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2010年9月5日 - 2010年9月11日

2010.09.09

■フランソワ・ヴォーティエ リドリー・スコット『ブレード・ランナー』を使った現代アート

Photo_2

CIA☆こちら映画中央情報局です: リドリー・スコット監督のSF映画の金字塔「ブレード・ランナー」の全カット=16万7,819コマを使った現代アートの幻想的なトリビュートの実験ビデオ!!

"フランスのアーティスト、フランソワ・ヴォーティエさんが、リドリー・スコット監督が1982年に発表した、フィリップ・K・ディック原作のSF映画のカルト作「ブレード・ランナー」の公開25周年を記念して作られたファイナル・カット・バージョン(2007年)の全カット=16万7,819コマ(上映時間:1時間51分52秒)を抜き出して、不思議な次元を作り出した実験的な映像芸術をご覧下さい…!!"

 これはなかなか凄い。是非、リンク先で鑑賞下さい。
 音楽はヴァンゲリスのサントラから、映像は『ブレード・ランナー』の全コマをフィルム形状にして使用。白い光る箱をガイドにブレランの世界を縦横無尽に駆け抜ける4分13秒。

 これを3Dで観たくなったのは僕だけではないはず。
 こうした奥行きをうまく使用した映像は立体映画で見ると、その世界への没入感が全く違うと思うのだ。

◆関連リンク
フランソワ・ヴォーティエ : françois vautier の他作品
 フランスのアーティスト、フランソワ・ヴォーティエには、こんな作品がある。
 いずれも重層的に映像を加工した作品。
 ・arte thema "BOWIE" on Vimeo デイヴィッド・ボウイのこれもい
BLADE RUNNER revisited: 3.6 gigapixels by François Vautier.

"  This film was made as a unique picture with a resolution of 60.000 x 60.000 pixels (3.6 gigapixels)     It was made with 167,819 frames from ‘Blade Runner’.
1>first step : the “picture” of the film
I extracted the 167,819 frames from ‘Blade Runner’ (final cut version,1h51mn52s19i)     then I assembled all these images to obtain one gigantic image of colossal dimensions : a square of approximately 60,000 pixels on one side alone, 3.5 gigapixels (3500 million pixels)
2> second step : an illusion
I placed a virtual camera above this big picture. So what you see is like an illusion, because contrary to appearances there is only one image. It is in fact the relative movement of the virtual camera flying over this massive image which creates the animated film, like a film in front of a projector."

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2010.09.08

■村上隆氏 ベルサイユ展 "Exhibition by Takashi Murakami in the Château de Versailles"
 小林治監督 短編アニメ「Six Hearts Princess」

Takashi_murakami

Takashi MURAKAMI "Oval Buddha Silver 2008", "Tongari-Kun 2003 - 2004", "Flower Matango (d) - 2001 - 2006"

"Exhibition by Takashi Murakami in the Château de Versailles"
 村上隆氏のヴェルサイユ宮殿での個展HP。
 荘厳な宮殿に、村上氏の現代アート作品が展示される。上の公式サイトからの引用写真、このヴィジュアルはなかなか衝撃的。
 現地で、実際にあの巨大な建物と広大な庭園の中で、村上作品を観た時に、どんな脳内イメージが沸き上がるか、興味津々。

Togetter - 「ベルサイユ宮殿で上映される村上隆制作の新作アニメに関するツイート」
 そしてこの展示会で上映される村上隆氏の短編アニメーションに関する情報。
 村上隆氏twitter(takashipom)のつぶやきより以下スタッフ等、情報をまとめてみた。

プロデューサー : 竹内 宏彰
監督 : コバヤシオサム
構成 : 山下卓  監修 : 佐藤順一
振り付け : 前田健  キャラクターデザイン : mebae
オープニング : TYOアニメーション エンディング : シネグリオ
上映時間 : 約5分

"(現在進行形)今は最後の編集作業。ほんと、フィルムを造るって、命、捧げないと出来ないなぁ〜って。短編なのに思うのです。

開発中の画面

これで長編の制作等始まってしまったら、どうなるんだろう、、、と、びびるのです。「INOCHI」というプロジェクトの頃から、渡航直前まで編集スタジオに入って、そこから旅立つ機会が増えました。

昔は「インフェルノ」という編集機が魔法の玉手箱でしたが、今は「フレーム」と言うのになったらしい。いつも編集機の前でしかあれこれ出来ないので すが、今回ははじめて手描きのアニメーション現場、もろに体験させて頂き、普通に見ている手描きアニメがいかに天才級か実感。

McGとのプロジェクトからPrincessモノ、やろうね、って言ってて、そういうもんです。ヴェルサイユ宮殿で日本式のアニメ、上映します。"

 ベルサイユの上記公式HPには、小林治さんのアニメに関する情報はまだ載っていないみたいである。それにしても上のポップアート作品もだが、小林治さんのPrincessモノのアニメが宮殿で上映されるというのも、なんだか凄い。
 フランスでは日本文化が若者の間でクールだと評価されているようだが、現地では下記リンクにあるような批判的な動きもあるようだ。
 短編の完成と現地での評判が楽しみだ。

◆関連リンク
村上隆さんが仏ベルサイユ宮殿で回顧展開催 - Ameba News [アメーバニュース]

" フランス、ベルサイユ宮殿で2010年9月12日から12月12日にかけて、現代美術家・村上隆さんの回顧展が開催されることがわかった。仏メディアが報じた。  2008年のアメリカの美術家ジェフ・クーンズ氏、2009年のフランス人アーティスト、グザビエ・ヴェイヤン氏に続いて開催される回顧展となる。ベルサイユ宮殿の15の部屋を使って、多数の絵画や彫刻を展示する。"

・ベルサイユ宮殿美術館、2010年は村上隆展を開催 写真8枚 国際ニュース : AFPBB News

"村上氏には国際的なカルト的人気があるが、色鮮やかで大胆なスタイル、そして時に陽気なひわいさも含んだ作品は、ベルサイユ宮殿美術館の伝統を重んじる来場者を怒らせる可能性もある。"

・時事ドットコム:ベルサイユ宮殿での村上隆作品展に反対運動=フランス

" 村上氏はベルサイユ美術館のサイトで、「ベルサイユ宮殿は西洋の歴史の偉大なシンボルの1つだ。私の想像の中のベルサイユは、一種の完全に分離された非現実の世界となった。それが私が今回の展示会で表現しようとしたものだ」と語っている。"

・OSAMU-NO-VISION-OF-DREAM

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2010.09.07

■ふらっとアニメーション トークイベント1 CALF in 春日井

Vert

pigeon-label - ふらっとアニメーション

"トークイベント1〈入場無料〉
今、最注目のアニメーションレーベルCALFの作家お二人によるトーク&上映会です。
平成22年9月4日(土) 17:00〜
場所:文化フォーラム春日井・交流アトリウム
ゲスト:大山慶・水江未来(CALF)
飛入りゲスト : トーチカ ナガタタケシ,モンノカヅエ(CALF)
進行:吉田雅彦"

 ふらっとアニメーショントークイベント1 CALF in 春日井。
 吉田雅彦氏の司会のもと、大山慶氏,水江未来氏と、あいちトリエンナーレで来名古屋のトーチカ ナガタタケシ氏,モンノカヅエ氏を加えた、彼らのアニメーションの秘密に迫るトーク。
 写真上は右から大山,水江,吉田の各氏。中央は会場の大画面に映し出された「HAND SOAP」メイキング映像。下は右からモンノ,ナガタ,大山,水江の各氏。

 まずは今回の上映作品をダイジェストで流しながら各作家についての紹介。
 僕はこのあたり作家さんの情報をほとんど持っていないので、とても参考になった。で、生来のメモ魔の血が騒ぎ13ページ(^^;)メモ。

 続いて、今日の本題であるCALF in 春日井。CALFの設立目的から現状についての説明。大山氏が述べた「DVDだけで生計は立たないが、短編アニメで将来売れるような状況を作り出すための、遠い未来のための起爆剤にしたい」という言葉が印象的だった。
 iTune、Youtube、USTといったネットメディアの発達に対し、アニメーションは言語に頼らないコミュニケーションが可能。市場を世界に求めて、広く薄く世界から収益を得るようにして、遠い未来と言わず短編作家が作品だけで食える状況が早くできることを切に願います。

 そして各作家の技法について。
 トーチカの技法は以前に(デジスタ?)見たことがあったのだけれど、ビデオで初めて見る水江未来氏,大山慶氏のメイキング映像は自分にとって新鮮で貴重だった。
 水江氏「PLAY GROUND」は、紙にシャープペンの手描きで緻密な細胞群を描き込んでいく。そしてその紙を水彩で着色。特に紙が水で縮むのを重要な手作り感の演出に使っているというのがポイント。ディジタルでそれらしい処理を入れることも出来るのだけれど、あえて手描きにこだわっているとのこと。
 「MODERN」はビル群をシャーペンで描き、色はPCで炭の絵を重ね手描き感を出した。それにより6000枚を2ヶ月で制作。従来の全手塗りだったら1年はかかっていたとのこと。
 アニメーションの、膨大に時間のかかる映像に打ち込む作家の姿勢。あの細胞を連続して描くということの、気の遠くなる作業に思いを馳せてしまった。

 そして大山氏の「HAND SOAP」のメイキング。
 皮膚とか、カサブタとか、お母さんの髪の写真をストックしておいて、それをテクスチャーとしてPC上で貼付けていく。デジタルだけれども、こちらもとても根気のいる手作業だ。
 「HAND SOAP」のあの男の子の顔は、メイキング用で描いた時は、1枚を完成させるのに1時間かかったとのこと。丹念に皮膚のテクスチャー他を作家が自分の脳内イメージに合うところまで、チューニングしていく様が画面に映し出されていた。
 そして背景へのこだわり。
 静止画をただうしろに置くのでなく、数枚の背景を用意してそれを入れ替えて、フワフワと動くようにする。画面には他にも吐く息とか別のノイズも入れて、ゆらぐようなフィルムを狙っているということが語られた。
 いずれもハンドメイドな雰囲気の熟成がキーワードのように感じた。

 そんな話が続いた会場は、夕日が落ちて黄昏れ闇が迫る。
 闇の中で、大画面モニタに映像として映るトーチカのPiKAPiKAの光がとても美しくはえる。この周囲の黄昏と語られる言葉と映像の混ざり合う瞬間。何故かその瞬間が、子供の頃の夕暮れの感覚を思い出させて、映像を見る極上の一瞬を感じた。

 という感慨に並行して、トークは続く。
 大山氏の話でもうひとつ興味深かったのは、子供時代(中3)に、近所にあったパイオニアのLD視聴コーナで、シュヴァンクマイエルの映像と遭遇した話。偶然観たとんでもない映像にショックを受け、脳に仕舞ってあった。そして映像作るようになって再開し、あっあの映像だ! となった。
 「自分の作品もたとえばヨーロッパで15歳くらいの少年に観られて、あれはいったい何だったんだろうとひっかかりを持たせられたら」と語る大山氏。きっとあの衝撃的な映像は、次世代のアートアニメータを何人も生み出す起爆剤になっていると思う。

 僕は「HAND SOAP」を観て、シュヴァンクマイエルやクエイのような実写+コマ撮りの作品も構想されないのかな、と思った。劇場作品として日本でもそんな作品が撮られるのを夢想しつつトークを聞いてた。あの手法は日本では馴染みがないかもしれないけれど、アートアニメをエンターテインメントとして劇場上映へ持ち込んでいくのには優れたアプローチであると思うのだけれど、、、。

 以上1時間半に及ぶトークショーのエッセンスを簡単に紹介してみた。
 今回、twitterでイベントに集まる作家さんの様子(徹夜明けで新幹線を乗り過ごすんじゃないか、とか)を読みつつ参加したので、なんか妙に普通の展覧会と違うリアルな体験をすることができた。手に汗握りながら、、、(大げさ(^^;))。
 吉田さんはじめスタッフの皆さん、それからCALFの4人の作家の方々、たいへん充実した時間をありがとうございました!

◆関連リンク
DVD > 水江未来作品集 - 水江未来作品集 - CALF インディーズレーベル
DVD > TOCHKA作品集 - トーチカ作品集 - CALF インディーズレーベル
LOVEトリーズ

"09/23(木):トリエンナーレスクール no.5(ゲスト:トーチカ
時間:18:00 - 19:30
場所:ATカフェ"

 トークショー会場でトーチカの御二人から配布されたチラシより

"<PiKAPiKA>ワークショップ開催。
先着50名限定。それ以上は見学可。
ATカフェ:地下鉄「伏見」駅下車。1番出口より北東へ徒歩3分"

当Blog関連記事
映像作品のインディーズレーベル「CALF:カーフ」誕生!
あいちトリエンナーレ2010 Huang Shih Chieh, Zhang Huan, TOCHKA

 

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2010.09.06

■感想 ふらっとアニメーション@文化フォーラム春日井・ギャラリー

Photo

pigeon-label - ふらっとアニメーション

"ふらっとアニメーションでは、いつでも気軽に”ふらっと”立ち寄っていただけるよう、3つのテーマでそれぞれ1時間ほどのプログラムを繰り返し上映します。 いくつかの作品は原画やイメージボード、アニメーション装置の展示も行います。 また、CALFのメンバーをお招きしてのトークイベントや、地元出身作家の岡田昭憲さんによるアニメーションの作り方の解説やアニメーション装置を紹介するトークイベント、ワークショップなども開催します。

ますます注目を集めるアニメーションの世界を様々な角度からお楽しみください。

■開催日:2010年9月4日(土)~9月12日(日)
■時間:10:00~17:00
(土曜日のみ20:00まで、入場は終了時間の30分前まで)
■会場:文化フォーラム春日井・ギャラリー
■アクセス: 愛知県春日井市鳥居松町5丁目44番地"

 企画・監修の吉田雅彦さんのtwitter(pigeon_yoshida)で知って、9/4初日に行ってきた。
  全31本の作品上映と、各作品の原画、絵コンテ、イメージボード、素材(人形、切り絵)等々による多角的なアートアニメの展示。動画作品のリストは、上記リンクをご覧下さい。
 以下、展示品をリストアップ。

・植草 航 『向ヶ丘千里はただ見つめていたのだった』 イメージボード 1点, 背景 2点。オリジナルイラスト 7点
・岡田 昭憲 『時の灰』 イラスト 1点, 人形 4点,  セル 4点
・水江 未来 『PLAYGROUND』『MODERN』 原画 多数(数百(千?)枚の束)
・新海 岳人 『ステイタス』『山と人』 構想メモ、絵コンテ 多数
・西島 真弓 『環境レストラン』 原画 11点
・北村 愛子 『服を着るまで』 イメージボード 3点, 原画 9点
・岡本 将徳 『パンク直し』 『ばあちゃん-GRANDMA-』 切り絵素材 数点

 最近の日本の自主制作アートアニメの動向を一望できる素晴らしい展示会になっている。
 今日はお客さんが少なかったけれど、東海地区の自主映像ファンの方は是非。
 会場はゆったりしてて図書館もあってなかなか快適!

 僕は、<地域>パートは残念ながら2本くらいしか観られなかったけれど、他は全て観た。全部で3時間は会場のスクリーンを観て充実。

 特に作品では、奥田昌輝『くちゃお』の絵本のような自由な作画でぐにゃぐにゃ動くキャラクタとか、和田淳『わからないブタ』のシュールレアリスムな物語と映像、『向ヶ丘千里はただ見つめていたのだった』の斬新な2Dアニメ描写、水江未来 『PLAYGROUND』『MODERN』の超絶手描き抽象映像、大山慶『HAND SOAP』の退廃的な叙情映像に痺れた。

 いずれの作品も若い作者が多いためか、現代的な空気を感じさせて、僕のようにひさびさにこうした上映会に足を運んだファンには、隔世の感もあるが、いろいろと考えさせられる点もあった。
 特に以前のこうした上映会の作品にくらべて、さわやかな情感を表現した作品が少なくなっているように思った。多くなっているのがシュールな情景を重いタッチで描いた作品。僕としては好みの作品なのだけれど、、、。
 サンプル数としては、僕の眼に触れている作品って、そんなに多くないので、たまたまの傾向なのかもしれないが、作品たちがある痛みをともなって迫ってきたような気がするのだけれど、どうなのだろうか。

 17:00〜開催されたトークイベントについては、明日、掲載。

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