに僕(BP)はそれが芸術だから、だと思う。優秀な芸術はアーティストの心の動きを活き活きと観客に伝えられる。

・村上氏"メーテル星の崩壊シーンで初めて金田氏を知った。今まで見たことのないビジョン。人生が変わるくらいの経験。たぶんダンサーのダンスのようなリズム感に感動"。それってまさにアートですね。

・村上氏"ヒロポンとロンサムカーポーイ。金田氏の爆発の形を立体造形にした。西洋は2Dを理解できない、3Dであることが重要。それでわかってもらおうと思って立体造形にした。なんとか彼の天才に近づきたいとコピー。僕の作品もコピー。なんとかトレスしたい。アニメ界にとって、金田氏は歴史として残っていく偉人であり天才"

・幻魔大戦の竜。海外でも認められていった。アニメージュの特集と画集本の紹介。アニメータへこれだけスポットが当たることはなかった。ファンクラブ発起人、会長の小林治氏"自分の良いと思ったものを皆に知ってもらおう" "手がリアル、かっこよかった"

・で『パース』紹介。ラサは牧子夫人がモデル。ファンの期待高まった。監督は貞光氏。バース制作時の作画風景のビデオ。冒頭のラサとイノガニックのチェイスシーン。そしてあらすじ。しかしストーリーがわからないと批判された。OVA売上げは予想の半分。

・貞光氏"監督は自分だったが金田氏の作品。金田氏は口出ししすぎたので、次は任せる、と言っていた"。金田氏"自分として50%の出来"と言っていた。

・宮崎駿に誘われジブリへ。
 庵野氏"自分を使ってくれる監督を求めて、救いを求めて宮さんのところへ。良かったのか悪かったのか、、、" ラピュタの頃の宮崎と金田の打ち合わせ。原画頭のポジションと仲間との関係。

・友永氏"あの人(金田)の原画は宮崎さんでもいじれなかった"。
 越智氏"金田氏は、宮崎氏の要求が高くて辛かったが、自分たちのやってる作品に納得ができるからここでやっていると言っていた"

・ジブリを離れて90年代に再度テレビアニメに戻ろうとした。越智氏 "原画が手を離れてからなかなか戻ってこない" ようになっていった。そしてCG映画『ファイナルファンタジー』のハワイへ。牧子さん"3Dがいいか2Dかは行って判断すると言っていた"

・映画『ファイナルファンタジー』では特殊効果担当した。CGデザイナー北野氏 "ドラゴンのイメージを描いて米人に渡してもその動きはあり得ないとなってしまった"。ほとんどの金田案のイメージボードは活かされず、出来上がった画面は金田らしさがなかった。

・そしてファイナルファンタジーXIIIの召還シーンの映像。ようやく金田アクションがCGと融合しつつあった。しかしこれが遺作となってしまった。

・亡くなる寸前。牧子さん"前日まで仕事をして、新しいやり方を思いついた、と嬉しそうに言っていた"
 飯島氏"60になったらスクエア止めて、新しいアニメートを見せてくれると言っていたのに、おじさん嘘つき"。

・企画中だった作品のイメージ画と取材メモ。幕末黙示録と残鬼伝。10年以上前から日本の神社仏閣を取材していた。そのビデオ。取材ノートは、相変わらず金田氏らしくアイドル(SPEED)の表紙のノート(笑)。

・アニメ界に残る金田氏の遺伝子について。雲形定規を使うアニメータ沼田誠也氏。火炎龍にリスペクトされたシーンの紹介と雲形定規を使ったラサの作画。

・そしてラスト。金田氏の遺影。

■twitterでの放映後の僕のつぶやき。
 お相手いただいた方、ありがとうございました。

・手で定規を動かしていって、頭の中のイメージ線にあったところで、サッと鉛筆の線を入れていったのでしょうね。

・雲形定規、金田氏のシンボルではありますが、あくまでもあの絵は金田氏の脳内イメージと身体性から来ているものでしょうね。その秘密は氷川氏が言うように原画の筆致からしかもう解析できない。生前に御本人に徹底インタビューがなされていたら、もっとその秘密がわかっただろうに。

・動画王のインタビュー記事が金田氏のコメントとしてかなり引用されていた。

・村上隆氏は自身のヒロポンとロンサムカーポーイは金田イメージの立体コピーと言い切った。何億円(でしたよね)もする作品をコピーと言っていいのかな。村上氏の考えるオリジナリティは?
 アーティストとして自分の根っこの作品を否定しても、金田氏を讃えている所は凄いと思う。

・記号性/デザイン性が高かったので、雲形定規のように、金田氏の手の動きをモニタ上の線として変換するCGツールさえ進化してたら、もっと活躍は拡大していたかもしれない。

2010.8/29追記
◆ハイビジョン版「アニメの革命児 金田伊功」
 2010年8/23(月)23:15〜24:15(BS hi)を録画してハイビジョンの大画面で観てみた。
 残念ながら、名場面シーンはフィルムからキャプチャーしたハイビジョンでない。たぶんDVDからのアップコンバートだろう。いずれも細部がボケている。
 取材映像はしっかりハイビジョンなんだから、しっかりフィルムからテレシネしてハイビジョンデータとしてデジタル化してほしかった>>NHK。

 まあ原画だけでもハイビジョンで撮られてたから良しとすべきなんだろうが、特に『銀河旋風ブライガー』なんて今後ブルーレイディスク化の可能性も低いだろうし、せっかく番組のために35mmフィルムまで用意したのだから、ハイビジョン化してほしかった。流れたノンテロップ版もなんか画面が白くとんでいて、しかも細部が観にくい。きっとフィルムも劣化しつつあるだろうから、日本の文化遺産保護の観点でも是非お願いしたかった。
 いい番組だっただけにハイビジョンも期待したけれど、この点は重ね重ね残念。

◆関連リンク
「金田伊功を送る会」専用掲示板
今夜!「MAG・ネット スペシャル アニメの革命児 金田伊功 」: 氷川竜介ブログ

収録は終わっていて、予定どおり「金田アニメの秘密」について、とある方法でお見せしたものが写る予定です。

金田伊功さん、一周忌: 氷川竜介氏ブログ
ファイナル・ファンたじたじ - 会長日記

そう言えば、昨日レンタ屋さんで、新作FFのデモ映像を見ました。 おそらく彼のやってたコンテ部分のカットを幾つか見かけて、足を止めてしばらく見てました。

 金田牧子さんのコメント。この後、私もコメントを書き込んで少しだけネットで会話させていただきました。
Twitter / さべあのま

そういえば、某所でも金田さん参加の巨大ロボット・アニメの夢の企画もありましたなぁ…。冗談でキャラデザ振られて嬉しいような困ったような覚えが。(笑)マジで夢の様。

 さべあさんキャラを金田さんが動かしたら涼しげないい映像になりそう!

当Blog記事
池谷裕二 『進化しすぎた脳』 感想 3 + α
 アニメーター磯光雄と金田伊功と脳の構造の関係

ガイキングオープニング 金田伊功の作画の進化
東京都現代美術館『スタジオジブリ・レイアウト展』カタログ図録
 宮崎駿 金田伊功 大平晋也のレイアウト画

感想 スタジオジブリ・レイアウト展 @ 松坂屋美術館
THE ANIMATOR 1/YOSHINORI KANADA*金田伊功特集号
 とその後の金田伊功作品についてのメモ

天才アニメータ/アーティスト 金田伊功さん 逝去
金田伊功FOREVER ― IK YOSHINORI KANADA
金田伊功を送る会 リンク集
BS アニメ夜話 『銀河鉄道999』 1/3が金田話。
金田伊功 絵コンテ原画『2001夜物語』「地球からの贈り物」
金田伊功を送る会 2009.8/30 杉並公会堂大ホール
第13回文化庁メディア芸術祭 特別功労賞 金田伊功氏
『アニメージュオリジナル Vol.5 特集・金田伊功』
金田伊功の遺作 スクウェア・エニックスでの仕事 
金田伊功イラスト『無敵鋼人ダイターン3』DVD&ガイキング『Oh! my god』


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