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2011年5月15日 - 2011年5月21日

2011.05.20

■サルバドール・ダリ美術館@フロリダ : Salvador Dali Museum St Petersburg Florida

Salvadoredalimuseumstpetersburgflor

Salvador Dali Florida - Google画像検索
 サルバドール・ダリ美術館@フロリダ。知らなかったけれど、今年の1月にオープンしていたとのこと。
 建築が素晴らしいので画像検索してみた。

2011.1/11オープンのニュース映像
 建築と収蔵作品が簡単に紹介されている。
 で、面白いのがダリの絵画に登場するキャラクタのコスプレパレード。残念ながら溶ける時計の扮装はないw。

 建築家はHOK:ヘルムース・オバタ・カッサバウムということみたい。今ひとつ情報が見つからないwので、詳しい方、コメントで補足いただけると嬉しいです。

◆関連リンク
美術界のアクション・フィギュアの巨匠がアーティストを人体改造 | DDN JAPAN / (DIGITAL DJ Network)
 ダリのフィギュアも掲載されている。

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2011.05.19

■感想 成田亨『特撮と怪獣 わが造形美術』『特撮美術論』

成田亨 著, 滝沢一穂 編集『特撮と怪獣—わが造形美術』

"ウルトラマンに結晶したコスモス、怪獣に発見したカオスとは? ウルトラマンとウルトラ怪獣の生みの親で「ウルトラの父」の異名をもつ伝説の彫刻家が、初めて明かす内なる声"

成田 亨『特撮美術』

"日本特撮史の金字塔。驚異のマル秘特撮原理を初公開!『第三次世界大戦』『新幹線大爆破』『ウルトラマン』『突撃!ヒューマン!!』…特撮現場の最前線でスリリングな名場面を創造した著者、40年の集大成!秘蔵写真230点収録"

 TwitterでUotsukiさんとやりとりしていて、読みたくなった本。
 既にいずれも絶版なので図書館で借りて、G.W.課題図書(^^)として読んでみたので、まずは簡単に紹介する。

 僕は、シュルレアリスムと日本の怪獣の系譜をつなげるような視座の評論が読みたいと、ずっと思っている。
 おそらく我々の世代は、幼児期にシュルレアリスムの直撃を、怪獣と70年大阪万博によって受けた世界でも先端の民族wである。
 その嚆矢がどう系譜を作るか/消えていくのか?という命題に凄く興味がある。日本の究極映像研究(^^;)として、主要なテーマであると思っている。

 その視点で、円谷テレビシリーズの怪獣/特撮ビジュアルを作り上げた1人である成田亨氏に興味があり読んでみた。主要な関心は「美術の系譜/シュルレアリスムを成田氏がどうウルトラシリーズに取込んでいったか」である。さて、結果は、、、。

 『特撮と怪獣 わが造形美術』は聞き書き。『特撮美術論』は成田氏自身が書かれている。前者の聞き書きでニュアンスがあいまいな部分も、後者で自身の筆で書かれていることで、合わせて読むことで明確な作家の意志が確認できる。
 前者で氏自身が述べているように、成田氏は非常に理論的に怪獣にアプローチしていたことがわかる。

 特に、怪獣の理論と実践が印象的。
 しかし、残念だったのは読みはじめた僕の目論み、怪獣とシュルレアリスムについてはほぼ述べられていなかった(^^;)。

 成田亨氏、シュルレアリスムというより、やはり上のtwitterリンク先でUotsuki:魚月さんも書かれている「半抽象」ということがポイントになっている。
 成田亨氏は、武蔵美大で造形を学び、影響受けたのがリン・チャドウィックとピカソと言っている(『特撮と怪獣』P111)。リン氏の造形は日本語での画像検索"lynn chadwick"英語での画像検索を参照。

 シュルレアリスムかどうかはともかく(^^;)、成田亨氏が影響を受けたという「半抽象」の彫刻家リン・チャドウィックの作品を見るとウルトラ怪獣かエヴァの使徒かという大胆な形態である。とくに"Inner Eye"という作品などは、まさにヱヴァの使徒(^^;)。
 あきらかに西洋の抽象的な造形美術の影響が、ウルトラ怪獣に影響を与えていたことが確認できたのは、大きな収穫であった。

 一方、元々のテーマ設定「怪獣とシュルレアリスム」ということでは、成田亨氏の美術監督/デザインを受けて、実際に怪獣を造形物として作った高山良策氏の系譜が重要かもしれない。
 日本にシュルレアリスムを紹介した画家 福沢一郎に師事していたシュルレアリスムの作家高山良策氏。

 たとえば、福沢一郎の絵「牛」という作品、シーボーズだ。と思ったら展示会『福沢一郎絵画研究所展〜進め! 日本のシュルレアリスム』でそう紹介されていたというネットの記事が出ていた。
 このリンク先の記事で触れられている展覧会場の映像は、以前感想を述べた造形家・高山良策を追った実相寺昭雄監修の『怪獣のあけぼの』という番組のことかもしれない(?)。

 いずれにしても、この観点では、高山氏が「宇宙船」誌で連載された「怪獣製作日記」が出版されていないのが残念である。

■ポイントの備忘録
 上で述べた二冊は、現在いずれも絶版で、Amazon中古価格『特撮と怪獣 わが造形美術』は約1.1万円、『特撮美術論』は約3.5万円。
 手元にほしいが、とてもこの値段では無理である。確認したい時は図書館で、もう一度、借りることとしよう。

 絶版でなかなか眼にする機会も少ない貴重な本。そこで、備忘録として以下自分が気になった部分をメモしておく。本書を読みたいと考えている方は、参考にしていただきたい。

◆『特撮と怪獣 わが造形美術』

" 創作のインスピレーションは、彫刻の場合は、デッサンをする以前に、今度はこんなものを作ろうというのが、なんか沸いてくるんです。
 腹の中からずっーとこう沸き上がってきたものを、鳥に置き換えていくと、その時に鳥の抽象化が起こってくるんです。
 沸き上がってきたものってのは、感情っていうか、普通われわれはエモーションというけどね。感動と言うけど。(P110)

 マリノ・マリーニの馬の荒々しい豪快。ペリクレ・ファッツィーニの馬の流麗。アルベルト・ジャコメッティの犬の生命感。それらの作品には、人の意外性をつく感動があった。それよりも、僕の頭に充満していたのは、パブロ・ピカソの山羊の構成、リン・チャドウィックの「アニマル」と題する作品群でした。
 抽象的形態と言っても、完全に抽象化してしまうと大衆から遊離してしまう。かつての岡本太郎さんの宇宙人のデザインがそうであった。(P158)

(ミニチュアの超遠近法について)建物のミニチュアそれ自体に遠近法をつけてしまわないと、実際の遠近法にならないわけです。だから建物に遠近法をつける。(P120)

怪獣デザインの原則
1. 過去にいた、または現存する動物をそのまま作り、映像演出の巨大化のトリックだけを頼りにしない。
2.過去の人類が考えた人間と動物、動物と動物の同存化合成表現の技術は使うが、奇形化はしない。要するに「ウルトラ」怪獣は化けものにはしない。
3.体に傷をつけたり、傷跡をつけたり、血を流したりはしない。(P145)

僕の考えでは、それは人間の存在とそれを超えたもの、神、あるいは鬼への畏敬か、恐れなんです。(P152)

 例えば、「ピット星人」なんかもそういうアンバランスなデザインの宇宙人じゃないですか。ま、トンボって言えばトンボでしょうけど。
 そのへんが、シュルレアリスム的手法を用いているなんて言われる原因でしょうね。そうだと思います。(P216)"

 シュルレアリスムについてはこの記述のみ。

 あと、焼け跡を描く時のミニチュアの「逆遠近法」。カメラの移動で奥の景色が動かないようにする、とか面白く読んだ。

◆『特撮美術論』

"怪獣の定義
1.怪獣は怪獣であって妖怪(お化け)ではない。だから首が二つとか、手足が何本にもなるお化けは作らない。

2.地球上のある動物が、ただ巨大化したという発想はやめる。

3.身体がこわれたようなデザインをしない。脳がはみ出したり、内蔵むき出しだったり、ダラダラ血を流すことをしない。(P104)

文化の七面体。美 善 真 用 新 益 創(P17)

特撮映画のリアリズムは自然の再構築です。
私たちの最後の勝負はスクリーンという平面なのです。
空間感覚と平面感覚の両方の感覚を行ったり来たりしながら作らなければなりません。
スクリーンという平面に写ったものがリアルでなければならないのです。(P26)

絵画史に遺るような名画でも、雲とか波は無視されたように描かれていません。(略)特に印象派以後の近代絵画では、雲は無視されてきました。(P46)

錯視遠近法による無重力空間を創り出し、映像化しようと思うのです。現在、いくつかの四次元無重力セットの考えを持っていますが、これはその一例です。(P152)"

 最後の一文には、エッシャーの騙し絵のようなデザイン画が添えられている。これは是非、映像化してほしかった。

 あと図版も数多く掲載されていて興味深かったが、『第三次世界大戦 四十一時間の恐怖』ゴールデンゲートブリッジの超遠近法ミニチュアが圧巻。これはLIFE誌に、一頁大で掲載されたとか。この映画はテレビで一度だけ観たことがあるが、原水爆戦の描写が凄かった。
 成田氏は『樺太1945年夏 氷雪の門』の特技監督をつとめられたらしいが、ここでも燃える町のミニチュアセットの写真が掲載されている。これらに付けられた文章で、戦中の焼け跡経験を語られているが、戦後の特撮映像に大きく戦争の傷跡が影響していることが明確な発言として記録されている。

◆関連リンク
成田亨 - Wikipedia
 こちらには、上の二冊からの記載が多く掲載されている。
福沢一郎 - Wikipedia

"1924年から1931年にかけてパリに遊学する間に絵画制作へと移る。ジョルジョ・デ・キリコやマックス・エルンストに影響を受け、昭和初年にシュールレアリズムを日本に紹介した。多摩美術大学、女子美術大学教授をつとめた。"

高山良策 - Wikipedia

"23歳。退役して帰国後、田辺製薬図案部に就職。また、本郷にあった福沢一郎の絵画研究所で学ぶ。福沢は当時、シュルレアリスム絵画を描いており、その影響をうける。"

リン・チャドウィックの詳細 - 作家詳細情報 - 徳島県立近代美術館

"モビールとともに構成的作品を制作するが、昆虫や動物を題材にした象徴的作風を経た後に、人間をモチーフとして鋭角的な面取りを行なう表現を展開する。"

 雑談だけれど、リン・チャドウィックで検索すると、『バタリアン4,5』に出たという女優のエイミー・リン・チャドウィック関連の画像が多く混入(^^;)。

・当Blog記事
 『怪獣のあけぼの』造形家・高山良策を追った実相寺昭雄監修番組

 

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2011.05.18

■動画 名和晃平 "PixCell-Model-Leopard" @ULTRA FACTORY 京都造形大

YouTube - 名和晃平 PixCell Leopard@ULTRA FACTORY
 昨日紹介した名和晃平氏の「シンセシス展」でも展示される"PixCell"と名付けられた作品を立体的に紹介したいと考え、以前2008.9月に記事で紹介した京都造形芸術大 ウルトラ・ワーク・イン・プログレス 『ULTRA FACTORY ウルトラファクトリー展』にて撮ってきた自分のビデオを編集して、展示作品 "Leopard" の紹介動画を作成した。

 大小のガラス玉の美しい光を、造形物を回り込んで写しているので、立体感をお楽しみいただければ幸い。ULTRA FACTORYの秘密基地的な様子も見られます(^^)。
 観た当時の紹介文を以下に再掲。

" なかでも嬉しかったのは『THE POWER OF JAPANESE CONTEMPORARY ART』の表紙で知って一度観たいと思っていた名和晃平氏の作品が観られたこと。

 「PixCell」と名付けられた彫刻概念は下の写真のように透明のガラスビーズで物体(時には剥製)の表面を被覆したもの。 
Horz

「物体のテクスチャーや色は、無数の小部屋(Cell)の中に取り込まれて解体され、イメージの要素(Element)の集まり、つまり「映像の細胞」(PixCell)という新たなビジョンにおいて提示される」(ULTRA PROJECT catalogより)。

 今回の作品は豹。無数のガラス球の大きさのバランスとか、透明感を持って映し出される周りの光景であるとか、いつまでも観ていたくなる奥深い映像美である。まだ制作途中で裏面に回ると元の物体が生々しく見える。
 ガラス球からウルトラファクトリーを眺めるPixCellな豹の視点が、観る者の想像力をいたく刺激する。冷徹な視線はファクトリーの熱い現場をどのように観察していたのだろう(って豹はその現場にいなかったのかも)"

 本作品は、ULTRA FACTORYで名和氏が制作中に、その過程を公開されたものなので完成品ではない。しかしある意味、造形の過程のガラス玉の奥のテクスチャが見られるのが貴重かもしれないと思う。

japanese contemporary art: Japan at 40. Art Basel.

"Kohei Nawa, PixCell-Model-Leopard, 2008"

 こちらで完成品が展示されたらしい。作品名は"PixCell-Model-Leopard"となっているので、豹であるのは間違いないだろう。

◆関連リンク
神秘的・幻想的・アンビエント フリー音楽素材

"夜と共に耽る 2分50秒/2.56MB アンビエント"

 動画にはこのサイトから著作権フリーで公開されている音楽を使用させていただいた。音楽を作れない僕は、こうしたフリー素材を公開いただいている方に、本当に感謝です。素晴らしい音をありがとうございます。

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2011.05.17

■「名和晃平─シンセシス展」KOHEI NAWA SYNTHESIS@東京都現代美術館

Horz

「名和晃平─シンセシス展」
東京都現代美術館|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO

 プレスリリース(PDF)

"「Cell」という概念をもとに、先鋭的な彫刻・空間表現を展開する名和晃平(1975年生まれ)の個展を開催します。 名和はビーズやプリズム、発泡ポリウレタン、シリコーンオイルなど流動的な素材・メディアを情報社会における感覚や思考のメタファーとして扱い、デジタル とアナログの間を揺れ動く身体と知覚、感性のリアリティを多義的に表現します。 BEADS/PRISM/LIQUID/GLUE/SCUM/DRAWINGなどのカテゴリーに新たな展開を加え、音楽やファッション、プロダクトデザイ ン領域とのコラボレーション、パブリックアートなど、国際的に活躍する作品世界の魅力を紹介します。

会期:6/11(土)〜8/28(日)
休館日:月曜日 ただし7/18, 8/15, 22は開館、7/19は休館
会場:企画展示室 地下2階
時間  10:00 〜 18:00(入場は閉館30分前まで)
    ※節電等の影響は予め御確認の上、来館下さい。
スタッフ 企画=森山朋絵(学芸員)/広報=小原久実子"

 「名和晃平─シンセシス展」公式サイトは製作中だけれど、プレスリリースのPDFに掲載された展示作品の写真が素晴らしい。

 僕は以前記事にした京都造形芸術大 ウルトラ・ワーク・イン・プログレス 『ULTRA FACTORY ウルトラファクトリー展』にて、大小のガラス玉で構成された豹を観た(この時の動画 名和晃平 "PixCell-Model-Leopard")。

 トップに掲載した写真と同じく、動物の姿の造形に大小種々のガラス玉を付けたもの。写真だけではわかりにくいけれど、四方から眺めた時の光の変化が素晴らしい。

Kohei Nawa PORTFOLIO BEADS(名和晃平氏公式HP)

"PixCell - ...... (Beads) 対象となる物体の表面を透明のガラスビーズで被覆することで、物体そのものの存在を「光の殼」で置き換え、「映像の細胞」(PixCell)という新たな ビジョンを提示する。 動物の剥製はすべてインターネットで収集。オークションサイトを検索し、モニター上にPixelとなって登場するイメージのなかから選ぶ。しかし、購入し て実際に送られてきた本物の剥製は手触りや臭いが生々しく、イメージとのギャップがある。それらを今度はPixCellに置き換えていく。"

 PixCellと名付けられたガラス玉の作品が、たくさん掲載されている。
 またその他の彫像作品も見もの。

◆関連リンク
・同時開催はこちら
 フレデリック・バック展/L'Homme qui Plantait des Arbres

"アカデミー賞を2回受賞したフレデリック・バック(1924年ザールブリュッケン生まれ、モントリオール在住)。スタジ オジブリの協力のもと、本展は、アニメーション「木を植えた男」の映像をはじめ、代表作の原画や戦前のフランス在住時のドローイングなどおよそ1000点 にのぼる貴重な作品により、環境や先住民の文化をはじめとする、今日的な課題への洞察に富む作品世界を本格的に紹介する初めての試みです。

会期:7/2(土)〜10/2(日)
休館日:月曜日 ただし7/18, 8/15, 22, 29, 9/19, 26は開館、7/19は休館
会場:企画展示室 3階、1階"

PixCell via PRISMOID 名和 晃平 | Art Editions Concept | iida
 名和氏の携帯コンセプト、iida。同等のガラス玉のイメージ。
山口 裕美『THE POWER OF JAPANESE CONTEMPORARY ART』(amazon)

japanese contemporary art: Japan at 40. Art Basel.

"Kohei Nawa, PixCell-Model-Leopard, 2008"

当Blog記事
京都造形芸術大 ウルトラ・ワーク・イン・プログレス 『ULTRA FACTORY ウルトラファクトリー展』探訪記・1
 この時、展示されたのは、すぐ上のリンクを参照。
名和晃平のTシャツ
 展示会はこのユニクロのアートTシャツを着て行きたい(^^)

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