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2011年2月6日 - 2011年2月12日

2011.02.11

■YKBX 作 PV『夏を待っていました/amazarashi』

2010年 文化庁メディア芸術祭 エンターテインメント部門 優秀賞 夏を待っていました/amazarashi | 文化庁メディア芸術プラザ
(「第14回文化庁メディア芸術祭」: ひねもすのたりの日々経由)

"YKBX

1979年生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業。各種映像作品のディレクションや制作に加え、イラストレーションやグラフィックデザインなどを手掛ける。トータルアートディレクションを目指した作品を数々制作し、国内外の映画祭やイベントで高く評価される。"

 他でなかなか観たことがないような不思議な感覚の、魅力的な映像。
 奇怪なてるてる坊主。回転する光と煙と日本語の文字。
 エフェクトとカット割が秀逸で、目を心地よく刺激する。何度も観たくなりますね。

◆関連リンク
amazarashi | movie
 こちらにもう一本のPVがあります。
 ♪クリスマス♪って曲の、砲塔てるてる坊主(?!)との空中戦とか、ドキドキする。これもYKBX氏のアニメーション。
yokoboxxx (YKBXさんの公式HP)
 

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2011.02.10

■感想 シネグリーオ製作・冨永昌敬監督『アトムの足音が聞こえる』

Photo

映画『アトムの足音が聞こえる』公式HP

◆業務連絡(^^)

 先週の記事 シネグリーオ製作・冨永昌敬監督『アトムの足音が聞こえる』試写会プレゼントに応募いただき、有難うございました。
 応募は4名様でしたので、全員の方に、試写状をお送りさせていただきました。
 お楽しみいただければ、幸いです。
 あと1枚、試写状がありますので、上記記事に書いてある注意事項を読んでいただいた上で、記事にある宛先へ、メールいただければ、先着でお送りするようにしますw。
2/10 23時追記。
 さっそく本日、試写会ご希望のメールいただきましたので、締切らせていただきます。

◆『アトムの足音が聞こえる』感想
 
 企画・プロデューサーの坂本雅司さんから試写状の後、本篇のサンプルDVDをお送りいただいた。地方在住で試写会へ参加できない私に、ここまでしていただいて大変、ありがたい。

 音響をテーマにした映画ということで、僕の貧弱なスピーカーでは心もとないが、さっそく拝見した。(映像は当研究所の100inchスクリーンの家庭用DLP上映なので、そこそこ映画的環境になっていると思う(^^;;))

大野松雄〜宇宙の音を創造した男〜@草月ホール - One Way To The Heaven

"僕がいままで追求してきた、この世に存在しない音、「この世ならざる音」というものを、やっぱり今でも探し続けている。それが今回、何かひとつのかたちとなって現れたら有り難いな、と思っています"
———— 大野松雄"

 まさに「この世ならざる音」を生涯かけて追求している音響デザイナーの静かだけれども、気迫に満ちた姿勢を見事にとらえたドキュメンタリー。

 冒頭で音響効果マンの著名人の方々が、映画/アニメにとっての音の重要さを様々な形で示される。
 ここを見ながら、自分の記憶をたどり、国産初のTVアニメ『鉄腕アトム』に、僕がどんな印象を持っているかを思い出していた。
 実は意識していなかったのだけれど、想像以上に自分の中に、音によるアトム世界の構築がなされているのに気づく。
 今、見ると、御世辞にもうまいとは言えない、リミテッドを極めるあのアニメ映像が、大野の電子音によって、不思議な暖かみと未来感覚を伴って迫ってくる。
 だがそれは、以前に円谷作品について書いた、あの映像に刷り込まれたノスタルジーと判別のつかない圧倒的な質感とは別物だ。
 僕らのアニメ映像に肥えた眼に映るのは、やはりチープとしか言いようのない映像。しかしあの音とのコンビネーションで、ある質感を獲得しているのがわかる。

 それが何なのかは、僕にはちゃんと分析できていないのだが、「この世にならざる音」に焦れて、まるでDJがレコードをスクラッチするように、オープンリールの音響テープを手でヘッドにこすりつけて、不思議な音を作る大野氏の挑戦に、その一端があるのだけは、しっかりとわかる。
 これは、もし『鉄腕アトム』の音響がどこにでもある町の音だけで構成されていたら、と想像すると容易にイメージできるだろう。

 ディズニーもフライシャーも知らない田舎の幼児にとって(僕です)、生まれて初めてみる動く絵であった『鉄腕アトム』。絵の動きもだけれど、あの音の持つ未来感覚は格別のものだったと、再奥の記憶領域が僕の意識に働きかける、なんちゃって。

 後半、現在の大野氏の生活の中心を成す、あざみ寮・もみじ寮がドキュメンタリーの舞台となる。
 寮で年に一度開催される芝居のシーンもなかなか凄い。
 歌は素朴に「僕らはみんな生きている」だが、冨永監督はその音を極端にしぼって、大野の音響を上から被せている。
 そしてあの極彩色に彩られた老人たちの演技が始まった時、映像はその音と相まって、どこかこの世ならざる舞台を眼前に立ち現す。80歳になって、なおこうした場でも自分の姿勢を崩していない大野氏の立ち姿が素晴らしい。

※この記事の文末、「関連リンク」の下に、ネタばれの感想も書きます。

 本来、公開前の映画で物語映画のネタばれとは違いますが、映画の本質を表現し観客に感慨を与えるシーンであるため、書いてしまうのは迷いました。
 ただ、どうしてもラストのセリフが、僕のこのBlogにとって、必須の感慨深いセリフだったために、ネタばれ注意の表記とともに、書いてしまうことにしました。
 もし関係各位から削除要請があれば削除する前提で、まずは掲載することとします。かなりこのBlog固有の感慨であるかもしれず(^^;)、なかなか複雑なのですが、、、。

◆その他 感想メモ

・電子音響についての歴史も映画の中で、紐解かれているが、ドイツのカールハインツ・シュトックハウゼンや、黛敏郎/諸井誠「7のヴァリエーション」とか、大野に刺激を与えた、音の探求者についての初見も映画の中で語ってほしかった。

。映画の中での音の表現。音を時間の波として、線画で音の強弱のみを示していたが、これをFFT:スペクトルの波形で周波数と音圧をカラー化して示していたら、もっと映画的でよかったかもしれない。

・他に、若者のオープンリールを自動演奏するバンドOpen Reel Ensembleとか、レイ・ハラカミの曲「put off and order」remixed by 大野松雄(「レッドカーブの思い出」('01)より)とか、今日の大野の活動も興味深かった。

・宇宙戦艦ヤマトの柏原満、ガンダムの松田昭彦の両氏が、各々の作品の効果音について、実例で語る。こうしたシーンも貴重。

◆関連リンク
CD 『 [大野松雄の音響世界(2)] 「そこに宇宙の果てを見た/「惑星大戦争」電子音響』

"大野松雄3枚同時リリースの2枚目は、大野松雄の代表作の初CD化。宇宙をイメージした恐ろしいまでに内面に働きかける電子音響世界。心臓も凍るような ディープな響きは、幻想的なトリップを経て、奈落の彼方へと落ちてゆく。オリジナルは1978年東宝レコード。さらに、同時期に制作された『惑星大戦争サ ントラ』(東宝レコード)内の音楽にかぶせるために制作された電子音部分のマスターテープ(約20分)も発見され、特別付録として同時収録。"

 映画であまり多くは聴けなかった大野氏による「この世ならざる音」。
 このCDにたっぷりと未知の宇宙の音が描かれているようです。リンク先で試聴できます。
蒸気幻楽の青: Open Reel Ensemble
 ステージで5台のオープンリールテープレコーダが自動で音響を奏でる。
 そして彼らが大野氏にハウリングの効果的な使い方を伝授される。
YouTube - Rei Harakami レイ・ハラカミ - Double Flat (Max 404 Mix) (Opa*Q, 1999)
CD  [大野松雄の音響世界(1)] 『 鉄腕アトム・音の世界/大和路/Yuragi・他』
CD [大野松雄の音響世界(3)] 「『はじまり』の記憶」


 

★★★★★★★ネタばれ、注意★★★★★★★
未見の方は、決して、読まないで下さい。

続きを読む "■感想 シネグリーオ製作・冨永昌敬監督『アトムの足音が聞こえる』"

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2011.02.09

■感想 『不思議の国のあぐ作品展VI 』@ 名古屋 ギャラリー「アートグラフ」

Img_2461

ギャラリーアートグラフ 不思議の国のあぐ作品展Ⅵ
 以前、記事にした『不思議の国のあぐ作品展VI 』に行ってきました。

不思議の国のあぐ 作品展 | Sipka 公式ブログ

"「不思議の国のあぐ作品展 Ⅵ」
12/18(土)〜2/21(月)
※13:00-19:00 (月曜 13:00-17:30)
火,水曜日 休館。
ギャラリー アートグラフ
〒464-0821 名古屋市千種区末盛通4丁目13番地 第二富士ビル2F
tel (052)762-6223"

 場所は地下鉄本山駅から広小路通を西へ150m、大通りに面したビルの2F。ちょっとわかりにくいので、Google Mapに示しますので、チェックして行って下さい。広小路通に面した階段の前に、写真のような看板が立っています。

◆展示作品
 展示/販売は、40数点のオブジェに加えてエッチング8点、そしてコマ撮りのアニメ2作品。
 アニメは、切り絵コマ撮りとマペット他のコマ撮り各10分/本ほどの短編で、ギャラリーの奥を簡易的にカーテンで仕切って、ソファ他、椅子(全8席ほど)に座って60インチほどのスクリーンで観るというDVDによるプロジェクタ上映。
 人がある程度揃うと、随時、画廊のスタッフが声を描けて上映されている。家庭用の椅子に詰めて座るので、なんだかホームシアターでアットホーム。
 DVDは各2500円で販売されているが、僕が行った時は残念ながら売り切れていて入荷待ちだった。

 作品の販売価格は、小さな人形が2万円ほど、凝った物は10-20万円というところである。どれも欲しいのだけれど、研究所の予算は緊縮ゆえ、残念ながら、とても手が出ませんでした。

◆ギャラリーの雰囲気と触覚の発動!
 僕が行ったのは土曜の午後だったが、10畳ほどの横長の店内は僕を入れて7人のお客さんとギャラリーの方(オーナー?)でかなり人口密度が高かった。チェコアート関係と同じく若い女性が多い。今回はギャラリーの方が僕より御年配で会場で浮かなくてすみましたw。
 気さくにギャラリーの方が、各作品を説明して下さり、加えて嬉しいことに作品を手に取って動かしてみて下さい、と言っていただく。
 基本的に造形作品は触ってみて初めて鑑賞できるはず(^^;)と、触覚の芸術家ヤン・シュヴァンクマイエルの教えを受けたw私は、こうして触れる展示は素晴らしいと思う。これであぐさんの作品の触覚は、僕の記憶に蓄積されました(^^;)。これから写真を見たら、触覚の記憶を探ります。

 せめて写真に、と思ったのだけれど確認すると、当然のことながらNGとのことでした。皆さんに写真でお伝えできないのは残念ですが、しっかり記憶に留めました。でもいつか貯金して買いたい!と思わせる強い引力。
 写真は紹介できないので、是非、近郊の方はギャラリーへ。
 遠方の方は、下記の関連リンクに幾つか写真のあるサイトを紹介していますので、そちらで是非に。

◆オブジェ
 先週のアクセサリー・セレクトショップ・sipka-シプカ-の記事で引用させていただいた同店のあぐさん制作によるオブジェを見ていただきたい。
 木彫り独特の削りのテクスチャーと彫金の融合した奥深いイメージの人形たち。
 個展にあったのは、大きくても20cm程度の割と小ぶりの人形たち。
 あるものはパペットとして操り糸に結ばれ、あるものはこれもあぐさん制作という小ぶりの家具に身を横たえている。
 ギャラリーの方が特に薦めていたのは、手に取って人形に備えられた仕掛けを触ってほしい、ということ。
 例えば、狼のパペット。お腹からお婆さんともう一人の食べられた人間がでてくる仕掛け。
 頭の中に小さな鳥が格納されている人形。
 そしていずれも口が動くような設計になっている。
 木の肌合いと、仕掛けの動きの手の触覚で、人形のイマジネーションが広がっていく。
 
 ギャラリーの方によると、今回の第六回目の個展では作品No.10○○で始まるものが昨年の新作で人形12点。
 10年は、木だけから金属や銅箔の材料の使用が増えてきている。そして樹脂の塗装も白から、琺瑯的な肌合いへと移行してきているという。
 たしかに見比べてみると、それによる人形の魅力がより深くなってきているようで、今後も楽しみである。
 
 そして思ったのが、もっと大きな人形を観てみたい、という気持ち。
 あの細工と作り込みで、大きな人形が表現されたら、そうとうなインパクトを持つのではないかとゾクゾクする。

◆短編アニメーション
 切り絵アニメ『秋のサーカス』と人形アニメ『馬鹿なハエが座ってる』はいずれも2010年の作品で、スロバキア語で作られている。聞いてみると、制作は日本だけれど、あぐさんとスロバキア人のスタッフで作られているとのこと。(タイトルは全てスロバキア語で出てくるので、この漢字使用でいいか不明です)

 あぐさんは、ドゥシャン・カーライの弟子としてスロバキアに行かれていたらしいので、その時のつながりで、スロバキアのスタッフと作られたのだろうか。

 『秋のサーカス』は切り絵でサーカスの情景が描かれる。
 女の子の顔のコマが展示されていたのだけれど、イージ・ノルシュテインに近い方法、つまり動きを描いた顔や体のパーツを置き換えながらコマ撮りする手法で撮られているようだ。
 ハリネズミが出てくるのは、まさにノルシュテインへのオマージュだろう。

 次に人形アニメ『馬鹿なハエが座ってる』。
 こちらには待望のあぐさんの人形が出てくる。そしてクマのぬいぐるみや、展示されている浴槽のオブジェ、手袋が登場。
 かなりカラフルな映像に仕上がっている。

 アニメについては、特に前者は習作的だったが、後者についてはやはりあの人形が醸し出すイメージが素晴らしく、今後も奇想な映像を作って我々を楽しませていただきたい。

 人形の素晴らしさは、ずいぶん雰囲気は違うラインだけれど、シュヴァンクマイエルに迫るものがあると思う。本当に今後が楽しみなオブジェ作家/映像作家である。こういう方が、存分に映像を撮れる環境が整うことを祈りたい。

 ということで、皆さん、2/21までですので、近郊の方は御見逃しなく!!

◆関連リンク
:::Artificial Dreamy Eyeballさん::: : **不思議の国のあぐ作品展VI【081130:日】*** こちらに木のオブジェ作品の写真が一点掲載されている。
静かにめるへんさん | ★★★ 最近のフリ−ダムさ〜ん ★★★
 こちら、2009年の記事。作家御本人と、別の作品の写真。
マロニエ葉書 ~galleryshop Yumi:不思議の国
 2009.5/11-5/18に浜松の由美画廊で開催された個展のレポート。クリックすると拡大する作品4点の写真あり。
アート情報/展覧会(東海)/不思議の国のあぐ作品展−朝日マリオン・コム

"スロバキアで約1年半、版画を学び、彫刻、立体工芸、映像も手掛ける。人形とその家を組みあわせた立体や彫刻約40点とエッチング8点。ドローイングをもとにした短編アニメーション=写真=などの上映も。"

・matca * shop-blog | 素敵アートに出会う
 2007年の作品展のレポート。以前は自由に写真を撮らせてもらえたみたいです(^^)。
不思議の国のあぐ作品展 - Google 画像検索

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2011.02.08

■チェコの新鋭シュルレアリスト ヴァーツラフ・シュヴァンクマイエル:Václav Švankmajer 絵画作品

20110206_05206

Welcome - Václav Švankmajer(公式HP)
Galerie 2009/10 - Václav Švankmajer

 昨日に引き続き、チェコシュルレアリスムの最新の成果、ヴァーツラフ・シュヴァンクマイエルの絵画について。

 冒頭は氏のHP Galerie 2009/10に掲載されたヴァーツラフ・シュヴァンクマイエルの油彩作品。ため息が出るくらいの幻想性をたたえていると思いませんか。

 公式HPのGalerieには、彼の2000年からの作品、百数十点が掲載されている。
 いずれもまさに東欧シュルレアリスムといった絵画。

 しっかり上のリンク先を観てほしいのだが、時間のない方のために、下記にいくつか最近の絵を引用する。

03

 どうだろう、この赤の鮮烈なイメージ。
 特に赤い作品だけを取り出した訳ではない。例外はいくつもあるが、赤い色彩の作品がかなり多いのだ。

 僕がこの絵で思い出すのは、ヴァーツラフ・シュヴァンクマイエルの母、エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーの絵である。
 下記の関連リンクに過去記事へのリンクを掲載したが、僕の大好きな彼女のメディアム・ドローイング作品と通じるところがあると思う。
 そしてもうひとつは、ヤン・シュヴァンクマイエル作品におけるエヴァの美術である。
 ヴァーツラフのこれらの作品を観た時に、赤を多用した彼女のアートは、大きくその息子に影響を与えていると思うのは僕だけではないはずである。

 2月のヤン・シュヴァンクマイエルの来日時のトークショーで質問タイムがあれば、(そして僕が参加できれば)こういったことを尋ねてみたい。そしてヤンは自身の映画に、美術のメインスタッフとしてヴァーツラフを招き入れる可能性とか(^^)。

 この絵画のような、幻惑的な美術のヤン・シュヴァンクマイエル作品も観てみたい。

◆関連リンク
Václav Švankmajer - GALERIE GAMBRA
 チェコのシュルレアリストの拠点 ガンブラ・ギャラリーのヴァーツラフ作品。

・当Blog過去記事
 GAUDIA(ガウディア)造形と映像の魔術師 シュヴァンクマイエル
 エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー回顧展カタログ
  これらの記事の中段にエヴァのメディアム・ドローイング
 『深井克美―未完のランナー』 とエヴァ・シュヴァンク毎エロアヴァーの関連
 造形と映像の魔術師 シュヴァンクマイエル展 幻想の古都プラハから
 エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーさん 逝去

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2011.02.07

■ヴァーツラフ・シュヴァンクマイエル監督:Václav Švankmajer "Světlonoš (The Torchbearer)"

Světlonoš (The Torchbearer) part2/2 - YouTube
 チェコシュルレアリスムの最新の成果を紹介する(と言っても2005年なんですが...日本のサイトでは紹介しているところがないので「最新」ということで許して下さい(^^;))。
 以前の記事 Vaclav Svankmajer で紹介したヴァーツラフ・シュヴァンクマイエル監督の"Světlonoš (The Torchbearer)"、25分の人形アニメーション作品である。

 冒頭のイラスト画のアニメーションから、鮮烈なパペットのストップモーションアニメへ。リアリズムの物語の中に、奇想が入り込んだような作風。シャープで鮮烈なイメージの映像である。

 城へ潜入していく騎士に立ちふさがる危機の物語。ここの難攻不落の迷宮を突破していく映画としての拮抗も、セリフなしでここまで見せるのは、なかなか凄い。

 そして、端正なレイアウトの画に、不協和音のように入るシュルレアリスムの具像。メカニカルなオブジェと、パペットが操る天空の奇怪な天使。

 ラストまで、息をつかせぬシュールでエンタテインメントな一作をお楽しみ下さい。上のYoutubeは、前篇後篇に分かれています。

◆ヴァツラフ・シュヴァンクマイエル監督 情報

Welcome - Václav Švankmajer (公式HP)
 Galerie 2000-05 - Václav Švankmajer

 映画のイメージスケッチが、"Galerie 2000-05"(たぶんその一部)に置かれている。
 Film - Václav Švankmajer

 同監督のフィルム作品は現在、3点。本作"Svetlonos"が最新作である。
 既にこの作品から6年経過するので、そろそろ新作が登場するかもしれない。
 上の各リンクで、メイキング写真、絵コンテが掲載されている。
větlonoš - Václav Švankmajer 本短編クレジット。

"The Torchbearer 2005 25min 35mm Kodak (Format: 1.66)
color animation/puppet
Director/Screenplay/Art Designer : Václav Švankmajer
Camera: Martin Štěpánek
Animation: Martin Kublák
Edit: Martin Knejp
Production: Barbora Fabiánová, Vratislav Šlajer
Music/Sound effects: Envoi
Company: FAMU,Athanor,Bionaut,Česká Televize"

Václav Svankmajer - IMDb

"Trivia: Son of Jan Svankmajer and Eva Svankmajerová. Born: October 17, 1975 in Prague, Czechoslovakia (now in Czech Republic)"

 最後に、このヴァーツラフ・シュヴァンクマイエルは、ヤン・シュヴァンクマイエルとエヴァ・マイエロヴァー夫妻の、1975年に生まれた息子である。
 (夫妻にはもう一人1963年生まれの娘Veronika:ベロニカがいるが下記ガンブラギャラリーのHPには彼女の作品は掲載されていないので、シュルレアリスム作家ではなさそうです)。

 比較して観るのは、これだけの作家に対して失礼とは思いつつ...。
 ヤン・シュヴァンクマイエルに比べると、素朴さ、ユーモアのようなものがなく、シリアスな作風に見える。どちらかというとクエイっぽい(^^)。
 この点で、日本において、ヤンほどの人気が出るかどうかは予測できない。

 ただしエンタテインメント作品としては、前述した物語性とシャープな幻想性で、いままでシュヴァンクマイエルに馴染めなかった人びとに訴求する力がありそう。僕はこの短編で、なんだか押井守を連想したのだけれど、いかがだろうか。
 
 最後に、この作家、強烈なイメージと物語性を語れる手腕があるので、是非とも長編映画を撮ってほしいものである。今後の展開に期待して、公式HPを定点観測していきたいw。

 そして以降は、明日のヴァーツラフ・シュヴァンクマイエルの絵画についての紹介記事へと続く。

◆関連リンク
Švankmajer Official Japan - Švankmajer Official Japan Website
 最近できたヤン・シュヴァンクマイエル 日本公式HP(現在準備中ですね)。
Home - GALERIE GAMBRA
 チェコシュルレアリスムの拠点、ヤン・シュヴァンクマイエルとエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー夫妻の個人ギャラリー:ガンブラ。
ヴァーツラフ・シュヴァンクマイエル作品 Vaclav Svankmajer

"1998 - R.Y.B.A. 073
1999 - TEST
2005 - Světlonoš (The Torchbearer)
2005 - Čarodějka (přípravné práce)"

YouTube - Světlonoš — Torchbearer 予告篇

・当Blog過去記事
 ヴァーツラフ・シュヴァンクマイエル作品 Vaclav Svankmajer

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