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2011.03.30

■神山健治監督『攻殻機動隊 S.A.C. SSS 3D』3D技術

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 画像は、YouTube - PH9 さんのチャンネルより引用。

 『攻殻機動隊 S.A.C. SSS  3D』の3Dの秘密について解析しようと思って、Youtubeで公開されている3D予告篇を平行法で表示し、50枚ほど画像キャプチャして分析してみた。
 そして驚いたことに、劇場であれだけ感じた2Dー3D変換による手描き原画部分の3Dが、予告篇にはほとんど収められていないことに気づいた。

 引用画像を見てほしい。
 上2枚が新作として既存シーンに追加されたCG。下2枚が既存、手描き原画シーン。既存手描きシーンであれだけ立体視できていたのが、実はこの下2枚は立体視できる絵ではなく、左右ともに同一の画。

 その根拠は、よく見てもらうとわかるが、上2枚は明らかに手前のCGと背景で、左右にズレがある。以下に上から1,2,3,4と名付けて以下解説する。各画像をクリックで拡大して見てほしい。

 例えば1の黄色タチコマの右中脚とバトーの鼻の位置。あきらかに右の画像は、脚が鼻に対して、右へズレている。赤色タチコマの左前脚と背景の白い部分の位置の違いも明らかである。
 2についても、明確に2つの弾丸と背景の高層ビルとの位置がズレている。
 これらはこの両眼のズレにより、立体感を獲得している。

 次に既存手描きの下2枚。
 3と4を背景との位置関係でいくら詳細に眺めてみても、ズレは見当たらない。
 PCのソフトがなくて、実施していないが、たぶん半透明にして左右画像を重ねてみても、ズレは見つからないだろう。

 つまりこの2枚は、2Dー3D変換による立体視処理は成されていないのだ。
 特に3.サイトーのライフルをかまえたシーンは、これだけの遠近感が描写されているので、3D変換されていれば、左右画像のズレは相当大きいだろう。

 他の50枚についても、全部を詳細に見えたわけでないが、ざっと見るとほぼ同様。既存手描きシーンのズレが見つからない。

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 素子や荒巻の髪がかなり立体視できたはずのに、このシーンに左右のズレがない。
 前の3,4はスピーディなシーンなので、3D化しなくてもOKと判断された可能性がある。現に映画館でもじっと眼を凝らしていたが、切替が早く3,4シーンでは立体視を確認する余裕がなかった。
 だが、この素子の画像、このシーン自体は細かく記憶していないが、これいったシーンは髪の立体感があったはずなのに、何故か予告篇には見当たらない。

 予告篇には何らかの理由(間に合わなかった or ノウハウの隠蔽?)で2Dー3D変換シーンが入れていないのか、それとも実は僕が確実に立体視できると思った2Dー3D変換シーンは、極一部だったのだろうか。

 これは、もう一度、観に行くか、それとも3D-Blurayを待つしかない。

 既存原画シーンでどなたか左右の画像のズレを発見したらどの動画の何秒の所かご教示を。

 『攻殻機動隊 S.A.C. SSS 3D』の2D-3D変換はIMAGICAが担当しているようだが、IMAGICAのHPでは3D変換は簡単に紹介されているだけで技術詳細は不明。
 下に示した攻殻メイキング本にはIMAGICAスタッフのインタビューが掲載されているらしいが、残念ながらわが町の書店にはない(泣)。今度、どこかで見てきます。

◆2D-3D変換関連リンク 
「劇場版3D あたしンち 」3D化にキューテックとグラフィニカ

" 3D映像には派手なVFXを用いた作品、3DCGアニメーションに対して用いられることが多い。また作品の題材も、SFやファンタジー、アクションに偏りがちだ。今回は、ファミリー向けの日常感溢れるストーリーで、手描きの2Dアニメを立体視化する試みも注目される。
 こうした2D作品の立体視化に挑戦するのが、キューテックとそのグループ会社のグラフィニカである。キューテックは、『劇場版3D あたしンち 情熱のちょ~超能力♪母 大暴走!』で撮影、3D変換、編集作業を2社で手掛けることを明らかにしている。

 世界では関心の高い3Dの技術だが、国内アニメを3D化する技術を持つ企業は必ずしも多くない。キューテックとグラフィニカはそうした数少ない存在である。
 この技術は今年3月に行われた東京国際アニメフェア2010でも披露されている。バンダイナムコグループが出展ブースで紹介した3DCGアニメ『ヒピラくん』の3D化は、キューテックによるものである。
 また、GONZOが自社ブースで紹介した『ブラスレイター』、『ラスト エグザイル』の3D版もキューテックとグラフィニカが行った。ここでは2Dのセルアニメーションを立体視化する技術が注目された。『劇場版3D あたしンち 情熱のちょ~超能力♪母 大暴走!』でも、これと同じ技術が用いられることになるだろう。"

In-Three
 ティム・バートン『アリス・イン・ワンダーランド』を手がけたスタジオ。
株式会社キュー・テック 3D技術
グラフィニカ

"3D立体映像: 3DCG技術を駆使し、アニメーション・実写等、ジャンル問わず立体映像化に対応しています。 キュー・テック 3D編集スタジオと連携し、トータルコーディネーション提案が可能です。"

・2D/3D変換技術の活用 : 第三の革命 立体3D映画の時代 (大口孝之氏 映画.com)

"(1)レイヤー分解と画素ずらし
(2)デプスマップとディスプレイスメント・マッピング
(3)3Dモデリングとプロジェクション・マッピング
(4)ボクセル化による半自動処理
(5)自動変換"

 2D-3D変換技術について、やはりこの分野の技術解説は大口孝之さんの独壇場(^^;)。
 たぶん『攻殻機動隊 S.A.C. SSS  3D』2Dー3D変換は、このうちの(1)(4)のどちらかではないかと考える。たぶん(1)では。

 2D-3D変換は、元々脳内で一眼で見ていても、平面画像を立体に処理する脳の機能が働いているので、その原理をデジタル処理に置き換えて、利用していると考えられる。特に(4)とか。
 画像認識の原理解析でもっといろんな手が打てるかもしれない。

◆関連リンク
『攻殻機動隊S. A. C. SOLID STATE SOCIETY 3D OFFICIAL MAKING』
『攻殻機動隊S.A.C. ぴあ』
神山 健治 (著), 春日 康徳 (著) 『攻殻機動隊S.A.C. SOLID STATE SOCIETY』
『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society O.S.T』

当Blog過去記事
神山健治監督 『攻殻機動隊 S.A.C. SSS』真犯人の謎解き   STAND ALONE COMPLEX Solid State Society

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コメント

ありがとうございます。
本当に、凄い方々からコメントを頂いてしまいました(^^;
ますます気を抜けません(笑)
こちらこそよろしくお願いいたします。

ヒピラくんは、内容がみじか過ぎるのがアレですが、立体感は良いと思います。
海外で評価されるだけの事はあると思います。

投稿: 3D3D3D | 2012.05.04 02:01

 3D3D3Dさん、こんにちは。
 こちらこそ、御返事が大変遅れて申し訳ありません。

>>現在発売されているセルアニメの3Dはキュー・テックによるトリコ、ベイビープリンセス、サイバーフォーミュラ等があります。

 情報、有り難うございます。
 株式会社キュー・テック、『ヒビラくん』の2D-3D変換もやられているのですね。興味深いです。

 あとリンクいただいていたHP、拝見しました。
 こちらも3D映像について、たいへん興味深い記事を書かれていて、参考になります。

 特に下記の記事。
 3D3D3D -ステレオ3D情報ブログ- : 「タイタニック3D」初見レビュー

 あの特殊映像研究家の大口孝之さんによるコメントと実際に『タイタニック3D』の2D-3D変換を担当された青木洋一郎さんのやりとり、貴重な情報ですね。

 今後とも、参考にさせていただきます。
 よろしく御願い致します。

投稿: BP(3D3D3Dさんへ) | 2012.05.01 10:24

大変返信が遅くなってしまいました(^^;

現在発売されているセルアニメの3Dは、キュー・テックによるトリコ、ベイビープリンセス、サイバーフォーミュラ等があります。
ベイビープリンセスは特にアバンが良く出来ていて、トリコもなかなかです。
サイバーフォーミュラはイベントでオープニングを観ただけですが、昔のアニメがしっかり立体になっていました。
本編はオープニングほどでは無いという噂ですが。

他にセルアニメの3DはOLMデジタルによるイナズマイレブンシリーズがありますが、残念ながら3Dは未発売です。
3Dクオリティは、結構ムラがあります。

それから、劇場版3Dあたしンちが5月に発売になるようです。
観たこと無いのですが3Dがなかなか良さそうなので、買おうと思っています。

投稿: 3D3D3D | 2012.03.16 13:03

今だ、他は未見です。
いいのがあったら、ご教示ください。

投稿: BP(3D3D3Dさんへ) | 2011.11.08 07:03

初めまして。
その後、2D-3D変換のアニメはご覧になりましたか?

投稿: 3D3D3D | 2011.11.01 22:30

 coldcupさん、ありがとうございます!!

 たしかに作成いただいたGIFとPNGは、ズレがありますね。

 じっと眼をこらしてみて、ズレていないと判断したのですが、この方法での確認という手がありました!! 私の分析は、とても愚かでした。

 こうして補足いただいて、たいへん嬉しいです!!

 作っていただいた映像をみると、映画を観た時に思ったのですが、どうやら、映像を左右に圧縮/拡大することでズレを生み出しているように見えますね。
 これだと確かに手前の人物で隠れていた背景を新たに描く必要がなく、簡易に3D変換ができそうですね。

投稿: BP(coldcupさんへ) | 2011.03.30 23:28

手元で比較してみましたが、CG部分よりもかなり抑えめにですが立体視処理されているようです。
以下GIFアニメ化したもの。
20110327_191335.gif (GIF 画像, 640x358 px)
20110327_191459.gif (GIF 画像, 639x358 px)
素子さんも半透明で重ねるとわずかにズレています。
20110327_190754-2.png (PNG 画像, 640x363 px)

投稿: coldcup | 2011.03.30 09:59

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